第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「事業者のビジネスと生活者の暮らしを“てもなく”する」ことを理念に、事業者から支持され、生活者から愛される“B with B with C 企業”となることを使命に掲げております。その実現のため、「リピート」×「IT」をコアコンピタンスとしたストック型のビジネスモデルの普及を目指し、ECの販売サイクルである集客、接客、販売、消費・利用の全ての領域においてサブスクリプションビジネスに特化したサービスを提供するトータルソリューションプロバイダとなるべく事業を展開しております。

 

(2) 経営環境及び経営戦略等

 当社グループの事業領域とする国内電子商取引市場は、経済産業省発表の「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」にあるとおり、2019年のBtoC-EC市場規模が前年比7.65%増の19.3兆円、BtoB-EC市場規模が前年比2.5%増の352.9兆円と堅調に推移しております。また、ECの普及率を示す指標であるEC化率は、BtoC-ECで6.76%、BtoB-ECで31.7%と増加傾向にあったことに加えて、新型コロナウイルスに対応するための社会的距離確保の要請が強まっていることから、商取引の電子化は引き続き進展すると見込まれます。

 また、新型コロナウイルスの発生などから、経済環境が悪化した中でも安定した収益を確保できるサブスクリプションビジネスの市場はさらに拡大すると考えており、この環境の変化を新たな成長機会と捉えております。

当社グループはこのような事業環境を追い風と捉え、「サブスクストア」や「たまごリピート」のさらなる拡大を目指すとともに、これら以外のサービスを新たな収益の柱に育てる取組みを強化してまいります。

このための戦略としては、①アカウント数の拡大、②顧客の事業拡大のための支援を推進することが重要であると認識しております。

①アカウント数の拡大においては、健康食品や化粧品などの商材を扱う従来のEC事業者からサブスクリプションビジネスを行う様々な事業者までターゲットを拡大するとともに、ユーザー目線でのサービス開発を徹底し、各サービスごとの利用者拡大を推進してまいります。

②顧客の事業拡大のための支援においては、既存顧客の成長のためのサポート体制を強化するとともに、大規模かつ様々な運用を行うEC事業者の需要に答えるための体制強化を推進してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等

当社グループは、継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高、営業利益及び経常利益を重視しており、投資対効果を適切に図る観点から以下の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

1人当たり売上高 20,000千円

・売上高営業利益率   20%

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、環境の変化に敏感に対応しながら以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

① 既存事業の収益拡大

当社グループは、SaaS方式でサービスを提供しており、お客様のニーズに応えるべく、これまでその育成に努めてまいりました。

今後も提供するサービスの安定的・継続的な発展が収益基盤の基礎として必要不可欠なものであると考えております。そのためにも、継続的なユーザビリティの改善、安定的なサービス提供が必須であります。今後も、既存サービスにおいて継続的な機能の拡充、保守体制の強化を行うことにより、更に信頼性を高め、既存サービスの収益基盤の拡大を行ってまいります。

 

② サービス間のシナジーの拡大

当社グループが提供するサービス間のシナジーを強化し、より一体化させたトータルソリューションの提供を行う必要があると考えております。そのためには、当社のサービスに蓄積するビッグデータを活用する必要があります。

今後この分野においては、市場ニーズの拡大が見込まれるため、更なるサービス開発や新技術の獲得・活用を図ってまいります。

 

③ 新規事業及び新サービス開発による収益基盤の拡大

当社グループは、急激な事業環境の変化に対応し、更なる収益の拡大を図るために、事業規模の拡大と新たな収益源の確保が必須であると考えております。このために、お客様の潜在需要をいち早く読み取り、新サービス開発に積極的に取り組むことで、更なる収益基盤の拡大を図ってまいります。

 

④ 他企業との連携

当社グループは、更なる成長のため、既存事業の強化や利用者数拡大、新たな事業への展開や新市場への進出等を目指すに当たり、そのスピードアップを図るため、今後、状況によっては他企業との提携やM&A等が必要になるものと考えております。そのため、今後の事業展開においても、他企業との提携の必要性を常に考慮に入れたうえで進めてまいります。 

 

⑤ 技術革新への対応

当社グループは、情報技術の革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上重要な要素であると認識しております。当社グループといたしましては、業界内の主要ベンダーや技術コミュニティから発せられる最新情報を定期的に入手し、自社製品に迅速に反映することでサービスの先進性や安定性を確保していく方針であります。

 

⑥ 人材の確保及び教育研修の強化による社員の能力の維持・向上

当社グループは、少人数で効率的な組織運営を行ってまいりましたが、今後の成長のためには、人員拡充と更なる社員の能力の維持・向上が必要であると考えております。

事業の拡大や多角化により、高い専門性を有する人材の獲得及び育成の必要性が高まっており、必要な人材を十分に確保することが重要な経営課題となっております。そのため、積極的な人材採用活動はもちろんのこと、実力・能力主義の報酬体系の実施、教育研修制度の充実、業務の効率化、外部ノウハウの活用などの取り組みを強化してまいります。

 

⑦ 情報管理体制の強化

当社グループは、SaaS方式でのサービスを展開しており、ビッグデータを保持していることから、情報管理体制の強化は重要課題と認識しております。そのため、個人情報等の機密情報を取り扱う際の業務フロー、社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を行ってまいります。

また、2014年7月より、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発行するプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。

 

⑧ 内部管理体制の強化

当社グループは、更なる事業拡大、継続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化及び確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化と効率化の徹底を図ることが重要であると考えております。当社グループといたしましては、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、あるいは、当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、以下の記載はすべてのリスク要因を網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① ビジネスモデルに関するリスク

当社グループのビジネスモデルは、インターネット環境が進化することにより、EC市場等のインターネット関連市場が今後も拡大していくことを事業展開の前提と考えて、構築しております。仮に、新たな法的規制の導入、技術革新の停滞、通信コストの改定等の予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② EC市場について

EC市場は、インターネットの普及に伴い市場規模の拡大を続けております。当社グループでは今後もEC市場が拡大することを想定しております。しかしながらEC市場を取り巻く法規制強化や、トラブルの発生等により、当社の期待通りにEC市場が発展しない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合サービスについて

当社グループは、EC市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対して、従業員の健康、安全の確保と事業存続の両立を図っております。具体的な対応としては、全従業員へ毎日の検温測定と報告の徹底、在宅勤務の推奨、それに伴う在宅手当の支給、流動性資金の確保等によって、事業が継続できる体制の整備に努めております。

 しかしながら、今後新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、事態が深刻化かつ長期化した場合には、当社グループ従業員の出勤や顧客への訪問が困難になることによる商談機会の減少、従業員の感染が判明した場合の一時的な事業活動の停滞等により当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① サービス機能の充実について

当社グループは、顧客のニーズに対応するため、「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」のサービス機能拡充を進めております。しかしながら、今後、利用顧客のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」のロイヤリティ収入について

当社グループが提供する「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」では、決済代行事業者など、様々なパートナーからのロイヤリティ収入により収益を上げております。したがって、当該パートナーの経営状態に問題が生じた場合、当社グループへのロイヤリティ収入の減少へとつながり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、2019年10月より政府が推進するキャッシュレス化対策の一環である中小加盟店向けクレジットカード手数料を3.25%にする対応などのように、当社グループのロイヤリティ収入に関連する市場環境が変化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

 

 

③ 「たまごリピート」及び「サブスクストア」利用企業の属する市場に関するリスク

当社グループが提供する「たまごリピート」及び「サブスクストア」の利用企業の多くは、健康食品・サプリメント、化粧品といった消耗品を扱っております。そのため、健康食品・サプリメント、化粧品といった市場を取り巻く法規制等の強化や改正等により、これら消耗品等の定期通販市場が発展しない場合や当該市場が予期せぬ事象により縮小した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 外注先に関するリスク

当社グループが提供する「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」は、サーバー及びサーバーを設置するラックの供給を外注先に依存しております。当該外注先は、入退室時の情報管理等の管理体制が整備された防災装置・安全対策等を行っているデータセンターを運営する信頼性の高い業者に限定しております。

しかしながら、予期せぬ自然災害や不法行為などが生じ、当該外注先の役務提供の遅れや提供不能などの事態が生じた場合には、当社グループもサービス提供の遅れや提供不能などの事態が生じるおそれがあり、その場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プログラム不良によるリスク

開発したプログラムの不具合を原因として、システム動作不良等が発生し、当社グループの提供するサービスが中断または停止する可能性があります。当社グループでは、システムの開発にあたり、綿密な開発計画の策定からテストの実施まで十分な管理を行っており、可能な限りこのような事態の発生を未然に防ぐための開発体制の構築に努めております。しかしながら、このような事態が発生した場合には、当社グループの提供サービスに対する信頼が失われ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システムに関するリスク

当社グループが提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段による当社グループシステムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 保有しているビッグデータについて

当社グループが提供するサービスは、分析基盤となるビッグデータを保有しております。今後の事業展開において、保有しているビッグデータを用いることで、ユーザーターゲティングを行う等のビッグデータを用いたサービス展開を強化していく予定でありますが、予期せぬシステム障害のため、保有しているビッグデータを消失した場合、当初の計画していた事業計画を変更しなければならず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 知的財産権に関するリスク

当社グループは、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ 個人情報・機密情報について

当社グループはその事業運営に際し、関係者の個人情報及び機密情報を少なからず保有しており、当社グループの個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用されます。そのため、当社グループでは個人情報を取り扱う際の業務フローや社内体制を明確化し、個人情報管理に関する規程を制定しております。併せて役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図り、2014年7月にプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。

しかしながら、個人情報が当社の関係者や業務提携先の故意又は過失により、外部へ流出もしくは悪用される事態が発生した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループ並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 新規事業について

当社グループは今後も、積極的に新サービスもしくは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、展開した新領域での新規事業の拡大・成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

① 人材について

当社グループは、小規模組織であり、現状、内部管理体制もこの規模に応じたものになっておりますが、今後、事業拡大に伴い、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員の育成に取り組み、人員の増強を進め、内部管理体制の一層の拡充を図る方針であります。しかしながら、優秀な人材をタイムリーに獲得することは容易ではないため、必要な人材を採用できない、あるいは採用が遅れた場合には、適切かつ充分な組織対応ができず、効率的な事業運営に支障をきたす可能性があります。また、各部署において相当数の従業員が、短期間のうちに退職した場合にも、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の経営者への依存について

当社グループの代表取締役社長である佐川隼人は最高経営責任者であり、当社グループの経営方針や戦略の決定等、事業活動上重要な役割を担っております。佐川隼人に対し事業運営及び業務遂行において過度に依存しないように、経営体制の整備、権限移譲及び次代を担う人材の育成強化を進めておりますが、不測の事態により、佐川隼人が職務を遂行できなくなった場合、当社グループの事業推進及び業績が影響を受ける可能性があります。

 

③ 内部管理体制の強化について

当社グループでは、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底して参りますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法規制に関するリスク

① 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)

「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では他人のID、パスワードの無断使用の禁止が定められており、アクセス管理者はアクセス制御機能が有効に動作するために必要な措置を講ずるよう努めることとされております。当社グループもこの法の趣旨に則り、必要な措置を講ずるように努めておりますが、今後、アクセス管理者が必要な措置を講ずることについて、より重い法的義務を課すように法令の改正がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

② EC事業者に対する法的規制等について

当社の顧客であるEC事業者の事業活動は「特定商取引に関する法律(特商法)」「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」等の法令による規制やルールの対象となるため、今後、更なる法的義務が課された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ その他

現在もインターネット及び電子商取引を取り巻く法的規制は、議論がなされている状態であり、今後、インターネット利用や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定された場合や、既存の法令等の適用解釈が明確になった場合に備え、迅速に行動できるように常に情報収集に努めております。

しかしながら、新たに制定された法律等に対応するためのコスト負担が重く、対応困難となるような場合には、当社の事業が制約を受ける可能性があり、この場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) その他のリスク

① 株式価値の希薄化について

当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しております。当社は今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

当社は、更なる財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置付けております。そのため、現時点においては内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資を積極的に行っていくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。しかしながら、当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、今後の配当政策が株価へ、株価が資金調達へ影響することで、最終的には当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

(業績等の概要)

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、それまでの緩やかな回復基調から急速に悪化し、景気の先行きは非常に不透明な状況が続いております。

 当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全従業員へ毎日の検温測定と報告の徹底、全社的な在宅勤務の推奨、それに伴う在宅手当の支給など、早期から対策を講じてまいりました。当社グループ及び当社グループのお客様の多くは、サブスクリプション型のビジネスモデルであることから、新型コロナウイルス感染症による当社グループの業績への影響は限定的なものとなっておりますが、現時点の経済活動状況を前提する環境は、この先も継続するものと見込んでおります。

 

 当社グループの事業に関連する国内電子商取引市場は、「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、2019年のBtoC-EC市場規模が前年比7.65%増の19.3兆円、BtoB-EC市場規模が前年比2.5%増の352.9兆円と堅調に推移しております。また、ECの普及率を示す指標であるEC化率(※1)は、BtoC-ECで6.76%、BtoB-ECで31.7%と増加傾向にあったことに加えて、新型コロナウイルスに対応するための社会的距離確保の要請が強まっていることから、商取引の電子化は引き続き進展していくものと見込まれます。

 このような経営環境のもと、当社グループでは「ビジネスと暮らしを“てもなく”(※2)する」という理念に基づき、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネスに特化したBtoC事業者向けショッピングカートシステム「サブスクストア」の機能向上に注力してまいりました。また、「サブスクストア」や「たまごリピート」の提供を通して培ったノウハウと機能を活用し、美容室・理容室のサロン専売品のサブスクリプション販売システム「サブスクビューティ」やリアル店舗に特化したサブスクリプション管理システム「サブスクアット(サブスク@)」の販売を展開するなど、ターゲット市場の拡大を推進しております。

 

 当社グループの事業は、EC支援事業の単一セグメントのため、以下、サービス別の業績を示すと次のとおりであります。

単位:千円)

サービスの名称

前事業年度

(自 2018年10月1日

 至 2019年9月30日)

当連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

増減額

増減率(%)

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

①たまごリピート

928,951

59.7

1,180,076

51.3

251,124

27.0

②サブスクストア

93,142

6.0

418,526

18.2

325,383

349.3

③決済手数料

509,134

32.7

566,341

24.6

57,207

11.2

④その他

25,883

1.7

 136,629

5.9

110,745

427.9

合計

1,557,112

100.0

2,301,573

 100.0

744,460

47.8

 

 

①「たまごリピート」は、後継システムである「サブスクストア」の販売を強化したことから新規申込件数が減少するとともに解約が進み、サービス利用アカウント数は763件(前期比10.2%減)となりました。アカウント数は減少傾向にあるものの、政府による緊急事態解除宣言を境にして広告需要が増大し、オプションサービスである「LTV連動型アフィリエイト」の販売高が大きく伸長したほか、「チャットボット受注オプション Powered by qualva」の販売も引き続き堅調に推移し、売上高は1,180,076千円(前期比27.0%増)となりました。

 

 

②「サブスクストア」は、新型コロナウイルスの影響からサブスクリプションモデルでのEC事業に対するお問い合わせが増加し、サービス利用アカウント数が348件(前期比161.7%増)へと大きく伸長しました。また、大規模顧客向けのカスタマイズの受注状況も好調であったことから、売上高は、418,526千円(前期比349.3%増)となりました。

 

③当連結会計年度における当社グループの提供するサービスの流通総額は、1,523億円(前期比15.2%増)と堅調に推移しましたが、2019年10月から2020年6月まで間、政府が推進するキャッシュレス化対策の一環として、当社の提供する中小加盟店向けクレジットカード手数料率が3.4%から3.25%に減少していたことなどから、決済手数料の売上高は、566,341千円(前期比11.2%増)となりました。

 

④「サブスクビューティ」「サブスクアット」「サブスクストアB2B」「ヒキアゲール」などのその他のサービスについては、「サブスクビューティ」の導入支援コンサルティングサービスが受注を伸ばした結果、売上高は136,629千円(前期比427.9%増)となりました。 

 

  以上の結果、売上高は2,301,573千円となりました。

 

 売上原価は、「LTV連動型アフィリエイト」など原価率の高いオプションサービスの販売高が大きく伸長したことが要因となり、934,153千円となりました。

 販売費及び一般管理費は、人員の拡大に伴い人件費が増加しているとともに、新しいサービス開発のための研究開発費の増加や、株式報酬制度の設計に伴うコンサルティング費用、事業譲受に伴う手数料などの一時的なコストも発生したことから、販売費及び一般管理費は、1,189,338千円となりました。 

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、営業利益178,081千円、経常利益173,276千円、親会社株主に帰属する当期純利益98,556千円となりました。

 

 ※1 EC化率:全ての商取引市場規模に対するEC市場規模の割合。

 ※2 てもなく:古くからの日本語である「てもなく(手も無く)」は、「簡単に、たやすく」という意味。当社の社名の由来であり、「ビジネスと暮らしを"てもなく"する」は、当社の経営理念でもあります。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,253,741千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、159,372千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益154,905千円、減価償却費52,614千円、減損損失23,998千円、前払費用の減少額23,412千円、仕入債務の増加額46,019千円、未払金の増加額25,156千円等の資金の増加要因と、売上債権の増加額118,015千円、法人税等の支払額66,658千円等の資金の減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、173,852千円の支出となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出120,726千円、事業譲受による支出60,000千円等の資金の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、411,923千円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得による支出583,020千円等の資金の減少要因によるものであります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(2) 受注状況

当社のサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては「(3) 販売実績」をご参照ください。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

販売高(千円)

前期比(%)

たまごリピート

1,180,076

27.0

サブスクストア

418,526

349.3

決済手数料収入(注)2.

566,341

11.2

その他

136,629

427.9

合計

2,301,573

47.8

 

(注) 1.当社グループの事業セグメントは、EC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。

2.決済手数料収入は、「たまごリピート」「サブスクストア」「その他」の各サービスから発生したものでありますが、サービス別に区分することが困難なため、独立掲記しております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当連結会計年度における割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行う必要があります。経営者は、これらの見積りについての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の課税所得に関する予測は、過去の実績や一定の仮定のもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要になった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたって、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価格を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失が必要となる可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社グループは、売上高、営業利益及び経常利益を重視しております。

 当社グループは、「ビジネスと暮らしを“てもなく”する」という理念に基づき、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネスに特化したBtoC事業者向けショッピングカートシステム「サブスクストア」の機能向上に注力してまいりました。また、「サブスクストア」や「たまごリピート」の提供を通して培ったノウハウと機能を活用し、美容室・理容室のサロン専売品のサブスクリプション販売システム「サブスクビューティ」やリアル店舗に特化したサブスクリプション管理システム「サブスクアット(サブスク@)」の販売を展開するなど、ターゲット市場の拡大を推進してまいりました。

 これらの経営戦略等に基づく業績予想の達成状況は以下のとおりであります。

 なお、経営成績等の分析につきましては、「(4) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。

(単位:千円)

 

売上高

営業利益

経常利益

業績予想(A)

2,212,630

180,590

179,464

実績(B)

2,301,573

178,081

173,276

増減額(C=B-A)

88,942

△2,510

△6,187

達成率(C÷A)

4.0%

△1.4%

△3.4%

 

 また、当社グループは投資対効果を適切に図る観点から1人当たり売上高20,000千円、売上高営業利益率20%の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

 これらの指標に基づく目標の達成状況は以下のとおりであります。

 

指標

売上高(A)         (千円)

2,301,573

営業利益(B)        (千円)

178,081

平均正社員数(C)       (人)

111.0

1人当たり売上高(A÷C)  (千円)

20,733

売上高営業利益率(B÷A)

7.7%

 

 

 

(3) 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、2,037,339千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金1,253,741千円、売掛金278,349千円、繰延税金資産126,202千円、ソフトウエア123,448千円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、 973,600千円となりました。この主な内訳は、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)476,618千円、前受金129,562千円、買掛金118,740千円であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、1,063,738千円となりました。この主な内訳は、資本金379,790千円、資本準備金369,790千円、利益剰余金890,664千円、自己株式△583,704千円であります。

 

(4) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、2,301,573千円となりました。

 売上高の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、934,153千円となりました。

この主な要因は、「LTV連動型アフィリエイト」など原価率の高いオプションサービスの販売高が大きく伸長したことにより、支払手数料が474,452千円と増加したことであります。

以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は1,367,420千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,189,338千円となりました。

この主な要因は、人員の拡大に伴い給料及び手当が515,992千円、新しいサービス開発のための研究開発費が93,432千円、株式報酬制度の設計に伴うコンサルティング費用や事業譲受に伴う手数料などにより支払手数料が126,885千円と増加したことであります

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、178,081千円となりました。

 

当連結会計年度の経常利益は、営業外収益1,804千円、営業外費用6,609千円を計上した結果、173,276千円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は、法人税、住民税及び事業税80,432千円、法人税等調整額△25,839千円を計上しております。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、98,556千円となりました。

 

 

(5) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループは、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当社グループの主な資金需要は、システム開発等に係る人件費、サービスサポートに係る人件費、新規事業の拡大に係る人件費であります。これらの資金需要につきましては、自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて銀行借入で調達する方針であります。

なお、現在、支出が予定されている重要な資本的支出はありません。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、今後収益を拡大するためには、既存の事業のさらなる拡大、知名度向上のための広報活動の展開、新規事業及び新サービスの開発が必要であると認識しております。

そのためには、優秀な人材の確保や組織体制の整備を引き続き行い、これらの課題に対して最善の事業戦略を立案するよう、努めていく所存であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、「ビジネスと暮らしを"てもなく"する」という経営理念のもと、経営理念実現のために研究開発活動を行っております。

当社グループは、EC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりませんが、研究開発活動は、事業部および子会社が主体となり活動を行っております。

当社グループの主たる研究開発活動には、既存アプリケーションソフトウエアのバージョンアップと新たな技術・サービスを提供するための研究開発活動があり、当連結会計年度においては「サブスクストア」およびAIに関するシステムの研究開発活動を行っております。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、93,432千円であります。