第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 当社では、中長期的に継続した成長を実現し、企業価値の最大化を図るうえで、以下の項目を対処すべき重要な経営課題として現在考えております。

 

(1)販路の拡大及び収益の最大化

 小規模である当社が、販売力を強化するにあたって、自社人員の営業活動の効率化、当社製品の提案から導入サポートまで一貫して行えるパートナー企業の獲得や、他企業との業務提携に取り組むことにより、販路の拡大を進めてまいります。

 また、既存顧客に対しても、当社の他の製品・サービスを追加で提案していくことにより、収益の最大化に努めてまいります。

 

(2)顧客満足度及び品質の向上

 当社は、製品の開発から製造まで一気通貫で提供しており、顧客が要求する機能と価格を満たす最適な製品・サービスの提供が可能です。製品・サービスの品質向上と顧客満足度を高めるために、当社では優秀な人材の確保と社内教育を拡充し、また、製品の製造コスト削減のため、部材等の供給先の複数化を図ってまいります。

 また、品質向上を目指してISO9000シリーズの認証取得を行っております。今後も顧客に対して適切な品質水準の製品・サービスの提供と顧客に対する価値提供レベルを向上させるため、同認証を維持して、品質向上を図ってまいります。

 

(3)研究開発の強化

 既存の製品・サービス向けに開発したソフトウエアは、他の分野でも利用される製品・サービスのソフトウエア開発にも応用させることができます。そのため、数多くのソフトウエアを開発することで、新規開発が早期化でき、また、様々な顧客ニーズに応えることができるようになると考えております。

 また、近年、様々なOSやアプリケーションソフトが誕生しており、それらと連動させた製品・サービスに対する需要が増加傾向にあります。

 そのため、当社では、研究開発を強化し、ソフトウエアの開発スピードの向上、リードタイム短縮化を目指し、また、複数の顧客ニーズに共通する機能を標準的な機能として製品・サービスに実装させることで、確実に新規顧客を取り込んでまいります。

 

(4)優秀な人材の確保と生産性の最大化

 当社は、今後のさらなる成長のために、開発部門及び営業部門を中心に優秀な人材の育成が重要な課題であると認識しております。そのため、既存社員の能力及びスキルの底上げ、定着を図るために社内教育の拡充や定期的な人事評価制度や報酬制度の見直し等を行ってまいります。また、生産性を最大化させるために、個々の持つポテンシャルを最大限発揮できるよう、就業環境の最適化や人事制度の拡充に取り組んでまいります。

 

(5)内部統制及びガバナンスの強化

 当社は、持続的に健全な成長を果たすためには、当社の内部統制並びにガバナンスの一層の強化が不可欠であると認識しております。そのため、監督強化のために内部監査室を設け、その強化に取り組んでおります。また、内部統制レベルの向上を継続的に図るとともに、事業推進に必要な意思決定の迅速化にも邁進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとはいえない内容についても、投資家の投資判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示いたします。

 なお、当社はこれらのリスクが発生する可能性を十分認識した上で、発生の回避や、万が一発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討された上で行われる必要があります。

 また、本項の記載内容は、当社の事業もしくは当社株式への投資に関するリスクのすべてを網羅するものではなく、本項における記載事項は、当事業年度末現在における当社の認識を基に記載したものであり、将来の環境の変化等によって、本項の認識が変化する可能性があります。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 市場動向及び業績変動に関するリスク

 当社のターミナルソリューション事業はIoT製品の販売及びサービス並びにメディアPlatformの提供を行っているため、IoT関連市場、広告市場及びデジタルサイネージ市場の動向の影響を受けております。そのため、当該市場における景気の低迷や技術革新による当社製品の陳腐化等により事業環境が悪化する可能性があり、その場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社が手掛けるソフトウェア開発や端末機等の機器販売並びにサービス提供のなかには、売上規模が大きい案件があります。当社では事業の拡大を目指しておりますが、現状は成長過程であり事業規模が小さいため、これらの案件の売上計上時期の偏りにより、四半期又は事業年度毎の一定期間で区切ってみた場合、期間毎の業績が大きく変動する可能性があります。

 

② 為替変動に関するリスク

 当社は、IoT製品の製造を海外企業に委託しており、仕入取引の多くを米ドルを中心とした外貨建て取引が占めております。そのため、為替動向に応じて為替変動リスクを軽減させる取引を行っておりますが、為替変動のリスクを完全に排除することは困難であり、急激な為替変動があった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、顧客の財政状態が悪化した場合、収益の減少や、売上債権の回収が困難となる事態が生じる可能性があります。顧客ニーズを的確に捉えた新製品・新サービスの供給、生産性の向上、コストダウン等の対策を講じるとともに、市場環境の見極めや顧客への与信調査の徹底に努めることにより、これらのリスクを最小限に抑えるよう努めてまいります。

 

(2)事業内容に関するリスク

① 知的財産権に関するリスク

 当社のIoT製品は、複数社のソフトウェアライセンスを利用して製造販売をしており、それらライセンサーに対してライセンス使用料を支払っております。しかし、ライセンサーが何らかの理由によりライセンス使用料を変更もしくはライセンス使用が困難となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように常に細心の注意を払って事業活動を行っておりますが、ICT分野における急速な技術進歩やグローバル化により、当社の事業領域における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であります。現在までのところ、当社の認識する限り、第三者の知的財産権を侵害したこと、及び侵害を理由とした損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後当社の調査・確認漏れ、不測の事態が生じる等により、第三者の知的財産権に抵触する等の理由から、損害賠償請求や使用差止請求等を受ける可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、当社が保有する知的財産権を保護するために、当社では商標登録や特許登録を行い、侵害されないように細心の注意を払っており、侵害されている恐れが生じた場合には顧問弁護士や弁理士と連携し、必要な措置を講じてまいりますが、当社の知的財産権の侵害を把握しきれない場合や侵害に対して適切な措置を取ることができない場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② システムに関するリスク

 当社のサービスの一部は、PC、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績は深刻な影響を受けます。また、当社の運営する各サイトへのアクセスの急激な増加、データセンターへの電力供給やクラウドサービスの停止等の予測不可能な要因によってコンピュータ・システムがダウンした場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社のコンピュータ・システムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 開発に関するリスク

 IoT製品及びソフトウェア開発の技術革新は日進月歩で進化しており、当社は、新規技術の研究開発を経営上の重要な課題として認識しております。当社では、研究開発費は販売費及び一般管理費として計上しており、研究開発テーマと予算は取締役会において設定し、研究開発の進捗状況をモニタリングしております。しかし、研究開発投資の成果が必ずしも収益につながる保証がないため、当該研究開発投資負担が当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、IoT製品向けのソフトウェア、自社利用のソフトウェアや業務処理サービスの提供に用いるソフトウェア等を開発しておりますが、ビジネスの中には、顧客向けに特定用途の運用システム等を受託開発することもあります。こうした案件は内容の複雑さから開発が長期化、開発費が多額になることが多く、予定外の仕様変更、人的な入れ替わりなどプロジェクト進行上の問題により、予定通り開発が進まなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 製品の不具合(バグ等)について

 当社は、顧客から喜ばれる新製品の開発及び既存製品の改良を行っており、不具合等の発生防止に日頃から努めておりますが、一般的にIoT製品やそれらを利用したサービスは高度化、複雑化すると、不具合を完全に解消することは不可能と言われており、当社の製品・サービスにおいても、各種不具合が発生する可能性は否定できません。現時点まで当社の責任による不具合の発生により、業績に多大な影響を与えたことはありませんが、当社の製品や提供サービスに致命的な不具合が発生し、その不具合を適切に解決できない場合、当社の信用力が低下し、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、製品品質の確保及び品質保証体制の充実に努めております。しかしながら、当社が取扱う製品について品質上の問題が発生し、大規模なリコール、製造物責任に関わる係争、関連法令に基づく調査、手続等が発生する可能性があります。当社では、製造物責任賠償については、保険に加入することにより将来の補償費用発生に備えておりますが、当該保険の補償限度内で当社が負担する補償額を十分にカバーできるという保証はありません。このため、重大な品質上の問題の発生は、当社の信用力の低下のみならず、補償等の発生により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定地域への依存度について

 当社では、IoT製品は中国深圳の複数企業に生産を委託しておりその仕入比率は65.8%となっていることから、同地域に対する仕入の依存度が高い状態となっております。そのため、コスト、品質等を検討して代替可能な製造委託先を検討し、常に代替可能な製造委託先を確保することで、リスクの分散を図っております。しかしながら、同地域における予測しない法律・規制の変更、日中間の関係悪化等のリスクが顕在化した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 情報の取扱いについて

 当社では、情報セキュリティ及び情報保護を経営の最重要課題の一つとして捉え、情報セキュリティ関連の諸規程を定め、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしております。しかし、万一情報漏洩などの事故が発生した場合には、損害賠償等による予期せぬ費用が発生し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、開発、製造及びサービス提供の業務において、外部委託を利用しております。ソフトウェアの根幹であるソースコードに係る外部委託も行っている関係上、秘密保持契約を結んだ上で信頼のおける業者を利用しておりますが、相互連絡の齟齬に伴う開発の遅延、故意の違法なソースコードの流用や情報漏洩などの可能性は存在します。また、システムの一部を外部委託する場合には、ネットワーク負荷が高い場合などに、当社の想定しないトラブルが発生する可能性があります。こうしたことによる当社への信用の失墜が、当社の事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当該外部委託の運営に支障が生じた場合や、代替先への引継ぎが遅延した等の場合には、当社の業務遂行に支障をきたす可能性があります。

 

⑦ 個人情報の管理について

 当社は、展開する各サービスの運営過程において、ユーザーより個人情報を取得することがあります。当該個人情報の管理については、権限を有する者以外の閲覧をシステム上で制限しております。また、当社では個人情報保護関連規程を制定し、従業員に対しても研修を実施しております。しかしながら、外部からの不正なアクセス、その他想定外の事態の発生により個人情報が流出した場合、当社の社会的信用を失墜させ、当社の事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑧ 法的規制等について

 当社は、建設業法、電気用品安全法、電波法、電気通信事業法、製造物責任法、労働者派遣法、下請代金遅延等防止法、個人情報保護法等関係諸法令により様々な法的規制等の適用を受けております。今後、これらの法的規制等が変更又は新設された場合や当社がこれらの法的規制等に抵触した場合、当社の事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(3)組織体制に関するリスク

① 小規模組織であることについて

 2022年1月31日現在における当社組織は、取締役6名(うち、監査等委員である取締役3名)と小規模であり、内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。今後、継続的な成長を実現させるためには、人員増強を図るとともに人材育成に注力し、内部管理体制の一層の強化、充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に行えなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定人物への依存について

 当社の創業者であり、創業以来の事業推進者である代表取締役 藤吉英彦は、当社事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において、極めて重要な役割を果たしております。当社では同氏に過度に依存しないよう、幹部職員の拡充、育成及び権限委譲による分業体制の構築などにより、経営組織の強化に取り組んでおりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 人材の確保及び技術者の退職等に関連するリスクについて

 当社の事業は高い技術力が必要とされ、優秀な技術者を確保し育成することが極めて重要であります。

 しかしながら、適切な人材を十分確保できなかった場合には当社の事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後において、もし技術者の退職者が一時的に多数発生した場合、開発スピードが低下し、当社の事業拡大が制約を受け、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他のリスク

① 自然災害等の発生に関するリスクについて

 当社は、製品開発のための設備を多数保有しておりますが、自然災害による物的な直接被害の発生や、災害に起因する社会的要請等により事業活動の継続に支障をきたす場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しておりますが、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化も重要な経営目標と考えております。

 今後は、内部留保を確保しつつ、財政状態及び経営成績並びに経営全般を総合的に判断して利益配当を行っていく方針であります。しかしながら、現時点においては普通配当の実施の可能性及び実施時期については未定であります。

 

③ 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社は、当事業年度において営業損失356百万円、経常損失365百万円及び当期純損失517百万円を計上しており、継続的な営業損失及び継続的な営業キャッシュ・フローのマイナスが発生しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大は当社の事業等に対して、現時点において多大な影響を及ぼしたことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。

 しかしながら、このような状況を速やかに解消するため、以下に記載の諸施策の実施により業績を改善し、当該重要事象等が早期に解消されるよう取り組んでまいります。

 

(収益力の改善)

 当事業年度において世界的な半導体不足の影響による製品納品までのリードタイムの長期化が発生しているものの、翌事業年度において、PPP事業、受注型Product事業における製品受注案件は継続して維持されており、その納品は、ほぼ確実に見込まれることから、当該案件でのコスト増の抑制を継続し、その収益性を確保することにより業績の回復を図ります。

 加えて、翌事業年度の成長方針に掲げる、BtoB市場に向けたモノづくりを基盤としたSaaSサービスやオウンドメディア構築等、新たな顧客獲得に向けた、営業体制及び営業活動の強化を図るべく、顧客・株主を含めた関係者・取引先との連携を深め、そこから創出される新たな売上の拡大と利益の上積みによって更なる改善を目指してまいります。

 

(固定費の削減)

 当事業年度においては、大幅な固定費の削減を目的とした合理化策を行っております。具体的には、人員削減、役員報酬の減額、本社事務所の移転等により、固定費を大幅に圧縮いたしました。当事業年度の施策により、翌事業年度においては、固定費の大幅な削減が見込めることに加え、継続した経費の見直しと経費圧縮を積極的に推進し、キャッシュ・フローの最大化を目指してまいります。

 

(財務状態の改善)

 当事業年度においては、定期預金を担保としていた短期借入金を返済する一方、無担保の長期借入金60百万円を銀行から借入れることにより流動資金の最大化に努めてまいりました。

 当事業年度において大幅な固定費削減施策と翌事業年度の成長方針に基づく、BtoB市場に向けたモノづくりを基盤としたSaaSサービスやオウンドメディア構築に取り組み、現状におきましては、今後の事業展開においては、その事業計画の元、事業環境を乗り越えるための資金繰りに支障はないと判断しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う世界的な半導体不足の影響等、不測の事態が発生することも想定し、今後、大口案件獲得の際には、プロジェクトファイナンスの方法で仕入額相当の借入を実行するべく取引先銀行と交渉を行ってまいります。なお、プロジェクトファイナンスによる借入は主に仕入の先行期間が相対的に長く、手元流動性の減少に繋がる案件の受注時に活用する予定であります。

 また、更なる事業拡大及び資金の安定的な確保と維持に向け、直接金融による資金調達も検討しており、現在投資家との交渉を行っております。

 

 以上の施策を行うことにより、業績の改善と共にキャッシュ・フローも確保できると考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチン接種が促進され、行動制限の緩和が進んだことなどにより、景気の持ち直しが期待されたものの、新変異種である「オミクロン株」の発生により再び予断を許さない状況となりました。

 このような状況のもと、当社は、今まで培ってきたモノづくりの技術を生かして、メディアPlatformとなり得る様々な場所に企画を提案し、提携先とのアライアンスの強化と総合的なロケーションメディアの構築を目指してまいりました。

 

(Platform,Product&Planning事業)

 Platform,Product&Planning事業(以下、「PPP事業」といいます。)では、人が集まる場所にロケーションメディアを構築する事業を展開しております。

 当事業年度においては、美容サロンサイネージが、全国的な広告出稿意欲減衰の大きな影響を受けたほか、その他のメディアPlatform向け製品販売においては、世界的な半導体不足の影響により、原価の高騰、製品納品までのリードタイムの長期化に収束の目途が立たず、商談における受注・納品時期の不確実性が営業活動に大きな影響を与えました。

 その結果、PPP事業の売上高は、前事業年度よりは大幅に増加したものの、当初予想より大幅に減少し、163,310千円(前事業年度比303.8%増)となりました。

(受注型Product事業)

 受注型Product事業では、自社開発のIoT製品を受注し販売する事業を展開しております。

 当事業年度は、PPP事業に対してリソースを集中した影響により、売上高が前事業年度より大幅に減少いたしました。

 その結果、受注型Product事業の売上高は139,261千円(前事業年度比64.2%減)となりました。

(テクニカルサービス事業)

 テクニカルサービス事業では、法人の社内用システムの開発・保守事業、エンジニアの派遣事業を展開しております。

 当事業年度は、エンジニア派遣は好調であったものの、開発・保守事業は、PPP事業に対してリソースを集中した影響により、売上高が前事業年度より大幅に減少いたしました。

 その結果、テクニカルサービス事業の売上高は102,001千円(前事業年度比35.2%減)となりました。

 

 また、これらに加えて、経営環境の著しい悪化を受けて、固定資産の減損処理を実施し、減損損失として135,531千円の特別損失を計上いたしました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は404,573千円(前事業年度比31.0%減)、営業損失は356,584千円(前事業年度は246,504千円の損失)、経常損失は365,193千円(前事業年度は246,719千円の損失)、当期純損失は517,836千円(前事業年度は384,303千円の損失)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における総資産は298,879千円となり、前事業年度末に比べ627,360千円減少いたしました。これは主に「現金及び預金」が312,370千円、「売掛金」が119,846千円、「有形固定資産」が126,832千円減少したことによるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は89,711千円となり、前事業年度末に比べ110,204千円減少いたしました。これは主に「長期借入金」が60,000千円増加した一方で、「買掛金」が28,293千円、「短期借入金」が100,000千円、「未払金」が21,317千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は209,167千円となり、前事業年度末に比べ517,155千円減少いたしました。これは主に当期純損失が517,836千円発生し、利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、増加要因として、売上債権の減少額132,465千円、減損損失135,531千円、定期預金の払戻による収入100,000千円があったものの、減少要因として、税引前当期純損失516,411千円、短期借入金の返済による支出100,000千円があったことにより、前事業年度末に比べ212,370千円減少し、120,099千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果支出した資金は263,077千円となりました。これは主に、増加要因として、売上債権の減少額132,465千円、減損損失135,531千円があったものの、減少要因として、税引前当期純損失516,411千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は89,457千円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入100,000千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果支出した資金は40,076千円となりました。これは主に、増加要因として、長期借入れによる収入60,000千円があったものの、減少要因として、短期借入金の返済による支出100,000千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

 当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

仕入高(千円)

前年同期比(%)

Platform,Planning&Product事業

57,622

受注型Product事業

97,985

△31.4

テクニカルサービス事業

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

Platform,Planning&Product事業

106,619

受注型Product事業

175,494

△58.0

67,500

20.5

テクニカルサービス事業

7,965

1,920

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

Platform,Planning&Product事業

163,310

283.8

受注型Product事業

139,261

△64.0

テクニカルサービス

102,001

△35.0

合計

404,573

△31.0

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

富士ソフト株式会社

710

0.1

60,678

15.0

株式会社DINOS CORPORATION

37,102

6.3

43,271

10.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当事業年度における売上高は404,573千円(前年同期比31.0%減)となりました。これは主に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことによるものであります。

(売上原価)

 当事業年度における売上原価は323,362千円(前年同期比14.8%減)となりました。これは主に売上高の減少にによるものであります。

 この結果、売上総利益は81,210千円(前年同期比60.7%減)となりました。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は437,795千円(前年同期比3.4%減)となり、これは主に人件費及び地代家賃が減少したことによるものであります。

 この結果、営業損失は356,584千円(前年同期は246,504千円の営業損失)となりました。

(営業外損益)

 当事業年度における営業外収益は425千円(前年同期比71.2%減)となりました。これは主に為替差益の減少によるものであります。また、営業外費用は9,034千円(前年同期比433.4%増)となりました。これは主に遊休不動産関係費用の発生によるものであります。

 この結果、経常損失は365,193千円(前年同期は246,719千円の経常損失)となりました。

(特別損益及び当期純損益)

 当事業年度における特別利益は1,912千円(前年同期比35.9%減)となりました。これは主に固定資産売却益の発生によるものであります。また、当事業年度における特別損失は153,129千円(前年同期比9.8%増)となりました。これは主に減損損失の発生によるものであります。

 この結果、当期純損失は517,836千円(前年同期は384,303千円の当期純損失)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主なものは、仕入活動、製造活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資によるものであります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 運転資金及び設備投資は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し顧客のニーズに合った製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 

(1)当社が技術援助等を受けている契約

相手方の名称

許諾内容

契約締結日

契約内容

契約期間

HDMI Licensing LLC.

HDMI出力の使用

2018年7月18日

使用許諾

2018年7月18日から

2023年7月17日まで

(5年間の自動延長有り)

Via Licensing Corporation

音声コーデックの使用

2020年8月15日

使用許諾

2020年8月15日から

2025年8月14日まで

(5年間の自動延長有り)

(注)対価としてロイヤリティを支払っております。

 

(2)業務提携又は業務提携に準じる契約

相手方の名称

業務提携内容

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社デジタルガレージ

株式会社ダリア

ヘアーサロン向け番組配信事業

2020年1月10日

事業

共同実施

2020年1月10日から

2023年1月9日まで

(1年間の自動延長有り)

コーユーレンティア株式会社

建設現場市場向けメディアPlatform事業

2021年1月21日

業務提携

2021年1月21日から

2024年1月20日まで

(1年間の自動延長有り)

国立大学法人広島大学

紫外線殺菌IoT製品開発等

2020年1月29日

連携活動

2021年1月29日から

2024年1月28日まで

(3年間の自動延長有り)

 

(3)子会社株式譲渡契約

 当社は、不採算事業の整理を目的として、2021年3月9日開催の取締役会において、当社代表取締役社長兼CEO 藤吉英彦に対して、連結子会社であるTRANZAS Asia Pacific Pte. Ltd.の当社が保有する全株式を譲渡することを決議し、2021年3月31日付で株式譲渡契約を締結し、同日付で株式を譲渡いたしました。

 

5【研究開発活動】

 当社の研究開発活動の目的及び体制は、次のとおりであります。

 

(1)研究開発目的

 当社は、IoT製品に対する需要は今後一層高まることを予期しており、IoT製品及びそれらを活用したサービス・ソリューションを開発しております。

 

(2)開発体制

 当事業年度においては、開発に係る人員は4名であります。この他、開発テスト、検証等の作業に従事する人員は2名であります。

 なお、当事業年度における研究開発費については、新製品の試作品の製造を行っており、30,634千円発生しております。

 また、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。