第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」を企業行動指針(ミッション)と位置づけております。

超高齢社会における持続可能な仕組みづくりを進めるため、リアルでの介護事業とウェブ事業を軸とし、介護現場での課題をウェブで解決、テクノロジーを起点に介護現場の生産性を高める等双方の機能を活用できる強みを活かし、主に健康寿命延伸とビジネスケアラー支援に取り組んでおります。加えて、2040年問題として懸念される介護・医療人材の不足に対応するため、現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、より効率的かつ質の高いサービス提供が可能な社会を目指します。

また、当社グループは株主、社員、利用者、取引先及び地域社会等当社グループを取りまくすべてのステークホルダーから信頼され、かつ持続して収益をあげることにより、企業価値を増大することを経営の基本方針としております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、経営方針を実現するため、ヘルスケアプラットフォームの価値向上により事業拡大と新規事業開発を進めるため、以下の施策に取り組んでまいります。

① レコードブック店舗ネットワークの拡大

・全国の大都市圏や地方都市におけるフランチャイズ展開を加速

・企業とのアライアンスを含めたパートナーとの連携強化

② ターゲット層の拡大

・介護保険適用外のヘルスケアソリューションの開発

③ DXソリューション事業(注1)の強化

・シルバーマーケティング支援における案件の深耕拡大

・仕事と介護の両立支援における顧客企業の新規開拓強化

・中規模介護事業者向けDXソリューションの提供

④ 経営基盤の更なる強化

・ガバナンス体制の強化

・コンプライアンス体制の強化

注1.2026年3月期より、従来の「Webソリューション事業」を「DXソリューション事業」に名称変更しております。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、安定した経営と持続的な成長を実現させることを重視し、ROE(自己資本利益率)及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置づけております。高付加価値のサービス提供による効率的な利益の獲得により、売上高営業利益率等を高めていくことで企業価値を高めてまいります。

 

(4) 経営環境

今後における当社グループの事業に関わる高齢社会に関連する市場は、中長期的に今後も高齢化率の上昇基調が続くことから、引き続きヘルスケアサービスの需要は高まっていくものと予想されております。いわゆる「2025年問題」と呼ばれる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることによる介護や医療などの社会保障費の急増が喫緊の課題であることから、健康寿命の延伸に向けて、高齢者の健康維持・向上に重点をおいた短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)の需要は今後も高まることが予想されます。また、2025年4月に改正された介護・育児休業法において労働者への仕事と介護の両立支援制度の周知が義務化され、今後予測されているビジネスケアラーの増加に伴い、企業における人的資本経営の重要性が高まる中、当社グループのレコードブック事業や仕事と介護の両立支援サービスについては、サービス需要がさらに高まると予想されます。

また、介護業界では人材不足が深刻化しており、人材の確保や業務負担の軽減、職場環境の改善が重要な経営課題として認識されております。近年では、高齢者人口の割合がピークに達し、医療や介護の需要が増加する一方、生産年齢人口が急減し介護人材の不足が深刻となる「2040年問題」が大きな社会課題として挙げられております。介護保険制度においても、将来にわたり安定的な制度として持続させるため、2027年に予定されている制度改正において、介護従事者への更なる処遇改善と介護現場の生産性向上などについて引き続き検討が進められております。今後は、これらの課題解決に向けたDXの推進やAI技術、ICT等のテクノロジーの活用に関わる分野の市場拡大が期待されます。

このような環境の中、当社グループでは「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による超高齢社会における課題解決」をミッションと位置づけ、これらの課題の解決に向け、介護現場のDX化やリアル事業を通じて蓄積したデータの活用、AI等などのテクノロジーを活用したソリューション開発などテクノロジーの活用に積極的に取り組んでまいります。「中期経営計画」において掲げた経営目標の達成に向け、具体的な取り組みを推進し持続的な成長と中期的な企業価値の向上を実現してまいります。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」を行う企業として、業容の拡大と経営基盤の強化に取り組んでおります。

 

① 業容の拡大に向けた取り組み

・レコードブックの全国展開の加速とサービスの多角化

健康寿命の延伸や社会保障費の抑制に向け、介護予防分野への注目が高まる中で、リハビリ型デイサービスの果たす役割に期待が寄せられています。大きな成長の見込まれる当分野において、当社グループはレコードブックの出店を加速することにより、早期のブランド確立及び浸透、マーケットシェアの拡大を図ります。翌期においても、前期に引き続きフランチャイズ既存加盟店の増店に注力することで、新規出店のペースを再加速させてまいります。また、全国の主要都市を中心に出店エリアを精査し、地元企業や事業主をオーナーとするフランチャイズ方式での出店の強化に加え、当社グループとは異なるノウハウを保有する企業や、地元に顧客基盤やブランドを有する企業等との提携による出店も進めてまいります。

フランチャイズ展開を加速させる上では、フランチャイズ本部機能のより一層の充実も必要であると認識しております。出店エリアの拡大に応じた地方拠点の整備や店舗開発、購買及び出店サポート機能の強化等により、安定的、効率的な出店体制の構築を実現してまいります。さらに、出店後においても、スーパーバイザーによるフランチャイズ加盟店の地域特性等に応じたきめ細やかな経営指導及び店舗運営指導により、加盟店の業績拡大、品質向上、コンプライアンス遵守の推進に努めてまいります。

これらのフランチャイズ本部機能強化にあたっては、DXを推進し、多店舗展開を見据えた生産性向上や業務効率化に努めてまいります。加えて、他の事業との連携やIoTの活用等を推進することにより、提供サービスの多角化も進めてまいります。レコードブック店舗の非滞在時間も含めて利用者一人ひとりの生活全般をサポートするサービスを展開し、レコードブックブランドの付加価値向上に取り組んでまいります。

 

・ケアマネジャー会員ネットワークの活用

当社グループの運営する「ケアマネジメント・オンライン」は2026年3月末現在で11万超のケアマネジャー登録会員を擁しており、当サイトの登録会員を活用したビジネス展開の源泉となっております。シルバーマーケットは、国内における数少ない成長産業であり、多くの競合企業の参入が見込まれる中で、当市場におけるマーケティングの重要性が益々高まっております。当社グループは、ケアマネジャー会員ネットワークを活用したサービスを開発し、このような成長機会を他社に先駆けて掴むことで、一層の業容拡大を図ってまいります。

また、継続的かつ安定的な受注の拡大を図るためには、現在の取引領域を最大限に拡大することに加え、新たな顧客層の獲得も重要な課題であると認識しております。そのためには、顧客の成長分野をリサーチした上で、これまでの業務ノウハウを活かした隣接領域へのサービス展開及びアプローチを進める必要があります。当社グループは、メディカル分野を始めとした関連性の高い分野でも新サービスの開発や商品ラインナップの拡充に努め、幅広くサービスを提供してまいります。

 

・新規事業の開発

増大する社会保障費が国家財政を圧迫しており、介護保険サービスの更なる充実は期待しにくい環境にあります。一方、高齢者の価値観の多様化により、従来の介護サービスではなく、自身の生活の質の向上に資するヘルスケアサービスを望む方が増加しており、介護保険外サービスに対するニーズが高まっております。当社グループは、全国展開を進めるレコードブックの店舗網を最大限に活用し、ヘルスケア関連商品の販売や関連サービスの提供等を通じて介護保険外サービスを強化してまいります。

なお、介護保険外サービスは介護保険サービスと比較し、売上変動リスクや信用リスクが高まることから、これらのリスクを低減するための取り組みも重要な課題であると認識しております。

また、今後2040年代にかけて生産年齢人口の減少により、医療・介護の分野でも労働力不足やそれに伴う業務負担の増大、労働生産性の低下が懸念されており、DXの推進やAⅠ技術、ICT等のテクノロジーの活用によるこれらの課題解決が期待されています。当社グループは、これまで蓄積してきた介護事業運営ノウハウや各種データ、ネットワークなどを用いて、システム連携やコンサルティングサービスなどの新たなソリューションの提供を通じて、介護事業者の生産性向上を推し進めることにより、業界全体の課題解決に取り組んでまいります。

 

② 経営基盤の強化に向けた取り組み

・優秀な人材の確保・育成

業容の拡大に応じた専門性の高い人材や、有資格者などのサービスを提供する人材の確保・育成は喫緊の課題であると認識しております。教育研修体制や育成プログラムの充実・強化を積極的に進め、人材の定着と能力の底上げを行っていくとともに、継続的な採用活動を通じて、当社グループの企業理念や風土にあった人材の登用を進めてまいります。加えて、長期的な視点で人材の確保や定着の推進を図るため、従業員が将来展望を持って働き続けることができるよう、能力・資格・経験等に応じた処遇が適切になされる人事制度を設計し、運用してまいります。

 

・内部管理体制の強化

当社グループが今後更なる業容を拡大するためには、業務内容の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、規程及び業務マニュアルの運用を徹底し、効率性・有効性を阻害する業務フローの改善に取り組み、内部管理体制を強化するとともに、業務の効率化を図ってまいります。

また、当社グループは近年、事業成長及び事業領域の拡大とともに、事業子会社の設立や企業買収を行ってきたことで、徐々にグループ会社数が増加しています。当社グループはこれに対応して、権限委譲を拡大し意思決定を迅速化させるとともに、情報の一元管理体制及び適切なグループマネジメント体制の構築など各種の施策を推進することにより、グループ全体の業務効率性向上及び成長の加速を担保する体制の確立を進めてまいります。

 

・事業ポートフォリオの分散・拡充

当社グループは、これまでのノウハウや顧客基盤等を活かしつつ、その変化に対応した事業ポートフォリオを構築し、常に収益源の多様化や収益性の向上を図っていく必要があると考えております。そのため、社内体制の強化に加え、社会の変化によって新たに生じる課題の解決に関し独自の技術を持つベンチャー企業等に対して、企業買収や戦略的提携、資本参加等を必要に応じて行うことで事業ポートフォリオを分散、拡充することにより、中長期的に安定的な経営基盤を確立してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」をミッションと位置づけ、新しいヘルスケアサービスの創造を通じて、持続可能な社会の実現に向けて貢献すること、また自らも成長発展し続けることを目指してまいります。

お客様をはじめ、取引先企業、従業員、株主・投資家、地域社会などの多様なステークホルダーの皆様から信頼される企業であり続けることが重要であるという認識のもと、コーポレートガバナンスの徹底とコンプライアンスの遵守を経営上の最重要課題の一つと位置付け、合理的な意思決定・業務執行を可能とする社内体制の整備に取り組むことで健全性・透明性の高い経営を実践しております。また、内部監査機能の充実を図るため、社長直轄の内部監査室を設置しております。

長期的な社会・環境の変化に伴うサステナビリティに関する取り組みについても、課題を考慮した経営を行うため、取締役会の中で適宜審議を行っております。

 

(2) 戦略

当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針は、次のとおりであります。

当社グループは、人材を重要な経営資源の一つとして位置付け、社員の「仕事のやりがい」と「働きやすさ」の向上を目指し、人事制度や人材育成の仕組みの構築を行っております。具体的には、グループ全体の取り組みとして、ライフステージに合わせた勤務体制の整備や、社員一人一人の能力を高めるための社内研修制度の充実等、社員のエンゲージメントを高めるための施策を推進しております。

特に介護業界では人材不足が深刻化してきており、人材の確保が重要な経営課題として認識されております。経験や技能のある介護職員の処遇が適切になされるよう、「介護職員等処遇改善加算」等を活用して給与面の整備拡充を図っております。

グループ各社においては、業種毎に事業特性に応じた目標管理及び人事評価制度を導入しており、人材の定着率を高める適正な給与水準の実現と従業員の目標達成意欲につながる評価制度の運用を推進しております。その他、業務上必要な主要な資格の取得を促進するため、資格取得等にかかる費用を会社が補助する等の支援も行っております。

また、女性従業員や中途採用者の比率が比較的高いことから、女性の活躍が会社の持続的な成長を確保する上で重要であると認識しております。年齢や性別などを問わず長期にわたり働き続けられることを目指し、管理職等への登用で特に制限などを設けることなく、ワークライフバランスの整った職場環境の整備を進めることで多様性確保に取り組んでおります。

今後も、企業価値の向上と持続的な成長を目指し、従業員と企業が循環的に成長できる環境の整備を進めてまいります。

 

(3) リスク管理

 当社グループにおける事業運営上のリスク及びコンプライアンスに関する重要事項についてはリスク・コンプライアンス委員会にて討議し、その結果を踏まえ、関連部門に対する指導や、重要なリスクとして評価された場合は取締役会への報告及び分析を行うことにより、グループ全体のリスクマネジメントに努めております。また、「リスク管理規程」を定め、同規程に従ったリスク管理体制を構築することにより、リスクの防止及び会社の損失の最小化を図ることとしております。

当社グループが認識する事業上のリスク内容につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、戦略において記載した方針に則った事業活動を推進するにあたり、女性活躍推進法における一般事業主行動計画として、育児介護の諸制度の周知徹底、出産や子育てによる退職者についての再雇用制度の実施などを目標に掲げております。関連する指標として、男性の育児休業取得率を設定しており、当該指標に関する実績は、「第4 提出会社の状況 5従業員の状況等」をご参照ください。当社グループの規模や事業内容等に即した指標及び目標の在り方に関しては、今後も継続して検討してまいります。

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因になる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、投資判断上或いは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 介護保険制度について

当社グループの主要な事業でありますレコードブック事業及び在宅サービス事業は、介護保険法の適用を受けるサービスの提供を内容とするため、介護保険制度の改正及び介護報酬の改定の影響を強く受けます。介護サービスに係る単位数、地域区分による一単位の単価及び一人当たりの支給限度額については、介護保険制度等により定められているため、制度改正の内容によっては当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。

介護保険制度は、5年を目処に見直しが行われ、3年毎に介護報酬の改定が行われることとされております。2027年4月に予定されている介護保険制度改正及び介護報酬改定では、団塊の世代が全て後期高齢者となる中で、介護保険制度を将来にわたり安定的に持続させるため、介護人材の確保に向けた処遇改善加算の更なる見直しや、介護現場の生産性向上への取組みとして、介護データの連携や利活用、ICTの導入支援をはじめとした介護DXの推進などについて検討が進められています。今後、後期高齢者の増加による介護給付費の伸びを抑えるため介護報酬の引き下げや自己負担割合の引き上げが行われた場合、介護サービスの利用の差し控え、利用回数の減少などの影響が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合について

当社グループが事業を展開する介護福祉及び予防介護市場は、介護保険法を中心とした様々な法規制下にあるため、事業展開にあたっては一定の法理解やノウハウの蓄積が必要ではあるものの、必ずしも参入障壁が高いとは言えないため、複数の事業者が参入しております。増大する社会保障費が国家財政を圧迫しており、介護保険サービスの更なる充実は期待しにくい環境にあることから、大手事業者の本格的な参入及び展開については、現時点において限定的であると認識しておりますが、今後も多数の事業者の参入や大手企業による展開の可能性が否定できません。

当社グループは長年の介護保険ビジネスの運営によるノウハウの蓄積、ターゲット人口、競合事業所の状況、直営店の実績データ等を用いた当社独自のエリアマーケティングシステムの構築、利用者のモチベーションを高める優れた運動プログラムの確立、ケアマネジャーネットワークを用いたブランド戦略など、優位性を確保していると認識しておりますが、事業者の拡大や大手企業等の当該分野への本格参入が生じ、介護サービス利用者の獲得が激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新規出店について

当社グループのレコードブック事業は、直営及びフランチャイズ形態による多店舗展開を行っております。同事業においては、地域ごとのドミナント展開を基本戦略としておりますが、異業種他社との提携又は他社店舗の買収等による新規出店も積極的に進めております。しかしながら、新規出店を希望するエリアにおいて店舗物件の確保が想定通りに進まず新規出店が予定どおり行われない場合、もしくは出店時期が何らかの事情により延期となった場合、出店計画を見直す場合があるほか、当該店舗出店時の投資金額の回収が長期化し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、フランチャイズチェーン展開については、現在は大都市圏や地方都市を中心に全国にて展開しております。展開にあたっては当社独自のエリアマーケティングにより慎重な調査の上、出店エリアを決定していきますが、出店するエリアの自治体の方針等により、地方展開が予想どおり進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制について

介護保険法に基づく介護サービスを行うには、事業所毎に指定事業者としての指定を都道府県知事(介護予防・日常生活支援総合事業及び地域密着型サービス等については市区町村長)から受ける必要があります。指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」(介護保険法に基づく厚生労働省令)を満たしていなければなりませんが、当該基準を満たせなくなった場合には、事業の停止や介護報酬の減額等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 有資格者及び人員の確保について

介護保険法に基づく介護サービスについては、ほとんどの場合、介護支援専門員(ケアマネジャー)・看護師・介護福祉士・訪問介護員等の有資格者によるサービスが義務付けられており、提供するサービス内容によって、異なる資格を必要とするため、適切な資格を有する人材を確保する必要があります。

当社グループは、現時点において人材確保に関して重大な支障は生じていないものと認識しておりますが、今後の事業拡大に際して十分な人員確保が困難となった場合又は既存人員の流出等が生じた場合には、提供する介護サービスの質の低下や継続提供が困難となる可能性があるほか、人員確保のためのコスト負担増加等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 高齢者介護における安全管理及び健康管理について

当社グループが提供する介護サービスの利用者は、要支援又は要介護認定を受けている高齢者であり、転倒事故、食物誤嚥事故及び感染症の集団発生等、高齢者の特性に起因する事故等が発生する可能性があります。当社グループは、サービス提供中の安全衛生管理には細心の注意を払い、従業員の教育指導を徹底するなど事故の予防に万全を期しておりますが、万一、事故や感染症等が発生した場合、当社グループの信用が低下するとともに訴訟等で損害賠償請求を受けるおそれがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) フランチャイズビジネスについて

当社グループはレコードブック事業においては、直営店に加えフランチャイズ形態による出店を行っており、フランチャイズ加盟店に対しては経営指導を行い、ロイヤルティ収入等を得ております。出店地域は高齢者人口や近隣の競合環境などの事前調査をもとに決定しておりますが、出店後における周辺環境変化等によって加盟店の運営状況が芳しくない場合や、必要な従業員数を確保、育成するための人件費の上昇及び賃借している建物の賃料相場の上昇等に伴う賃料上昇等により、想定した収益を確保できない場合などにおいて、ロイヤルティ収入の減少、未払金の増加や、当フランチャイズチェーンからの撤退等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、フランチャイズ契約の内容が変更され、加盟店及び当社グループの収益構造が変化する場合、レコードブックの店舗ネットワーク拡大にあたってフランチャイズチェーン展開が計画どおりに実現できない場合、事業運営や今後の事業計画に影響を及ぼすなどして、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社グループはフランチャイズ加盟店に対し、スーパーバイザーを通じた店舗運営指導や経営支援等を行っておりますが、指導が十分に理解されず、又は指導の及ばない範囲でフランチャイズ加盟店に対する苦情や芳しくない評判等が発生した場合、当社グループのブランドイメージに影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) ソフトウエア開発について

当社グループは、DXソリューション事業を事業の一つの柱として展開しており、介護事業者の生産性向上等を実現するために、ICT等のテクノロジーを活用をした新たなソリューションの提供及び各種ソフトウエア開発を推進しております。ソフトウエアの開発にあたっては一定の投資額及び開発期間を要し、プロジェクトに関する期間や費用の見積り及び顧客ニーズ等のヒアリングに基づく収益性について、妥当性の確認を行っております。しかしながら、開発途中の要件変更や開発遅延等により計画通りに開発活動が進捗しない場合には、ソフトウエアが完成せず事業の用に供することができない、あるいは完成しても投資額が多額となる結果、その一部の回収が見込まれない可能性があります。その場合、一時に多額の費用が発生するため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) システムトラブルについて

当社グループが提供するDXソリューション事業に係る主なサービスは、インターネット環境を通じて提供されており、人為的ミスやネットワーク機器の故障、コンピュータウイルス、ネットワーク障害等を起因とするシステム障害が発生する可能性があります。当社グループでは、安定的なサービスの運営を行うために、サーバー設備の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する発生可能性の低減策を講じております。しかしながら、予測困難な要因によるシステム障害やソフトウエアの重大な不具合が発生した場合、サービスの継続的な提供に支障をきたす可能性があり、サービス提供の停止等を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 業績の変動について

当社グループのレコードブック事業においては、フランチャイズ形態による多店舗展開を積極的に進めており、毎期新規出店を続けております。当社グループがフランチャイズ加盟店から売上高に応じて得ているロイヤルティ収入については、フランチャイズ加盟店数や各加盟店のご利用者人数に応じて伸びていくため、その性質上年度末にかけて売上高、利益ともに増加する傾向にあります。

一方、DXソリューション事業のシルバーマーケティング支援においては、主に顧客企業のマーケティングリサーチやプロモーション支援等を行っているため、顧客のマーケティング戦略等の変化に伴い、受注する案件の規模や案件数が変動する傾向にあります。よって、四半期毎の売上高は平準化されないことがあり、受注する案件の規模によっては一時的に特定の取引先に対する売上高の依存度が高まることになります。当社グループは、業績の安定に向けて新サービスの開発や商品ラインナップの拡充などによる顧客企業数の増加に努めていく方針でありますが、これらが計画通りに進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 新規事業について

当社グループでは、新規事業への取り組みを継続的に行っております。今後の高齢者市場拡大への対応として、新たなビジネスモデルの確立に向け、新サービス及び新規事業の開発を進め介護保険外サービスを強化していく方針ですが、当初の予測とは異なる状況が発生し、これらの展開が計画通りに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 自然災害について

地震や風水害等の自然災害が発生し、業務を停止せざるを得ない場合や、建物や設備が損傷しその修復に多大な費用が必要となった場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 感染症の拡大について

当社グループは社会インフラとして重要な役割を担っていることを鑑み、新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生及び拡大に際しては、顧客や従業員、その他関係者等の安全確保、感染拡大防止を最優先に取組むことを前提に、介護サービスを継続して提供することにより社会に貢献していく方針ですが、事業を展開している地域や店舗において感染者が発生し、店舗運営や営業活動を含めた通常の事業活動が困難となった場合、また、取引先において感染症の影響に伴い人的・物的・財務的要因により弊害が生じ、販売や仕入活動において支障が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該事象の長期化に備え、当社グループにおいては事業継続計画の整備や不測の事態が生じた際の資金調達手段の確保等の対策を講じておりますが、当社グループの想定を上回る事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 情報管理について

当社グループが提供するサービスは、業務上、利用者或いはその家族の重要な個人情報を取扱います。当社グループは、個人情報をはじめとした情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や全社員対象の研修等を通じて、情報漏洩の防止に取り組んでおります。しかしながら、万一、システム等から個人情報が外部に漏洩する等のトラブルが発生した場合、損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 風評等の影響について

当社グループが事業を展開する介護業界においては、利用者及び介護に関わる方々との信頼関係や評判が、当社グループの事業運営に大きな影響を与えると認識しております。当社グループは、利用者の信頼が得られる質の高いサービスの提供に努めておりますが、何らかの理由により当社グループに対するネガティブな情報や風評が流れた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 減損会計の適用について

当社グループは、主にレコードブック事業、在宅サービス事業において多数の事業所を運営しておりますが、事業環境の変化等により、事業所毎の採算性が低下した場合、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、減損処理が発生しないよう各拠点の収益管理を徹底し、採算性の悪い拠点に対しては積極的に対策を講じておりますが、万一、不採算拠点の増加や閉鎖が増加した場合には、多額の減損損失が発生する可能性があります。

 

(17) 有利子負債への依存について

当社グループは、資金調達につき金融機関からの借入金等に多く依存しており、2026年3月期末における有利子負債は総資産の30.0%となっております。よって、金融情勢の変化などにより計画通り資金調達ができない場合には、事業展開等に影響を受ける可能性があります。また、金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には利益を圧迫し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 株主に対する利益還元の方針について

当社は、事業拡大に向けた内部留保の充実が重要であると認識しておりますが、株主に対する利益還元として配当を行うことも重要な経営課題と認識しており、財務体質の強化を図り、必要な内部留保を確保しつつ、経営成績・財政状態を勘案して配当を行っていく方針であります。しかしながら、業績が計画通り進展しなかった場合や業績が悪化した場合、継続的に配当を行えない可能性があります。

 

(19) 株式価値の希薄化について

当社グループは、当社グループの役員及び従業員に対して、当社グループの業績向上への意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、今後、譲渡制限付株式の発行を積極的に活用していくことを検討しております。当社グループは今後、新たな新株予約権や譲渡制限付株式を発行する可能性があり、これらの発行及び行使が行われた場合、株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(20) コンプライアンスについて

当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス体制及び内部統制システムの強化を経営上の重要課題の一つとして位置づけ、従業員等に対して適切な指示、指導を実施し、反社会的勢力との関係遮断や不正行為の防止・発見のために必要な予防策を講じています。しかしながら、コンプライアンスをはじめとした内部統制システムには一定の限界があるため、その達成を完全に保証するものではありません。そのため、必要な教育や対策等を可能な限り講じても、将来において法令違反等が生じた場合、利用者の信頼失墜を招く、もしくは取引先等から訴訟を提起される、という事態が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 投融資について

当社グループは、新たな事業への展開や既存事業の強化、収益源の多様化、事業展開の加速化等を目的として、出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等を含む各種の投融資を行っていく方針です。その際、投融資先の状況及びそれに伴うリスク等を慎重に検討した上で投融資を実行し、出資後も定期的なモニタリングを継続実施していく方針ですが、これらの投融資の結果を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化により投融資に見合う収益が得られない、あるいは損失が発生した場合、減損の対象となる事象が生じた場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22) 子会社管理体制について

当社は、連結子会社について、その運営にあたり「グループ経営管理規程」に基づき子会社の管理体制を整備するとともに、当社の役職員が子会社の役員を兼務し、子会社の業務運営の把握や改善を行うなど、適切な管理及び支援を行っております。しかしながら、当社による連結子会社への管理及び支援が適切に行われず、当該子会社の業績悪化や不祥事等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の影響を受けつつも雇用や所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直し、設備投資も穏やかな増加傾向で推移するなど、概ね回復基調で推移いたしました。一方で、米国の関税政策の動向や中東情勢によるエネルギー市場の混乱など、海外情勢の不確実性が景気の下振れリスクとして意識され、先行きについては不透明感が高まる状況となりました。

当社グループの事業に関わる高齢社会に関連する市場におきましては、中長期的に今後も高齢化率の上昇基調が続くことから、引き続きヘルスケアサービスの需要は高まっていくものと予想されております。一方で介護・医療の分野においては、需要拡大に対して生産年齢人口の減少や人材確保が困難な状況が継続しており、サービス提供体制の維持や業務負荷の拡大が業界全体の重要課題となっております。このような環境のもと、業務効率化や生産性向上を目的としてAIやICTなどのデジタル技術を活用した介護DXへの取組みが加速しております。また、2027年に実施される予定の介護保険制度改正についても、将来にわたり安定的な制度として持続させるため、介護従事者への更なる処遇改善と介護現場の生産性向上などについて引き続き検討が進められております。

当社グループでは「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による超高齢社会における課題解決」をミッションと位置づけ、2040年問題をはじめとするさまざまな社会課題の解決に取り組んでおります。「中期経営計画」において公表した経営目標の達成に向け、具体的な取り組みを推進し持続的な成長と中期的な企業価値の向上を実現してまいります。

当連結会計年度においては、2025年4月1日付で、主に中規模介護事業者向けソフトウエアを開発、販売しているセントワークス株式会社の株式を100%取得したことにより新たに連結子会社としております。同社ののれん償却費やM&A及びPMIに係る一時費用等の影響を受けたものの、通期を通して概ね計画どおりに進捗したため、売上高及び段階利益は前期比で増加いたしました。今後は、同社のソフトウエアの導入を起点とした中規模介護事業者向けDXソリューション事業を拡大し、2040年問題の解決に向けて取り組んでまいります。

また、当連結会計年度において、アクティブライフ事業の経営資源を集約し収益力強化を図るため、株式会社フルケアと株式会社正光技建による連結子会社間の吸収合併を決定しております。これに伴い将来の事業計画を再検討した結果、株式会社正光技建に関連するのれんについて減損損失を特別損失に計上いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は次のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は4,546,942千円となり、前連結会計年度末に比べ217,965千円増加いたしました。当連結会計年度末における負債合計は2,758,405千円となり、前連結会計年度末に比べ76,483千円増加いたしました。当連結会計年度末における純資産は1,788,536千円となり、前連結会計年度末に比べ141,482千円増加いたしました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高が5,892,513千円(前期比14.2%増)となりました。また、営業利益は536,751千円(前期比33.8%増)、経常利益は589,175千円(前期比43.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は319,829千円(前期比25.4%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(ヘルスケアソリューション事業)

レコードブック事業におきましては、当連結会計年度において短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)「レコードブック」の直営店が1ヵ所、フランチャイズが8ヵ所それぞれ増加しております。また、直営店2ヵ所をフランチャイズ加盟店に譲渡した結果、直営店が22ヵ所、フランチャイズが201ヵ所となりました。

そのほか、名古屋鉄道株式会社との合弁会社である株式会社名鉄ライフサポートが愛知県を中心に展開する「名鉄レコードブック」は、当連結会計年度末において19ヵ所となっております。

これにより、「レコードブック・ブランド」の店舗が合計で242店舗(前連結会計年度末は236店舗)となりました。

これらのフランチャイズの店舗数増加に加え、レコードブックの主な対象である要支援、軽度要介護高齢者数の増加や高齢者の自立支援へのニーズの高まりなどを背景として、既存店舗の稼働率については上昇傾向で推移しており、直営店舗一店舗当たりの売上高や加盟店からのロイヤルティ等の収入は前連結会計年度と比べ増加いたしました。

また、当連結会計年度におけるフランチャイズの新規出店に伴う加盟金等による収入は概ね前期並みとなりました。また、複数の店舗が、当社が設備投資を行い、フランチャイズ加盟店にレンタルをするプランから、当初契約期間5年間の満了に伴いプランを変更したため、これまで当社が負担していた地代家賃・減価償却費等の原価と同額の売上高がともに減少いたしました。

この結果、レコードブック事業全体では前連結会計年度と比べて売上高、営業利益ともに増加いたしました。

アクティブライフ事業におきましては、連結子会社の株式会社正光技建において、利益率の改善等を目的とした社内の構造改革を実行した結果、売上高は減少しております。一方、株式会社フルケア及び株式会社カンケイ舎が営む福祉用具貸与事業は堅調に推移いたしました。

この結果、前連結会計年度と比べて売上高は減少した一方、営業利益はやや増加いたしました。

従来のWebソリューション事業につきましては、当連結会計年度より、DXソリューション事業に名称を変更しております。当該変更は名称の変更のみであり、その内容に与える影響はありません。また、当連結会計年度よりセントワークス株式会社を連結の範囲に含めており、同社の損益計算書を連結しております。

この結果、前連結会計年度と比べて売上高は大きく増加し、営業利益も増加いたしました。

これらの結果、売上高は4,232,584千円(前期比19.1%増)、営業利益は686,466千円(前期比30.6%増)となりました。

 

(在宅サービス事業)

在宅サービス事業におきましては、株式会社カンケイ舎において課題となっている有資格者の採用を推進するため人事制度改革を進めた結果、一定の効果が見られ、各事業におけるサービス提供回数は回復傾向となっております。

この結果、売上高は1,659,928千円(前期比3.3%増)、営業利益は399,638千円(前期比17.9%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ343,283千円減少し、1,956,560千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は687,754千円(前連結会計年度は467,070千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益576,499千円、減価償却費186,805千円、のれん償却額80,290千円による資金の増加が、法人税等の支払額209,225千円による資金の減少を上回ったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は699,747千円(前連結会計年度は227,995千円の使用)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出600,975千円、無形固定資産の取得による支出75,677千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は331,289千円(前連結会計年度は497,000千円の獲得)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出151,568千円、長期借入金の返済による支出113,388千円、配当金の支払額65,472千円によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前期比(%)

ヘルスケアソリューション事業(千円)

4,232,584

119.1

在宅サービス事業(千円)

1,659,928

103.3

合計(千円)

5,892,513

114.2

 

(注) 主要な販売先については、当社グループは一般個人を対象とした介護サービス事業が中心であり、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析及び検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なることがあります。

なお、当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されたとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析・検討内容

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は3,081,454千円となり、前連結会計年度末に比べ225,320千円減少いたしました。その主な要因は、現金及び預金が343,283千円減少した一方で、売掛金が100,514千円増加したことによるものです。

現金及び預金の減少は、主に2025年4月1日付で実行したセントワークス株式会社の株式取得費用750,000千円の払込みにより減少した一方で、同社の持つ現金及び預金が連結開始に伴い増加したことによるものです。

 

(固定資産)

固定資産は1,465,487千円となり、前連結会計年度末に比べ443,285千円増加いたしました。その要因は、無形固定資産が403,228千円、有形固定資産が45,718千円増加した一方で、投資その他の資産が5,661千円減少したことによるものです。

無形固定資産の増加は、主にセントワークス株式会社の連結開始に伴うのれん及びソフトウエアの増加によるものです。

以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、4,546,942千円となり、前連結会計年度末に比べ217,965千円増加しました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は2,080,184千円となり、前連結会計年度末に比べ114,183千円増加いたしました。その主な要因は、未払法人税等が60,926千円、預り金が61,135千円増加したことによるものです。

未払法人税等の増加は、主に課税所得の増加に伴うものです。預り金の増加は、主にレコードブック事業におけるフランチャイズ店舗の利用者数増加に伴い介護報酬預り金が増加したことによるものです。

 

(固定負債)

固定負債は678,221千円となり、前連結会計年度末に比べ37,700千円減少いたしました。その主な要因は、長期借入金が105,184千円減少した一方で、新たに退職給付に係る負債を58,456千円計上したことによるものです。

長期借入金の減少は、当連結会計年度中に既存の借入金の返済が進んだことによるものです。退職給付に係る負債は、セントワークス株式会社の連結開始に伴い、同社の退職一時金制度に基づき従業員の退職給付に備えるため、退職給付債務の見込額に基づき計上しているものです。

以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、2,758,405千円となり、前連結会計年度末に比べ76,483千円増加しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は1,788,536千円となり、前連結会計年度末に比べ141,482千円増加いたしました。その主な要因は利益剰余金が192,770千円増加した一方で、自己株式が51,302千円増加したことによるものです。

利益剰余金の増加は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により増加した一方で、配当金の支払いに伴い減少したことによるものです。自己株式の増加は、主に取締役会決議に基づき、株主還元及び資本効率の向上と機動的な資本政策の遂行を図ることを目的として自己株式の取得を行った一方で、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与すること等を目的として、当社の取締役等を対象に譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分を行ったこと及び、当社の取締役等に付与されていた新株予約権の行使に伴い自己株式の処分を行ったことによるものです。

 

なお、セグメントごとの財政状態については、セグメントごとの資産及び負債の情報を経営資源の配分の決定及び業績を評価するための対象とはしていないため、記載しておりません。

 

b. 経営成績の分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度の売上高は5,892,513千円となり、前連結会計年度に比べ730,820千円増加いたしました。

これは、ヘルスケアソリューション事業における売上高が4,232,584千円(前期比19.1%増)、在宅サービス事業の売上高が1,659,928千円(前期比3.3%増)であったことによるものです。

ヘルスケアソリューション事業において売上高が増加した主な要因は、2025年4月1日付で、主に中規模介護事業者向けソフトウエアを開発、販売しているセントワークス株式会社の株式を100%取得したことにより、同社の損益計算書を期首から連結していることに加え、レコードブック事業において、フランチャイズの店舗数が増加したことや、既存店舗の稼働率が上昇傾向で推移したことに伴い、直営店舗一店舗当たりの売上高や加盟店からのロイヤルティ等の収入が増加したことによるものです。

在宅サービス事業において売上高が増加した主な要因は、訪問介護事業において前連結会計年度中に新たに開設した船橋市の事業所が年度を通して稼働していることに加え、既存の事業所でも利用者数が概ね順調に推移したことによるものです。

 

(売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は3,452,468千円となり、前連結会計年度に比べ334,449千円増加いたしました。

その主な要因は、ヘルスケアソリューション事業において、セントワークス株式会社の連結開始に伴い原価が増加した一方で、利益率の改善等を目的とした社内の構造改革を実行した株式会社正光技建において、売上高の減少に伴い業務委託費等の原価も減少したことによるものです。

この結果、売上総利益は2,440,045千円(前期比19.4%増)となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,903,293千円となり、前連結会計年度に比べ260,654千円増加いたしました。

その主な要因は、ヘルスケアソリューション事業において、セントワークス株式会社の連結開始に伴い販売費及び一般管理費が増加したことによるものです。加えて、当社において主に株主優待制度を新設したことによる株主数の増加に伴い、各報告セグメントに配分していない全社費用に含まれる株主名簿管理料や株主優待費用などの株主関連費用が増加しております。

この結果、営業利益は536,751千円(前期比33.8%増)となりました。

セグメント別の利益につきましては、ヘルスケアソリューション事業が686,466千円(前期比30.6%増)、在宅サービス事業は399,638千円(前期比17.9%増)、各報告セグメントに配分していない全社費用は549,352千円(前期比18.5%増)となりました。また、セグメント別の利益率につきましては、ヘルスケアソリューション事業が16.2%(前期比1.4ポイント増)、在宅サービス事業は24.1%(前期比3.0ポイント増)となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は84,290千円となり、前連結会計年度に比べ51,753千円増加いたしました。

その主な要因は、助成金収入が31,800千円、事業譲渡益が16,746千円増加したことによるものです。助成金収入の増加は、主にレコードブック事業及び在宅サービス事業において、介護事業所を運営している株式会社レコードブック及び株式会社カンケイ舎に勤務する従業員の処遇改善のため、東京都が実施する居住支援特別手当の支給を受けたことによるものです。事業譲渡益の増加は、主にレコードブック事業において直営店をフランチャイズ加盟店へ譲渡した店舗数が増加したことによるものです。

当連結会計年度の営業外費用は31,866千円となり、前連結会計年度に比べ9,499千円増加いたしました。

その主な要因は、支払利息が8,765千円増加したことによるものです。支払利息の増加は、主に期中の長期借入金残高の増加に伴うものです。

この結果、経常利益は589,175千円(前期比43.3%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益には、計上すべきものはありませんでした。

当連結会計年度の特別損失は12,676千円となり、前連結会計年度に比べ30,094千円減少いたしました。

その要因は、減損損失が30,094千円減少したことによるものです。当連結会計年度における減損損失については、アクティブライフ事業の経営資源を集約し収益力強化を図るため、株式会社フルケアと株式会社正光技建による連結子会社間の吸収合併を決定したことに伴い、株式会社正光技建の将来の事業計画を再検討した結果、のれんの減損損失を計上したものです。

この結果、税金等調整前当期純利益は576,499千円(前期比41.1%増)となりました。

また、当連結会計年度の法人税等合計は256,669千円となり、前連結会計年度に比べ103,295千円増加いたしました。

税効果会計適用後の法人税等の負担率については、44.5%(前期比6.9ポイント増)となりました。その主な要因は、連結消去による影響が減少したこと及び繰延税金資産に対する回収可能性の変動の影響が増加したことによるものです。

この結果、当期純利益は319,829千円(前期比25.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は319,829千円(前期比25.4%増)となりました。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループが今後更なる成長と発展を遂げ、より良いサービスを提供していくために、経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。

それらの課題に対応するために経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

また、必要な人材を適時に採用すると同時に、教育研修に注力することで営業力の強化と企業規模の拡大に対応した内部管理体制の強化を図り、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。

 

d. キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、レコードブック等の店舗運営にかかる費用、販売費及び一般管理費等の営業費用、納税資金であります。店舗運営にかかる費用の内訳は、労務費、地代家賃、ソフト利用料及びリース料等であります。営業費用の内訳は、人件費、広告宣伝費及び地代家賃等であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、M&A等及びレコードブック等の店舗開発にかかる費用であります。店舗開発費用の内訳は、内装工事費、運動機器等の工具、器具及び備品、差入保証金等であります。

資金調達につきましては、事業計画に基づき、主に内部資金及び金融機関からの借入等により調達しております。また機動的な資金確保のため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。なお、将来大規模な投資資金などの資金需要が発生した場合には、エクイティファイナンス等による調達手段を検討してまいります。

 

e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」をミッションと位置づけ、当社グループのヘルスケアプラットフォームを活用することで、高齢者の生活環境の整備や介護現場の情報整備をするとともに、高齢者の健康寿命の延伸に貢献したいと考えております。当該ミッションを果たすために、現状は、当社グループのコアコンピタンスである「レコードブック店舗ネットワーク」と「ケアマネジャーネットワーク」の2つのプラットフォームを活用したヘルスケアソリューションの開発に力を入れております。

「レコードブック店舗ネットワーク」においては、首都圏及び関西圏のみならず全国にレコードブック店舗ネットワークを拡大させたいと考えております。当連結会計年度末における店舗数は、直営店が22ヵ所、フランチャイズが201ヵ所、名古屋鉄道株式会社との合弁会社である株式会社名鉄ライフサポートが展開する「名鉄レコードブック」が19ヵ所、合計で242ヵ所となりました。「ケアマネジャーネットワーク」においては、介護が必要な高齢者と社会をつなぐインフラとしての役割をより一層拡大させることを目指しております。ケアマネジャー向けに運営している専門Webサイト「ケアマネジメント・オンライン」の当連結会計年度末における会員数は、11万人超となっております。

 

具体的な経営指標としては、ROE(自己資本利益率)や売上高営業利益率を高めていくことを目標としております。当連結会計年度のROEは18.6%(前期比1.8ポイント増)となりました。今後は、必要な成長投資を強化しつつ収益力を底上げすることによりROEを高めてまいりたいと考えております。当連結会計年度の売上高営業利益率は9.1%(前期比1.3ポイント増)となりました。今後は、高付加価値のサービス提供による効率的な利益の獲得により、売上高営業利益率の向上を目指してまいります。

将来的には、既存事業の更なる成長施策に加え、新規事業の立ち上げや、資本・業務提携を通じて、ヘルスケアソリューションを提供する会社として、企業価値の更なる拡大を図ってまいります。

 

 

 

5 【重要な契約等】

(連結子会社間の吸収合併)

当社は、2026年3月13日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社フルケアを存続会社とし、当社の完全子会社である株式会社正光技建を消滅会社とする吸収合併を行うことについて決議し、両社は同日付で合併契約を締結いたしました。当該契約に基づき、両社は2026年6月1日付で合併しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。