第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは企業理念として「つなぐ、つなげる、つながる。」、経営理念として「採用市場のインフラになる」を掲げ、事業を拡大する方針です。昨今の人材業界市場においては、有効求人倍率が依然として高水準で推移しており、完全失業率は前年と比較して緩やかな低下傾向にあるなど、慢性的な人手不足が顕著となっております。加えて、2030年には年間約50億時間の労働需給ギャップが生じると予測しており※1、労働力確保は社会全体の喫緊の課題となっております。当社はこの社会課題解決の大いなる一助になるべく各事業を推進しております。

また、大企業・中小企業ともに賃上げの動きが広がっており、所得水準や待遇の改善が進む中、採用活動の高度化・複雑化が進んでおります。これに伴い、採用領域におけるコンサルティングやソリューション提供のニーズが一層高まっており、当社グループが展開する各事業の社会的意義と成長機会は、今後ますます拡大していくものと考えております。

このような経営環境を踏まえ、以下を当社グループとして注力すべき課題と捉え、その対処に向けて積極的に取り組みたいと考えております。

※1(出所)パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2035」を基に弊社で独自算出

 

(1) RPO(採用代行・採用コンサルティング)事業のサービス領域拡大

国内の労働市場は、少子高齢化に伴う労働力不足、働き方の多様化、最低賃金の引き上等の影響により、採用環境が一層複雑化しております。こうした変化を背景に、企業の人材戦略は従来の手法では対応が困難となりつつあり、採用手法の見直しや再構築が継続的に求められる状況となっております。

このような市場環境を踏まえ、当社グループでは、対応スピードの向上、業務範囲の拡充、専門性の強化を推進し、高品質なサービスの提供に努めております。採用代行業に加え、採用戦略の立案や選考プロセスの最適化等を含む採用コンサルティング事業にも注力し、企業の採用力強化を支援しております。

また、特に労働需給ギャップが大きいサービス業、医療・介護業界に対しては、外国人材の活躍支援やアルムナイ(退職者)支援を推進し、あらゆるパートナーとの協業を通じて、循環型採用モデルの構築を目指しております。

 

(2) DXリクルーティング事業の展開

近年、求人手法の主軸は、従来の求人媒体への掲載型から、自社採用ページへの集客型へと変遷してきています。これに伴い、求人媒体の活用と自社採用ページへ集客を組み合わせた複合型の採用手法に対するニーズも高まっております。

当社グループでは、2016年より、Web広告・SNS・検索エンジン等を活用した採用ページへの集客型サービス「Findin」を展開しており、RPO事業においてコンサルティングを行っている企業に対し、集客手段として「Findin」を提供することで時流に合わせた課題解決を図ります。

また、Web集客手法の多様化と技術革新が急速に進む中、当社はこれまで培ってきたノウハウを活かしつつ、新たに登場する集客サービスやツールも積極的に取り入れ、企業の採用成果の最大化に向けた支援を継続してまいります。

 

(3) スタッフィング(派遣・紹介)事業の拡大

国内では少子高齢化の進行により、特定業界における人材不足が深刻化しており、特に物流・製造・医療・介護などの現場では、即戦力となる人材の安定的な確保が喫緊の課題となっております。こうした背景のもと、ターゲットとする特定業界においては即応性の高い人材供給体制の構築を求められております。

当社グループでは、これまで倉庫・物流・製造業界向けの人材派遣を中心に事業を展開してまいりましたが、2024年7月にグループインした株式会社ツナググループ・コンサルティング(旧AIGATEキャリア株式会社)が行っていた医療機関向けの人材派遣事業を新たに加え、事業領域の拡大を図っております。

今後は、派遣スタッフの採用強化と顧客企業の新規開拓を両輪で推進し、社会的ニーズの高い分野において、柔軟かつ安定的な人材供給を行って参ります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティ関連のリスクおよび機会について、リスクマネジメント室で協議・決定する体制を整えています。今後、サステナビリティに関する取り組みをさらに強化するため、各部門と連携してリスク・機会を特定し、その対応方針を立案します。そして、取締役会に報告し、取締役会で当該報告内容を管理・監督する体制を構築することを検討しています。

 

(2) リスク管理

当社グループでは、事業を取り巻くさまざまなリスクを的確に管理・対応することを目的とした「リスク管理規程」を定めています。リスクマネジメント室でリスクを網羅的に把握・管理する体制を構築しており、サステナビリティ関連のリスクも他のリスクと同様に当該規程に基づいて管理しています。また、企業として持続的に成長するため、リスクマネジメント室はリスクテーマを網羅的に把握し、リスク発生確率や重要性を考慮して審議を行います。重要なリスクについては取締役会に報告しています。

 

(3) 戦略

①サステナビリティ全般

 

■当社グループが考える社会課題

少子高齢化・人口減少に伴い、日本国内の労働力不足が見込まれており、当社グループでは、2030年労働需給ギャップは年間50億時間になると試算しています。※1

この不足時間は、サービス業と医療・介護事業において約9割を占めていると見立てており、この2業種の労働需給ギャップを解消する必要があると考えています。

※1(出所)パーソル総合研究所「労働市場の未来推計2035」を基に弊社で独自算出

 


 

 

■当社グループの役割

当社グループは、企業理念「つなぐ、つなげる、つながる」、経営理念「採用市場のインフラになる」のもと事業活動を行い、日本の労働需給ギャップという社会課題の解決に貢献します。

当社グループは、解消への方向性として、「国内の潜在的な労働力の利活用」「外国人活躍の推進」が必要であると考えており、2025年8月に発表した中期経営計画においても、「Circular Recruiting(サーキュラーリクルーティング)」という新たな事業戦略を発表いたしました。

 

※中期経営計画説明資料

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS81305/178b6f95/9351/4f37/b272/dae3c584d33a/140120250827548311.pdf

 

 

 


 

 


 

 

■マテリアリティの特定

当社グループでは以下の5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。

1.自己変革を実行できる人的資本強化

2.戦略的なビジネスパートナーシップ

3.顧客志向の追求

4.経営・事業におけるリスクマネジメントの徹底

5.地球環境との共生

 


 

 

 

②人的資本

当社グループでは2023年9月期以降、「従業員一人ひとりの継続的な成長を支援することが、社会課題の解決に挑む企業としての価値を高める」という考えから、マテリアリティの中でも特に人的資本の強化を重点的に推進しています。具体的には、「採用」、「育成」、「制度」、「風土」の4つの領域において方針を策定しています。

 

■採用

「将来のリーダー人材は、継続的な新卒採用者から輩出する」の方針のもと、2026年度新卒入社者は前年比で2倍を超える30名を迎える等、積極的な新卒採用活動を進めております。これらの新卒採用者は5年後には組織の中心となり、将来は当社グループの成長を担えるリーダー人材となるべく、入社時から3年間はOJTに委ねるだけではなく、特別な育成計画に沿った教育研修を実施しております。

 

〔新卒採用人数の推移〕


 

 

■育成

事業戦略遂行、事業成長には従業員ひとりひとりの成長が不可欠です。当期は前期に引き続き「付加価値を創出する人材の増殖」を育成テーマとし、特に次世代リーダー育成、コンサルティング力強化に注力しました。

具体的には「管理職・マネジメント力強化」、「営業力強化」、「次世代育成(若手育成)」を行っております。その他、業務に直結するビジネススキルを身に付けるための「ビジネススキルオンライン講座」や、従業員の資格取得を支援する「スタディサポート」なども引き続き運用しております。

研修の内製化なども進め、今期は一定額の研修費用に加えて、研修時間も投資対象としています。その結果、受講者数は延べ2,124人(前期比+40.1%)となり、研修費時間は17,494時間(前期比+9.0%)、教育研修費は2,769万円(前期比▲14.8%)を投資しました。

 

〔教育研修体系・プログラム〕


 

 

■制度

「誰もが公平に享受でき、かつ活躍人材に報いる」方針のもとに人事制度を設計しております。

等級制度に関しましては既にジョブ型(職務等級制度)を導入しており、年齢・性別・学歴・勤続年数などを考慮しない能力・成果主義の徹底に取り組んで参りました。これにより昇格、昇給、降格、降給を柔軟に行い、多様な人材の活躍につなげたいと考えています。

また評価制度に関しましては、従業員が自ら目標を設定する目標管理制度(MBO)を採用しています。この制度は従業員の主体性を育むなどのメリットがありますが、一方で「達成難易度が従業員本人に委ねられる」などのデメリットも内在します。その公平性を担保できないと、かえって組織全体のモチベーションを下げる要因にもなり兼ねません。当社グループでは管理職に対する評価者研修の実施、設定された目標が職務等級に合致しているか否かの人事による確認、査定会議における各目標達成度合いの管理職・人事間共有などにより、相対性・公平性を担保。従業員の評価に対する納得度を高められるよう、日々制度運用の強化に努めております。

今期は新たに選択型福利厚生制度「カフェテリアHQ」を導入しました。子育てや介護との両立支援、フィットネス・ヘルスケアといった従業員からのニーズに対応したものです。

 

〔目標管理制度(MBO)運用フロー図〕


 

 

■風土

「従業員の声を経営に反映させる」ため、ダイレクトコミュニケーションを重視しております。

従来実施していたES(従業員満足度調査)は、前期よりエンゲージメント調査として実施しておりましたが、当期はさらに、従業員の「働きがい・エンゲージメント」を向上させるために、成長意欲を促すための「仕事」に着目。仕事に対する活力・熱意・没頭度を測る「ワーク・エンゲージメント調査(仕事との結びつきの度合いの調査)」を追加しました。従業員の働きやすさ・従業員満足度に加え、働きがいや「自発的に自分の能力を発揮しようとする貢献意欲の高まり度合い」を調査・促進することで、業績や社会課題解決に繋がる組織風土の醸成を目指しております。

また、育成のテーマでもある「付加価値を創出する人材の増殖」と連動させた、従業員表彰と業務ナレッジ共有の場である「TSUNAGU GROUP AWARD」は、自薦エントリー数が前期比+202%となる151件となっており、従業員の自発性が促進された結果となりました。

更に、組織人事関連、決算報告関連などに関する経営メッセージを全従業員へ月次配信することで従業員の会社・事業への理解促進を図るなど、風土醸成における様々な取り組みを引き続き推進しております。

 

 

〔エンゲージメント調査(働きがい・自発的貢献意欲)へ〕


 


 

 

〔「TSUNAGU GROUP AWARD」による表彰とナレッジの共有〕


 

 

(4) 指標及び目標 

当社グループとして、理念に基づき社会課題解決への貢献を目指して参ります。その達成には、付加価値人材の育成・増加が不可欠と考えております。「採用」、「育成」、「制度」、「風土」の4つの領域において各指標の目標を設けて実施しております。

 


 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上、投資家の判断に重要な影響を及ぼす主な事項を以下に記載しております。当社グループはこれらのリスクを認識したうえで、発生の回避及び発生した場合には迅速な対応に努めてまいりますが、当社株式に関する投資判断は本項記載事項及び本項以外の記載内容も慎重に検討したうえで行われる必要があると認識しております。また、以下の記載は当社グループに関するすべてのリスクを網羅しておりません。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループではリスク管理規程を定め、想定されるリスクの発生時における迅速かつ適切な情報収集と緊急事態対応体制を整備しており、リスクが顕在化した場合の事業中断及び影響を最小限にとどめるため、事業継続マネジメント体制の整備に努めております。

 

(1) 人材ビジネス業界の動向について

当社グループの属する人材ビジネス業界は、産業構造の変化、社会情勢、景気変動、法改正に伴う雇用情勢の変化等に影響を受けます。当社グループでは日本国内の生産年齢人口の減少による構造的な労働力不足により、顧客企業の需要は中長期的に見ても堅調であると認識しており、現在の需要も大企業・製造業の景況感は改善傾向となり人材サービスへの需要は高まっています。また、就業者並びに求職者の働き方に対する意識の変化から雇用の流動性も高まってきております。ただし、今後、様々な要因により雇用情勢ないしは市場環境が悪化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。景気後退に伴う新規人材需要の減少や既存の顧客企業における業務縮小・経費削減等により人材需要が大きく減退した場合、アルバイト・パートスタッフの募集業務の縮小、求人メディアにおける出稿量の減少、派遣における労働者派遣契約数の減少など、当社グループの事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合等について

当社グループの主要サービスであるアルバイト・パートの採用代行サービスについては競合する企業が少ないと認識しております。しかしながら、高い資本力や知名度を有する企業等の新規参入が相次ぎ、競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、DXリクルーティング領域においては大手企業を含む多くの企業が事業展開しており、競争が激しい状況にあります。今後において十分な差別化や機能向上等が図られなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。そして、スタッフィング事業については、競合が多数存在しかつ業界特化型のサービスによる差別化を図るうえで、顧客及びスタッフの確保が難しくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 技術革新に関するリスクについて

当社グループでは、DXリクルーティング領域をはじめとして、インターネット技術並びにIT技術を前提とした事業展開を行っております。同領域においては、技術革新が著しく、新サービスや新技術開発に伴う仕様変更などが常に生じており、いわゆる業界標準サービスも刻々と進化しております。当社グループでは、適時、新たな技術を吸収し機能拡充に努めておりますが、改良や新技術導入に際し多額の費用が発生する場合、また、何らかの事由により当初想定したサービスの質の確保が難しい場合、期待した導入効果が得られない場合等が生じた場合、当社グループの事業運営に影響を与えるとともに、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(4) 新規事業展開に伴うリスクについて

当社グループでは、新たなサービスの開発及び投入、他社との業務提携、出資やM&A等を通じて、常に積極的に新規事業展開を行っております。また、それに際して、多額な資金需要が発生し投下することもあります。これら新規事業が環境変化等により当初計画通りに推移しなかった場合、M&Aにおけるデューデリジェンスにて認識していない債務等が発覚した場合、関係会社株式の評価損やのれんの償却等により、当社グループの事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、資金運用の効率化に向けてキャッシュマネジメントシステムの導入のほか、資金需要の規模に応じた個別借入により資金を調達しております。今後、金融システム不安、信用収縮、流動性の低下などの金融情勢の変化により、事業規模拡大に向け必要な資金調達ができない場合、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 社会保険制度改正について

社会保険料の料率・算出方法は、諸般の条件及び外部環境の変化等に応じて改定が適宜実施されております。当社グループにおいては、従業員に加えて派遣労働者も社会保険の加入者であるため、今後、社会保険料の料率・算出方法を含めた社会保険制度の改正が実施され、社会保険の会社負担率や社会保険の会社負担金額が大幅に変動する場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 大規模災害及びシステム障害について

当社グループの事業は、インターネット通信網等の通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績は深刻な影響を受けます。また、サイトへの急激なアクセス増加や電力供給の停止等に対しては、サーバー設備の増強や自家発電設備のあるデータセンターの利用等といった対応を行っておりますが、予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムがダウンした場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社グループのコンピュータシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するように取組んでおりますが、コンピュータウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 個人情報及び機密情報の取扱いに関するリスクについて

当社グループは、求職者の応募情報等の個人情報を取得、利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社グループは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報保護基本規程等を制定し、個人情報の取扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社グループに適用される関連ガイドラインを遵守するとともに、個人情報の保護に積極的に取組んでおります。しかしながら、当社グループが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されていないため、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社への損害賠償請求、当社の信用の低下等によって当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 知的財産権について

当社グループは、第三者の知的財産権侵害の可能性については調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性、または新たに当社グループの事業分野で第三者により著作権等が成立する可能性があります。このような場合においては、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害したことによる損害賠償請求や差止請求等、または当社グループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(9) 法的規制等について

当社グループが運営する「人材派遣事業」は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づき、労働者派遣事業の許可を受けて行っております。また、当社グループ会社の株式会社チャンスクリエイターが運営するコンビニエンスストアにおいては、食品衛生法、酒税法及びたばこ事業法に基づき販売業務を行っております。その他、関連する主な法規として「労働契約法」等の労働関連法規、「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」及び「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下「不正アクセス禁止法」という。)等のインターネット関連法規があります。「不正アクセス禁止法」では、努力義務ながら一定の防御措置を講ずる義務が課せられております。これら法令等に関して新たに制定されたり、既存法令等の変更等がなされたりした場合には、それに応じて、当社グループにてサービス変更等の対応が必要になるもの、規制されるもの等が生じる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 特定の人物への依存に関するリスクについて

当社の代表取締役社長である米田光宏は当社の創業者で創業以来代表取締役を務めており、経営方針の策定や経営戦略の決定等の重要な役割を同氏に依存しております。当社グループは、一個人の属人性に頼らない組織的な経営体制を構築し、「職務権限規程」に基づく権限の委譲を推進しながら、人材の育成を進めることで同氏への依存を低下させておりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境に改善が見られ、国内景気は緩やかな回復傾向にて推移する一方、物価上昇による実質賃金の低迷や節約志向の高まり、米国の通商政策の影響や地政学リスク等が重なり、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。国内の雇用情勢につきましては、有効求人倍率は高水準で推移しており、引き続き人手不足が際立っています。労働市場においては、大企業・中小企業ともに賃上げ率が上昇しており、所得・待遇改善の傾向が見られます。

国内人口は減少傾向にあるものの、労働人口についてはシニア・パートタイム・外国人就業者等の影響により微増しておりますが、いわゆる年収の壁の影響で1人あたりの労働時間は減少傾向にあります。

このような環境のもと、当社グループは“2030年に起こる50億時間の労働需給GAP”解消の大いなる一助になることを目指し、採用領域でのコンサルティング及びソリューションの提供を行っております。

複雑化する採用環境を背景に顧客要望も高度化、顧客への提供価値を最大化すべく人的資本への強化や業務提携を積極的に行いトップラインの拡大を図る一方、コスト構造改革による原価・販売管理費の最適化を実施した結果、売上高から当期純利益までの各段階利益は過去最高の数値となっております。併せて当社重要指標である自己資本利益率は27.1%(前年同期比5.4ポイント増)、自己資本比率は45.2%と収益効率性及び財務健全性についても高い水準で推移しております。

このような事業環境の下、当連結会計年度の経営成績は、売上高18,269百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益877百万円(前年同期比39.3%増)、経常利益897百万円(前年同期比43.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益511百万円(前年同期比42.7%増)となりました。

 

当社グループの各セグメント別の業績は以下のとおりであります。

 

(ヒューマンキャピタル事業)

ヒューマンキャピタル事業におきましては、企業の採用活動を総合的に支援する「RPOサービス領域」、ITテクノロジーを駆使した人材マッチングサービスを提供する「DXリクルーティング領域」、シニア・主婦・短期単発といった求職者のニーズに対して様々な求人メディアサービスを提供する「セグメントメディア領域」などがあります。

RPOサービス領域では、大手企業を中心に高い労働力需要が継続している背景から、営業組織体制の見直し等を実施し経営資源を集中した結果、1社あたりの単価が向上。売上高は前年同期比で3.0%増加いたしました。

DXリクルーティング領域では、大手・中小企業を問わず、求人予算の投下先がペイドメディア(従来の求人広告)からオウンドメディア(自社求人WEBページ)へとシフトしてきており、その主力商品である『Findin(ファインドイン)』を中心に、取引が拡大しており、売上高は3,943百万円(前年同期比35.1%増)と大きく増加いたしました。

セグメントメディア領域では、顧客の採用課題を解決する手法として、Findinへの切り替えが発生しておりますが、売上高は3,012百万円(前年同期比6.1%増)となりました。

これらの結果、ヒューマンキャピタル事業における売上高は13,914百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は1,830百万円(前年同期比43.6%増)となりました。

 

(スタッフィング事業)

スタッフィング事業におきましては、人材派遣及び日々紹介を行う派遣・紹介領域、派遣スタッフの研修店舗を兼ねたコンビニ店舗を運営するコンビニ領域があります。

派遣・紹介領域につきましては、倉庫・物流系企業への派遣をメインとするものの前期M&Aを行った株式会社ツナググループ・コンサルティング(旧AIGATEキャリア株式会社)が行っている医療・介護領域への進出もあり売上高は前年同期比で27.1%増加いたしました。

これらの結果、スタッフィング事業における売上高は4,503百万円(前年同期比14.7%増)、営業損失は116百万円(前年同期は105百万円の損失)となりました。

 

(その他事業)

その他事業におきましては、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、本社部門所管のその他の収益を獲得する事業活動等であります。

その他事業における売上高は137百万円(前年同期比72.6%減)、営業損失は837百万円(前年同期は539百万円の損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ230百万円増加し、1,148百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は1,131百万円(前連結会計年度は634百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益826百万円、減価償却費186百万円及び売上債権の減少額131百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、増加した資金は53百万円(前連結会計年度は387百万円の減少)となりました。これは、主に無形固定資産の取得による支出30百万円、有形固定資産の取得による支出25百万円及び敷金の回収による収入149百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は953百万円(前連結会計年度は142百万円の減少)となりました。これは、主に短期借入金の純減額390百万円及び長期借入金の返済による支出270百万円によるものです。

 

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) 生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、記載事項はありません。

 

(2) 受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

ヒューマンキャピタル事業

13,914,025

8.8

スタッフィング事業

4,503,995

14.7

その他事業

137,382

△72.6

合計

18,555,403

7.8

 

(注) セグメント間及び振替高を含んでおります。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ520百万円減少し、4,443百万円となりました。これは主に敷金及び保証金が142百万円、売掛金が130百万円及び未収入金が128百万円減少したことによるものです。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ715百万円減少し、2,381百万円となりました。これは主に短期借入金が390百万円及び長期借入金が184百万円減少したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ194百万円増加し、2,061百万円となりました。これは主に利益剰余金が425百万円増加したことや、自己株式の取得により194百万円減少したことによるものです。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高

売上高は、前連結会計年度より1,880百万円増加し、18,269百万円となりました。

② 売上総利益

売上総利益は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度より801百万円増加し、7,970百万円となりました。

③ 販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より554百万円増加し、7,092百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度より247百万円増加し、877百万円となりました。

④ 営業外損益及び経常利益

営業外収益は、前連結会計年度より32百万円増加し、40百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度より9百万円増加し、20百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度より270百万円増加し、897百万円となりました。

⑤ 特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、前連結会計年度より1百万円減少し、0百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度より175百万円減少し、71百万円となりました。法人税等合計は305百万円増加し、332百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より153百万円増加し、511百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの所有資金は、大きく分けてIT関連設備投資や、子会社・関連会社への投資資金及び経常の運転資金となっております。これらの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。原則として、運転資金については、金融機関からの短期借入、投資資金に関しては、金融機関からの長期借入にて調達を行っております。

また、資金の流動性については、グループ各社における余剰資金の有効活用に努め、更に、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関と当座貸越契約を締結しております。また、グループCMSを活用し、より一層、効率的な資金調達と充分な流動性を維持していく考えであります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、常に事業環境に注視するとともに、組織体制の整備、内部統制システムを強化することによりリスク要因に対応してまいります。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【重要な契約等】

当社は、当社の株主であるNISSOホールディングス株式会社との間で、資本業務提携契約(以下、「本資本業務提携契約」といいます。)を締結しておりその内容は以下のとおりであります。

 

(1) 当該契約の概要

契約締結日

2024年5月17日

契約の相手方の名称及び住所

NISSOホールディングス株式会社

神奈川県横浜市港北区新横浜一丁目4番1号

合意の概要

(1) 取締役の指名権

NISSOホールディングス株式会社は同社の指名する1名を当社の取締役候補者として提案する権利を有する。

(2) 取締役会又はその他の機関決定において決議すべき事項の事前協議

NISSOホールディングス株式会社の同社に対する議決権保有割合が完全希薄化ベースで希薄化し議決権保有割合が15%を下回る可能性がある行為に関する決定を行う場合は事前に協議を実施する。

 

 

(2) 当該合意の目的

本資本業務提携契約において、当社は以下の内容の業務提携を行うことを合意しておりますが、上記(1) 当該契約の概要の「合意の概要」に記載の各合意は本資本業務提携の実効性を促進することを目的としております。

①双方の人材紹介案件への協業対応
②メーカーへの共同採用支援
③グローバル領域での連携

 

(3) 取締役会における検討状況その他の当社における当該合意に係る意思決定に至る過程

NISSOホールディングス株式会社の指名する取締役を選任する事で、その知識・経験が経営全般への監督と有効な助言をいただけること、また当社の企業価値向上につながる事を期待して、取締役会にて決議を行っております。

 

(4) 当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響

当社は取締役が他の取締役の職務執行を監督し、意思決定の透明性、効率性及び公平性の確保に努めており、取締役及び執行役員等の候補の指名、報酬等については独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会において審議した内容を取締役会に諮り決議することで公正性・客観性を高めているため当社の企業統治に及ぼす影響は大きくないと考えております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。