第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の基本の経営方針

当社は、経営理念として「我々シルバーライフは、食の観点から誰もが安心して歳を重ねていける社会を作ります」を掲げ、主に、高齢者向け配食サービスのフランチャイズ本部の運営及びフランチャイズ加盟店(以下、「FC加盟店」という。)等への調理済み食材の販売を事業としております。

経営理念の実現に向け、2021年7月期よりスタートする中期経営計画を推進し、さらなる業績拡大と企業価値の向上を図ってまいります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題

高齢化が急速に進む我が国において、当社の属する高齢者向け配食サービス市場は年々拡大しております。こうした社会背景とスケールメリットを活かした競争優位性により、当社の業績は、創業以来、順調に推移してまいりました。当社が今後も継続して成長していくためには、成長が見込まれている市場において如何にシェアを拡大していくかが重要であると捉えております。そのためには、現在の競争優位性を更に進化させていくことが必須となります。

しかしながら、2020年7月期において冷凍弁当の売上が大幅に増加したため、冷凍弁当の製造能力及び保管能力の限界が見えてきました。別途冷蔵の商材においても、在宅高齢者の増加による2025年以降の需要増が見込まれております。今後の需要増に向け、無理なく売上を伸ばせる体制を作るため、大規模な設備投資を行い、商品供給能力を強化いたします。中期経営計画では、当社の成長に必要となる会社基盤の構築に注力することとしています。

中期経営計画の骨子は次のとおりであります。

 

①外部環境

  日本は75歳以上の後期高齢者の人口が急激に増加すると予想されています。高齢者人口が増えるに従い、独居の高齢者も増えていきます。しかしながら国が介護・福祉にかける財源確保は更に困難を増し、介護事業者の運営は厳しくなるものと予想しております。

  それらの環境下、高齢者のご自宅までお弁当を届ける当社の配食サービスや高齢者施設向けの食材サービスのニーズは更に高まるものと考えております。

 

②外部環境を背景とした売上増の施策

・FC加盟店

   ご利用者へのラストワンマイルを担う店舗数の増加は重要な成長エンジンの一つであると捉えております。各店舗へのフォロー体制の充実、第3ブランドの立ち上げにより、2025年7月期終了時点で1000店舗超の店舗数を目指してまいります。

・高齢者施設等

   高齢者施設等には、これまではFC加盟店向けの商品と同様のチルド商材を提供していましたが、長期保存が可能な冷凍商材が好まれることから、この度、施設専用の冷凍商材の販売を開始しました。今後は、これまでの冷蔵商材から冷凍商材への移行を積極的に進め、利用者の利便性を高めてまいります。

・OEM

   当社の食品製造工場で生産した食材を他社ブランドで販売しておりますが、取引先の動向で受託量は増減いたします。今後はリスク管理の観点も踏まえ、一社への依存度を分散させるためにも取引先数を増やしていく考えです。第2工場稼働後は新規案件の受託も可能となることから、販売先の開拓を積極的に行ってまいります。

・冷凍弁当の直販

   広告ノウハウを得たことによる効率的な新規顧客の獲得と共に定期顧客を増やす施策を行い、当面は現状の製造能力の範囲内での売上確保に努めます。商品供給体制が構築された後、積極的な広告展開を実施し、新規顧客獲得に注力いたします。

 

製造・保管体制の確立

  現工場(関東工場)での冷凍弁当の製造能力の限界が見えてきた中で、現工場の3~4倍の製造能力を持つ第2工場を建設し、製造能力の増強を図ります。

  また現工場を冷凍専用の製造工場とし、近隣に冷凍専用倉庫を新設します。これらの設備投資で今後の需要増に対応できる体制を整えるとともに、生産効率を高め原価の低減につなげてまいります。

④目標とする経営指標

  積極的な設備投資を行うことで、売上を伸ばす体制を整えながら、2025年7月期の売上高140億円、営業利益16億円、減価償却費等も含めたEBITDA20億円を目指してまいります。

 

⑤株主還元について

  当社は今後の売上成長のベースとなる、製造工場などの設備投資を行ってまいりますが、それらの投資が一巡化した段階で、株主に対して安定的な利益還元を行う考えです。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社として必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、積極的な情報開示の観点から記載し「特に重要なリスク」と「重要なリスク」に分類しております。

文中にある一部将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生可能性のあるすべての事項を網羅するものではありません。

 

(特に重要なリスク)

(1) 第2食品製造工場と冷凍倉庫の建設について

 2021年初旬に竣工を予定しております第2食品製造工場(第2工場)は、現在の関東工場(第1工場)に対し3~4倍の製造能力を見込む工場となります。この工場を稼働させることにより、将来の売上及び利益の拡大を目指しております。

 しかしながら、何らかの理由により工場の建設及び稼働が予定どおり進まない場合は、当社の売上及び利益計画に重大な影響を与える可能性があります。

 また、当社製造の冷凍食材及び冷凍弁当の保管を予定している冷凍倉庫の建設は2021年末頃の竣工予定ですが、建設が予定どおり進まない場合、冷凍食材及び冷凍弁当の売上及び利益計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食材の仕入れについて

①食材価格の変動について

当社の製品の原材料は、野菜、肉魚類、穀物等の食材でありますが、食材の価格は国内外の商品市況に影響されて上下することがあります。また、食材は海外から輸入されるものがあるため、仕入価格は為替変動の影響を受けることがあります。

当社は、こうした仕入食材の価格上昇を極力抑えるため、国内の卸業者を通じて食材を調達し、同時に食材価格の変動による影響を一定程度吸収しております。その他、国内仕入業者を複数持つ、同じ食材の場合常に相見積りを取る、仕入価格の低い代替食材によるメニューの組み替えを適宜行う等の対策を行っております。

しかしながら、想定を超える大幅な市況の変化や為替変動が生じた場合には、食材費の高騰による製造原価上昇により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②製造委託先の依存度について

当社の商品は、関東工場で生産する以外は複数の製造委託先から仕入れており、主要取引先であるアイサービス株式会社からの仕入割合は、当事業年度においては44.8%となっております。

本書提出日現在において、同社とは良好な関係を継続しておりますが、同社の経営方針変更あるいは何らかの事由により、同社からの仕入が難しくなった場合には、委託先選定や変更に伴う一時的な商品供給の中断や、採算の悪化等により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 食の安全性について

近年、食品への異物混入による健康被害や食品の偽装表示あるいはウィルス感染に起因する集団食中毒の発生等、消費者の「食の安全性」に対する業界の信頼を損なう問題が発生しております。当社は、食品マネジメントシステムに関する国際規格である「FSSC22000」(Food Safety System Certification 22000)を取得し、規格に基づいた衛生管理、品質管理を実践することで、安全・安心な商品提供のための体制構築に努めております。

しかしながら、当社の内外において、生産者や流通過程等による異物混入や虚偽表示等の事故・事件が発生した場合、顧客の食品一般に対する不信感や当社製品に対する信頼・信用の毀損等により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 代表取締役への依存について

当社の代表取締役である清水貴久は、経営方針や事業戦略策定をはじめ中期経営計画立案及び推進、新規事業立案及び推進において重要かつ中心的な立場にあります。

 現在、代表取締役に過度に依存しない経営体制となるよう権限委譲等を進めておりますが、何らかの事由により代表取締役の業務継続が難しくなった場合には、当社の事業及び経営内容・業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(重要なリスク)

(1) 市場環境及び競合他社との競争について

当社の属する高齢者向け配食サービス市場は、高齢者人口の増加、社会保障費用の増加による自治体の補助費削減による民間への依存度拡大、配食サービスの浸透等により、堅調に拡大しております。今後もさらに拡大が見込める市場であると考えております。

当社は上記の市場環境を勘案して積極的な展開を図り、FC加盟店の拡大、高齢者施設等向け食材販売、OEMによる販売や冷凍弁当のEC販売を含めた事業も展開することで製造のスケールメリットを活かし、当該市場においての地位確立に努めております。

しかしながら、市場に強い影響力を有する大手企業の参入や、食品小売業等、周辺の他業界並びに同業他社等との競争が激化した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制について

当社の事業活動は、食品衛生法、中小小売商業振興法、私的独占の禁止及び公正取引確保に関する法律(以下、「独占禁止法」という)や、雇用等に係る各種の法令・規制等の適用を受けております。当社においては、コンプライアンスの重要性についての教育を行い、日常行動の基本的な考え方や判断基準を定めたコンプライアンス規程に基づき行動しております。しかしながら、今後これら法的規制の強化や新たな規制により事業活動が制限された場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社事業に関わる法規制のうち、特に影響が大きいと考えられるものは以下のとおりであります。

 

①食品衛生法について

当社は、高齢者向け配食サービス事業運営にあたって食品衛生法の規制を受けております。FC加盟店の出店にあたっては食品衛生法に基づき、管轄保健所を通じて営業許可を取得し、全てのFC加盟店に食品衛生責任者を配置しております。工場の運営にあたっても、食品衛生法等を順守した衛生管理・品質管理等を行っております。

当社は今後においても食品衛生法を順守するため衛生管理に留意していく方針でありますが、万一食中毒等が発生した場合、行政機関による営業の停止処分等や違反者の公表が行われるとともに、損害賠償等により当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②中小小売商業振興法及び独占禁止法について

当社は、フランチャイズチェーンの運営に関して「中小小売商業振興法」及び「独占禁止法」の規制を受けております。「中小小売商業振興法」においては、当社のフランチャイズ事業の内容や加盟契約内容等を記載した法定開示書面の事前交付が義務付けられております。また、「独占禁止法」においては当社がフランチャイズシステムによる営業を適切に実施する範囲を超えて、FC加盟店に対して正常な商習慣に照らし不利益を与えること及び優越的地位の濫用を禁止しております。当社はこれらの法令を順守しておりますが、法令等の改廃、新たな法令等の制定により当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③パートタイマー・アルバイトの労働条件に係る法令等について

当社は、短時間労働者を多数雇用していることから、昨今の労働法関係の改定に対しては、社外専門家の意見を取り入れながら対応しており、一定以上の労働時間を有する社会保険加入対象者については法令に従い全員加入をさせております。しかし、今後、短時間労働者の社会保険加入義務の適用範囲が拡大された場合には、保険料の増加等により、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) FC加盟店について

①店舗運営・経営内容について

当社はFC加盟店との間でフランチャイズチェーン加盟契約を締結し、食材の供給とスーパーバイザー(SV)等を通じた店舗運営指導や経営支援を行っております。しかしながら、FC加盟店は、当社とは資本関係のない独自の経営をしており、当社の管理が細部まで行き届かない可能性があります。フランチャイズチェーン展開が計画どおりに実現できない場合、食材販売売上やロイヤリティ収入が減少すること等があるとともに、当社の指導が及ばない範囲でFC加盟店等において当社ブランドに悪影響を及ぼすような事態が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

また、FC加盟店は個人事業者が多く、財務基盤は必ずしも安定していないため、経済状況や市場動向、災害、その他の事由によりFC加盟店の経営状況が悪化する事態となった場合、当社への未払金の増加やFC加盟店の撤退等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②出店政策について

当社は、複数のインターネット広告とフランチャイズ専門の紙媒体広告等を用い、首都圏でフランチャイズ説明会を実施し積極的なFC加盟店展開政策を取ってまいりました。

しかしながら、フランチャイズ加盟希望者が他フランチャイズチェーンに流れたり、新規参入等により高齢者向け配食サービス業界の競合が激化し当社フランチャイズチェーンの魅力が相対的に低下したりすること等により、計画どおりに新規出店が確保出来ない場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) システムトラブルについて

当社は、通信ネットワークやコンピュータシステムを使用し、商品の調達や販売等多岐にわたるオペレーションを実施しております。システムの運用・管理には万全を期しておりますが、想定外の自然災害や事故等により設備に甚大な被害があった場合や、コンピュータウィルスの不正侵入、または従業員の過誤等によるシステム障害が発生した場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 個人情報の管理について

当社は、高齢者向け配食サービス事業の特性として、個人情報を多く取り扱っており、適正な取得取扱者の限定、配布先の制限等の安全管理措置、社内規程に則った厳重な管理体制の整備と周知徹底を課題として取り組んでおります。しかしながら、万一、システム障害等の事故や不正流出等により、情報が漏洩した場合には、法令違反、損害賠償等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人材の確保及び育成について

当社が安定的な成長を達成していくためには、優秀な人材の確保が必要であります。当社はFC加盟店の運営を指導する営業人員だけでなく、製造人員や栄養士等、さまざまな技能を有した人材を確保するため、新卒採用だけでなく、パート・アルバイトからの社員登用や、中途採用、海外実習生の活用等により、優秀な人材の獲得に取り組んでおります。また人材教育に関しては、実践的な技術指導を主に、社外研修等も利用して人材育成を行っております。当社は今後の事業拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人員の確保が計画どおり進まなかった場合、または人員の流出が生じた場合、人材の育成が想定どおり進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、当社の事業及び経営内容・業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害及び感染症拡大等の発生について

当社の本社、工場及びFC加盟店出店地域において大規模な地震や台風等の災害が発生し、本社、工場及びFC加盟店の損壊、道路・通信網の寸断等により店舗運営並びに仕入・生産等が困難になった場合、一時的に営業活動が阻害される恐れや修繕費等、多額の費用が発生するなどの可能性があります。

また、当社の工場で新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症が流行した場合、一時的に工場の操業を停止するなど生産活動が阻害される可能性がありますが、それらの事態に備えて工場の分散化や提携工場との連携を強化しております。しかしながら、そのような事態が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 新株予約権の発行について

当社におきましては、取締役及び従業員の業績向上へのインセンティブを高めることを目的として、ストックオプション制度を採用し、取締役及び従業員に新株予約権を付与しております。

これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに株式が発行されることにより、当社の既存の株主が有する1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。本書提出日(2020年10月28日)現在におけるこれら新株予約権による潜在株式数は286,400株であり、発行済株式総数10,691,200株の2.7%に相当しております。

また、今後も同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があり、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

(9) 借入金について

当社は、2020年7月末時点で借入金はありませんが、第2食品製造工場の土地・建物等の取得のために2,000百万円の借入金を調達する予定です。2020年7月末の総資産5,613百万円に借入金2,000百万円が加わったと仮定した場合の総資産は7,613百万円、有利子負債は2,000百万円、総資産に対する有利子負債の割合は26.3%となります。

また借入金には、今次計画土地建物に普通抵当権が設定されており、計画通りに返済が進まない場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調にありましたが、米中貿易摩擦の長期化、英国のEU離脱等による世界経済の不確実性に加え、新型コロナウィルス感染症の流行による長期的な経済活動の停滞が懸念されるなど、企業を取り巻く環境は極めて不透明な状況が続いております。

当社が属する高齢者向け配食サービス業界におきましては、高齢者人口及び一人暮らし高齢者世帯の増加等を背景に、市場は引き続き拡大傾向が続いております。

このような状況下、当社におきましては、引き続きFC加盟店の積極的な開発、高齢者施設向けの食材販売では、減少した売上の回復に向け新商品を開発し2020年4月から販売を開始いたしました。また、今後の新たな収益の柱とすべく前事業年度に始めた当社製造冷凍弁当の直接販売を拡大するための施策に注力いたしました。

製造面においては、工場の製造設備増強等による製造能力効率化の効果が原価の低減に繋がりました。加えて顧客への販売価格が直接売上高となる直接販売の比率が大幅に高まったことで売上高総利益率は上昇いたしました。

販売管理費においては、直接販売の認知度向上に向け積極的な広告展開を行ったこと、また同販売の売上増に伴い商品の配送費用等が増加したことにより、売上高販売管理費率は高まりました。しかしながら、広告戦略のノウハウが得られ効率化が図れたことから、売上高広告宣伝費率は期初と比較し大幅に改善いたしました。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

当事業年度における財政状態は、総資産は5,613,946千円(前事業年度末比760,093千円増)となりました。負債は1,249,550千円(同70,636千円増)、純資産は4,364,396千円(同689,457千円増)となりました。

 

b. 経営成績

当事業年度における経営成績は、売上高は8,832,415千円(前事業年度比13.2%増)、営業利益は934,511千円(同5.6%増)、経常利益は1,086,207千円(同8.4%増)、当期純利益は678,562千円(同6.8%増)となりました。

 

販売先別の経営成績は次のとおりであります。なお、当社は食材製造販売事業の単一セグメントであるため、販売区分別に記載しております。

 

(FC加盟店)

フランチャイズを展開しているFC加盟店向け販売では、市場シェアの拡大を優先事項と捉え「まごころ弁当」及び「配食のふれ愛」の2ブランドによる積極的な店舗展開を図ってまいりました。これにより「まごころ弁当」は前事業年度末より66店舗、「配食のふれ愛」は39店舗それぞれ増加したことで、店舗数は前事業年度末より105店舗増加し834店舗となりました。

この結果、FC加盟店向け販売における当事業年度の売上高は6,350,526千円(前事業年度比13.2%増)となりました。

 

(高齢者施設等)

高齢者向け食材販売サービスである「まごころ食材サービス」では、介護報酬削減の影響により民間配食業者への効率的な食材販売サービスへの需要が高まっておりますが、前事業年度に行った個食対応の廃止影響が継続し売上は減少いたしました。

2020年4月より施設専用冷凍商材「こだわりシェフ」の販売を開始いたしましたが、新型コロナウィルスの影響で営業活動が充分に行えず、業績への寄与度は軽微となっております。

この結果、高齢者施設等向け食材販売における当事業年度の売上高は1,191,197千円(前事業年度比5.4%減)となりました。

(OEM・その他)

前事業年度末から継続している既存大手OEM先の委託先分散化施策の影響でOEM販売の売上は大きく減少いたしました。一方で直接販売の売上拡大施策が功を奏し同販売の売上は大幅増となり、OEM販売の減少分以上の売上を確保いたしました。

なお、直接販売での利益は当初広告宣伝費等の先行投資費用でマイナスとなっておりましたが、売上が増加したことで、当事業年度において全社損益に貢献いたしました。

この結果、OEM・その他における当事業年度の売上高は1,290,690千円(前事業年度比38.4%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度より413,280千円減少し、1,847,192千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、678,881千円(前事業年度は906,566千円の獲得)となりました。

収入の主な内訳は、税引前当期純利益1,067,698千円、減価償却費169,309千円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額424,003千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、1,100,191千円(前事業年度は324,044千円の使用)となりました。

支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出957,184千円、無形固定資産の取得による支出149,608千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、8,029千円(前事業年度は9,290千円の使用)となりました。

収入の主な内訳は、ストックオプションの行使による収入10,894千円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

   当事業年度の生産実績は、以下のとおりであります。なお、当社は食材製造販売事業の単一セグメントであり、販売区分ごとに製造を分けておりませんので販売区分別の記載はしておりません。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年8月1日

 至 2020年7月31日)

金額(千円)

前事業年度比(%)

食材製造販売事業

2,574,444

111.3

合計

2,574,444

111.3

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当社は、概ね受注から販売までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

c. 販売実績

当事業年度における販売実績を販売区分別に示すと、以下のとおりであります。

販売区分の名称

当事業年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

金額(千円)

前事業年度比(%)

FC加盟店

6,350,526

113.2

高齢者施設等

1,191,197

94.6

OEM・その他

1,290,690

138.4

合計

8,832,415

113.2

 (注)1.当社は食材製造販売事業の単一セグメントであるため、販売区分別の販売実績を記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者より一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。当社の財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

 

(貸倒引当金)

債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

なお、期末日現在に保有する債権の信用リスクが、外部環境等の変化によって過去に有していた債権の信用リスクと著しく異なる場合には、貸倒実績率を補正すること等が必要となり、貸倒引当金の金額が増減する可能性があります。

 

固定資産の減損処理

減損損失は、減損の兆候が見られる資産グループについて減損損失の認識を判定し、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとしています。

減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、経営環境の変化や地価の変動等、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

繰延税金資産

繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性および将来加算一時差異の十分性に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかにより判断しています。

当該見積りおよび仮定について、外部環境の変化等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績は次のとおりであります。

 

(売上高)

当事業年度における売上高は、8,832,415千円(前事業年度比13.2%増)となりました。高齢者施設等向け及びОEМ販売の売上の落ち込みを、FC加盟店及び直接販売の売上の伸びが補った結果となりました。

FC加盟店については、引き続き積極的な加盟店開発を行っており、期初の出店計画50~60店舗に対し、105店舗の純増となりました。この要因はSNSを使ったFC加盟店募集広告で効率的に集客に繋げることができたことに加え、FC加盟店説明会参加者から契約に至る確率が上場効果等で大幅に上がったこと等によるものです。また価格優位性が維持できたこと、高齢者数の増加といった社会背景により既存店の売上も順調に推移いたしましたが、一部大型店舗の閉店影響により期初計画は下回りました。

高齢者施設等については、介護報酬削減の影響により民間配食業者へ需要が高まっておりますが、2018年10月に施設への食材販売単位を定量化したことの影響が継続し、売上は期初計画を下回りました。

これまでFC加盟店向け用の冷蔵商材を提供していましたが、施設向けの商材は冷凍が主流となっていることから、2020年4月より施設専用冷凍商材「こだわりシェフ」の販売を開始いたしました。しかしながら、新型コロナウィルスの影響で営業活動が充分に行えず、業績への寄与度は軽微となっております。発注継続率はこれまでの冷蔵商材より高いことから、今後は、冷凍商材への移行を積極的に進めてまいります。

OEMについては、前事業年度末から継続している既存大手取引先の委託先分散化施策の影響で売上は大きく減少しいたしました。一方で直接販売の売上が大幅増となり、OEM販売の減少分以上の売上を確保できたことで、OEM・その他全体としての売上は期初計画を上回りました。直接販売での利益は、当初広告宣伝費等の先行投資費用でマイナスとなっておりましたが、売上が増加したことで、当事業年度においては全社損益に貢献いたしました。しかしながら、想定以上の売上増となり冷凍商材の製造が限界を迎えたことから、2020年7月は広告展開を中断し受注調整を図りました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は、6,221,896千円(前事業年度比11.8%増)となりました。主な要因は売上高の増加に伴い製造原価及び仕入高が増加したことによるものであります。なお、設備投資などによる工場の製造原価の削減効果により、売上原価の増加率は抑えられております。加えて、顧客への販売価格が直接売上高となる直接販売の比率が大幅に高まったことで売上高総利益率は上昇いたしました。

この結果、売上総利益は2,610,518千円(同16.8%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

販売費及び一般管理費は1,676,006千円(前事業年度比24.1%増)となりました。主な要因は直接販売の認知度向上に向け積極的な広告展開を行ったこと、同販売の売上増に伴い商品の配送費用等増加したことによるものであります。

この結果、営業利益は934,511千円(同5.6%増)となり、経常利益は、営業外収益が全体的に増加したため1,086,207千円(同8.4%増)となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度の当期純利益は678,562千円(前事業年度比6.8%増)となりました。

 

③当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a. 財政状態」に記載しております。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、食品の安全性への信頼を揺るがす事故・事件の発生等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は、定期的な第三者機関による品質・安全性の検査の実施等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

なお、新型コロナウィルス感染症に関する業績への影響は軽微であると考えておりますが、今後の事業及び業績に対する影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

当社は、高齢者向け配食サービスを主軸とし、「まごころ弁当」「配食のふれ愛」の2つのブランドで、800店舗超の店舗網を保有しております。これは当社が目指すラストワンマイルを埋める店舗ネットワークの構築が着実に進んでいる証であると認識しています。そして、高齢者向けに特化したメニュー開発のノウハウを活かすことで、高齢者施設等への食材販売、他弁当配食業者向けのОEМ販売及び自社ECサイト等で直接販売する健康に配慮した冷凍弁当の製造など、販売先を増やしてまいりました。

今後は、製造面では、新工場を稼働させ生産体制を強化するとともに、更なる効率化を図ります。販売面においては、当社サービスの利用者や販売先の新規獲得に注力し、各販売先チャネルでのシェアの拡大を図ります。また、全国に広がる当社の店舗網を活かし、新たな事業領域の拡大につなげてまいりたいと考えております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フロー

当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

②財政政策

当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料及び貯蔵品の調達や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備への投資等によるものであります。当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等は自己資金で賄うことを基本方針としております。しかしながら、新工場及び新倉庫建設にかかる資金については、金融機関からの借入を活用いたします。

なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,847,192千円となっております。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、この文中に記載したほか、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、フランチャイズ加盟者との間で、「フランチャイズチェーン加盟契約書」を締結しております。契約内容の要旨は、以下のとおりであります。

 

名    称

フランチャイズチェーン加盟契約書

内    容

当社がフランチャイズ本部となり、FC加盟店に対し「まごころ弁当」または「配食のふれ愛」の商標を使用し、フランチャイズ本部が開発したノウハウに基づきフランチャイズ本部が指定した地域で店舗を開業、運営する権利を付与する。

契約期間

本契約の締結日から5年間

契約条件

加 盟 金

50万円(消費税等別)

保 証 金

40万円

ロイヤリティ

店舗の月間売上の5%ただし上限は10万円(消費税等別)

(注)契約条件は通常プランの場合であります。ゼロプランの場合、月額3万円の会費のほかは加盟金及びロイヤリティは無料、さらに連帯保証人がいる場合には保証金も無料となりますが、食材の卸値等が通常プランと異なります。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。