第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、国内外における博多ラーメン専門店「一風堂」「IPPUDO」を中心とした複数ブランドの飲食店の展開を中核に、食材の生産、教育、商品開発、製造、流通、販売までを一貫して手がける事業モデルの実現に向け、複数の事業をグローバルに展開しております。

 当社グループは創業の精神である、「食を通して新しい価値を創造し「笑顔」と「ありがとう」とともに世界中に伝えていく。変わらないために変わり続ける。」をグローバルに実現することを目指すとともに、より高いレベルでの顧客満足の獲得と更なる企業価値の向上に尽力し、顧客及び株主等のステークホルダーの利益最大化の実現に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループが重要視している経営指標は、売上高・営業利益・営業利益率・ROEであります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略、経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ①国内事業基盤の強化

 当社は、国内既存店の強化並びに収益性向上が重要であるとの認識のもと、基幹ブランド「一風堂」の出店を従来の人口密集地に限らず、都心部近郊の小商圏やロードサイドへ積極的に展開し、低投資、早期回収の収益モデルへ転換していきます。同時にリロケートを含む不採算店舗の戦略的閉店も進め、より高い収益体質へと改善いたします。また、前期より取り組んでおりましたモバイルオーダーや食券機等のDX施策は、既存店において一定の成果があったため、地域特性を考慮しながら展開を進めてまいります。

 商品においては、主力商品であるラーメンの継続的なブラッシュアップを行うとともに、定期的に新商品を投下し顧客の来店促進につなげてまいります。また、植物性原材料のみを使用したプラントベースの商品につきまして、今期はプラントベース専門店の出店も検討しております。その他、販売チャネルの多様化を目的として、国内においては、Yo-Kai Express Inc.が開発した米国発のラーメン自動調理機「Yo-Kai Express」事業の国内展開に参画しているほか、海外においては、プラントベース商品需要の高まりを追い風として販路の拡大に取り組んでまいります。

 併せて人財不足や人件費の高騰を見据えて店舗レイアウト及び厨房オペレーションの自動化と効率化を図り、飲食事業として総合的な次世代の食の在り方を追求してまいります。

 

 ②海外事業の拡大

 直営エリア(主に欧米・豪・シンガポール・台湾)においては、それぞれの市場に合わせた商品開発や新規出店、世界規模においてのブランド力の更なる発信力強化など、全体的な事業の発展に注力してまいります。

 アジアにおいては、主にライセンス事業の現地のパートナーの資本力、マーケティング力、ネットワーク力を活用し早期の事業拡大を目指していきます。

 

 ③商品販売事業の拡大

 販売先としましては、規模が見込める国内の主要スーパー並びに、百貨店・空港等のお土産需要が見込まれる商圏、自社サイトを通じてEC市場での規模拡大を目指します。

 海外においても一風堂関連商品に対して関心が高い水準にあることから、随時海外各市場においても同商品の導入を進めてまいります。

 

 ④人財の採用と教育

 当社グループの競争力の源である店舗運営力の向上のためには、人財の育成こそが他社との差別化にもつながると考えており、国内外問わず、人財採用の強化及び従業員満足度の向上を継続して行ってまいります。

 日本のみならず、各先進国においても人口の高齢化や少子化の傾向は見受けられ、人財の確保において他社並びに他業種との競合は激化しております。当社グループは、働き方の多様性を確保すべく地域限定社員や契約社員の採用を推進しており、海外においては日本の接客レベルを現地でも実現するための人財交流を行なっております。当社グループとしてはこのような人財育成の取り組みが顧客満足度を最大化するための最重要課題としてとらえ、全事業においてクオリティの高い商品及び接客を提供できるよう、継続的に従業員の教育を行ってまいります。

 また、労働環境の改善の観点から、ITシステムの入れ替えによる店舗業務の自動化及び有給休暇取得の施策を進めております。AIやロボティクス技術導入による労働環境の改善も併せて検討しており、当社グループの人財がより働きやすい、将来に希望を持てる労働環境の構築とグローバルな人財の獲得に向けて投資を行ってまいります。

 

 ⑤衛生面の強化

 近年、食の安心や安全に対する社会的なニーズは高まっております。日本における2021年6月のHACCP完全制度化等、原材料や提供商品のみならず、製造工程や物流の過程においても食の安全性に対しての取り組みは必須となっております。当社グループでは、専門対策部署を設置し、工場から物流、店舗での保管や提供方法等、顧客へ商品が最終的に提供されるまでの全ての工程において最新の法令を遵守し、顧客に安全な食をお届けするべく、衛生管理マニュアルに基づき衛生管理・品質管理に努めております。

 

 ⑥食習慣の多様化

 新型コロナウイルス感染拡大により、リモートワークが推奨され、それに応じて消費者の食習慣に変化の兆しが見られます。テイクアウトやデリバリーに加え、中食や保存食の需要が非常に高まっており、この傾向は当分継続されると見込まれます。同時に、環境負荷の低減や持続可能な社会の実現を目指す世界的な取り組みは、食の市場に新たな需要を生み出しており、食に関する価値観の多様化や技術革新は今後一層加速していくと見込まれます。

 当社グループにおいては、コロナ以前から海外で開始しておりましたテイクアウトやデリバリーを、日本国内においても導入いたしました。また、既に展開している中食事業等を強化し、顧客の来店以外での収益構造の強化に努めます。また、新しい食の提案として植物性原材料のみで作られたプラントベース商品を国内及び海外で販売するなど、今後も多様化するニーズに応えるべく、コロナ禍の状況のもとご来店いただいたお客様に向けてより一層満足いただける様、商品のラインナップを整理し、改善してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、当社株式投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。

 

(1)国内外食業界の動向ならびに競争激化について

 当社グループの属する国内外食産業市場は、人口の減少や高齢化並びに少子化の影響もあり市場規模の拡大に大きな期待ができない状態にあるなか、多種多様な業態の参入により競争が激化しております。また、コンビニエンスストアを中心とする中食との競争も激化しております。これらの競合の動向や外食市場の縮小等により、来客数が減少した場合には、当社グループの売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(2)国内外における業績の季節変動等について

 当社グループは、創業以来、飲食店の経営を中心に事業を展開しており、主たる事業は、外食店舗運営事業であります。従って、当社グループの業績は外食産業に対する消費者のニーズの変化、当該業界での競争激化の影響を大きく受ける傾向にあります。

 加えて、当社グループの店舗の売上高及び業績は、1年を通して一定ということではなく、季節によって変動する傾向があります。具体的には、国内においては、春休み(3月)、ゴールデンウィーク(5月)、夏休み(7~8月)及び年末年始(12~1月)などの繁忙期に売上高が増加する一方、梅雨シーズンなどの閑散期には売上高が落ち込む傾向があります。海外においても、展開する国ごとの気候・天候、特有のイベント、休暇、生活習慣等により売上高が変動します。

 また、繁忙期に台風、酷暑、厳寒などの天候の悪影響が及んだ場合や新規出店が閑散期と重なり、かつ多数出店することによるオープン時の一時費用の負担割合が売上高に比して高くなった場合には、当社グループの売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(3)国内店舗展開と出店戦略について

 当社グループは、国内においては、主に直営による店舗展開を行っており、今後も立地、賃借条件、店舗の採算性などを勘案し積極的に出店を行っていく方針であります。しかしながら、当社グループの出店条件に合致する物件が出店計画数に満たない場合や、工事等の遅れによりオープンが遅延した場合には、当社グループの売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(4)海外事業展開について

 当社グループは、欧米・アジア地域を中心に積極的に店舗展開を進めております。進出国における政情、経済、法規制、慣習等といった特有のカントリーリスクが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外においては当社グループ子会社が運営する直営店舗の他に、当社とライセンス契約を締結した現地パートナー企業が店舗を運営する形態がありますが、パートナー企業の業績の悪化並びに出店計画の遅れ等が生じた場合、店舗売上やロイヤリティ収入が減少すること等により当社グループの売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(5)商標権について

 当社グループの各店舗等において使用する名称・商標等については、その使用に先立ち、外部の専門家を通じて第三者の商標権等を侵害していないかについて確認し、侵害のおそれのある名称は使用を避け、かつ、可能な限り当社グループにおいて商標を取得することを基本方針とし、これら使用権の確保及び第三者の権利侵害の回避に努めております。しかしながら、当社グループの運営する店舗の名称や商品の内容、店舗デザイン等が模倣されることによるブランド力の低下や第三者の有する先行商標との類似等の理由により、第三者から当社グループへの商標権の侵害等にかかる損害賠償、商標の使用停止などの請求があり、仮にこれらの請求が認められた場合には、当社グループの売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(6)敷金・保証金・建設協力金について

 当社グループでは、出店に際して賃貸人に対し敷金、差入保証金及び建設協力金を支払っております。賃貸借契約の時点で賃貸人の資産状況等を審査しておりますが、賃貸人の財政状態の著しい悪化等により、敷金、差入保証金及び建設協力金の一部又は全部が回収不能になった場合は、当社グループの経常利益及び当期純利益が減少し、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)海外店舗展開における営業権(キーマネー)について

 当社グループが出店する欧州の一部の国においては、店舗物件の取得の際に、多額の営業権(キーマネー)の支払いが発生することがあります。キーマネーとは、出店しようとする店舗物件の前の運営者(前テナント)が設定する当該店舗に紐付いた権利であり、当該店舗への出店において、前テナントからの譲受が必要となります。その価格は、店舗立地、賃貸借契約の残存期間、店舗の過去の業績、家賃、近隣における取引事例などを勘案したうえで、前テナントとの交渉により確定します。なお、当社グループが移転、退店する場合には、キーマネーを譲渡し、投資資金の回収に充てることとなります。

 その価格の増減により、出店時の投資額の増加や、退店時の譲渡価格の減少が生じ、当社グループの財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)原材料の調達環境リスクについて

 当社グループでは、原材料の調達については、外食企業として、食の安心・安全を第一と考え、良質な食材の調達に努めております。しかしながら、疫病や天候不順、世界的な需給バランスの変動、各国における輸入制限等の規制により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じることや仕入価格が高騰し、当社グループの営業利益が減少する可能性があります。

 

(9)各種法的規制等について

 当社グループでは、ラーメン店を中心に複数の飲食店を運営しており、「食品衛生法」、「労働基準法」、「食品表示法」、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「独占禁止法」、「中小小売商業振興法」等の多岐にわたる法的規制を受けております。重大なコンプライアンス上の問題が発生した場合や、法的規制の改正に対応するための新たな費用が発生する場合には、当社の売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(10)アルバイト就業員に対する社会保険加入義務化について

 当社グループは、国内においては、店舗において多数のアルバイト就業者を雇用しており、社会保険加入の要件を満たすアルバイト就業者においては、全てに加入を義務付けております。しかしながら、今後、アルバイト就業者への社会保険適用範囲の拡大などの法改正が実施された場合、社会保険料負担の増加等により、人件費が上昇し当社グループの営業利益が減少する可能性があります。また海外においても、医療保険制度等の変更等によって、社会保険料ほか各種負担金が増加することで、当社グループの営業利益が減少する可能性があります。

 

(11)店舗の衛生管理について

 当社グループでは、食品衛生とは、安心・安全な商品をお客様に提供することと考えております。各店舗での適正な食材管理並びに衛生管理を徹底するとともに、衛生専門部署を設置し清潔な店舗づくりに努めております。しかしながら、当社グループにおいて、万一、食中毒などの重大な衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの売上高の減少等、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)固定資産の減損会計について

 当社グループは、すでに減損会計を適用しておりますが、今後当社グループが保有する固定資産を使用する店舗の営業損益に悪化が見られ、回復が見込まれない場合や、固定資産の市場価格が著しく低下した場合には、当該固定資産について減損損失を計上することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)有利子負債依存度について

 当社グループは、出店資金を主に銀行借入により調達しております。当連結会計年度末における当社グループの有利子負債は7,380百万円であり、有利子負債依存度は48.3%となっております。

 現在は、変動金利と固定金利を組み合わせる形で、長期借入金により資金を調達しております。銀行借入時の金利は低金利の状況が当面は継続するものと想定され、一定期間においては金利変動による影響は軽微であると考えておりますが、金利動向及び金融情勢等により当社グループの経常利益が減少し、事業展開にも影響を受ける可能性があります。

 なお、有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年以内返済予定を含む)、社債(1年以内償還予定を含む)、短期及び長期リース債務(1年以内返済予定を含む)の合計額であります。

 

(14)為替変動リスクについて

 当社グループは、グローバルに事業展開を図っており、海外子会社からのロイヤリティ収入等の外貨建売上債権が発生するほか、特に新規エリアへの進出時には、設備投資資金として海外子会社への貸付金が発生するため、決算期末における換算差額が為替差損益として発生します。また、連結財務諸表作成時には、海外連結子会社の財務諸表は、決算時又は期中平均の為替レートで換算されることとなります。

 当社グループでは、設備投資資金に係る借入金の一部を外貨建てとし、海外子会社に貸付を行うほか、海外子会社への投資資金の一部の貸付金をデット・エクイティー・スワップ等の手法により出資に切り替えるなどの方法で、為替差損の発生リスクの軽減を図っておりますが、今後、為替レートが大きく変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)特定人物への依存について

 当社グループの経営方針及び事業戦略は、ファウンダー(創業者)である代表取締役社長河原成美に依存する部分が相応にあります。当社グループでは組織規模の拡大に応じた権限委譲を進めると共に、役員及び幹部社員による情報の共有化等を通じて経営組織の強化を図るなど、ファウンダーに過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、今後何らかの理由によりファウンダーが当社グループの経営執行を継続することが困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)人財の確保及び育成について

 当社グループは、積極的な国内外への出店を行っており、人財の育成と人財確保を積極的に行っていくことが重要であります。当社グループの理念を理解し、賛同した人財の確保が重要となっており、新卒採用だけでなく中途採用、アルバイトからの社員登用も含めて人財の獲得を進めてまいります。したがって、人財確保ならびに人財育成が順調に進まない場合には、店舗におけるサービスレベルの維持や店舗展開が計画通りできず、当社グループの売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(17)従業員を発信源とする風評被害について

 当社グループは、国内外への出店を行っており、店舗運営のために多くの従業員を雇用しております。飲食店におけるSNS等を用いた従業員による不適切な情報発信からなる風評被害の発生を防止するため、当社グループでは、情報発信にかかるガイドライン等を設けております。しかしながら、従業員から不適切な情報が発信された場合には、当社グループで運営する店舗のブランド価値が毀損され、当社グループの売上高及び営業利益が減少する可能性があります。

 

(18)自然災害等のリスクについて

 当社グループは、国内外において店舗及び工場を運営しており、地震や台風等の自然災害により、店舗営業、工場生産、物流といった諸機能が停止状態に陥った場合、商品供給ができない可能性があります。また、動物特有の感染症や伝染病等が発生した場合、売上の減少、仕入コストの上昇、安全衛生の強化施策費の増加等により、当社グループの営業利益が減少する可能性があります。

 

(19)新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルスのワクチンの接種が進み、世界経済は従来の姿に戻りつつありましたが、より強い感染力を持つ変異種の拡大が新たな不安材料になるなど、不透明な状況が続いております。

 今後、更なる感染拡大等、新型コロナウイルスを取り巻く状況が深刻化した場合には、当社グループの売上高及び営業利益等の業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)における世界経済は、新型コロナウイルスのワクチンの接種が進み、従来の経済活動に戻りつつありましたが、従来型よりも強い感染力を持つ変異種の拡大が新たな不安材料になるなど、不透明な状況が続いております。加えて、ロシア・ウクライナ情勢や米中対立等の地政学的リスクに起因する原材料及びエネルギー価格の上昇、為替相場の先行きなど、注視が必要な状況が継続しております。

 当社グループの属する外食産業について、国内においては、世界的な食肉需要拡大による原材料価格の高騰や労働者不足による人件費の上昇、運送業界の人手不足に伴う物流費の上昇等が継続して見込まれるため、今後一層の収益力強化が課題となってくると考えております。9月までは感染拡大により営業時間の短縮や人数制限、アルコール類の提供休止等の規制がされておりましたが、10月より段階的に営業規制の要請が緩和されたことに伴い、経済活動は回復傾向にありました。しかしながら、12月下旬からの変異株による感染の急速な拡大を受けて、3月中旬まで営業時間短縮等の規制が再び実施され、営業規制の解除後も3回目のワクチン接種が感染拡大に追い付かず、先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、ロシア・ウクライナ情勢に起因して、エネルギー・原材料価格の高騰が懸念され、引き続き注視が必要な状況にあります。

 海外においては、ラーメンをはじめとする日本食市場は依然として拡大傾向にあり、長期的には成長の継続が見込まれますが、国内以上に原材料価格の高騰や労働者不足による賃金の上昇、運送業界の人手不足に伴う物流費の上昇等、全面的なインフレ傾向が加速することが見込まれ、今後の収益力強化が課題となってくると考えております。各国では、度重なるロックダウンにより個人消費の成長は鈍化と加速を繰り返していた状況にありながらも、ロックダウンの解除後は回復が早まる傾向にあります。足元では、3月下旬に中国・上海において変異株による感染が再拡大しロックダウン下にありますが、他の国・地域では渡航条件の緩和が進んでおり、それに伴い経済活動の再開が徐々に進んでおります。一方で、ロシア・ウクライナ情勢に起因して、エネルギー・原材料価格の高騰が懸念され、引き続き注視が必要な状況にある点は国内と同様です。

 このような状況のもと、当社グループでは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、国内においては、前期より取り組んでおります都心部近郊の小商圏やロードサイドへの出店を前提とした低投資、早期回収の収益モデルによる新店舗を7店舗出店いたしました。国内及び海外の既存店においては、新たな需要の掘り起こしのため、テイクアウトやデリバリーによる商品提供に注力したほか、モバイルオーダーや請求支払システムの導入等、DX施策の推進に取り組んでまいりました。国内では植物由来の原材料のみを使用した「プラントベース白丸・赤丸」を販売し、価値観の多様化や環境負荷の低減に関する対応を進めております。商品販売につきましては、国内では、自社ECサイトを利用したD2Cのビジネスモデル構築による中間コストの削減やB2C営業を含めた拡販活動の実施、「一風堂プラントベースラーメン白丸・赤丸」乾麺タイプの販売、とんこつ風味のスナック菓子「とんまる」の販売等を開始しております。海外商品では、店内需要以外の売上を獲得すべく「冷凍ラーメン白丸・赤丸」等の販売を強化してまいりました。

 当連結会計年度末の店舗数はライセンス形態での展開を含め、当社グループ合計で277店舗(国内143店舗、海外134店舗、前期末比国内6店舗減・海外3店舗増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高は19,398百万円(前期比17.3%増)となりました。営業損益は、既存店の収益力強化、並びに新店が早期から利益貢献したことにより、1,050百万円の利益(前期は980百万円の損失)となりました。経常損益は1,083百万円の利益(前期は1,010百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損益は、923百万円の利益(前期は2,392百万円の損失)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ1百万円増加しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ401百万円減少し、15,271百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,889百万円減少し、11,470百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,488百万円増加し、3,800百万円となりました。

 

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高19,398百万円(前期比17.3%増)、営業利益1,050百万円(前期は980百万円の損失)、経常利益1,083百万円(前期は1,010百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益923百万円(前期は2,392百万円の損失)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 国内店舗運営事業につきましては、売上高10,387百万円(前期比12.9%増)、セグメント損益は492百万円の利益(前期は524百万円の損失)となりました。

 海外店舗運営事業につきましては、売上高6,796百万円(前期比25.4%増)、セグメント損益611百万円の利益(前期は386百万円の損失)となりました。

 商品販売事業につきましては、売上高2,214百万円(前期比15.1%増)、セグメント損益269百万円の利益(前期比4.9%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,125百万円となり、前連結会計年度末に比べ778百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は1,704百万円(前連結会計年度は651百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益930百万円の計上、減価償却費859百万円及び、減損損失1,291百万円、臨時休業等による損失109百万円等の非資金的費用の計上があった一方で、未払金の減少1,018百万円を計上したこと等によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は923百万円(前連結会計年度は1,249百万円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入104百万円があったものの、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出901百万円、敷金及び保証金の差入による支出114百万円があったこと等によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は167百万円(前連結会計年度は2,047百万円の収入)となりました。これは主に、第三者割当増資の払込みや新株予約権の行使に伴う新株発行による収入で1,645百万円、長期借入れによる収入536百万円があったものの、長期借入金の返済による支出2,144百万円、社債の償還による支出114百万円があったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月 1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内店舗運営事業(千円)

-

-

海外店舗運営事業(千円)

-

-

商品販売事業(千円)

598,660

124.5

合計(千円)

598,660

124.5

(注)1.金額は、製造原価によっております。

2.国内店舗運営事業及び海外店舗運営事業は、店舗運営が主であり生産を行っておりません。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月 1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内店舗運営事業(千円)

2,597,131

104.4

海外店舗運営事業(千円)

1,441,016

93.0

商品販売事業(千円)

800,624

114.4

合計(千円)

4,838,771

102.2

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月 1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

国内店舗運営事業 (千円)

日本

一風堂

6,275,960

123.1%

その他

4,111,056

100.3%

小計

10,387,467

112.9%

海外店舗運営事業 (千円)

北米

IPPUDO

1,742,903

157.5%

その他

220,027

81.0%

欧州

IPPUDO

1,112,221

157.2%

アジア・オセアニア

IPPUDO

3,293,249

111.1%

その他

428,133

116.1%

小計(千円)

6,796,536

125.4%

商品販売事業(千円)

2,214,055

115.1%

合計(千円)

19,398,059

117.3%

(注)当社の主要顧客は個人のため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は作成しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りにより作成されております。当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示ならびに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。これらの連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

(固定資産の減損処理)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しておりますが、事業計画や経営環境の変化により、当該将来キャッシュ・フローを見積るにあたって前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、減損損失が増加する可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 繰延税金資産については、将来の事業計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

 なお、固定資産の減損損失につきましては、「2.事業等のリスク(12)固定資産の減損会計について」の記載に関連する会計処理であり、会社運営・業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項として認識しております。

 

②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ401百万円減少し15,271百万円となりました。これは主に、現金及び預金が798百万円増加したこと、繰延税金資産が387百万円増加したこと、新型コロナウイルス感染症の影響による収益性の低下を理由とした店舗等の閉店等により有形固定資産及び無形固定資産が1,563百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ2,889百万円減少し11,470百万円となりました。これは主に有利子負債が1,765百万円減少したこと、未払金が1,521百万円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,488百万円増加し3,800百万円となり、自己資本比率は24.8%となりました。これは主に、第三者割当増資の払込みや新株予約権の行使等により資本金及び資本剰余金が1,584百万円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加が749百万円あったこと等によるものであります。

 

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は19,398百万円(前期比17.3%増)となりました。

 国内店舗運営事業においては、2021年9月までは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で政府や地方自治体による緊急事態宣言やまん延防止措置の発出に伴い、営業時間短縮や酒類販売休止等の営業規制の要請に準じた店舗運営を行ってまいりましたが、同年10月以降は感染者数減少により緊急事態宣言が解除され、売上が堅調に回復しました。しかしながら12月下旬頃から変異株による感染が急速に再拡大したことにより3月中旬まで再び営業時間短縮等の規制がなされ、通期において営業時間の短縮等のない期間は3ヵ月程となりました。このような状況のもと、前期より取り組んでおります新たな収益モデルにて7店舗出店した他、不採算店舗の戦略的閉店を7店舗行いました。以上の結果、国内店舗運営事業の売上高は前期比12.9%増加いたしました。

 海外店舗運営事業においては、各国で度重なるロックダウンと解除を繰り返しながらも、欧米を中心とした市場において、ロックダウン解除後の客数が迅速に一定程度回復(2021年12月、既存店前年比客数7.0%増)しました。また、デリバリー・テイクアウトの強化を図り、新たな施策としてテイクアウト用冷凍ラーメンの商品開発・導入を行ったことで、当セグメントの売上は堅調に回復しました。以上の結果、海外店舗運営事業の売上高は前期比25.4%増加いたしました。

 商品販売事業においては、主力である一風堂関連商品の売上を強化すべく、新商品投入による商品ラインナップの充実や、自社ECサイトにおける販促施策・小売事業者への営業に注力してまいりました。そば関連商品につきましては、年末に向けて年越しそばの販売強化を行いました。以上の結果、売上高は前期比15.1%増加となりました。

 

(営業損益)

 当連結会計年度の営業利益は1,050百万円の利益(前期は980百万円の損失)となりました。

 国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに、店舗スタッフのシフトコントロール、モバイルオーダーの導入、本社機能の簡素化、業務フローの見直し等、各種経費削減並びに経営効率化の施策を実施いたしました。また、不採算店舗の閉店を実施した他、売上高が増加したことに伴い、国内店舗運営事業、海外店舗運営事業ともに増益となりました。

 商品販売事業においても、固定費の削減及び運営体制見直し等の収益性改善に取り組んだほか、一風堂関連商品の販売強化が奏功し、増益となりました。

 

(経常損益)

 当連結会計年度の経常利益は1,083百万円の利益(前期は1,010百万円の損失)となりました。これは主に、賃貸収入が141百万円、為替差益が43百万円あった一方で、賃貸収入原価131百万円等があったことで、営業利益1,050百万円から32百万円の増加となりました。

 

(税金等調整前当期純損益)

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は930百万円(前期は2,373百万円の損失)となりました。これは主に、休業に伴う補助金収入及び債務免除益等により特別利益を2,275百万円計上したものの、臨時休業等による損失及び減損損失等により特別損失を2,428百万円計上したことにより、経常利益1,083百万円から152百万円の減少となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は923百万円(前期は2,392百万円の損失)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額(益)を50百万円計上した一方で非支配株主に帰属する当期純利益を57百万円計上したことによるもので、税金等調整前当期純利益930百万円から6百万円の減少となりました。

 

セグメント別の業績の概況

 当連結会計年度より、事業戦略の変更に伴い、報告セグメントの見直しを行い、その他事業を国内店舗運営事

業及び商品販売事業に統合したことにより、その他事業は消滅しております。伴って国内商品販売事業の名称を

商品販売事業へ変更しております。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替

えた数値で比較分析しております。

 

<国内店舗運営事業>

 国内店舗運営事業につきましては、「一風堂」ブランドにおいて8店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて1店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて5店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて1店舗、「イチカバチカ」ブランドにおいて1店舗閉店、「PANDA EXPRESS」ブランドにおいて運営子会社である株式会社I&P RUNWAYJAPANの全株式を譲渡したことに伴い8店舗減少したことから、当連結会計年度末における店舗数は143店舗(前期末比6店舗減)となりました。また、「RAMEN EXPRESS」6店舗について「一風堂」への業態変更を行っております。
 

 2021年9月までは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で政府や地方自治体による緊急事態宣言やまん延防止措置の発出に伴い、営業時間短縮や酒類販売休止等の営業規制の要請に準じた店舗運営を行ってまいりましたが、同年10月以降は感染者数減少により緊急事態宣言が解除され、売上が堅調に回復しました。しかしながら12月下旬頃から変異株による感染が急速に再拡大したことにより3月中旬まで営業時間短縮等の規制がなされ、通期において営業時間の短縮等のない期間は3ヵ月程となりました。このような状況のもと、前期より取り組んでおります新たな収益モデルにて7店舗出店した他、不採算店舗の戦略的閉店を7店舗行いました。また、モバイルオーダー及び食券機の導入による生産性の向上、新たな需要掘り起こしのための施策としてテイクアウトやデリバリーによる商品提供の強化を行いました。商品に関しては、健康志向の高まりや食生活の多様化、脱炭素化社会の実現の一つの方法として、2021年2月に販売しておりました「プラントベース白丸・赤丸」の再販を行いました。併せて、外食に足を運びづらくなったお子様連れのご家族のために「あなたの街に一風堂」という試みで、キッチンカーによるラーメンの無償提供を行う活動を賛同企業様の御協力を頂きながら実施しております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は10,387百万円(前期比12.9%増)となりました。セグメント損益は、前期に実施した店舗運営・管理業務のシステム化や不採算店舗の閉店等の各種コスト削減施策により、492百万円の利益(前期は524百万円の損失)となりました。

 

<海外店舗運営事業>

 海外店舗運営事業につきましては、台湾に2店舗、マレーシアに2店舗、タイに1店舗、フィリピンに1店舗、シンガポールに1店舗、香港に1店舗出店した一方で、アメリカで1店舗、台湾で1店舗、中国で1店舗、香港で2店舗閉店したことから、当連結会計年度末の店舗数は134店舗(前期末比3店舗増)となりました。

 当連結会計年度の当セグメントにおける対象期間(2021年1月~2021年12月)の状況は、各国で度重なるロックダウンと解除を繰り返しながらも、欧米を中心とした市場において、ロックダウン解除後の客数が迅速に一定程度回復(2021年12月、既存店前年比客数7.0%増)したことで、当セグメントの売上は堅調に回復しました。

 しかしながら全世界的なインフレ傾向を受け、原材料価格の高騰や、賃金・物流費の上昇等、コスト面において様々な対応が求められました。このような状況のもと、当社は、提供商品の見直し、人財ディプロイメントの再構築、DX施策の導入等で、各地域の店舗運営体制の抜本的な見直しを行いました。また、デリバリー・テイクアウトの強化を図り、新たな施策としてテイクアウト用冷凍ラーメンの商品開発・導入を行いました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,796百万円(前期比25.4%増)となりました。セグメント損益は、直営店舗においては上記売上の増加と、各種コスト削減施策を実施し、またライセンス先の新規出店がロイヤリティ収入の増加に寄与したことにより611百万円の利益(前期は386百万円の損失)となりました。

 

<商品販売事業>

 商品販売事業につきましては、主力である一風堂関連商品の売上を強化すべく、新商品投入による商品ラインナップの充実や、自社ECサイトにおける販促施策・小売事業者への営業に注力してまいりました。そば関連商品につきましては、年末に向けて年越しそばの販売強化を行う一方で、例年の閑散期である1月から3月の費用の削減等、収益性の改善に努めました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,214百万円(前期比15.1%増)、セグメント損益は269百万円の利益(前期比4.9%増)となりました。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループは出店資金を主に銀行借入により調達しております。

 当連結会計年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大とその長期化に備えて、金融機関より長期借入金として400百万円を調達いたしました。また、第三者割当増資により、1,646百万円、新株予約権の発行により8百万円調達しております。

 なお、当社グループは新型コロナウイルスの感染拡大とその長期化に備えて、必要に応じて資金調達を行ってまいります。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、ラーメンを中心とした日本の食文化を世界に伝えるべく、国内外ともに新規出店を進めており、売上高・営業利益・営業利益率・ROEを経営指標とし、各指標の向上を目指しております。

 各指標の進捗状況は下記のとおりであります。

 

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

売上高

29,106百万円

16,539百万円

19,398百万円

営業利益又は営業損失(△)

697百万円

△980百万円

1,050百万円

営業利益率

2.4%

△5.9%

5.4%

ROE

△5.3%

△93.5%

36.2%

 

経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは創業の精神である、「食を通して新しい価値を創造し「笑顔」と「ありがとう」とともに世界中に伝えていく。変わらないために変わり続ける。」をグローバルに実現するために、ひとりのお客様に一杯のラーメンを通じて、真心をこめて商品やサービスを提供しております。2022年3月31日現在では日本国内にて143店舗、欧米やアジアを中心に海外14の国と地域で134店舗、合わせて277店舗を展開しております。そのために、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載した課題を克服し、今後もラーメンとともに「笑顔とありがとう」を伝え、顧客満足度向上への取り組みに注力してまいります。加えて、出店数を増加させることで事業を拡大させ、顧客価値向上とともに企業価値を高め、ステークホルダーの利益最大化の実現にも努めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)店舗運営に関する契約(国内)

相手先

株式会社HAZIME

契約内容

「一風堂」の店舗運営について、メニュー構成や店舗運営方針などの一定の裁量権を付与した店舗運営委託契約。

契約条件

業務委託費として、一定額及び成果報酬の支払い

契約期間

1年間(自動更新)

 

相手先

株式会社STAY DREAM 他10社

契約内容

当社が所有するノウハウ、システム、商標等を用いて「一風堂」を設置、運営する権利を許諾。

ロイヤリティ

加盟金ならびに売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

5年間(自動更新)

 

(2)店舗運営に関する契約(海外)

相手先

RAMEN CONCEPTS LIMITED

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂、IPPUDO EXPRESS等のラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。なお、当該権利の再許諾が可能。

テリトリー

中国・香港・マカオ

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

10年間(自動更新)

 

 

相手先

IRR SDN.BHD.

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂ラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。

テリトリー

マレーシア

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

7年間(自動更新)

 

相手先

IPPUDO PHILIPPINES INC.

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂ラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。

テリトリー

フィリピン

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

3年間(自動更新)

 

 

相手先

FOODXCITE COMPANY LIMITED

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂ラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。

テリトリー

タイ

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

6年間(自動更新)

 

相手先

SMI F&B Pte.Ltd.

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂ラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。

テリトリー

ミャンマー

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

5年間(自動更新)

 

相手先

STG Food Industries 5 Pty Ltd

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂ラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。なお、当該権利の再許諾が可能。

テリトリー

ニュージーランド

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

7年間(自動更新)

 

相手先

STG Food Industries 5 Pty Ltd

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂ラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。なお、当該権利の再許諾が可能。

テリトリー

オーストラリア(クイーンズランド州及び西オーストラリア州)

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

7年間(自動更新)

 

相手先

Pizza 4PS Corporation

契約内容

当社が所有するノウハウ、商標等を用いて「一風堂ラーメン・レストラン」を設置、運営する権利を許諾。

テリトリー

ベトナム

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

5年間(自動更新)

 

 なお、当社は、2022年1月28日開催の取締役会において、株式会社I&P RUNWAY JAPANの全株式を売却し、合弁契約を解消することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 2022年1月28日において解消契約を締結した経営上の重要な契約は以下のとおりです。

 

相手先

CITADEL PANDA EXPRESS, INC.

契約内容

CITADEL PANDA EXPRESS, INC.が所有するノウハウ、商標等を用いてアメリカンチャイニーズレストラン「PANDA EXPRESS」を設置運営する権利を受諾。

テリトリー

日本

ロイヤリティ

一定額又は売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

5年間(自動更新)

 

(3)技術援助契約

相手先

龍大食品集団有限公司

契約品目

中華麺、ラーメン用スープ、チャーシュー、餃子など

契約内容

日式ラーメン店向けの中華麺、ラーメン用スープ、チャーシュー、餃子などの製造にかかる技術指導、並びに当該技術指導の対象となる商品について「一風堂」その他当社保有の商標を使用する権利を許諾。

テリトリー(製造、発売及び販売を許諾する地域)

中国(台湾を除く)

ロイヤリティ

売上高に一定の料率を乗じた額

契約期間

3年間(自動更新)

 

(4)借入契約

タームローン契約

借入の概要

株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャー及びエージェントとするシンジケーション方式コミットメント期間付タームローン並びにタームローン

組成総額

20億円(内訳 トランシェA13億円、トランシェB7億円)

契約日

2017年9月15日

コミットメント期間

2017年9月29日から2018年9月28日

契約期間

2017年9月15日から2025年9月30日

借入可能通貨

<トランシェA>日本円

<トランシェB>マルチカレンシー(日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、シンガポールドルでの借入が可能)

 

借入の概要

株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャー及びエージェントとするシンジケーション方式コミットメント期間付タームローン

組成総額

17億円(内訳 トランシェA10億円、トランシェB7億円)

契約日

2019年3月14日

コミットメント期間

2019年3月29日から2020年9月30日

契約期間

2019年3月14日から2027年3月31日

借入可能通貨

<トランシェA>日本円

<トランシェB>マルチカレンシー(日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、シンガポールドル、カナダドルでの借入が可能)

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。