文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、音楽用途の電子機器の開発と販売によって、世界の共通語である音楽の市場拡大と発展に貢献することを目指します。また、「音」と「音楽」に特化したブランドイメージをアピールすることで、楽器を演奏するユーザーのみならず、コンシューマ・エレクトロニクス(家電)市場、あるいはプロシューマ(業務)用機器市場を開拓していくことで成長を図ってまいります。そのためには、常に先端技術を応用して独自性のある製品を開発し、組織のオーバーヘッドを抑えて意思決定のスピードを上げ、ファブレス体制を維持して生産や在庫のフレキシビリティを保ち、グローバルな人材活用によってマーケティング力を強化し、変化する市場に適応しながら100年続くブランドを構築してまいります。また、適正で安定した利益還元によって株主の期待に応えると共に、技術革新に対する投資を積極的に行い、将来のリスクに備えた内部留保を確保します。更に、コンプライアンス、透明性、環境への配慮を重視することで企業の社会的責任を果たしてまいります。
当社グループでは、持続的な成長と適正な利益の確保のための指標として売上高及び営業利益を、また、資金の効率的な運用を実現するための指標として株主資本利益率(ROE)を、重要な指標と考えております。
当社グループが属する楽器関連機器業界においては、コロナ禍におけるリモートワークやステイホームの浸透によるライフスタイルの変化による堅調な需要は一巡し、ロシアのウクライナ侵攻による原材料価格の高騰及びインフレの加速、半導体の供給不足や物流網の混乱が大きな下振れ要因となっており、先行き不透明な状況が続いております。なお、新型コロナウイルス感染症については現在の状況が2023年12月末頃まで継続し、半導体不足については、2023年12月期の上期は引続き一部の部品について不足があるものの下期以降徐々に解消していくと仮定しております。
当社グループは、中長期的な経営目標として、当社製品のターゲットユーザーを楽器の演奏をするミュージシャンに限定せず、広く創造活動をするクリエーターと位置づけることにより、製品カテゴリーを拡げることで成長シナリオを描いております。一方で、ハンディオーディオレコーダー、マルチエフェクターやハンディビデオレコーダーといった既存の製品カテゴリーにつきましても、引き続き新製品を投入し、持続的な成長を目指してまいります。すなわち、製品カテゴリーを入れ替えていくのではなく、実績ある従来製品で安定した事業基盤を確保しつつ、新たな製品カテゴリーを加えていく、という経営戦略を掲げております。
また、2021年1月に株式会社フックアップ(以下、フックアップ社)を子会社化したことにより、音楽用電子機器のディストリビューション・ビジネスを営む基盤が、日米欧に揃いました。ズームブランドの成長に加えて、第二の収益の柱として育成してまいります。M&Aを含めた成長のために必要な投資については、継続的に実施していく予定であります。
当社は、上記方針を踏まえ、2021年度から2023年度までの中期経営計画「第3次中期経営計画 2021-2023」を策定しております。当該中期経営計画において、2023年度の数値目標を、売上高150億円、営業利益12億円と定めました。なお、当社グループは現在拡大期にあり、将来投資に備えた内部留保維持の必要が高いことに鑑みて、ROEを指標として重視するものの、目標設定することは見送っております。
当面は不透明な外的要因が続くことを前提に、安定的、持続的に事業を拡大するため、下記のような課題に優先的に取り組んでまいります。
① 成長戦略とガバナンス
主要国の販売代理店の子会社化を進めてまいりましたが、その効果を実現するためにはズーム・グループ全体のガバナンスの徹底とシナジーの実現が重要と考えております。
2023年1月1日付で持分の51%を取得したことにより連結子会社となったSound-Service Musikanlagen- Vertriebsgesellschaft mbH(以下、Sound Service社)につきましては、経営に関しては引続き現地の裁量に任せるスタイルをとる一方、綿密に現地経営陣とコミュニケーションを取ることにより、適切な決算書を適時に作成するための経理機能の強化やモニタリング体制の整備等、同社の内部管理体制の構築とガバナンスの強化に努めてまいります。フックアップ社につきましては、同社の目利き力を活かしたアクセサリー製品のラインナップ増や投資案件の検討に取り組むこと等により、シナジーを実現させてまいります。
また、日米欧以外の市場でのプレゼンス拡大を今後の課題として認識しており、対応に着手いたします。
② 半導体不足への対応
半導体を中心とした世界的な部品入手難は改善方向にあるものの、依然として当社製品の需要に対して生産に必要な部品の数量は不足しております。特に需要の高い製品は設計変更を行い、新製品においては供給安定性の高い部品の採用に留意しつつ、重要電子部品においては2年後までの購入計画を立てるなど、最善の取り組みを行っております。引き続き消費者の需要に応えることを最優先にこの問題に取り組んでまいります。
③ 商品開発
長期化したステイホームにより、楽器を始めてみたい、もう一度チャレンジしたい、動画配信をしてみたいといった需要が増加しました。当社は初心者にも購入しやすい価格で製品を開発してまいりましたが、使い勝手に関しては複雑な上位機種の文脈を引き継ぐことがあり、せっかく増加した初見のユーザーが戸惑う場面が想定されます。また、いわゆるZ世代はスマートフォンなどの洗練されたユーザーインターフェースに生まれ付き慣れ親しんでいます。この現状を鑑み、ユーザーの人物像までを深掘りして設定し、設計・操作テストを充実させるなど、だれもが使いやすい製品の開発に取り組んでまいります。
④ 人材確保
中堅若手人材に定着してもらうことは、企業理念の浸透、企業風土の醸成、組織力向上の観点で非常に重要です。彼、彼女らは会社の将来を担う人材ですが、少子化により若者の絶対数が減り、当社にとって採用はますます困難な状況に陥ることが予想されます。新卒採用時の訴求力を上げ、中堅若手人材の定着率を盤石とするために、ES(従業員満足度)の向上と人材採用システムの見直し、育成プログラムの充実に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクのうち、既に顕在化しているあるいは顕在化の可能性が高いものについては、リスク項目の右側に「※」を付しております。なお、第3次中期経営計画(2021-2023)において、予想されるリスクについては可能な限り想定内となるよう、リスクマネジメントに取り組むことを目標といたしました。
文中の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外売上高比率は78.8%(2022年12月期)と高く、海外への売上高は主に米国ドル建であり、加えて、生産委託先からの仕入高についても米国ドル建であるため、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。具体的には、売上高及び仕入高については、それぞれ販売及び仕入れをした日のレートで円換算されるため、同レートに応じて円換算後の売上高と売上総利益が増減いたします。すなわち、円高となった場合は売上高と売上総利益が減少いたします(円安の場合は増加)。
なお、イタリアに本社を置く販売代理店、Mogar Music S.r.l.に加え、2023年1月よりドイツに本社を置くSound Service社が連結子会社となったことから、ユーロの変動についても当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、棚卸資産の評価基準として総平均法を採用しているため、円高傾向が継続した場合、売上原価は過去の円安時に円換算された仕入価格の影響を受けることから、売上原価率が上昇する傾向にあります(円安傾向が継続した場合は下落)。
更に、当社の外貨建資産と外貨建負債のほとんどが米国ドル建であるため、為替相場の変動に応じて為替差損益を計上する可能性があります。
当社グループでは、円高のリスクを取込んだうえで予算を作成すること、米国ドル建資産と米国ドル建負債のバランスを保つこと、及び一部米国ドル建て売掛金に対して為替予約を行うことにより、上記リスクに対応しております。
当社グループの製品は世界各国で販売されているため、各国の経済状況や競合他社との価格競争を含む市場の動向に大きな変化がみられた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特に、当社グループの顧客には比較的若いユーザーが多いため、先進国で見られる少子化は将来の顧客数に影響を与える可能性があります。
また、趣味の多様化により当社グループの製品カテゴリーの対象顧客が減少する可能性があります。
更には、ミュージシャンやクリエーター等がターゲットユーザーである製品が多いため、限られたユーザーの動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新しい製品カテゴリーを継続して開拓していくことを戦略目標の一つとすることにより、上記リスクに対応しております。
スマートフォンが携帯音楽プレーヤー、カメラや携帯電話の市場を取込んだように、技術革新や新しいコンセプトの製品の誕生により、思いもよらない製品が将来当社製品の競合となる可能性があります。
また、資金力や技術力がある企業が、新たに当社グループの製品が属するカテゴリーに参入することにより、競争が激化する可能性があります。
当社グループでは、商品開発5か条に基づき他社製品にはないユニークでオリジナリティのある製品を継続して開発することにより、上記リスクに対応しております。
当社グループは日本国内において電波法、会社法、法人税法、独占禁止法、個人情報保護法、製造物責任法、景品表示法など様々な法的規制を受けております。これらの法改正や新たな法的規制が設けられる可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループでは製品を世界各国の販売代理店を通じて販売しているため、各国の現地の法的規制を遵守するよう努めております。しかしながら、現地の法的規制が改正又は新たに設定された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、関税について、米国政府は中国からの輸入品の一部に対して追加の関税を賦課する政策をとっております。現在、当社が中国の生産委託先で製造する製品のうち、賦課対象となっているのはマルチエフェクター等の一部の製品カテゴリーに留まっておりますが、ハンディオーディオレコーダー等の他の製品カテゴリーへ賦課対象が拡大した場合には、米国市場においてコスト競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、現地販売代理店又は会計・法律事務所から、法改正や新たなる規制の導入についての最新の情報を継続的に入手し、リスクの高い項目については事前に対応策を検討すること等により、上記リスクに対応しております。
特に税務については、海外の税法に関する知識不足や見解の相違が原因で、当社又は子会社の税務申告が否認され追徴課税されること等により巨額の損失が発生する可能性があるため、移転価格税制やタックスヘイブン税制等税務リスクが高い分野について専門のコンサルタントから助言を受け、事前にリスクを低減するよう努めております。
当社の製品は、機種により数十から数千個から成る部材で構成されております。ある機種の部材が一つでも調達ができなくなった場合には、当該機種の製品が生産できなくなることから、全ての部材について十分な在庫の確保に努めております。何らかの理由により特定の部材の購入が困難となった場合、必要な数の製品が生産できず販売機会損失が発生することから、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、重要な部材については十分な量の在庫を保有することに加え、複数の調達ルートや代替となる部材を確保すること等により、上記リスクに対応しております。
なお、世界的な半導体の供給不足により、有価証券報告書提出日現在、当社グループにおいても一部製品について十分な半導体が調達できず、必要な数量の製品を生産できない状況となっており、販売機会損失が生じております。この状況が長期間改善しない場合には、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、開発拠点を日本に、生産拠点を主として中国に、販売拠点を日本及び海外に置いております。これらの拠点において、地震、水害等の自然災害、新型コロナウイルス・新型インフルエンザ等の感染症や疫病の発生、戦争・テロ又は第三者による当社グループに対する非難・妨害などが発生するリスクがあります。
当社グループでは、一定規模の災害等を想定したリスク対応策を講じておりますが、こうしたリスク等により、短期間で復旧不可能な莫大な損害を被り、部品・資材の調達、生産活動、製品の販売及びサービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)については、現在までのところ当社グループの業績にマイナスの影響を与えてはおりませんが、状況を引続き注視しております。当社においては、緊急事態宣言中はテレワークにより対応するなど出社制限を行い、出社する場合には検温徹底、マスクの常用、アクリルパーティションの設置を行うなど、感染防止対策を徹底し、従業員の安全確保に努めております。
また、2022年2月24日に開始されたロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻については、引き続き状況を注視しております。なお、2022年12月期の連結売上高に占める両地域への売上高の割合は、合計で1.2%となっております。
当社グループは製品の開発、製造及び販売に当たり、適切な品質管理の実施に努めておりますが、予期せぬ欠陥が生じることによりリコールや訴訟が発生する可能性、また、その後のレピュテーションリスクやブランド力の毀損のリスクが考えられます。
更に、製造物責任賠償保険に加入しているものの、保険で賠償額が十分にカバーされなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、品質管理部門において品質管理を一元化するとともに、週次で品質管理ミーティングを開催し問題が深刻化することを未然に防止することにより、上記リスクに対応しております。
当社グループは世界初のユニークな製品を開発することを目指しておりますが、期待通りの成果が得られず製品化を断念した場合、あるいは開発の遅延により予想外の追加コストが発生した場合や販売開始が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、週次で開発会議を開催し進捗をコントロールするとともに、複数の新製品開発を同時並行で行うことでリスクを分散することにより、上記リスクに対応しております。
当社グループの生産は、主として中国にあるEMS企業へ委託しているため、今後中国国内の人件費や物流費用の上昇等の理由により生産コストが上昇する可能性があります。
当社グループでは、必要に応じて製品出荷価格の値上げを行うほか、中国以外のEMS企業への生産委託を増加させていくことにより、上記リスクに対応してまいります。
当社グループの生産は外部に委託しており、特にHong Kong Tohei E.M.C. Co., Ltd.へは、主力製品のハンディオーディオレコーダーの大部分を生産委託しており、当社の生産委託全体の55.0%(2022年12月期)を同社が占めております。また、原材料についても高い品質や技術が必要な部品を低価格で調達しようとすると、特定の購入先に依存せざるをえない場合があります。何らかの理由により特定の生産委託先又は原材料購入先からの購入ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、生産及び基幹部品の購入について、特定の取引先への依存度を下げることにより、上記リスクに対応してまいります。
当社グループでは、製品の開発にあたり知的財産権を使用することから、知的財産侵害の指摘を受け他社との間で紛争や訴訟が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新製品開発に当たり他社の知的財産権の調査を行い、特に新製品で使用する技術が他社の特許権を侵害しないか、新製品の名称が他社の商標権を侵害していないか、に留意して調査することにより、問題の発生の防止に努めております。
また、当社グループが保有する商標権や特許権等の知的財産が侵害されることにより市場において当社ブランドとの混同や模倣製品が流通すること等によって、当社のブランド価値に毀損が生じることにより、中長期的に当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、知的財産の侵害を発見した場合には決して容認せず、毅然とした態度で法的措置等を含めた対応をとることにより、上記リスクに対応してまいります。
当社グループは多種多様な製品を販売しておりますが、ハンディオーディオレコーダーの売上割合が30.9%(2022年12月期)を占めております。ハンディオーディオレコーダー以外の他の製品カテゴリーの製品開発や販促に取り組むことにより売上割合は減少しつつあるものの、なんらかの理由によりハンディオーディオレコーダーの製品の出荷数が落ち込んだ場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新しい製品カテゴリーの開拓を継続していくことを戦略目標の一つとすることにより、上記リスクに対応しております。
当社グループの海外売上高比率は78.8%(2022年12月期)と非常に高く、その全ては海外の販売代理店経由の売上となっております。販売代理店が子会社である北米、南欧及び中欧(2023年1月より)を除き、各国での当社製品のプロモーションや営業活動は、原則として当該国担当の販売代理店が独自で行うため、各販売代理店の販売戦略等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、主要な販売代理店との契約終了や関係の悪化が、小売業者や顧客の喪失、競合他社へのノウハウの流出、当社グループの営業力の減退をもたらし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
更に、販売代理店に対するモニタリングが不十分であった場合、当社グループの評判又は信用が毀損し、又は小売業者や顧客との関係を悪化させ、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、主要な代理店については定期的にミーティングを行うとともに、新製品について各主要代理店の営業担当に対しトレーニングを行うことでコミュニケーションの円滑化を図ることにより、上記リスクに対応しております。
当社グループの製品は、競合商品の出現や技術革新により販売台数が減少する傾向にあることから、持続的な成長のためには継続的に新製品を開発し、発売していくことが不可欠となります。製品開発に当たってはエンジニアの数と質が制約条件となるため、優秀なエンジニアの確保と継続的な人材の育成に努めてまいります。
しかしながら、優秀な人材の確保や育成が予定通り進捗しない場合や優秀な人材の流出が続いた場合、競争力の低下や事業計画の予定通りの遂行ができなくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、エンジニアについては毎年新卒を採用し、社内で教育していくことにより人材を育成するとともに、必要に応じて中途採用を行うことにより、優秀な人材の確保に努めております。
当社グループは、生産管理、部品や製品の発注、在庫管理、販売管理に基幹システム及び情報システムを利用しております。これらのシステムが、不正アクセスやシステムの不具合、自然災害等により、アクセスできなくなる等の障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、業務を通じて取引先の機密情報やユーザーの個人情報等を保有しており、これらの情報を保護するために個人情報保護等の規程の整備を含めた情報セキュリティ体制を構築、運用しております。
しかしながら、コンピュータウイルスの感染やパソコンの盗難等の不測の事態により機密情報が漏洩した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、システムのバックアップやファイアウォールの設定等不正アクセスを防止するための措置を講ずるとともに、定期的にセキュリティの見直しを行うこと等により、上記リスクに対応しております。
当社グループの製品は主として個人向けであり、スマートフォン、タブレット及びパーソナルコンピューターとの連携を前提とした製品も多いため、ネットリテラシーの高いユーザーが多く、ユーザーからの感想や要望がソーシャルメディアやブログ等に多くあがっております。事実の有無にかかわらず、インターネット上で当社もしくは当社製品への誹謗・中傷が広がった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、ソーシャルメディア運用管理規程等を定め、いわゆる“炎上”が起こらないように注意することにより、上記リスクに対応しております。
当社グループの主要取引先に対しては、主として売上の1ヶ月から2ヶ月分の与信を設定しております。取引先には、有力な卸、小売店又は販売代理店が多いため売掛金残高も多額となるケースがあり、倒産等により売掛金の回収が不可能となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、主要取引先に対しては定期的に信用調査を行うなど慎重に与信管理を行うことに加え、一部販売先の売上債権に対して金融機関の保証ファクタリングを利用することにより、上記リスクに対応しております。
当社グループの製品は世界中で利用されているため、様々な理由で訴訟の提起を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス規程及びコンプライアンス・マニュアルを制定し、法令及び契約の遵守に努めることにより、上記リスクに対応しております。
当社グループの主たる市場である欧米においては年末商戦における需要が強いことから、当社グループの売上及び利益は上期に比べて下期に増加する傾向があります。このため、為替の変動や生産コストの上昇等何らかの理由により下期の売上及び利益が予想を下回る場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における世界経済は、引続き新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける中、米国ではインフレや政策金利の引き上げが景気を下押ししているものの、良好な雇用・所得環境や経済対策に支えられ個人消費は引き続き堅調であります。欧州においては、ウィズコロナに伴うサービス消費の回復が一巡したことや、資源高及び高インフレによる購買力低下により、先行き不透明な状況となっております。中国ではゼロコロナ政策に基づき幅広い地域で実施されていた活動制限は解除されたものの、個人消費は引続き低迷しております。我が国経済は、景気は緩やかに持ち直しているものの、企業の景況感が特に製造業において悪化しており、個人消費では新型コロナウイルスの感染再拡大が重石となっています。
当社グループが属する楽器関連機器業界においては、コロナ禍におけるリモートワークやステイホームの浸透によるライフスタイルの変化による堅調な需要は一巡し、ロシアのウクライナ侵攻による原材料価格の高騰及びインフレの加速、半導体の供給不足や物流網の混乱が大きな下振れ要因となっており、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、連結子会社であるフックアップ社の決算日の変更に伴い当連結会計年度は同社の2021年10月1日から2022年12月31日までの15ヶ月分の損益を取り込んでいることに加え円安効果があったものの、一部販売代理店による在庫調整及び半導体不足による売れ筋製品の供給不足により、売上高は前期比で微減となりました。
更に、世界的な輸送コストの上昇や、半導体不足に対応するために一部高価な市場流通品を購入せざるを得なかったことによる売上原価の増加等により、営業利益をはじめとした各段階利益は前連結会計年度に比べ大きく減少いたしました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は13,235,630千円(前期比1.4%減)、営業利益は664,159千円(前期比47.2%減)、経常利益は720,183千円(前期比40.8%減)、及び親会社株主に帰属する当期純利益は377,543千円(前期比55.8%減)となりました。
当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。製品カテゴリー別の説明は以下のとおりであります。
(ハンディオーディオレコーダー)
ハンディオーディオレコーダーは、主として欧米の販売代理店の在庫調整により出荷が減少したことにより、売上高は4,093,295千円(前期比17.0%減)となりました。
(デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー)
デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーは、2021年11月発売のR20の新製品効果があったものの、Pシリーズへの需要低下や、半導体不足の影響のため主としてLシリーズの生産数量が大きく落ち込んだこと等により、売上高は1,684,410千円(前期比23.5%減)となりました。
(マルチエフェクター)
マルチエフェクターは、円安及び2021年10月発売のB6や2022年12月発売のG2 FOUR及びG2X FOURの新製品効果があったことにより、売上高は1,404,732千円(前期比8.9%増)となりました。
(プロフェッショナルフィールドレコーダー)
プロフェッショナルフィールドレコーダーは、半導体不足の影響により一部の製品について十分な生産ができない状況が続いているものの、需要の多いF3を想定以上に供給できたことに加え、円安及び2022年12月発売のMシリーズの新製品効果があったこと等により、売上高は1,349,880千円(前期比39.4%増)となりました。
(ハンディビデオレコーダー)
ハンディビデオレコーダーは、2021年12月発売のQ8n-4Kの新製品効果があったものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの浸透によるWEB会議目的等での需要の急増が前年にあったことによる反動減により、売上高は661,639千円(前期比19.2%減)となりました。
(マイクロフォン)
マイクロフォンは、前年にZDM-1PMP等新製品効果による販売増があったことによる反動減により、売上高は330,001千円(前期比30.8%減)となりました。
(ボーカルプロセッサー)
ボーカルプロセッサーは、製品への需要は堅調であったものの、半導体不足の影響により一部の製品について十分な生産ができなかったため、売上高は218,372千円(前期比9.7%減)となりました。
(オーディオインターフェース)
オーディオインターフェースは、円安及び2022年6月発売のAMSシリーズの新製品効果に加え、Uシリーズの出荷価格を見直したことによる販売数量の増加により、売上高は140,138千円(前期比44.0%増)となりました。
(Mogar取扱いブランド)
Mogar取扱いブランドは、円安及び南ヨーロッパにおいてコロナ禍での経済活動の正常化が進んだことにより引き続き需要が回復傾向にあることから、売上高は959,135千円(前期比15.9%増)となりました。
(フックアップ取扱いブランド)
フックアップ取扱いブランドは、前期は9ヶ月分の損益を取り込んだ一方、当期は決算日の変更に伴い15ヶ月分の損益を取り込んだことに加え、主要取扱ブランドであるUniversal Audio社のVoltシリーズの新製品効果等により、売上高は1,982,972千円(前期比80.6%増)となりました。
また、財政状態については、当連結会計年度末の資産合計は13,650,031千円となり、前連結会計年度末と比べ2,820,457千円増加しました。これは主に、流動資産が2,806,655千円増加したことによるものであります。
企業の安全性を示す自己資本比率は前連結会計年度53.9%に対し、当連結会計年度は47.5%と6.4ポイント減少しております。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,806,655千円増加し、10,841,724千円となりました。これは主に、商品及び製品が1,049,363千円、収益認識に関する会計基準適用を適用したことにより原材料及び貯蔵品が1,132,289千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ13,801千円増加し、2,808,307千円となりました。これは主に、ZOOM North America, LLCにおいてリース会計を適用したことにより、リース資産が80,122千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,232,692千円増加し、5,907,744千円となりました。これは主に、収益認識に関する会計基準適用を適用したことにより有償支給に係る負債が1,072,906千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ90,377千円減少し、1,152,277千円となりました。これは主に、長期借入金が144,058千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて678,142千円増加し、6,590,009千円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が508,003千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益を377,543千円計上したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ123,649千円増加し、当連結会計年度末に2,156,036千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により減少した資金は586,558千円(前連結会計年度は637,058千円の増加)となりました。資金の主な減少要因は、税金等調整前当期純利益を684,567千円計上した一方、棚卸資産の増加額899,008千円及び法人税等の支払額307,816千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は175,708千円(前連結会計年度は478,302千円の減少)となりました。資金の主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出240,874千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により増加した資金は726,054千円(前連結会計年度は937,053千円の減少)となりました。資金の主な増加要因は、配当金の支払額217,960千円があった一方、短期借入金の純増額1,151,676千円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、外部に製造を委託しており生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度における製品カテゴリー別の仕入実績は次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.当社グループの製品は、全て生産委託しております。
当社グループは、需要予測による見込みで販売数量を決定しており、受注生産の形態を採っておりません。
当連結会計年度における製品カテゴリー別の販売実績は次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
※ 売上高は、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への売上高を集約して記載しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
当社グループは、棚卸資産の保有期間及び将来の需要予測に基づき検討した結果、正味売却価額が帳簿価額を下回るものについては商品評価損を計上しておりますが、想定よりも実際の市況が悪化した場合は追加の評価減が必要となる可能性があります。
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、取引先の財務状況が悪化しその支払い能力が低下した場合又は債権が回収不能となった場合、追加の引当又は損失の計上が必要となる可能性があります。
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
ニ.のれん
当社グループは、のれんに関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、現在の状況が2023年12月期末まで継続し、半導体不足については、2023年12月期の上期は引き続き一部の部品について不足があるものの下期以降徐々に解消していくと仮定しており、連結財務諸表作成時点で利用可能な情報に基づき、これらの影響の不確実性を考慮の上で、合理的な見積りを行っております。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前期比1.4%減の13,235,630千円となりました。これは主に、連結子会社であるフックアップ社の決算日の変更に伴い当連結会計年度は同社の2021年10月1日から2022年12月31日までの15ヶ月分の損益を取り込んでいることに加え円安効果があったものの、一部販売代理店による在庫調整及び半導体不足による売れ筋製品の供給不足があったことによるものであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前期比8.5%減の5,221,606千円となり、売上総利益率は3.0ポイント悪化し39.5%となりました。これは主に、世界的な輸送コストの上昇や、半導体不足に対応するために一部高価な市場流通品を購入せざるを得なかったことによる売上原価の増加及び売上総利益率が相対的に低いズーム製品以外(Mogar取扱いブランド及びフックアップ取扱いブランド)のシェアが増加したことによるものであります。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、前期比2.5%増の4,557,446千円となりました。これは主に、フックアップ社の損益計算書を15ヶ月分(前年同期は9ヶ月分)連結したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は664,159千円(前期比47.2%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、前期比701.7%増の103,996千円となりました。これは主に、当期に保険解約返戻金を57,075千円計上したことによるものであります。また、営業外費用は、前期比12.1%減の47,972千円となりました。これは主に、前期は「収益認識に関する会計基準」を適用前であり、売上割引を16,962千円計上したことによる反動減によるものであります。その結果、経常利益は720,183千円(前期比40.8%減)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、経常利益の減少により684,567千円(前期比43.7%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益を16,892千円計上しましたが、377,543千円(前期比55.8%減)となりました。
(経営上の目標達成状況)
中期経営計画「第3次中期経営計画 2021-2023」において、2023年度の売上高を150億円、営業利益を12億円としております。中期経営計画の2年目にあたる当連結会計年度においては、半導体不足の影響等により売上高は132億円、営業利益は6.6億円にとどまっており、また、2023年度についても半導体の供給を含め不透明な状況であるものの、Sound Service社の連結効果もあり、(連結初年度の一時費用の影響を除くと)2023年度の数値目標は達成できるものと考えております。なお、当社グループは、第3次中期経営計画の達成に向けて、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に取り組むことにより、成長の実現を目指してまいります。
当社グループの主な資金需要は、製品の仕入れ、人件費や外注先への支払等の営業費用及び金型等の設備投資であります。これらの資金需要は自己資金を充当し、不足が生じる場合は金融機関からの借入で調達を行っております。なお、取引金融機関との関係は良好であり、当座貸越枠を確保していることから、充分な資金流動性を確保していると考えております。
当社グループは、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると考えております。新型コロナウイルス感染症については、ステイホーム需要により当社の業績にとっては追い風となりましたが、感染が沈静化した後についても、リモートワークやステイホームの浸透によるライフスタイルの変化は継続すると考えており、当社グループの業績に大きな影響は与えないと考えております。一方、半導体供給不足や物量網の混乱は、当社グループの業績への大きな下振れリスクとなっており、状況を注視していく必要があると考えております。
なお、当社は、2022年12月22日開催の取締役会において、Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbHの株式を取得して子会社化することを決議し、株式譲渡契約を締結、2023年1月1日付で同社を子会社といたしました。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務者表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。
当社グループでは、研究開発活動を当社に集中しており、当連結会計年度末の当社の開発人員は51名となっております。楽器演奏経験の長いエンジニアが、臨場感ある音であるかどうか、心に残る映像であるかどうか、演奏の現場での使い勝手が良いかどうかを、自身の経験と販売代理店やエンドユーザーからのフィードバックを元に開発をすることにより、“ズーム”らしくかつ市場のニーズに合致した製品をいち早く製品化できるよう努めております。そのために、(1)プロには挑戦への、アマチュアには継続へのモチベーションを提供する(2)機能、性能、価格、外観、操作性等に何らかの「世界初」を取り入れる(3)ユーザーの視点に立ち、自分でも使いたいと思える商品にする(4)デザインは機能と結びついていなければならない(5)課題解決型であり、かつ機会提供型でもある商品で新しい市場を創出する、という「商品開発5カ条」を定め、当方針をもとに研究開発活動を行った結果、当連結会計年度においては、新開発のマルチレイヤ―IR機能を搭載するマルチエフェクターG2 FOUR/G2X FOURを、2.4インチのタッチスクリーンを搭載する新世代マルチトラックレコーダーR12を、手のひらサイズのコンパクトかつ堅牢な筐体の32bitフロートフィールドレコーダーF3及び最上位機種のF8n PROを、音楽制作とライブ配信の両方に活用できる新しいオーディオインターフェースAMSシリーズを、開発・販売いたしました。
これらの活動の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
なお、当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
「技術とノウハウの転用」
当社グループは、下記の図に示すとおり、過去の技術とノウハウの蓄積を利用して新しい製品カテゴリーに参入してまいりました。今後も蓄積してきた技術とノウハウを用い、新しい製品カテゴリーを開拓していく所存です。
<当社グループの製品における技術の転用(例)>
