第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度において、当社グループは以下パイプラインの開発及び事業化に注力しました。

開発品の進捗に関する詳細は次のとおりです。

 

■SP-01 Sancuso®

経皮吸収型グラニセトロン製剤、適応:化学療法に起因する悪心・嘔吐

当社権利:中国(香港、マカオを含む)、台湾、マレーシア、シンガポール

(中国本土以外は協和発酵キリン株式会社に導出済)

・中国 第Ⅲ相臨床試験完了、承認申請中

 

■SP-02 darinaparsin

ミトコンドリア標的アポトーシス誘導剤、適応:末梢性T細胞リンパ腫

当社権利:全世界

(日本はMeiji Seika ファルマ株式会社に導出済)

・日本、韓国、台湾、香港 国際共同治験第Ⅱ相臨床試験(最終臨床試験)実施中

・米国 第Ⅱ相臨床試験完了(導入元ZIOPHARM Oncology, Inc.社が実施)

 

■SP-03 episil®

口腔内創傷被覆材料、適応:化学療法や放射線療法に伴う口内炎を含む様々な病因で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和を物理的作用により行う

当社権利:日本、中国

(日本はMeiji Seika ファルマ株式会社、中国(北京、上海、広州を除く)はLee's Pharmaceutical (HK) Limitedに導出済)

・日本 開発完了、承認申請中

・中国 開発完了、承認申請中

 

当連結会計年度に、開発品(SP-02及びSP-03)の導出に基づく契約金収入及びマイルストン収入が生じました。この他、パイプラインの強化と事業基盤構築、新規パイプラインの探索活動等により、当連結会計年度の業績は、売上収益501,319千円(前連結会計年度比118.5%)、営業損失462,477千円(前連結会計年度は営業損失702,422千円)、当期損失474,436千円(前連結会計年度は当期損失643,887千円)及び当期包括損失476,333千円(前連結会計年度は当期包括損失644,766千円)となりました。なお、当連結会計年度のパイプラインの開発に対しては、研究開発費475,419千円の他、資産性を有する投資として588,293千円を行っており(同額を無形資産として計上)、合計1,063,713千円を投じたこととなりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

前期比

(千円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△699,625

△464,989

234,635

投資活動によるキャッシュ・フロー

△633,332

△557,735

75,597

財務活動によるキャッシュ・フロー

2,933,733

△33,618

△2,967,351

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比較して1,060,550千円減少し、1,038,996千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは464,989千円のマイナスであり、税引前当期損失494,639千円が主要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは557,735千円のマイナスであり、資産計上された開発投資に関連する支出557,625千円が主要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは33,618千円のマイナスであり、コミットメントフィーの支払額25,500千円が主要因です。

 

(3) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

研究開発費の資産計上

日本基準において費用処理している一部の研究開発費について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上しています。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ研究開発費が588,293千円減少し、同額の無形資産が増加しています。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは生産活動を行っていませんので、該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当社グループは受注生産を行っていませんので、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

医薬品事業(千円)

501,319

218.5

(注)1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントです。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

連結会計年度

(自 2015年1月1日

至 2015年12月31日)

連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Meiji Seikaファルマ株式会社

200,000

87.2

500,000

99.7

Lee's Pharmaceutical (HK) Limited

24,564

10.7

1,319

0.3

協和発酵キリン株式会社

4,902

2.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

3【対処すべき課題】

(1) 既存開発パイプラインの進捗

当社グループの収益基盤は開発パイプラインの成功にかかっており、既存開発パイプラインであるSP-01、SP-02及びSP-03の開発の確実な遂行及び承認取得が必要不可欠であると考えています。

SP-01は、当社グループにおいて最も開発が進捗しているプロジェクトであり、承認に向けて、中国当局による審査が行われている状況にあります。当社グループの中国開発スタッフが規制当局との情報交換及び折衝を密に行い、規制変更等の情報を可能な限り早く入手し、早期上市に必要な対応策を実施してゆく所存です。

SP-02は、日本をはじめアジア諸国での早期の承認取得を目標とし、国際共同治験を計画どおりに着実に実施してゆく所存です。

SP-03は、日本及び中国での承認申請を完了しており、SP-01同様の規制当局対応を図ることにより、早期の承認取得と上市を目指してゆく所存です。

 

(2) 中国における営業活動及び営業組織の管理

当社グループは、中国における収益確保の手段として、導出モデルと自販モデルを組み合わせています。自販モデルにおける営業活動及びその組織の適切な管理は重要であり、マーケティング部門が当社グループ製品のブランドイメージの構築を行い、薬事部門とともに市販製品に関する規制当局対応などを実施します。さらに、導入元との密な情報交換のもと、中国全土のマーケティング戦略を構築して、それを中国における販売パートナーと共有化して売上促進を図ってまいります。また、主要都市(北京市、上海市、広州市)では、当社中国子会社による営業組織を立ち上げ、中国の規制及び商習慣に合致した営業活動を介して安定した販売規模を確保していく所存です。

 

(3) 新規開発パイプラインの拡充

当社グループにおいて、開発パイプラインの充実は将来の収益に大きく影響します。当社グループのビジネスモデルは臨床試験等の開発行為によって付加価値を高めた製品の導出又は販売であり、当社グループの強みである臨床開発機能を最大限活かすために、臨床試験開始直前の開発早期ステージから承認直前の後期ステージにある開発候補品までをバランスよく導入することを目指してまいります。また、当社グループは、経営資源を抗悪性腫瘍薬及びがん治療補助薬又は医療機器に集約し、がん治療全般に貢献し得る新薬や新医療機器の開発候補品を積極的に探索してまいります。

 

(4) 強固な販売パートナーシップの構築

当社グループの収益確保のモデルは、当社グループにより開発が完了された製品の導出又は販売というプロセスによるものです。各地域で確立された販売網を持つ強力かつ信頼できるパートナー企業への販売権導出を通じてのパートナーシップが極めて重要になります。当社グループは、これら収益化の構築及び強化のため、各事業領域において一定の実績を有するパートナー企業との連携を積極的に推進してまいります。

 

(5) 組織の強化

当社グループでは、いずれの部門も、専門領域の知識及び経験を有するスタッフを採用し、配置することに努めていますが、開発パイプライン拡充による開発活動量の増加及び中国におけるマーケティング・営業活動量の増加に対応するためには、適切な人員増加と効率的な組織編制が重要になってまいります。また、当社グループが継続的に株主の期待に応えられる企業であるためには、年齢、性別を問わずバランスの良い人材配置と蓄積された知識・経験の次世代への伝達が不可欠であると考えられます。当社グループでは、組織の規模を追うことなく、少数の専門スタッフによる組織構築を念頭に、中長期の視点では必要人員の確保、育成及び組織強化に積極的に取り組んでまいります。また、当社グループのビジネスモデルの実践に際しては、当社グループのスタッフと外部専門家及び外部委託機関との連携が不可欠です。今後も、専門性の高い外部専門家及び外部委託機関と対等の協力関係を築くことを重視し、当社グループ人材を中心とする最適なチームを構築してまいります。

 

(6) 内部統制の強化

当社グループは、当社グループのビジネスモデルの実現及び継続のため、事業及び企業規模に応じて、業務執行の妥当性、効率性、企業倫理、法令遵守に留意するとともに、継続的に株主の期待に応えられる企業となるべく、リスク管理及びコンプライアンス管理等の内部統制の徹底を図ってまいります。

 

(7) 資金調達の実施

上記のとおり、企業価値の向上を図るためには、開発パイプラインの強化が必要ですが、一方で開発費やライセンス導入費等の支払いが先行するため、当面の資金負担は増大します。

当社グループは、これまでも製薬企業への開発品導出や新株発行を通じて資金を調達してまいりましたが、今後も事業基盤強化のための資金調達の可能性を検討し、事業活動の継続に支障が生じないように努めてまいります。

4【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記に記載しています。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の判断において重要と考えられる事項は、積極的な情報開示の観点から記載しています。当社グループは、これら事業等のリスクを認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を図り事業活動を行っていますが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。また、当社グループの事業はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、下記の記載はリスクを網羅するものではありません。当社グループは、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、すべての開発が成功するとは限りません。特に販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。

なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 研究開発の失敗に関する事項

当社グループの開発品は、当局による承認審査や臨床試験の最終段階にあります。これら開発品には、今後の開発活動等において主に下記のとおりのリスクが付帯しています。

 

・医薬品等の有効性若しくは安全性に対する、臨床試験等の結果の不確実性

・臨床試験等の開発活動運営の不確実性

・開発活動への投資額や所要期間の不確実性

・法令や規制、規制当局指導の不確実性

・開発品の競合関係の不確実性

・導入や導出、開発委託等の提携関係の不確実性

・開発主体である当社組織の不確実性

・特許侵害等の知的財産権の不確実性

 

これらリスクが顕在化した場合には、当該開発品の開発方針の変更、開発延期、延長又は中止という事態(以下「開発品の中止等」という。)が生じる可能性があります。

開発品の中止等が生じた場合には、当該開発品に対して計画していた将来収益を失うほか、主に以下の事象を生じせしめ、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼすこととなります。但し、開発品の中止等に起因する下記事象は、それを網羅するものではありません。以下は、これら事象により影響を受けると考えられる勘定科目の、過去の連結財政状態計算書の数値です。

(単位:百万円)

第8期

2015年12月期

連結会計年度

第9期

2016年12月期

連結会計年度

決算年月

2015年12月31日

2016年12月31日

棚卸資産

67

無形資産

1,987

2,575

社債(有利子負債)

2,867

負債合計

3,120

271

資本金

2,571

4,053

資本剰余金

2,499

3,929

利益剰余金

△4,071

△4,546

資本合計

998

3,433

※2015年12月期連結会計年度における有利子負債は、すべて無担保転換社債型新株予約権付社債です。これはすべて2016年11月28日に新株予約権の権利行使により株式へ転換されています。

 

 棚卸資産の減損

開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品の棚卸資産の一部若しくは全部が減損されることとなり、連結損益計算書上で減損損失が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。

 

 無形資産の減損

当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品の中止等が生じた場合、かかる開発品に対して計上された無形資産の一部若しくは全部が減損されることとなり、連結損益計算書上で減損損失が計上され、同額だけ連結財政状態計算書上の利益剰余金及び資本合計が減少することとなります。

 

(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項

① 研究開発の不確実性に関する事項

当社グループは医薬品等の開発を主業務としています。近年の診断理論及び技術、また遺伝子レベルでの病因解析に基づいた新薬の効果安全性を予見する技術の向上にもかかわらず、最終的な効果及び安全性は臨床試験での検討あるいは検証を要することから、その成功の可能性は、他産業に比して極めて低いものとされています。これらのことから、一般的に、医薬品等の研究開発期間は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要と考えられています。

医薬品等の開発過程においては、臨床試験結果等に起因して、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止となる場合があります。このことから、研究開発活動の将来性は不確実性を伴っています。

医薬品等の開発は、主に開発を計画して運営する製薬企業、臨床試験を実施する医師及び医療施設、さらに開発プロセスの監督及び承認権限を有する規制当局の三者によって実施されます。製薬企業が科学的根拠に基づき作成した開発計画あるいは臨床試験計画についても、臨床試験を実施する医師の見解あるいは医療施設側において計画どおりに試験が実施できる可能性等によって計画変更を余儀なくされる場合があります。また、規制当局からの要望又は指導等により、当社グループの方針にかかわらず計画の変更を余儀なくされる場合があります。また、医薬品業界は規制業種であり、開発をはじめとする医薬品事業全般には、医薬品医療機器等法や他の法令に基づいて計画・実施することが求められます。法令は定期的又は不定期に変更・改訂される場合があります。これらの要因により、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止を招く場合があり、当社グループの財務状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 導入活動の不確実性に関する事項

当社グループは、開発パイプラインの拡充にあたっては導入の手法を活用しています。近年、世界的に新薬や新医療機器の開発候補品が限られてきており、大手製薬企業等も自らの基礎研究から輩出される新薬や新医療機器の開発候補品に加えて、積極的な候補品導入活動を行っていることから、当社グループの目指す疾患領域であるがん領域における有望な開発候補品獲得において、これら世界的製薬企業等との厳しい競合も想定されます。導入における他社との競合に起因する製品候補品導入の不確実性は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 医薬品等業界の競合関係に関する事項

当社グループの属する医薬品等業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による、研究、開発、製造及び販売の各分野で競争が激しい状態にあります。当社グループの開発パイプラインには、同業他社が同じ適応症で開発を進めている競合品が存在するため、競合品の開発進捗状況あるいはその結果によっては、当社グループ製品の優位性を示せない可能性があり、将来の開発品についても同様です。従って、これら競合相手との、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、当社グループの製品開発や販売が計画どおりに推移しない場合、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 副作用、製造物責任に関する事項

通常、医薬品は本来期待する治療効果とともに、期待されない副作用の両面を併せ持っています。医薬品の安全性は、動物を用いた非臨床試験の中で十分に検討されますが、ヒトに使用した場合、種の違いによる予期できない副作用が発現する可能性は否定できません。また少数例での臨床試験では検出されなかった発現頻度の低い副作用が、当該医薬品の上市後、より多く使用される段階で検出される可能性もあります。

当社グループでは、これら臨床試験中又は市販後の副作用発生による補償又は賠償に対応するために、想定し得る範囲で治験保険あるいは製造物責任保険に加入していますが、補償範囲外の賠償責任を問われる可能性は否定できません。また、重篤な副作用や死亡例の発現は、製品及び企業イメージを大きく損ねることとなり、当該製品以外の事業への影響も考えられます。重篤な副作用の発現等により、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ 医薬品医療機器等法その他の規制に関する事項

当社グループの属する医薬品等業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の医薬品医療機器等法、薬事行政指導、医療保険制度及びその他関係法令等により、様々な規制を受けています。

医薬品等は基礎研究から製造販売承認を取得するまでには、多大な開発コストと長い年月を必要とします。品質、有効性及び安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品等としての有用性を規制当局が認めない場合には、承認が計画どおり取得できず上市が困難になる可能性があります。これは開発品を他社に導出する場合も同様であり、当初計画した条件での導出が行えない可能性、導出そのものが困難になる可能性、導出した場合にその契約内容が変更になる可能性若しくは導出契約が解消される可能性があります。また、当社開発品への承認を取得できた際にも、健康保険の対象として保険収載されない場合や、計画どおりの保険価格が付されない可能性があります。このような事象が生じた場合、また、将来各国の医薬品医療機器等法等の諸規制に大きな変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 当社グループの事業活動に関する事項

① 販売体制の構築及び導出に関する事項

当社グループは、開発品の収益化について、自販モデルと導出モデルの2つの方法を選択採用してゆく方針です。

a 自販モデル

当社グループは、開発品が上市された場合、当社が販売権を有する地域の一部において、自社販売を検討してまいります。しかしながら、期待どおりに自社販売体制を構築できない場合、販売用製品の生産や調達が計画どおりに行えない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

b 導出モデル

当社グループの収益化の方法には、自販モデルのほかに、開発品を開発の途中段階で他社に導出し、一時金や導出先の販売高に連動して収益を受領する導出モデルもあります。しかしながら、開発の遅延その他の理由により計画どおりの時期に導出ができない場合、導出を行った場合において想定できない状況により導出契約の内容が変更となる場合若しくは導出契約が解消される場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。また、導出を予定している開発品に関して、導出そのものが困難になった場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

② 提携関係に関する事項

当社グループは、開発品の導入や導出のほか、研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ最先端技術の取込みを図っています。特に臨床開発部門では、組織の規模拡大を一義とせず、自社では専門性を有する少数の人材を確保するに留め、外部専門家及び外部委託機関との協力・協業によって企業活動を遂行しています。当社グループは、自社の研究開発人員とこれらの提携関係をもって研究開発体制を構築しています。同様に固定費増加の回避等を目的として、将来自社で販売を計画している開発品の販売体制や製品製造・調達体制においても、様々な提携関係を構築しています。これら提携関係のうち、特に重要と考えられる契約は、「5 経営上の重要な契約等」に記載のとおりです。今後も事業基盤の強化、効率的な経営の実現に向けて、広範な提携関係構築を検討してまいりますが、期待どおりに提携関係が構築できない場合、提携関係に想定し得ない変化が生じた場合、提携の効果が当初の期待を下回る場合、若しくは提携関係が当社グループの意図に反して解消された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 会社組織に関する事項

 業歴に関する事項

当社は、2006年に創業し、連結子会社である中国法人は2014年に設立されています。当社グループでは、医薬品等業界又はその他専門分野での経験を有する人材を登用することに努めていますが、企業体としての経験はいまだ浅く、今後予測できない事業上の問題等が発生し、これに対応する人材を確保できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

b 小規模組織に関する事項

当社グループは、医薬品等を取り扱う企業としては小規模組織であるために、役職員一人一人が担当する業務及び責任範囲は相対的に広範となる場合が多く、退職あるいは休職等に対応する補充要員が十分でない環境にあります。今後の事業拡大に伴い、必要な人員増加を図ってまいりますが、多くの人材流出等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

c 人材の確保及び育成に関する事項

当社グループの事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に強く依存しています。そのため、常に必要とされる人材の確保と育成に努めていますが、このような人材確保又は育成が計画どおりに行えない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 事業地域に関する事項

 中国固有のカントリー・リスクに関する事項

当社グループ事業は主にアジアを対象としており、その中心は日本及び中国です。中国の医薬品等産業は中国政府の厳しい監督管理下での規制を受けており、政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動の制約要因となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

b 中国での雇用に関する事項

当社グループは、中国での事業活動に際し、中国人従業員を採用しています。中国の労働環境は、社会制度の違いにより日本に比べて企業による管理が困難な場合があり、従業員の採用、解雇、退職などに関わる人事問題、また、賃金、残業等に関わる給与問題、不正行為等について、対応が困難な局面が生じる可能性があると考えています。当社グループでは、これら労務管理上の諸問題を事前に回避すべく最大限努力する所存ですが、当該事象が顕在化し解決までに長期間を要す場合、又は多額の費用が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 中国の開発活動に関する事項

当社開発品のうち、SP-01は2014年6月に、SP-03は2016年5月に、中国当局に対して承認申請を完了しています。申請から承認までの当局による標準的事務処理期間は、日本や欧米では一定の基準が示されていますが、中国においては当該基準が存在しないため、本書提出日現在、承認時期を特定することはできません。また、現在行われている中国当局における審査過程において、想定し得ない当局の要求を受けるなど、承認時期に重大な影響を及ぼしうる事項が提起される可能性も否定できず、中国におけるSP-01及びSP-03の販売開始時期には相当の不確実性があります。

 

d 中国での自社販売体制に関する事項

当社グループは、開発品が中国で上市された場合、北京市、上海市及び広州市において、自社販売を行うことを計画しています。自社販売体制の人材のうち、主力は医薬情報担当者(Medical Representative:MR)によって構成されることとなります。また、製品の商流構築にあたっては、中国の複数の医薬品等卸業者を活用することとなります。今後、当社開発品の承認審査の状況に応じて、MRの採用や医薬品等卸業者との契約関係構築を行ってまいりますが、これら自社販売体制の構築が期待どおりに行えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 訴訟等に関する事項

当社グループは、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、このような事態が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥ 知的財産権に関する事項

当社グループは研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社グループ所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。しかしながら、出願中の特許が登録に至らない、若しくは特許の一部のみしか登録に至らない可能性があります。また、当社グループが所有又は使用許諾を受けた知的財産権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性や、第三者の知的財産権の侵害に基づく将来の係争を完全に回避することは困難であり、こうした結果、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 情報管理に関する事項

当社グループは、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する社員教育や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制についても強化しています。しかしながら、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は存在し、このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 業績、財務及び資本政策等に関する事項

 財務状況について

当社グループは、医薬品等の研究開発とその販売を業としています。医薬品等の研究開発は多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。現在まで上市した開発品を有していないことから、事業全体としても先行投資の段階にあり、損益計算上の損失計上、収支計算上の営業キャッシュ・フローマイナス計上、利益剰余金のマイナスという状況が継続的に生じています。

これまでの先行投資の結果として、当局への承認申請を果たした開発品やproof of conceptが確認された開発品を保持するに至り、また、このような開発の進捗への評価を通じて資金調達を行ってまいりました。今後、これらの承認獲得、製品上市を通じ、財務状況の改善を図る計画にありますが、「(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項 ① 研究開発の不確実性に関する事項」に記載のとおり製品上市は不確実性を有し、当社グループの計画どおりに製品開発と事業化が進捗しない場合には、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 過年度の業績推移等に関する事項

当社グループは医薬品等の開発を主たる事業としていますが、未だ開発品の上市実績はなく、かつ積極的に研究開発活動に経営資源を投入していることから、下表のとおり、最近5事業年度の損益(単体)はマイナスとなる傾向が続いています。一方で、今後の一定時点において、開発の成功を契機として投下した研究開発費の回収を図り、また損益がプラスに転じる可能性があります。そのため、過年度の財務経営指標は、期間業績比較、今後の当社グループ業績を予測する材料としては不十分な面があります。

回次

第5期

第6期

第7期

第8期

第9期

(単位:百万円) 決算年月

2012年12月

2013年12月

2014年12月

2015年12月

2016年12月

日本基準単体

 

 

 

 

 

売上高

10

11

229

501

経常損失(△)

△581

△878

△844

△1,379

△1,056

当期純損失(△)

△583

△880

△845

△1,380

△1,058

利益剰余金

△2,981

△3,862

△4,707

△6,088

△7,146

現金及び預金

624

441

501

2,077

1,034

国際会計基準連結

 

 

 

 

 

売上収益

11

229

501

税引前当期利益(△損失)

△701

△710

△494

当期利益(△損失)

△677

△643

△474

利益剰余金

△3,427

△4,071

△4,546

現金及び現金同等物

501

2,099

1,038

 

③ 契約に基づく支払義務の負担に関する事項

当社グループは、開発パイプラインに関する提携企業との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先に対する支払義務を負っている場合があります。また、開発費の共同負担や、販売開始後一定額の販売活動経費の投入を行う義務を負う場合もあります。これらの対価の支払形態は、当社グループのような製薬企業の事業の性質上当然のものと認識していますが、当社グループの資本力に比べ金額が高額となる可能性は否定できず、支払時期等の観点から当社グループにとって資金負担が大きくなる可能性もあります。何らかの理由により当社グループがかかる支払義務を履行できない事態が生じた場合は、当社グループは対象となる契約の解除や損害賠償請求等を受ける可能性もあり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 外国為替変動に関する事項

当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外企業とのライセンスや、海外からの製品仕入、海外での研究開発活動等においては、外貨建て取引を行い、債権債務が存在しています。当社グループでは、為替変動に対しては想定し得る範囲でヘッジ手段を講じていますが、急激な為替変動によって当該リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ 無形資産に関する事項

当社グループは、採用する国際会計基準(IFRS)に基づき、開発品への投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、これを連結財政状態計算書上の無形資産として計上する会計処理を行っています。開発品において、「(2) 医薬品等の研究開発事業一般に関する事項」「(3) 当社グループの事業活動に関する事項」に記載のとおりのリスクが顕在化し、開発方針の変更、開発延期、延長又は中止が生じた場合、また当該開発品に対して想定している売上収益と利益を計上できない場合には、資産化された無形資産の全部又は一部を減損する可能性があります。なお、無形資産の残高の総額は、第8期連結会計年度末においては1,987百万円、第9期連結会計年度末においては2,575百万円です。

 

 業績予想に関する事項

当社グループは、連結会計年度毎に業績予想を公表しています。しかし、事業や経済環境の変化及び不確実性等の予測不可能な要因により、これら業績予想や目標を期限内に達成することや、目標を維持することが困難になる可能性があります。

 

⑦ 公募増資の資金使途に関する事項

当社グループが2017年3月に実施した公募増資による調達資金は、主に以下の投資に充当する計画です。

・SP-01及びSP-03販売のための中国自社販売体制整備費用

・SP-01及びSP-03販売のためのマーケティング費用

・SP-02末梢性T細胞リンパ腫適応の当局承認申請に必要な臨床開発費用(日本、韓国、台湾、香港)

・新規開発品導入費用及び開発費用

しかしながら、経営環境の変化に対応するため、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定です。また、計画どおりの投資が行われても想定どおりの効果が得ることができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑧ 資金繰りに関する事項

当社グループは医薬品等の開発を進めるため、多額の研究開発費を必要とします、開発パイプラインの事業化が計画どおりに進展せず、資金不足が生じた場合、新たな提携契約の獲得、既存提携先との契約内容の見直し、新株発行等の方法により資金の確保に努めますが、資金確保のタイミング次第では、医薬品等の開発の継続が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

⑨ 資金調達に関する事項

医薬品等事業においては、多額の研究開発費を要し、その額は研究開発の進捗に応じて増加する傾向にあり、当社グループに資金需要が生じた場合には、増資を中心とした資金調達の実施を検討してまいります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、市場における需給環境の悪化等により機動的な資金調達を行うことができなかった場合には、当社グループの研究開発に係る体制及び計画の見直しを余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

 無配継続等の配当政策に関する事項

当社グループは、創業以来配当を実施していません。また、上記「② 過年度の業績推移等に関する事項」の表記のとおり日本基準の貸借対照表(単体)において利益剰余金のマイナスが継続しており、当連結会計年度末においても、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。将来財政状態が好転した場合、株主への利益還元を重要な経営課題として、その時点における財政状態及び経営成績を勘案しつつ利益配当を検討する所存です。

 

 ベンチャーキャピタルによる株式保有に関する事項

本書提出日現在の当社の発行済株式総数84,045,803株のうち、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が所有している株式数は、30,291,947株で、その所有割合は36.0%です。

一般的に、ベンチャーキャピタル及び投資事業組合による株式の所有目的は、株式上場後に株式を売却してキャピタルゲインを得ることにあるため、当社株主であるこれらのベンチャーキャピタル及び投資事業組合についても、当社株式上場後に所有する株式の全部又は一部を売却する可能性があり、かかる場合には当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

 新株予約権等に関する事項

当社はストックオプション制度を採用しています。当該制度は、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき新株予約権を付与する方式により、当社グループ取締役、監査役、従業員及びアドバイザー等に対して付与することを株主総会において決議されたものです。

これらの新株予約権等の目的となる株式数(以下、潜在株式数という。)は本書提出日現在で合計8,365,622株となり、発行済株式数及び潜在株式数の合計の9.1%に相当します。これらの新株予約権等の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。優秀な人材確保のためには、今後も同様のインセンティブプランを継続して実施していくことを検討しています。従って、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

(5) 大株主伊藤忠商事株式会社との関係に関する事項

伊藤忠商事株式会社(以下、同社という。)は、本書提出日現在、当社議決権の27.2%を所有する大株主であり、その他の関係会社に該当しています。当社は同社の持分法適用関連会社であり、同社を中心とするグループ企業群(以下、同社グループという。)において、エネルギー・化学品カンパニーのグループの一員として、がんの治療及びサポーティブケア(支持療法。がん随伴症状の管理及びがん治療の有害事象の発生予防と管理を行うための療法のこと)にかかる医薬品・医療機器を開発販売する会社と位置付けられています。同社グループと当社との関係は以下のとおりです。

 

① 同社との人的関係

当社は同社より、2名の従業員を当社役員として受入れています。社外取締役安部泰宏は、同社においてライフサイエンス企業への多数の投資経験を有し、ベンチャー企業マネジメントの見地からの提言を期待して招聘しています。社外監査役戸井田祐は、同社において広範な国際業務経験を有しており、クロスボーダー企業としてのコーポレート・ガバナンス実効性に対する監査実施等を期待して招聘しています。

 

② 同社グループとの取引関係

第8期連結会計年度及び第9期連結会計年度における同社グループとの主な取引関係は以下のとおりであり、その取引条件等は、すべて他社の取引条件等を勘案して両社協議のうえ決定しています。

会社の名称

取引の内容

取引金額(百万円)

第8期連結会計年度

(自 2015年1月1日

至 2015年12月31日)

第9期連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日

伊藤忠商事株式会社

無担保転換社債型新株予約権付社債の発行

289

社債利息の支払

11

12

旅費交通費の立替払

2

0

エイツーヘルスケア株式会社

開発業務の委託

87

138

伊藤忠オリコ保険サ-ビス株式会社

保険の購入

1

上記のうち、無担保転換社債型新株予約権付社債の発行は2015年8月の当社の資金調達時に為された取引です。但し、同社引受による社債は、本取引によるものを含め、本書発表日現在、すべて普通株式に転換されています。また、上記損益項目における取引金額の合計は、第期連結会計年度、第9期連結会計年度の販売費及び一般管理費及び研究開発費合計額の10.9%、15.7%を占めています。なお、当社グループの経営上の重要な意思決定において、同社グループの事前承認事項や事前報告事項は存在せず、当社グループの経営方針及び事業展開において、同社からの独立性を阻害する状況にはないものと判断しています。しかしながら、同社は当社の大株主であり、同社の経営方針や当社株式の保有方針等に変更が生じた場合、当社グループの事業展開に影響を与える可能性は否定できず、その場合には当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(開発品コードSP―01)

契約名称

LICENSE AGREEMENT

相手先の名称

Strakan International S.A.

国名

ルクセンブルク

契約対象

SP-01:グラニセトロン経皮吸収型製剤(Sancuso®)(「本製剤」)

契約締結日

2008年5月23日(2008年10月31日、2009年1月5日、2010年7月19日、2015年9月17日改訂)

契約期間

契約締結日より当社にて本製剤を販売開始後10年が経過した日又は特許が満了する日のどちらか遅い日まで

主な契約内容

Strakan International S.A.は、当社に対し、台湾、シンガポール、マレーシア、中国(香港、マカオ含む)における本製剤の独占的開発販売権を付与する。

②当社は、Strakan International S.A.に対して契約一時金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。

 

契約名称

EXCLUSIVE LICENSE AND SUPPLY AGREEMENT

相手先の名称

協和発酵キリン株式会社

国名

日本

契約対象

SP-01:グラニセトロン経皮吸収型製剤(Sancuso®)(「本製剤」)

契約締結日

2010年2月22日(2014年9月30日改訂)

契約期間

契約締結日より各国において協和発酵キリン株式会社にて本製剤を販売開始後10年が経過した日又は特許が満了する日のどちらか遅い日まで

主な契約内容

①当社は、協和発酵キリン株式会社に対し、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、マカオにおける本製剤の独占的開発販売権を付与する。

②協和発酵キリン株式会社は、当社に対して契約一時金をはじめ、各国においての薬価算定マイルストンや売上高の目標達成に応じたマイルストン、又は売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。

 

契約名称

Sancuso® License, Promotional and Supply Agreement

相手先の名称

Lee's Pharmaceutical (HK) Limited

国名

中国(香港)

契約対象

SP-01:グラニセトロン経皮吸収型製剤(Sancuso®)(「本製剤」)

契約締結日

2015年11月25日

契約期間

契約締結日より契約地域においてLee's Pharmaceutical (HK) Limitedが本製剤を販売開始後5年を経過した事業年度の12月31日まで

主な契約内容

①当社は、Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedに対し、中国(北京、上海、広州、香港、マカオを除く)における本製剤の独占的販売権を付与する。

②Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedは、当社に対し、契約一時金をはじめ、販売の開始等に応じたマイルストンを支払う。

 

(開発品コードSP―02)

契約名称

AMENDED AND RESTATED LICENSE AND COLLABORATION AGREEMENT

(2011年3月3日締結のLICENSE AND COLLABORATION AGREEMENTを改訂)

相手先の名称

ZIOPHARM Oncology, Inc.

国名

米国

契約対象

SP-02:darinaparsin(ZINAPAR™, ZIO-101)及びそれに関連する有機ヒ素化合物群(「本製剤」)

契約締結日

2014年7月31日

契約期間

契約締結日より販売開始から10年目、特許が満了する日又は特許以外の規制上の保護期間が満了した時のいずれか遅い日が終了するまで

主な契約内容

①ZIOPHARM Oncology, Inc.は、当社に対し、米国、欧州諸国を含む全世界において、本製剤の適応症を対象とするサブライセンス付与権付き独占的開発販売権を付与する。

②当社は、ZIOPHARM Oncology, Inc.に対して開発着手金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。

 

契約名称

ライセンス契約書

相手先の名称

Meiji Seika ファルマ株式会社

国名

日本

契約対象

SP-02:darinaparsin(ZINAPAR™, ZIO-101)及び関連する有機ヒ素化合物群(「本製剤」)

契約締結日

2015年1月19日

契約期間

契約締結日より本製剤の最初の発売日より10年経過するまで

主な契約内容

①当社は、Meiji Seika ファルマ株式会社に対し、日本におけるサブライセンス付与権付きの独占的開発販売権を付与する。

②Meiji Seika ファルマ株式会社は、当社に対し、契約一時金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。

 

(開発品コードSP―03)

契約名称

LICENSE AND DISTRIBUTION AGREEMENT

相手先の名称

Camurus AB

国名

スウェーデン

契約対象

SP-03:口腔用液状医療機器(episil®)(「本製品」)

契約締結日

2015年3月25日(2016年5月27日改訂)

契約期間

契約締結日より各国において本製品を販売開始後10年間

主な契約内容

Camurus ABは、当社に対し、日本及び中国における本製品の独占的開発販売権を付与する。

②当社は、Camurus ABに対して契約一時金をはじめ、開発の進捗等に応じたマイルストンを支払う。

 

契約名称

ライセンス契約書および販売締結契約書

相手先の名称

Meiji Seika ファルマ株式会社

国名

日本

契約対象

SP-03:口腔用液状医療機器(episil®)(「本製品」)

契約締結日

2016年11月29日

契約期間

初回発売日より10年経過するまで

主な契約内容

①当社は、Meiji Seika ファルマ株式会社に対し、日本における独占的販売権を付与する。

②Meiji Seika ファルマ株式会社は、当社に対し、契約一時金をはじめ、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストン及び売上高に応じた一定率のロイヤリティを支払う。

 

契約名称

episil® LICENSE, PROMOTIONAL AND SUPPLY AGREEMENT

相手先の名称

Lee's Pharmaceutical (HK) Limited

国名

中国(香港)

契約対象

SP-03:口腔用液状医療機器(episil®)(「本製品」)

契約締結日

2017年2月10日

契約期間

契約締結日より契約地域において販売日開始後10年経過するまで

主な契約内容

①当社は、Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedに対し、中国(北京、上海、広州を除く)における本製品の独占的販売権を付与する。

②Lee's Pharmaceutical (HK) Limitedは、当社に対し、開発の進捗や売上高の目標達成に応じたマイルストンを支払う。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、製品開発型のバイオ医薬品企業として、経営資源を医薬品の研究開発活動に集中しています。研究開発費は、当社グループが保有する開発品の臨床試験費用や製剤開発費用等により構成されています。当連結会計年度における研究開発費の金額は475,419千円となりました。この他、パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、588,293千円を無形資産の増加として計上し、当連結会計年度のパイプラインへの投資合計額は1,063,713千円となり、当連結会計年度無形資産残高は2,575,456千円となりました。研究開発活動の具体的な内容は、「1.業績等の概要」に記載のとおりです。今後も、財務状況を勘案しながら研究開発投資を継続し、企業価値の一層の向上に努めてまいります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項3.重要な会計方針」に記載のとおりです。

 

(2) 経営成績の分析

連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。

経営成績

 

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

前期比

(千円)

売上収益

229,466

501,319

271,852

売上総利益

229,466

501,319

271,852

営業利益(△損失)

△702,422

△462,477

239,945

当期利益(△損失)

△643,887

△474,436

169,451

 

当連結会計年度において、当社グループは臨床試験の推進を中心とする、医薬品開発パイプラインの強化に注力しました。開発パイプラインに対し、「6.研究開発活動」に記載のとおり一定の成果を納めるに至りましたが、未だ開発が完了した製品を有しておらず、先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度においての業績は以下のとおりとなりました。

 

(売上収益、売上総利益)

当連結会計年度の売上収益は、開発品SP-02の日本権利導出契約に基づくマイルストン収入及び開発品SP-03の日本権利導出に基づく契約金収入等が生じ、結果として501,319千円の売上収益と売上総利益となりました。売上収益及び売上総利益ともに、前連結会計年度と比べ271,852千円増加しました。

 

(営業損益)

当連結会計年度営業損失は、前連結会計年度と比べ239,945千円減少し、462,477千円となりました。主に売上総利益が上記のとおりの水準に留まったほか、パイプラインの開発強化を目的とする開発投資のうち研究開発費として計上した475,419千円、主に当該開発を推進するための体制整備、株式公開に備える体制整備により発生した販売費及び一般管理費488,377千円の発生により営業損失が生じています。なお、販売費及び一般管理費の内訳は「研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳」に記載のとおりです。

 

(当期損益)

当連結会計年度の当期損益は、上記営業損失計上を主要因として474,436千円の損失となりました。

 

研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳

 

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

前期比

(千円)

研究開発費

473,007

475,419

2,412

販売費及び一般管理費

458,881

488,377

29,495

931,889

963,797

31,907

(内訳)人件費

254,789

294,267

39,477

業務委託費

520,832

511,902

△8,929

その他

156,266

157,626

1,359

 

(研究開発費、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度研究開発費は、前連結会計年度と比べ2,412千円増加し、475,419千円となりました。これは主にSP-02の国際共同治験第Ⅱ相臨床試験の費用発生によるものです。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ29,495千円増加し488,377千円となりました。

 

(資産性費用の無形資産計上)

当連結会計年度において、パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用、導入費用及びかかる資金コストにつき、588,293千円を無形資産の増加として計上しました。当連結会計年度のパイプラインへの投資は、当該無形資産計上額588,293千円と研究開発費475,419千円の合計額1,063,713千円となります。無形資産残高は2,575,456千円となりました。

 

(3) 財政状態、資本の財源及び資金の流動性についての分析

財政状態及びキャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(千円)

当連結会計年度

(千円)

前期比

(千円)

資産

4,119,217

3,704,995

△414,221

負債

3,120,374

271,526

△2,848,847

資本

998,842

3,433,468

2,434,625

営業活動によるキャッシュ・フロー

△699,625

△464,989

234,635

投資活動によるキャッシュ・フロー

△633,332

△557,735

75,597

財務活動によるキャッシュ・フロー

2,933,733

△33,618

△2,967,351

 

資産

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ414,221千円減少し、3,704,995千円となりました。流動資産は1,123,066千円であり、そのうち現金及び現金同等物は1,038,996千円です。非流動資産は2,581,928千円であり、そのうち開発投資にかかる資産計上額である無形資産は2,575,456千円です。

 

負債

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ2,848,847千円減少し、271,526千円となりました。流動負債は227,044千円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は199,596千円です。非流動負債は44,482千円であり、繰延税金負債43,020千円が主要構成要素です。

 

(資本)

当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末と比べ2,434,625千円増加し、3,433,468千円となりました。増加要因は新株発行2,910,959千円によるものです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは464,989千円のマイナスであり、税引前当期損失494,639千円が主要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは557,735千円のマイナスであり、資産計上された開発投資に関連する支出557,625千円が主要因です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは33,618千円のマイナスであり、コミットメントフィーの支払額25,500千円が主要因です。

 

(4) 経営戦略と見通し

当社グループの事業は、医薬品開発パイプラインの強化と収益化を経営戦略の中心に据えて、事業展開を図っています。当社グループはベンチャー企業であり、一般の製薬企業に対し相対的に経営資源に制約があることから、開発成功確率を高めることを最重要視し、体制構築、開発品選定、臨床試験戦略の策定と実行を図っています。具体的な戦略は、「3.対処すべき課題」に記載のとおりの以下を遂行することにあります。

① 既存開発パイプラインの進捗

② 中国における営業活動及び営業組織の管理

③ 新規開発パイプラインの拡充

④ 強固な販売パートナーシップの構築

⑤ 組織の強化

⑥ 内部統制の強化

⑦ 資金調達の実施

上記諸戦略は、すべて戦略目標を中長期に渡り設定しており、当面は継続して推進する所存です。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「3.対処すべき課題」に記載のとおりです。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「4.事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

(7) 重要事象等について

「4.事業等のリスク (4) 業績、財務及び資本政策等に関する事項 ① 財務状況について」に記載のとおり、現在まで上市した開発品を有していないことから、事業全体としても先行投資の段階にあり、損益計算上の損失計上、収支計算上の営業キャッシュ・フローマイナス計上、利益剰余金のマイナスという状況が継続的に生じています。

これまでの先行投資の結果として、当局への承認申請を果たした開発品やPOC(プルーフオブコンセプト)が確認された開発品を保持するに至り、また、このような開発の進捗への評価を通じて資金調達を行ってまいりました。今後、更に、上記財務状況の改善を図るため、開発品の承認獲得、製品上市による事業化を推進する計画にあります。