当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間における日本経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復が続きました。一方で、物価上昇の継続による個人消費の下振れリスクの高まりや米国の通商施策の動向、地政学リスクの上昇、不安定な円相場による影響等、依然として不透明な事業環境が続いております。
当社を取り巻く事業環境は、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版市場は継続的に拡大しており、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2025」によると、2025年度の成長率は4%程度になると予測されており、今後も電子書籍及び電子コミックの市場規模は緩やかな拡大が続くことが予想されております。
このような市場環境の中で、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては、継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は8,332,274千円(前中間連結会計期間比12.0%減)、営業利益は499,862千円(前中間連結会計期間比42.7%減)、経常利益は467,949千円(前中間連結会計期間比44.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は206,324千円(前中間連結会計期間比53.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プラットフォームセグメント)
プラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、「お得感No.1」戦略による課金意欲の高いロイヤルカスタマーへの育成を継続するとともに、「まんが王国」内にて、一定時間経過するごとに1話が無料で読めるサービス「待ちコミ」の提供を開始し、幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行いました。
一方で、ライトユーザーの獲得・定着を図るため、前期よりライトユーザーを中心とした広告運用を行い、新規ユーザーの獲得が進んだ反面、当初の想定よりヘビーユーザーが減少した結果、「まんが王国」の売上高は前中間連結会計期間比13.4%減となりました。
また、2025年3月には当社オリジナル作品「夜蜘蛛は蜜をすう~結婚詐欺師と堕ちる女~」を原作としたショートドラマが、ショートドラマアプリ「BUMP」にて配信されました。
利益面においては、広告宣伝費を中心とした営業費用が前中間連結会計期間比で減少いたしましたが、売上高の減少に伴い、売上総利益についても前中間連結会計期間比で減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は5,231,108千円(前中間連結会計期間比14.5%減)、営業損失は50,271千円(前中間連結会計期間は営業利益274,335千円)となりました。
(コンテンツセグメント)
コンテンツセグメントにおいては、デジタルコンテンツを中心に、発刊点数の増加、電子書店ごとの特性や読者ニーズに沿った販売促進活動を積極的に行いました。また、紙出版においては、紙出版市場の縮小を鑑み、配本部数の管理及び価格設定等のコストコントロールを実施いたしました。
デジタル出版においては、読者の嗜好性に合わせたコンテンツの創出とジャンルの拡大を推進した一方で、前期における販売促進活動の奏功による増収効果の反動等から、売上高は前中間連結会計期間比1.8%増となりました。
紙出版においては、配本部数のコントロール及び雑誌の隔月化や休刊を実施した結果、売上高は前中間連結会計期間比27.0%減となりました。
このほか、2025年4月にはぶんか社から2作品がテレビドラマ化し、「黒弁護士の痴情 世界でいちばん重い純愛」がTOKYO MXにて放送、「子宮恋愛」が読売テレビにて放送されました。
利益面においては、デジタル出版収益が前中間連結会計期間比で増加した一方で、紙出版収益が前中間連結会計期間比で減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は3,221,900千円(前中間連結会計期間比6.5%減)、営業利益は550,038千円(前中間連結会計期間比8.0%減)となりました。
(2) 財政状態の状況
① 資産の部
当中間連結会計期間末における資産合計は16,132,057千円となり、前連結会計年度末に比べ1,162,522千円減少しました。
流動資産は7,775,189千円となり、前連結会計年度末に比べ804,715千円減少しました。これは主に、現金及び預金が661,099千円、売掛金が135,906千円減少したことによるものです。
固定資産は8,356,867千円となり、前連結会計年度末に比べ357,807千円減少しました。これは主に、無形固定資産が386,534千円減少したことによるものです。
② 負債の部
当中間連結会計期間末における負債合計は8,550,664千円となり、前連結会計年度末に比べ1,257,380千円減少しました。
流動負債は7,275,664千円となり、前連結会計年度末に比べ747,380千円減少しました。これは主に、未払金が123,803千円増加した一方で、支払手形及び買掛金が627,298千円、未払消費税等が121,571千円、返金負債が110,560千円減少したことによるものです。
固定負債は1,275,000千円となり、前連結会計年度末に比べ510,000千円減少しました。これは、長期借入金が510,000千円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
当中間連結会計期間末における純資産合計は7,581,393千円となり、前連結会計年度末に比べ94,857千円増加しました。これは主に、利益剰余金が78,269千円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、46.9%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は4,457,626千円となり、前連結会計年度末に比べ661,099千円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における営業活動においては、税金等調整前中間純利益467,949千円から、主な加算項目として、減価償却費178,580千円、のれん償却額295,324千円、売上債権の減少額142,539千円、未払金の増加額123,803千円等がありました。これに対して主な減算項目として、仕入債務の減少額627,298千円、返金負債の減少額110,560千円、未払又は未収消費税等の増減額121,571千円、法人税等の支払額264,176千円等がありました。
この結果、獲得した資金は57,865千円(前中間連結会計期間は1,004,001千円の獲得)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における投資活動においては、主な資金減少要因として、無形固定資産の取得による支出77,730千円等がありました。
この結果、使用した資金は87,454千円(前中間連結会計期間は90,606千円の使用)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における財務活動においては、主な資金減少要因として、長期借入金の返済による支出510,000千円、配当金の支払額127,898千円等がありました。
この結果、使用した資金は631,510千円(前中間連結会計期間は602,936千円の使用)となりました。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。