第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、音楽用途の電子機器の開発と販売によって、世界の共通語である音楽の市場拡大と発展に貢献することを目指します。また、「音」と「音楽」に特化したブランドイメージをアピールすることで、楽器を演奏するユーザーのみならず、コンシューマ・エレクトロニクス(家電)市場、あるいはプロシューマ(業務)用機器市場を開拓していくことで成長を図ってまいります。そのためには、常に先端技術を応用して独自性のある製品を開発し、組織のオーバーヘッドを抑えて意思決定のスピードを上げ、ファブレス体制を維持して生産や在庫のフレキシビリティを保ち、グローバルな人材活用によってマーケティング力を強化し、変化する市場に適応しながら100年続くブランドを構築してまいります。また、適正で安定した利益還元によって株主の期待に応えると共に、技術革新に対する投資を積極的に行い、将来のリスクに備えた内部留保を確保します。さらに、コンプライアンス、透明性、環境への配慮を重視することで企業の社会的責任を果たしてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループでは、持続的な成長と適正な利益の確保のための指標として売上高及び営業利益を、また、資金の効率的な運用を実現するための指標として株主資本利益率(ROE)を、重要な指標と考えております。

 

(3) 経営環境

当社グループが属する音楽用電子機器業界におきましては、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、実店舗での販売が減少したものの、eコマースが大きく伸張し、また、自宅での使用に適した楽器や関連機器への需要が増加いたしました。リモートワークやステイホームの浸透はライフスタイルの変化をもたらしており、この状況はいわゆるアフターコロナ後も継続すると考えております。一方、世界的な半導体部品の供給不足による生産の遅延及び物流網の混乱が継続しており、2022年度については販売機会損失の発生・物流コストの上昇が利益にマイナスの影響を与えると見込んでおります。なお、新型コロナウイルス感染症については現在の状況が2022年末頃まで継続し、半導体部品の供給不足による生産遅延については2022年12月期の上期は現在の状況が継続するものの、下期以降徐々に回復していくと考えております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中長期的な経営目標として、当社製品のターゲットユーザーを楽器の演奏をするミュージシャンに限定せず、広く創造活動をするクリエーターと位置づけることにより、製品カテゴリーを拡げることで成長シナリオを描いております。一方で、ハンディオーディオレコーダー、マルチエフェクターやハンディビデオレコーダーといった既存の製品カテゴリーにつきましても、引き続き新製品を投入し、持続的な成長を目指してまいります。すなわち、製品カテゴリーを入れ替えていくのではなく、実績ある従来製品で安定した事業基盤を確保しつつ、新たな製品カテゴリーを加えていく、という経営戦略を掲げております。

また、2021年1月に株式会社フックアップを子会社化したことにより、音楽用電子機器のディストリビューション・ビジネスを営む基盤が、日米欧に揃いました。ズームブランドの成長に加えて、第二の収益の柱として育成してまいります。M&Aを含めた成長のために必要な投資については、継続的に実施していく予定であります。

当社は、上記方針を踏まえ、2021年度から2023年度までの中期経営計画「第3次中期経営計画 2021-2023」を策定しております。当該中期経営計画において、2023年度の数値目標を、売上高150億円、営業利益12億円と定めました。なお、当社グループは現在拡大期にあり、将来投資に備えた内部留保維持の必要が高いことに鑑みて、ROEを指標として重視するものの、目標設定することは見送っております。

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当面は不透明な外的要因が続くことを前提に、安定的、持続的に事業を拡大するため、下記のような課題に優先的に取り組んでまいります。

① 半導体不足への対応

コロナ禍におけるステイホーム需要、その後のリベンジ消費などに起因する世界的な半導体不足の影響により、当社製品の需要に対して生産可能な数量が大幅に不足する事態となっております。また、この需給のアンバランスに便乗した原材料の値上げも相次いでおります。当社としては、ある程度のコストアップと利益率の低下を受け入れ、消費者の需要に応えることを最優先にこの問題に取り組んでまいります。

② 工場立地の分散

いわゆるトランプ関税は、米国の政権が変わってからも依然として継続しており、米国と中国の政治的・経済的対立が続く限り廃止される見込みがありません。当社製品の場合、課税されない一部の製品カテゴリーを除いて25%のタリフ(追加関税)が課せられており、そのまま卸売価格に反映させると製品が市場で競争力を失うため、米国子会社の利益を削って卸売価格を維持しています。製品の競争力を維持しながら利益を確保するためには、第三国で生産するしか選択の余地がありませんが、当社はファブレス経営を標榜していることから、生産委託先との緊密な協業が必須であります。生産委託先もこのままでは受注が漸減してしまうという危機感を共有しており、今後数年の間には、非課税の製品は中国で継続生産し、課税対象の製品は第三国での生産に移行する方針であります。

③ フックアップ決算業務の迅速化

2021年1月に連結子会社化した株式会社フックアップは、会計年度が異なること及び会計システムの運用や人員不足が原因で、連結決算への反映に時間差が生じております。会計基準上の問題とはならないものの、正確かつ適時な情報開示を行う観点から、これを是正し、会計専任者の採用、会計システムの再構築、会計年度の変更などを行い、当社グループ連結財務諸表への遅延のない反映を行う方針であります。
④ 知的財産の保護

事業の根幹をなすブランド価値が損なわれる事態、すなわち知的財産としての商標権が侵害されている状況は、決して容認できません。この問題には妥協せず、毅然とした態度で臨む所存であります。一方で、特許の取得までには至らないものの、知恵を絞って生み出した当社独自の工夫を、あからさまに真似たジェネリック商品も市場で散見されております。音楽用電子機器業界が、各社横並びのロボット掃除機市場の如くならないよう、何らかの施策を講じる方針であります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクのうち、すでに顕在化しているあるいは顕在化の可能性が高いものについては、リスク項目の右側に「※」を付しております。なお、第3次中期経営計画(2021-2023)において、予想されるリスクについては可能な限り想定内となるよう、リスクマネジメントに取り組むことを目標といたしました。

文中の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 外部経営環境

① 為替の変動 ※

当社グループの海外売上高比率は85.5%(2021年12月期)と高く、海外への売上高は主に米国ドル建であり、加えて、生産委託先からの仕入高についても米国ドル建であるため、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。具体的には、売上高及び仕入高については、それぞれ販売及び仕入れをした日のレートで円換算されるため、同レートに応じて円換算後の売上高と売上総利益が増減いたします。すなわち、円高となった場合は売上高と売上総利益が減少いたします(円安の場合は増加)。

なお、イタリアに本社を置くディストリビューター、Mogar Music S.r.l.を連結子会社としているため、ユーロの変動についても当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、たな卸資産の評価基準として総平均法を採用しているため、円高傾向が継続した場合、売上原価は過去の円安時に円換算された仕入価格の影響を受けることから、売上原価率が上昇する傾向にあります(円安傾向が継続した場合は下落)。

さらに、当社の外貨建資産と負債のほとんどが米国ドル建であるため、為替相場の変動に応じて為替差損益を計上する可能性があります。

当社グループでは、円高のリスクを取込んだうえで予算を作成すること、及び米国ドル建資産と米国ドル建負債のバランスを保つことにより為替差損益がなるべく生じないよう管理することにより、上記リスクに対応しております。

② 各国の経済状況及び市場の動向

当社グループの製品は世界各国で販売されているため、各国の経済状況や競合他社との価格競争を含む市場の動向に大きな変化がみられた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

特に、当社グループの顧客には比較的若いユーザーが多いため、先進国で見られる少子化は将来の顧客数に影響を与える可能性があります。

また、趣味の多様化により当社グループの製品カテゴリーの対象顧客が減少する可能性があります。

さらには、ミュージシャンやクリエーター等がターゲットユーザーである製品が多いため、限られたユーザーの動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、新しい製品カテゴリーを継続して開拓していくことを戦略目標の一つとすることにより、上記リスクに対応しております。

③ 競合

スマートフォンが携帯音楽プレーヤー、カメラや携帯電話の市場を取込んだように、技術革新や新しいコンセプトの製品の誕生により、思いもよらない製品が将来当社製品の競合となる可能性があります。

また、資金力や技術力がある企業が、新たに当社グループの製品が属するカテゴリーに参入することにより、競争が激化する可能性があります。

当社グループでは、商品開発5か条に基づき他社製品にはないユニークでオリジナリティのある製品を継続して開発することにより、上記リスクに対応しております。

 

④ 法的規制 ※

当社グループは日本国内において電波法、会社法、法人税法、独占禁止法、個人情報保護法、製造物責任法、景品表示法など様々な法的規制を受けております。これらの法改正や新たな法的規制が設けられる可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループでは製品を世界各国の販売代理店を通じて販売しているため、各国の現地の法的規制を遵守するよう努めております。しかしながら、現地の法的規制が改正又は新たに設定された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、関税について、米国政府は中国からの輸入品の一部に対して追加の関税を賦課する政策をとっております。現在、当社が中国の生産委託先で製造する製品のうち、賦課対象となっているのはマルチエフェクター等の一部の製品カテゴリーに留まっておりますが、ハンディオーディオレコーダー等の他の製品カテゴリーへ賦課対象が拡大した場合には、米国市場においてコスト競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、現地販売代理店又は会計・法律事務所から、法改正や新たなる規制の導入についての最新の情報を継続的に入手し、リスクの高い項目については事前に対応策を検討すること等により、上記リスクに対応しております。

特に税務については、海外の税法に関する知識不足や見解の相違が原因で、当社又は子会社の税務申告が否認され追徴課税されること等により巨額の損失が発生する可能性があるため、移転価格税制やタックスヘイブン税制等税務リスクが高い分野について専門のコンサルタントから助言を受け、事前にリスクを低減するよう努めております。

⑤ 原材料の調達 ※

当社の製品は、機種により数十から数千個から成る部材で構成されております。ある機種の部材が一つでも調達ができなくなった場合には、当該機種の製品が生産できなくなることから、全ての部材について十分な在庫の確保に努めております。何らかの理由により特定の部材の購入が困難となった場合、必要な数の製品が生産できず販売機会損失が発生することから、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、重要な部材については十分な量の在庫を保有することに加え、複数の調達ルートや代替となる部材を確保すること等により、上記リスクに対応しております。

なお、世界的な半導体の供給不足により、有価証券報告書提出日現在、当社グループにおいても一部製品について十分な半導体が調達できず、必要な数量の製品を生産できない状況となっており、販売機会損失が生じております。この状況が長期間改善しない場合には、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

⑥ 戦争、テロ、感染症又は自然災害等 ※

当社グループは、開発拠点を日本に、生産拠点を主として中国に、販売拠点を日本及び海外に置いております。これらの拠点において、地震、水害等の自然災害、新型コロナウイルス・新型インフルエンザ等の感染症や疫病の発生、戦争・テロ又は第三者による当社グループに対する非難・妨害などが発生するリスクがあります。

当社グループでは、一定規模の災害等を想定したリスク対応策を講じておりますが、こうしたリスク等により、短期間で復旧不可能な莫大な損害を被り、部品・資材の調達、生産活動、製品の販売及びサービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)については、現在までのところ当社グループの業績にマイナスの影響を与えてはおりませんが、状況を引続き注視しております。当社においては、緊急事態宣言中はテレワークにより対応するなど出社制限を行い、出社する場合には検温徹底、マスクの常用、アクリルパーテーションの設置を行うなど、感染防止対策を徹底し、従業員の安全確保に努めております。

また、2022年2月24日に開始されたロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻については、現在状況を注視しております。なお、2021年12月期の連結売上高に占める両地域への売上高の割合は、合計で1.6%となっております。

 

 

(2) 新製品開発及び製造

① 製造物責任

当社グループは製品の開発、製造及び販売に当たり、適切な品質管理の実施に努めておりますが、予期せぬ欠陥が生じることによりリコールや訴訟が発生する可能性、また、その後のレピュテーションリスクやブランド力の毀損のリスクが考えられます。

さらに、製造物責任賠償保険に加入しているものの、保険で賠償額が十分にカバーされなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、品質管理部門において品質管理を一元化するとともに、週次で品質管理ミーティングを開催し問題が深刻化することを未然に防止することにより、上記リスクに対応しております。

② 新製品開発 ※

当社グループは世界初のユニークな製品を開発することを目指しておりますが、期待通りの成果が得られず製品化を断念した場合、あるいは開発の遅延により予想外の追加コストが発生した場合や販売開始が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、週次で開発会議を開催し進捗をコントロールするとともに、複数の新製品開発を同時並行で行うことでリスクを分散することにより、上記リスクに対応しております。

③ 生産コストの上昇 ※

当社グループの生産は、主として中国にあるEMS企業へ委託しているため、今後中国国内の人件費や物流費用の上昇等の理由により生産コストが上昇する可能性があります。

当社グループでは、必要に応じて製品出荷価格の値上げを行うほか、中国以外のEMS企業への生産委託を増加させていくことにより、上記リスクに対応してまいります。

④ 特定の生産委託先及び原材料購入先への依存 ※

当社グループの生産は外部に委託しており、特にHong Kong Tohei E.M.C. Co., Ltd.へは、主力製品のハンディオーディオレコーダーの大部分を生産委託しており、当社の生産委託全体の49.7%(2021年12月期)を同社が占めております。また、原材料についても高い品質や技術が必要な部品を低価格で調達しようとすると、特定の購入先に依存せざるをえない場合があります。何らかの理由により特定の生産委託先又は原材料購入先からの購入ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、生産及び基幹部品の購入について、特定の取引先への依存度を下げることにより、上記リスクに対応してまいります。

 

(3) 知的財産権 ※

当社グループでは、製品の開発にあたり知的財産権を使用することから、知的財産侵害の指摘を受け他社との間で紛争や訴訟が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、新製品開発に当たり他社の知的財産権の調査を行い、特に新製品で使用する技術が他社の特許権を侵害しないか、新製品の名称が他社の商標権を侵害していないか、に留意して調査することにより、問題の発生の防止に努めております。

また、当社グループが保有する商標権や特許権等の知的財産が侵害されることにより市場において当社ブランドとの混同や模倣製品が流通すること等によって、当社のブランド価値に毀損が生じることにより、中長期的に当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、知的財産の侵害を発見した場合には決して容認せず、毅然とした態度で法的措置等を含めた対応をとることにより、上記リスクに対応してまいります。

 

 

(4) 特定製品カテゴリーへの依存

当社グループは多種多様な製品を販売しておりますが、ハンディオーディオレコーダーの売上割合が36.8%(2021年12月期)を占めております。ハンディオーディオレコーダー以外の他の製品カテゴリーの製品開発や販促に取り組むことにより売上割合は減少しつつあるものの、なんらかの理由によりハンディオーディオレコーダーの製品の出荷数が落ち込んだ場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、新しい製品カテゴリーの開拓を継続していくことを戦略目標の一つとすることにより、上記リスクに対応しております。

 

(5) 海外の販売代理店への依存

当社グループの海外売上高比率は85.5%(2021年12月期)と非常に高く、そのすべては海外の販売代理店経由の売上となっております。販売代理店が子会社である北米と南欧を除き、各国での当社製品のプロモーションや営業活動は、原則として当該国担当の販売代理店が独自で行うため、各販売代理店の販売戦略等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、主要な販売代理店との契約終了や関係の悪化が、小売業者や顧客の喪失、競合他社へのノウハウの流出、当社グループの営業力の減退をもたらし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

さらに、販売代理店に対するモニタリングが不十分であった場合、当社グループの評判又は信用が毀損し、又は小売業者や顧客との関係を悪化させ、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、主要な代理店については定期的にミーティングを行うとともに、新製品について各主要代理店の営業担当に対しトレーニングを行うことでコミュニケーションの円滑化を図ることにより、上記リスクに対応しております。

 

(6) 人材の確保と育成

当社グループの製品は、競合商品の出現や技術革新により販売台数が減少する傾向にあることから、持続的な成長のためには継続的に新製品を開発し、発売していくことが不可欠となります。製品開発に当たってはエンジニアの数と質が制約条件となるため、優秀なエンジニアの確保と継続的な人材の育成に努めてまいります。

しかしながら、優秀な人材の確保や育成が予定通り進捗しない場合や優秀な人材の流出が続いた場合、競争力の低下や事業計画の予定通りの遂行ができなくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、エンジニアについては毎年新卒を採用し、社内で教育していくことにより人材を育成するとともに、必要に応じて中途採用を行うことにより、優秀な人材の確保に努めております。

 

(7) システムトラブルと情報漏洩

当社グループは、生産管理、部品や製品の発注、在庫管理、販売管理に基幹システム及び情報システムを利用しております。これらのシステムが、不正アクセスやシステムの不具合、自然災害等により、アクセスできなくなる等の障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、業務を通じて取引先の機密情報やユーザーの個人情報等を保有しており、これらの情報を保護するために個人情報保護等の規程の整備を含めた情報セキュリティ体制を構築、運用しております。

しかしながら、コンピュータウイルスの感染やパソコンの盗難等の不測の事態により機密情報が漏洩した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、システムのバックアップやファイアウォールの設定等不正アクセスを防止するための措置を講ずるとともに、定期的にセキュリティの見直しを行うこと等により、上記リスクに対応しております。

 

 

(8) レピュテーションリスク

当社グループの製品は主として個人向けであり、スマートフォン、タブレット及びパーソナルコンピューターとの連携を前提とした製品も多いため、ネットリテラシーの高いユーザーが多く、ユーザーからの感想や要望がソーシャルメディアやブログ等に多くあがっております。事実の有無にかかわらず、インターネット上で当社もしくは当社製品への誹謗・中傷が広がった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、ソーシャルメディア運用管理規程等を定め、いわゆる“炎上”が起こらないように注意することにより、上記リスクに対応しております。

 

(9) 売掛金の回収リスク

当社グループの主要取引先に対しては、主として売上の1ヶ月から2ヶ月分の与信を設定しております。取引先には、有力な卸、小売店又は販売代理店が多いため売掛金残高も多額となるケースがあり、倒産等により売掛金の回収が不可能となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、主要取引先に対しては定期的に信用調査を行うなど慎重に与信管理を行うことに加え、一部販売先の売上債権に対して金融機関の保証ファクタリングを利用することにより、上記リスクに対応しております。

 

(10)重要な訴訟

当社グループの製品は世界中で利用されているため、様々な理由で訴訟の提起を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、コンプライアンス規程及びコンプライアンス・マニュアルを制定し、法令及び契約の遵守に努めることにより、上記リスクに対応しております。

 

(11)業績の季節変動 ※

当社グループの主たる市場である欧米においては年末商戦における需要が強いことから、当社グループの売上及び利益は上期に比べて下期に増加する傾向があります。このため、為替の変動や生産コストの上昇等何らかの理由により下期の売上及び利益が予想を下回る場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、引続き新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けており、ワクチン接種の普及による経済活動の正常化により回復基調にあった個人消費は、オミクロン株による感染再拡大により回復のペースは緩やかになっております。

当社グループが属する音楽用電子機器業界におきましては、コロナ禍におけるリモートワークやステイホームの浸透によるライフスタイルの変化により堅調な需要が継続している一方で、半導体の供給不足や物流網の混乱が大きな下振れリスクとなっており、先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、当連結会計年度におきましては、ポッドキャスト等の音声配信市場の拡大もあり当社製品への需要が大きく伸びる中、半導体部品について必要最低限の数量が確保できたことから、当社グループの売上高は大きく伸張いたしました。

以上に加えて、株式会社フックアップを連結子会社としたこともあり、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は13,417,856千円(前期比28.8%増)、営業利益は1,258,257千円(前期比66.6%増)、経常利益は1,216,663千円(前期比169.8%増)、及び親会社株主に帰属する当期純利益は854,084千円(前期比69.9%増)となりました。

当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。製品カテゴリー別の説明は以下のとおりであります。

 

(ハンディオーディオレコーダー)

ハンディオーディオレコーダーは、2020年7月から販売を開始したH8の新製品効果及びサプライヤー工場火災への対応が順調に進み委託先工場での生産に大きな影響が出なかったこと等により、売上高は4,933,692千円(前期比9.7%増)となりました。

(デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー)

デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーは、ポッドキャスト収録に適したP4及びP8、ライブストリーミングやレコーディング用途としてのLシリーズの販売増加等により、売上高は2,203,176千円(前期比60.7%増)となりました。

(マルチエフェクター)

マルチエフェクターは、2020年11月から販売を開始したG6の新製品効果及びG1XFourへの需要が大きく伸びたこと等により、売上高は1,289,928千円となりました。なお、前連結会計年度までマルチエフェクターに含めていたボーカル用エフェクトプロセッサー(V3及びV6)については、当連結会計年度より別カテゴリーとして開示しており、当該製品を含まない前連結会計年度のマルチエフェクターの売上高は1,118,348千円であります。

(プロフェッショナルフィールドレコーダー)

プロフェッショナルフィールドレコーダーは、屋外での活動が再開されつつあることから需要が回復傾向にあり、また、2020年11月から販売を開始した新製品F2及びF2-BTの販売が好調であったことから、売上高は968,666千円(前期比42.4%増)となりました。

(ハンディビデオレコーダー)

ハンディビデオレコーダーは、WEB会議やオンラインレッスン目的等での需要は引続き堅調であるものの、前期は新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの浸透により、WEB会議目的等での需要の急増があり、その反動によって、売上高は819,026千円(前期比20.4%減)となりました。

(マイクロフォン)

当社が企画・販売するマイクロフォンについて、2020年8月にZDM-1PMP(ポッドキャスト用マイクパック)の販売を開始して以降、売上高が増加傾向にあり重要性が増したことから、前連結会計年度まで「モバイルデバイスアクセサリ」として開示していたスマートフォン/タブレット端末用のマイクロフォン(iQ6、iQ7及びAm7)を含め、当連結会計年度より新規カテゴリー「マイクロフォン」として開示することといたしました。2021年5月から販売を開始したZUM-2PMP(USBポッドキャスト用マイクパック)の新製品効果等により、マイクロフォンの当連結会計年度の売上高は476,907千円となりました。なお、前連結会計年度のマイクロフォンの売上高は316,075千円であります。 

 

(ボーカルプロセッサー)

前連結会計年度までマルチエフェクターに含めて開示していたボーカル用エフェクトプロセッサー(V3及びV6)については、他のマルチエフェクターと用途が異なること及び売上高が増加傾向にあり重要性が増したことから、当連結会計年度より新規カテゴリー「ボーカルプロセッサー」として開示することといたしました。ボーカルプロセッサーの当連結会計年度の売上高は241,873千円となりました。なお、前連結会計年度のボーカルプロセッサーの売上高は105,208千円であります。

(オーディオインターフェース)

オーディオインターフェースは、サプライヤー工場火災に伴う電子部品不足の影響を受け、一部製品について十分な生産ができなかったこと及びオンライン会議目的での需要が減少したこと等により、売上高は97,295千円(前期比49.8%減)となりました。

(Mogar取扱いブランド)

Mogar取扱いブランドは、前期は南ヨーロッパのロックダウンの影響を受け売上高が減少いたしましたが、ワクチン接種の普及による経済活動の正常化により需要が回復傾向にあることから、売上高は827,339千円(前期比19.6%増)となりました。

(フックアップ取扱いブランド)

当連結会計年度から株式会社フックアップの損益計算書を連結したことにより、同社が取扱う当社以外のブランドの製品が売上計上されることとなりました。これにより、当連結会計年度の売上高は1,098,003千円となりました

 

 また、財政状態については、当連結会計年度末の資産合計は10,829,574千円となり、前連結会計年度末と比べ631,364千円増加しました。これは主に、株式会社フックアップを連結子会社としたこと等により、流動資産が373,159千円増加したことによるものであります。

 企業の安全性を示す自己資本比率は前連結会計年度50.2%に対し、当連結会計年度は53.9%と3.7ポイント増加しております。

(流動資産)

 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ373,159千円増加し、8,035,069千円となりました。これは主に、株式会社フックアップを連結子会社としたこと等により、現金及び預金が663,459千円減少した一方、売掛金が291,538千円千円、商品及び製品が447,301千円千円増加したことによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ258,204千円増加し、2,794,505千円となりました。これは主に、株式会社フックアップを連結子会社としたことにより、のれんが87,647千円増加したことによるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ208,891千円減少し、3,675,051千円となりました。これは主に、短期借入金が254,292千円減少したことによるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ64,875千円増加し、1,242,655千円となりました。これは主に、長期借入金が51,432千円増加したことによるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて775,380千円増加し、5,911,867千円となりました。これは主に、自己株式が286,955千円増加した一方、為替換算調整勘定が323,188千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益を854,084千円計上したことによるものであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ664,807千円減少し、当連結会計年度末に2,032,387千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動により増加した資金は637,058千円(前連結会計年度は990,097千円の増加)となりました。資金の主な増加要因は、仕入債務の減少額370,329千円があった一方、税金等調整前当期純利益を1,216,527千円及び減価償却費を226,309千円、のれんの償却費を181,826千円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動により減少した資金は478,302千円(前連結会計年度は1,269,748千円の減少)となりました。資金の主な減少要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出285,428千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動により減少した資金は937,053千円(前連結会計年度は716,058千円の増加)となりました。資金の主な減少要因は、長期借入れによる収入155,892千円があった一方、自己株式の取得による支出426,363千円及び短期借入金の純減額380,318千円があったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ. 生産実績

当社グループは、外部に製造を委託しており生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

ロ. 製品仕入実績

当連結会計年度における製品カテゴリー別の仕入実績は次のとおりであります。

製品カテゴリーの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

仕入高 (千円)

前年同期比 (%)

ハンディオーディオレコーダー

1,889,436

89.1

デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー

954,638

139.4

マルチエフェクター

643,061

プロフェッショナルフィールドレコーダー

260,784

82.3

ハンディビデオレコーダー

486,141

116.7

マイクロフォン

366,982

ボーカルプロセッサー

64,489

オーディオインターフェース

75,880

118.4

Mogar取扱いブランド

637,739

97.0

フックアップ取扱いブランド

786,995

その他

884,970

137.8

連結消去額

△247,777

158.0

合計

6,803,344

124.0

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当社グループの製品は、すべて生産委託しております。

4.前連結会計年度まで「マルチエフェクター」に含めていたボーカル用エフェクトプロセッサーについては、当連結会計年度より新規カテゴリー「ボーカルプロセッサー」としております。また、前連結会計年度まで「モバイルデバイスアクセサリ」としていたスマートフォン/タブレット端末用のマイクロフォンについては、当連結会計年度より新規カテゴリー「マイクロフォン」に含めております。加えて、当連結会計年度より株式会社フックアップの損益計算書を連結したため、同社が取り扱う製品の売上を、新規カテゴリー「フックアップ取扱いブランド」としております。そのため、該当カテゴリーにつきましては、前年同期比の記載を省略しております。

 

 

ハ. 受注実績

当社グループは、需要予測による見込みで販売数量を決定しており、受注生産の形態を採っておりません。

 

二. 販売実績

当連結会計年度における製品カテゴリー別の販売実績は次のとおりであります。

製品カテゴリーの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比 (%)

ハンディオーディオレコーダー

4,933,692

109.7

デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー

2,203,176

160.7

マルチエフェクター

1,289,928

プロフェッショナルフィールドレコーダー

968,666

142.4

ハンディビデオレコーダー

819,026

79.6

マイクロフォン

476,907

ボーカルプロセッサー

241,873

オーディオインターフェース

97,295

50.2

Mogar取扱いブランド

827,339

119.6

フックアップ取扱いブランド

1,098,003

その他

461,947

128.1

合計

13,417,856

128.8

 

(注) 1.前連結会計年度まで「マルチエフェクター」に含めていたボーカル用エフェクトプロセッサーについては、当連結会計年度より新規カテゴリー「ボーカルプロセッサー」としております。また、前連結会計年度まで「モバイルデバイスアクセサリ」としていたスマートフォン/タブレット端末用のマイクロフォンについては、当連結会計年度より新規カテゴリー「マイクロフォン」に含めております。加えて、当連結会計年度より株式会社フックアップの損益計算書を連結したため、同社が取り扱う製品の売上を、新規カテゴリー「フックアップ取扱いブランド」としております。そのため、該当カテゴリーにつきましては、前年同期比の記載を省略しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Amazon.com, Inc.(※)

1,578,034

15.1

2,520,746

18.8

Sound-Service Musikanlagen-
Vertriebsgesellschaft mbH

1,344,291

12.9

1,945,124

14.5

 

※ 売上高は、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への売上高を集約して記載しております。

3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

イ. たな卸資産

当社グループは、たな卸資産の保有期間及び将来の需要予測に基づき検討した結果、正味売却価額が帳簿価額を下回るものについては商品評価損を計上しておりますが、想定よりも実際の市況が悪化した場合は追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

ロ.貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、取引先の財務状況が悪化しその支払い能力が低下した場合又は債権が回収不能となった場合、追加の引当又は損失の計上が必要となる可能性があります。

 

ハ. 繰延税金資産

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

ニ.のれん

当社グループは、のれんに関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、現在の状況が2022年12月期末まで継続し、半導体不足については、2022年12月期の上期は現在の状況が継続するものの下期以降徐々に解消していくと仮定しており、連結財務諸表作成時点で利用可能な情報に基づき、これらの影響の不確実性を考慮の上で、合理的な見積りを行っております。

 

② 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前期比28.8%増の13,417,856千円となりました。これは主に、ポッドキャスト等の音声配信市場の拡大もあり当社製品への需要が大きく伸びる中、半導体部品について必要最低限の数量が確保できたこと、及び2020年4月1日からZOOM North America, LLC(以下「ZNA」という。)を連結子会社としたことにより当連結会計年度は同社の1月から12月までの12か月間の損益計算書が連結されたこと(前連結会計年度は4月から12月までの9か月間)に加え、第2四半期連結会計期間から株式会社フックアップの損益計算書を連結したことから、当社グループの売上高は大きく伸長いたしました。

 

(売上総利益)

売上総利益は、前期比33.0%増の5,704,326千円となり、売上総利益率は1.3ポイント改善し42.5%となりました。これは主に、為替レートが年度を通じて円安方向に推移したこと、及び一部製品について値上げを行ったことによるものであります。

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、前期比25.8%増の4,446,069千円となりました。これは主に、研究開発費が259,899千円増加したこと及び株式会社フックアップを連結子会社としたことによるものであります。

以上の結果、営業利益は1,258,257千円(前期比66.6%増)となりました。

(経常利益)

営業外収益は、前期比6.1%減の12,972千円となりました。また、営業外費用は、前期比82.8%減の54,566千円となりました。これは主に、前期に持分法による投資損失240,474千円を計上したことによる反動減によるものであります。その結果、経常利益は1,216,663千円(前期比169.8%増)となりました。

(税金等調整前当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、経常利益の増加により1,216,527千円(前期比93.5%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益を54,600千円計上しましたが、854,084千円(前期比69.9%増)となりました。

(経営上の目標達成状況)

  中期経営計画「第3次中期経営計画 2021-2023」において、2023年度の売上高を150億円、営業利益を12億円としております。中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度において、当社製品への需要が大きく伸びたことから、営業利益については2023年度の目標値を達成いたしました。しかしながら、2年目にあたる2022年度については、半導体不足の影響により営業利益は半減すると見込んでおり、また、2023年度についても半導体の供給を含め不透明な状況であることから、2023年度の数値目標は現時点では変更しておりません。なお、当社グループは、第3次中期経営計画の達成に向けて、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に取り組むことにより、成長の実現を目指してまいります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当社グループの主な資金需要は、製品の仕入れ、人件費や外注先への支払等の営業費用及び金型等の設備投資であります。これらの資金需要は自己資金を充当し、不足が生じる場合は金融機関からの借入で調達を行っております。なお、取引金融機関との関係は良好であり、当座貸越枠を確保していることから、充分な資金流動性を確保していると考えております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると考えております。新型コロナウイルス感染症の影響については、ステイホーム需要による受注の増加により、当連結会計年度の当社グループの業績は堅調に推移いたしましたが、感染が沈静化した後についても、リモートワークやステイホームの浸透によるライフスタイルの変化は継続すると考えており、当社グループの業績に大きな影響は与えないと考えております。一方、半導体供給不足や物量網の混乱は、当社グループの業績への大きな下振れリスクとなっており、状況を注視していく必要があると考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名

相手先の名称

契約締結日

契約期間

契約内容

株式会社ズーム

(当社)

香港東英電子工業有限公司(Hong Kong Tohei E.M.C. Co., Ltd.)

2018年7月1日

2018年7月1日より
2019年6月30日まで

以後1年ごとの自動延長

当社が生産を委託
した製品の売買に
関する基本契約

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、研究開発活動を当社に集中しており、当連結会計年度末の当社の開発人員は54名となっております。楽器演奏経験の長いエンジニアが、臨場感ある音であるかどうか、心に残る映像であるかどうか、演奏の現場での使い勝手が良いかどうかを、自身の経験と販売代理店やエンドユーザーからのフィードバックを元に開発をすることにより、“ズーム”らしくかつ市場のニーズに合致した製品をいち早く製品化できるよう努めております。そのために、(1)プロには挑戦への、アマチュアには継続へのモチベーションを提供する。(2)機能、性能、価格、外観、操作性等に何らかの「世界初」を取り入れる。(3)ユーザーの視点に立ち、自分でも使いたいと思える商品にする。(4)デザインは機能と結びついていなければならない。(5)課題解決型であり、かつ機会提供型でもある商品で新しい市場を創出する、という「商品開発5カ条」を定め、当方針をもとに研究開発活動を行った結果、当連結会計年度においては、プロのベーシスト/上級プレーヤーの要求に応えるベース用マルチエフェクターB6を、タッチスクリーンを搭載しスマートフォンのアプリ感覚で録音データを操作・編集できるマルチトラックレコーダーR20を、ハンディビデオレコーダーのフラッグシップモデルQ8n-4Kを、32bitフロート録音で外部マイク入力を備えた世界最小の業務用フィールドレコーダーF3を、開発・販売ないしは開発が完了いたしました。

以上の開発活動に加え、当連結会計年度においては、2020年10月に発生した電子部品工場の火災により調達できなくなった部品について、代替品への置き換えを進めるための設計変更を行いました。

これらの活動の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,331,898千円となりました。

なお、当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 「技術とノウハウの転用」

当社グループは、下記の図に示すとおり、過去の技術とノウハウの蓄積を利用して新しい製品カテゴリーに参入してまいりました。今後も蓄積してきた技術とノウハウを用い、新しい製品カテゴリーを開拓していく所存です。

 

<当社グループの製品における技術の転用(例)>