第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比の記載はしておりません。

 

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善を背景に、雇用・所得環境の改善や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、引き続き緩やかな回復基調で推移しました。今後の景気の先行きについては、世界経済が良好なファンダメンタルズを持続するなか、引き続き堅調な推移が見込まれますが、内外金融・経済政策の動向、地政学的リスクの拡がりおよび資源価格変動の影響などのリスク要因を抱えており、不透明感を払拭できません。当社グループが属するICT領域においては、政府が成長戦略に盛り込む第4次産業革命が進んでおり、ビッグデータ、IoT、AI、ブロックチェーンなどの新技術による新たなサービスや商品が次々に登場し、大きな発展が期待されております。その中でもIoTが付加する経済価値(売上増加効果やコスト削減効果の総和)については、国内のみならず全世界ベースで平成25年から平成34年の累計で15.7兆ドルと試算されており、その内訳は「ものづくり革新」の製造業が3.9兆ドル、「流通・小売・物流」が2.3兆ドルと大きくなっております。(出典:内閣府「日本経済。2016-2017」)

このような事業環境の下、当社グループはターミナルソリューション事業を展開し、業績については順調に推移しております。

IoTソリューションサービスでは、ホテルVODやIP放送向けにSTBやサービスを提供する映像配信分野において、ホテルVODはホテルの新設及びリニューアルに伴う引き合いが増加し、また、IPTV国際標準規格に準拠したSTBを新規に開発し、IP放送向けの製品・サービス拡充にも取り組みました。

また、作業支援分野においては、物流やホテルにおいて業務効率向上を意図したウェアラブルデバイス「Cygnus(シグナス)」の導入を進め、宿泊施設向けに客室管理を可能とするIoTコントローラーの提供も開始いたしました。「Cygnus」やIoTコントローラーでは、既存のパートナーであるVAR(Value Added Reseller)だけでなく、国内外において新規に取扱いを希望する法人や共同での展開を希望する法人が増加しており、新規に当社グループのVARとして工場や物流現場における実証実験やその導入に向けた営業活動を開始しております。

IT業務支援サービスでは、受託開発は前連結会計年度に完了したプロジェクトの反動がありましたが、納品したシステムや製品に対する保守サービスを主として提供するとともに、その効率的な提供に取り組んでおります。

これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,258,047千円、営業利益251,873千円、経常利益245,273千円、親会社株主に帰属する当期純利益152,296千円となりました。

なお、当社グループはターミナルソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、当連結会計年度当初と比較して786,394千円増加し、1,102,637千円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、166,247千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益245,310千円、減価償却費38,696千円、売上債権の増加131,954千円、法人税等の支払額42,983千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、42,179千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出22,535千円によるものであります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度にといて財務活動の結果獲得した資金は、660,890千円となりました。これは主に、株式の発行による収入647,475千円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 仕入実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループはターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

 

区分

仕入高(千円)

前年同期比(%)

IoTソリューションサービス

423,691

IT業務支援サービス

 

(注) 1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

 2.金額は、仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループはターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。また、IT業務支援サービスは、サービスの性格上、受注実績になじまないため、当該記載を省略しております。

 

区分

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

IoTソリューションサービス

804,306

54,448

 

(注) 1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループはターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

 

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

IoTソリューションサービス

992,867

IT業務支援サービス

265,179

合計

1,258,047

 

(注)1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

加賀電子株式会社

549,946

43.7

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、ターミナルソリューション事業の立上げ時からターミナルとソフトウェアの両方の開発を行っており、顧客の注文に応じた最適なターミナルを一気通貫で行う垂直統合型のビジネスを展開してまいりました。特に、ホテルVODやIP放送に利用されるSTB(セットトップボックス)では、小ロットでも最適価格で顧客に提供できることから、当社グループのSTBは国内市場において高評価をいただいております。

現在、当社グループは、ホテルVODやIP放送向けSTBだけでなく、STBの開発・製造で培った技術やノウハウに基づいて、IoT化が今後一段と進むことが予想される製造業や物流業に向けてウェアラブルデバイス「Cygnus」を開発し、その事業拡大に注力しております。平成29年9月には、海外展開を加速させることを目指して台湾の大手電子機器メーカーと販売に関するパートナー協力を行っております。

また、当社グループでは、宿泊施設や倉庫をはじめとする大型施設のIoT化を支援するために、施設内の家電等を遠隔から操作することを可能とするIoTコントローラーとそれらを制御するためのSTBの提供を開始し、「Cygnus」とともに成長の柱となるように、改良を続けております。

当社グループでは、急速に技術が進歩しているIoTの分野において、中長期的に継続した成長を実現し、企業価値の最大化を図るうえで、以下の項目を対処すべき重要な経営課題として現在考えております。

 

 (1) 販売チャネルの拡大

当社グループは、主にパートナーであるVARを通じてターミナルやシステムを提供しているため、業容拡大のためには、国内外における既存のVARとの関係強化に努めるとともに、新規のVARの開拓を行うことが必要です。そのため、既存VARに対しては、ターミナル及びソフトウェア双方の開発が可能な当社の強みを活かして、ニーズを取り込んだターミナルやサービスを提供し、適時適切なフォローサービスの提供を行ってまいります。また、新規VAR開拓のために、人材育成と採用を進めるとともに、国内外におけるネットワークの強化を図ってまいります。

 

 (2) 顧客満足度及び品質の向上

当社グループは、ターミナルの開発から製造まで一気通貫で提供することが可能であることから、顧客が要求する機能と価格を満たす最適なターミナルを提供しております。今後、IoTがさらに市場に普及することで、多機能ではなく適切な水準の機能を最適価格で提供できる当社グループの強みが今以上に活きてくると確信しております。

そのような事業環境の変化に備えて、当社グループでは優秀な人材の確保と社内教育を拡充し、また、ターミナルの製造コスト削減のため、部材等の供給先の複数化を図ってまいります。

当社グループでは、品質向上を目指してISO9000シリーズの認証取得を行っております。今後も顧客に対して適切な品質水準のターミナルの提供と顧客に対する価値提供レベルを向上させるため、同認証を維持して、品質向上を図ってまいります。

 

 (3) 研究開発の強化

既存のターミナルに利用するソフトウェアは、他の分野でも利用されるIoT端末のソフトウェア開発にも利用することができます。そのため、数多くのソフトウェアを開発することで、新ターミナルの開発が早期化でき、また、様々な顧客ニーズに応えることができるようになると考えております。

また、近年、様々なOSやアプリケーションソフトが誕生しており、それらと連動させたターミナルに対する需要が増加傾向にあります。

当社グループでは、よりソフトウェアの開発スピード能力を高め、リードタイム短縮化を目指し、また、複数の顧客ニーズに共通する機能を標準的な機能として、ターミナルに実装させることで、確実に新規顧客を取り込んでまいります。

 

 

 (4) 優秀な人材の確保と生産性の最大化

IoT市場においては、国内だけでなく海外においても常に新端末が開発・製造されており、当社グループのターミナルに類似したものも、今後、市場に投入される可能性はあります。そのため、それらとの差別化を図るためには、ソフトウェア開発が重要であると認識をしており、優秀な人材の継続的確保が事業拡大の重要な課題となります。そのため、より高い専門性を有する人材をグローバルに確保するとともに、既存社員の能力及びスキルの底上げ、定着を図るために社内教育の拡充や定期的な人事評価制度や報酬制度の見直し等を行ってまいります。

また、人材の確保のみならず、生産性を最大化させるために、個々の持つポテンシャルを最大限発揮できるよう、就業環境の最適化や人事制度の拡充に取り組んでまいります。

 

 (5) 内部統制及びガバナンスの強化

事業拡大に伴い当社グループの売上規模が拡大していく中で、持続的に健全な成長を果たすためには、当社及び関係会社の内部統制及びガバナンスの一層の強化が不可欠であると考えています。そのため、国内はもとより、海外支店及び海外子会社への監督強化のために海外事業推進室を設け、その強化に取り組みました。また、内部統制レベルの向上を継続的に図るとともに、事業推進に必要な意思決定の迅速化にも邁進しています。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとはいえない内容についても、投資家の投資判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示いたします。

なお、当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を十分認識した上で、発生の回避や、万が一発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討された上で行われる必要があります。

また、本項の記載内容は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクのすべてを網羅するものではなく、本項における記載事項は、本書提出日現在における当社グループの認識を基に記載したものであり、将来の環境の変化等によって、本項の認識が変化する可能性があります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 市場動向及び業績変動に関するリスク 

IP放送ビジネス及びNetflixやYouTubeといったインターネット回線を通じて配信される動画コンテンツであるOTT(Over the Top)ビデオの広がりや新規ビジネスホテル着工数の増加を背景に、当社グループが強みを持つ映像配信分野におけるSTBの市場規模は2016年168,000百万円から2017年188,000百万円と世界的に拡大傾向にあり(出典:㈱矢野経済研究所「Yano E plus」2016年2月)、当社グループのIoT端末販売やサービス提供も順調に推移するものと見込んでおります。但し、当該分野は景気変動や業界動向の急激な変化により事業環境が悪化する可能性もあり、その場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが手掛けるソフトウェア開発や端末機等の機器販売並びにサービス提供のなかには、売上規模が大きい案件があります。当社グループでは事業の拡大を目指しておりますが、現状は成長過程であり事業規模が小さいため、これらの案件の売上計上時期の偏りにより、四半期又は連結会計年度毎の一定期間で区切ってみた場合、期間毎の業績が大きく変動する可能性があります。

② 海外展開について

当社グループは、平成29年2月に、大手メーカーの工場が集まるアジアを中心に海外展開を加速するため、シンガポールに販売子会社を設立しております。また、IoT化が進展するにつれて、単機能型の顧客専用の処理を行うコンピュータやリアルタイムで情報を取得・表示可能なコンピュータが世界的に求められると同時に、技術革新の頻度も高まると考えております。そのため、それらコンピュータの製造や開発を行うEMSの大手企業が集まる台湾に、最新の技術をいち早く取り入れたターミナルを開発・製造できるように支店を設立し、新製品を開発・製造する体制を強化しております。海外子会社、支店の運営及び海外展開にあたっては、各国、各地域での環境・安全面の法的規制等について最新かつ詳細な情報を入手し、調査し対応を行っております。

しかしながら、こうした海外市場への事業展開においては、予測しない法律・規制の変更、人材の採用と確保の難しさ、テロ、戦争等の地政学的リスク等が内在しております。そのため、当該リスク等が顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

③ 為替変動に関するリスク 

当社グループは、IoT端末の製造を海外企業に委託しており、仕入取引の多くを米ドルを中心とした外貨建て取引が占めております。そのため、為替動向に応じて為替変動リスクを軽減させる取引を行っておりますが、為替変動のリスクを完全に排除することは困難であり、急激な為替変動があった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① 知的財産権に関するリスク 

当社グループのIoT端末は、複数社のソフトウェアライセンスを利用して製造販売をしており、それらライセンサーに対してライセンス使用料を支払っております。しかし、ライセンサーが何らかの理由によりライセンス使用料を変更もしくはライセンス使用が困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように常に細心の注意を払って事業活動を行っておりますが、ICT分野における急速な技術進歩やグローバル化により、当社グループの事業領域における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であります。現在までのところ、当社グループの認識する限り、第三者の知的財産権を侵害したこと、及び侵害を理由とした損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後当社グループの調査・確認漏れ、不測の事態が生じる等により、第三者の知的財産権に抵触する等の理由から、損害賠償請求や使用差止請求等を受ける可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社グループが保有する知的財産権を保護するために、当社グループでは商標登録や特許登録を行い、侵害されないように細心の注意を払っておりますが、侵害されている恐れが生じた場合には顧問弁護士や弁理士と連携し、必要な措置を講じてまいります。しかし、当社グループの知的財産権の侵害を把握しきれない場合や侵害に対して適切な措置を取ることができない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② システムに関するリスク

当社グループのサービスの一部は、PC、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績は深刻な影響を受けます。また、当社グループの運営する各サイトへのアクセスの急激な増加、データセンターへの電力供給やクラウドサービスの停止等の予測不可能な要因によってコンピュータ・システムがダウンした場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

なお、当社グループのコンピュータ・システムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 開発に関するリスク

IoT端末及びソフトウェア開発の技術革新は日進月歩で進化しており、当社グループは、新規技術の研究開発を経営上の重要な課題として認識しております。当社グループでは、研究開発費は販売費及び一般管理費として計上しており、研究開発テーマと予算は取締役会において設定し、研究開発の進捗状況をモニタリングしております。しかし、研究開発投資の成果が必ずしも収益につながる保証がないため、当該研究開発投資負担が当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、IoT端末向けのソフトウェア、自社利用のソフトウェアや業務処理サービスの提供に用いるソフトウェア等を開発しておりますが、ビジネスの中には、顧客向けに特定用途の運用システム等を受託開発することもあります。こうした案件は内容の複雑さから開発が長期化、開発費が多額になることが多く、予定外の仕様変更、人的な入れ替わりなどプロジェクト進行上の問題により、予定通り開発が進まなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 製品の不具合(バグ等)について

当社グループは、顧客から喜ばれる新製品の開発及び既存製品の改良を行っており、不具合等の発生防止に日頃から努めておりますが、一般的にIoT端末やそれらを利用したサービスは高度化、複雑化すると、不具合を完全に解消することは不可能と言われており、当社グループの製品・サービスにおいても、各種不具合が発生する可能性は否定できません。現時点まで当社の責任による不具合の発生により、業績に多大な影響を与えたことはありませんが、当社グループの製品や提供サービスに致命的な不具合が発生し、その不具合を適切に解決できない場合、当社グループの信用力が低下し、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、製品品質の確保、及び品質保証体制の充実に努めております。しかしながら、当社グループが取扱う製品について品質上の問題が発生し、大規模なリコール、製造物責任に関わる係争、関連法令に基づく調査、手続等が発生する可能性があります。当社グループでは、製造物責任賠償については、保険に加入することにより将来の補償費用発生に備えておりますが、当該保険の補償限度内で当社グループが負担する補償額を十分にカバーできるという保証はありません。このため、重大な品質上の問題の発生は、当社グループの信用力の低下のみならず、補償等の発生により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定取引先への依存度について

当社グループでは、IoT端末は台湾のAccton Technology Corporationに生産を委託しておりその仕入比率は平成30年1月期において54.2%となっていることから、仕入の依存度が高い会社との取引が存在しております。

そのため、コスト、品質等を検討して代替可能な製造委託先を検討し、常に代替可能な製造委託先を確保することで、リスクの分散を図っております。

ただし、製造に係わる想定外の事態が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 情報の取扱いについて

当社グループでは、情報セキュリティ及び情報保護を経営の最重要課題の一つとして捉え、情報セキュリティ関連の諸規程を定め、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしております。しかし、万一情報漏洩などの事故が発生した場合には、損害賠償等による予期せぬ費用が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、開発、製造及びサービス提供の業務において、外部委託を利用しております。ソフトウェアの根幹であるソースコードに係る外部委託も行っている関係上、秘密保持契約を結んだ上で信頼のおける業者を利用しておりますが、相互連絡の齟齬に伴う開発の遅延、故意の違法なソースコードの流用や情報漏洩などの可能性は存在します。またシステムの一部を外部委託する場合には、ネットワーク負荷が高い場合などに、当社グループの想定しないトラブルが発生する可能性があります。こうしたことによる当社グループへの信用の失墜が、当社グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該外部委託の運営に支障が生じた場合や、代替先への引継ぎが遅延した等の場合には、当社グループの業務遂行に支障をきたす可能性があります。

⑦ 個人情報の管理について

当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、ユーザーより個人情報を取得することがあります。当該個人情報の管理については、権限を有する者以外の閲覧をシステム上で制限しております。また、当社グループでは個人情報保護関連規程を制定し、従業員に対しても研修を実施しております。しかしながら、外部からの不正なアクセス、その他想定外の事態の発生により個人情報が流出した場合、当社グループの社会的信用を失墜させ、当社グループの事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。

⑧ 法的規制等について

当社グループは、建設業法、電気用品安全法、電波法、電気通信事業法、製造物責任法、労働者派遣法、下請代金遅延等防止法、個人情報保護法等関係諸法令により様々な法的規制等の適用を受けております。今後、これらの法的規制等が変更又は新設された場合や当社グループがこれらの法的規制等に抵触した場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

① 小規模組織であることについて

平成30年1月31日現在における当社グループ組織は、取締役7名(うち、監査等委員である取締役3名)、子会社取締役2名と小規模であり、内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。今後、継続的な成長を実現させるためには、人員増強を図るとともに人材育成に注力し、内部管理体制の一層の強化、充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に行えなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 特定人物への依存について

当社の創業者であり、創業以来の事業推進者である代表取締役 藤吉英彦は、当社グループ事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社グループの事業活動全般において、極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは同氏に過度に依存しないよう、幹部職員の拡充、育成及び権限委譲による分業体制の構築などにより、経営組織の強化に取り組んでおりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 人材の確保及び技術者の退職等に関連するリスクについて

当社グループの事業は高い技術力が必要とされ、優秀な技術者を確保し育成することが極めて重要であります。

しかしながら、適切な人材を十分確保できなかった場合には当社グループの事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後において、もし技術者の退職者が一時的に多数発生した場合、開発スピードが低下し、当社グループの事業拡大が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他のリスク

① 自然災害等の発生に関するリスクについて

当社グループは、製品開発のための設備を多数保有しておりますが、自然災害による物的な直接被害の発生や、災害に起因する社会的要請等により事業活動の継続に支障をきたす場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 資金使途について

当社グループの資金使途につきましては、新規IoT端末の開発への投資、既存事業の拡大にかかる人材採用費及び販売用・レンタル用ウェアラブルデバイスの購入資金に充当する計画となっております。しかしながら、経済環境の変化、競合相手の参入や不測の事態の発生、当該資金使途の変更や新規事業が計画通りに進展しないなどにより、これらの投資が必ずしも期待どおりの収益を上げられない可能性があります。

③ 配当政策について

当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しておりますが、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化も重要な経営目標と考えております。

今後は、内部留保を確保しつつ、財政状態及び経営成績並びに経営全般を総合的に判断して利益配当を行っていく方針であります。しかしながら、現時点においては普通配当の実施の可能性及び実施時期については未定であります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

相手方の名称

許諾内容

契約締結日

契約内容

契約期間

HDMI Licensing LLC.

HDMI出力の使用

平成20年7月13日

使用許諾

平成20年7月13日から
平成30年7月17日まで
(5年間の自動延長有り)

Via Licensing Corporation

音声コーデックの使用

平成27年8月15日

使用許諾

平成27年8月15日から
平成32年8月14日まで
(5年間の自動延長有り)

 

 (注)対価としてロイヤリティを支払っております。

 

6 【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動の目的及び体制は、次のとおりであります。

 

 (1) 研究開発目的

当社グループは、個人向けウェアラブルデバイス市場の規模拡大に伴い、今後、ビジネス向けのウェアラブルデバイス市場は拡大すると予期しております。また、ウェアラブルデバイスのマーケティング活動を踏まえて、当社グループではウェアラブルデバイスの新ラインナップを開発しております。

 

 (2) 開発体制

当事業年度においては、開発に係る人員は3名であります。この他、開発テスト、検証等の作業に従事する人員は3名であります。

なお、当連結会計年度における研究開発費については、ウェアラブルデバイスの改良、新モデルの試作品の製造を行っており、3,624千円発生しております。

また、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比の記載はしておりません。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、1,536,191千円となりました。主な内訳としては、現金及び預金1,102,637千円、売掛金335,874千円となっております。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は81,079千円となりました。主な内訳としては、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定(純額の合計)37,251千円となっております。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は255,365千円となりました。主な内訳としては、買掛金125,009千円、未払法人税等75,495千円となっております。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は1,361,905千円となりました。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は1,258,047千円となりました。これは主にIoTソリューションサービスにおいて、当社の映像配信分野向けファームウェア及びミドルウェアの開発とそれらを搭載したターミナル(STBやサーバ)の販売が好調であったことによります。

 

(売上原価)

当連結会計年度における売上原価は708,552千円となりました。これは主に製品の販売が好調であったことによります。

この結果、売上総利益は549,494千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は297,620千円となりました。これは主に、給与手当等の人件費や租税公課等によるものであります。

この結果、営業利益は251,873千円となりました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外収益は4,349千円となりました。これは主に為替差益の発生によるものであります。また、営業外費用は10,949千円となりました。これは主に上場関連費用の発生によるものであります。

この結果、経常利益は245,273千円となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は37千円となりました。これは固定資産売却益によるものであります。また、特別損失は0千円となりました。これは固定資産除却損によるものです。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は152,296千円となりました。

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,102,637千円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は166,247千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益245,310千円、減価償却費38,696千円、売上債権の増加131,954千円、法人税等の支払額42,983千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は42,179千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得10,071千円、ソフトウェア開発による支出22,535千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は660,890千円となりました。これは主に、新株の発行による収入647,475千円があったことによるものであります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し顧客のニーズに合った製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループが今後の業容を拡大し、顧客満足度の高い製品・サービスを継続的に提供するためには、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

 

(7) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、経営理念として「"しか"に拘り、トランザス独自のシステムを通じて、世の中に無い新しいサービスを創造する」を掲げ、垂直統合モデルにより各種ターミナルを開発・製造し、VARのビジネスの拡大に貢献することを目指しております。

当社グループの強みである小ロットでも低コストでターミナルを開発・製造できることは、IoT向けのサービスサプライヤーの事業とも親和性が高いと考えており、IoTメーカーとして事業を展開し、市場でのポジションを確立してまいります。

今後も、継続して新ターミナル開発のために経営資源を投下するとともに、エンタープライズ向けのウェアラブルデバイス市場、シェアリングエコノミー市場の規模拡大が見込まれるため、ウェアラブルデバイス及びIoTコントローラーの機能追加とマーケティングを強化し、更なる拡販による事業拡大を図ってまいります。