第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 (1)業績

 当事業年度における我が国経済は、政府・日銀の各種政策を背景に、企業収益や雇用・所得環境は改善が続き、個人消費も総じて持ち直しの動きが継続する等、景気は緩やかな回復基調で推移しました。

 当社を取り巻く情報サービス業界においては、経済産業省主導のサービス等生産性向上IT導入支援事業により、中小企業において生産性向上を目的としたITツール導入の動きが活発となりました。内閣府発表の「経済財政運営と改革の基本方針2017」では生産性の向上を日本経済の課題としており、また、ITを成長戦略のひとつと位置付けていることから、国が主導するIT化の促進は継続的に続くと考えられます。

 当社の事業に関連する消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場においては「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、平成28年度のBtoC-EC市場規模は前年比9.9%増の15.1兆円と堅調に推移しており、ECの普及率を示す指標であるEC化率(※1)が5.43%であることから更なる成長の余地があると見込めます。

 このような経営環境のもと、当社ではビジネスと暮らしが“てもなく”(※2)なるようサブスクリプションビジネス(※3)に特化したEC支援企業としてBtoC-EC市場におけるストック型のビジネスモデルの普及や、サブスクリプションビジネスのEC支援分野における更なる地位確立を目指し、サービスの企画、営業に注力してまいりました。

 具体的には、サブスクリプションビジネスに適したショッピングカート付通販システム「たまごリピート」の販売面では、新販売代理店制度を開始し、パートナー企業との協力体制を強化することで販売網の拡大を行うとともに「ヒキアゲール(※4)」の営業活動を「たまごリピート」のクライアントへのクロスセル等限定的な活動に留め、「たまごリピート」の営業領域拡大に対応するための体制構築を進めてまいりました。

 また、食品を扱うEC事業者を対象に「たまごサブスクリプション(※5)」というブランドを用いてサブスクリプションビジネスの啓蒙活動を行い、健康食品、化粧品といった日用品から食品領域へとターゲット市場の拡大に努めました。

 サービス面ではサポート体制の強化を推進し、これまでの電話サポートや勉強会に加えて既存顧客の成長を支援することを目的としたコンサルティング活動を開始しております。

 システム面でも操作性の向上と、大規模かつ様々な運用を行うEC事業者の需要に応えるべく、新サービスの開発に注力してまいりました。

 以上の結果、当事業年度の業績は、売上高1,093,395千円(前年同期比39.0%増)、営業利益264,589千円(前年同期比105.9%増)、経常利益259,568千円(前年同期比104.6%増)、当期純利益165,563千円(前年同期比90.1%増)となりました。

 なお、当社はEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

※1 EC化率:BtoCの市場規模を分母、BtoC-EC市場規模を分子として算出した割合。

※2 てもなく:古くからの日本語である「てもなく(手も無く)」は、「簡単に、たやすく」という意味。当社の社名の由来であり、「ビジネスと暮らしを"てもなく"する」は、当社の経営理念でもあります。

※3 サブスクリプションビジネス:継続的な課金(購入)が発生する販売方法。

※4 ヒキアゲール:CPO(1件の注文を成約するためのコスト)低減やコンバージョン率(サイト訪問者数に対する成約者数の割合)の引き上げを目的としたweb接客ツール。

※5 たまごサブスクリプション:化粧品や健康食品といった日用品の領域から、食品やアパレル等あらゆる商材への進出を目的に「たまごリピート」システムを活用してサブスクリプションビジネスを行う別ブランド化したサービス。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ844,032千円増加し、1,458,970千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローについては、181,958千円の収入(前年同期は162,751千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益259,568千円、売上債権の増加20,644千円、法人税等の支払額78,557千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローについては、21,466千円の収入(前年同期は18,098千円の支出)となりました。これは主に保険積立金の解約による収入26,029千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローについては、640,607千円の収入(前年同期は152,637千円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入659,712千円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注状況

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(3)販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

たまごリピート

1,017,014

137.5

ヒキアゲール

76,380

163.6

合計

1,093,395

139.0

 (注)1.当社の事業セグメントは、EC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

当事業年度

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ゼウス

84,299

10.7

143,965

13.2

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「事業者のビジネスと生活者の暮らしを“てもなく”する」ことを理念に、事業者から支持され、生活者から愛される“B with B with C 企業”となることを使命に掲げております。その実現のため、「リピート」×「IT」をコアコンピタンスとしたストック型のビジネスモデルの普及を目指し、ECの販売サイクルである集客、接客、販売、消費・利用の全ての領域においてリピートに特化したサービスを提供するトータルソリューションプロバイダとなるべく事業を展開しております。

 

(2)経営環境及び経営戦略等

 総務省発表の「平成29年版情報通信白書」によりますと、インターネットの普及状況は前年比0.5ポイント増加の83.5%となっており、緩やかながらも継続的な上昇をつづけています。インターネット通販の普及も進み、当社の事業領域とする日本国内のBtoC-EC市場の規模は前年比9.9%増の15.1兆円と、引き続き大幅な成長を続けつつも、EC化率は5.43%と大幅な拡大の余地を残していることから、更なる成長が期待できます。

 一方で人口は平成20年をピークに減少傾向にあり、EC事業者は、競合が増加しているものの購入者の母数が伸び悩む状況だと考えられます。従いまして、顧客単価の向上がより重要な指標となり、当社の得意とするリピーター増加サービスの需要が高まると見込んでいます。

 当社はこのような事業環境を追い風と捉え、さらなる事業領域の拡大を目指してまいります。

 拡大のための戦略としては、①継続的なサービス改善、②新たなサービス(システム)の開発を推進することが重要であると認識しております。

 ①継続的なサービス改善においては、現在提供しているサービスの機能拡充を実施するとともにサポート人材やコンサルティングの人材を拡充することで既存顧客の満足度向上に注力いたします。

 ②新たなサービス(システム)の開発においては、既存サービスでは提供できていない機能の拡充や大規模かつ様々な運用を行うEC事業者の需要に答える機能の開発を加速してまいります。このため、開発部門における優秀な人材の確保及び人材育成に注力してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等

 当社は、継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高、営業利益及び経常利益を重視しており、投資対効果を適切に図る観点から以下の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

・1人当たり売上高 20,000千円

・売上高営業利益率   20%

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社は、環境の変化に敏感に対応しながら以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

① 既存事業の収益拡大

 当社は、「たまごリピート」及び「ヒキアゲール」の2つのサービスを提供し、お客様のニーズに応えるべく、これまでその育成に努めてまいりました。今後もこの2つのサービスの安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要不可欠なものであると考えております。そのためにも、継続的なユーザビリティの改善、安定的なサービス提供が必須であります。今後も、既存サービスにおいて継続的な機能の拡充、保守体制の強化を行うことにより、更に信頼性を高め、既存サービスの収益基盤の拡大を行ってまいります。

 

② サービス間のシナジーの拡大

 当社が提供する「たまごリピート」及び「ヒキアゲール」の2つのサービスのシナジーを強化し、より一体化させたトータルソリューションの提供を行う必要があると考えております。そのためには、当社のサービスに蓄積するビッグデータを活用する必要があります。

 今後この分野においては、市場ニーズの拡大が見込まれるため、更なるサービス開発や新技術の獲得・活用を図ってまいります。

 

③ 新規事業及び新サービス開発による収益基盤の拡大

 当社は、急激な事業環境の変化に対応し、更なる収益の拡大を図るために、事業規模の拡大と新たな収益源の確保が必須であると考えております。このために、お客様の潜在需要をいち早く読み取り、新サービス開発に積極的に取り組むことで、更なる収益基盤の拡大を図ってまいります。

 

 

④ 他企業との連携

 当社は、更なる成長のため、既存事業の強化や利用者数拡大、新たな事業への展開や新市場への進出等を目指すに当たり、そのスピードアップを図るため、今後、状況によっては他企業との提携やM&A等が必要になるものと考えております。そのため、今後の事業展開においても、他企業との提携の必要性を常に考慮に入れたうえで進めてまいります。

 

⑤ 技術革新への対応

 当社は、情報技術の革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上重要な要素であると認識しております。当社といたしましては、業界内の主要ベンダーや技術コミュニティから発せられる最新情報を定期的に入手し、自社製品に迅速に反映することでサービスの先進性や安定性を確保していく方針であります。

 

⑥ 人材の確保及び教育研修の強化による社員の能力の維持・向上

 当社は、少人数で効率的な組織運営を行ってまいりましたが、今後の成長のためには、人員拡充と更なる社員の能力の維持・向上が必要であると考えております。

 事業の拡大や多角化により、高い専門性を有する人材の獲得及び育成の必要性が高まっており、必要な人材を十分に確保することが重要な経営課題となっております。そのため、積極的な人材採用活動はもちろんのこと、実力・能力主義の報酬体系の実施、教育研修制度の充実、業務の効率化、外部ノウハウの活用などの取り組みを強化してまいります。

 

⑦ 情報管理体制の強化

 当社は、SaaS方式でのサービスを展開しており、ビッグデータを保持していることから、情報管理体制の強化は重要課題と認識しております。そのため、個人情報等の機密情報を取り扱う際の業務フロー、社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を行ってまいります。

 また、平成26年7月より、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発行するプライバシーマークを取得し
ております。

 

⑧ 内部管理体制の強化

 当社は、更なる事業拡大、継続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化及び確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化と効率化の徹底を図ることが重要であると考えております。当社といたしましては、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、あるいは、当社の事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、以下の記載はすべてのリスク要因を網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① ビジネスモデルに関するリスク

当社のビジネスモデルは、インターネット環境が進化することにより、EC市場等のインターネット関連市場が今後も拡大していくことを事業展開の前提と考えて、構築しております。仮に、新たな法的規制の導入、技術革新の停滞、通信コストの改定等の予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② EC市場について

 EC市場は、インターネットの普及に伴い市場規模の拡大を続けております。当社では今後もEC市場が拡大することを想定しております。しかしながらEC市場を取り巻く法規制強化や、トラブルの発生等により、当社の期待通りにEC市場が発展しない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

競合サービスについて

当社は、EC市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① サービス機能の充実について

当社は、顧客のニーズに対応するため、「たまごリピート」及び「ヒキアゲール」におけるサービス機能の拡充を進めております。しかしながら、今後において、コンテンツの導入や利用顧客のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

「たまごリピート」ロイヤリティ収入について

 当社の主要なサービスの一つである「たまごリピート」では、決済代行事業者など、様々なパートナーからのロイヤリティ収入により収益を上げております。したがって、当該パートナーの経営状態に問題が生じた場合、当社へのロイヤリティ収入の減少へとつながり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

「たまごリピート」利用企業の属する市場に関するリスク

 当社が提供する「たまごリピート」の利用企業の多くは、健康食品・サプリメント、化粧品といった消耗品を扱っております。そのため、健康食品・サプリメント、化粧品といった市場を取り巻く法規制等の強化や改正等により、これら消耗品等の定期通販市場が発展しない場合や当該市場が予期せぬ事象により縮小した場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 外注先に関するリスク

 当社が提供する「たまごリピート」は、サーバー及びサーバーを設置するラックの供給を外注先に依存しております。当該外注先は、入退室時の情報管理等の管理体制が整備された防災装置・安全対策等を行っているデータセンターを運営する信頼性の高い業者に限定しております。

 しかしながら、予期せぬ自然災害や不法行為などが生じ、当該外注先の役務提供の遅れや提供不能などの事態が生じた場合には、当社もサービス提供の遅れや提供不能などの事態が生じるおそれがあり、その場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プログラム不良によるリスク

 開発したプログラムの不具合を原因として、システム動作不良等が発生し、当社の提供するサービスが中断または停止する可能性があります。当社では、システムの開発にあたり、綿密な開発計画の策定からテストの実施まで十分な管理を行っており、可能な限りこのような事態の発生を未然に防ぐための開発体制の構築に努めております。しかしながら、このような事態が発生した場合には、当社の提供サービスに対する信頼が失われ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システムに関するリスク

 当社が提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段による当社システムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 保有しているビッグデータについて

 当社が提供する「たまごリピート」及び「ヒキアゲール」は、分析基盤となるビッグデータを保有しております。今後の事業展開において、保有しているビッグデータを用いることで、ユーザーターゲティングを行う等のビッグデータを用いたサービス展開を強化していく予定でありますが、予期せぬシステム障害のため、保有しているビッグデータを消失した場合、当初の計画していた事業計画を変更しなければならず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

知的財産権に関するリスク

 当社は、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 個人情報・機密情報について

 当社はその事業運営に際し、関係者の個人情報及び機密情報を少なからず保有しており、当社の個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用されます。そのため、当社では個人情報を取り扱う際の業務フローや社内体制を明確化し、個人情報管理に関する規程を制定しております。併せて役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図り、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発行するプライバシーマークを取得しております。

 しかしながら、個人情報が当社の関係者や業務提携先の故意又は過失により、外部へ流出もしくは悪用される事態が発生した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

新規事業について

 当社は今後も、積極的に新サービスもしくは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、展開した新領域での新規事業の拡大・成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

① 人材について

 当社は、小規模組織であり、現状、内部管理体制もこの規模に応じたものになっておりますが、今後、事業拡大に伴い、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員の育成に取り組み、人員の増強を進め、内部管理体制の一層の拡充を図る方針であります。しかしながら、優秀な人材をタイムリーに獲得することは容易ではないため、必要な人材を採用できない、あるいは採用が遅れた場合には、適切かつ充分な組織対応ができず、効率的な事業運営に支障をきたす可能性があります。また、各部署において相当数の従業員が、短期間のうちに退職した場合にも、当社の事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の経営者への依存について

 当社の代表取締役社長である佐川隼人は最高経営責任者であり、当社の経営方針や戦略の決定等、事業活動上重要な役割を担っております。佐川隼人に対し事業運営及び業務遂行において過度に依存しないように、経営体制の整備、権限移譲及び次代を担う人材の育成強化を進めておりますが、不測の事態により、佐川隼人が職務を遂行できなくなった場合、当社の事業推進及び業績が影響を受ける可能性があります。

 

③ 内部管理体制の強化について

 当社では、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底して参りますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法規制に関するリスク

不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)

 「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では他人のID、パスワードの無断使用の禁止が定められており、アクセス管理者はアクセス制御機能が有効に動作するために必要な措置を講ずるよう努めることとされております。当社もこの法の趣旨に則り、必要な措置を講ずるように努めておりますが、今後、アクセス管理者が必要な措置を講ずることについて、より重い法的義務を課すように法令の改正がなされた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 特定商取引に関する法律(特定商取引法)

 「特定商取引に関する法律」は特定商取引(訪問販売、通信販売及び電気勧誘販売に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)において、購入者等の利益保護に関する規制を定めております。当社の顧客であるEC事業者の事業活動は特定商取引法による規制やルールの対象となるため、今後、更なる法的義務が課された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

その他

 現在もインターネット及び電子商取引を取り巻く法的規制は、議論がなされている状態であり、今後、インターネット利用や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定された場合や、既存の法令等の適用解釈が明確になった場合に備え、迅速に行動できるように常に情報収集に努めております。

 しかしながら、新たに制定された法律等に対応するためのコスト負担が重く、対応困難となるような場合には、当社の事業が制約を受ける可能性があり、この場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) その他のリスク

① 株式価値の希薄化について

 当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しております。当社は今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

 当社は、更なる財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置付けております。そのため、現時点においては内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資を積極的に行っていくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。しかしながら、当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、今後の配当政策が株価へ、株価が資金調達へ影響することで、最終的には当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、スタークス株式会社との間で平成29年2月27日に「たまごリピート」システムの美容・化粧品、健康食品を商材として取り扱うクライアントへの販売に関する総販売代理店契約を締結し、同社と当社における販売領域を定めておりましたが、平成29年6月30日において同社との間で契約内容の変更に係る覚書を締結しております。

 また、平成29年9月29日において同社との間で「たまごリピート」に関する顧客サポート業務に関し、業務委託契約を締結したことに伴い、平成29年6月30日以前に代理販売された「たまごリピート」に関する販売代理店契約の効力は停止しております。

(変更前)

相手先名称

契約の名称

契約締結日

契約内容

契約期間

スタークス㈱

総販売代理店契約

(注)1.

平成29年

2月27日

「たまごリピート」システムの美容・化粧品、健康食品を商材として取り扱うクライアントへの販売に関する総販売代理店契約

(注)1.

 平成29年2月27日から

 平成30年2月26日まで

(以後1年毎の自動更新)

 

(変更後)

相手先名称

契約の名称

契約締結日

契約内容

契約期間

スタークス㈱

販売代理店契約

(注)2.

平成29年

2月27日

平成29年7月1日以降、「たまごリピート」システムの総販売代理店から別途定める「販売パートナー申込書」及び「販売パートナー取引規約」に基づくものとした販売代理店契約

(注)3.

 平成29年2月27日から

 平成30年2月26日まで

(以後1年毎の自動更新)

(注)1.スタークス株式会社と当社における販売領域を定めるとともに、互いの主担当領域における販売に協力することを定めた契約であります。

2.平成29年6月30日に締結した覚書により、契約の名称を「総販売代理店契約」から「販売代理店契約」に変更しております。

3.平成29年7月1日以降について、スタークス株式会社と当社それぞれの販売領域を限定せず、スタークス社についても他の販売パートナーと同様に「販売パートナー申込書」及び「販売パートナー取引規約」に基づく販売代理店契約としたものであります。

 

6【研究開発活動】

 当社は、「ビジネスと暮らしを"てもなく"する」という経営理念のもと、経営理念実現のために研究開発活動を行っております。

 当社は、EC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりませんが、研究開発活動は、テクニカルグループが主体となり活動を行っております。

 当社の主たる研究開発活動には、既存アプリケーションソフトウエアのバージョンアップと新たな技術・サービスを提供するための研究開発活動があります。

 既存アプリケーションソフトウエアのリニューアルを行うため、「たまごリピート」に関する研究開発活動を行っており、新たな技術・サービスを提供するための研究開発活動として、「IoT」に関する研究開発を行っております。

 なお、当事業年度における研究開発費の総額は、85,266千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行う必要があります。経営者は、これらの見積りについての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて870,973千円増加し、1,679,474千円となりました。この主な要因は、現金及び預金の増加839,632千円によるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べて40,788千円増加し、599,522千円となりました。この主な要因は、所得金額の増加等による未払法人税等の増加46,087千円によるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて830,185千円増加し、1,079,952千円となりました。この主な要因は、新規上場時の新株発行等による資本金及び資本剰余金の増加664,621千円、利益剰余金の増加165,563千円によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて306,936千円増加し1,093,395千円(前期比39.0%増)となりました

 売上高の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。

 

(売上原価、売上総利益)

 売上原価は、前事業年度に比べて12,116千円増加し291,151千円(前期比4.3%増)となりました。売上原価の主たる増加要因は、売上の増加に伴い総販売代理店への紹介料が23,036千円増加したためであります。

 以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べて294,820千円増加し802,243千円(前期比58.1%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

 販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて158,747千円増加し537,653千円(前期比41.9%増)となりました。主たる要因としては、役員の増加に伴う役員報酬の増加や従業員の増加に伴う給与の増加等の一般管理費の増加及び研究開発費の増加によるものであります。

 以上の結果、営業利益は前事業年度に比べて136,072千円増加し264,589千円(前期比105.9%増)となりました。

 

 経常利益は、営業外収益を11,692千円(前期比3,945.0%増)、営業外費用を16,713千円(前期比774.2%増)計上した結果、前事業年度に比べて132,673千円増加し259,568千円(前期比104.6%増)となりました。

 

(当期純利益)

 法人税、住民税及び事業税を115,409千円、法人税等調整額を△21,404千円計上しております。

 この結果、当期純利益は前事業年度に比べて78,475千円増加し165,563千円(前期比90.1%増)となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、今後収益を拡大するためには、既存の事業のさらなる拡大、知名度向上のための広報活動の展開、新規事業及び新サービスの開発が必要であると認識しております。

 そのためには、優秀な人材の確保や組織体制の整備を引き続き行い、これらの課題に対して最善の事業戦略を立案するよう、努めていく所存であります。