第一部 【証券情報】

 

第1 【募集要項】

 

1 【新規発行株式】

 

種類

発行数

内容

普通株式

10,000,000株

完全議決権株式であり、権利内容に何ら制限のない当社における標準となる株式。なお、単元株式数は100株であります。

 

(注) 1 上記株式(以下、「本株式」といいます。)の発行については、2023年8月10日に開催された当社取締役会決議によるものでありますが、2023年10月26日開催予定の当社臨時株主総会(以下、「本臨時株主総会」といいます。)の特別決議による承認決議がなされることを条件としています。

2 振替機関の名称及び住所は次のとおりであります。

名称:株式会社証券保管振替機構

住所:東京都中央区日本橋兜町7番1号

 

2 【株式募集の方法及び条件】

(1) 【募集の方法】

 

区分

発行数

発行価額の総額(円)

資本組入額の総額(円)

募集株式のうち株主割当

募集株式のうちその他の者に対する割当

10,000,000株

3,000,000,000

1,500,000,000

募集株式のうち一般募集

発起人の引受株式

計(総発行株式)

10,000,000株

3,000,000,000

1,500,000,000

 

(注) 1 本株式の募集は、第三者割当の方法によります(以下、本株式の募集を「本第三者割当」といいます。)。

2 発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は会社法上の増加する資本金の額の総額であります。また、増加する資本準備金の額は、1,500,000,000円であります。

 

(2) 【募集の条件】

 

発行価格

(円)

資本組入額

(円)

申込株数単位

申込期間

申込証拠金

(円)

払込期日

300

150

100株

2023年10月31日

2023年10月31日

 

(注) 1 第三者割当の方法により行うものとし、一般募集は行いません。

2 発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は会社法上の増加する資本金の額であります。

3 本臨時株主総会における本臨時株主総会付議議案の承認を条件としております。

4 申込み及び払込みの方法は、本有価証券届出書の効力発生後に、当社と株式会社アドベンチャー(以下、「割当予定先」といいます。)との間で、本株式に係る総数引受契約(以下、「総数引受契約」といいます。)を締結し、払込期日までに下記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。

5 本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合は、割当予定先に対する第三者割当による新株発行は行われないこととなります。

 

(3) 【申込取扱場所】

 

店名

所在地

株式会社旅工房 総務・IRセクション

東京都豊島区東池袋三丁目1番1号

 

 

 

(4) 【払込取扱場所】

 

店名

所在地

株式会社三菱UFJ銀行 西池袋支店

東京都豊島区南池袋二丁目28番10号

 

 

3 【株式の引受け】

該当事項はありません。

 

4 【新規発行による手取金の使途】

(1) 【新規発行による手取金の額】

 

払込金額の総額(円)

発行諸費用の概算額(円)

差引手取概算額(円)

3,000,000,000

30,000,000

2,970,000,000

 

(注) 1 発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。

2 発行諸費用の概算額の内訳は、ストームハーバー証券株式会社への財務アドバイザリーフィー(10,000千円)、弁護士費用(5,000千円)、調査費用(200千円)、登録免許税(10,500千円)、有価証券届出書作成費用(2,000千円)及び信託銀行手数料等(2,300千円)です。

 

(2) 【手取金の使途】

具体的な使途及び支出予定時期につきましては、以下のとおりです。

 

具体的な使途

金額(百万円)

支出予定時期

① 財務基盤強化のための借入金返済資金

1,799

2023年12月

② 事業規模の回復・拡大に向けた人材採用資金

635

2023年11月~2027年5月

③ 事業規模の回復・拡大に向けた広告宣伝資金

536

2023年11月~2026年7月

合計

2,970

 

 

(注) 1 当社は本株式の発行により調達した資金を上記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金等にて安定的な資金管理を図る予定であります。

2 本株式の発行により調達した資金は、上記表中に記載の①から③の優先順位で順次充当いたします。

 

ア.当社グループの事業概要

当社グループは、当社と当社の連結子会社4社(ALOHA 7, INC.、Tabikobo Vietnam Co. Ltd.、PT. Ramayana Tabikobo Travel及び株式会社ミタイトラベル)の計5社によって構成されています。

当社グループは、主に日本国内の個人顧客をターゲットにオンラインでの海外向けを中心とするパッケージ旅行の企画・販売や、航空券の販売、宿泊手配、オプショナルツアーの手配等を行っております。個人向け以外にも、企業や官公庁、学校法人等の法人顧客向けに業務渡航や団体旅行の手配等を行っております。

連結子会社のALOHA 7, INC.は、米国で主に個人顧客向けの宿泊及びオプショナルツアーの手配等を行っており、Tabikobo Vietnam Co. Ltd.は、ベトナムで主に現地企業向けのコンサルティング事業、航空券の販売及び宿泊の手配等を行っております。また、PT. Ramayana Tabikobo Travelは、インドネシアで主に個人顧客向けの宿泊及びオプショナルツアーの手配等を行っております。

 

イ.当社グループの成長戦略及び本資金調達における資金使途

我が国経済は、ウィズコロナの下で徐々に経済社会活動の正常化が進む中で、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、エネルギー資源・原材料価格の高騰、円安の進行等もあり、依然として厳しい経営環境が続いております。

 

旅行業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた世界各国の渡航制限や入国規制等に段階的に緩和の動きが見られました。国内旅行市場は政府の観光支援策等もあり回復基調にある一方で、海外旅行市場は本格回復には至らず、依然として大幅な需要減退が続いております。

このような情勢のもと、当社グループでは、個人旅行事業におきまして、2022年6月より海外の募集型企画旅行の催行を段階的に再開いたしました。採算性を勘案しながら、主にヨーロッパやアメリカを中心とした長距離方面の需要取り込みに努めました。法人旅行事業におきましては、海外・国内の業務出張、国内の団体・MICE(注1)案件等を中心に営業活動を行いました。引続きコスト削減にも注力し、従業員の出向等による人件費の削減、市場の状況に合わせた広告費の圧縮、東京本社の縮小移転による地代家賃の削減等を実施いたしました。

(注1) MICE

企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベント等の総称です。

 

以上の結果、2023年3月期における当社グループの業績は、売上高1,262,255千円(前年同期比13.0%増)、営業損失885,871千円(前年同期は営業損失1,294,945千円)、経常損失910,088千円(前年同期は経常損失1,339,066千円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,045,519千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,568,993千円)となりました。また、2024年3月期第1四半期における当社グループの業績は、売上高は520,780千円(前年同期比148.7%増)、営業損失は128,163千円(前年同期の営業損失は335,426千円)、経常損失は127,078千円(前年同期の経常損失は333,039千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は145,597千円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純損失は338,791千円)となりました。

なお、2023年5月15日付「2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症に対する様々な対策の奏功により旅行業界においても需要の回復の兆しが見えてきておりますが、2024年3月期の業績予想に関しましては、当社グループの主力である海外旅行事業においては、様々な外部環境により、現時点で合理的に算出することが困難であることから、未定とさせていただいております。

 

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大が顕在化した2021年3月期以降、広告宣伝費や支払手数料の削減に加えて、役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業や出向・他社への転籍による削減、希望退職の実施及び東京本社の縮小移転等によるコスト削減を実施いたしました。事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた世界各国の渡航制限や入国規制等に段階的に緩和の動きが見られ、当社グループの主力である海外旅行事業は、未だ本格回復には至らず依然として大幅な需要減退が続いているものの、国外出国者数は段階的に回復しつつあり、今後もこの傾向は続くものと予測しております。したがいまして、当社グループにおける今後の成長戦略といたしましては、海外旅行市場の回復を見据え、海外旅行市場の需要を確実に捉えるための人材採用及び広告宣伝投資を実施し、海外旅行販売の促進・強化を図ってまいります。

 

他方で、当社グループは、2022年5月13日付「2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」にてお知らせしましたとおり、新型コロナウイルス感染症の影響による2年間にわたっての売上高の大幅な落ち込み等により2022年3月期において債務超過となったため、2022年6月29日付で「債務超過解消に向けた取り組みに関するお知らせ」を開示しております。なお、2022年3月期連結会計年度末における当社グループの純資産は△1,743,728千円、2023年3月期連結会計年度末における当社グループの純資産は△1,805,770千円、2024年3月期第1四半期連結会計期間末における当社グループの純資産は△1,531,079千円となっております。

上記のとおり、2022年3月期において債務超過となったことから、株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」といいます。)による2022年6月30日付公表のとおり、2022年4月4日改正前有価証券上場規程第603条第1項第3号の規定に基づき、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となっております。猶予期間は2022年4月1日から2024年3月31日までです(なお、東京証券取引所による2020年4月21日施行の有価証券上場規程等の一部改正により、当該債務超過が新型コロナウイルス感染症の影響に起因するものと認められる場合の猶予期間は、通常の1年から2年に延長されております。)。仮に債務超過の状態が2024年3月31日まで継続した場合、当社は上場廃止となり、株主の皆様はもとより、債権者を始めとする利害関係者の信頼を著しく損なう結果となり、当社グループの事業継続に支障をきたしかねません。

 

また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により2021年3月期以降売上高が急激に減少したことから、2022年3月期以降、重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。下記①~③の対応策の実施により、事業面及び財務面での安定化を図り、当該事象又は状況の解消・改善に努めておりますが、これらの対応策等は実施途上であり、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められることから、2022年3月期及び2023年3月期の連結財務諸表において継続企業の前提に関する事項を注記しております。

以上のような状況から、2022年8月12日付、同年11月14日付、2023年2月14日付及び同年5月15日付「債務超過解消に向けた取り組みの進捗状況について」に記載のとおり、2024年3月期連結会計年度中に債務超過を解消すべく、以下の対応策を実行することにより、抜本的な経営改善及び財務基盤の安定化に取り組んでおります。

 

① 徹底的なコスト削減

新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大が顕在化した2021年3月期以降、販売費及び一般管理費の見直しを行っており、広告宣伝費や支払手数料の削減に加えて、役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業や出向、他社への転籍による削減などを実施しました。2023年3月期においては、さらなる固定費圧縮と人員数適正化のため、希望退職の実施及び東京本社の縮小移転を行いました。

その結果、当社グループにおける販売費及び一般管理費は、2021年3月期2,244,442千円、2022年3月期1,548,771千円(2021年3月期比695,671千円減、31.0%減)、2023年3月期1,285,078千円(2022年3月期比263,692千円減、17.0%減)と推移しており、コスト削減につきましては順調に進捗しております。

2024年3月期以降も、売上高に見合った販売費及び一般管理費となるよう引続きコストコントロールを実行してまいります。

 

② 海外旅行市場回復を見据えた収益確保の準備

当社グループは従来、海外旅行商品を強みとしてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、世界各国において海外渡航制限や行動制限等の措置が取られるなど、海外旅行商品の販売に関して厳しい状況が続いておりました。しかしながら、足元の状況として、海外渡航に関する様々な明るい兆しが見え始めております。このような状況を踏まえ、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大前に当社グループの収益の中で大きな比率を占めていた海外旅行商品の販売に資源を集中しており、2024年3月期以降は人員の新規採用や広告宣伝費の投下の拡大により、取扱高の伸長と業績の改善を図ってまいります。

 

③ 資金の確保

2023年3月期連結会計年度末における現金及び預金は827,908千円と、2022年3月期連結会計年度末比1,990,959千円減少しております。総額1,799,000千円の当座貸越契約等に関しては契約期限が2023年8月末となっておりますが、取引銀行とは継続的に支援いただくための協議を行っており、契約期限の延長の可能性は高いものと考えております。後記のとおり、本第三者割当においては、①財務基盤強化のための借入金返済資金、②事業規模の回復・拡大に向けた人材採用資金、③事業規模の回復・拡大に向けた広告宣伝資金を資金使途としているところ、本第三者割当により調達した資金のうち1,799百万円を「①財務基盤強化のための借入金返済資金」として、上記総額1,799百万円の当座貸越契約等による借入金全額の返済に充当する予定です。また、資本増強のために、2022年8月に第三者割当による第3回新株予約権を発行しました。当該新株予約権による調達予定金額(差引手取概算額)は4,110百万円であり、①社会保険延納分の納付資金として390百万円(支出予定時期2022年8月~2023年1月)、②財務健全化に向けた借入金の返済資金として3,720百万円(支出予定時期2023年1月~2023年9月)を資金使途としております。2024年3月期第1四半期連結会計期間末時点までの間に、当該新株予約権の行使により1,375百万円を調達しており、そのうち①社会保険延納分の納付資金として390百万円、②財務健全化に向けた借入金の返済資金として

985百万円を充当しております。当該新株予約権の付与総数は60,000個であり、2023年8月10日現在における未行使残数は22,077個であります(なお、当社は、本日開催の取締役会において、当該新株予約権の未行使残個数の全てを取得及び消却することを決議しております。詳細は、当社が本日公表した「第3回新株予約権(行使価額修正条項付)の取得及び消却に関するお知らせ」をご参照ください。)。

 

 

他方で、当社は、2022年2月4日付「当社グローバル・アライアンス部門におけるGo To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査委員会設置のお知らせ」、2022年3月2日付「当社グローバル・アライアンス部門におけるGo To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査委員会からの調査報告書の受理について」及び同日付「(追加)当社グローバル・アライアンス部門におけるGo To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査委員会からの調査報告書の受理について」に記載のとおり、当社グローバル・アライアンス部門において、当社が法人顧客から提案され販売した受注型企画旅行商品(以下、「本件旅行商品」といいます。)についてGo To トラベル事業のルールに適合しない取引が存在したという疑いが生じたことから、Go To トラベル事業給付金の受給申請に関し、2022年2月4日に調査委員会を設置し、2022年3月2日に当該調査委員会から調査報告書を受領いたしました。当該調査報告書においては、本件旅行商品に関し、実際に宿泊しなかった旅行者(不泊者)が多数存在したこと、及び宿泊付帯商品料金(研修料金)が宿泊付帯商品(研修)の内容又は原価に比して著しく高額であった可能性が高いという事実が認められたものの、当社が取引先の利得目的のために利用されたという可能性はあっても、少なくとも、当社が自ら本件旅行商品の不適切な催行実態に加功し又は積極的に関与したとまでは認められない旨の調査結果の報告がなされました。

その後、当社は、2022年3月16日付「当社グローバル・アライアンス部門におけるGo To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査報告書を受けた再発防止策の策定及び関係役員の処分並びに役員報酬の一部自主返上に関するお知らせ」に記載のとおり、当該調査報告書における指摘事項及び提言を真摯に受け止め、再発防止策を策定の上、実行してまいりました。また、2022年3月17日付「過年度決算訂正および2022年3月期第3四半期決算発表に関するお知らせ」に記載のとおり、同日付で過年度の有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書を関東財務局長に提出いたしました。

その後、2023年1月11日付「2022年3月2日に受領したGo To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査報告書の調査結果に関する一部再検証に係る検証委員会設置のお知らせ」及び2023年2月10日付「2022年3月2日に受領したGo To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査報告書の調査結果に関する一部再検証に係る検証委員会からの検証報告書の受理について」に記載のとおり、外部機関より、前回調査の対象となった事項のうち売上計上に関する事実関係(資金循環の有無やその内容、当社の役員の関与又は認識等)についてより深度のある調査をすべきとの指摘がなされましたため、当社は、2023年1月11日に検証委員会を設置し、2023年2月10日に当該検証委員会から検証報告書を受領いたしました。当該検証報告書においては、前回の調査報告書における上記調査結果を覆す証拠は特段検出されなかったものの、本件旅行商品の販売取引のスキームは、当社を起点とした資金循環によりGo To 給付金の支給要件を満たす取引を行って、専らGo To 給付金と地域共通クーポン券の支給を受けることを目的としたものとみるべきであり、少なくとも資金循環取引による売上の過大計上という側面では、当社がスキームの中で唯一資金負担リスクを負って資金循環取引を行っており、スキーム全体で中心的な役割を担って資金循環取引に加担したとの評価は免れないこと、また、本件旅行商品の売上が計上された2021年3月期の第3四半期報告書及び有価証券報告書が提出された時点において、当時の取締役ら3名は、当社を起点とする資金循環を認識し又はこれに関与していたと認められる旨の検証結果の報告がなされました。当社は、当該検証結果を踏まえて、2022年3月17日付提出に係る過年度の有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書における提出理由の内容を訂正し、2023年4月13日に再度訂正報告書を関東財務局長に提出いたしました。

当社は、2023年2月27日付「再発防止策に関するお知らせ」及び2023年7月3日付「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」に記載のとおり、当該検証報告書における検証結果を真摯に受け止め、以下の再発防止策を実行しております。

① 経営責任の明確化

上記Go To 給付金の支給を目的とした資金循環取引(以下、「本件資金循環取引」といいます。)に関与した取締役3名のうち、CFOを含む2名の取締役は2022年3月期に既に退任しており、代表取締役会長兼社長であった高山泰仁氏は2023年2月に取締役を辞任しております。当社は、高山氏の辞任に伴い会長職を廃止し、新しい代表取締役社長には、コーポレート部門出身であり、本件資金循環取引が開始された当時、取締役に就任しておらず、本件資金循環取引の懸念点について当時のCFOに相談を行っていた岩田静絵氏が就任しております。

 

② 指名・報酬委員会の設置

取締役の指名・報酬等に関する手続きの客観性・透明性を確保するために、任意の指名・報酬委員会を2023年3月15日の取締役会にて設置いたしました。2023年6月開催の定時株主総会では、この指名・報酬委員会の答申を得た取締役候補を提案いたしました。また、その報酬額においても、同委員会の答申を得たものとしております。

③ 経営幹部の会計リテラシーと会計不正リスク感度の向上

当社の会計監査人、他の監査法人、アドバイザリー会社が開催しているセミナー等の知見を獲得する機会について、コーポレート部門にて広く情報収集し、執行役員以上の経営幹部は、少なくとも半期に一度を目安にセミナー等を受講し、また、そのようなセミナー等を受講した役職員が、受講しなかった役職員に対して情報共有するための機会を設定するようにいたします。現在は、社内においてセミナー等の開催状況の確認や受講すべき重要論点の整理等を行っており、2023年9月末までにセミナー等の受講を開始する予定です。

④ CFO(コーポレート管掌取締役)の職責の限定

当社のコーポレート管掌取締役が所管する範囲が広範囲に及ぶため、2023年6月開催の定時株主総会において新たに朝居宏文氏を選任し、コーポレート企画、IR、人事を委譲しており、2023年9月までに法務・コンプライアンスを所管するスキルとリテラシーのある執行役員クラスの人材を採用する予定です。営業サポートに関しては、営業部門に移設することで、コーポレート管掌取締役の直接的な所管範囲を財務、営業経理、経理に限定いたします。

⑤ 監査法人との連携の強化

現在の会計監査人とのコミュニケーションは、半期に1回の経営者ディスカッション(代表取締役、財務管掌取締役)及び営業部門取締役ヒアリング、四半期毎のCFOヒアリング(財務管掌取締役)、その他経理財務の実務担当者との会計監査の中で、主に前四半期会計監査の中で課題認識されたことや不正に対する意識などにフォーカスした議論を行っておりましたが、これらに加えて、取締役会で決議される金額の重要性が高い与信設定の取引や、過去の取引とは異質の新規の取引などの当四半期で新たに発生した議題にフォーカスしたディスカッションを2023年4月より、監査法人とコーポレート管掌取締役、経理及び財務の実務担当者等との間で開始しており、今後も四半期毎に当該ディスカッションを実施してまいります。

⑥ 営業部門とコーポレート部門の職務分掌の運用徹底

営業部門の業務を行っていないかに関するヒアリングを2023年3月より、内部監査部門からコーポレート部門の従業員に対して開始しております。今後もこのようなヒアリングを四半期決算月(6月、9月、12月、3月)毎に実施し、内部監査部門によるコーポレート部門及び営業部門の従業員に対するモニタリング・啓蒙を行ってまいります。

上記のとおり、当社グループにおける再発防止策の対応状況は、順調に進捗しており、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化に取り組み、ステークホルダーの皆様の信頼回復に努めてまいります。

 

以上のような状況下において、当社は、間接金融からの調達のみならず、直接金融からの調達も含め、資金調達方法を模索してまいりました。そのような中、2023年6月頃、当社と同じ旅行業界に属する事業会社であり、以前から当社株主として当社事業に様々な支援をいただいている割当予定先より、本株式を引き受ける意向を有している旨の申出がありました。当社は、割当予定先に対し、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響等を含む当社の置かれた事業環境及び財務状況等のほか、本第三者割当の目的、資金使途、当社が希望する資金調達スキーム等について説明を行い、割当予定先との間で協議・検討を進めた結果、割当予定先より、本第三者割当についてさらに積極的に協議・検討を進めたい旨の回答を得ました。

 

そこで、当社は、割当予定先に対し、本株式の保有方針について確認したところ、当社グループを長期的及び戦略的に支援することを目的とした戦略的投資として本株式を長期保有する方針である旨の回答を得ました。また、割当予定先は、航空券等の旅行商品の比較・予約サイト「skyticket」等を中心に事業を運営しているところ、今後の戦略として、国内旅行事業を引き続き強化した上で、海外旅行事業として海外ツアーを開始し、さらに東南アジア及びグローバル領域に進出していくことを定めております。一方で、当社グループは、主に日本国内の個人顧客をターゲットにオンラインでの海外向けを中心とするパッケージ旅行の企画・販売や、航空券の販売、宿泊手配、オプショナルツアーの手配等を行っており、個人向け以外にも、企業や官公庁、学校法人等の法人顧客向けに業務渡航や団体旅行の手配等を行っております。また、当社グループの連結子会社ALOHA 7, INC.は、米国で主に個人顧客向けの宿泊及びオプショナルツアーの手配等を行っており、Tabikobo Vietnam Co. Ltd.は、ベトナムで主に現地企業向けのコンサルティング事業、航空券の販売及び宿泊の手配等を行っております。また、PT. Ramayana Tabikobo Travelは、インドネシアで主に個人顧客向けの宿泊及びオプショナルツアーの手配等を行っております。

割当予定先の販売手法は、基本的にオンラインシステム上で予約が完結する手法であるのに対し、当社の販売手法は、オンラインシステム上で集客し、お客様からメール・電話での問合せを受け、コンシェルジュが直接お客様とやり取りをしてツアーの内容をカスタマイズして販売する手法であり、両者の販売手法は異なっております。現時点において提携関係を強化することにより、割当予定先にとっては今後注力予定の海外旅行事業において当社からのノウハウ・協力を得られ、当社にとっては財務面・事業面での長期的支援が得られるとともに販路拡大・新規顧客開拓が期待できることから、両社のスピーディな事業拡大に資するものであると考えております。

このように、当社グループは割当予定先が今後の戦略として定める海外ツアー運営、東南アジア及びグローバル展開に強みを有していること、当社としては本第三者割当によって割当予定先から財務面のみならず今後事業面においても長期的・戦略的な支援をいただくことが期待できること、かかる観点から本第三者割当は両社の事業基盤の強化・発展に資するものであり事業上のシナジーが期待できると考えられること等に鑑み、割当予定先との間で協議・検討を進めた結果、割当予定先の保有方針及び本資金調達スキームは、当社の置かれた事業環境及び財務状況等を十分に理解した上で現状の当社の資金調達ニーズを満たすものであると判断し、本株式の割当予定先として選定いたしました。

なお、当社は、割当予定先との間で、2023年8月10日付で株式引受契約(以下、「本株式引受契約」といいます。)を締結する予定であり、かかる引受契約において、割当予定先には当社非常勤取締役1名を指名する権利が付与される予定です。割当予定先から取締役の指名がなされた場合には、取締役の選任及び報酬額等につき、当社の指名・報酬委員会において審議を行い、当社取締役会に答申を行う予定です。また、本株式引受契約においては、本臨時株主総会にて割当予定先が合理的に満足する内容の役員選任(上記のとおり割当予定先が指名する非常勤取締役1名の選任を含みます。)について普通決議による承認を得ることが定められる予定です。加えて、本株式引受契約においては、以下の各号に定める事項を行う場合には、当該事項について決定する2週間前までに、割当予定先に対して、当該事項に関して割当予定先が合理的に満足する内容を記載した書面により報告しなければならない旨が定められる予定です(事前報告事項)。

(1) 定款、取締役会規則その他重要な社内規程の制定・変更・廃止

(2) 子会社の設立、新規事業の開始又は既存事業の縮小、停止若しくは廃止

(3) 解散又は法的倒産手続の開始の申立、又は私的整理の開始

(4) 剰余金の配当又は自己株式若しくは自己新株予約権の取得

(5) 株式若しくは潜在株式の発行又は処分その他既存株主の持株比率(潜在的持株比率を含む。)に影響を与える行為又は合意

(6) 資本金の額の増加若しくは減少又は準備金の額の増加若しくは減少

(7) 合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付その他の組織再編行為、事業の全部若しくは一部の譲渡若しくは譲受け(事業の全部又は一部の賃貸、経営の委任その他これらに準ずる行為を含む。)、又は、他の会社(子会社及び関連会社を含む。)の株式又は持分の取得若しくは譲渡その他の処分

(8) 第三者との資本提携若しくは業務提携又はその解約若しくは変更

(9) 新たな事業計画及び予算の策定、又は買主に開示済みの既存の事業計画又は予算の重要な変更

(10) 会計処理の方法、原則、実務又は方針の重要な変更

(11) 第三者に対する金銭の貸付けその他信用の供与

(12) 債権又は権利の放棄又は免除

(13) 1件あたり1,000万円を超える資産その他重要な資産の取得、売却、賃貸、賃借、担保設定その他の処分又は設備投資

(14) 重要な知的財産の取得、売却、使用許諾、担保設定その他の処分、及び重要な知的財産に関する契約又は取引の開始、終了又は条件の修正・変更

(15) 第三者からの借入れ、社債の発行、債務の引受(但し、過去の業務遂行と矛盾しない通常の業務遂行の範囲内で行われるものを除く。)、債務の保証その他これらに準じる債務負担行為

(16) 重要な契約等(1年あたりの取引金額が1,000万円以上となる、又は1年あたりの取引金額が1,000万円以上となることが合理的に見込まれるものに限る。)の締結、変更、修正、解約、解除又は終了

(17) 取締役及び監査役の選任又は解任

(18) 役職員の賃金又は報酬の変更、役員賞与又は役員退職慰労金の支給、その他従業員等の福利厚生制度の開始、終了又は条件の修正・変更(但し、従業員について過去の業務遂行と矛盾しない通常の業務遂行の範囲内で行われるものを除く。)

(19) 重要な使用人の選任、重要な人事異動又は使用人の解雇

(20) 訴訟等の提起若しくは手続の開始、和解その他判決によらない訴訟等の終了又はその他の訴訟等に関する重要な方針の決定

(21) 1件あたり1,000万円を超える損害賠償債務、補償債務その他これらに準じる債務の負担をする旨の合意又はその支払

(22) 前号までのほか、発行会社の事業、資産、財務状態、経営成績、キャッシュフロー、将来の収益計画若しくは収益の見通し等に重大な悪影響を及ぼす可能性のある事項

 

前述のとおり、2024年3月期第1四半期連結会計期間末における当社グループの純資産の額は△731,950千円であるところ、本株式の発行により純資産の額が約30億円増加することとなります。また、2024年3月期の業績予想は、現時点で合理的に算出することが困難であることから未定としておりますが、旅行業界において需要の回復の兆しが見えてきており国外出国者数も段階的に回復しつつあることから、特段の事情がない限り、本第三者割当の実行により2024年3月期連結会計年度中において債務超過が解消されることが見込まれます。

 

以上のとおり、今後の当社の成長戦略を実行していくため、速やかに自己資本を拡充し財務基盤を強化するとともに、海外旅行市場の需要を確実に捉えるための当社の成長資金を確保し企業価値の向上を図ることを目的として、本資金調達を実施することを決定いたしました。

 

 

本資金調達における資金使途の具体的な内容につきましては、2024年3月期連結会計年度中に債務超過を解消し、今後の収益改善・業績向上を図るための必要資金として、以下のとおり、①財務基盤強化のための借入金返済資金、②事業規模の回復・拡大に向けた人材採用資金、③事業規模の回復・拡大に向けた広告宣伝資金に充当する計画です。

 

① 財務基盤強化のための借入金返済資金 1,799百万円

2024年3月期第1四半期連結会計期間末における当社グループの有利子負債残高は2,299百万円であり、本株式による調達資金のうち、1,799百万円を財務基盤強化のための借入金返済資金に充当する予定です。

上記のとおり、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により2021年3月期以降売上高が急激に減少したことから、2021年3月期に当社グループの運転資金として金融機関より30億円の借入を実行しており、金融機関との間では、利息以外の支払猶予を受けながら継続して協議及び分割弁済を行っております。現時点では金融機関から即時の返済を求められておりませんが、今後、アフターコロナにおける海外旅行市場の需要回復を確実に捉え、業績回復及び事業拡大に向けて海外旅行販売の促進・強化を着実に実行していくためには、有利子負債の圧縮及び自己資本比率を高め、将来における借入余力を確保する必要があります。したがいまして、本株式による調達資金のうち1,799百万円を借入金の一部繰上返済及び分割返済に充当し、負債と資本のバランスを保つことで、財務構造の健全化を進めてまいります。

 

② 事業規模の回復・拡大に向けた人材採用資金 635百万円

当社は、前述のとおり2021年3月期以降、広告宣伝費や支払手数料の削減に加えて、役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業や出向、他社への転籍、希望退職の実施、東京本社の縮小移転等によるコスト削減に取り組んでおり、引き続き、売上高に見合った販売費及び一般管理費のコストコントロールに努めてまいります。一方で、アフターコロナにおける海外旅行市場の需要回復を確実に捉え、業績回復及び事業拡大に向けて海外旅行販売の促進・強化を着実に実行していくためには、今後の当社事業の遂行・拡大に必要な人材採用資金を十分に確保する必要があります。2023年6月30日時点における当社の従業員数は正社員71名、臨時従業員14名であるところ、海外旅行予約の人員増員を計画しており、具体的には、正社員147名程度の採用を予定していることから、本株式による調達資金のうち、635百万円を当該増員予定の従業員の人材採用資金に充当する予定です。

 

③ 事業規模の回復・拡大に向けた広告宣伝資金 536百万円

当社は、前述のとおり2021年3月期以降、広告宣伝費や支払手数料の削減に加えて、役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業や出向、他社への転籍、希望退職の実施、東京本社の縮小移転等によるコスト削減に取り組んでおり、引き続き、売上高に見合った販売費及び一般管理費のコストコントロールに努めてまいります。一方で、アフターコロナにおける海外旅行市場の需要回復を確実に捉え、業績回復及び事業拡大に向けて海外旅行販売の促進・強化を着実に実行していくためには、当社サービスの認知度・ブランド力向上及び新規顧客獲得のために必要な広告宣伝資金を十分に確保する必要があります。具体的には、海外旅行販売の促進・強化のための広告宣伝投資として、リスティング広告やメタサーチ出稿等を実施することにより、当社サービスの認知度・ブランド力を高め、新規顧客獲得及び中長期的な収益基盤のさらなる拡大を図ることを予定しております。したがいまして、本株式による調達資金のうち、523百万円を当社サービスの認知度・ブランド力を高め、新規顧客獲得及び中長期的な収益基盤のさらなる拡大を図るための広告宣伝資金に充当する予定です。