当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループは、「国際交流の発展及び世界平和に貢献することと同時に、全従業員及び関係者の物心両面の充足と幸福を追求する」ことを経営理念として掲げております。旅行業を通じて国際間における人的交流の促進に寄与することが、我が国と諸外国間における国際交流の発展につながり、ひいては世界平和の実現に貢献できるとの理念のもと、当社グループの事業を推進してまいります。
また、持続的な事業の発展と公正な利益分配を通じて、株主の皆様、従業員、旅行者、取引先といった全てのステークホルダーの物心両面の充足と幸福実現を追求してまいる所存です。
当社グループでは、事業規模拡大の観点から、売上高及び売上総利益の額とそれらの成長率を重要な経営指標と位置付けております。また、事業の収益性と企業価値の向上を目指すべく、営業利益、経常利益及び1株当たり当期純利益の額とそれらの成長率についても重要な経営指標と認識しております。
当社グループの主力事業である個人旅行事業においては、オンライン販売の利点と「トラベル・コンシェルジュ」による柔軟な対応を組み合わせた「ハイブリッド戦略」により事業を拡大させてまいりました。
今後も「ハイブリッド戦略」を拡大・深化させることが国内及び海外の個人旅行市場におけるシェア拡大につながるという考え方から、システム投資によりオンライン販売システムの利便性を高めつつ、商品企画の強化や人材の採用・教育の強化を通じて、旅行商品の充実と「トラベル・コンシェルジュ」による付加価値の高い商品提案を実現させてまいります。あわせて、認知度向上によるさらなる顧客基盤の拡大を目指して、様々なマーケティング施策を積極的に実施してまいります。
また、事業ポートフォリオの多様化を図るべく、法人旅行事業とインバウンド旅行事業についても、引続き強化してまいります。
足元では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた世界各国の渡航制限や入国規制等が段階的に緩和され、旅行需要回復に向けた動きが加速しております。国内旅行市場におきましては、政府の観光支援策等も寄与し、旅行者数は本格的な回復に向かっております。しかしながら、当社グループが主力事業とする海外旅行市場におきましては、旅行者数の回復は緩慢であり、2019年と比較して大幅な需要減退が継続しております。また、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、エネルギー資源・原材料価格の高騰、円安の進行等、旅行業界を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
中長期的には、日本国内の少子高齢化と人口減少が進む一方、新興のオンライン旅行会社の参入や成長により、国内の旅行業界の競争は激化することが予想されます。また、スマートフォン等の通信端末の進化や新たなオンラインメディアの誕生により、これまでとは異なるマーケティング機会や新たな技術が日々登場しております。
当社グループは以下のような課題に対処すべきと認識しています。
なお、以下に記載する課題は、当社グループとして対処すべき優先順位が高いと考えるものから順番に記載しております。
当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は2,299,000千円であり、純資産は△1,851,607千円と多額の債務超過に陥っております。このような状況の中、当社グループとしては、事業運営の安定化及び今後の事業展開に向けた財務基盤の健全化のため、徹底的なコストの削減、資金の確保を軸とした対策を進めております。
(コンプライアンス体制の強化)
当社は、2023年1月に昨年度実施したグローバル・アライアンス部門におけるGo To トラベル事業給付金の受給申請に関する調査の再調査を行いました。検証委員会からの報告書を受け、2023年2月より以下のとおり再発防止策の取り組みを進めております。
1.経営責任の明確化
本受給申請の対象となった取引に関与した取締役は全員退任となりました。当該取引の懸念点を当時のCFOに対して相談するなど、リスク感度が高く、適正な判断力を持っていると考えられる岩田取締役が新社長として2023年2月28日付けで就任いたしました。
2.指名・報酬委員会の設置
取締役の指名・報酬等に関する手続きの客観性・透明性を確保するために、任意の指名・報酬委員会を2023年3月15日の取締役会にて設置いたしました。
3.経営幹部の会計リテラシーと会計不正リスク感度の向上
当社の会計監査人、他の監査法人、アドバイザリー会社が開催している会計リテラシーや会計不正事例の理解を高める内容を含むセミナー等の知見を獲得する機会について、コーポレート部門にて広く情報収集し、執行役員以上の経営幹部は、少なくとも半期に一度を目安にセミナー等を受講し、また、そのようなセミナー等を受講した役職員が、受講しなかった役職員に対して情報共有するための機会を設定するようにいたします。
4.CFO(コーポレート管掌取締役)の職責の限定
当社のコーポレート管掌取締役は、所管する範囲が財務、営業経理、経理、コーポレート企画、人事、法務・コンプライアンス、総務・IR及び営業サポートと広範囲に及ぶため、コーポレート管掌取締役の直接的な所管範囲を財務、営業経理、経理に限定し、会計に重要な事象に関して慎重に検討する時間を確保できる体制を構築いたします。その一環として、第29回定時株主総会において、新しい取締役1名を選任いたしました。
5.監査法人との連携の強化
従前より行っている会計監査人とのコミュニケーションに加え、取締役会で決議される金額の重要性が高い与信設定の取引や、過去の取引とは異質の新規の取引などの当四半期で新たに発生した議題にフォーカスしたディスカッションを2023年4月より四半期毎に行っております。
6.営業部門とコーポレート部門の職務分掌の運用徹底
内部監査部門がコーポレート部門の従業員に対して営業部門の業務を行っていないかに関するヒアリングを四半期毎に行います。これは、チェック機能を果たすべきコーポレート部門の役職員が営業部門の作業を支援するような状況が発生しないようにモニタリングするためです。また、コーポレート部門及び営業部門の従業員に対し、職務分掌の運用を徹底するための啓蒙を行っております。
上記のとおり再発防止策に取り組んでおりますが、引き続き上記の再発防止策を含めた内部統制システムの運用の徹底に努め、コンプライアンス体制の強化を進めてまいります。
旅行の申込み方法ではインターネットが最も多く、スマートフォン等の情報端末の進化や電子商取引市場の拡大を勘案すると、今後もインターネット経由での売上が増えることが予想されます。当社グループでの旅行商品の取扱いはインターネットを通じたオンライン販売が中心であり、インターネットを利用して旅行商品を購入する消費者の割合が増えれば当社グループの対象マーケットは拡大し、当社グループの今後の成長に寄与することが見込まれます。当社グループでは、すでにシステム上で予約が完結する「オンライン・パッケージ」システムを稼働させており24時間の自動予約に対応しておりますが、旅行商品データベースの充実やサーバの機能増強等、引き続きオンライン予約システムの機能強化を推進してまいります。また、情報端末の多様化への備えや画面上でユーザーが見やすく使い勝手の良いウェブサイト作りに取り組む等、利便性の高いウェブサイトの構築を進めてまいります。
スマートフォン等の情報端末や技術の進化、日々の生活へのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の浸透、新たなオンラインメディアの登場等により、消費者のインターネット上での購買行動が変化していくことが予想されます。その結果、中長期的には、これまでのインターネット上での広告手法や旅行系のポータルサイトを通じた集客が通用しなくなり、これまでとは異なるマーケティング手法への対処が必要となるものと考えております。当社グループでは今後のマーケティングの進化を課題と位置づけ、従来の手法にとらわれない新たなマーケティングの方法を模索していきます。
お客様に素晴らしい旅行体験を提供するためには、「トラベル・コンシェルジュ」の教育と採用が必要不可欠です。高いスキルを持った優秀な「トラベル・コンシェルジュ」を確保し、その能力を高めることが当社グループの喫緊の課題であると認識しております。現状は、新型コロナウイルス感染症の影響による業績不振等で社内人材が減少しているため、人材の確保に力を入れております。
また、オンラインでの旅行商品販売が拡大するにつれ、システムによるオンライン予約だけでは対応できない潜在ニーズに応えるために、当社グループの特徴である「トラベル・コンシェルジュ」による接客の重要性は高まっていくと考えております。当社グループでは、「トラベル・コンシェルジュ」の教育を行う専門のセクションを設け、継続的な研修実施や外部講師の招聘等により「トラベル・コンシェルジュ」の接客力・対応力向上に努めております。新型コロナウイルス感染症などの影響で当連結会計年度は実施できておりませんが、海外旅行に関する個々の「トラベル・コンシェルジュ」の提案力を高めるため、随時、海外研修に派遣して現地を実際に体験することにより、実践的かつ具体的な旅のアドバイスにつながる知見の獲得に努めております。
オンライン化が進み事業者の旅行手配業務への参入が容易になることにより、他社との差別化において旅行の企画力がこれまで以上に重要になるものと考えております。
当社グループは、これまで企画担当者の現地研修や社内での勉強会をはじめとする商品企画力強化のための取り組みを行ってきましたが、他社とのさらなる差別化のために現地情報のデータベース化による知識の集約や社内研修等を活用した共有のための取り組みを強化して、企画力の向上を図っていきます。
旅行業界において、大手の同業他社と比較したとき当社グループの認知度はまだまだ低いものと思われます。また、旅行商品は個人の消費支出の中では比較的単価の大きな商品であることから、旅行会社の選択にあたっては旅行会社の信頼性及び信用力も重要な要素となっております。多くのお客様から問い合わせを受け、お客様からの信頼を得るには当社グループの認知度向上と信頼性及び信用力の向上が不可欠と考えております。当社グループのブランド価値、認知度及び信頼性向上のため、積極的にPR施策を行ってまいります。
当社グループは従来、今後の海外市場の開拓に関して、海外から国内へのインバウンド需要の拡大や新興国での旅行需要の増加を見据えて、訪日外国人のインバウンド旅行対応の強化と日本国外における海外から海外への三国間旅行事業の強化を重要な戦略の一つとして位置付けておりましたが、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大状況がインバウンド市場の需要動向に大きな影響を及ぼしております。当社グループとしては、中長期的にはインバウンド市場は再び拡大していくと考えておりますが、従来進めていた海外市場の開拓に関しては、市場の動向を鑑みながら慎重に進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
国際情勢や社会環境が大きく変化し、これまでにも増して環境への意識が高まり、当社グループを取り巻く環境も変化しております。このように急速に変化し続ける事業環境に対応し、安定的な成長を実現するために長期的な社会・環境の変化に伴うサステナビリティに関する取り組みを取締役会の定期的な議題とすることを検討しております。
当社グループの人材の育成及び社内環境整備に関する方針として、様々な人材が多様な働き方で能力を発揮できるようにテレワークや時短勤務などを推奨しております。また、女性役員・女性管理職の比率を上げるための取り組みも進めてまいります。
サステナビリティに関する全社的なリスク管理に関して、当社におけるリスク管理に関する基本事項を定めている「リスク管理規程」に追加すると共に代表取締役を最高責任者としてリスク管理を担う機関として設置されている「リスク管理委員会」において、課題・対応策を検討することを検討しております。
女性役員・女性管理職の比率を上げると共に、様々な勤務形態を積極的に採用し、多様な人材が活躍できる環境の整備を進めます。
具体的には、「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載の下記図の管理職に占める女性労働者の割合(%)の向上を目指します。
以下において、当社グループの事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社グループの外的要因による事項もあり、当社株式に関する投資判断は、本項及び本有価証券届出書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、現時点において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは、前連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による売上高の急激な落ち込みにより、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりました。当連結会計年度においても、旅行需要の大幅な減退が継続しており、885,871千円の営業損失、910,088千円の経常損失、1,042,318千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。その結果、当連結会計年度末の純資産は1,805,770千円の債務超過となっております。これらにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
このため、当社グループでは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (継続企業の前提に関する事項)」 に記載の各施策によって事業面及び財務面での安定化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。しかしながら、当該対応策等は実施途上であることから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を反映しておりません。
国土交通省によりますと、2022年の世界全体の国際観光客数は9億1,700万人となり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による減少から回復がみられました(2023年6月 国土交通省「令和5年版観光白書」)。当社グループは、日本国内及び急速に成長するアジアをはじめとする世界の旅行市場は、新型コロナウイルス感染症の影響の収束後に、再び拡大していくものと想定しております。しかしながら、天候の変動、テロや戦争等の世界情勢の変化及び景気の悪化等により社会的に消費者の旅行に対する意欲が減退した場合、自然災害や事故等により観光インフラへの被害が起きた場合、並びに急激な為替相場変動による世界経済の混乱が発生した場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症のように世界的な感染症の拡大が深刻化した場合には、各国政府による移動制限・自粛要請や、企業や消費者による感染防止を目的とした移動の回避により、広範囲に渡る旅行需要が大幅に減退し、当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
日本と世界における電子商取引は、スマートフォンやタブレット型端末等の新たな情報機器の普及や先進国のみならず新興国での通信環境の向上等に伴って、今後も市場規模が拡大し発展するものと考えております。なかでも旅行サービスの電子商取引の市場規模は、我が国において2021年に1兆4,003億円(前年比9.62%減)と、2020年以降新型コロナウイルス感染症の影響を受けて減少しているものの、引続きサービス系分野の電子商取引において最大の市場規模を有しております(2022年8月 経済産業省「令和3年度電子商取引に関する市場調査」)。
当社グループは、今後も旅行サービスにおける電子商取引の拡大が継続し、インターネット販売比率が高まっていくものと見込んでおります。当社グループでの旅行商品の取扱いはインターネット販売が中心であることから、電子商取引の拡大が当社グループの今後の成長に寄与することが見込まれます。しかしながら、電子商取引に関する新たな規制の導入や何らかの予期せぬ要因により、当社グループの期待どおりにインターネットによる旅行販売の普及が進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクへの対応策として、地域別に高い専門性とホスピタリティを持ったコンシェルジュ(お客様からの問い合わせ対応担当)を育てることでインターネット販売だけに捉われない付加価値を培っております。
当社グループの旅行事業は、旅行事業を営む国内外の企業と競合関係にあります。また、これまで旅行事業を行っていなかった企業や新興のベンチャー企業が、新規事業として業界の通例にない技術やビジネスモデルを用いて旅行業界に参入する可能性があります。
また、一般個人が旅行者に宿泊施設を提供するといった消費者同士が直接取引を行う「C to C」の仕組みのように、従来の旅行業界の枠組みを離れた動きもみられます。こうした競争が当社の想定している以上に激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクへの対応策として、販売チャネルをインターネットに限定し、お客様からの問い合わせに対して、旅行方面別に組織されたコンシェルジュ(お客様からの問い合わせ対応担当)による専門的かつ柔軟でスピーディな対応を行うことで競合他社と差別化を行っております。
当社グループは航空会社から航空券を、宿泊施設から滞在サービスを、また現地のオプショナルツアー催行会社等から現地発着ツアーやアクティビティ等をそれぞれ仕入れて販売しておりますが、近年のインターネットの発達に伴い、航空会社、宿泊施設やオプショナルツアー催行会社等が消費者に直接販売する例が増えてきています。これらの旅行商品を旅行者自らが組み合わせて旅行することも可能ですが、当社グループは旅行会社として、旅行商品の大量仕入によるコスト競争力や、個々の旅行商品の特長や現地事情に応じて旅行商品を組み合わせることでより充実したツアーを企画する等、直接販売では提供できない付加価値を提供して今後も売上及び利益の成長を図ってまいります。しかしながらこのような旅行商品の直販化の進展に伴い、直販商品の購入を選好する旅行者が増えた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、仕入先との良好な関係を維持することに努め、当社グループが代理販売することが仕入先の価値向上に寄与するように自社サービスのお客様からの信頼向上に努めております。
当社グループは日本発着の海外旅行を中心に取扱っていることから航空機による移動が不可欠であるところ、航空会社は採算を勘案し、航空便を減便もしくは廃止することがあります。当社の取扱う旅行方面で航空便が減便もしくは廃止されると、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、日本を訪問する外国人が増加すると、外国人の渡航のために座席が割り当てられるため、結果として海外に渡航する日本人のための座席の割り当てが減少する可能性があります。これにより当社の主要ターゲットである日本人の海外旅行(アウトバウンド)に制限が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
以上のほか、当社グループは、航空券を販売する際に航空会社からコミッションを受け取る場合があり、それを収益の一部として計上しています。航空会社がコミッションを減額もしくは廃止する場合、それが当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクへの対応策として、コミッションが減額もしくは廃止になった場合における業績への影響を最小限に抑えるため、システム改善による人員工数削減等の貢献利益率向上策を進めております。
当社グループは旅行商品の中でも海外旅行の取扱いを主力事業としており、海外旅行では原油価格の変動に伴い、航空会社に対して航空運賃に加えて燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の支払いが必要となる場合があります。この燃油特別付加運賃はお客様にご負担いただくものであるため、原油価格の変動の結果、燃油特別付加運賃の著しい上昇に伴って旅行需要が停滞した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの売上高は燃油特別付加運賃を含む金額であることから、燃油特別付加運賃の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのサービス提供は主にインターネット環境において行われております。そのため、当社グループはサービスの安定供給を図るためのセキュリティ対策と、コンピューターウイルス等の侵入やハッカーによる妨害等を回避するために必要と思われる対策をとっております。
しかしながら、あらゆる可能性を想定して対策を施すことは困難であり、当社グループの想定しないシステム障害やサービスの妨害行為等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、当社グループのサービスを提供するに当たり、顧客の個人情報(氏名、メールアドレス、生年月日、性別、住所、電話番号等)を取得し、サーバに記録しております。これらの個人情報の管理は、当社グループにとって重要な責務と考え、顧客に安心かつ快適にサービスを利用してもらうため、顧客のプライバシーとその保護について当社グループは経済産業省の外郭団体である一般財団法人日本情報経済社会推進協会の発行するプライバシーマークを取得し、個人情報を慎重に取扱うとともに、個人情報を保護するためのさまざまなシステム及び手続きを導入しております。
しかしながら、これらの情報が何らかの理由によって外部に流出した結果、当社グループの信用力の低下を招いた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
一部の航空会社では、普通運賃のほかに、普通運賃よりも低価格の料金体系による航空券を各種設定しており、当社が顧客から得る取扱手数料は航空券により異なっております。当社はこれらの普通運賃より低価格な料金体系による各種割引航空券を取扱うことにより収益性の向上を図っております。ただし、各航空会社の方針変更等により、これら割引航空券の流通量が著しく減少し、当社が十分に確保できない場合等には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクへの対応策として、割引航空券の流通量が著しく減少し、当社が十分に確保できない場合における業績への影響を最小限に抑えるため、システム改善による人員工数削減等の貢献利益率向上策を進めております。
当社グループの運営している旅行事業は旅行業法第2条に定める旅行業に該当し、当社は第1種旅行業者として登録し、5年毎の更新が義務付けられています。当社が旅行業法で定める登録拒否事由に該当して更新を行うことができない場合又は旅行業法上の登録取消し事由に該当し登録取消処分等を受けた場合は、営業の停止等を命じられる可能性があります。当社には、現時点において登録拒否事由や取消し事由に該当する事実はないと認識しておりますが、何らかの理由によりこれらの事由が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社の旅行業に関する登録内容は次のとおりです。
また、当社グループは、旅行業法以外にも、不当景品類及び不当表示防止法、消費者契約法、特定商取引に関する法律等による法的規制を受けております。当社グループは、社内の管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、万一、これら法令に違反する行為が行われた場合、あるいは当社グループ事業に関わる法令等による規制の改廃や新設が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス規程及びリスク管理規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無にかかわらず、当社グループが扱う航空券やツアーにおいてトラブルが生じ、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは旅行商品の中でも海外旅行の取扱いを主力事業としており、旅行代金の決済に際し外貨建の取引を行っていることから為替変動リスクに晒されております。そのため、為替予約等により為替変動リスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の財務諸表を円貨換算しており、為替変動により期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、円高となった場合、売上原価のうち外貨建ての部分について円貨換算後の売上原価が減少し売上総利益が増加いたします。また、円高となった場合、仕入価格の減少等で旅行代金が値下がりし海外旅行の申込みが増加する傾向があることから、当社グループの業績改善につながる可能性があります。反対に、円安となった場合は円貨換算後の売上原価が増加し売上総利益は減少するとともに、旅行代金が値上がりして海外旅行の申込みが低調となる傾向にあることから、当社グループの業績にマイナスの影響が生じる可能性があります。さらに、当社グループの連結財務諸表の数値につきましては、円高となった場合は在外連結子会社の円貨換算後の財務諸表数値が減少し、反対に円安となった場合は増加する形で影響が生じます。
当社は、経営基盤の長期安定化に向けた財務体質強化及び事業の継続的な発展を目指すべく、内部留保の充実を重要な課題と考え、これまで金銭による配当を実施したことはありません。今後の株主への配当につきましては、内部留保とのバランスを保ちながら、収益の増加に連動した配当を行うことを基本方針としております。しかしながら、現時点では配当を実施しておらず、今後の配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。
当社グループでは売上高の計上基準として帰着日基準を採用しており、旅行商品の売上はお客様が旅行より帰着された日が帰属する月に計上されます。旅行商品については、個人のお客様のご旅行時期が、長期休暇を比較的取得しやすい7月から9月の夏休み期間に集中する傾向にあります。そこで、当社グループの売上高及び利益についても7月から9月に増加し、その他の期間については売上高及び利益が減少する傾向があります。
なお、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の感染状況が業績の季節変動に大きな影響を与えました。
以上の結果、当社グループの第29期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の各四半期連結会計期間の売上高及び営業損益は以下となりました。
当社は、2004年8月に、各国の航空会社で組織される国際的な民間団体であるIATA (International Air Transport Association:国際航空運送協会)より公認旅客代理店(IATA PASSENGER SALES AGENT)としての認可を受け、IATAとの間でIATA PASSENGER SALES AGENCY AGREEMENTを締結しております。IATAの公認代理店としての認可を受けることにより、当社は自社で国際線航空券の発券を行うことが可能となっております。
IATA PASSENGER SALES AGENCY AGREEMENTは公認代理店としての認可が取り消されるまで有効とされており、当社には現時点において認可の取消しに至るようなIATA PASSENGER SALES AGENCY AGREEMENTや関連する諸規則及び決議の違反に該当する事実はないと認識しておりますが、何らかの理由により認可取消しとなった場合には、当社の旅行業者としての信用が毀損され、また航空券を自社発券できないことで取引条件が悪化する結果、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
第29期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナの下で徐々に経済社会活動の正常化が進む中で、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、エネルギー資源・原材料価格の高騰、円安の進行等もあり、依然として厳しい経営環境が続いております。
旅行業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた世界各国の渡航制限や入国規制等に段階的に緩和の動きが見られました。国内旅行市場は政府の観光支援策等もあり回復基調にある一方で、海外旅行市場は本格回復には至らず、依然として大幅な需要減退が続いております。
このような情勢のもと、当社グループでは、個人旅行事業におきまして、2022年6月より海外の募集型企画旅行の催行を段階的に再開いたしました。採算性を勘案しながら、主にヨーロッパやアメリカを中心とした長距離方面の需要取り込みに努めました。法人旅行事業におきましては、海外・国内の業務出張、国内の団体・MICE案件等を中心に営業活動を行いました。引続きコスト削減にも注力し、従業員の出向等による人件費の削減、市場の状況に合わせた広告費の圧縮、東京本社の縮小移転による地代家賃の削減等を実施いたしました。
以上を踏まえた、当連結会計年度の業績は次のとおりであります。
なお、セグメントの業績については、当社グループは旅行業の単一セグメントであるため、記載を省略いたします。
財政状態については、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,814,999千円減少し、1,845,670千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ1,752,958千円減少し、3,651,440千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ62,041千円減少し、△1,805,770千円となりました。
第30期第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限が解除され、経済社会活動の正常化が進む中で、緩やかな景気回復基調で推移しました。しかしながら、物価上昇や海外経済の減速等に起因する景気の下振れリスクもあり、先行きは不透明な状況となっております。
旅行業界におきましては、2023年4月から6月における日本人出国者数が前年同期比346.1%増の193万人*となりました。2019年同期比では58.1%減と本格回復には至らないものの、各国の入国規制緩和等を受けて緩やかに回復に向かっております。
このような情勢のもと、当社グループでは、個人旅行事業におきまして、回復傾向にある海外旅行需要を取り込むべく、人員の新規採用や広告宣伝費の投下を再開しております。採算性を勘案しながら、主にヨーロッパやアメリカを中心とした長距離方面の需要取り込みに努めました。法人旅行事業におきましては、業務出張及び団体案件等を中心に営業活動を行い、国内・海外の業務出張の取り扱いが伸長しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における連結業績は、売上高は520,780千円(前年同期比148.7%増)、営業損失は128,163千円(前年同期の営業損失は335,426千円)、経常損失は127,078千円(前年同期の経常損失は333,039千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は145,597千円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純損失は338,791千円)となりました。
なおセグメントの業績については、当社グループは旅行業の単一セグメントであるため、記載を省略いたします。
* 2023年7月 日本政府観光局(JNTO)「2023年 訪日外客数・出国日本人数」
財政状態については、次のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ563,880千円増加し、2,409,550千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ289,190千円増加し、3,940,630千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ274,690千円増加し、△1,531,079千円となりました。
第29期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、824,908千円と前連結会計年度末比583,959千円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,036,868千円の計上に加え、旅行前払金の増加230,581千円、未払金の減少113,207千円、預り金の減少177,153千円、未払費用の減少197,805千円等の減少要因がある一方、減損損失の計上106,969千円、旅行前受金の増加154,876千円等の増加要因から、1,452,899千円の支出となりました。
また、前連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,566,287千円の計上に加え、助成金収入の計上11,302千円、利息及び保証料の支払額52,465千円等の減少要因がある一方、減損損失の計上187,307千円、預り金の受取額248,983千円、支払利息及び支払保証料の計上56,351千円等の増加要因から、955,900千円の支出となりました。
以上の結果、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が496,999千円増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出77,664千円、定期預金の預入による支出94,000千円等の減少要因がある一方、敷金の返還による収入42,433千円、定期預金の払戻による収入1,501,000千円等の増加要因から、1,379,821千円の収入となりました。
また、前連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出159,665千円、定期預金の預入による支出1,410,000千円、差入保証金の差入による支出53,893千円等の減少要因がある一方、定期預金の払戻による収入60,000千円、差入保証金の回収による収入16,751千円等の増加要因から、1,547,919千円の支出となりました。
以上の結果、当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が2,927,740千円増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少1,501,000千円の減少要因がある一方、新株予約権の発行による収入21,480千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入956,277千円等の増加要因から、519,789千円の支出となりました。
また、前連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少400,000千円の減少要因がある一方、新株予約権の行使による株式の発行による収入812,580千円、非支配株主からの払込みによる収入31,500千円等の増加要因から、444,307千円の収入となりました。
以上の結果、当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が964,097千円増加しました。
第29期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当社グループは旅行業を営んでおり、生産実績及び受注実績は該当がないため、仕入実績及び販売実績についての記載を行っております。
(仕入実績)
当連結会計年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
第30期第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注、仕入及び販売の状況に著しい変動はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、本有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産、負債、収益及び費用の報告額に反映されております。これらの見積りについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りとは異なることがあります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来加算一時差異の解消スケジュール及び将来の収益力に基づく課税所得の見積りにより、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。課税所得の見積りは事業計画を基礎としており、事業計画における主要な仮定は、予想販売数量であります。
繰延税金資産の回収可能性の判断は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(貸倒引当金)
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
将来、顧客の財務状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損会計における将来キャッシュ・フロー)
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定で用いている将来キャッシュ・フローは、事業環境等も踏まえて合理的に作成された事業計画をもとに、資産グループの現在の使用状況や使用計画等を考慮して見積りを行っておりますが、見積りには一定の不確実性が伴うことから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※3 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において、事業用資産における収益性の低下により、投資額の回収が困難と見込まれたため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、106,969千円を減損損失として計上しております。なお、当該資産グループの回収可能価額は使用価値により算定しており、将来キャッシュ・フローに基づく価値がマイナスであるため、ゼロとして評価しております。
a. 財政状態の分析
第29期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,531,970千円と、前連結会計年度末比1,728,065千円減少しました。これは主に、売掛金が前連結会計年度末比102,843千円、旅行前払金が前連結会計年度末比231,444千円増加した一方で、現金及び預金が前連結会計年度末比1,990,959千円、未収入金が前連結会計年度末比360,787千円、貸倒引当金が前連結会計年度末比298,886千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は313,699千円と、前連結会計年度末比86,934千円減少しました。これは主に、長期未収入金が前連結会計年度末比299,037千円、貸倒引当金が前連結会計年度末比299,037千円、差入保証金が前連結会計年度末比26,268千円増加した一方で、その他(投資その他の資産)が前連結会計年度末比113,202千円減少したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,099,713千円と、前連結会計年度末比1,712,159千円減少しました。これは主に、旅行前受金が前連結会計年度末比158,034千円増加した一方で、短期借入金が前連結会計年度末比1,501,000千円、未払金が前連結会計年度末比113,026千円、未払費用が前連結会計年度末比197,224千円、預り金が前連結会計年度末比136,686千円減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は551,727千円と、前連結会計年度末比40,798千円減少しました。これは資産除去債務が前連結会計年度末比52,572千円減少し、その他(固定負債)が前連結会計年度末比11,773千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は△1,805,770千円と、前連結会計年度末比62,041千円減少しました。これは主に、資本金が前連結会計年度末比483,465千円、資本剰余金が前連結会計年度末比483,465千円、新株予約権が前連結会計年度末比14,240千円増加した一方で、利益剰余金が前連結会計年度末比1,045,988千円減少したことによるものです。
第30期第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は2,146,780千円と、前連結会計年度末比614,809千円増加しました。これは主に、現金及び預金が前連結会計年度末比422,801千円、旅行前払金が前連結会計年度末比230,292千円、未収入金が前連結会計年度末比40,190千円増加した一方で、売掛金が前連結会計年度末比17,350千円、その他(流動資産)が前連結会計年度末比60,191千円減少したことによるものです。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は262,770千円と、前連結会計年度末比50,928千円減少しました。これは主に、差入保証金が前連結会計年度末比10,574千円、その他(投資その他の資産)が前連結会計年度末比40,354千円減少したことによるものです。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は3,392,884千円と、前連結会計年度末比293,171千円増加しました。これは主に、買掛金が前連結会計年度末比21,409千円、未払金が前連結会計年度末比29,323千円、旅行前受金が前連結会計年度末比293,745千円増加した一方で、未払法人税等が前連結会計年度末比12,736千円、資産除去債務が前連結会計年度末比38,866千円、その他(流動負債)が前連結会計年度末比2,829千円減少したことによるものです。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は547,745千円と、前連結会計年度末比3,981千円減少しました。これは主に、その他(固定負債)が前連結会計年度末比4,000千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は△1,531,079千円と、前連結会計年度末比274,690千円増加しました。これは主に、資本金が前連結会計年度末比211,208千円、資本準備金が前連結会計年度末比211,208千円増加した一方で、利益剰余金が前連結会計年度末比145,597千円減少したことによるものです。
b. 経営成績の分析
第29期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(売上高)
売上高は、個人旅行事業における海外募集型企画旅行の催行再開や、法人旅行事業における海外・国内の業務出張等の取り込みにより、1,262,255千円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、863,048千円(前連結会計年度比0.1%減)となり、この結果、売上総利益は399,206千円(前連結会計年度比57.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業損益)
販売費及び一般管理費は、引続き従業員の出向等による人件費の削減や市場の状況に合わせた広告費の圧縮を行ったことに加え、東京本社の縮小移転による地代家賃の削減、前連結会計年度に固定資産の減損処理を行ったことによる減価償却費の減少等により、1,285,078千円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
これらの結果、営業損失は885,871千円(前連結会計年度は営業損失1,294,945千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損益)
営業外収益は、主に雇用調整助成金及び産業雇用安定助成金の受給による助成金収入を計上したことにより19,702千円(前連結会計年度比31.3%減)となりました。前連結会計年度からの減少要因は、主に従業員の出向を行ったことによる雇用調整助成金の受給額の減少であります。
営業外費用は、主に支払利息、支払手数料を計上したことにより、43,919千円(前連結会計年度比39.7%減)となりました。
これらの結果、経常損失は910,088千円(前連結会計年度は経常損失1,339,066千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
特別損失は、主に当社の固定資産について減損損失を計上したこと及び取引先企業に対する和解金を計上したことにより、134,311千円(前連結会計年度比40.9%減)となりました。
法人税等は、7,566千円(前連結会計年度比25.8%減)となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,045,519千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,568,993千円)となりました。
(1株当たり当期純損益)
普通株式の期中平均株式数は、6,793,027株(前連結会計年度は5,666,088株)となり、1株当たり当期純損失は153.91円(前連結会計年度は1株当たり当期純損失276.91円)となりました。
なお、当社グループでは、事業規模拡大の観点から、売上高及び売上総利益の額とそれらの成長率を重要な経営指標と位置付け、事業の収益性と企業価値向上の観点から、営業損益、経常損益及び1株当たり当期純損益の額とそれらの成長率についても重要な経営指標としておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による旅行需要の大幅な減退の影響を受け、当連結会計年度の経営指標は大きく悪化しております。
新型コロナウイルス感染症の影響の収束後は、優先的に対処すべき課題としても挙げているシステム強化、マーケティングの強化、トラベル・コンシェルジュ教育、商品企画力の向上、ブランド認知度の向上等に努め、売上高、売上総利益、営業損益、経常損益、1株当たり当期純損益の額を成長させてまいります。
第30期第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)
売上高は、個人旅行事業における海外募集型企画旅行の催行再開や、法人旅行事業における海外・国内の業務出張等の取り込みにより、520,780千円(前年同期比148.7%増)となりました。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、380,537千円(前年同期比150.7%増)となり、この結果、売上総利益は140,243千円(前年同期比143.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業損益)
販売費及び一般管理費は、人員数の減少による人件費の圧縮、東京本社の縮小移転による地代家賃の削減、開発外注費の削減、支払報酬の削減等により、268,406千円(前年同期比31.7%減)となりました。
これらの結果、営業損失は128,163千円(前年同期は営業損失335,426千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損益)
営業外収益は、前連結会計期間に計上していた助成金収入の計上が無くなったこと等により、8,342千円(前年同期比40.8%減)となりました。
営業外費用は、有利子負債の返済による減少により支払利息及び支払手数料の計上額の減少等により、7,258千円(前年同期比38.0%減)となりました。
これらの結果、経常損失は127,078千円(前年同期は経常損失333,039千円)となりました。
(親会社株主に帰属する四半期純損益)
特別損失は、課徴金の計上等により、17,554千円(前年同期比99.8%増)となりました。
法人税等は、1,245千円(前年同期比26.3%減)となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は145,597千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失338,791千円)となりました。
(1株当たり四半期純損益)
普通株式の期中平均株式数は、8,732,371株(前年同期は5,927,921株)となり、1株当たり四半期純損失は16.67円(前年同期は1株当たり四半期純損失57.15円)となりました。
なお、当社グループでは、事業規模拡大の観点から、売上高及び売上総利益の額とそれらの成長率を重要な経営指標と位置付け、事業の収益性と企業価値向上の観点から、営業損益、経常損益及び1株当たり四半期純損益の額とそれらの成長率についても重要な経営指標としておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による旅行需要の大幅な減退の影響を受け、当連結会計期間の経営指標は大きく悪化しております。
新型コロナウイルス感染症の影響の収束後は、優先的に対処すべき課題としても挙げているシステム強化、マーケティングの強化、トラベル・コンシェルジュ教育、商品企画力の向上、ブランド認知度の向上等に努め、売上高、売上総利益、営業損益、経常損益、1株当たり四半期純損益の額を成長させてまいります。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの主な資金需要は、運転資金及び設備資金であります。運転資金の主な内容は、旅行商品の企画販売にかかる仕入のほか、人件費や広告宣伝費をはじめとした販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金の主な内容は、旅行事業に係るシステムの開発・改良をはじめとしたシステム投資であります。これらの資金は原則として営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、必要な場合には金融機関からの借入や増資による調達を実施することを基本方針としております。
2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて旅行需要の減退が続く中、必要運転資金を確保するため、資金調達の実施及び支出の抑制を行っております。当社は、当連結会計年度において第三者割当による第3回新株予約権を発行し、当該新株予約権の行使により956,277千円を調達しておりますが、今後も必要に応じて適宜、資金調達を実施してまいります。また、引続き徹底したコストコントロールに努めることにより、手元流動性の充実を図ります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のそれぞれの課題に適格かつ迅速に対処し事業を拡大していくことにより、当社グループのさらなる成長と発展を遂げてまいる所存です。
特に、現状のオンライン予約の利便性と「トラベル・コンシェルジュ」による旅行内容のカスタマイズとを組み合わせた「ハイブリッド戦略」を引続き継続し事業基盤を強化していくと共に、常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、また優秀な人材の確保、育成、離職の抑止などを推進していくことにより、経営成績に重要な影響を与える要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
公認旅客代理店契約(IATA PASSENGER SALES AGENCY AGREEMENT)
該当事項はありません。