第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は「健康な未来」という経営理念のもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」を企業行動指針(ミッション)と位置づけております。

高齢者の健康寿命を延伸する社会の実現に向け、リアルでの介護事業とウェブ事業を軸とし、介護現場での課題をウェブで解決、テクノロジーを起点に介護現場の生産性を高める等双方の機能を活用できる強みを活かし、こうしたサービスを必要とされるすべての顧客や介護事業にかかわる方々に提供していくことにより、社会に貢献してまいります。

また、当社は株主、社員、利用者、取引先及び地域社会等当社を取りまくすべてのステークホルダーから信頼され、かつ持続して収益をあげることにより、企業価値を増大することを経営の基本方針としております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、経営方針を実現するため、ヘルスケアプラットフォームの価値向上により事業拡大と新規事業開発を進めるため、以下の施策に取り組んでまいります。

① レコードブック店舗ネットワークの拡大

・全国の大都市圏や地方都市におけるフランチャイズ展開を加速

・企業とのアライアンスを含めたパートナーとの連携強化

② ターゲット層の拡大

・介護保険適用外のヘルスケアソリューションの開発

③ Webソリューション事業の強化

・シルバーマーケティング支援における案件の深耕拡大

・仕事と介護の両立支援における顧客企業の新規開拓強化

④ 経営基盤の更なる強化

・ガバナンス体制の強化

・コンプライアンス体制の強化

 

(3) 目標とする経営指標

当社は、安定した経営と持続的な成長を実現させることを重視し、ROE(自己資本利益率)及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置づけております。高付加価値のサービス提供による効率的な利益の獲得により、売上高営業利益率等を高めていくことで企業価値を高めてまいります。

 

(4) 経営環境

今後における当社の事業に関わる高齢社会に関連する市場は、高齢化率が年々上昇し、ヘルスケアサービスの需要が高まりつつあります。いわゆる「2025年問題」と呼ばれる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることによる介護や医療などの社会保障費の急増が喫緊の課題であることから、健康寿命の延伸に向けて、高齢者の健康維持・向上に重点をおいた短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)の需要は今後も高まることが予想されます。また、1億総活躍社会の実現がうたわれる中で、特に、健康寿命延伸や介護離職ゼロに向けた動きに注目が集まっていることから、当社レコードブック事業や仕事と介護の両立支援サービスについては、サービス需要がさらに高まると予想されます。

一方、介護報酬の改定が3年毎に実施されておりますが、2021年度の介護報酬の改定では、全体としてはプラス改定となり、介護保険制度を将来にわたり安定的に持続させるため、自立支援や重度化防止に向けた一層の取組みが評価されることに加え、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供が求められることとなりました。また、近年の新型コロナウイルス感染症や大規模災害などが発生した場合であっても必要な介護サービスが継続的に提供できるよう、事業継続に向けた計画等の策定も求められております。さらに、介護業界では人材不足が深刻化してきており、人材の確保が重要な経営課題として認識されておりますが、その対応策の一つとして2019年10月に制定された介護職員特定処遇改善加算についても、更なる活用の促進に向けた見直しが行われております。

このような状況の中、当社は今後も「レコードブック」について、特にフランチャイズを中心に積極的に全国展開してまいります。また、政府の介護離職ゼロに向けた取り組みを受けて、Webソリューション事業における仕事と介護の両立支援事業を引き続き積極展開するとともに、シルバーマーケティング支援については、メディカルソリューションの分野での本格展開を目指し、サービスを強化してまいります。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」を行う企業として、業容の拡大と経営基盤の強化に取り組んでおります。

このような中、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大に伴い、国内経済の停滞のみならず世界経済全体でも先行きが不透明な状況が続くことが懸念されます。当社の事業に関わる高齢社会に関連する市場においても、この感染症の問題が収束するまでの間、外出自粛によるサービスの利用控えなど影響が想定されるものの、高齢化率の上昇基調は変わらないことから、中長期的には今後もヘルスケアサービスの需要は高まっていくものと予想されます。このような環境のもと、当社は、引き続き感染拡大防止策を徹底し介護サービスを継続して提供することで社会に貢献するとともに、そこで蓄積してきた顧客基盤やデータ等を活用し事業基盤を更に拡大していくことにより、健康寿命延伸に向けた動きを加速させてまいります。

 

① 業容の拡大に向けた取り組み

・レコードブックの全国展開の加速

健康寿命の延伸や社会保障費の抑制に向け、介護予防分野への注目が高まる中で、リハビリ型デイサービスの果たす役割に期待が寄せられています。大きな成長の見込まれる当分野において、当社はレコードブックの出店を加速することにより、早期のブランド確立及び浸透、マーケットシェアの拡大を図ります。店舗展開を加速するため、全国の主要都市を中心に出店エリアを精査し、地元企業や事業主をオーナーとするフランチャイズ方式での出店の強化に加え、当社とは異なるノウハウを保有する企業や、地元に顧客基盤やブランドを有する企業等との提携による出店も進めてまいります。また、既存の加盟店に対する増店も推進してまいります。

フランチャイズ展開を加速させる上では、フランチャイズ本部機能のより一層の充実も必要であると認識しております。出店エリアの拡大に応じた地方拠点の整備や店舗開発、購買及び出店サポート機能の強化等により、安定的、効率的な出店体制の構築を実現してまいります。さらに、出店後においても、スーパーバイザーによるフランチャイズ加盟店の地域特性等に応じたきめ細やかな経営指導及び店舗運営指導により、加盟店の業績拡大、品質向上、コンプライアンス遵守の推進に努めてまいります。

これらのフランチャイズ本部機能強化にあたっては、研修センターやコンタクトセンターの活用に加え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、多店舗展開を見据えた生産性向上や業務効率化にも努めてまいります。

 

・ケアマネジャー会員ネットワークの活用

当社の運営する「ケアマネジメント・オンライン」は2021年3月末現在約9万9千人のケアマネジャー登録会員を擁しており、当サイトの登録会員を活用したビジネス展開の源泉となっております。シルバーマーケットは、国内における数少ない成長産業であり、多くの競合企業の参入が見込まれる中で、当市場におけるマーケティングの重要性が益々高まっております。当社は、ケアマネジャー会員ネットワークを活用したサービスを開発し、このような成長機会を他社に先駆けて掴むことで、一層の業容拡大を図ってまいります。

また、継続的かつ安定的な受注の拡大を図るためには、現在の取引領域を最大限に拡大することに加え、新たな顧客層の獲得も重要な課題であると認識しております。そのためには、顧客の成長分野をリサーチした上で、これまでの業務ノウハウを活かした隣接領域へのサービス展開及びアプローチを進める必要があります。当社は、メディカル分野を始めとした関連性の高い分野において新サービスの開発や商品ラインナップの拡充に努め、幅広くサービスを提供してまいります。

 

・新規事業(保険外ヘルスケアサービス)の開発

増大する社会保障費が国家財政を圧迫しており、介護保険サービスの更なる充実は期待しにくい環境にあります。一方、高齢者の価値観の多様化により、従来の介護サービスではなく、自身の生活の質の向上に資するヘルスケアサービスを望む方が増加しており、介護保険外サービスに対するニーズが高まっております。当社は、全国展開を進めるレコードブックの店舗網を最大限に活用し、ヘルスケア関連商品の販売や関連サービスの提供等を通じて介護保険外サービスを強化してまいります。これにより高齢者向けサービス領域の拡大を図るとともに、ターゲット層の拡大等も視野に入れた新たなソリューションの開発を進めるなど、早期に当分野におけるビジネスモデルを確立することを目指してまいります。

なお、介護保険外サービスは介護保険サービスと比較し、売上変動リスクや信用リスクが高まることから、これらのリスクを低減するための取り組みも重要な課題であると認識しております。

 

② 経営基盤の強化に向けた取り組み

・優秀な人材の確保・育成

業容の拡大に応じた専門性の高い人材や、有資格者などのサービスを提供する人材の確保・育成は喫緊の課題であると認識しております。教育研修体制や育成プログラムの充実・強化を積極的に進め、人材の定着と能力の底上げを行っていくとともに、継続的な採用活動を通じて、当社の企業理念や風土にあった人材の登用を進めてまいります。加えて、長期的な視点で人材の確保や定着の推進を図るため、従業員が将来展望を持って働き続けることができるよう、能力・資格・経験等に応じた処遇が適切になされる人事制度を設計し、運用してまいります。

 

・内部管理体制の強化

当社が今後さらなる業容を拡大するためには、業務内容の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、規程及び業務マニュアルの運用を徹底し、効率性・有効性を阻害する業務フローの改善に取り組み、内部管理体制を強化するとともに、業務の効率化を図ってまいります。

 

・事業ポートフォリオの分散・拡充

新型コロナウイルス感染症の収束後は社会に様々な変化が生じていることが想定されます。当社は、これまでのノウハウや顧客基盤等を活かしつつ、その変化に対応した事業ポートフォリオを構築し、常に収益源の多様化や収益性の向上を図っていく必要があると考えております。そのため、社内体制の強化に加え、社会の変化によって新たに生じる課題の解決に関し独自の技術を持つベンチャー企業等に対して、企業買収や戦略的提携、資本参加等を必要に応じて行うことで事業ポートフォリオを分散、拡充することにより、中長期的に安定的な経営基盤を確立してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社事業展開上のリスク要因になる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社としては必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、投資判断上或いは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示の観点から記載しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 介護保険制度について

当社の主要な事業でありますレコードブック事業及び在宅サービス事業は、介護保険法の適用を受けるサービスの提供を内容とするため、介護保険制度の改正及び介護報酬の改定の影響を強く受けます。介護サービスに係る単位数、地域区分による一単位の単価及び一人当たりの支給限度額については、介護保険制度等により定められているため、制度改正の内容によっては当社の収益性に影響を与える可能性があります。

介護保険制度は、5年を目処に見直しが行われ、3年毎に介護報酬の改定が行われることとされており、2021年4月に介護報酬の改定が行われました。2021年度の介護報酬の改定では、全体としてプラス改定となり、介護保険制度を将来にわたり安定的に持続させるため、自立支援や重度化防止に向けた一層の取組みが評価されることに加え、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供が求められることとなりました。また、近年の新型コロナウイルス感染症や大規模災害などが発生した場合であっても必要な介護サービスが継続的に提供できるよう、事業継続に向けた計画等の策定も求められております。さらに、介護業界では人材不足が深刻化してきており、人材の確保が重要な経営課題として認識されておりますが、介護人材の確保と定着の観点から、経験や技能のある介護職員に重点をおいた新たな「介護職員特定処遇改善加算」が2019年10月より創設されております。

今後、後期高齢者の増加による介護給付費の伸びを抑えるため介護報酬の引き下げや自己負担割合の引き上げが行われた場合、介護サービスの利用の差し控え、利用回数の減少などの影響が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合について

当社が事業を展開する介護福祉及び予防介護市場は、介護保険法を中心とした様々な法規制下にあるため、事業展開にあたっては一定の法理解やノウハウの蓄積が必要ではあるものの、必ずしも参入障壁が高いとは言えないため、複数の事業者が参入しております。増大する社会保障費が国家財政を圧迫しており、介護保険サービスの更なる充実は期待しにくい環境にあることから、大手事業者の本格的な参入及び展開については、現時点において限定的であると認識しておりますが、今後も多数の事業者の参入や大手企業による展開の可能性が否定できません。

当社は長年の介護保険ビジネスの運営によるノウハウの蓄積、ターゲット人口、競合事業所の状況、直営店の実績データ等を用いた当社独自のエリアマーケティングシステムの構築、利用者のモチベーションを高める優れた運動プログラムの確立、ケアマネジャーネットワークを用いたブランド戦略など、優位性を確保していると認識しておりますが、事業者の拡大や大手企業等の当該分野への本格参入が生じ、介護サービス利用者の獲得が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新規出店について

当社のレコードブック事業は、直営及びフランチャイズ形態による多店舗展開を行っております。同事業においては、出店計画に基づき出店を行っておりますが、異業種他社との提携又は他社店舗の買収等による新規出店も積極的に進めております。しかしながら、新規出店が予定どおり行われない場合、もしくは出店時期が何らかの事情により延期となった場合、出店計画を見直す場合があるほか、当該店舗出店時の投資金額の回収が長期化し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、フランチャイズチェーン展開については、現在は大都市圏や地方都市を中心に全国にて展開しております。展開にあたっては当社独自のエリアマーケティングにより慎重な調査の上、出店エリアを決定していきますが、出店するエリアの自治体の方針等により、地方展開が予想どおり進まない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 法的規制について

介護保険法に基づく介護サービスを行うには、事業所毎に指定事業者としての指定を都道府県知事(介護予防・日常生活支援総合事業及び地域密着型サービス等については市区町村長)から受ける必要があります。指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」(介護保険法に基づく厚生労働省令)を満たしていなければなりませんが、当該基準を満たせなくなった場合には、事業の停止や介護報酬の減額等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 有資格者及び人員の確保について

介護保険法に基づく介護サービスについては、ほとんどの場合、介護支援専門員(ケアマネジャー)・看護師・介護福祉士・訪問介護員等の有資格者によるサービスが義務付けられており、提供するサービス内容によって、異なる資格を必要とするため、適切な資格を有する人材を確保する必要があります。

当社は、現時点において人材確保に関して重大な支障は生じていないものと認識しておりますが、今後の事業拡大に際して十分な人員確保が困難となった場合又は既存人員の流出等が生じた場合には、提供する介護サービスの質の低下や継続提供が困難となる可能性があるほか、人員確保のためのコスト負担増加等が生じる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 高齢者介護における安全管理及び健康管理について

当社が提供する介護サービスの利用者は、要支援又は要介護認定を受けている高齢者であり、転倒事故、食物誤嚥事故及び感染症の集団発生等、高齢者の特性に起因する事故等が発生する可能性があります。当社は、サービス提供中の安全衛生管理には細心の注意を払い、従業員の教育指導を徹底するなど事故の予防に万全を期しておりますが、万一、事故や感染症等が発生した場合、当社の信用が低下するとともに訴訟等で損害賠償請求を受ける恐れがあり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) フランチャイズビジネスについて

当社はレコードブック事業においては、直営店に加えフランチャイズ形態による出店を行っております。当社は、フランチャイズ加盟店に対しては経営指導を行い、ロイヤルティ収入等を得ておりますが、加盟店の経営状況が芳しくない場合、ロイヤルティ収入の減少、当社への未払金の増加や、当フランチャイズチェーンからの撤退等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、フランチャイズ契約の内容が変更され、加盟店及び当社の収益構造が変化する場合、レコードブックの店舗ネットワーク拡大にあたってフランチャイズチェーン展開が計画どおりに実現できない場合、事業運営や今後の事業計画に影響を及ぼすなどして、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社はフランチャイズ加盟店に対し、スーパーバイザーを通じた店舗運営指導や経営支援等を行っておりますが、当社の指導が十分に理解されず、又は当社の指導の及ばない範囲でフランチャイズ加盟店に対する苦情や芳しくない評判等が発生した場合、当社及び当社のブランドイメージに影響を与え、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 業績の変動について

当社のレコードブック事業においては、フランチャイズ形態による多店舗展開を積極的に進めており、毎期数十店ずつの新規出店を続けております。当社がフランチャイズ加盟店から売上高に応じて得ているロイヤルティ収入については、フランチャイズ加盟店数や各加盟店のご利用者人数に応じて伸びていくため、その性質上年度末にかけて売上高、利益ともに増加する傾向にあります。

一方、Webソリューション事業では、主に顧客企業のマーケティングリサーチやプロモーション支援等を行っているシルバーマーケティング支援においては、顧客のマーケティング戦略等の変化に伴い、受注する案件の規模や案件数が変動する傾向にあります。よって、四半期毎の売上高は平準化されないことがあり、受注する案件の規模によっては一時的に特定の取引先に対する売上高の依存度が高まることになります。当社は、業績の安定に向けて新サービスの開発や商品ラインナップの拡充などによる顧客企業数の増加に努めていく方針でありますが、これらが計画通りに進まない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 新規事業について

当社では、新規事業への取組みを継続的に行っております。今後の高齢者市場拡大への対応として、新たなビジネスモデルの確立に向け、新サービス及び新規事業の開発を進め介護保険外サービスを強化していく方針ですが、当初の予測とは異なる状況が発生し、これらの展開が計画通りに進まない場合、投資を回収できず、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害について

地震や風水害等の自然災害が発生し、業務を停止せざるを得ない場合や、建物や設備が損傷しその修復に多大な費用が必要となった場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 感染症の拡大について

当社は社会インフラとして重要な役割を担っていることを鑑み、新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生及び拡大に際しては、顧客や従業員、その他関係者等の安全確保、感染拡大防止を最優先に取組むことを前提に、介護サービスを継続して提供することにより社会に貢献していく方針ですが、事業を展開している地域や店舗において感染者が発生し、店舗運営や営業活動を含めた通常の事業活動が困難となった場合、また、取引先において感染症の影響に伴い人的・物的・財務的要因により弊害が生じ、販売や仕入活動において支障が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該事象の長期化に備え、当社においては事業継続計画の整備や不測の事態が生じた際の資金調達手段の確保等の対策を講じておりますが、当社の想定を上回る事象が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 情報管理について

当社が提供するサービスは、業務上、利用者或いはその家族の重要な個人情報を取扱います。当社は、個人情報をはじめとした情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や全社員対象の研修等を通じて、情報漏洩の防止に取り組んでおります。しかしながら、万一、システム等から個人情報が外部に漏洩する等のトラブルが発生した場合、損害賠償請求や信用の低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 風評等の影響について

当社が事業を展開する介護業界においては、利用者及び介護に関わる方々との信頼関係や評判が、当社の事業運営に大きな影響を与えると認識しております。当社は、利用者の信頼が得られる質の高いサービスの提供に努めておりますが、何らかの理由により当社に対するネガティブな情報や風評が流れた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 減損会計の適用について

当社は、レコードブック事業等において多数の事業所を出店しておりますが、事業環境の変化等により、事業所毎の採算性が低下した場合、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、減損処理が発生しないよう各拠点の収益管理を徹底し、採算性の悪い拠点に対しては積極的に対策を講じておりますが、万一、不採算拠点の増加や閉鎖が増加した場合には、多額の減損損失が発生する可能性があります。

 

(15) 有利子負債への依存について

当社は、資金調達につき金融機関からの借入金等に多く依存しており、2021年3月期末における有利子負債は総資産の21.9%となっております。よって、金融情勢の変化などにより計画通り資金調達ができない場合には、事業展開等に影響を受ける可能性があります。また、金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には利益を圧迫し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(16) 株主に対する利益還元の方針について

当社は、事業拡大に向けた内部留保の充実が重要であると認識しておりますが、株主に対する利益還元として配当を行うことも重要な経営課題と認識しており、今後は、財務体質の強化を図り、必要な内部留保を確保しつつ、経営成績・財政状態を勘案して配当を行っていく方針であります。しかしながら、業績が計画通り進展しなかった場合や業績が悪化した場合、継続的に配当を行えない可能性があります。

 

(17) 株式価値の希薄化について

当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブプランとしてストック・オプションの発行及び譲渡制限付株式の発行を行っております。このうち、ストック・オプションについては、当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は233,600株であり、発行済株式総数5,427,771株の4.3%に相当しております。今後につきましては譲渡制限付株式の発行を積極的に活用していくことを検討しております。これらの新株予約権の権利行使及び新たな譲渡制限付株式が発行された場合、株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(18) コンプライアンスについて

当社は、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス体制及び内部統制システムの強化を経営上の重要課題の一つとして位置づけ、従業員等に対して適切な指示、指導を実施し、反社会的勢力との関係遮断や不正行為の防止・発見のために必要な予防策を講じています。しかしながら、コンプライアンスをはじめとした内部統制システムには一定の限界があるため、その達成を完全に保証するものではありません。そのため、必要な教育や対策等を可能な限り講じても、将来において法令違反等が生じた場合、利用者の信頼失墜を招く、もしくは取引先等から訴訟を提起される、という事態が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 投融資について

当社は、新たな事業への展開や既存事業の強化、収益源の多様化、事業展開の加速化等を目的として、出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等を含む各種の投融資を行っていく方針です。その際、投融資先の状況及びそれに伴うリスク等を慎重に検討した上で投融資を実行し、出資後も定期的なモニタリングを継続実施していく方針ですが、これらの投融資の結果を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化により投融資に見合う収益が得られない、あるいは損失が発生した場合、減損の対象となる事象が生じた場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年4月、2021年1月と二度にわたり緊急事態宣言が発出され、企業収益や個人消費が大幅に落ち込むなど社会、経済活動は大幅に制限されました。緊急事態宣言の解除後は、各種政策の効果により一部では持ち直しの動きが見られたものの、新型コロナウイルスの感染状況は依然として予断を許さない状況となっており、経営環境は極めて厳しい状況で推移しました。また、世界経済に関しても、新型コロナウイルスの感染拡大は依然収束が見えず、先行きが極めて不透明な状況が続いております。

当社の事業に関わる高齢社会に関連する市場におきましても、特に高齢者は感染すると重症化しやすいとされていることもあり、外出を自粛されている利用者のサービスの利用控えなどによる影響を受けております。昨春の緊急事態宣言発出中に大きく落ち込んだ利用者数は、当事業年度末時点においても当該感染症の影響が見られる前の水準には至っておらず、今後も感染拡大の状況によってはこの影響が長引く可能性があります。しかしながら、中長期的には今後も高齢化率の上昇基調は変わらないことから、引き続きヘルスケアサービスの需要は高まっていくものと予想されております。

このような環境のもと、当社はこれまでに、顧客や従業員、その他関係者等の健康と安全を確保しつつ事業を継続していくため、顧客や従業員、その他関係者等の安全確保、感染防止を最優先に取組み、事業への影響を最小限に抑えるべく必要な対応を行ってまいりました。レコードブック等の各事業所においては、利用者やスタッフの健康管理の徹底を始めとして、いわゆる3密を避けるため、利用者同士、利用者とスタッフの距離を十分確保して運営するとともに、店舗や送迎車両の消毒、換気の強化等を実施してまいりました。また、主に本社勤務の従業員を対象として時差出勤や在宅勤務を導入するなどの対策の強化も進めてまいりました。加えて、売上の減少による損失を最小限にするため、業務改善を進めるとともに、従業員の計画的な休業等の実施やアフターコロナの生活スタイル変化を踏まえた営業手法の見直しなど、コストコントロールを積極的に実施することで利益の確保に努めてまいりました。

当社では、休業手当として休業期間中の給与を全額支給し雇用調整助成金を受給しております。なお、介護保険サービスに従事する従業員の一部休業等については当該休業手当等の人件費を特別損失に「新型コロナウイルス感染症による損失」の科目にて計上しております。また、雇用調整助成金の支給決定通知を受領したものについてはこの休業手当に対応する金額を特別利益に、それ以外を営業外収益に、それぞれ「助成金収入」の科目にて計上しております。

以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績の状況は次のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当事業年度末における資産合計は2,346,627千円となり、前事業年度末に比べ112,317千円減少いたしました。当事業年度末における負債合計は1,329,118千円となり、前事業年度末に比べ277,159千円減少いたしました。当事業年度末における純資産は1,017,508千円となり、前事業年度末に比べ164,841千円増加いたしました。

 

b. 経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高が3,468,651千円(前期比3.0%減)となりました。また、営業利益は165,366千円(前期比23.6%減)、経常利益は249,992千円(前期比15.5%増)、当期純利益は150,110千円(前期比22.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

 

(ヘルスケアソリューション事業)

レコードブック事業におきましては、当事業年度において短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)「レコードブック」のフランチャイズが10ヵ所増加しております。また、フランチャイズ加盟店4ヵ所を譲受け、1ヵ所を譲渡した結果、直営店が31ヵ所、フランチャイズが150ヵ所となりました。

そのほか、名古屋鉄道株式会社との合弁会社である株式会社名鉄ライフサポートが愛知県を中心に展開する「名鉄レコードブック」は、当事業年度末において21ヵ所となっております。

これにより、「レコードブック・ブランド」の店舗が合計で202店舗(前事業年度末は190店舗)となりました。

レコードブックの既存店舗では、感染防止や感染への不安などから外出の自粛等によりサービスの利用を控えられる利用者がほぼ全国的に一定割合で見られたことの影響を受け、利用者数は昨春の緊急事態宣言発出中を中心に減少し、減収となりました。一方で、顧客単価につきましては、2019年10月からの介護職員等特定処遇改善加算の取得等の影響に加え、新たに店舗で物販のテストを実施していること等により、前事業年度と比べ上昇いたしました。

また、フランチャイズにおいては総店舗数が前事業年度と比べて増加しており、フランチャイズからのロイヤルティ等による収入は増加いたしました。一方で、直近のこのような状況から、新規出店のための営業活動の制限や開業時期の後ろ倒しによる遅れなどの影響を受けたため、当事業年度における新規出店数は前事業年度と比べて減少したため、フランチャイズ全体としては減収となりました。

なお、上述のとおり従業員の一部休業に伴う人件費について、休業手当の一部を特別損失として計上しております。これらの結果、レコードブック事業全体として前事業年度と比べて売上高、営業利益は減少いたしました。

Webソリューション事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い一定期間営業活動の制限、縮小を余儀なくされたため、新規案件の獲得は低調な推移となり、前事業年度と比べて売上高、営業利益は減少いたしました。

以上の結果、売上高は2,217,612千円(前期比5.9%減)、営業利益は351,804千円(前期比11.9%減)となりました。

 

(在宅サービス事業)

在宅サービス事業におきましては、主に通所介護事業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、利用者数の減少はレコードブック事業と比較すると軽微に留まり、訪問介護事業では前事業年度の下期から取得している加算等の影響により顧客単価が上昇するなどしたため、在宅サービス事業全体として売上高は前事業年度と比べてやや増加いたしました。営業利益につきましても、売上の増加に加え、主に同じく人件費の一部を特別損失としたことにより増加いたしました。

この結果、売上高は1,251,038千円(前期比2.7%増)、営業利益は373,054千円(前期比11.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ84,993千円減少し、845,183千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は361,591千円(前事業年度は395,446千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益225,666千円、減価償却費138,581千円、預り金の増加額27,741千円などによる資金の増加が、法人税等の支払額113,594千円などによる資金の減少を上回ったことによるものであります。

減価償却費及び預り金の増加額は、いずれも主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の増加によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は104,032千円(前事業年度は170,433千円の使用)となりました。これは主に、事業譲渡による収入17,550千円などによる資金の増加が、有形固定資産の取得による支出85,014千円、事業譲受による支出22,918千円などによる資金の減少を下回ったことによるものであります。

事業譲渡による収入は、レコードブック店舗の譲渡によるものであります。有形固定資産の取得は、主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の増加に伴う内装工事等の増加によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は342,552千円(前事業年度は275,218千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入による収入240,000千円などによる資金の増加が、短期借入金の純減少額380,000千円、長期借入金の返済による支出192,939千円などによる資金の減少を下回ったことによるものであります。

長期借入による収入は、主に新型コロナウイルス感染拡大に備えて借り入れていた短期借入金の一部につき、経営の安定化を図るべく長期借入への借り換えを実行したことによるものであります。また、短期借入金の純減少額は、短期借入金にから長期借入金への借り換えを行ったこと、業績の回復を考慮して手元資金の調整を行ったこと等によるものであります。
 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

ヘルスケアソリューション事業(千円)

2,217,612

94.1

在宅サービス事業(千円)

1,251,038

102.7

合計(千円)

3,468,651

97.0

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要な販売先については、当社は一般個人を対象とした介護サービス事業が中心であり、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析及び検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なることがあります。

なお、当社が財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針及び見積り及び新型コロナウイルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」及び「同 重要な会計上の見積り」に記載されたとおりであります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析・検討内容

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は1,533,184千円となり、前事業年度末に比べ95,109千円減少いたしました。その主な要因は、売掛金が14,247千円増加した一方、現金及び預金が84,993千円、貯蔵品が14,394千円減少したことによるものであります。

売掛金の増加は、主にレコードブック事業において、レコードブック直営店の増加などにより期末月の売上が増加したことによるものであります。貯蔵品の減少は、主にレコードブック事業における旧ユニフォーム在庫等の棚卸評価損の計上によるものであります。

 

(固定資産)

固定資産は813,442千円となり、前事業年度末に比べ17,207千円減少いたしました。その主な要因は、繰延税金資産が34,931千円増加した一方、建物(純額)が53,779千円減少したことによるものであります。

繰延税金資産の増加は、主に減価償却超過額等のスケジューリング可能な将来減算一時差異の増加によるものであります。建物(純額)の減少は、主にレコードブック事業における建物の減価償却費が取得額を上回ったことによるものであります。

 

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は957,458千円となり、前事業年度末に比べ352,955千円減少いたしました。その主な要因は、預り金が49,761千円、未払金が18,944千円増加した一方、短期借入金が380,000千円、1年内返済長期借入金が27,535千円減少したことによるものであります。

預り金の増加は、主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗増加に伴う介護報酬の預り金の増加によるものであります。未払金の増加は、主にレコードブック事業におけるフランチャイズ開業予定店舗において、当社が一時負担している内装工事費用の増加によるものであります。短期借入金の減少は、主に新型コロナウイルス感染拡大に備えて借り入れていた短期借入金の一部につき経営の安定化を図るべく長期借入金への借り換えを行ったこと、業績の回復を考慮して手元資金の調整を行ったこと等によるものであります。

 

(固定負債)

固定負債は371,660千円となり、前事業年度末に比べ75,796千円増加いたしました。その主な要因は、長期借入金が74,596千円増加したことによるものであります。

長期借入金の増加は、新型コロナウイルス感染拡大に備えて借り入れていた短期借入金の一部につき、経営の安定化を図るべく長期借入金への借り換えを行ったことによるものであります。

 

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は1,017,508千円となり、前事業年度末に比べ164,841千円増加いたしました。その主な要因は、当期純利益の計上による増加150,110千円、及び譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分に伴う自己株式の減少23,653千円によるものであります。

譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分は、当社の取締役等を対象として、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与するとともに、株主の皆さまと一層の価値共有を進めることを目的に2020年7月に実施したものであります。

 

なお、セグメントごとの財政状態については、セグメントごとの資産及び負債の情報を経営資源の配分の決定及び業績を評価するための対象とはしていないため、記載しておりません。

 

b. 経営成績の分析・検討内容

(売上高)

当事業年度の売上高は3,468,651千円となり、前事業年度に比べ107,179千円減少いたしました。

これは、ヘルスケアソリューション事業における売上高が2,217,612千円(前期比5.9%減)であった一方で、在宅サービス事業の売上高が1,251,038千円(前期比2.7%増)であったことによるものであります。

ヘルスケアソリューション事業において売上高が減少した主な要因は、レコードブック事業において、新型コロナウイルス感染症の拡大により、前事業年度と比べ利用控え等により利用者数が減少したことや営業制限等により店舗の新規出店数が減少したことによるものであります。

在宅サービス事業において売上高が増加した主な要因は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた通所介護事業における利用者数の減少がレコードブック事業と比較して軽微だったことに加え、訪問介護事業では前事業年度の下期から取得している加算等の影響により顧客単価が上昇したことによるものであります。

 

(売上総利益)

当事業年度の売上原価は2,347,628千円となり、前事業年度に比べ13,841千円減少いたしました。

その主な要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、介護保険サービスに従事する従業員の一部休業等を実施し、支給した休業手当については特別損失として計上していることや、ヘルスケアソリューション事業においてレコードブックのフランチャイズ新規出店数が減少したこと等に伴う運動機器等の商品仕入高の減少によるものであります。

この結果、売上総利益は1,121,022千円(前期比7.7%減)となりました。

 

(営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は955,656千円となり、前事業年度に比べ42,123千円減少いたしました。

その主な要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ヘルスケアソリューション事業においてレコードブックのフランチャイズ新規出店募集に係る広告宣伝費を抑制したことや、採用活動を見直したことにより新卒採用費用や中途採用の紹介料などの採用教育費が減少したことによるものであります。

この結果、営業利益は165,366千円(前期比23.6%減)となりました。

なお、セグメント別の利益につきましては、ヘルスケアソリューション事業が351,804千円(前期比11.9%減)となった一方で、在宅サービス事業は373,054千円(前期比11.1%増)、各報告セグメントに配分していない全社費用は559,492千円(前期比7.9%増)となりました。また、セグメント別の利益率につきましては、ヘルスケアソリューション事業が15.9%(前期比1.0ポイント減)、在宅サービス事業は29.8%(前期比2.2ポイント増)となりました。

 

 

(経常利益)

当事業年度の営業外収益は100,044千円となり、前事業年度に比べ88,011千円増加いたしました。

その主な要因は、従業員の一部休業等に伴い雇用調整助成金の受給を申請し、支給決定通知を受領したものについて助成金収入として計上したことによるものであります。なお、特別損失として計上している介護保険サービスに従事する従業員に対する休業手当等の人件費に対応する助成金収入は、特別利益に計上しております。

当事業年度の営業外費用は15,417千円となり、前事業年度に比べ3,223千円増加いたしました。

その主な要因は、フランチャイズ店舗の増加や借入金の増加に伴う支払利息や支払手数料の増加によるものであります。

この結果、経常利益は249,992千円(前期比15.5%増)となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度の特別利益は76,110千円となり、前事業年度に比べ76,110千円増加いたしました。

その主な要因は、介護保険サービスに従事する従業員の一部休業に伴い雇用調整助成金の受給を申請し、支給決定通知を受領したものについて助成金収入として計上したことによるものであります。

当事業年度の特別損失は100,435千円となり、前事業年度に比べ74,853千円増加いたしました。

その主な要因は、介護保険サービスに従事する従業員の一部休業等について、当該休業手当等の人件費を新型コロナウイルス感染症による損失として計上したことによるものであります。

この結果、税引前当期純利益は225,666千円(前期比18.3%増)となりました。

また、法人税等合計は75,556千円(前期比10.3%増)となりました。

税効果会計適用後の法人税等の負担率については33.5%(前期と比べ2.4ポイント減)となり、前事業年度と比べ減少いたしました。その主な要因は、評価性引当額が減少したことによるものであります。

この結果、当期純利益は150,110千円(前期比22.7%増)となりました。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因

当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社が今後更なる成長と発展を遂げ、より良いサービスを提供していくために、経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。

それらの課題に対応するために経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

また、必要な人材を適時に採用すると同時に、教育研修に注力することで営業力の強化と企業規模の拡大に対応した内部管理体制の強化を図り、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。

 

 

d. キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、レコードブック等の店舗運営にかかる費用、販売費及び一般管理費等の営業費用、納税資金であります。店舗運営にかかる費用の内訳は、労務費、地代家賃、ソフト利用料及びリース料等であります。営業費用の内訳は、人件費、広告宣伝費及び地代家賃等であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、レコードブック等の店舗開発にかかる費用であります。この内訳は、内装工事費、運動機器等の工具、器具及び備品、差入保証金等であります。

資金調達につきましては、事業計画に基づき、主に内部資金及び金融機関からの借入等により調達しております。また機動的な資金確保のため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。なお、将来大規模な投資資金などの資金需要が発生した場合には、エクイティファイナンス等による調達手段を検討してまいります。

なお、株式会社フルケアの株式取得に必要な資金を手当てするため、2021年3月15日開催の取締役会決議に基づき株式会社みずほ銀行と金銭消費貸借契約を締結し、2021年4月に300百万円の借入を実行しております。

 

e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」をミッションと位置づけ、当社のヘルスケアプラットフォームを活用することで、高齢者の生活環境の整備や介護現場の情報整備をするとともに、高齢者の健康寿命の延伸に貢献したいと考えております。当該ミッションを果たすために、現状は、当社のコアコンピタンスである「レコードブック店舗ネットワーク」と「ケアマネジャーネットワーク」の2つのプラットフォームを活用したヘルスケアソリューションの開発に力を入れております。

「レコードブック店舗ネットワーク」においては、首都圏及び関西圏のみならず全国にレコードブック店舗ネットワークを拡大させたいと考えております。当事業年度末における店舗数は、直営店が31ヵ所、フランチャイズが150ヵ所、名古屋鉄道株式会社との合弁会社である株式会社名鉄ライフサポートが展開する「名鉄レコードブック」が21ヵ所、合計で202ヵ所となりました。「ケアマネジャーネットワーク」においては、介護が必要な高齢者と社会をつなぐインフラとしての役割をより一層拡大させることを目指しております。ケアマネジャー向けに運営している専門Webサイト「ケアマネジメント・オンライン」の当事業年度末における会員数は、約9万9千人となりました。

 

具体的な経営指標としては、ROE(自己資本利益率)や売上高営業利益率を高めていくことを目標としております。当事業年度のROEは16.1%(前期比1.4ポイント増)となりました。今後は、必要な成長投資を強化しつつ収益力を底上げすることによりROEを高めてまいりたいと考えております。当事業年度の売上高営業利益率は4.8%(前期比1.3ポイント減)となりました。今後は、高付加価値のサービス提供による効率的な利益の獲得により、売上高営業利益率の向上を目指してまいります。

将来的には、既存事業の更なる成長施策に加え、新規事業の立ち上げや、資本・業務提携を通じて、ヘルスケアソリューションを提供する会社として、企業価値の更なる拡大を図ってまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(株式譲渡契約及び金銭消費貸借契約)

当社は、2021年2月2日開催の取締役会において、株式会社フルケアの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。当該契約に基づき、2021年4月1日に同社の全株式を取得しております。

また、当社は、2021年3月15日開催の取締役会決議に基づき、当該株式取得に必要な資金を手当てするため、株式会社みずほ銀行と金銭消費貸借契約を締結し、2021年4月に300百万円の借入を実行しております。
 上記の株式取得取引及び借入の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。