文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は経営理念である『次世代に向け、多種多様な技術リクエストにお応えすべく、高い技術力を有する集団になるとともに、社会に貢献する製品を提供する』を実現するため、創業以来培ってきたハードウェア・ソフトウェア・メカトロニクスの技術によって、技術仕様の構築からシステム開発設計、製造までワンストップでサービス提供することにより、エレクトロニクス市場分野にベストソリューションを提供してまいります。
(2)経営戦略等
経営ビジョンである『高い技術力を基盤として、一人でも多くの人に夢を与えられる企業でありたい』を体現するべく、高品質のメカトロニクス・半導体デバイスを顧客のニーズにあわせて迅速に提供してまいります。これにより、当社を取り巻くステークホルダー、すなわち、株主、顧客、従業員、地域社会等の期待に応え、ひいては当社の企業価値を総合的に高めることができると考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益性の指標として「営業利益率」を、安定性の指標として「自己資本比率」を重要な指標として位置付け、バランスの取れた企業価値の継続的拡大を目指しております。
当社の主たる事業領域である半導体業界は、技術革新のスピードが速いため、これに対応すべく設備投資と研究開発投資を継続的に行う必要があります。また、半導体業界は景気変動の波が大きい特性があり、顧客企業の投資動向が当社の業績に影響を与える可能性がありますが、短期的には営業利益率5%以上を、中長期的には同10%以上を達成することにより、さらに自己資本比率40%以上を堅持することにより、強固な財務基盤並びに事業基盤を構築・維持することを目標としております。
(4)当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 人材の確保・育成について
当社では、人材が重要な経営資源であると考えており、事業の拡大及び持続的な成長のために、高いスキルを持った優秀な人材の確保と育成を重要な課題として認識しております。若年層人口の減少により採用活動は厳しい状況が続いておりますが、国内の大学を始め、海外の大学との連携等、教育・研究機関等との緊密な関係を構築し、採用応募者の増加に努めるとともに、社内での研修をより一層充実させ、新卒及び中途入社者の専門知識の向上による育成面にも力を入れることにより、当社の経営理念を理解しチャレンジを続ける優秀な人材の確保に取り組んでまいります。
② 内部管理体制の強化について
当社は、比較的小規模な組織であるため、継続的な成長を実現できる企業体質を確立する必要があります。そのため、リスク管理や業務運営管理をはじめとする内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。今後の企業規模拡大に備え、企画・管理本部を始めとする各部門の内部管理体制の整備と適切な運用を推進し、経営の公正性及び透明性を確保するため、体制強化に取り組んでまいります。
③ 新規顧客の開拓について
当社は、既存顧客からの注文に依存する割合が高くなっております。当社は販売先と良好な関係を維持しておりますが、今後も新規販売先の開拓を実施し、特定の販売先への依存度を低下させる方針です。
④ 財務体質の強化について
今後の業容拡大及び業務内容多様化に対応するため、運転資金を確保する必要がありますが、利益の蓄積の他、多様な資金調達手法を活用し、財務体質の強化を図ってまいります。
以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、実際の結果とは異なる可能性があります。
(1)景気動向や半導体市況の影響について
当社の事業は、景気動向、金利動向、物価動向及び税制等に基づく需要者の投資意欲や需要動向に影響を受けやすいため、景気の先行き悪化や大幅な金利の上昇、人件費の上昇、半導体市況、消費税増税等の動向に大きく左右される傾向があります。そのため、これらの動向次第で当社の業績に影響を与える可能性があります。
特に、当社の主要販売先は半導体関連企業であるため、半導体市場の影響を大きく受けます。半導体市場は中長期的には技術革新が進むことで持続的な成長が期待できる反面、短期的には需給バランスの崩れなどで市場規模が大きく変動する可能性もあります。このような想定外の需要の急減等により、顧客が設備投資の中止や延期を行った場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。一方で、想定外の需要の急増等が発生した場合は、製品供給がタイムリーに行えずに機会損失が生じる可能性もあります。
当社はこのような景気変動、金利動向、物価動向、需要動向、また市場変動に対応するため、顧客の投資動向や受注状況を適時に把握・検証するとともに、設備・システム・人員等、多面的に柔軟な生産体制を整備・運用することで、環境変動に対応できる体制を構築しております。
(2)法的規制について
当社は、主としてプロダクツ事業、エンジニアリング事業及びシステム事業を展開しており、遵守すべき法令・規制は複数あります。具体的には、一般労働者派遣事業者として「労働者派遣法」(注)に基づく許可、及び有料職業紹介事業者として「職業安定法」に基づく許可を受けて事業を行っております。現在、これら許可要件の欠格事由はありません。当社の申請が基準に適合しない場合や、事業活動において違反行為が生じた場合には、営業の停止又は許可の取消という行政処分が下される恐れがあり、万が一、当該基準に抵触するようなことがあれば、事業活動に重大な影響を与える可能性があります。
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許可名 |
許認可等番号 |
有効期限 |
取消条項 |
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一般労働者派遣事業許可 |
派13-302124 |
2024年10月31日 |
労働者派遣法(注)第14条 |
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有料職業紹介事業許可 |
13-ユ-311880 |
2023年2月28日 |
職業安定法 第32条の9 |
(注) 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」
当社では、従業員を対象としたコンプライアンス研修等の実施を推進するなど、遵法精神の向上・定着や社会的規範意識の醸成に努めております。また、内部監査部門において当社が事業を展開する上で遵守すべき法令・規制が有効期限内にあること、取消条項に抵触していないことをチェックリストを用いて常時モニタリングすることにより、当該リスクに対応する体制を構築しております。
(3)技術革新について
当社の事業領域であるエレクトロニクス業界においては、技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新技術が生み出されております。当社はこうした事態に対応するために、常に業界動向を注視し、迅速かつ適切な対応をしていく方針であります。しかしながら何らかの要因のため、当社において当該変化等への対応が遅れた場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、2022年3月に横浜事業所と新横浜サテライトの各生産拠点を新たにシステム事業本部として移転・統合し、生産能力の拡大と生産効率の向上を進めております。また、同じく2022年3月に本社を移転し、複数フロアに分かれていた執務スペースを集約するとともに、人員を増強しております。これらの施策を始め、最新の知識・技術を継続的にアップデートし、顧客企業のニーズを的確に捉えるべく、不断の研究開発活動に注力することで、技術革新に対応できる体制構築に努めております。
(4)価格競争のリスク
当社の主要顧客である電子機器等完成品メーカーは、グローバル化の進展に伴い、製品に組み込むプリント配線基板等について、高い品質と短納期が求められる試作基板製造は国内企業に任せる一方、量産基板製造は、マーケットを背景に持つ中国・アジア諸国等の海外拠点・企業に委託してコストを削減する傾向にあります。このような状況下において、当社は高付加価値基板の製造技術の確立と短納期多品種中小ロットの製造に注力してまいりますが、電子機器等完成品メーカーの部品調達が海外にシフトすることにより、生産が大幅に減少し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
このような状況下において、当社は高付加価値基板の製造技術の確立と短納期多品種中小ロットの製造に注力することで他社との差別化を図り、価格競争のリスクを低減してまいります。
(5)人材の確保・育成について
当社の事業は高い意欲と技術力を備えた人材に支えられており、人材が重要な経営資源と考えております。したがって、事業の拡大に向け、優秀な人材の確保・育成・定着率の向上が重要な課題となりますが、少子高齢化・労働人口の減少により、中長期的には人材の確保が難しくなる傾向にあり、また、当社内においても技術者の高年齢化が課題となっております。雇用情勢や経済環境によっては、計画通りの人材確保・育成ができず、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社では、会社説明会、就職フェア、就職サイト・ホームページなどを活用することにより、新規学卒者採用を継続的に行っております。また、新本社内に情報セキュリティ対策を完備した開発用専門ブースを新設し、顧客企業内に派遣され開発業務に従事していた知識・経験豊富な技術者と若手技術者を研究開発業務で協働させることにより、専門技能・知識・ノウハウの若手技術者への伝承を進めてまいります。今後、引続き優秀な人材の確保に努めるとともに、定着率の向上・人材の育成についても、技術者それぞれの技術力や経験を踏まえた教育・人事・ローテーションが一体となったサポートを実施してまいります。
(6)特定の販売先への依存について
当社の売上高のうち、最大の販売先(レーザーテック㈱))に対する売上が約85%を占めております。当社は販売先と良好な関係を維持しておりますが、今後も新規販売先の開拓を実施し、特定の販売先への依存度を低下させる方針です。
しかしながら、当面は特定の販売先への依存が高い水準で推移することが考えられ、この間に特定の販売先からの受注が減少した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、新設した事業開発本部が中心となって新規事業の伸長を目指してまいります。具体的には、環境関連装置事業や、自社開発したペイパービュー用の電子端末(病院やホテル等においてペイパービューをキャッシュレスかつタッチレスで利用できるタブレット端末)の製造・販売事業等を進めております。
(7)原材料費、人件費の高騰に関するリスクについて
原材料費、人件費の高騰は売上原価及び販売費及び一般管理費の上昇を招きますが、売上価格に転嫁できない場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、サプライヤーの品質・生産能力等を確認し、原材料の供給途絶の発生防止に努めております。また、複数購買化を推進することにより、価格面だけではなく、調達のリスクを低減しております。安定的な生産を維持することができるように、予め調達リスクの高い原材料の予防的な在庫を確保する、また、有為な人材を積極的に採用・教育する方針を取っております。
(8)情報管理について
当社は、顧客企業に関する社外秘の技術等、様々な情報を取り扱っております。これらの情報管理については、規程の整備や社員等への周知徹底に努めております。しかしながら、不測の事態によって情報が漏洩した場合には、当社の社会的信用が低下し、またその対応のための費用が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、最新のサイバーリスクに関する情報に基づき、アンチウイルスソフトの導入を徹底し、ファイアウォール等の設置による不正なアクセスの防止、外部からの不審なメールをチェックし排除するシステムを導入するなど、情報漏洩リスクの低減に努めております。
また、従業員に対して情報の取扱いに関する教育を進め、セキュリティ意識の向上に努めております。
(9)自然災害等について
当社は、本社機能、開発・生産拠点を国内の複数の地域、具体的には東京、横浜、福岡等に有しております。これらの拠点において、地震、風水害、火災等の災害又は事故が発生した場合は、各拠点ごとに被害を最小限に低減すべく努力しますが、被害状況によっては、又は社会インフラの損壊など予想を超える事態が生じた場合には、当該生産拠点における生産活動が停止し、製品の出荷が停止若しくは遅延し、又は設備の修理、代替等のため多大な損失・費用を被る可能性があります。また、インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症及び国内外の電力供給問題等の発生により当社の生産能力が悪影響を受ける可能性があり、これらの事象が発生した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、自然災害、エネルギー供給体制、疫病等に関する情報収集体制及び防災に対する適切な管理体制の構築を行うとともに、基幹データベースのクラウド化と分散保存を推進し、事業遂行上に必要な情報が災害などで損なわれないように対処しております。また、顧客、従業員の安全を最優先に感染症対策(従業員のマスク着用義務化、勤務前の検温の徹底、全拠点の出入口へのアルコール消毒液の設置等)を行っております。
(10)資金調達について
当社は、必要な資金の調達は金融機関からの借入金等により行っております。今後、金融市場の悪化や当社の経営成績等により、借入の継続及び新規借入を行うことができない可能性があります。また、格付機関による当社の信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、資金調達が制約されるとともに調達コストが増加する可能性があります。これらの事態が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、一定の手許資金を保持し、財務基盤の安定性をより一層高めることを目的に、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結し、資金の借入を実施しておりますが、今後の様々な状況を想定し、新規の資金調達についても検討を進めております。
(11)重大な人身・設備事故、火災等の発生について
当社は、生産現場における人身・設備事故、火災等を未然に防ぐため、「安全・品質の確保」に対する取り組みには万全を期すとともに、管理を強化することで、事故の発生防止に努めております。しかしながら、不測の事態により重大な人身・設備事故、火災等を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、生産拠点に防火防爆の安全対策を施すとともに、関係法令に基づく各種マニュアルを定め、リストに基づく日常点検・定期点検、本社・生産管理部門による業務点検や防災訓練を実施しております。
(12)新型コロナウイルス感染拡大の影響について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国内経済は依然として先行き不透明な状況が続いております。当社は、マスク着用の徹底、在宅勤務及び時差出勤の推奨、Web会議の推進、全拠点の出入口での検温の実施、会議室等の定期的な消毒等の取り組みを行っております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当社従業員に感染が広がった場合及び取引先企業が事業活動の縮小や休止等を行った場合などにおいては、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は2,055,773千円で、前事業年度末に比べ726,506千円増加しております。主な増加要因は仕掛品の増加308,630千円、現金及び預金の増加192,026千円、原材料の増加151,028千円、売掛金の増加113,396千円等、主な減少要因は前渡金の減少63,387千円等であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は230,548千円で、前事業年度末に比べ136,001千円増加しております。主な増加要因は建物附属設備(純額)の増加94,789千円、機械及び装置(純額)の増加16,131千円、敷金の増加14,675千円、工具、器具及び備品(純額)の増加11,355千円等であります。
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は2,286,322千円で、前事業年度末に比べ862,508千円増加しております。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は1,001,133千円で、前事業年度末に比べ391,834千円増加しております。主な増加要因は短期借入金の増加206,000千円、買掛金の増加180,898千円、未払金の増加57,321千円等、主な減少要因は未払費用の減少25,136千円、未払消費税等の減少22,825千円等であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は281,068千円で、前事業年度末に比べ20,882千円減少しております。長期借入金の減少20,882千円がその変動要因であります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は1,282,201千円で、前事業年度末に比べ370,952千円増加しております。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,004,120千円で、前事業年度末に比べ491,556千円増加しております。新株発行による資本金の増加182,600千円、同資本準備金の増加182,600千円、当期純利益130,766千円の計上による利益剰余金の増加及び剰余金の配当4,410千円による利益剰余金の減少がその変動要因であります。
b.経営成績
当事業年度における世界経済は、米国での大規模な経済対策、欧米での新型コロナウイルス感染症に係るワクチン普及に伴う社会活動の正常化などを背景に回復基調にあるものの、世界的な半導体不足による消費財の減産等から回復の勢いが鈍化し、さらに中国におけるロックダウンなどの影響もあり、内外需ともに伸び悩みを見せております。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻が資源・食料価格の高騰やサプライチェーンの混乱を招き、コロナ後の需要回復と相まって世界的なインフレ圧力が高まっております。各国における金融政策や為替相場も不安定に推移し、先行き不透明感が継続しております。
日本経済は、世界経済の回復に伴う輸出増加等を背景に回復傾向を見せ、中でも製造業の設備投資や住宅投資に持ち直しの動きが見られます。また、新型コロナウイルス感染症の収束への見通しは依然として不透明であるものの、ワクチン接種や徹底した感染予防対策等の進展から、行動制限が順次緩和された結果、2022年3月以降、景気動向は総じて回復基調で推移しております。ただし、我が国の低金利政策継続を受けた円安が進行するなど、不安要素も内包しております。
当社の属する半導体業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大を端緒にデジタルトランスフォーメーション(DX)やIoT化の動きが加速しており、在宅勤務や遠隔授業の増加によってノートPCや通信機器の需要が好調に推移し、半導体や電子部品、関連製造装置の需要が高まっております。一方で、2021年初頭より世界規模での半導体不足が継続しておりますが、その主な要因は供給能力不足であり、新型コロナウイルス感染症が拡大する以前からファブ(半導体製造施設)は概ねフル稼働であったところに、パンデミックでファブ及び原材料供給工場が稼働停止となり、さらに、世界的にリモートライフへの移行が進み、自動車や家電製品など、半導体チップを使用する耐久消費財の需要が急増したものであります。これによる半導体製造用部材価格の高騰や在庫不足は解消されておらず、さらに、足元では円安が進行するなど厳しい経営環境が継続しております。
当社においても、当社製品の基幹部品であるロボットアームなど、資材の調達に時間を要している状況であります。そのため、受注の増加及び半導体の調達環境の悪化に同時に対応するため、原材料をできるだけ早期に確保し、仕掛品も含めた在庫水準を高める方針を取っております。
このような経営環境下において、売上高は2,927,159千円(前年同期は3,624,279千円)、営業利益は206,359千円(前年同期比20.8%増加)、経常利益は208,635千円(同21.4%増加)、当期純利益は130,766千円(同15.8%増加)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用したことにより、売上高は当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、前年同期比は記載しておりません。また、従前の会計処理と比較して売上高は1,664,125千円減少しておりますが、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益に影響はありません。
当社はプロダクツ事業、エンジニアリング事業及びシステム事業を主体とするエレクトロニクス事業を行っており、単一セグメントであるため、セグメントごとの記載に代えて、事業別に記載いたします。
[プロダクツ事業]
プロダクツ事業の売上高は297,242千円(前年同期は1,798,001千円)となりました。上述の通り、「収益認識に関する会計基準」等を当事業年度の期首から適用したことにより、従前の会計処理と比較して売上高は1,664,125千円減少しておりますが、受注は好調に推移しております。
[エンジニアリング事業]
エンジニアリング事業の売上高は413,745千円(前年同期比0.8%増加)となりました。人員増に伴う生産能力の向上等により、受注は堅調に推移しております。
[システム事業]
システム事業の売上高は2,102,533千円(前年同期比53.0%増加)となりました。これは主に大型装置の受注等により受注が好調に推移したものであります。
[その他]
その他の事業(環境関連装置事業等)の売上高は113,637千円(前年同期比171.9%増加)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は493,193千円(前年同期比192,025千円増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は183,455千円(前年同期は44,859千円の使用)となりました。主な減少要因は棚卸資産の増加額457,469千円、売上債権の増加額118,628千円、法人税等の支払額63,450千円等、主な増加要因は税引前当期純利益の計上193,328千円、仕入債務の増加額180,447千円、前渡金の減少額63,387千 円、未払金の増加額56,859千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は165,701千円(前年同期は36,627千円の使用)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出140,138千円、敷金の差入による支出35,231千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は541,182千円(前年同期は215,610千円の使用)となりました。その増加要因は株式の発行による収入363,142千円、短期借入金の純増加額206,000千円、主な減少要因は長期借入金の返済による支出23,550千円等であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社はプロダクツ事業、エンジニアリング事業、システム事業を主体とするエレクトロニクス事業を行っており、単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。なお、「その他」は主に環境関連装置事業であります。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用し、プロダクツ事業における代理人取引について、従前は総額で認識していた収益を純額で認識する方法に変更したため、「プロダクツ事業」及び「合計」の前年同期比は記載しておりません。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、以下の通りです。
|
事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
プロダクツ事業 |
(千円) |
176,071 |
- |
|
エンジニアリング事業 |
(千円) |
293,912 |
98.7 |
|
システム事業 |
(千円) |
1,720,389 |
164.3 |
|
その他 |
(千円) |
113,897 |
299.7 |
|
合計 |
(千円) |
2,304,269 |
- |
b.受注実績
当事業年度の受注実績を事業部門ごとに示すと、以下の通りです。
|
事業部門の名称 |
受注高 |
受注残高 |
|||
|
当事業年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) |
前年同期比 (%) |
当事業年度末 (2022年10月31日) |
前年同期比 (%) |
||
|
プロダクツ事業 |
(千円) |
277,187 |
- |
225,024 |
- |
|
エンジニアリング事業 |
(千円) |
413,745 |
103.6 |
- |
- |
|
システム事業 |
(千円) |
3,009,441 |
182.9 |
1,341,767 |
308.6 |
|
その他 |
(千円) |
113,679 |
272.0 |
41 |
- |
|
合計 |
(千円) |
3,814,054 |
- |
1,566,834 |
- |
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、以下の通りです。
|
事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
プロダクツ事業 |
(千円) |
297,242 |
- |
|
エンジニアリング事業 |
(千円) |
413,745 |
100.8 |
|
システム事業 |
(千円) |
2,102,533 |
153.0 |
|
その他 |
(千円) |
113,637 |
271.9 |
|
合計 |
(千円) |
2,927,159 |
- |
(注1) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りです。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
当事業年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
レーザーテック㈱ |
3,328,831 |
91.8 |
2,491,760 |
85.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 (注記事項)(重要な会計方針)」に記載しておりますが、当社の財務諸表の金額に特に重要な影響を与える可能性のある主要な会計上の見積り及び仮定は以下の通りです。
(繰延税金資産)
当社は、過去の課税所得水準及び一時差異等のスケジューリングの結果に基づいて回収可能性を判断し、将来の課税所得の見込みを主要な仮定として繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営環境に著しい変化が生じるなどにより将来の課税所得の見積額が変動した場合には、将来の繰延税金資産及び税金費用に影響を与える可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」a.財政状態」に記載の通りです。
2)経営成績
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」b.経営成績」に記載の通りです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る売上高及び売上原価については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、前年同期比は記載しておりません。
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は2,927,159千円(前年同期は3,624,279千円)となりました。プロダクツ事業は、前事業年度に引き続き大型装置の受注が高水準で推移いたしました。エンジニアリング事業は、人員増に伴う生産能力の向上等により受注が堅調に推移いたしました。システム事業は、人員増強、本社の移転・増床、生産設備の移転・拡充等を積極的に行った効果として大型装置の新規受注が拡大しております。
売上原価は2,257,451千円(前年同期は3,125,258千円)となりました。
その結果、売上総利益は669,708千円(前年同期比34.2%増加)となっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は463,348千円(前年同期比41.2%増加)となりました。これは主に、内部統制構築支援、資本政策の立案・実行支援等に係る支払報酬の増加32,316千円、人員増強に伴う従業員給与の増加31,011千円、本社・横浜事業所の移転・拡充等に伴う地代家賃の増加16,153千円等によるものであります。
その結果、営業利益は206,359千円(前年同期比20.8%増加)となっております。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は5,305千円(前年同期比41.4%増加)となりました。これは主に助成金収入の増加1,108千円によるものであります。
営業外費用は3,029千円(前年同期比9.7%増加)となりました。これは主に支払利息の増加581千円によるものであります。
その結果、経常利益は208,635千円(前年同期比21.4%増加)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等合計、当期純利益)
特別利益は、前事業年度、当事業年度ともに計上しておりません。
特別損失は、当事業年度において和解金15,306千円を計上しております。
法人税等合計は62,562千円(前年同期比6.3%増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益及び課税所得の増加によるものであります。
その結果、当期純利益は130,766千円(前年同期比15.8%増加)となりました。
3)キャッシュ・フロー
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社における主な資金需要は、製品製造のための材料費、外注費及び労務費です。直近においては、2022年3月に、生産設備の統合・拡張、本社機能の移転・拡張などの設備投資を実施し、当該資金需要を充足するため、第三者割当による募集株式の発行を行っております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、営業利益率5%(短期目標。なお、中長期目標は10%)及び自己資本比率40%を掲げて企業経営に取り組んでおります。
前事業年度及び当事業年度の経営指標は次の通りであります。当事業年度の営業利益率、自己資本比率は目標とする数値を達成しております。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る売上高については当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、売上高及び営業利益率の前年同期比は記載しておりません。
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前事業年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
当事業年度 (自 2021年11月1日 至 2022年10月31日) |
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金額(千円) |
金額(千円) |
前年同期比 |
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売上高 |
3,624,279 |
2,927,159 |
-% |
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営業利益 |
170,800 |
206,359 |
120.8% |
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営業利益率 |
4.7% |
7.1% |
-% |
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自己資本比率 |
36.0% |
43.9% |
122.0% |
該当事項はありません。
該当事項はありません。