当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日まで)における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢に起因する原材料及びエネルギー価格の上昇、賃上げや労働人口の減少による人件費の上昇等により、依然として景気減速の懸念等、先行きが不透明な状況が継続しております。
当社グループの属する外食産業について、国内においては、人流の回復による個人消費の拡大や、インバウンド消費が拡大し、経済活動が徐々に活発になっている一方で、原材料及びエネルギー価格の上昇や人件費の上昇、長期間に及ぶ円安による影響や、物価高騰に伴う景気減速の懸念等、引き続き厳しい経済状況にあります。海外においては、地政学的な不安定要素において、原材料及びエネルギー価格の高騰が続いております。インフレに伴う金融引き締めは緩和傾向にあるものの、引き続き注視が必要な状況にある点は国内と同様であります。
このような状況のもと、当社グループでは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、国内においては、新規出店が進んでいることや、既存店の売上が堅調に推移していること、「太つけ麺」等のシーズナル商品の販売、メディア露出増加が集客につながったほか、引き続きモバイルオーダーやタブレットオーダーの導入等、DX施策に取り組んだことで、利益率の改善を図っております。また2024年2月から2024年5月までの約3ヶ月間にわたり、1994年に出店し一風堂を全国の皆様に知っていただくきっかけとなった新横浜ラーメン博物館に期間限定で出店し、限定商品やコラボ商品の販売を実施いたしました。
海外においては、新商品やシーズナル商品の販売や、イベントの開催、グランドメニューの見直し等により集客を図るとともに、原材料や人件費等のコスト上昇に対応すべく価格改定やコスト見直しを実施しておりますが、充分にはできていない状況にあります。今後も収益改善に向けて、さまざまな取り組みを検討してまいります。
商品販売につきましては、引き続き、国内では一風堂関連商品のB2B営業の強化を行うとともに、海外では、食の多様性に対応した「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプなどの輸出販売の拡大に取り組んでおります。
当中間連結会計期間末の店舗数はライセンス形態での展開を含め、当社グループ合計で過去最多293店舗(国内149店舗、海外144店舗、前期末比国内4店舗増、海外2店舗増)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間における業績は、売上高は16,611百万円(前年同期比11.6%増)となりました。営業損益は1,247百万円の利益(前年同期比7.7%減)となりました。経常損益は為替の影響もあり1,177百万円の利益(前年同期比21.0%減)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は772百万円(前年同期比25.2%減)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
セグメント別の業績の概要
<国内店舗運営事業>
国内店舗運営事業につきましては、「一風堂」ブランドにおいて9店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて1店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて3店舗、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて2店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて1店舗閉店したことから、当中間連結会計期間末における店舗数は149店舗(前期末比4店舗増)となりました。また、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて1店舗を「一風堂」ブランドへ業態変更しております。
経済の正常化により、人流の回復やインバウンドの増加による消費拡大が売上に貢献いたしました。既存店売上が堅調に推移していることやシーズナル商品の「太つけ麺」、「辛つけ麺」、「がっつりまぜ麺」、店舗限定商品の「とんこつ醤油」の販売を開始したことや、メディア露出増加が集客につながりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は、7,530百万円(前年同期比13.9%増)となりました。セグメント損益は、718百万円の利益(前年同期比18.0%増)となりました。
<海外店舗運営事業>
海外店舗運営事業につきましては、台湾に4店舗、アメリカに1店舗、ベトナムに1店舗、タイに1店舗出店した一方で、台湾で2店舗、アメリカで1店舗、シンガポールで1店舗、香港で1店舗閉店したことから、当中間連結会計期間末の店舗数は144店舗(前期末比2店舗増)となりました。
当中間連結会計期間の当セグメントにおける対象期間(2024年1月~2024年6月)の状況は、インフレの影響により原材料価格の高騰や、賃金・家賃等のコスト上昇に見舞われております。それに伴い、価格改定やコスト見直しを実施しておりますが、コスト増加分に対する価格転嫁等が間に合っていない状況であります。またコロナ規制解除後の消費過熱が一巡したことや、一定数のリモートワークの定着によるオフィス街の人口が減少していること、インフレによる景気落ち込み、既存出店国における大統領選挙等による景気先行きに対する懸念により来店客数が前年比で減少傾向にあります。また、新規国や新規エリア開発に伴う初期コストの計上や、計画に見込んでおりました新店の開店が遅延していることによるコスト増加も営業利益に影響しております。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は、7,303百万円(前年同期比8.8%増)となりました。セグメント損益は、473百万円の利益(前年同期比36.4%減)となりました。
<商品販売事業>
商品販売事業につきましては、国内では、2022年12月より国際線の機内食に採用されている「一風堂プラントベースラーメン~プラとん(Pla-ton)」が好調な販売を維持していることに加え、新商品として低糖質高たんぱく質の「一風堂 Clear Noodle」や十割そば、動物性の原料を使用していないプラントベースのそばつゆの販売を開始いたしました。引き続き、主力の一風堂関連商品のラインナップ及び販売チャネルの拡大に引き続き取り組んでまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は、1,777百万円(前年同期比14.2%増)となりました。セグメント損益は、203百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
なお、当中間連結会計期間末における当社グループのセグメント別、国別、及びブランド別の店舗数の分布は下図のとおりであります。
|
セグメント |
国名 |
ブランド |
前期末店舗数 |
増減 |
中間期末店舗数 |
||
|
|
内.ライセンス 契約先 |
|
内.ライセンス 契約先 |
||||
|
国内店舗運営事業 |
日本 |
一風堂 |
117 |
24 |
+7 |
124 |
24 |
|
RAMEN EXPRESS |
15 |
- |
-3 |
12 |
- |
||
|
因幡うどん |
7 |
- |
- |
7 |
- |
||
|
その他 |
6 |
1 |
- |
6 |
1 |
||
|
国内小計 |
145 |
25 |
+4 |
149 |
25 |
||
|
海外店舗運営事業 |
アメリカ |
IPPUDO |
7 |
- |
- |
7 |
- |
|
その他 |
4 |
- |
- |
4 |
- |
||
|
シンガポール |
IPPUDO |
13 |
- |
- |
13 |
- |
|
|
IPPUDO EXPRESS |
2 |
- |
-1 |
1 |
- |
||
|
中国(含む香港) |
IPPUDO |
16 |
16 |
-1 |
15 |
15 |
|
|
その他 |
1 |
1 |
- |
1 |
1 |
||
|
台湾 |
IPPUDO |
16 |
- |
+2 |
18 |
- |
|
|
IPPUDO EXPRESS |
2 |
- |
- |
2 |
- |
||
|
オーストラリア |
IPPUDO |
10 |
3 |
- |
10 |
3 |
|
|
その他 |
2 |
- |
- |
2 |
- |
||
|
マレーシア |
IPPUDO |
12 |
12 |
- |
12 |
12 |
|
|
タイ |
IPPUDO |
23 |
23 |
+1 |
24 |
24 |
|
|
フィリピン |
IPPUDO |
11 |
11 |
- |
11 |
11 |
|
|
インドネシア |
IPPUDO |
9 |
- |
- |
9 |
- |
|
|
イギリス |
IPPUDO |
4 |
- |
- |
4 |
- |
|
|
フランス |
IPPUDO |
5 |
- |
- |
5 |
- |
|
|
ミャンマー |
IPPUDO |
2 |
2 |
- |
2 |
2 |
|
|
ベトナム |
IPPUDO |
1 |
1 |
+1 |
2 |
2 |
|
|
ニュージーランド |
IPPUDO |
2 |
2 |
- |
2 |
2 |
|
|
海外小計 |
142 |
71 |
+2 |
144 |
72 |
||
|
全社合計 |
287 |
96 |
+6 |
293 |
97 |
||
(注)国内店舗運営事業において、ライセンス運営の「一風堂」1店舗を譲受しております。
(3)財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ439百万円増加し17,668百万円となりました。これは主に、出店等により有形固定資産が382百万円増加したこと、現金及び預金が160百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ509百万円減少し7,449百万円となりました。これは主に、未払法人税等が199百万円減少したこと、有利子負債が249百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ948百万円増加し10,218百万円となり、自己資本比率は57.8%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が772百万円増加したこと、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が14百万円増加したこと、為替換算調整勘定が562百万円増加したこと、配当金の支払いによる利益剰余金が393百万円減少したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,315百万円となり、前連結会計年度末に比べ739百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動の結果、獲得した資金は1,466百万円(前中間連結会計期間は1,332百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益1,150百万円の計上、減価償却費430百万円等の非資金的費用の計上、売上債権の減少89百万円があった一方で、未払消費税の減少174百万円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動の結果、獲得した資金は80百万円(前中間連結会計期間は631百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入791百万円、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出628百万円、敷金及び保証金の差入による支出102百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動の結果、支出した資金は627百万円(前中間連結会計期間は2,633百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入306百万円、長期借入金の返済による支出554百万円、配当金の支払391百万円があったこと等によるものであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。