第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における世界経済は、第二次トランプ政権による「相互関税」政策や、米国と対象国との関税交渉の先行き不透明感を背景に、景気の下振れリスクが高まる状況となりました。我が国経済は、個人消費が底堅く推移し、緩やかな回復が見られるものの、関税引き上げにより製造業の収益環境が悪化すると予想されることから、先行き不透明な状況となっております。

当社グループが属する楽器関連機器業界においては、関税の引き上げを受け、販売価格の見直しや生産国の変更などの対応を迫られました。その結果、小売市場における販売減が、米国のみならず世界規模で見られたことに加え、中国からの生産移管先として挙げられていた東南アジア諸国における関税率が想定よりも下がらなかったことから、更なる対策が求められるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の中、当社製品の最大の市場である北米での販売が想定を下回ったものの、欧州市場における販売代理店事業が好調に推移したこと、為替相場が円安に推移したことから、売上高は微減にとどまりました。

一方、売上総利益については、関税の直接的な影響は限定的であったものの、売上総利益率の高い北米市場での販売の減少や、売上総利益率の低い他社ブランドの売上比率の増加が影響し、当初の想定を下回る結果となりました。販売費及び一般管理費については、各種経費の削減に努めた結果、前年同期比で126,141千円減少しましたが、売上総利益の減少を補うには至らず、営業損失以下、各段階利益は損失を計上する結果となりました。

以上の結果、当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は7,982,181千円(前年同期比3.0%減)、営業損失は147,879千円(前年同期は営業利益58,589千円)、経常損失は225,099千円(前年同期は経常利益14,010千円)となりました。法人税等は118,983千円となり、非支配株主に帰属する中間純利益74,320千円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する中間純損失は418,403千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失264,420千円)となりました。

 

当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。製品カテゴリー別の説明は以下のとおりであります。

 

(ハンディオーディオレコーダー)

ハンディオーディオレコーダーは、前年同期に発売したessentialシリーズの新製品効果が一巡したことにより、当中間連結会計期間の売上高は1,465,249千円(前年同期比22.6%減)となりました。

(デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー)

デジタルミキサー/マルチトラックレコーダーは、昨年発売のL6や2025年3月発売のP2の売れ行きが好調であったことにより、当中間連結会計期間の売上高は921,659千円(前年同期比2.4%増)となりました。

(マルチエフェクター)

マルチエフェクターは、MultiStompシリーズを刷新・拡大したMS+シリーズの売れ行きは、昨年に引き続き好調であった一方、既存製品については、北米市場での販売が減少したことにより、当中間連結会計期間の売上高は639,250千円(前年同期比11.9%減)となりました。

 

(プロフェッショナルフィールドレコーダー)

プロフェッショナルフィールドレコーダーは、2023年以降新製品を発売していないことから、当中間連結会計期間の売上高は519,169千円(前年同期比20.3%減)となりました。

(マイクロフォン)

マイクロフォンは、北米市場でZDM-1PMPの売れ行きが好調だったことにより、当中間連結会計期間の売上高は203,489千円(前年同期比1.6%増)となりました。

(ハンディビデオレコーダー)

ハンディビデオレコーダーは、2022年以降新製品を発売していないことから、当中間連結会計期間の売上高は201,795千円(前年同期比27.8%減)となりました。

(ボーカルプロセッサー)

ボーカルプロセッサーは、北米市場における販売が減少したことにより、当中間連結会計期間の売上高は87,223千円(前年同期比31.3%減)となりました。

(オーディオインターフェース)

オーディオインターフェースは、2023年6月以降新製品を発売していないことから、当中間連結会計期間の売上高は66,420千円(前年同期比17.0%減)となりました。

(Mogar取扱いブランド)

Mogar取扱いブランドは、南欧における楽器市場での販売減により、当中間連結会計期間の売上高は565,435千円(前年同期比5.7%減)となりました。

(フックアップ取扱いブランド)

フックアップ取扱いブランドは、高価格帯製品の販売は不調であった一方、低価格帯製品は好調であったことにより、当中間連結会計期間の売上高は前年同期並みの780,045千円(前年同期比0.7%減)となりました。

(Sound Service取扱いブランド)

Sound Service取扱いブランドは、Nord KeyboardsやLTDの好調に加え、イギリスにおける販売の拠点であるSound Service U.K. Limitedが、プロシューマ―向けオーディオブランドの販売代理店であるSCV Distribution Limitedの商圏を2024年10月に引き継いだことにより、同社の取り扱うブランドの売上が寄与したため、当中間連結会計期間の売上高は2,331,692千円(前年同期比31.9%増となりました。 

 

また、財政状態の状況は以下のとおりであります。

(資産)

当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,247,322千円減少し、18,840,554千円となりました。これは主に、売上高の減少により受取手形及び売掛金が905,742千円減少したことによるものであります。

(負債)

当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ577,897千円減少し、10,888,122千円となりました。これは主に、運転資金の調達により短期借入金が169,598千円増加しましたが、買掛金が296,082千円長期借入金が250,556千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ669,425千円減少し、7,952,431千円となりました。これは主に、非支配株主持分が118,937千円増加しましたが、配当金の支払134,947千円と為替換算調整勘定が221,447千円減少したことによるものであります。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の35.7%に対し、当中間連結会計期間末は33.9%と1.8ポイント減少しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,172千円減少し、3,286,777千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は599,017千円(前年同期は399,067千円の増加)となりました。これは主に、仕入債務の減少額267,113千円があった一方、売上債権の減少額868,205千円及びのれん償却額231,435千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は130,568千円(前年同期は119,997千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出103,790千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により減少した資金は323,737千円(前年同期は108,013千円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額143,675千円があった一方、長期借入金の返済による支出255,632千円及び配当金の支払額134,605千円があったことによるものであります。

 

 (3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は500,074千円であります。

 

(6) 従業員数

当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。