第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は、「ビジネスと暮らしを“てもなく”する」という理念に基づき、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、「たまごリピート」「サブスクストア」「サブスクアット」「サブスクストアB2B」のサブスクリプション支援に特化したサービスを提供するとともに、事業成長を支援するソリューションをさらに拡大・充実させ、サブスクリプションビジネスの成功に欠かせない”サブスク総合支援企業”を目指します。

 

(2) 経営環境及び経営戦略等

 当社の事業領域とする国内電子商取引市場は、経済産業省発表の「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」にあるとおり、2020年のBtoC-EC市場規模が前年比0.43%減の19.3兆円、BtoB-EC市場規模が前年比5.1%減の334.9兆円となりました。

 また、ECの普及率を示す指標であるEC化率は、BtoC-ECで8.08%、BtoB-ECで33.5%と増加傾向が続いており、商取引の電子化は引き続き進展していくものと見込まれます。そして近年では、人口減少などを背景に顧客の獲得コストが上がり続けており、クラウド型のビジネスを始めとしたサブスクリプションビジネスの需要が高まっております。

 また、新型コロナウイルスの発生などから、経済環境が悪化した中でも安定した収益を確保できるサブスクリプションビジネスの市場はさらに拡大すると考えており、この環境の変化を新たな成長機会と捉えております。

 このような環境下において、”サブスク総合支援企業”を目指すために、新しく中期経営計画(FY22~FY24)を策定しました。この3カ年を『さらなる成長のための準備期間』と位置づけ、「ターゲット領域の拡大」と「サブスクバリューチェーンの拡充」を推し進める方針です。

 「ターゲット領域の拡大」では、拡大するサブスクサービスに対応し、ターゲットとする顧客セグメントを拡げていくとともに、エンタープライズ領域を強化し、さらにはアーリーステージ領域まで当社のシステム提供を進めていきます。

 「サブスクバリューチェーンの拡充」では、事業運営に関わる様々な領域の支援を強化し、顧客の事業成長の支援体制を強固なものとするとともに、それから得たノウハウをさらなるシステム提供に還元することで、総合的な支援体制を作ってまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等  

当社は、継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高、営業利益及び経常利益を重視しており、投資対効果を適切に図る観点から以下の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

・1人当たり売上高 20,000千円

・売上高営業利益率   20%

 なお、中期経営計画ではKPIとして、リカーリング収益の指標であるARRと、当社システムを通じて売買された流通の総額であるGMVの中期目標を設定しております。

 ・ARR  :   9億円(2021年9月期)⇒  16億円(2024年9月期)

 ・GMV  : 1,557億円(2021年9月期)⇒ 2,000億円(2024年9月期)

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社は、環境の変化に敏感に対応しながら以下の経営課題に取り組んでまいります。

 既存領域での着実な成長

 当社は、主にSaaS方式によるサブスクリプションサービスを提供しており、顧客のニーズの変化に応えるべく継続的なサービスの改善に努めてまいりました。今後においても、既存領域での継続性が収益拡大の基盤として必要不可欠なものであると考えております。
 そのため、引き続き継続的なサービス機能の拡充、ユーザビリティの向上、保守体制の強化等に努め、サービスの価値と信頼性をさらに高めていくことで、既存領域での着実な成長を図ってまいります。

 

② ターゲット領域の拡大
 当社のさらなる成長を実現するためには、当社のサービスを導入する顧客セグメントを拡大していくことが必要であると考えております。
 当社において主要な顧客セグメントである化粧品・健康食品の顧客セグメントに加えて、短期的にはリピート通販において今後の成長が見込まれる食品や生活雑貨といった顧客セグメントの開拓に注力するとともに、中長期的には、デジタルコンテンツ、シェアリングサービス、BtoBサブスクなど、サブスクリプションビジネス全般をターゲット領域とし、拡大を図ってまいります。
 また、顧客の事業規模にも着目し、パートナーシップやアライアンスを強化し、エンタープライズ領域での販売網や顧客支援体制を拡充するとともに、アーリーステージ領域の顧客に対しては、アーリーステージ向けの競争力強化とプロモーションを行い、拡大を図ってまいります。

 

③ サブスクバリューチェーンの拡充
 当社のさらなる成長を実現するためには、顧客の成長事例を輩出し、多くの事業者が参入する好循環を作り、さらにサブスクリプションビジネスを拡大させることが必要であると考えております。
 そのため、当社の支援領域を拡大し、カートシステムの提供にとどまらず、広告、コールセンター、物流、運営代行なども含めた総合的な支援を行い、顧客のサブスクリプションビジネスの成功を実現することで、様々なサブスクリプションビジネスのニーズに対し、多様なソリューションを提供し、サブスクバリューチェーンの拡充を図ってまいります。

 

④ 新規事業の創出による事業規模の拡大
 当社は、急激な事業環境の変化にも対応しながら収益を拡大していくためには、新たな収益源の創出による事業規模の拡大が必要であると考えております。そのために、顧客の潜在的なニーズをいち早く読み取り、新規事業の創出に積極的に取り組むことで、さらなる事業規模の拡大を図ってまいります。
 
⑤ 他企業との業務提携やM&Aの活用
 当社は、既存事業の発展や新規事業の創出をスピーディに実現していくためには、他企業との業務提携やM&Aなどの手段が有効であると考えております。そのため、今後の事業展開においても、引き続き他企業との提携等の可能性を常に考慮に入れたうえで進めてまいります。
 
⑥ 技術革新への対応
 当社は、情報技術の進歩や革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上重要な要素であると認識しております。
 そこで当社は、業界内の主要ベンダーや技術コミュニティから発せられる最新の情報を定期的に入手し、自社サービスに最新の技術を迅速に反映させることで、サービスの競争力や安定性を確保していく方針であります。
 
⑦ 人材の拡充と社員の能力の向上
 当社の今後の成長のためには、高い専門性を有する人材の獲得に加え、その能力の継続的な向上が不可欠であると考えております。
 事業の拡大やサービスの多様化により、必要な人材を十分に確保することが重要な経営課題となっております。そのため、積極的な人材採用活動はもちろんのこと、実力・能力主義の報酬体系の実施、教育研修制度の充実、業務の効率化、外部ノウハウの活用などの取り組みによって、人材の拡充と能力の向上を図ってまいります。
 
⑧ 情報管理体制の強化 
 当社は、インターネットを経由するSaaS方式でのサービスを展開しており、様々な情報資産を保持していることから、情報管理体制の強化は重要課題と認識しております。
 そのため、機密情報を取り扱う際の業務フローや社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、引き続き情報管理体制の強化を行ってまいります。なお、当社は情報資産を適切に管理するために、2014年7月にプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。
 
⑨ 内部管理体制の強化
 当社は、企業価値の持続的な向上を実現するためには、コンプライアンスの徹底およびコーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。今後も、コンプライアンス体制の充実や内部統制システムの整備・運用などを通じて、内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、あるいは、当社の事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、以下の記載はすべてのリスク要因を網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① ビジネスモデルに関するリスク

当社のビジネスモデルは、インターネット環境が進化することにより、EC市場等のインターネット関連市場が今後も拡大していくことを事業展開の前提と考えて、構築しております。仮に、新たな法的規制の導入、技術革新の停滞、通信コストの改定等の予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② EC市場について

EC市場は、インターネットの普及に伴い市場規模の拡大を続けております。当社では今後もEC市場が拡大することを想定しております。しかしながらEC市場を取り巻く法規制強化や、トラブルの発生等により、当社の期待通りにEC市場が発展しない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合サービスについて

当社は、EC市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対して、従業員の健康、安全の確保と事業存続の両立を図っております。具体的な対応としては、全従業員へ毎日の検温測定と報告の徹底、在宅勤務の推奨、それに伴う在宅手当の支給、流動性資金の確保等によって、事業が継続できる体制の整備に努めております。

 しかしながら、今後新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、事態が深刻化かつ長期化した場合には、当社従業員の出勤や顧客への訪問が困難になることによる商談機会の減少、従業員の感染が判明した場合の一時的な事業活動の停滞等により当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① サービス機能の充実について

当社は、顧客のニーズに対応するため、「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」のサービス機能拡充を進めております。しかしながら、今後、利用顧客のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」のロイヤリティ収入について

当社が提供する「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」では、決済代行事業者など、様々なパートナーからのロイヤリティ収入により収益を上げております。したがって、当該パートナーの経営状態に問題が生じた場合、当社グループへのロイヤリティ収入の減少へとつながり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 「たまごリピート」及び「サブスクストア」利用企業の属する市場に関するリスク

当社が提供する「たまごリピート」及び「サブスクストア」の利用企業の多くは、健康食品・サプリメント、化粧品といった消耗品を扱っております。そのため、健康食品・サプリメント、化粧品といった市場を取り巻く法規制等の強化や改正等により、これら消耗品等の定期通販市場が発展しない場合や当該市場が予期せぬ事象により縮小した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 外注先に関するリスク

当社が提供する「サブスクストア」、「サブスクストアB2B」及び「たまごリピート」は、サーバー及びサーバーを設置するラックの供給を外注先に依存しております。当該外注先は、入退室時の情報管理等の管理体制が整備された防災装置・安全対策等を行っているデータセンターを運営する信頼性の高い業者に限定しております。

しかしながら、予期せぬ自然災害や不法行為などが生じ、当該外注先の役務提供の遅れや提供不能などの事態が生じた場合には、当社もサービス提供の遅れや提供不能などの事態が生じるおそれがあり、その場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プログラム不良によるリスク

開発したプログラムの不具合を原因として、システム動作不良等が発生し、当社の提供するサービスが中断または停止する可能性があります。当社では、システムの開発にあたり、綿密な開発計画の策定からテストの実施まで十分な管理を行っており、可能な限りこのような事態の発生を未然に防ぐための開発体制の構築に努めております。しかしながら、このような事態が発生した場合には、当社の提供サービスに対する信頼が失われ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システムに関するリスク

当社が提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段による当社システムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 保有しているビッグデータについて

当社が提供するサービスは、分析基盤となるビッグデータを保有しております。今後の事業展開において、保有しているビッグデータを用いることで、ユーザーターゲティングを行う等のビッグデータを用いたサービス展開を強化していく予定でありますが、予期せぬシステム障害のため、保有しているビッグデータを消失した場合、当初の計画していた事業計画を変更しなければならず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 知的財産権に関するリスク

当社は、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 個人情報・機密情報について

当社はその事業運営に際し、関係者の個人情報及び機密情報を少なからず保有しており、当社の個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用されます。そのため、当社では個人情報を取り扱う際の業務フローや社内体制を明確化し、個人情報管理に関する規程を制定しております。併せて役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図り、2014年7月にプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。

しかしながら、個人情報が当社の関係者や業務提携先の故意又は過失により、外部へ流出もしくは悪用される事態が発生した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 新規事業について

当社は今後も、積極的に新サービスもしくは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、展開した新領域での新規事業の拡大・成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

① 人材について

当社は、小規模組織であり、現状、内部管理体制もこの規模に応じたものになっておりますが、今後、事業拡大に伴い、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員の育成に取り組み、人員の増強を進め、内部管理体制の一層の拡充を図る方針であります。しかしながら、優秀な人材をタイムリーに獲得することは容易ではないため、必要な人材を採用できない、あるいは採用が遅れた場合には、適切かつ充分な組織対応ができず、効率的な事業運営に支障をきたす可能性があります。また、各部署において相当数の従業員が、短期間のうちに退職した場合にも、当社の事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の経営者への依存について

当社の代表取締役社長である佐川隼人は最高経営責任者であり、当社の経営方針や戦略の決定等、事業活動上重要な役割を担っております。佐川隼人に対し事業運営及び業務遂行において過度に依存しないように、経営体制の整備、権限委譲及び次代を担う人材の育成強化を進めておりますが、不測の事態により、佐川隼人が職務を遂行できなくなった場合、当社グループの事業推進及び業績が影響を受ける可能性があります。

 

③ 内部管理体制の強化について

当社では、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底して参りますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法規制に関するリスク

① 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)

「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では他人のID、パスワードの無断使用の禁止が定められており、アクセス管理者はアクセス制御機能が有効に動作するために必要な措置を講ずるよう努めることとされております。当社グループもこの法の趣旨に則り、必要な措置を講ずるように努めておりますが、今後、アクセス管理者が必要な措置を講ずることについて、より重い法的義務を課すように法令の改正がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② EC事業者に対する法的規制等について

当社の顧客であるEC事業者の事業活動は「特定商取引に関する法律(特商法)」「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」等の法令による規制やルールの対象となるため、今後、更なる法的義務が課された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ その他

現在もインターネット及び電子商取引を取り巻く法的規制は、議論がなされている状態であり、今後、インターネット利用や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定された場合や、既存の法令等の適用解釈が明確になった場合に備え、迅速に行動できるように常に情報収集に努めております。

しかしながら、新たに制定された法律等に対応するためのコスト負担が重く、対応困難となるような場合には、当社の事業が制約を受ける可能性があり、この場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) その他のリスク

① 株式価値の希薄化について

当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しております。当社は今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

当社は、更なる財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置付けております。そのため、現時点においては内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資を積極的に行っていくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。しかしながら、当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、今後の配当政策が株価へ、株価が資金調達へ影響することで、最終的には当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

2020年9月期は連結業績を発表しておりましたが、当事業年度は非連結での業績発表としております。そのため、前期比については非連結での業績を比較情報として記載しております。

なお、非連結での業績は以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

前事業年度

(自 2019年10月1日

    至 2020年9月30日)

当事業年度

(自 2020年10月1日

    至 2021年9月30日)

増減額

増減率(%)

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

売上高

2,301,573

100.0

2,405,091

100.0

103,517

4.5

売上原価

934,153

40.6

925,810

38.5

△8,342

△0.9

売上総利益

1,367,420

59.4

1,479,280

61.5

111,860

8.2

販売費及び一般管理費

1,200,931

52.2

1,020,977

42.5

△179,954

△15.0

営業利益

166,488

7.2

458,303

19.1

291,814

175.3

経常利益

164,867

7.2

457,906

19.0

293,039

177.7

当期純利益

96,466

4.2

290,299

12.1

193,832

200.9

 

 

(業績等の概要)

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が長引いており、緊急事態宣言の解除やワクチン接種の進展による需要回復への期待もみられるものの、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社の事業に関連する国内電子商取引市場は、「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、2020年のBtoC-EC市場規模が前年比0.43%減の19.3兆円、BtoB-EC市場規模が前年比5.1%減の334.9兆円となりました。

一方で、ECの普及率を示す指標であるEC化率(※1)は、BtoC-ECで8.08%、BtoB-ECで33.5%と増加傾向が続いており、商取引の電子化は引き続き進展していくものと見込まれます。そして近年では、人口減少などを背景に顧客の獲得コストが上がり続けており、クラウド型のビジネスを始めとしたサブスクリプションビジネスの需要が高まっております。

このような経営環境のもと、当社では「ビジネスと暮らしを“てもなく”(※2)する」という理念に基づき、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネスに特化したBtoC事業者向けショッピングカートシステム「サブスクストア」の機能向上に注力してまいりました。また、「サブスクストア」や「たまごリピート」の顧客に対して提供する価値を拡大するべく、「サブスク後払い」や「テモナビ」など、「チャットボット」に続くような周辺事業のサービス化・オプション化を強化してまいりました。

サービスラインについては選択と集中を図るため、「サブスクビューティ」のクローズドECの機能を「サブスクアット(サブスク@)」に組み込み、リアル店舗向けの営業体制を「サブスクアット」にシフトすることで、ターゲット市場の拡大を推進しつつ、サービスの収益化を促進しております。

 

当社の事業は、EC支援事業の単一セグメントのため、以下、サービス別の業績を示すと次のとおりであります。

(単位:千円)

サービスの名称

前事業年度

(自 2019年10月1日

 至 2020年9月30日)

当事業年度

(自 2020年10月1日

 至 2021年9月30日)

増減額

増減率

(%)

金額

構成比

(%)

金額

構成比

(%)

サブスクストア

418,526

18.2

704,881

29.3

286,355

68.4

たまごリピート

1,180,076

51.3

782,302

32.5

△397,774

△33.7

小計

1,598,602

69.5

1,487,183

61.8

△111,419

△7.0

決済手数料(サブスク後払い除く)

561,506

24.4

599,659

24.9

38,153

6.8

サブスク後払い

4,835

0.2

158,836

6.6

154,000

3,184.8

小計

566,341

24.6

758,496

31.5

192,154

33.9

その他

136,629

5.9

159,411

6.6

22,782

16.7

合計(a+b+c)

2,301,573

100.0

2,405,091

100.0

103,517

4.5

 

a. 「たまごリピート」及び「サブスクストア」のサービス利用アカウント総数は、前期においてコロナ禍の影響によりECへ参入する事業者が増えたものの、当期において前期にサービス利用を始めた事業者の早期事業撤退などが増加したことから、1,139件(前期比2.5%増)となりました。さらにオプション販売高の減少なども発生し、売上高は1,487,183千円(前期比7.0%減)となりました。

  「サブスクストア」のサービス利用アカウント数は490件(前期比40.8%増)となり、「テモナビ」や「チャットボット」などのオプション収益も伸長したことから、売上高は704,881千円(前期比68.4%増)となりました。

 「たまごリピート」は後継サービスである「サブスクストア」の販売に注力するため新規の販売を停止しており、サービス利用アカウント数が649件(前期比14.9%減)となったことに加えて、「LTV連動型アフィリエイト」の商流変更により売上高が純額計上となったことなどから、売上高は782,302千円(前期比33.7%減)となりました。

b. 当事業年度における当社の提供するサービスの流通総額は、緊急事態宣言下での外出機会の減少に伴い化粧品の流通額が大きく減少したことから1,557億円(前期比2.2%増)と伸び悩んだものの、自社決済サービスである「サブスク後払い」の取扱高の増加により、決済手数料の売上高は758,496千円(前期比33.9%増)となりました。

c. 「サブスクアット」や「サブスクストアB2B」などのその他のサービスについては、「サブスクアット」に付随したwebページ制作の受注が増加したことなどから、売上高は159,411千円(前期比16.7%増)となりました。

 

 以上の結果、売上高は2,405,091千円(前期比4.5%増)となりました。

 

売上原価は、自社決済サービスである「サブスク後払い」の取扱高が増加した影響と「LTV連動型アフィリエイト」の商流変更による純額計上により売上原価の計上が減少したことなどから、925,810千円(前期比0.9%減)となりました。

販売費及び一般管理費は、前期に計上していた子会社への研究開発委託費や株式報酬制度の設計に伴うコンサルティング費用、事業譲受に伴う手数料の発生がないことなどから、1,020,977千円(前期比15.0%減)となりました。

 

以上の結果、当事業年度の業績は、営業利益458,303千円(前期比175.3%増)、経常利益457,906千円(前期比177.7%増)、当期純利益290,299千円(前年同期比200.9%増)となりました。

 

※1 EC化率:全ての商取引市場規模に対するEC市場規模の割合。

※2 てもなく:古くからの日本語である「てもなく(手も無く)」は、「簡単に、たやすく」という意味。当社の社名の由来であり、「ビジネスと暮らしを“てもなく”する」は、当社の経営理念でもあります。

 

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は1,447,418千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、471,354千円の収入となりました。これは主に、税引前当期純利益435,008千円、減価償却費77,211千円、売上債権の減少額30,578千円等の資金の増加要因と、仕入債務の減少額59,248千円、法人税等の支払額63,605千円等の資金の減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、135,926千円の支出となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出117,245千円、有形固定資産の取得による支出16,472千円等の資金の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、129,992千円の支出となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入10,015千円の資金の増加要因と、長期借入金の返済による支出139,968千円等による資金の減少要因によるものであります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

(2)受注状況

当社のサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては「(3) 販売実績」をご参照ください。

(3)販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

サービスの名称

当事業年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

販売高(千円)

前期比(%)

サブスクストア

704,881

68.4

たまごリピート

782,302

△33.7

決済手数料収入(注)2.

758,496

33.9

その他

159,411

16.7

合計

2,405,091

4.5

 

(注)1.当社の事業セグメントは、EC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。

 2.決済手数料収入は、「サブスクストア」「たまごリピート」「その他」の各サービスから発生したものでありますが、サービス別に区分することが困難なため、独立掲記しております。

 3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当事業年度における割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果とついての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2)当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社は、売上高、営業利益及び経常利益を重視しております。

当社は、「ビジネスと暮らしを“てもなく”する」という理念に基づき、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネスに特化したBtoC事業者向けショッピングカートシステム「サブスクストア」の機能向上に注力してまいりました。また、「サブスクストア」や「たまごリピート」の提供を通して培ったノウハウと機能を活用し、リアル店舗に特化したサブスクリプション管理システム「サブスクアット(サブスク@)」の販売を展開するなど、ターゲット市場の拡大を推進してまいりました。

これらの経営戦略等に基づく業績予想の達成状況は以下のとおりであります。

なお、経営成績等の分析につきましては、「(4)経営成績の分析」に記載のとおりであります。

(単位:千円)

 

売上高

営業利益

経常利益

業績予想(A)

2,814,969

412,848

407,630

実績(B)

2,405,091

458,303

457,906

増減額(C=B-A)

△409,878

45,454

50,276

達成率(C÷A)

14.6%

11.0%

12.3%

 

 また、当社は投資対効果を適切に図る観点から1人当たり売上高20,000千円、売上高営業利益率20%の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

 これらの指標に基づく目標の達成状況は以下のとおりであります。

 

指標

売上高(A)         (千円)

2,405,091

営業利益(B)        (千円)

458,303

平均正社員数(C)       (人)

111.9

1人当たり売上高(A÷C)  (千円)

21,489

売上高営業利益率(B÷A)

19.1%

 

 

 

(3)財政状態の分析

(資産)

当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べて154,905千円増加し、2,188,967千円となりました。この主な要因は、売上高の増加により現金及び預金が205,435千円増加したことなどによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べて144,777千円減少し、827,636千円となりました。この主な要因は、借入金の返済により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が139,968千円減少したことなどによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて299,683千円増加し、1,361,331千円となりました。この主な要因は、利益剰余金が290,299千円増加したことなどによるものであります。

 

(4)経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、2,405,091千円となりました。

売上高の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は、925,810千円となりました。

この主な要因は、自社決済サービスである「サブスク後払い」の取扱高が増加した影響で決済手数料が189,724千円に増加した一方で、「LTV連動型アフィリエイト」の商流変更による純額計上により、支払手数料が282,221千円へ減少したことであります。

以上の結果、当事業年度の売上総利益は1,479,280千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,020,977千円となりました。

この主な要因は、前期に計上していた子会社への研究開発委託費の計上がなかったことに加えて、株式報酬制度の設計に伴うコンサルティング費用や事業譲受に伴う手数料の発生がないことなどから、支払手数料が92,673千円へと減少したことであります。

以上の結果、当事業年度の営業利益は、458,303千円となりました。

 

当事業年度の経常利益は、営業外収益2,636千円、営業外費用3,032千円を計上した結果、457,906千円となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度は、法人税、住民税及び事業税99,519千円、法人税等調整額45,190千円を計上しております。

この結果、当期純利益は、290,299千円となりました。

 

 

(5)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(業績等の概要)(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当社の主な資金需要は、システム開発等に係る人件費、サービスサポートに係る人件費、新規事業の拡大に係る人件費であります。これらの資金需要につきましては、自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて銀行借入で調達する方針であります。

なお、現在、支出が予定されている重要な資本的支出はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。今後さらなる成長を実現するためには、「ターゲット領域の拡大」と「サブスクバリューチェーンの拡充」が必要であると考えており、中期経営計画で設定したARRとGMVの中期目標を達成するよう努めていく所存であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

AI領域の研究開発活動は、当社子会社であるテモラボ株式会社が行っておりました。同社は当事業年度の初めより事業活動を縮小したため、当事業年度は同社研究開発活動は行っておりません。このため、当事業年度において研究開発費とすべき研究開発活動はございません。なお、同社は2021年8月27日付で清算結了しております。

また、「サブスクストア」等の既存サービスの追加開発に係る活動費は、その性質に応じて売上原価又はソフトウェアとして計上しております。