【注記事項】
(継続企業の前提に関する事項)

当社は、前事業年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による売上高の急激な落ち込みにより、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しておりました。当事業年度においても、旅行需要の大幅な減退が継続しており、853,667千円の営業損失、880,466千円の経常損失、1,016,973千円の当期純損失を計上しております。その結果、当事業年度末の純資産は1,889,150千円の債務超過となっております。

これらにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社は、当該状況を解消すべく、以下の対応策を図ってまいります。

 

①徹底的なコスト削減

新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大が顕在化した2021年3月期以降、販売費及び一般管理費の見直しを行っており、広告宣伝費や支払手数料の削減に加えて、役員報酬の減額、賞与支給の停止、従業員の休業や出向、他社への転籍による削減などを実施しました。当事業年度においては、さらなる固定費圧縮と人員数適正化のため、希望退職の実施及び東京本社の縮小移転を行いました。2024年3月期以降も、売上高に見合った販売費及び一般管理費となるよう引続きコストコントロールを実行してまいります。

 

②海外旅行市場回復を見据えた収益確保の準備

当社は従来、海外旅行商品を強みとしてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、世界各国において海外渡航制限や行動制限等の措置が取られるなど、海外旅行商品の販売に関して厳しい状況が続いておりました。しかしながら、足元の状況として、海外渡航に関する様々な明るい兆しが見え始めております。このような状況を踏まえ、当社においては、新型コロナウイルス感染症の拡大前に当社の収益の中で大きな比率を占めていた海外旅行商品の販売に資源を集中しており、2024年3月期以降は人員の新規採用や広告宣伝費の投下の拡大により、取扱高の伸長と業績の改善を図ってまいります。

 

③資金の確保

当事業年度末における現金及び預金は690,169千円と、前事業年度末比1,951,320千円減少しております。総額1,799,000千円の当座貸越契約等に関しては契約期限が2023年8月末となっておりますが、取引銀行とは継続的に支援いただくための協議を行っており、契約期限の延長の可能性は高いものと考えております。また、資本増強のために、2022年8月に第三者割当による第3回新株予約権を発行しました。当事業年度において当該新株予約権の行使により956,277千円を調達しております。当該新株予約権の付与総数は60,000個であり、当事業年度末における未行使残数は39,777個であります。

 

以上の対応策の実施により、事業面及び財務面での安定化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。しかしながら、上記の対応策等は実施途上であることから、現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を反映しておりません。

 

(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券

子会社株式

移動平均法による原価法

 

(2) デリバティブ

時価法

 

2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)

定率法を採用しております。ただし、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備については定額法を採用しております。

主な耐用年数は以下のとおりであります。

・建物附属設備

6年~15年

・車両運搬具

6年

・工具、器具及び備品

3年~8年

 

 

(2) 無形固定資産(リース資産を除く)

ソフトウエア(自社利用)については、社内における見込利用可能期間(5年)による定額法を採用しております。

 

(3) リース資産

リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引については、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。

 

3.引当金の計上基準
①貸倒引当金

債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

 

②関係会社事業損失引当金

関係会社の事業に係る損失等に備えるため、関係会社の財政状態等を個別に勘案し、損失見込額を計上しております。

 

 

4.収益及び費用の計上基準

当社は、主として以下の5ステップアプローチに基づき、財又はサービスが顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。

ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務へ配分する
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を識別する

主要な事業における収益の計上基準は以下のとおりであります。

旅行業

旅行業は、主に自社の企画旅行商品の販売、旅行の手配を行っており、旅行条件書に基づいて顧客に対し企画旅行の実施や航空券・鉄道・ホテル等の手配を行う義務を負っております。当該履行義務は、顧客が帰着した時点又は旅行の実施期間にわたり充足されると判断し収益を認識しております。

なお、旅行商品販売のうち、手配旅行などの当社が代理人として行う取引については、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識しております。

 

5.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法

原則として繰延ヘッジ処理を採用しております。

なお、振当処理の要件を満たしている為替予約等については、振当処理を採用しております。

 

(2) ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ会計を適用したヘッジ手段とヘッジ対象は以下のとおりであります。

ヘッジ手段・・・為替予約

ヘッジ対象・・・外貨建金銭債務

 

(3) ヘッジ方針

当社の内規である「デリバティブ取引規程」に基づき、為替変動リスクをヘッジしております。

 

(4) ヘッジ有効性評価の方法

ヘッジ手段の想定元本とヘッジ対象に関する重要な条件は同一であり、かつヘッジ開始以降も継続してキャッシュ・フロー変動又は相場変動を完全に相殺するものと想定できるため、ヘッジの有効性の判定は省略しております。

 

6.外貨建資産及び負債の本邦通貨への換算基準

外国通貨及び外貨建短期金銭債権債務は決算日の直物為替相場によって換算しており、換算差額は損益にて処理しております。なお、為替予約の振当処理の対象となっている外貨建金銭債務については、当該為替予約の円貨額に換算しております。

 

 

(重要な会計上の見積り)

繰延税金資産の回収可能性

(1) 財務諸表に計上した金額

 

 

(千円)

 

前事業年度

当事業年度

繰延税金資産

繰延税金負債

0

0

 

 

(2) 財務諸表利用者の理解に資するその他の情報

① 算出方法

 将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来加算一時差異の解消スケジュール及び将来の収益力に基づく課税所得の見積りにより、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。課税所得の見積りは事業計画を基礎としております。

② 主要な仮定

 課税所得の見積りの基礎となる事業計画における主要な仮定は、予想販売数量であります。なお、当社は、2023年度に海外旅行市場における旅行者数が段階的に回復に向かうと見込んでおります。

③ 翌年度の財務諸表に与える影響

 繰延税金資産の回収可能性の判断は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌事業年度の財務諸表において繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(表示方法の変更)

(貸借対照表関係)

前事業年度において独立掲記しておりました「有形固定資産」の「建物附属設備」、「車両運搬具」及び「工具、器具及び備品」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度においては「有形固定資産」として一括表示しております。また、前事業年度において独立掲記しておりました「無形固定資産」の「ソフトウエア」及び「ソフトウエア仮勘定」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度においては「無形固定資産」として一括表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。

この結果、前事業年度の貸借対照表において「有形固定資産」に表示していた「建物附属設備」0千円、「車両運搬具」0千円及び「工具、器具及び備品」0千円は、「有形固定資産」0千円として一括表示しております。また、前事業年度の貸借対照表において「無形固定資産」に表示していた「ソフトウエア」0千円及び「ソフトウエア仮勘定」0千円は、「無形固定資産」0千円として一括表示しております。

 

(損益計算書関係)

前事業年度において「営業外収益」の「その他」に含めておりました「受取手数料」は、重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。

この結果、前事業年度の損益計算書において「営業外収益」の「その他」に表示していた12,591千円は、「受取手数料」491千円、「その他」12,100千円として組み替えております。

 

(会計上の見積りの変更)

(資産除去債務の見積りの変更)

当社の大阪支店の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務として計上していた資産除去債務について、原状回復費用の新たな情報入手に伴い、より精緻な見積りが可能となったことから見積りの変更を行いました。

この見積りの変更による増加額 33,189千円を変更前の資産除去債務残高に加算しております。

なお、変更に伴って計上した有形固定資産については、その備忘価額を除く全額を減損損失として処理したため、当事業年度の税引前当期純損失は33,189千円増加しております。

 

 

(貸借対照表関係)

※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)

 

前事業年度
(2022年3月31日)

当事業年度
(2023年3月31日)

短期金銭債権

27,830

千円

13,877

千円

短期金銭債務

8,688

千円

1,339

千円

 

 

※2 担保資産及び担保付債務

担保に供している資産及び担保付債務は次のとおりであります。

 

前事業年度
(2022年3月31日)

当事業年度
(2023年3月31日)

現金及び預金

1,410,000

千円

千円

 

 

 

前事業年度
(2022年3月31日)

当事業年度
(2023年3月31日)

短期借入金

2,600,000

千円

千円

 

 

※3 当社は運転資金の効率的な調達を行うために取引銀行4行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。

事業年度末における当座貸越契約及び貸出コミットメントに係る借入未実行残高等は以下のとおりであります。

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

当座貸越極度額

及び貸出コミットメントの総額

3,850,000

千円

1,045,000

千円

借入実行残高

3,300,000

千円

1,045,000

千円

差引額

550,000

千円

千円

 

 

※4 預り金のうち当社が受給した雇用調整助成金の返還予定額は次のとおりであります。

 

前事業年度
(2022年3月31日)

当事業年度
(2023年3月31日)

預り金

758,024

千円

798,492

千円

 

 

(損益計算書関係)

※1 関係会社との取引高

 

 前事業年度
(自  2021年4月1日
 至  2022年3月31日)

 当事業年度
(自  2022年4月1日
 至  2023年3月31日)

営業取引による取引高

55,841

千円

70,316

千円

営業取引以外の取引による取引高

417

千円

429

千円

 

 

※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。

 

前事業年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

当事業年度

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

給与手当

568,623

千円

358,023

千円

広告宣伝費

65,178

千円

22,097

千円

減価償却費

千円

825

千円

支払手数料

300,620

千円

355,553

千円

地代家賃

194,551

千円

131,212

千円

 

 

 

 

 

おおよその割合

 

 

 

 

販売費

72

67

一般管理費

28

33

 

 

 

(有価証券関係)

子会社株式

前事業年度(2022年3月31日)

子会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式の時価を記載しておりません。

なお、市場価格のない株式等の子会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。

 

(単位:千円)

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

子会社株式

58,500

 

 

当事業年度(2023年3月31日)

子会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式の時価を記載しておりません。

なお、市場価格のない株式等の子会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。

 

(単位:千円)

区分

当事業年度

(2023年3月31日)

子会社株式

58,500

 

 

(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

 

 

前事業年度
(2022年3月31日)

 

当事業年度
(2023年3月31日)

(繰延税金資産)

 

 

 

 

 

税務上の繰越欠損金

855,703

千円

 

1,176,180

千円

減損損失

165,268

千円

 

121,373

千円

移転補償金

14,328

千円

 

12,629

千円

資産除去債務

19,864

千円

 

15,667

千円

繰延消費税

4,567

千円

 

2,313

千円

長期未払金

3,414

千円

 

1,015

千円

未収入金

4,095

千円

 

4,095

千円

未払事業税

2,296

千円

 

3,328

千円

未払事業所税

856

千円

 

千円

その他

363,900

千円

 

364,297

千円

繰延税金資産小計

1,419,966

千円

 

1,693,272

千円

税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額

△855,703

千円

 

△1,176,180

千円

将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額

△564,263

千円

 

△517,092

千円

評価性引当額小計

△1,419,966

千円

 

△1,693,272

千円

繰延税金資産合計

千円

 

千円

(繰延税金負債)

 

 

 

 

 

資産除去債務に対応する有形固定資産

△0

千円

 

△0

千円

繰延税金負債合計

△0

千円

 

△0

千円

繰延税金負債純額

△0

千円

 

△0

千円

 

 

 

2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主な項目別の内訳

 

前事業年度(2022年3月31日)

税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しております。

 

当事業年度(2023年3月31日)

税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しております。

 

(収益認識関係)

顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。

 

(重要な後発事象)

(証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告について)

当社が2022年3月17日に提出した過年度の有価証券報告書及び四半期報告書の訂正に対し、2023年6月6日に証券取引等監視委員会から内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、当社に対する12,000千円の課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った旨の公表がなされました。

 

 

④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】

 

区分

資産の種類

当期首残高

(千円)

当期増加額

(千円)

当期減少額

(千円)

当期償却額

(千円)

当期末残高

(千円)

減価償却

累計額

(千円)

有形固定資産

建物附属設備

0

63,995

63,479

(63,479)

515

0

4,951

車両運搬具

0

0

工具、器具及び備品

0

0

0

23,465

0

63,995

63,479

(63,479)

515

0

28,416

無形固定資産

ソフトウエア

0

7,383

7,073

7,073

309

0

ソフトウエア仮勘定

0

43,799

43,799

36,415

0

0

51,182

50,872

43,489

309

0

 

(注) 1.当期減少額の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。

2.当期増加額のうち主なものは次のとおりであります。

ソフトウエア

新基幹システム

7,383

千円

ソフトウエア仮勘定

新基幹システム

43,799

千円

 

3.ソフトウエア仮勘定の減損損失を除く当期減少額は、ソフトウエアへの振替額であります。

 

【引当金明細表】

 

区分

当期首残高
(千円)

当期増加額
(千円)

当期減少額
(千円)

当期末残高
(千円)

貸倒引当金

306,661

1,124

973

306,812

関係会社事業損失引当金

9,443

1,470

7,972

 

 

(2) 【主な資産及び負債の内容】

連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。

 

(3) 【その他】

     該当事項はありません。