第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

決算年月

2019年7月

2020年7月

2021年7月

2022年7月

2023年7月

売上高

(千円)

5,130,859

5,890,748

6,296,857

7,576,146

10,518,537

経常利益

(千円)

228,244

341,255

397,676

457,369

592,709

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

154,251

220,999

276,554

305,976

370,241

包括利益

(千円)

152,817

228,404

262,003

299,666

372,058

純資産額

(千円)

1,828,003

2,025,543

2,270,693

2,551,334

2,906,858

総資産額

(千円)

2,998,670

3,530,856

3,900,484

4,298,624

6,295,051

1株当たり純資産額

(円)

355.37

393.77

439.22

492.42

557.89

1株当たり当期純利益

(円)

29.99

42.96

53.59

59.15

71.20

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

61.0

57.4

58.2

59.4

46.2

自己資本利益率

(%)

8.7

11.5

12.9

12.7

13.6

株価収益率

(倍)

16.9

15.4

11.8

10.7

10.8

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

181,461

402,019

366,016

303,613

436,521

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

7,156

97,323

114,329

33,315

401,581

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

91,859

222,246

136,258

52,152

593,330

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,803,287

2,330,330

2,445,557

2,728,486

3,361,230

従業員数

(人)

810

844

912

1,034

1,437

〔外、平均臨時
雇用者数〕

-〕

-〕

-〕

-〕

-〕

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.平均臨時雇用者数については、臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

3.2022年2月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第6期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第9期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第6期

第7期

第8期

第9期

第10期

決算年月

2019年7月

2020年7月

2021年7月

2022年7月

2023年7月

営業収入

(千円)

429,537

548,590

659,931

752,363

774,420

経常利益

(千円)

102,274

134,828

219,050

252,392

267,027

当期純利益

(千円)

90,422

132,377

212,118

248,495

260,016

資本金

(千円)

359,012

359,012

367,302

376,864

388,035

発行済株式総数

(株)

2,572,000

2,572,000

2,584,924

5,197,266

5,229,928

純資産額

(千円)

1,718,016

1,819,529

2,014,793

2,235,370

2,478,850

総資産額

(千円)

2,073,555

2,456,505

2,595,342

2,819,743

3,975,497

1株当たり純資産額

(円)

333.98

353.72

389.72

431.43

475.75

1株当たり配当額

(円)

12.00

13.00

14.00

7.50

8.00

(1株当たり
中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

17.58

25.73

41.10

48.04

50.00

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

82.9

74.1

77.6

79.3

62.4

自己資本利益率

(%)

5.4

7.5

11.1

11.7

11.0

株価収益率

(倍)

28.9

25.8

15.4

13.2

15.4

配当性向

(%)

34.1

25.3

17.0

15.6

16.0

従業員数

(人)

28

28

33

35

41

〔外、平均臨時
雇用者数〕

2

2

-〕

-〕

-〕

株主総利回り

(%)

92.7

121.9

117.6

118.8

145.4

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(91.4)

(89.6)

(116.3)

(121.6)

(149.6)

最高株価

(円)

1,335

1,849

1,879

1,478

※655

807

最低株価

(円)

620

800

1,209

1,181

※509

606

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.2022年2月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第6期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

3.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所スタンダード市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所JASDAQスタンダードにおけるものであります。

4.※印は、株式分割(2022年2月1日、1株→2株)による権利落後の最高・最低株価を示しております。

 

 

2 【沿革】

当社グループの創業者である鈴木裕紀と安田鉄也は、1991年1月名古屋市中区栄にソフトウェア開発会社として株式会社エスワイシステムを設立いたしました。

その後、事業の拡大に伴い機動的な意思決定とコーポレート・ガバナンスの強化を目的として2013年8月1日に株式会社エスワイシステムの単独株式移転により、純粋持株会社として当社を設立いたしました。

会社設立時から現在に至る主な変遷は、次のとおりであります。

 

年月

事項

2013年8月

株式会社エスワイシステム(連結子会社)の単独株式移転により当社設立

2013年11月

株式会社総合システムリサーチ(連結子会社)の株式を取得し子会社化

2014年10月

株式会社アグリッド(連結子会社)を株式会社グローバル・インフォメーション・テクノロジー(連結子会社)に商号変更

2016年1月

株式会社エスワイシステム(連結子会社)がハッピーネット株式会社と事業譲受契約を締結し、事業の一部譲受

2017年3月

上海裕日軟件有限公司及び西安裕日軟件有限公司の全出資持分を売却

2017年6月

東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場

2017年11月

有限会社テクノフュージョン(現株式会社テクノフュージョン)(連結子会社)の株式を取得し子会社化

2018年4月

株式会社オルグ(連結子会社)の株式を取得し子会社化

SYS Vietnam Co., Ltd.の全出資持分を売却

2019年4月

株式会社エスワイシステム(連結子会社)が株式会社アットワンと事業譲受契約を締結し、事業の全部譲受

2019年5月

サイバーネックス株式会社(連結子会社)の株式を取得し子会社化

2019年8月

株式会社エスワイシステム(連結子会社)が株式会社マスターズソリューションと事業譲受契約を締結し、事業の一部譲受

2021年5月

株式会社レゾナント・コミュニケーションズ(連結子会社)の株式を取得し子会社化

2021年11月

株式会社スレッドアンドハーフ(連結子会社)の株式を取得し子会社化

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)からスタンダード市場へ移行

2022年5月

マグナシステム株式会社(連結子会社)の株式を取得し子会社化

2022年7月

株式会社オルグ(連結子会社)がマグナシステム株式会社(連結子会社)を吸収合併

2022年11月

株式会社ネットパーク21(連結子会社)の株式を取得し子会社化

 

つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社(連結子会社)の株式を取得し子会社化

 

同社の子会社であるTHAI SOFTWARE ENGINEERING CO., LTD.(連結子会社)の株式を取得し子会社化

 

株式会社アシック(連結子会社)の株式を取得し子会社化

 

株式会社アイガ(連結子会社)の株式を取得し子会社化

 

(注)2023年8月 株式会社エスワイシステム(連結子会社)が株式会社アシック(連結子会社)を吸収合併いたしました。

 

2013年7月31日までの株式会社エスワイシステムの沿革は以下のとおりであります。 

年月

事項

1991年1月

名古屋市中区栄に、株式会社エスワイシステムを設立、ソフトウェア開発業務を開始

1998年3月

中国より技術研修社員の受け入れ開始

1999年5月

陜西金葉西工大軟件有限公司(中国西安市)と業務提携

2002年1月

名古屋市東区東片端に、中国西安市の陜西金葉西工大軟件有限公司との関係強化のために同社と共同出資にて名西電脳有限会社を設立(2004年1月解散)

2004年1月

当社との関係強化、中国国内での受注強化を目的として、中国上海市の上海裕日軟件有限公司に出資し、子会社化

2006年3月

中国西安市に、当社グループの開発拠点として西安裕日軟件有限公司を設立

2011年2月

名古屋市東区に株式会社SYI(連結子会社)を設立

2011年8月

ベトナム・ハノイ市にSYS Vietnam Co., Ltd.を設立

2012年4月

インドネシア・ブカシ市にPT.SYS INDONESIA(連結子会社)を設立

2012年5月

株式会社エス・ケイ(連結子会社)の株式を取得し、子会社化

2013年7月

名古屋市東区に株式会社アグリッド(連結子会社)を設立

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、純粋持株会社である当社、国内連結子会社14社、海外連結子会社2社の計17社で構成されており、システムの開発及びソリューション・サービス(注1)の提供を中核とする総合情報サービス事業を営んでおります。

純粋持株会社である当社は、グループ会社の経営管理、事務受託等を行っております。

なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

当社グループは、「私達は、グローバルな情報技術で、情報社会に沢山の笑顔を創ります。」というグループミッションを実現するため、社会生活や企業の競争力維持に不可欠な存在となり、新しい技術とサービスにより社会に新たな体験をもたらしてきた情報技術を通じて健全な社会の発展に貢献するため、IT人材の創出・育成から顧客の企業価値を向上させるソフトウェア投資のサイクルを支える提案・コンサルティング、情報インフラ構築・情報システムの開発、保守・運用、製品販売等のサービスを単一のグループ企業内で一貫して提供する「総合情報サービス」を事業領域としております。

企業や官公庁の大規模なソフトウェア投資では、単独の企業が開発、保守等を行うことは少なく、当社グループでもエンドユーザーに直接サービスを提供するものと、ユーザー系情報子会社(注2)、大手SIer(注3)、販売代理店等を通じてサービスを提供するものがあります。

また、技術領域としては、ビジネス・システム、エンベデット・システム、ITインフラ構築(サーバーチューニング、データベース・チューニング、サーバー仮想化、セキュリティ)、クラウド、ビッグデータ処理・解析、AR(拡張現実)、VR(バーチャルリアリティ)等でのソリューション提供実績があります。

 

(1) 事業内容

当社グループは総合情報サービス事業の単一セグメントでありますが、「グローバル製造業ソリューション」、「社会情報インフラ・ソリューション」、「モバイル・ソリューション」の3つのソリューションに区分されます。

① グローバル製造業ソリューション

製造業においては、製品や部品へのソフトウェアの組込みによる機能の追加や性能向上による差別化と生産管理、品質管理、調達管理、物流管理等の効率化のために情報技術が活用されており、安定してソフトウェア投資が行われております。

当社グループでは、海外市場を販路として成長を遂げている製造業企業をターゲットとしており、主に、自動車、重工業、工作機械、鉄鋼、搬送機等の関連企業を主要顧客として総合情報サービスを提供しております。

自動車関連顧客については、燃費・環境保全への対応のため、需要が高まっている車載ECU(電子制御ユニット)関連の開発や検証等を行っております。

また、当社グループが中国や東南アジア等で日系企業や現地企業等と取引を行う中で得たノウハウや海外重要提携先(中国現地法人2社)を活かした提案を行っており、当社連結子会社のPT.SYS INDONESIAでは、オートマチック・トランスミッションの検証業務を行っております。

 

 

② 社会情報インフラ・ソリューション

電力、金融等の社会を支えるインフラによるサービスや近年発展したインターネットやデータセンター等の情報インフラを利用したサービスを当社グループでは「社会情報インフラ」と呼んでおり、それらのサービスを提供する企業は、情報技術を提供するサービスの基盤としていることから、競争力維持のために継続的にソフトウェア投資が行われております。

当社グループでは、電力・ガス等のエネルギー、生命保険・クレジットカード、リース・証券等の金融、印刷帳票、鉄道、不動産関連の企業や官公庁・自治体等を主要顧客として、基幹システムの開発やITインフラの構築、運用等の総合情報サービスの提供を行っております。
 ビッグデータ処理・解析等のサービスもこのソリューションで提供しており、当社グループが中国や東南アジア等で日系企業や現地企業等と取引を行う中で得たノウハウや海外重要提携先(中国現地法人2社)を活かした海外への定量発注によるコストダウン提案等も行っております。

 

③ モバイル・ソリューション

スマートフォンやモバイル端末の普及により、モバイル・アプリケーションでのサービスは、個人の生活に不可欠な存在となっておりますが、当社グループでは、今後の成長が期待される法人向けのモバイル・アプリケーション等によるサービスを提供しており、流通グループ、訪問介護、鉄道、医療、ロードサービス等の業種をエンドユーザーにしております。

連結子会社の株式会社エス・ケイでは、「価値ある便利をもっと身近に。成功へと導く、新しいビジネスソリューション。」をコーポレート・ステートメントとして、下記の製品を通信キャリア等の販売代理店や当社グループを通じて、販売しております。

イ.FieldPlus®

FieldPlus®は、専用の管理画面で登録された報告シートへの入力や撮影した写真、勤怠情報をスマートデバイスから送信できる、ユーザーカスタマイズ型業務報告システムです。

スマートデバイスから入力・送信した内容は専用の管理画面でリアルタイムに一元的に管理できるため、外勤スタッフと、内勤スタッフのスマートな情報連携を実現します。

訪問介護業界向けのカスタマイズも行っており訪問介護員と内勤スタッフとの情報連携に活用されております。

 

ロ.iContact Office

iContact Officeは、企業・グループ内で同じ電話帳データを共有できるマルチデバイス対応のクラウド型のWeb電話帳共有サービスで、個人のモバイル端末に個人情報を保存しないため、セキュリティ対策を行うことができます。

 

ハ.マップP+Powerd by NAVITIME®(注4)

マップP+Powerd by NAVITIME®は、従業員が持つモバイル端末の現在地や作業ステータスがわかる企業向けGPS位置情報管理システムで、管理画面からモバイル端末の通知した位置情報を地図上にマッピングしたり、作業ステータスやコメントの確認ができます。通知用のアプリケーションは他の操作中でもバックグラウンドで位置情報の通知ができるため、報告ユーザーのメイン業務を妨げない位置情報の報告・収集が可能です。

 

ニ.Quick Safety®

Quick Safety®は、専用の管理画面で登録した複数のユーザーに対して、メール・SMS(ショート・メッセージ・サービス)を一斉配信できるサービスです。

通常の配信はもちろんのこと、地震情報の自動配信機能やデータ集計機能、配信到達チェックなど多くのサポート機能を実装し、BCP(事業継続計画)の緊急連絡手段から日常の連絡ツールまで幅広い用途で活用できます。

 

(2) 事業の特徴

① IT人材創出

社会に不可欠になったソフトウェア投資、保守・運用の需要に対して、わが国における少子高齢化等によりIT人材は慢性的に不足しており、企業が必要な時期に必要なソフトウェア投資を行う需要に応え、社会と顧客と当社グループが継続的に発展するために、当社グループでは、IT人材創出を事業の基幹部分ととらえており主要な特徴としては、下記3点があります。

 

イ.業界未経験者からのIT人材の創出

当社グループでは、IT業界未経験者の採用に力を入れており、連結子会社である株式会社エスワイシステムでは、技術職については未経験者採用のみを行っております。

小学校、中学校及び高校の職場体験や、大学、専門学校からのインターンシップにより毎年多数の学生を受け入れることで若年層への情報サービス産業への関心を高めていただいており、インターンシップを通じてできた学校と学生との関係から、就活ナビサイトに頼ることのない新卒採用を行っております。

未経験者採用・教育については、2005年6月以降、自治体からの職業訓練の受託(エスワイ・ITカレッジ等)により未経験者から多くのIT人材を創出しており、その訓練生や社会人インターンシップ等で当社グループに関心を持った人材や職業訓練後の就職先で当社グループを希望した人材の中から当社グループの事業の源泉となるIT人材を、正社員を前提として採用しております。また、当社グループの長年の採用ノウハウにより、当社グループで活躍する可能性が高い未経験者を採用しております。

また、未経験者採用であることから、社員研修には非常に力を入れています。業界で最高位の研修を目指し、OffJTとOJTを組み合わせた階層別研修(注5)を行っています。さらに、同じく未経験から成長したIT人材である先輩従業員が当社グループのカリキュラムによる教育と業務登用後のフォローを行っております。
 当社グループでは、上記の方法により、人材難といわれる情報サービス産業において、多くの未経験者採用を行い、早期に実践登用できる教育で投資コストを早期に回収しております。

また、情報サービス業は、事業の構造上、IT人材ごとに作業現場が異なることが多いため、当社グループの企業文化である従業員主導で運営する全体会議や、委員会活動、勉強会、部活・同好会活動、社員旅行等の活動や、当社グループのノウハウを活かして構築した360度の評価システム(注6)を通じて、未経験者のサポートと従業員満足度の向上を行い、退職によるIT人材の流出を防止しております。

 

ロ.女性IT人材の創出

当社グループでは、女性採用にも積極的に取り組んでいます。女性採用比率40%を目標とし、従業員が子供との時間を大切にできるようにするため、中学校入学始期に達するまでの子を養育する従業員を対象とした「短時間勤務制度」、「子の看護休暇制度」、子供の学校行事に参加するための「ファミリーサポート休暇制度」、従業員が子供と一緒に出勤することができる「お子様同伴出勤制度」、社員研修や現場業務への出勤に際し、ベビーシッターの利用料金の一部を補助する「ベビーシッター補助金支給制度」を導入する等、産休・育休後に職場復帰を行いやすい環境作りに努めてまいりました。

また、当社は、2015年3月に連結子会社である株式会社エスワイシステム及び当社グループとして愛知県「女性の活躍促進宣言」(注7)に登録し、連結子会社である株式会社エスワイシステムでは、2015年1月に「名古屋市女性の活躍推進企業」(注8)に認定・表彰に続き、2015年5月に大阪府「男女いきいき・元気宣言」(注9)事業者登録、2016年7月に「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」(注10)登録、2016年8月に「あいち女性輝きカンパニー」(注11)認証を受け、2019年7月に同制度に基づく「あいち女性の活躍プロモーションリーダー」に就任、2022年2月に、「えるぼし認定(3段階目)」(注12)に認証される等、女性が活躍し働きやすい環境作りに努め、女性のIT人材の創出を行っております。

 

ハ.海外からのIT人材の創出

当社グループは、1998年3月の中国人技術者受け入れ以来、海外現地での事業活動や国内連結子会社へのIT人材の受け入れを通じて、海外のIT人材を活用してまいりました。

海外現地採用も行っており、日本語が話せない人材や、日本語は話せるもののIT業界が未経験の人材をターゲットとして採用活動を行い、中国、韓国、インドネシア、バングラデシュ、ネパール等で多数の採用実績があります。また、その全てを従業員として就労ビザで受け入れております。

長年の海外IT人材受け入れのノウハウを活かした教育モデルにより、中国では、現地で日本語、IT技術、日本の商習慣を学ぶ研修を行った後、日本で研修を受けながらOJTでIT技術と日本語を学ぶモデルを採用しております。

これらの手法により、グローバル化と多様な価値観に対応し、日本と海外の両方で活躍できるIT人材を創出しております。また、留学生等の日本で既に在住している外国人については、日本人と同様の選考基準で採用していることから、日本人と同様の待遇で採用・評価を行っております。

 

② チームサポート・モデル

当社グループでは、IT人材のチームによるソフトウェア投資の工程やサービスの請負の提案をしておりますが、IT人材の派遣のみを希望される企業においても、同一顧客内(別部署・別作業場所含む)で派遣されている当社グループのIT人材間で相互に情報を共有し、教育・フォローしあうことで、従来の技術者派遣より付加価値の高いサービスを提供しております。

また、大手企業での経験が豊富なPMO(注13)担当による顧客現場の巡回や、管理職、営業、役員との情報の共有により、トラブルの事前防止や顧客の現状に即した提案を行っております。

 

③ 双方向持ち帰りモデル

企業のソフトウェア投資を担う情報システム部門は、派遣でIT人材を受け入れることで、ソフトウェア投資のための体制を拡充させることができますが、派遣で受け入れたIT人材の指揮命令は、情報システム部門が直接行わなければならないため、管理負担が重くなるデメリットがあります。
 このため、企業の情報システム部門は、競争力強化のためのコアな新規開発に集中したり、情報システム部門だけで管理しきれない大規模なソフトウェア投資を行うために、ソフトウェア投資の工程やサービスを請負契約による発注で行う場合があります。

当社グループでは、顧客と初めて取引を開始する際、当社グループのIT人材が派遣で顧客の現場に赴き、顧客の指示を受けながら顧客業界特有の商習慣やシステム投資・開発等に対する考え方を学びます。その後、当社グループのIT人材をさらに顧客現場に受け入れていただき、教育しながらチームとしての体制を整えます。チームとしての体制ができたら、工程や作業単位で請負の発注を受けます。その後、体制の一部が当社グループ事業所へ請負案件を持ち帰り、作業を行います。最後に、当社グループ事業所内で開発を行ったIT技術者が顧客現場で持ち帰ったシステム案件の導入を行い、運用・サポートを担当します。

このサイクルを行い、顧客現場と当社グループ事業所の両方に請負の体制を持つことで、顧客情報システム担当者は柔軟な発注ができるようになり、企業の競争力強化のためのコアな新規開発に集中することができます。

 

④ 定量発注モデル

企業のソフトウェア投資を担う情報システム部門は、企業の競争力維持のための新規情報システム開発投資に自社の人員を配置したいニーズがあり、既存情報システムの改良や運用・保守は慢性的に人手が不足しているといわれております。

当社グループでは、企業の情報システム部門の代わりに既存情報システムの改良や運用・保守を顧客予算に応じて毎月定量的に発注いただくモデルを、海外発注によるコスト削減も含めて提案し、採用されております。

 

 

(注) 1.ソリューション・サービスとは、顧客が抱える問題点を分析し、それを改善するために必要なソフトウェア開発やITインフラの構築、運用をセットにしたソフトウェア投資を提案することで問題点を解決するサービスを指し、当社グループでは継続的なソフトウェア投資・運用のための体制も含めて提案するサービス。

2.ユーザー系情報子会社とは、大手企業の情報システム部門を分社化・移転して設立した会社。

3.SIerとは、情報システムの企画から構築、運用までに必要なサービスを請け負うシステム・インテグレーションを行う企業。

4.「NAVITIME®」は、株式会社ナビタイムジャパンの登録商標です。

5.階層別研修とは、勤続年数や役職に応じて全ての従業員が対象となる技術能力向上とヒューマンスキル向
上を目的とした当社グループの研修制度。

6.360度の評価システムとは、自己査定、上司評価、現場評価等、様々な角度の評価とその結果を、コーチング等でフィードバックし被評価者の成長につなげる当社グループの評価制度。

7.愛知県「女性の活躍促進宣言」とは、「あいち女性の活躍促進会議」で採択した「あいち女性の活躍促進行動宣言」の趣旨を踏まえ、女性の活躍促進に向けて取り組んでいく企業等が宣言を公開する制度。

8.「名古屋市女性の活躍推進企業」とは、女性がいきいきと活躍できるような取組みをしている企業を認定し、その中で特に優れた取組みをしている企業を表彰する制度。

9.「男女いきいき・元気宣言」とは、大阪府が「女性の能力活用」や「仕事と家庭の両立支援」など、男性も女性もいきいきと働くことのできる取組みを進める意欲のある事業を登録する制度。

10.「愛知県ファミリー・フレンドリー企業」とは、従業員が仕事と育児・介護・地域活動等と両立できるよう積極的に取り組む企業を登録する愛知県の制度。

11.「あいち女性輝きカンパニー」とは、女性の活躍促進に向け、トップの意識表明や採用拡大、職域拡大、育成、管理職登用のほか、ワーク・ライフ・バランスの推進や働きながら育児・介護ができる環境づくりなどの取組みを行っている企業等を愛知県が認証する制度。

12.「えるぼし認定」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する制度。

13.PMOとは、Project Management Officeの略で、個々のプロジェクト・マネジメントの支援を横断的に行
う構造・システム。

 

 

[事業系統図]


注)株式会社アシックは2023年8月1日付で、同社を消滅会社、株式会社エスワイシステムを存続会社とする吸収合併をしております。

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権
の所有割合 (%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

株式会社エスワイシステム
(注)3、7

名古屋市

東区

70,500

グローバル製造業ソリューション、社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任
債務被保証
事務所の賃料受取
グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社SYI

名古屋市

東区

10,000

グローバル製造業ソリューション、社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任
グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社エス・ケイ
(注)3

東京都

中央区

40,000

モバイル・ソリューション

100.0

役員の兼任
事務所の賃料支払
グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社グローバル・
インフォメーション・
テクノロジー

名古屋市

東区

15,000

グローバル製造業ソリューション、社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任
グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社総合システムリサーチ
 

名古屋市

中村区

20,000

グローバル製造業ソリューション

100.0

役員の兼任
グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社テクノフュージョン

名古屋市

中区

30,000

グローバル製造業ソリューション

100.0

役員の兼任
グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社オルグ

(注)3

東京都

豊島区

50,000

社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任

資金の貸付
グループ経営に関する契約を締結しています。

サイバーネックス株式会社

名古屋市
東区
 

25,000

グローバル製造業ソリューション、社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任

グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社レゾナント・コミュニケーションズ

東京都

中央区

10,000

社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任

グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社スレッドアンドハーフ

東京都

中央区

35,000

社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任

グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社ネットパーク21

名古屋市

中区

36,000

社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任

資金の貸付

グループ経営に関する契約を締結しています。

つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社

茨城県

土浦市

15,000

グローバル製造業ソリューション

100.0

役員の兼任

グループ経営に関する契約を締結しています。

株式会社アシック

(注)4

大阪市

淀川区

10,000

グローバル製造業ソリューション

100.0

役員の兼任

資金の貸付

グループ経営に関する契約を締結しています。

 

 

名称

住所

資本金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権
の所有割合 (%)

関係内容

株式会社アイガ
(注)3、6

名古屋市

中村区

50,000

社会情報インフラ・ソリューション

100.0

役員の兼任

グループ経営に関する契約を締結しています。

PT. SYS INDONESIA

(注)5

インドネシア
ジャカルタ市

300千

USD

グローバル製造業ソリューション

100.0

[51.0]

役員の兼任

グループ経営に関する契約を締結しています。

THAI SOFTWARE

ENGINEERING CO., LTD.

タイ

バンコク市

8,000千

THB

グローバル製造業ソリューション

100.0

[1.0]

役員の兼任

グループ経営に関する契約を締結しています。

 

(注) 1.子会社の議決権に対する所有割合欄の[ ]内は間接所有割合で内数となっております。

2.「主要な事業の内容」欄には、ソリューション区分の名称を記載しております。

3.特定子会社に該当しております。

4.2023年8月1日付で、株式会社アシックは株式会社エスワイシステムに吸収合併され、消滅いたしました。

5.債務超過会社であり、2023年6月末時点で債務超過額は42,667千円であります。

6.債務超過会社であり、2023年7月末時点で債務超過額は33,526千円であります。

7.株式会社エスワイシステムについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報

(1) 売上高

5,180,513千円

 

(2) 経常利益

320,698千円

 

(3) 当期純利益

211,090千円

 

(4) 純資産額

799,087千円

 

(5) 総資産額

1,510,562千円

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2023年7月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

総合情報サービス事業

1,437

合計

1,437

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)を記載しております。なお、臨時従業員(嘱託社員、人材会社からの派遣社員を含む。)の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

2.当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

3.前連結会計年度末と比較して従業員が403名増加しておりますが、これは主に新規連結子会社が増加したこと及び事業規模の拡大に伴い期中採用が増加したものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年7月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

41

-〕

37.1

6.7

4,557

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(嘱託社員、人材会社からの派遣社員を含む。)は、最近1年間の平均人員を〔 〕外数で記載しております。

2.平均勤続年数は、グループでの勤続年数を記載しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.当社は持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。

5.前事業年度末と比較して従業員が6名増加しておりますが、これは主に当社グループの事業拡大に伴い、期中採用及び当社連結子会社からの出向受入が増加したことによるものであります。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社グループでは、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休暇等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

    ②主要な連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)
 (注)1

男性の育児休業等取得率(%) 

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)3

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

株式会社エスワイシステム

13.3

37.5

83.5

84.6

50.7

株式会社総合システムリサーチ

12.5

株式会社アイガ

16.7

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71号の4条の第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 正規雇用労働者においては、給与体系及び評価・運用は、男女の区別なく全社員同一としております。男女の賃金差異は、女性を積極的に採用しており、勤続年数が浅い女性社員が増加傾向にあり、役職に就く女性社員がまだ少ないためであります。
パート・有期労働者の男女の賃金差異は、女性契約社員の多くが短時間勤務、軽作業を行う障がい者雇用であり、男性契約社員と比較して賃金水準が低くなったためであります。