文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、音楽用途の電子機器の開発と販売によって、世界の共通語である音楽の市場拡大と発展に貢献することを目指します。また、「音」と「音楽」に特化したブランドイメージをアピールすることで、楽器を演奏するユーザーのみならず、コンシューマ・エレクトロニクス(家電)市場、あるいはプロシューマ(業務)用機器市場を開拓していくことで成長を図ってまいります。そのためには、常に先端技術を応用して独自性のある製品を開発し、組織のオーバーヘッドを抑えて意思決定のスピードを上げ、ファブレス体制を維持して生産や在庫のフレキシビリティを保ち、グローバルな人材活用によってマーケティング力を強化し、変化する市場に適応しながら100年続くブランドを構築してまいります。また、適正で安定した利益還元によって株主の期待に応えると共に、技術革新に対する投資を積極的に行い、将来のリスクに備えた内部留保を確保します。さらに、コンプライアンス、透明性、環境への配慮を重視することで企業の社会的責任を果たしてまいります。
当社グループでは持続的な成長と適正な利益の確保のための指標として売上高及び営業利益を、また、資金の効率的な運用を実現するための指標として株主資本利益率(ROE)を、重要な指標と考えております。
当社グループは、中長期的な経営目標として、当社製品のターゲットユーザーを楽器の演奏をするミュージシャンに限定せず、広く創造活動をするクリエーターと位置づけることにより、製品カテゴリーを拡げることで成長シナリオを描いております。一方で、ハンディオーディオレコーダー、マルチエフェクターやハンディビデオレコーダーといった既存の製品カテゴリーにつきましても、引き続き新製品を投入し、持続的な成長を目指してまいります。すなわち、製品カテゴリーを入れ替えていくのではなく、実績ある従来製品で安定した事業基盤を確保しつつ、新たな製品カテゴリーを加えていく、という経営戦略を掲げております。
なお、当社は、上記戦略を踏まえ、2018年度から2020年度までの中期経営計画「第2次中期経営計画 2018-2020 ZOOM 5.0」を策定しております。当該中期経営計画において、2020年度の数値目標を、売上高100億円、営業利益7億円、ROE11.0%としております。
当社グループが属する音楽用電子機器業界におきましては総じて好調な事業環境となっておりますが、当社グループでは、不透明な外的要因が続くことを前提に、安定的、持続的に事業を拡大するため、下記のような課題に取り組んでまいります。
当社グループは、株式上場を目指す過程において、また上場後に調達した資金を有効活用する手段として、様々な課題に取り組み、また投資を行ってまいりました。生産販売管理基幹システムや新会計システムの導入、開発機種数を増やすための外注や金型への追加投資、開発環境の整備に係る設備投資、人員数増加に備えての事務所スペースの拡張、などであります。これに伴い、日常的な諸経費や償却費が増加し、利益を圧迫する傾向が顕著になってまいりました。従いまして、2020年12月期につきましては、安定した粗利益率の確保、仕入コストの低減、一般管理費の削減、結果として営業利益の増加に、全社を挙げて取り組んでまいります。
② 開発スケジュールの遅延防止
当連結会計年度に開発・発売した新製品では、総じて想定外の日程遅延が発生し、その売上不足分を補うための値引販売を行うなど、結果として利益を圧迫する結果を招きました。原因は製品企画段階での検討不足、新規部品の品質確認不足、外注先の納期遅れ、など様々であり、一律の処方箋はありませんが、予算の達成に影響を与えない範囲の遅延に留まるよう、過去の経験を踏まえたリスク管理を徹底してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外売上高比率は91.1%(2019年12月期)と高く、海外への売上高は主に米国ドル建であり、また、中国の生産委託先からの仕入高についても米国ドル建であるため、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。具体的には、売上高及び仕入高については、それぞれ販売及び仕入れをした日のレートで円換算されるため、同レートに応じて円換算後の売上高と売上総利益が増減いたします。すなわち、円高となった場合は売上高と売上総利益が減少いたします(円安の場合は増加)。なお、イタリアに本社を置くディストリビューター、Mogar Music S.p.A.を連結子会社としているため、ユーロの変動についても当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、棚卸資産の評価基準として総平均法を採用しているため、円高傾向が継続した場合、売上原価は過去の円安時に円換算された仕入価格の影響を受けることから、売上原価率が上昇する傾向にあります(円安傾向が継続した場合は下落)。
さらに、当社の外貨建資産と負債のほとんどが米国ドル建であるため、米国ドル建資産と米国ドル建負債のバランスを保つことにより、為替差損益がなるべく生じないよう管理をしておりますが、完全な管理は困難であるため、為替相場の変動に応じて為替差損益を計上する可能性があります。
当社グループの製品は世界各国で販売されているため、各国の経済状況や競合他社との価格競争を含む市場の動向に大きな変化がみられた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特に、当社グループの顧客には比較的若いユーザーが多いため、先進国で見られる少子化は将来の顧客数に影響を与える可能性があります。また、趣味の多様化により当社グループの製品カテゴリーの対象顧客が減少する可能性があります。さらには、ミュージシャンやクリエーター等がターゲットユーザーである製品が多いため、限られたユーザーの動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、新しい製品カテゴリーの開拓を当社グループの戦略目標の一つとしておりますが、新しい製品カテゴリーの開拓に失敗した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
スマートフォンが携帯音楽プレーヤー、カメラや携帯電話の市場を取込んだように、技術革新や新しいコンセプトの製品の誕生により、思いもよらない製品が将来当社製品の競合となる可能性があります。また、資金力や技術力がある企業が、新たに当社グループの製品が属するカテゴリーに参入することにより、競争が激化する可能性があります。今後、新たに発売する製品について十分な差別化や機能向上等が図られなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは電波法、会社法、法人税法、独占禁止法、個人情報保護法、製造物責任法、景品表示法など様々な法的規制を受けており、法改正や新たな法的規制が設けられる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループでは製品を世界各国の販売代理店を通じて販売しているため、各国の現地の法的規制を遵守するよう努めております。しかしながら、現地の法的規制が改正又は新たに設定された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、関税について、米国政府は中国からの輸入品の一部に対して追加の関税を賦課する政策をとっております。現在、当社が中国の生産委託先で製造する製品のうち、賦課対象となっているのはマルチエフェクター等の一部の製品カテゴリーに留まっておりますが、ハンディオーディオレコーダー等の他の製品カテゴリーへ賦課対象が拡大した場合には、米国市場においてコスト競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは製品の開発、製造及び販売に当たり、適切な品質管理の実施に務めておりますが、予期せぬ欠陥が生じることによりリコールや訴訟が発生する可能性、また、その後のレピュテーションリスクやブランド力の毀損のリスクが考えられます。
さらに、製造物責任賠償保険に加入しているものの、保険で賠償額が十分にカバーされなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは世界初のユニークな製品を開発することを目指しておりますが、期待通りの成果が得られず製品化を断念した場合、あるいは開発の遅延により予想外の追加コストが発生した場合や販売開始が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの生産は主として中国にあるEMS企業へ委託しているため、今後中国国内の人件費や物流費用の上昇等の理由により生産コストが上昇する可能性があります。
また、中国での製造及び物流(輸出)に対しての新たな法規制・税制・政治情勢・経済情勢等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの生産は外部に委託しており、特にHong Kong Tohei E.M.C. Co., Ltd.へは、主力製品のハンディオーディオレコーダーの大部分を生産委託し、当社の生産委託全体の76.2%(2019年12月期)を占めております。
また、原材料についても高い品質や技術が必要な部品を低価格で調達しようとすると、特定の購入先に依存せざるをえない場合があります。何らかの理由により特定の生産委託先又は原材料購入先からの購入ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新製品開発に当たり他社の知的財産権の調査を行い、特に新製品で使用する技術が他社の特許権を侵害しないか、新製品の名称が他社の商標権を侵害していないか、に留意して調査することにより、問題の発生の防止に努めておりますが、知的財産をめぐって他社との間で紛争や訴訟が生じたり、他社から知的財産の侵害を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは多種多様な製品を販売しておりますが、ハンディオーディオレコーダーの売上割合が47.1%(2019年12月期)を占めております。ハンディオーディオレコーダー以外の他の製品カテゴリーの製品開発や販促にも取り組んでおりますが、なんらかの理由によりハンディオーディオレコーダーの製品の出荷数が落ち込んだ場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの海外売上高比率は91.1%(2019年12月期)と非常に高く、そのすべては海外の販売代理店経由の売上となっており、特にZOOM North America LLC向け売上は28.1%(2019年12月期)と高い比率となっております。各国での当社製品のプロモーションや営業活動は、原則として当該国担当の販売代理店が独自で行うため、各販売代理店の販売戦略等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、主要な販売代理店との契約終了や関係の悪化が、小売業者や顧客の喪失、競合他社へのノウハウの流出、当社グループの営業力の減退をもたらし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
さらに、販売代理店に対するモニタリングが不十分であった場合、当社グループの評判又は信用が毀損し、又は小売業者や顧客との関係を悪化させ、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの製品は、競合商品の出現や技術革新により販売台数が減少する傾向にあることから、持続的な成長のためには継続的に新製品を開発し、発売していくことが不可欠となります。製品開発に当たってはエンジニアの数と質が制約条件となるため、優秀なエンジニアの確保と継続的な人材の育成に努めてまいります。
しかしながら、優秀な人材の確保や育成が予定通り進捗しない場合や優秀な人材の流出が続いた場合、競争力の低下や事業計画の予定通りの遂行ができなくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、業務を通じて取引先の機密情報やユーザーの個人情報等を保有しており、これらの情報を保護するために個人情報保護等の規程の整備を含めた情報セキュリティ体制を構築、運用しております。
しかしながら、コンピュータウイルスの感染やパソコンの盗難等の不測の事態により機密情報が漏洩した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの製品は個人向けであり、スマートフォン、タブレット及びパーソナルコンピューターとの連携を前提とした製品も多いため、ネットリテラシーの高いユーザーが多く、ユーザーからの感想や要望がソーシャルメディアやブログ等に多くあがっております。当社グループにおいてはソーシャルメディア運用管理規程等を定め、いわゆる“炎上”が起こらないように注意しておりますが、事実の有無にかかわらず、インターネット上で当社もしくは当社グループ製品への誹謗・中傷が広がった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの主要取引先に対しては、主として売上の1ヶ月から2ヶ月分の与信を設定しております。取引先には、有力な卸、小売店又は販売代理店が多いため売掛金残高も多額となるケースがあります。主要取引先に対しては定期的に信用調査を行うなど慎重に与信管理を行っておりますが、倒産等により売掛金の回収が不可能となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、コンプライアンス規程及びコンプライアンス・マニュアルを制定し、法令及び契約の遵守に努めております。
しかしながら、当社グループの製品は世界中で利用されているため、様々な理由で訴訟の提起を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、開発拠点を日本に、生産拠点を主として中国に、販売拠点を日本及び海外に置いております。これらの拠点において、地震、水害等の自然災害、疫病の発生、戦争・テロ又は第三者による当社グループに対する非難・妨害などが発生するリスクがあります。当社グループでは、一定規模の災害等を想定したリスク対応策を講じておりますが、こうしたリスク等により、短期間で復旧不可能な莫大な損害を被り、部品・資材の調達、生産活動、製品の販売及びサービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主たる市場である欧米においてはクリスマス商戦における需要が強いことから、当社グループの売上及び利益は上期に比べて下期に増加する傾向があります。このため、為替の変動や生産コストの上昇等何らかの理由により下期の売上及び利益が予想を下回る場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における世界経済は、米中間の貿易摩擦や欧州政治問題、中東情勢等により不透明感が増しているものの、米国では株価の上昇と良好な雇用環境を背景に個人消費は好調を維持しており、欧州においては、製造業の低迷が長期化しつつあるものの良好な所得・雇用環境を受けて個人消費は堅調に推移いたしました。新興国においては、雇用・所得環境は総じて安定しているものの、世界経済の成長鈍化の影響等により成長率が緩やかに低下しており、個人消費にも減速が見られました。
我が国経済は、雇用環境は引続き堅調なものの、消費税増税や輸出の低迷等の影響もあり先行き不透明な状況となりました。
当社グループが属する音楽用電子機器業界におきましては、世界最大の市場である米国においては引続き緩やかな成長が続いており、また、アジアの新興国においても中間所得層の増加により市場が拡大しており、総じて好調な事業環境となりました。このような状況の中、当社グループでは、引続き新製品の開発日程の遵守と新しい販売チャンネルの開拓、及びWebマーケティングの強化に努めてまいりましたが、一部の新製品については予定したスケジュールから開発が遅延したことによる販売機会損失が生じました。
以上の結果、2018年6月30日からMogar Music S.p.A.を連結子会社としたこともあり、当社グループの当連結会計年度の売上高は8,608,373千円(前期比11.7%増)、営業利益は291,105千円(前期比11.8%増)となりましたが、為替差損を33,221千円計上したこと等により、経常利益は318,958千円(前期比7.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は250,971千円(前期比21.3%減)となりました。
当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。製品カテゴリー別の説明は以下のとおりであります。
(ハンディオーディオレコーダー)
ハンディオーディオレコーダーは、楽器店以外の販路の拡大及び楽器を演奏するアーティスト以外の映像や放送分野等のクリエーターへの当社ブランドの浸透により、主力であるH6の販売が好調を継続した一方で、H1nについては一部の海外販売代理店の在庫調整の影響を受け販売数量が前連結会計年度に比べ減少いたしました。この結果、ハンディオーディオレコーダーの売上高は、前連結会計年度から0.5%減少し、4,052,970千円となりました。
(マルチエフェクター)
マルチエフェクターは、当連結会計年度1月にG1FOURとG1XFOURを、4月にB1FOURとB1XFOURを、8月にA1FOURとA1XFOURを、10月にV6を販売開始いたしました。この結果、マルチエフェクターの売上高は、前連結会計年度から25.4%増加し、1,048,320千円となりました。
(デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー)
デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーは、L-12については前連結会計年度における新製品効果の反動により販売数量が減少したものの、当連結会計年度7月に販売を開始したL-20R、10月に販売を開始したL-8の新製品効果により、前連結会計年度に比べて売上が増加しました。この結果、デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーの売上高は、前連結会計年度から2.3%増加し、654,351千円となりました。
(プロフェッショナルフィールドレコーダー)
プロフェッショナルフィールドレコーダーは、当連結会計年度9月に新製品F6を販売開始した一方、前連結会計年度におけるF1の新製品効果の反動があったため、前連結会計年度に比べて売上が僅かながら減少いたしました。この結果、プロフェッショナルフィールドレコーダーの売上高は、前連結会計年度から0.5%減少し、588,551千円となりました。
(ハンディビデオレコーダー)
ハンディビデオレコーダーは、前連結会計年度11月に販売を開始した新製品Q2n-4Kが好調を維持いたしました。この結果、ハンディビデオレコーダーの売上高は、前連結会計年度から32.1%増加し、472,892千円となりました。
(オーディオインターフェース)
オーディオインターフェースは、新製品GCE-3を当連結会計年度2月に販売開始いたしました。この結果、オーディオインターフェースの売上高は、前連結会計年度から8.2%増加し、112,108千円となりました。
(モバイルデバイスアクセサリ)
モバイルデバイスアクセサリは、新製品を投入しなかったこと等により、販売数量が減少いたしました。この結果、モバイルデバイスアクセサリの売上高は、前連結会計年度から10.2%減少し、89,313千円となりました。
(ARQリズムトラック)
ARQリズムトラックは、市場の認知度を高めることができず販売が伸び悩みました。この結果、ARQリズムトラックの売上高は、前連結会計年度から74.7%減少し、2,398千円となりました。
(Mogar取扱いブランド)
前連結会計年度の7月からMogar Music S.p.A.の損益計算書を連結したことから、同社が取扱う当社以外のブランドの製品について、前連結会計年度においては6カ月間の売上高、当連結会計年度においては12カ月間の売上高が集計されております。これにより、Mogar取扱いブランドの売上高は、前連結会計年度から90.3%増加し、1,294,295千円となりました。
また、財政状態については、当連結会計年度末の資産合計は7,855,496千円となり、前連結会計年度末と比べ79,000千円減少しました。これは主に、固定資産が229,098千円増加した一方、流動資産が308,099千円減少したことによるものであります。
企業の安全性を示す自己資本比率は前連結会計年度59.6%に対し、当連結会計年度は61.9%と2.3ポイント増加しております。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ308,099千円減少し、6,591,193千円となりました。これは主に、関係会社への貸付により短期貸付金が206,162千円、売掛金が184,678千円増加した一方、これらの増加及び買掛金の減少の影響等により現金及び預金が598,244千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ229,098千円増加し、1,264,302千円となりました。これは主に、金型への投資及び子会社でのリース会計基準の適用等により有形固定資産が253,183千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ282,501千円減少し、2,770,325千円となりました。これは主に、買掛金が400,776千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて142,514千円増加し、4,875,181千円となりました。これは主に、剰余金の配当が98,035千円であった一方、親会社株主に帰属する当期純利益を250,971千円計上したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ600,647千円減少し、当連結会計年度末に2,312,710千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により減少した資金は53,518千円(前連結会計年度は151,800千円の減少)となりました。資金の主な減少要因は、税金等調整前当期純利益を318,958千円及び減価償却費を136,456千円計上した一方、仕入債務の減少額が388,745千円、売上債権の増加額が199,211千円、持分法による投資利益が152,897千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は456,464千円(前連結会計年度は380,747千円の減少)となりました。資金の主な減少要因は、金型の購入を主とした有形固定資産の取得による支出268,257千円及び関連会社への貸付けによる支出206,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により減少した資金は31,425千円(前連結会計年度は11,148千円の増加)となりました。資金の主な減少要因は、短期借入金の純増額96,299千円があった一方、配当金の支払額が92,713千円、長期借入金の返済による支出が29,345千円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、外部に製造を委託しており生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度における製品カテゴリー別の仕入実績は次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループの製品は、すべて生産委託しております。
4.前連結会計年度の7月からMogar Music S.p.A.の損益計算書を連結したことから、Mogar取扱いブランドについては前連結会計年度は6カ月間、当連結会計年度は12カ月間の仕入高が集計されております。
当社グループは、需要予測による見込で販売数量を決定しており、受注生産の形態を採っておりません。
当連結会計年度における製品カテゴリー別の販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度の7月からMogar Music S.p.A.の損益計算書を連結したことから、Mogar取扱いブランドについては前連結会計年度は6カ月間、当連結会計年度は12カ月間の販売高が集計されております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
当社グループは、たな卸資産の保有期間及び将来の需要予測に基づき検討した結果、正味売却価額が帳簿価額を下回るものについては商品評価損を計上しておりますが、想定よりも実際の市況が悪化した場合は追加の評価減が必要となる可能性があります。
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、取引先の財務状況が悪化しその支払い能力が低下した場合又は債権が回収不能となった場合、追加の引当又は損失の計上が必要となる可能性があります。
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
ニ.のれん
当社グループは、のれんに関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前期比11.7%増の8,608,373千円となりました。
これは主に、Mogar Music S.p.A.の損益計算書を通年で連結したこと、マルチエフェクター及びハンディビデオレコーダーの販売が好調であったことによるものであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前期比16.6%増の3,061,235千円となり、売上総利益率は1.5ポイント改善し35.6%となりました。これは主に、一部製品の販売価格の値上げしたこと、及び減価償却方法と耐用年数の変更により減価償却費が減少したことによるものであります。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、前期比17.1%増の2,770,129千円となりました。これは主に、研究開発費が78,823千円増加したこと及びMogar Music S.p.A.を通年で連結したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は291,105千円(前期比11.8%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、前期比2.2%増の190,078千円となりました。また、営業外費用は前期比62.0%増の162,226千円となりました。これは主に、為替の変動により為替差損が前期比26,141千円増加するとともに、Mogar Music S.p.A.を通年で連結したことにより売上割引が14,513千円増加したこと、さらには和解金の計上が20,000千円あったことによるものであります。その結果、経常利益は318,958千円(前期比7.9%減)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、318,958千円(前期比7.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益を7,791千円計上したこともあり、250,971千円(前期比21.3%減)となりました。
(経営上の目標達成状況)
中期経営計画「第2次中期経営計画 2018-2020 ZOOM 5.0」の2年目である当連結会計年度は、売上高8,017百万円、営業利益579百万円及び株主資本利益率(ROE)8.9%を目標としておりました。実績は、売上高は8,608百万円と目標比7.4%増となりましたが、製品原価の低減による売上総利益率の改善が達成できなかったこと等により売上総利率が2.8ポイント計画より下回ったこと、及び研究開発費が予想を上回ったこと等による販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は291百万円と目標比49.8%減、ROEは5.2%と目標比3.7ポイント減となりました。当社グループは、中期経営計画の達成に向けて、「第2 事業の状況 1経営方針・経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に取り組むとともに、M&Aや事業提携等を有効に利用することによる成長の実現を目指してまいります。
当社グループの主な資金需要は、製品の仕入れ、人件費や外注先への支払等の営業費用及び金型等の設備投資であります。これらの資金需要は自己資金を充当し、不足が生じる場合は金融機関からの借入で調達を行っております。
当社グループでは、研究開発活動を当社に集中しており、当連結会計年度末の当社の開発人員は51名となっております。楽器演奏経験の長いエンジニアが、臨場感ある音であるかどうか、心に残る映像であるかどうか、演奏の現場での使い勝手が良いかどうかを、自身の経験と販売代理店やエンドユーザーからのフィードバックを元に開発をすることにより、“ズーム”らしくかつ市場のニーズに合致した製品をいち早く製品化できるよう努めております。そのために、(1) プロレベルのユーザー体験を提供する、(2) 世界初の「何か」を実現する、(3) 自分で使いたい商品にする、(4) デザインは機能を表現する、(5) 機会提供型の商品で新しい市場を創出する、という「商品開発5カ条」を定め、当方針をもとに研究開発活動を行った結果、当連結会計年度においては、軽量コンパクトなエフェクター、G1FOUR及びG1XFOURをギター用として、B1FOUR、B1XFOURをベース用として開発、販売いたしました。
また、アコースティック楽器に幅広く対応するエフェクター、A1FOUR、A1XFOURを、ボーカル専用のプロセッサとしてV6を開発いたしました。さらに、前連結会計年度に発売したF8nの約半分と非常にコンパクトな業務用フィールドレコーダー、F6を開発するとともに、より操作性が高く、よりコンパクトなデジタルミキサーL-20R、L-8をそれぞれ開発いたしました。GCE-3は、オーディオインターフェースの新商品として同カテゴリの売上増加に貢献しています。前連結会計年度に開発し販売を開始した、アンビソニックス方式のVRマイクを搭載し、VRコンテンツ用の空間音声(Spatial Audio)の収録を容易にしたH3-VRは、2019年度のグッドデザイン賞を受賞いたしました。
これらの活動の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
なお、当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
「技術とノウハウの転用」
当社グループは、下記の図に示すとおり、過去の技術とノウハウの蓄積を利用して新しい製品カテゴリーに参入してまいりました。今後も蓄積してきた技術とノウハウを用い、新しい製品カテゴリーを開拓していく所存です。
<当社グループの製品における技術の転用(例)>
