第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「事業者のビジネスと生活者の暮らしを“てもなく”する」ことを理念に、事業者から支持され、生活者から愛される“B with B with C 企業”となることを使命に掲げております。その実現のため、「リピート」×「IT」をコアコンピタンスとしたストック型のビジネスモデルの普及を目指し、ECの販売サイクルである集客、接客、販売、消費・利用の全ての領域においてサブスクリプションビジネスに特化したサービスを提供するトータルソリューションプロバイダとなるべく事業を展開しております。

 

(2) 経営環境及び経営戦略等

経済産業省発表の「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」にあるとおり、当社の事業領域とする日本国内のBtoC-EC市場の規模は前年比8.96%増の18.0兆円、BtoB-EC市場規模が前年比8.1%の344.2兆円と堅調に成長を続けつつも、EC化率はBtoC-ECで6.22%、BtoB-ECで30.2%と大幅な伸展の余地を残しており、商取引の電子化が引き続き伸展していくと見込めます。

また、近年では、人口減少などを背景に顧客の獲得コストなどが上がり続けており、クラウド型のビジネスを始めとしたサブスクリプションビジネスの需要が高まっております。

当社はこのような事業環境を追い風と捉え、さらなる事業領域の拡大を目指すとともに、その実行を担う優秀な人材の確保及び育成を推進いたします。

このための戦略としては、①ターゲット市場の拡大、②顧客の事業拡大のための支援を推進することが重要であると認識しております。

①ターゲット市場の拡大においては、健康食品や化粧品などの商材を扱う従来のEC事業者からサブスクリプションビジネスを行う様々な事業者までターゲットを拡大し、アカウント数の増加に注力いたします。

②顧客の事業拡大のための支援においては、既存顧客の成長のためのサポート体制を強化するとともに、大規模かつ様々な運用を行うEC事業者の需要に答えるための体制強化を推進してまいります。

なお、2020年9月期においては、2019年10月より政府が推進するキャッシュレス化対策の一環として対面取引のみならず、非対面取引である電子商取引においても中小加盟店向けクレジットカード手数料を3.25%にする対応が求められております。

当社は、提供するサービスの多くで決済に応じた手数料収益を得ていることから、この対応に伴い、当該収益が大きく減少する見込みであります。なお、この対応は2020年6月までの時限対応であることから、2020年7月より収益の改善を見込んでおります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等

当社は、継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高、営業利益及び経常利益を重視しており、投資対効果を適切に図る観点から以下の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

・1人当たり売上高 20,000千円

・売上高営業利益率   20%

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、環境の変化に敏感に対応しながら以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

① 既存事業の収益拡大

当社は、SaaS方式でサービスを提供しており、お客様のニーズに応えるべく、これまでその育成に努めてまいりました。

今後も提供するサービスの安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要不可欠なものであると考えております。そのためにも、継続的なユーザビリティの改善、安定的なサービス提供が必須であります。今後も、既存サービスにおいて継続的な機能の拡充、保守体制の強化を行うことにより、更に信頼性を高め、既存サービスの収益基盤の拡大を行ってまいります。

 

② サービス間のシナジーの拡大

当社が提供するサービス間のシナジーを強化し、より一体化させたトータルソリューションの提供を行う必要があると考えております。そのためには、当社のサービスに蓄積するビッグデータを活用する必要があります。

今後この分野においては、市場ニーズの拡大が見込まれるため、更なるサービス開発や新技術の獲得・活用を図ってまいります。

 

③ 新規事業及び新サービス開発による収益基盤の拡大

当社は、急激な事業環境の変化に対応し、更なる収益の拡大を図るために、事業規模の拡大と新たな収益源の確保が必須であると考えております。このために、お客様の潜在需要をいち早く読み取り、新サービス開発に積極的に取り組むことで、更なる収益基盤の拡大を図ってまいります。

 

④ 他企業との連携

当社は、更なる成長のため、既存事業の強化や利用者数拡大、新たな事業への展開や新市場への進出等を目指すに当たり、そのスピードアップを図るため、今後、状況によっては他企業との提携やM&A等が必要になるものと考えております。そのため、今後の事業展開においても、他企業との提携の必要性を常に考慮に入れたうえで進めてまいります。 

 

⑤ 技術革新への対応

当社は、情報技術の革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上重要な要素であると認識しております。当社といたしましては、業界内の主要ベンダーや技術コミュニティから発せられる最新情報を定期的に入手し、自社製品に迅速に反映することでサービスの先進性や安定性を確保していく方針であります。

 

⑥ 人材の確保及び教育研修の強化による社員の能力の維持・向上

当社は、少人数で効率的な組織運営を行ってまいりましたが、今後の成長のためには、人員拡充と更なる社員の能力の維持・向上が必要であると考えております。

事業の拡大や多角化により、高い専門性を有する人材の獲得及び育成の必要性が高まっており、必要な人材を十分に確保することが重要な経営課題となっております。そのため、積極的な人材採用活動はもちろんのこと、実力・能力主義の報酬体系の実施、教育研修制度の充実、業務の効率化、外部ノウハウの活用などの取り組みを強化してまいります。

 

⑦ 情報管理体制の強化

当社は、SaaS方式でのサービスを展開しており、ビッグデータを保持していることから、情報管理体制の強化は重要課題と認識しております。そのため、個人情報等の機密情報を取り扱う際の業務フロー、社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を行ってまいります。

また、2014年7月より、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発行するプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。

 

⑧ 内部管理体制の強化

当社は、更なる事業拡大、継続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化及び確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化と効率化の徹底を図ることが重要であると考えております。当社といたしましては、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、あるいは、当社の事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、以下の記載はすべてのリスク要因を網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① ビジネスモデルに関するリスク

当社のビジネスモデルは、インターネット環境が進化することにより、EC市場等のインターネット関連市場が今後も拡大していくことを事業展開の前提と考えて、構築しております。仮に、新たな法的規制の導入、技術革新の停滞、通信コストの改定等の予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② EC市場について

EC市場は、インターネットの普及に伴い市場規模の拡大を続けております。当社では今後もEC市場が拡大することを想定しております。しかしながらEC市場を取り巻く法規制強化や、トラブルの発生等により、当社の期待通りにEC市場が発展しない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合サービスについて

当社は、EC市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① サービス機能の充実について

当社は、顧客のニーズに対応するため、「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」のサービス機能拡充を進めております。しかしながら、今後、利用顧客のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」のロイヤリティ収入について

当社が提供する「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」では、決済代行事業者など、様々なパートナーからのロイヤリティ収入により収益を上げております。したがって、当該パートナーの経営状態に問題が生じた場合、当社へのロイヤリティ収入の減少へとつながり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、2019年10月より政府が推進するキャッシュレス化対策の一環である中小加盟店向けクレジットカード手数料を3.25%にする対応などのように、当社のロイヤリティ収入に関連する市場環境が変化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

 

③ 「たまごリピート」及び「サブスクストア」利用企業の属する市場に関するリスク

当社が提供する「たまごリピート」及び「サブスクストア」の利用企業の多くは、健康食品・サプリメント、化粧品といった消耗品を扱っております。そのため、健康食品・サプリメント、化粧品といった市場を取り巻く法規制等の強化や改正等により、これら消耗品等の定期通販市場が発展しない場合や当該市場が予期せぬ事象により縮小した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 外注先に関するリスク

当社が提供する「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」は、サーバー及びサーバーを設置するラックの供給を外注先に依存しております。当該外注先は、入退室時の情報管理等の管理体制が整備された防災装置・安全対策等を行っているデータセンターを運営する信頼性の高い業者に限定しております。

しかしながら、予期せぬ自然災害や不法行為などが生じ、当該外注先の役務提供の遅れや提供不能などの事態が生じた場合には、当社もサービス提供の遅れや提供不能などの事態が生じるおそれがあり、その場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プログラム不良によるリスク

開発したプログラムの不具合を原因として、システム動作不良等が発生し、当社の提供するサービスが中断または停止する可能性があります。当社では、システムの開発にあたり、綿密な開発計画の策定からテストの実施まで十分な管理を行っており、可能な限りこのような事態の発生を未然に防ぐための開発体制の構築に努めております。しかしながら、このような事態が発生した場合には、当社の提供サービスに対する信頼が失われ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システムに関するリスク

当社が提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段による当社システムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 保有しているビッグデータについて

当社が提供するサービスは、分析基盤となるビッグデータを保有しております。今後の事業展開において、保有しているビッグデータを用いることで、ユーザーターゲティングを行う等のビッグデータを用いたサービス展開を強化していく予定でありますが、予期せぬシステム障害のため、保有しているビッグデータを消失した場合、当初の計画していた事業計画を変更しなければならず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 知的財産権に関するリスク

当社は、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ 個人情報・機密情報について

当社はその事業運営に際し、関係者の個人情報及び機密情報を少なからず保有しており、当社の個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用されます。そのため、当社では個人情報を取り扱う際の業務フローや社内体制を明確化し、個人情報管理に関する規程を制定しております。併せて役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図り、2014年7月にプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。

しかしながら、個人情報が当社の関係者や業務提携先の故意又は過失により、外部へ流出もしくは悪用される事態が発生した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 新規事業について

当社は今後も、積極的に新サービスもしくは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、展開した新領域での新規事業の拡大・成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

① 人材について

当社は、小規模組織であり、現状、内部管理体制もこの規模に応じたものになっておりますが、今後、事業拡大に伴い、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員の育成に取り組み、人員の増強を進め、内部管理体制の一層の拡充を図る方針であります。しかしながら、優秀な人材をタイムリーに獲得することは容易ではないため、必要な人材を採用できない、あるいは採用が遅れた場合には、適切かつ充分な組織対応ができず、効率的な事業運営に支障をきたす可能性があります。また、各部署において相当数の従業員が、短期間のうちに退職した場合にも、当社の事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の経営者への依存について

当社の代表取締役社長である佐川隼人は最高経営責任者であり、当社の経営方針や戦略の決定等、事業活動上重要な役割を担っております。佐川隼人に対し事業運営及び業務遂行において過度に依存しないように、経営体制の整備、権限移譲及び次代を担う人材の育成強化を進めておりますが、不測の事態により、佐川隼人が職務を遂行できなくなった場合、当社の事業推進及び業績が影響を受ける可能性があります。

 

③ 内部管理体制の強化について

当社では、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底して参りますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法規制に関するリスク

① 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)

「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では他人のID、パスワードの無断使用の禁止が定められており、アクセス管理者はアクセス制御機能が有効に動作するために必要な措置を講ずるよう努めることとされております。当社もこの法の趣旨に則り、必要な措置を講ずるように努めておりますが、今後、アクセス管理者が必要な措置を講ずることについて、より重い法的義務を課すように法令の改正がなされた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

② EC事業者に対する法的規制等について

当社の顧客であるEC事業者の事業活動は「特定商取引に関する法律(特商法)」「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」等の法令による規制やルールの対象となるため、今後、更なる法的義務が課された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ その他

現在もインターネット及び電子商取引を取り巻く法的規制は、議論がなされている状態であり、今後、インターネット利用や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定された場合や、既存の法令等の適用解釈が明確になった場合に備え、迅速に行動できるように常に情報収集に努めております。

しかしながら、新たに制定された法律等に対応するためのコスト負担が重く、対応困難となるような場合には、当社の事業が制約を受ける可能性があり、この場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) その他のリスク

① 株式価値の希薄化について

当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しております。当社は今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

当社は、更なる財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置付けております。そのため、現時点においては内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資を積極的に行っていくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。しかしながら、当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、今後の配当政策が株価へ、株価が資金調達へ影響することで、最終的には当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府・日銀の各種政策を背景に、雇用・所得環境の改善が続き、外需が弱含む中で内需が下支えする状況が続いておりますが、米中の貿易摩擦の深刻化や海外経済の減速などから景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社の事業に関連する国内電子商取引市場は、「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、平成30年のBtoC-EC市場規模が前年比8.96%増の18.0兆円、BtoB-EC市場規模が前年比8.1%増の344.2兆円と堅調に推移しております。また、ECの普及率を示す指標であるEC化率(※1)は、BtoC-ECで6.22%、BtoB-ECで30.2%と増加傾向にあることから、商取引の電子化が引き続き進展していくと見込めます。

このような経営環境のもと、当社では「ビジネスと暮らしを“てもなく”(※2)する」という理念に基づき、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネスに特化したBtoC事業者向けショッピングカートシステム「サブスクストア」及びBtoB事業者向けワンストップ受発注管理ツール「サブスクストアB2B」の機能向上に注力してまいりました。

当社の主力サービスである「たまごリピート」は、後継システムである「サブスクストア」の販売を強化したことから新規申込件数が減少するとともに解約が進み、サービス利用アカウント数は850件(前期比6.1%減)となりました。なお、同サービスはシステム連携を強化しており、それら新たなオプション収益が増加したことから、決済手数料収入を除いた売上高は、928,951千円(前期比24.1%増)となりました。

「サブスクストア」については、新たな機能の開発を積極的に進めるとともに、大規模かつ様々な運用を行うEC事業者のカスタマイズ等のニーズに応えるための体制を構築したことから、サービス利用アカウント数は133件(前期比269.4%増)、決済手数料収入を除いた売上高は、93,142千円(前期比853.1%増)となりました。

「サブスクストアB2B」や「ヒキアゲール」も含めた当社提供サービスの利用アカウント総数は1,021件(前期比1.5%増)となり、これらのサービスによる流通総額は、1,322億円(前期比10.8%増)となりました。

以上の結果、売上高は1,557,112千円(前期比25.0%増)となりました。

売上原価は、「サブスクストア」の保守などに伴うエンジニアの稼働により人件費配賦額が増加したことや、前期第2四半期累計期間まで「サブスクストア」の開発費が当該サービスの販売開始前であったために販売費及び一般管理費の研究開発費として計上していたことなどから、460,488千円(前期比56.5%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、長期的な成長のため人材採用を強化しており、人員の増加に伴い人件費が増加しております。また、「サブスクストア」のPR活動強化に伴う広告宣伝費の増加などから、販売費及び一般管理費は、813,179千円(前期比25.8%増)となりました。

以上の結果、当事業年度の業績は、営業利益283,444千円(前期比6.9%減)、経常利益288,487千円(前期比10.8%減)、当期純利益195,353千円(前期比8.7%減)となりました。

なお、当社はEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません

 

※1 EC化率:BtoCの市場規模を分母、BtoC-EC市場規模を分子として算出した割合。

※2 てもなく:古くからの日本語である「てもなく(手も無く)」は、「簡単に、たやすく」という意味。当社の社名の由来であり、「ビジネスと暮らしを"てもなく"する」は、当社の経営理念でもあります。

 

(2) キャッシュ・フロー

当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ18,648千円増加し、1,680,145千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローについては、16,923千円の支出(前事業年度は148,750千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益288,605千円、法人税等の支払額171,677千円、売上債権の増加84,969千円などによるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローについては、49,997千円の支出(前事業年度は82,777千円の支出)となりました。これは主に自社サービスの追加開発に伴う無形固定資産の取得による支出65,428千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローについては、85,569千円の収入(前事業年度は136,553千円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出127,503千円によるものであります

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(2) 受注状況

当社のサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては「(3) 販売実績」をご参照ください。

 

(3) 販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

サービスの名称

当事業年度

(自 2018年10月1日

至 2019年9月30日)

販売高(千円)

前期比(%)

たまごリピート

928,951

24.1

サブスクストア

93,142

853.1

サブスクストアB2B

1,156

ヒキアゲール

24,727

△49.1

決済手数料収入(注)2.

509,134

16.0

合計

1,557,112

25.0

 

(注) 1.当社の事業セグメントは、EC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。

2.決済手数料収入は、「たまごリピート」「サブスクストア」「サブスクストアB2B」の各サービスから発生したものでありますが、サービス別に区分することが困難なため、独立掲記しております。

3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 2017年10月1日

至 2018年9月30日)

当事業年度

(自 2018年10月1日

至 2019年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ゼウス

158,132

12.7

 

4.当事業年度においては、相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

5.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行う必要があります。経営者は、これらの見積りについての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社は、売上高、営業利益及び経常利益を重視しております。

 当社は、「ビジネスと暮らしを“てもなく”する」という理念に基づき、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネスに特化したBtoC事業者向けショッピングカートシステム「サブスクストア」及びBtoB事業者向けワンストップ受発注管理ツール「サブスクストアB2B」の機能向上に注力してまいりました。

 これらの経営戦略等に基づく業績予想の達成状況は以下のとおりであります。

 なお、経営成績等の分析につきましては、「(4) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。

(単位:千円)

 

売上高

営業利益

経常利益

業績予想(A)

1,700,004

321,019

344,451

実績(B)

1,557,112

283,444

288,487

増減額(C=B-A)

△142,891

△37,574

△55,964

達成率(C÷A)

△8.4%

△11.7%

△16.2%

 

 また、当社は投資対効果を適切に図る観点から1人当たり売上高20,000千円、売上高営業利益率20%の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

 これらの指標に基づく目標の達成状況は以下のとおりであります。

 

指標

売上高(A)         (千円)

1,557,112

営業利益(B)        (千円)

283,444

平均正社員数(C)       (人)

80.6

1人当たり売上高(A÷C)  (千円)

19,321

売上高営業利益率(B÷A)

18.2%

 

 

 

(3) 財政状態の分析

(資産)

当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて215,374千円増加し、2,260,247千円となりました。この主な要因は、売上の増加により売掛金が84,969千円増加したことや自社サービスの追加開発に伴い無形固定資産が60,881千円増加したことなどによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べて4,258千円増加し、731,841千円となりました。この主な要因は、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が72,497千円増加したこと、買掛金が51,385千円増加したこと及び未払法人税等が74,307千円減少したことなどによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて211,115千円増加し、1,528,406千円となりました。この主な要因は、繰越利益剰余金が195,353千円増加したことなどによるものであります。

 

(4) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて311,641千円増加し、1,557,112千円(前期比25.0%増)となりました。

売上高の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は、前事業年度に比べて166,168千円増加し460,488千円(前期比56.5%増)となりました。売上原価は、「サブスクストア」の保守などに伴うエンジニアの稼働により人件費配賦額が増加したことや、前期第2四半期累計期間まで「サブスクストア」の開発費が当該サービスの販売開始前であったために販売費及び一般管理費の研究開発費として計上していたことなどから増加しております。

以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べて145,473千円増加し、1,096,624千円(前期比15.3%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて166,579千円増加し、813,179千円(前期比25.8%増)となりました。主たる要因としては、長期的な成長のため人材採用を強化しており、人員の増加に伴い人件費が増加したことや、「サブスクストア」のPR活動強化に伴う広告宣伝費の増加したことなどの一般管理費の増加によるものであります。

以上の結果、営業利益は前事業年度に比べて21,106千円減少し、283,444千円(前期比6.9%減)となりました。

 

経常利益は、営業外収益を25,055千円(前期比24.7%増)、営業外費用を20,012千円(前期比1,690.8%増)計上した結果、前事業年度に比べて35,045千円減少し、288,487千円(前期比10.8%減)となりました。

 

(当期純利益)

法人税、住民税及び事業税を97,637千円、法人税等調整額を△4,385千円計上しております。

この結果、当期純利益は前事業年度に比べて18,697千円減少し、195,353千円(前期比8.7%減)となりました。

 

 

(5) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当社の主な資金需要は、システム開発等に係る人件費、サービスサポートに係る人件費、新規事業の拡大に係る人件費であります。これらの資金需要につきましては、自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて銀行借入で調達する方針であります。

なお、現在、支出が予定されている重要な資本的支出はありません。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、今後収益を拡大するためには、既存の事業のさらなる拡大、知名度向上のための広報活動の展開、新規事業及び新サービスの開発が必要であると認識しております。

そのためには、優秀な人材の確保や組織体制の整備を引き続き行い、これらの課題に対して最善の事業戦略を立案するよう、努めていく所存であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社は、「ビジネスと暮らしを"てもなく"する」という経営理念のもと、経営理念実現のために研究開発活動を行っております。

当社は、EC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりませんが、研究開発活動は、開発グループが主体となり活動を行っております。

当社の主たる研究開発活動には、既存アプリケーションソフトウエアのバージョンアップと新たな技術・サービスを提供するための研究開発活動があります。

当事業年度においては、BtoB事業者向けワンストップ受発注管理ツール「サブスクストアB2B」に関する研究開発活動を行っており、2019年4月に「サブスクストアB2B」を販売開始しております。

なお、当事業年度における研究開発費の総額は、30,607千円であります。