当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
当中間連結会計期間の経営成績及び分析は次のとおりです。
(1) 業績の状況
経営成績
|
|
前中間連結会計期間 (百万円) |
当中間連結会計期間 (百万円) |
前年同期比(百万円) |
|
売上収益 |
72 |
49 |
△22 |
|
売上総利益 |
2 |
20 |
17 |
|
営業利益(△損失) |
△611 |
△537 |
74 |
|
中間利益(△損失) |
△611 |
△555 |
55 |
当社グループは、販売開始済3製品を含むがん領域医薬品パイプラインの拡充及び育成を中心に事業運営を図っており、当中間連結会計期間は主に以下の事業活動に務めてまいりました。
[開発完了した販売開始済製品]
■Sancuso® (効能・効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐)
・製造所変更に関わる薬事上の諸手続きは完了しております。一方で製造所変更の影響により、当社からの製品出荷に制約が生じています。
■ダルビアス® (効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫)
・2022年に日本で承認され、販売が開始されています。
・現在、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫に引き続く、他のがん種への適応拡大検討を行っております。また本製品の海外権利導出活動も行っております。
■エピシル®(使用目的:がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和)
・2024年12月に中国販売パートナーをLee’s Pharmaceutical (HK) LimitedからChangchun GeneScience Pharmaceutical Co., Ltd.へ変更する契約を締結し、当中間連結会計期間中に同社への出荷を開始しました。また本製品の海外権利導出活動も行っております。
[非臨床試験段階の開発品]
■SP-04(予定する効能・効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害)
・大腸がん患者におけるオキサリプラチンを含む多剤化学療法に起因する末梢神経障害を対象とした、日本を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験(POLAR-A試験及びPOLAR-M試験)の結果に鑑み、当該対象の開発を留保し、タキサン製剤に起因する末梢神経障害を対象とした開発の可能性を探索するため追加の動物試験を実施しております。これまでの動物試験結果で得られた情報をもとに導入元Egetis社と協力して本邦で実施した新たな動物試験において、試験動物の末梢神経障害痛及び神経細胞の病理学的評価においてポジティブな結果が得られたことから、将来の臨床試験も見据え、これらの結果を補強するための新たな動物試験を実施しております。
■SP-05(予定する効能・効果:フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強)
・大腸がん患者を対象とした、日本を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験(AGENT試験)の最終結果として、主要評価項目及び重要な副次評価項目で統計学的に有意な結果を示さなかったことが2022年に判明し、以来、当社は開発を停止しておりました。2024年に、Isofol社がSP-05の開発再開を決定し、当社も日本における開発再開方針を決定しております。
・Isofol社は、本年1月までにAGENT試験事後解析結果とSP-05用量反応性等に関する非臨床試験結果を公表しております。至適ではなかったと考えられるSP-05の投与量と投与タイミングで実施されたAGENT 試験においてSP-05投与群が対照のロイコボリン投与群に比べて抗腫瘍効果は数値的には優位であったという解析結果、また試験実施計画書を厳格に遂行した患者群のみを解析対象とした場合、SP-05投与群が対照のロイコボリン投与群に比べて高い有効性が示されたこと等が報告されております。これらは、今後の第Ib/Ⅱ相臨床試験においてポジティブなデータを得る可能性を高めるものと考えられます。
・本年3月、ドイツ規制当局よりSP-05第Ib/Ⅱ相臨床試験の開始許可を取得し、本年4月にベルリン大学医学部シャリテ病院で患者への投与が開始されました。本年6月には当該試験第Ib相パートの用量漸増第1コホートが完了し、現在第2コホートへの患者登録の待機中です。なお、当社権利地域である日本では、当該試験第Ⅱ相パートからの参画を予定しております。
上記のとおり製品開発品価値向上に努め中長期観点での企業価値向上を図りましたが、短期的損益面においては、製品販売が未だ初期段階にあるため、製品販売利益を超過する医薬品開発先行投資等を継続している状況にあります。このため、当中間連結会計期間の業績は次のとおりとなりました。
(売上収益、売上総利益)
売上収益は、ダルビアス®(SP-02)及びエピシル®(SP-03)製品販売収益等により49百万円生じ、また、売上総利益は20百万円となりました。
研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳
|
|
前中間連結会計期間 (百万円) |
当中間連結会計期間 (百万円) |
前年同期比(百万円) |
|
研究開発費 |
223 |
232 |
8 |
|
販売費及び一般管理費 |
390 |
325 |
△64 |
|
計 |
614 |
557 |
△56 |
|
(内訳)人件費 |
209 |
202 |
△7 |
|
業務委託費 |
224 |
245 |
21 |
|
減価償却費及び無形資産償却費 |
127 |
18 |
△108 |
|
その他 |
52 |
90 |
37 |
(研究開発費、販売費及び一般管理費、営業損益、中間損益)
研究開発費は232百万円発生いたしました。これは主にダルビアス®(SP-02)の原価低減、適応拡大及び中国臨床開発の検討、SP-04動物実験、新規開発品候補への投資によるものです。販売費及び一般管理費は、前中間連結会計期間と比べ64百万円減少し、325百万円となりました。売上総利益より研究開発費と販売費及び一般管理費を減じた営業損益は537百万円の損失となり、中間損益は555百万円の損失となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
|
|
前中間連結会計期間 (百万円) |
当中間連結会計期間 (百万円) |
前年同期比(百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△474 |
△32 |
442 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△0 |
△1 |
△0 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
675 |
672 |
△2 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは32百万円のマイナス(前中間連結会計期間は474百万円のマイナス)であり、税引前中間損失555百万円が主要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは1百万円のマイナス(前中間連結会計期間は0百万円のマイナス)です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは672百万円のプラス(前中間連結会計期間は675百万円のプラス)です。新株予約権行使による株式発行収入688百万円が主要因です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は、ダルビアス®(SP-02)の原価低減、適応拡大及び中国臨床開発の検討、SP-04動物実験、新規開発品候補等への投資を中心に232百万円発生いたしました。なお、製品開発品毎の詳細は、本日別途公表いたしました「製品開発品等の事業状況 (2025年12月期第2四半期)」をご参照ください。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べ501百万円増加し、1,864百万円となりました。流動資産は1,682百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は1,486百万円、営業債権及びその他の債権は26百万円です。非流動資産は181百万円です。
当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べ381百万円増加し、587百万円となりました。流動負債は492百万円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は416百万円です。非流動負債は94百万円であり、リース負債81百万円が主要構成要素です。
当中間連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末と比べ120百万円増加し、1,276百万円となりました。主な増加要因は新株予約権行使による新株発行688百万円であり、主な減少要因は、中間損失555百万円(中間連結会計損失)によるものです。このほか、本年5月に繰越利益剰余金欠損填補を目的として、資本金と資本準備金を合計で3,633百万円減少させる処理を行っております。
該当事項はありません。