(1)会社の経営の基本方針
独立系メンテナンス企業である当社グループは、「何よりも安全のために。」「見えないからこそ手を抜かない。」「信頼を礎に。」の企業理念のもと、メンテナンス品質の向上を図るとともに、メーカー主導の価格体系の見直しによる「適正価格の実現」を図ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、成長性と収益性を高め、安定的な事業成長によって企業価値を継続的に向上させることが株主重視の経営であると認識しております。成長性においては売上高成長率を、収益性においては売上高営業利益率を重要な指標と位置付けております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
継続的な成長を実現するために、当社グループは中長期的に以下の戦略を策定し、実行しております。
① 保守・保全事業の推進
・地域ごとの事業子会社制の採用により各地域の営業力を強化するとともに、M&Aを活用した事業エリアの拡大等により、基幹事業である保守・保全事業の更なる成長を図る。
② リニューアル事業の強化
・営業体制の拡充、自社製品の開発等によりリニューアル事業を強化し、保守・保全事業に次ぐ新たな基幹事業とする。
③ 人材の確保・育成
・採用力の強化により、安定成長を支える人材を確保する。
・人材育成により、技術水準及びメンテナンス品質の向上を図る。
④ 財務基盤の安定化
・上記の戦略を可能とするために財務体質の改善を図る。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
エレベーター及びエスカレーターのメンテナンス業界におきましては、不動産の供給増加によるエレベーター等の増加、物件所有者及びビル管理会社のコスト削減要求等により、事業機会が増加する一方、エレベーター等の安全稼動への社会的要請の高まりから、高品質なサービスの提供が求められております。
一方でわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下において、足下の景気動向には持ち直しの動きが一部で見られるものの、依然として厳しい状況にあることから、企業の経費削減ニーズは今まで以上に高まると予想されております。当社グループのエレベーター等のメンテナンス事業は社会生活を維持する上で必要なサービスであることから、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に留意しつつ、引続き業務を継続しております。このような事業環境の下、当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであると認識しております。
① 国内事業基盤の構築・拡大
当社グループが安定的成長を図るうえで、事業基盤の構築・拡大が課題であると認識しております。具体的には、継続的収益及び保全・リニューアル業務への展開に繋がる、保守契約台数を増大させることが最も重要であると考えております。なお、当社グループの保守事業については、社会生活を維持する上で必要なサービスであることから、新型コロナウイルス感染症拡大の重要な影響はないと考えております。
② 人材確保及び育成
当社グループの事業競争力の根幹は、エレベーター等の安全運行に必要な高品質なメンテナンスサービスを提供できる人材であり、そのような人材の確保と育成は今後の当社グループの成長にとって不可欠であると考えております。
当社グループでは、これまで行ってきた従業員への研修を継続・強化するとともに、社内技術、品質認定制度を確立することで、技能水準の高い人材の育成を図ります。
また、人材の確保につきましては、企業認知度と労働条件の向上を目指すとともに、新卒・中途採用の積極的な増加を図り、当社グループの要求する品質を担保できる外注業者の利用により、適宜、人員補充を行ってまいります。
③ 海外事業展開の推進
高品質なメンテナンスサービスに対する需要は、日本市場のみならず海外市場においても広く存在するものと考えております。当社グループが日本市場で培ってきた複数メーカーのエレベーター等に対応できる技術力や教育研修のノウハウ等を活用することで、海外市場への展開、成長を図ります。
④ 事業拡大のための資本・業務提携の検討
当社グループの企業価値向上に資するような他社の買収、他社とのジョイントベンチャーや業務提携を検討してまいります。
⑤ 研究開発の推進
約50mのエレベーターのテストタワーを備えた研究開発施設JES Innovation Center(通称JIC)を拠点にエレベーターリニューアル等の研究開発活動を推進しております。
加えて2020年10月、JICの隣地に新たにJES Innovation Center Lab(通称JIL)を開設し、リニューアル事業における生産能力の拡充、低コスト・短納期の新サービス「Quick Renewal(クイックリニューアル)」の対応機種拡大を中心とした各種研究開発活動を強化しております。
⑥ 財務基盤の安定化
当社グループの今後の事業拡大のためには拠点拡充、進化するエレベーター等に対応するための研究開発、人材への投資や研修施設の拡充等、先行投資及び継続投資が必要となります。将来の資金需要に備え、内部留保の確保を図るとともに、借入等による資金調達にて財務基盤の安定化を行ってまいります。
以下において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありません。
なお、以下の記載事項は、特に断りがない限り、当連結会計年度末現在の事項であり、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。将来に関する事項につきましては、不確実性を有しており、将来生じる結果と異なる可能性がありますので、記載しております事項に対する判断は、以下記載事項及び本項目以外の記載内容も合わせて慎重に行われる必要があります。
(1)特定の仕入先への依存リスク
当社グループはエレベーター等のメンテナンスを主たる事業としております。
当社グループは、エレベーター等のメンテナンスのために必要となるパーツの購入先を複数にするなどパーツが確保できなくなるリスクを低減するよう努めておりますが、パーツによっては品質維持の目的によりメンテナンス対象となるエレベーター等のメーカー(系列会社を含む)のみからの購買としております。
当社グループは、これらのパーツについて一定量の在庫の保有、パーツのリサイクル、海外市場等からの調達の検討によりパーツの供給不足や調達時期の遅れに備えておりますが、なんらかの理由により、これらのパーツを適時・適量に確保できない場合には、当社グループのメンテナンス業務を適時に実施できない可能性があります。
また、これらのパーツを構成する素材の価格上昇等の理由により、これらのパーツの価格が上昇し、そのコストをサービス価格に転嫁できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合に関するリスク
メンテナンス市場には、エレベーター等メーカー、メーカー系列のメンテナンス専業会社及び独立系メンテナンス会社等、大小様々な競合会社等が多数存在しており、競合の激化により新規獲得数の減少や契約切り替え等が発生し、当社グループのシェアが低下する可能性があります。また、サービス価格が下落した場合、メンテナンスの単一事業を行っている当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術革新について
エレベーター及びエスカレーターは随時新機種が発売・設置されており、当社グループでは国内主要メーカーのどの機種でも保守できるよう技術水準の向上に努めておりますが、今後、メーカーによる急激な技術革新が進み、当社グループが適時に対応できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
(4)法的規制について
① 当社グループが行う保守・保全業務のうち法定検査については、建築基準法において昇降機等検査員等の資格を有する者が行う旨定められております。当社グループでは事業規模に応じて昇降機等検査員の確保に努めておりますが、何らかの理由で昇降機等検査員を十分に確保できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループが行うリニューアル業務では、建設業法に基づく機械器具設置工事業の許可を得て事業を展開しておりますが、建設業法・建築基準法その他関係法令の改廃等が行われた場合に、製品の仕様変更が必要となる等の理由により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権について
当社グループは多くの知的財産権を保有し、維持・管理しており、必要に応じて技術調査等を行うことで知的財産権侵害問題の発生を回避するよう努めております。
しかし、当社グループの知的財産権が無効とされる可能性や模倣される可能性等があり、当社グループの保有する知的財産権の保護が損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、第三者の知的財産権を侵害したことにより、当社グループが当該第三者に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
(6)メンテナンス用パーツの在庫及び評価リスクについて
当社グループでは、エレベーター等の保守・保全、リニューアル業務のためのパーツをたな卸資産として保有しておりますが、メンテナンス対象となるエレベーター等が多機種であることに加え、メンテナンス期間が長期間となることが想定されるため、たな卸資産が増加する可能性があります。
当社グループでは、基準在庫数による管理を行うなど、パーツの重要性に応じた在庫管理を実施しておりますが、収益性の低下等に伴い、たな卸資産の資産価値が低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)事故・災害等に伴うリスク
当社グループは、エレベーター等の保守・保全業務及びリニューアル業務を行っております。
これらの業務を行うに当たって、当社グループは、国土交通省の「建築保全業務共通仕様書」に準拠し、また、社内で設定した独自の安全基準を遵守することにより、顧客及び利用者の安全を確保するよう十分配慮しております。
しかし、地震等の災害・利用者の使用方法・エレベーター等の欠陥に起因する事故の他、メンテナンス作業における当社グループ社員または業務委託先の人的なミス等により機器の損傷事故や場合によっては人身事故に至る可能性があります。
当社は、グループ社員及び業務委託先への安全指導の徹底や損害賠償責任保険の加入によりリスク回避に努めておりますが、保険でまかないきれない損失の発生や信頼失墜により、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。
(8)労働災害に係るリスク
エレベーター等のメンテナンス作業は、危険を伴う作業であるため、当社グループでは「何よりも安全のために。」を経営理念のひとつに掲げ、作業員の安全教育を徹底することにより事故防止に努めております。
しかしながら、万が一、重大な事故・労働災害等が発生した場合、一時的に補償金等の負担が生じ、また、当社グループの社会的信用に重大な影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)買収または業務提携に関するリスク
当社グループは、他社の買収、他社とのジョイントベンチャーや業務提携を行っております。しかしながら、買収または提携等が円滑に行われない場合や、買収した会社の事業、ジョイントベンチャー、業務提携が当初見込みどおりの期間で予想どおりの効果を得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)海外事業の展開に伴うリスク
当社グループは、海外への事業展開を行っておりますが、海外市場での事業活動には、次のようないくつかのリスクがあります。
① 予期しない法律や規制の変更
② 社会・政治及び経済状況の変化又は治安の悪化
③ 各種税制の不利な変更又は課税
④ 異なる商習慣による取引先の信用リスク等
⑤ 労働環境の変化や人材確保・教育の難しさ
⑥ 為替リスク
これらのリスクを最小限に抑えるため、現地顧問弁護士や会計事務所等からも迅速に情報を入手し、いち早く対策が打てる体制を構築する方針でありますが、リスクの顕在化により、サービスの提供が困難になり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)インドにおける合弁事業について
当社グループは、2016年6月、インドにおいてエレベーターの保守・保全業務、リニューアル業務を行う事を目的として、当社の子会社であるJAPAN ELEVATOR SERVICE HONG KONG COMPANY LIMITEDを通じ、インドの建設会社であるJindal Prefab Private Limited(以下、JPF社)との合弁会社「JAPAN JINDAL ELEVATOR SERVICE PRIVATE LIMITED」をインドに設立しました。
今後この合弁事業において、JPF社はインド国内での事業実績を活かした営業活動を、当社グループはエレベーターに関する技術の提供及び管理業務全般を担当し、事業を展開しておりますが、当初の計画どおりに事業が進捗しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(12)瑕疵担保責任等について
当社グループでリニューアル工事を実施したエレベーターの工事実施部分(当社製品)が、取扱説明書等に準拠した適切な据付、連結及び保守・点検管理が行われている等の所定の条件のもとで保証期間中(引渡から12ヶ月間)に故障した場合には、当社指定の方法により、無償で故障部品を修理または交換することとしております。
また、当社グループは、当社製品の重大な欠陥、または当社の製作及び施工の重大な過失によって直接生じた顧客の損害については、賠償の責任を負っております。
当社グループが何らかの理由により、瑕疵担保責任あるいは損害賠償責任の追及を受け、賠償責任を負うこととなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)人材確保と育成について
当社グループは、高い専門性を有する技術者の確保及び、今後の事業拡大を見据えた営業部門人員、管理部門人員の増強を図っております。また、人材育成にも注力し、技術力の向上及び内部管理体制の一層の強化、充実に努めております。事業拡大に先行して人員を増強し費用負担が先行した場合、もしくは事業に必要な人員を確保できなかった場合、人材育成が想定通りに進捗しなかった場合等、これらの施策が適時適切に行えなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)顧客情報の管理
当社グループは、保守・保全及びリニューアル契約に関するものをはじめとし、多くの顧客情報を取り扱っているため、外部からのネットワーク不正侵入への対策はもとより、内部からの情報漏洩防止のため、情報漏洩を防止するシステムを導入するとともに、「情報セキュリティポリシー」「個人情報・特定個人情報保護規程」等を整備し、情報流出の防止に努めております。
しかし、万一、不測の事態により顧客情報が外部に漏洩した場合には、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)システム障害
当社コントロールセンターでは、万一のトラブルに遅滞なく対応出来るよう、24時間365日体制でエレベーター等の状態を監視しております。
コントロールセンターのサービスは、コンピュータシステムと通信ネットワークにより提供されているため、当社は定期的にバックアップを取ることにより、システムトラブル発生の未然防止又は回避に努めておりますが、自然災害や不慮の事故、想定を上回る急激なアクセス増等の一時的な過負荷その他の要因によりコンピュータシステムにトラブルが生じ業務に支障が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)有利子負債について
当社グループの有利子負債残高(リース債務を含む)は、2021年3月期連結会計年度末現在で4,419百万円であり、有利子負債依存度は21.6%となっております。そのため金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により借換えが困難になった場合や、市場金利の急速な上昇等により支払利息が急激に増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。財務制限条項に抵触した場合、貸付人の請求があれば期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金が必要になり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
財務制限条項の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) 2 財務制限条項」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(貸借対照表関係) 2 財務制限条項」に記載のとおりであります。
(17)新型コロナウイルス感染症の影響について
当社グループは、屋内での直接業務を行うことも多いため、従業員に対しては新型コロナウイルス感染症予防に対して細心の注意を図り感染対策を講じています。今回の新型コロナウイルス感染症への対応としては、管理部門の在宅勤務環境を整備することでリモートワークを可能にするとともに、時差出勤やオンラインでの会議を実施していますが、当社グループの従業員が感染した場合等、業務の継続が長期間にわたり困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下において、足下の景気動向には持ち直しの動きが一部で見られるものの、依然として厳しい状況にあることから、企業の経費削減ニーズは今まで以上に高まると予想されております。
エレベーター等のメンテナンス業界においては、金融緩和政策による低金利等の下支えに伴う分譲マンション戸数の増加等の要因により、市場は緩やかな拡大傾向にあります。
このような市場環境の下、当社グループは、独立系メンテナンス会社への契約切り替えによる企業のコスト削減ニーズの急増に応えるため、これまで以上に人員の拡充・営業体制の強化を進めております。加えて、大型法人契約の推進、関西・東海エリアでの新規拠点の開設による営業エリアの拡大、同業他社のM&Aによるシェアアップ等を行ってまいりました。また、JES Innovation Center(通称JIC)の隣地に高層のテストタワー、R&Dセンターなど開発関連部署を集約したJES Innovation Center Lab(通称JIL)が竣工いたしました。JILの竣工により、当社における研究開発体制の一層の強化を図ってまいります。
保守・保全業務については、保守契約台数が堅調に推移し、当連結会計年度の保守・保全業務の売上高は17,476百万円(前年比16.3%増)となりました。リニューアル業務については、事業拡大に備えた営業体制の強化や部品供給停止物件の提案強化等により、当連結会計年度のリニューアル業務の売上高は6,330百万円(前年比13.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は24,521百万円(前年比14.9%増)、営業利益は3,612百万円(前年比32.9%増)、経常利益は3,715百万円(前年比37.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,362百万円(前年比38.9%増)となりました。
当社グループは、「メンテナンス事業」の単一セグメントでありますが、売上高を売上種類別(保守・保全業務、リニューアル業務及びその他)に示すと、以下の通りです。
(単位:百万円)
|
売上種類 |
2021年3月期 |
2020年3月期 |
|||
|
金額 |
構成比率 |
対前期増減率 |
金額 |
構成比率 |
|
|
保守・保全業務 |
17,476 |
71.3% |
16.3% |
15,030 |
70.4% |
|
リニューアル業務 |
6,330 |
25.8% |
13.0% |
5,599 |
26.2% |
|
その他 |
714 |
2.9% |
0.8% |
709 |
3.4% |
|
合計 |
24,521 |
100.0% |
14.9% |
21,339 |
100.0% |
① 経営成績の分析
(売上高)
保守・保全業務の営業強化及び営業エリアの拡大により、保守契約台数は約67,500台と堅調に推移し、保守・保全業務の売上高は17,476百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。また、リニューアル業務については、事業拡大に備えた営業体制の強化や部品供給停止物件の提案強化等により、リニューアル業務の売上高は6,330百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は24,521百万円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。
(売上総利益)
保守契約台数増加に伴い、材料仕入、外注費等が、また、技術系(保守、工事)の人員の増加により人件費が増加したことにより、当連結会計年度の売上原価は15,090百万円(前連結会計年度比11.6%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は9,431百万円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。
(営業利益)
業容の拡大に伴う人員増加等により人件費等が増加したことに加え、減価償却費が増加した結果、販売費及び一般管理費は5,818百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は3,612百万円(前連結会計年度比32.9%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、136百万円(前連結会計年度比362.4%増)、営業外費用は33百万円(前連結会計年度比23.6%減)となりました。
営業外収益の主な内容は保険解約返戻金110百万円で、営業外費用の主な内容は株式交付費14百万円、支払利息11百万円であります。
この結果、経常利益は3,715百万円(前連結会計年度比37.4%増)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別利益は15百万円(前連結会計年度比3234.2%増)、特別損失は5百万円(前連結会計年度比75.4%減)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は3,725百万円(前連結会計年度比38.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を合わせた税金費用は1,343百万円(前連結会計年度比35.7%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,362百万円(前連結会計年度比38.9%増)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ6,176百万円増加し、20,473百万円となりました。これは主に、有形固定資産が2,502百万円増加、のれんが1,396百万円増加、受取手形及び売掛金が824百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債については、前連結会計年度末と比べて848百万円増加し、9,968百万円となりました。これは主に、未払法人税等が337百万円増加、買掛金が275百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が208百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産については、前連結会計年度末と比べて5,328百万円増加し、10,505百万円となりました。これは主に、資本金が1,759百万円増加、資本剰余金が1,759百万円増加、利益剰余金が1,632百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて514百万円増加し、1,660百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は3,018百万円(前年同期は1,963百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,725百万円、減価償却費810百万円等の増加要因に対し、売上債権の増加額627百万円、法人税等の支払額1,006百万円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,955百万円(前年同期は2,454百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,519百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,117百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,460百万円(前年同期は593百万円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入3,496百万円等の増加要因に対し、短期借入金の純減額1,061百万円、長期借入金の返済による支出1,217百万円等の減少要因によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状況を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービス提供のため、エレベーター等のパーツ調達、人件費等の営業費用によるものの他、納税資金等であります。運転資金及び経常的な設備投資については、手持資金、間接金融及びリース取引等により資金調達を行っております。今後も事業活動を支える資金調達については、低コストかつ安定的・機動的な資金の確保を主眼にして多様な資金調達方法に取り組んでまいります。
⑤ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが属するエレベーター等のメンテナンス市場におきましては、顧客におけるコスト意識の高まりに加え、エレベーター等の運行の安全への要求が強まっていくものと想定しております。
当社グループは設立以来、「何よりも安全のために。」「見えないからこそ手を抜かない。」「信頼を礎に。」の企業理念のもと、メンテナンス品質の向上を図るとともに、メーカー主導の価格体系の見直しによる「適正価格の実現」を目標としてまいりましたが、今後も持続的な成長を実現していくためには、「エリアごとの事業会社による迅速なサービスの提供による顧客満足度の向上」、「M&Aを含めた国内外の事業展開エリアの拡大」「高品質のメンテナンス提供を可能とする人材の確保・育成」を特に重要と認識しております。
当社経営陣は、これらの課題に適切に対応するため、最善の経営方針を立案・実行するよう努めてまいります。
なお、上記以外の経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループは、メンテナンス事業の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の実績」につきましては、セグメント別の記載を省略しております。
① 生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
② 受注実績
当連結会計年度の受注実績を、売上種類別に示すと、次のとおりであります。
|
売上種類の名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
リニューアル業務 |
6,699,985 |
115.1 |
2,852,857 |
110.6 |
|
合計 |
6,699,985 |
115.1 |
2,852,857 |
110.6 |
(注)1.当社グループは受注によるサービス提供を行っておりますが、保守・保全業務及びその他については、受注から売上までの期間が短いため、記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上種類別に示すと次のとおりであります。
|
売上種類の名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
保守・保全業務 |
17,476,046 |
116.3 |
|
リニューアル業務 |
6,330,499 |
113.0 |
|
その他 |
714,512 |
100.8 |
|
合計 |
24,521,058 |
114.9 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。
該当事項はありません。
当社グループにおいて、研究開発活動は当社のみが行っております。
当社は、社会のエレベーター設置台数・依存度の増加に対応するため、各種最新要素技術をいち早く取り入れ、エレベーターメンテナンス品質の向上を図るための研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の研究開発は、PRIMEサーバー・コンソールの機能向上及び高機能化、設備コスト・人員コストの削減を目的とした遠隔監視端末の高機能化並びに、リニューアルコストの削減と工事期間の短縮を狙った「Quick Renewal」製品の開発をテーマとして取り組みました。
この結果、当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は
なお、当社グループはメンテナンス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当社グループでは、技術本部において研究開発を継続的に実施しておりますが、その基本方針は以下のとおりです。
(1)リモート遠隔点検サービス「PRIME」に係る研究開発
「PRIME」は、当社が独自に開発したリモート遠隔点検システム及びそれを利用し提供するサービスの総称であります。
エレベーター遠隔監視システムは、エレベーターに接続し動作状況を監視する遠隔監視端末と、そこから報告・警告を受ける監視サーバー、及びその報告・警告を監視員が確認するための監視コンソールで構成されています。
(1-a)遠隔監視端末
遠隔監視端末は、様々なメーカー製のエレベーターを遠隔監視システムに対応させるため、動作状況の監視技術の研究開発を行っております。主に有線通信技術の検討になりますが、ハードウェア・ソフトウェアプロトコル、技術範囲を限定せず広範囲に検討・調査を進めており、当連結会計年度においても数機種について遠隔監視が可能となりました。
動作状況の収集手段としては、エレベーター制御盤からの取得のほか、加速度センサー、温度センサーなどの各種センサーを利用した取得など、動作状況監視方法多様化のための研究を継続しております。
遠隔監視端末から各種情報を伝達させるための通信インフラは、昨今の無線通信網の主流であるLTE(4G)通信を採用し、社外からの妨害や、コンピューターウィルスの侵入について耐性の高い、弊社専用の閉域網を敷設することでネットワーク通信のセキュリティを担保しております。また、PHSを利用した遠隔監視端末については、PHS停波後にも継続利用するための開発が完了し、交換を開始しております。また、M2M/IoT通信端末として、さらに広範囲かつ安定した無線通信の検討を進めております。
(注)M2M/IoT通信:携帯電話通信を機器・装置間通信に適用することにより、広範囲での情報収集やサービス向上を実現する技術
(1-b)監視サーバー
監視サーバーは、遠隔監視端末からの情報を一時的に保存し、接続されている監視コンソールへ通知するための装置です。監視対象となるエレベーターの動作状況を受信するにあたり、相当数のノードからの情報通信が集中するため、地震・台風のような災害時などの発報集中時や今後実装される遠隔端末の各種センサーの情報収集にも十分に耐え、かつ当社各所での監視作業のための多地点監視コンソール接続を可能にする必要があります。
これらの設備における事業継続対策として、災害対策が施されたデータセンターについて関東及び関西で稼働を開始し、通信回線については複数の通信事業者の閉域網の敷設が完了しており、さらに各通信事業者内での冗長化を予定しております。また、自社運用中の各種サーバーシステムとパブリッククラウド(クラウドサービス)を並行利用する検証を開始いたしました。これにより、エレベーター管理台数の増加に伴うサーバーリソース調整の容易性、災害及び障害時の安全性・事業継続性の向上が期待できます。
エレベーター内からの救出要請に利用されるエレベーターインターホンについては、通信メディア、インフラの発達により追加された音声回線を利用し弊社内設備を省略することにより、低コストな通話機能を実現するための施策に取り組んでおります。
(1-c)監視コンソール
監視コンソールは、遠隔監視端末にて検出したエレベーターの異変をモニター上に表示し、エレベーターの動作状況の確認、エレベーターの遠隔操作を可能にするためのパソコンプログラムです。災害時のような大量のエレベーター異常検出状況下においても安定稼働させる仕組みを研究・開発し、コントロールセンターへ展開、稼働しております。また、高機能化、監視作業の高効率化のための施策、開発を継続しており、遠隔監視端末より送られる各種センサーデータ(気温、通信電界強度など)の可視化や、タブレット端末でも一部の監視・エレベーターメンテナンス作業ができるようにプログラム開発を実施いたしました。
(2)自社製エレベーター制御盤に係る研究開発
現在、国内外の協力会社より制御盤を含めた各種部品を購入し、設置するエレベーターごとにカスタマイズした上でリニューアル業務を行っておりますが、今後は、当社で開発した制御盤の採用と併せ、新製品のQuick Renewal製品を組み合わせることにより、顧客のさまざまなニーズ(フルリノベーション、低コストリニューアル、超短工期リニューアル)に対応した提案を推し進めていくとともに、当社のエレベーター遠隔監視システムと密接に連携することによるメンテナンスコストの削減を図ります。また、海外のメーカーとの技術提携により、より低価格で高性能なエレベーター制御盤の開発を推し進めることで、リニューアル事業のさらなる低コスト化及び海外市場を見据えた製品開発を図ってまいります。
さらに、従来のロープ式エレベーターQuick Renewalを実際に運用する事で得られたノウハウを活用し、新たな工事の効率化を目指した改良型制御盤の開発が完了しました。今までロープ式エレベーターに限定されていたQuick Renewalを、油圧制御式エレベーターにまで拡大する事を目的とした、油圧制御エレベーター制御盤の開発が完了し、油圧式エレベーターQuick Renewalが実施可能となりました。
なお、Quick Renewal製品の開発により対応可能なメーカー、機種を拡充し、幅広い顧客ニーズに対応できるよう取り組んでまいります。