1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   株式会社NFKホールディングス

所在地  東京都港区南青山七丁目8番4号

 

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)本公開買付けに関する意見の内容

 当社は、2025年6月6日付「株式会社NFKホールディングスによる当社株券等に対する公開買付に関する意見表明及び同社との資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」にて公表しておりましたとおり、同日下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに応募するか否かについては当社株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

 また、当社は、2025年6月6日開催の取締役会における上記の決議を修正する必要がないか確認するため、同月20日に開催された本特別委員会(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。以下同じとします。)において、同日を基準としても、本答申書(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。以下同じとします。)の内容に修正すべき点がないことを確認のうえ、同日開催された当社の取締役会において、同日を基準としても本答申書の内容に修正すべき点がないことを含め、同月6日以降の当社の業況や本取引(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。以下同じとします。)を取り巻く環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に協議・検討を行った結果、同月20日時点においても、本取引を行うことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性が薄れることはなく、同月6日時点における本公開買付けに関する意見を変更すべき理由はないとの結論に至り、その旨を当社の取締役会にて決議いたしました。

 なお、上記2025年6月6日付及び同月20日開催の取締役会決議は、下記「(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。

 

(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

 「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

① 本公開買付けの概要

 当社は、公開買付者より、本公開買付けの概要に関し、以下のとおり説明を受けております。

 公開買付者は、2025年6月6日開催の取締役会において、当社とより緊密な資本関係を構築するために、当社を公開買付者の連結子会社にすることを目的とする取引として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。また、公開買付者は、2025年6月6日開催の取締役会において、会社法第816条の4第2項により、一定の数の公開買付者の株式(会社法施行規則第213条の6)を有する株主が反対株主の株式買取請求に係る公告の日から2週間以内に、株式交付に反対する旨を公開買付者に対し通知しなかったことにより、簡易株式交付として株主総会決議が不要となることが確定した場合という前提条件(以下「本前提条件」といいます。)が充足された場合、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)として、東京証券取引所TOKYO PRO Market市場に上場している当社株式を対象とする本公開買付けを開始することを決議したとのことです。

 その後、公開買付者は、2025年6月21日、本株式交付の公告を行った2025年6月6日からその2週間後の同月20日までの間に、一定の数の公開買付者の株式(会社法施行規則第213条の6)を有する株主が株式交付に反対する旨を公開買付者に対し通知しなかったため、本前提条件が充足されたことを確認したことから、公開買付者は、同日開催した取締役会において、本公開買付けを2025年6月23日から開始することを決議したとのことです。

 公開買付者は、2025年6月23日現在、当社株式645,000株(所有割合(注1):29.26%)を所有しており、当社を持分法適用関連会社とする当社の主要株主である筆頭株主でありますが、本新株予約権((注2)に定義します。)は所有しておりません。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年6月13日に公表した「2025年10月期 中間決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「当社中間決算短信」といいます。)に記載された2025年4月30日現在の発行済株式総数(2,264,000株)から、当社中間決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(60,000株)を控除した株式数(2,204,000株)(以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じとします。

(注2) 当社が2025年6月23日現在残存するものと報告をした当社の新株予約権(発行日は2024年9月30日であり、以下「本新株予約権」といいます。)905個の内訳は以下のとおりです。

 

新株予約権の名称

個数

目的である当社株式の株式数

権利行使期間

第1回新株予約権

905個

90,500株

自 2026年10月1日

至 2034年1月30日

 

 公開買付者は、2025年6月6日付で、(ⅰ)当社の第5位株主である有限会社清水エイジェンシー(所有株式数:100,000株、所有割合:4.54%、以下「清水エイジェンシー」といいます。)及び、(ⅱ)当社の第10位株主であるモダンパス合同会社(所有株式数:50,000株、所有割合:2.27%、以下「モダンパス」といい、清水エイジェンシー及びモダンパスを総称して「本応募契約締結法人」といいます。)との間で、それぞれ公開買付応募契約を締結し、本応募契約締結法人は、その所有する当社株式の全て(合計150,000株、所有割合:6.81%)につき本公開買付けに応募することを合意しているとのことです(以下、清水エイジェンシーとの間の公開買付応募契約及びモダンパスとの間の公開買付応募契約を総称して「本応募契約(法人株主)といいます。」)。また、公開買付者は、同日付で、(ⅲ)当社の第2位株主である吉田隆治氏(所有株式数:287,000株、所有割合:13.02%、以下「吉田氏」といいます。)及び、(ⅳ)当社の第10位株主である田邊勝己氏(所有株式数:50,000株、所有割合:2.27%、以下「田邊氏」といい、吉田氏、田邊氏及び本応募契約締結法人を総称して「応募合意株主」といいます。)との間で、それぞれ公開買付応募契約を締結し、吉田氏はその所有する当社株式のうち100,000株(所有割合:4.54%)、田邊氏はその所有する当社株式の全て(所有株式数:50,000株、所有割合:2.27%、)につき本公開買付けに応募することを合意しているとのことです(以下、吉田氏との間の公開買付応募契約及び田邊氏との間の公開買付応募契約を総称して「本応募契約(個人株主)」といいます。)。応募合意株主から応募予定の株式の合計数は300,000株、所有割合は13.61%とのことです。本応募契約(法人株主)及び本応募契約(個人株主)の概要については、下記「⑺ 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(法人株主)」及び「② 本応募契約(個人株主)」をご参照ください。

当社の株主は、当社の創業時等古くから当社に関係し、現在も当社を応援している株主も多く、当該株主は引き続き当社を当社の株主として応援したい旨の要望も大きいと考えられ、完全子会社化ではなく連結子会社化をすることが当該株主の要望に応える観点から望ましいと考えられること、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的とするものであること、及び公開買付者は本公開買付け成立後も引き続き当社株式の上場を維持する方針であることから、本公開買付けは、公開買付者が当社を連結子会社とするため一般的に必要とされる最低限の水準として、本公開買付け成立後の公開買付者の所有割合が過半数(50.01%)となるよう、買付予定数の下限については、457,200株(所有割合:20.74%)と設定しているとのことです。また、買付予定数の上限については、本新株予約権の全てが権利行使された後も公開買付者の所有割合がその過半数を超える50.01%となるように、本基準株式数に本新株予約権の目的である当社株式の株式数(90,500株)を加算した株式数(2,294,500株、以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対して、過半数を超えるように502,500株(所有割合:21.90%)としているとのことです(潜在株式勘案後株式総数に対する所有割合が50.01%となるとのことです。)。

本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限457,200株(所有割合:20.74%)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。また、応募株券等の総数が買付予定数の上限502,500株(所有割合:21.90%)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第27条の13第5項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。以下「府令」といいます。)第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡し、その他の決済を行うとのことです。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針

(ⅰ)当社の概要

 当社は、1995年4月14日、国内外半導体商品及びコンピュータ機器の販売、基板設計及びハード・ソフト開発業務(プロダクツ事業)を目的として、株式会社スタックとして設立され、2000年8月30日に株式会社トリプルワンへと商号を変更し、2024年4月1日に現在の株式会社キャストリコへと商号を変更しております。

 また、当社株式については、2017年6月30日に東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しています。

 当社は、「次世代に向け、多種多様な技術リクエストにお応えすべく、高い技術力を有する集団になるとともに、社会に貢献する製品を提供する」ことを経営理念に掲げ、創業以来培ってきたハードウェア・ソフトウェア・メカトロニクスの技術によって、技術仕様の構築からシステム開発設計、製造までワンストップでサービス提供することにより、エレクトロニクス市場分野にベストソリューションを提供する企業となっており、「高い技術力を基盤として、一人でも多くの人に夢を与えられる企業でありたい」を経営ビジョンとして掲げ、メカトロニクス・半導体デバイス(LSI(注1)、FPGA(注2))開発を技術領域としたエレクトロニクス事業を中心に営んでいます。当社の事業内容を事業部門別に記載すると以下のとおりです。

(注1) LSI(Large-scale integration)とは、多数の素子を多層化・微細化技術により集積度を高くした高密度・大規模集積回路をいいます。

(注2) FPGA(Field programmable gate array)とは、ユーザーがプログラムを書き換えできるデバイスです。そのため、回路の間違いを何度でも修正できます。

 

<プロダクツ事業>

 プロダクツ事業においては、ストレージサーバーと基板を提供しております。ストレージサーバー取引は当社の重要なサービスであり、コアマイクロシステムズ株式会社との協業により、主要取引先であるレーザーテック株式会社(以下「レーザーテック」といいます。)を対象として展開しております。基板については、半導体・電子部品の提供と部品調達から一貫したEMS(注3)を行っております。様々な業界の顧客に対して、創業以来のエレクトロニクス関連技術分野の蓄積された経験をもとに、産業分野・研究開発分野において最新の製品・技術情報を収集し、市場ニーズに柔軟に対応して、より付加価値の高い商品を取り揃え、提供してまいりました。また、多くの代理店や仕入先及び協力会社との長年に渡る取引実績に基づき、安定供給を目指す体制を整えています。そのため、短納期、小ロットでの供給や廃止品の提供を可能としています。

 主な供給実績は以下のとおりであります。

・半導体検査装置用の検出基板

・舶用機器用のセンサー部品

・分光器用の筐体

・工作器向け制御基板

(注3) EMS(Electronics manufacturing service)とは、「電子機器受託製造サービス」であり、他の企業から各種エレクトロニクス機器の受託生産を行う業態をいいます。基本的に自社ブランドでの生産を行いません。設計は受注先に代わって行うケースが多く、資材の決定もEMSが行う場合が多いです。

 

<エンジニアリング事業>

 エンジニアリング事業においては、高密度集積回路であるLSI関連技術を基軸に、ハードウェア・ソフトウェアの開発設計サービスを、技術者派遣又は受託開発により提供しております。主にLSI開発設計技術をベースにLSI検証、FPGA設計等を行っており、仕様書の制作段階から対応が可能です。主な顧客である電機メーカー、半導体関連企業、産業機器メーカー等の業務拡大に伴う人材確保の需要に対して、これまで通信・画像系のLSI開発等を数多く手掛けてきており、顧客からもこの分野での技術力と仕様書制作能力を高く評価されてきました。また、半導体検査装置メーカーに、メカトロニクスの設計開発から組立・配線・調整・保守等のサービスを技術者派遣により提供しております。

 主なサービス実績は以下のとおりであります。

(ハードウェア)

・デバイス開発:カスタムLSI、ASIC(注4)、FPGA、SOC(注5)の設計、レイアウト設計・検証

・システム開発:回路設計、実機検証

(ソフトウェア)

・ファームウェア/アプリケーションソフトウェアの設計・検証

(メカトロニクス)

・設計開発・組立・配線・調整・保守等

(注4) ASIC(Application specific integrated circuit)とは、汎用集積回路に対して、特定用途向けに特化した集積回路のことで、特定のユーザーや用途向けに開発されたものです。

(注5) SOC(System on chip)とは、複数の異なる機能の半導体を高密度に集積し、一つのチップにまとめたものです。

 

<システム事業>

 システム事業においては、メカトロニクスの設計開発から組立・配線・調整・保守等のサービスを一貫して行っております。最新の3DCAD(注6)を活用し、設計技術の提供を行っております。主な顧客は半導体検査装置メーカーであり、当社の提案力と変化するニーズへの対応力を評価され、量産品だけではなく、試作機の開発やカスタムメイド品へのご相談や受注も継続的にいただいていると考えております。用途に合った協力会社のネットワークを有し、その選定、管理によってコスト削減、製品の精度を高めています。その他にも、特殊環境である強磁場での設備の設計及び製造の実績があります。

 2014年4月1日からKES・環境マネジメントシステム・スタンダード(注7)を取得し、環境負荷への改善に取り組んでおります。

 主な納品実績は以下のとおりであります。

・半導体関連装置における搬送装置

(注6) 3DCAD(3次元CAD)とは、コンピュータを使って立体的な設計を行うソフトウェアのことです。従来の2DCAD(2次元CAD)では平面上で設計を行いますが、3DCADでは奥行きや高さを含めた立体的なモデルを作成できます。これにより、設計の精度が向上し、製造や建築の分野で広く活用されています。

(注7) KES・環境マネジメントシステム・スタンダードとは環境マネジメントシステムの規格となっており、ISO14001の基本コンセプトと同様、組織が環境への負荷を継続的に改善していくためのシステムです。ISO14001の中核となる本質的な特長を活かして、用語や規格の内容をシンプルにしたものです。

 

(ⅱ)公開買付者の概要

 一方、公開買付者は、1950年4月12日に、燃焼技術の開発を目的とする株式会社として設立されたとのことです(設立当初は「日本火熱材料株式会社」と称し、1950年6月10日に「日本ファーネス工業株式会社」に商号を変更したとのことです。)。1970年5月9日には、日本ファーネス製造株式会社を設立し、2006年10月1日には、グループ会社を再編し、現在の「株式会社NFKホールディングス」に商号変更し、同日、日本ファーネス株式会社(現・公開買付者の連結子会社)を設立したとのことです。また、2008年10月1日には、株式会社ファーネスES(現・公開買付者の連結子会社)(以下「日本ファーネス」といいます。)を設立したとのことです。そして、2018年4月1日には、日本ファーネスを存続会社、株式会社ファーネスESを消滅会社とする子会社間の合併を実施したとのことです。2021年10月8日に、株式会社ウェブの株式を取得し、持分法適用関連会社化し、2022年7月22日には当社の株式を取得し、持分法適用関連会社化したとのことです。2025年6月6日時点の公開買付者グループは、公開買付者、工業炉燃焼装置関連及びそれに付帯する事業を行っている連結子会社である日本ファーネス、工業炉燃焼装置関連及びそれに付帯する事業を行っている持分法適用関連会社である株式会社サン・イ、結婚情報サービス事業を行っている持分法適用関連会社である株式会社ウェブ、半導体製品の販売、基盤設計及び開発を行っている持分法適用関連会社である当社の5社で構成されているとのことです。

 公開買付者の株式については、1963年5月には日本証券業協会に株式を店頭登録し、2004年12月3日には当該店頭登録を取り消しジャスダック証券取引所に株式を上場、2010年4月1日にはジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い大阪証券取引所(JASDAQ市場)に上場市場を移行し、2010年10月12日には大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場市場を移行したとのことです。その後、2013年7月16日、東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場の統合に伴い東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場市場移行し、2022年4月4日の東京証券取引所市場再編により東京証券取引所スタンダードに上場市場を移行し、現在も引き続き東京証券取引所スタンダードに上場しているとのことです。

 公開買付者は、純粋持株会社として、グループ全体の経営戦略の立案、事業子会社に対する経営指導を行っているとのことです。

 

 公開買付者の連結子会社である日本ファーネスが行っている工業炉燃焼装置関連事業において、主要な製品は以下のとおりとのことです。

区分

主要製品

環境装置石油化学部門

・産業廃棄物焼却、脱臭無害化装置

・不活性ガス発生装置

・プロセス反応炉、焼却炉

・排煙再加熟装置門

・産業用各種燃焼装置

・活性炭再生装置

・管式加熱炉

・各種熱交換機、圧力容器、冷却器、集塵器

・石油化学用低NOxバーナ、各種ガスバーナ

・NFK・SD型スタックダンパー

・エアーインテークダンパー

・自動安全制御装置

・汚泥焼却溶融装置

・FCC用燃焼装置

工業炉部門

・アルミ熱処理炉(回転炉床式・連続式・バッチ式)

・各種熱処理炉(連続式・バッチ式)

・焼成炉(連続式・バッチ式)

・加熱炉(連続式・バッチ式)

・各種硝子加工炉(連続式・バッチ式)

・雰囲気炉(ロー付炉、無酸化炉他)

・ガス発生装置(DXガス)

・蓄熱型ラジアントチューブバーナ(熱処理炉向)

ボイラ用機器部門

・ボイラ用低NOxバーナ、ボイラ用省エネルギー装置

・ボイラ用パッケージバーナ、各種大・中型ボイラ用バーナ

工業炉用機器部門

・各種工業炉用バーナ

・各種工業炉用低NOxバーナ(NFK・CLN型)

・各種工業炉用省エネルギー機器及び製造

産業機械用機器部門

・各種ロータリーキルン用バーナ

・各種シャフトキルン用バーナ

・各種石灰バーナ及び石油コークスバーナ

・噴霧ユニット設備

・カルサイナー燃焼装置

メンテナンスサービス部門

・各種燃焼設備の整備、工事、メンテナンス等

部品部門

・各種バーナ用付帯部品

HRS部門

・鉄鋼、鋳鍛鋼産業向蓄熱型バーナシステム(RTバーナ、DLバーナ)

・自動車、非鉄金属産業向蓄熱型バーナシステム

 

(ⅲ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 公開買付者及び公開買付者の連結子会社である日本ファーネス(以下「公開買付者ら」と総称します。)は、2020年4月1日から経営理念の実現とサスティナブルグロースの実現の2つの目標を掲げており、経営計画の基本方針として、①事業基盤の強化、②成長戦略を支える強固な経営基盤の構築、③環境社会ガバナンスを重視した経営の3つを掲げており、2030年に向けて確実に成長していくための事業ポートフォリオの拡大及び持続的な成長に向けたグループ事業領域の再構築に重点をおいて実行しているとのことです。

 これらの方針のもと、公開買付者においては新たな事業領域への進出を視野に様々な投資対象を検討しており、2021年10月8日には株式会社ウェブ(所在地:千葉県市川市南行徳1-16-22、代表者:代表取締役社長鎗光秀雄)を持分法適用関連会社にしているとのことです。

 当社は、2022年7月22日に公開買付者の持分法適用関連会社となっておりますがその経緯につきましては、以下のとおりです。2021年3月29日、公開買付者の代表者と個人的交流があった当社の取締役である都留顕二氏より、2021年3月25日に当社の創業者から請われて当社の株主となった個人株主1名から、その株主は創業者との交流が深く、創業者を応援する意味合いで当社の株主となっていたため、当社の創業者が当社の役員から退くことに伴い、その所有する全ての当社株式6,000株(2021年1月29日現在の所有割合(注1):3.40%)を売却したいという相談を受けているということで、公開買付者において当該株式の購入を検討して欲しい旨の打診があったことから、公開買付者は、2021年3月29日から当該株式全ての取得について検討を行ったとのことです。当社は、先端半導体向けマスク欠陥検査装置(注2)等の開発や製造等の事業を営むレーザーテックを主要な取引先としており、AI用等の半導体需要の拡大が見込まれ、成長可能性の高い会社であると考えたこと、当社が当時データセンター向けの大容量ディスク開発を計画していて、その分野も非常に有望であると考えたことなどから、公開買付者らの経営計画の基本方針である①事業基盤の強化、②成長戦略を支える強固な経営基盤の構築を具体的に実施していくのに相応しいと考え、2021年6月28日に当該普通株式6,000株(2021年1月29日現在の所有割合:3.40%)を取得したとのことです。

(注1) 「2021年1月29日現在の所有割合」とは、当社が2021年1月29日に公表した「発行者情報」に記載された同日現在の発行済株式総数(182,400株)から、「発行者情報」に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(6,000株)を控除した株式数(176,400株)に対する割合をいいます。

(注2) 半導体製造プロセスにおいて回路パターンをウェーハ上に転写するために使用される重要な部材であるマスク(半導体集積回路の製造プロセスのうち、フォトプロセスで使用する微細な電子回路が描かれているガラス板)の欠陥を検査する装置です。

 

 それ以降、公開買付者と当社は、定期的な意見交換などを進めており、相互互恵的な関係構築を目指して、双方での補填機能(外注先情報共有等)、シナジー効果の模索、半導体関連分野での協業体制の構築検討、業務資本提携を意識した合弁事業の検討などを行ってまいりましたが、2021年11月5日、当社より、『優良企業のベストなサポート企業になること』を当社の経営戦略としているところ、そのためには社会的信用度の強化が最も効果的であり、また、人材確保、育成が重要な課題であり、東京証券取引所グロース市場へ上場することによる信用度向上は採用に大きく好影響を及ぼすことから、東京証券取引所TOKYO PRO Marketから東京証券取引所グロース市場への市場変更を検討している旨の話を受け、経営基盤を固めるための最重点実施事項として、設備投資(①生産拠点の移転・統合及び②本社の移転)を計画しており、積極経営方針を支えるために、資金需要が生じており第三者割当の検討を含めた資本政策についての相談をいたしました。公開買付者としても余裕資金の投資先を検討しており、また、既存事業以外の分野も含む他企業との友好的・相互互恵的な連携関係の構築を検討していたこともあったため、公開買付者は、2022年3月18日、当社が第三者割当により発行した普通株式14,000株(2022年3月18日現在の所有割合(注3):6.35%)を取得したことにより、当社株式20,000株(2022年3月18日現在の所有割合:9.07%)を所有することになったとのことです。

(注3) 「2022年3月18日現在の所有割合」とは、当社が2022年3月18日に公表した「第三者割当増資払込完了のお知らせ」に記載された、第三者割当増資の払込期日(2022年3月18日)における「増資後発行済株式総数」(220,400株)に対する割合をいいます。

 

 さらに、公開買付者は、2022年7月22日に当時の当社の筆頭株主より普通株式44,500株(2022年5月19日現在の所有割合:20.19%)を取得したことにより、当社株式64,500株(2022年5月19日現在の所有割合(注4):29.26%)を所有することになり、当社は公開買付者の持分法適用関連会社となり、公開買付者は、当社の主要株主である筆頭株主になっているとのことです。

(注4) 「2022年5月19日現在の所有割合」とは、当社が2022年7月25日に公表した「(訂正・開示事項の経過)主要株主である筆頭株主及び、その他の関係会社の異動(見込み)に関するお知らせ」に記載された2022年5月19日現在の発行済株式総数(226,400株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(6,000株)を控除した株式数(220,400株)に対する割合をいいます。

 

 その後、2024年1月11日に当社が1株を10株とする株式分割を実施したことにより、公開買付者は、当社株式645,000株(2024年1月10日現在の所有割合(注5):29.26%)を所有するに至っております。

(注5) 「2024年1月10日現在の所有割合」とは、当社が2023年12月15日に公表した「株式分割ならびに株式分割に伴う定款の一部変更に関するお知らせ」に記載された2024年1月10日を基準日とした「株式分割後の発行済株式総数(自己株を含む)」である2,264,000株から、自己株式数(60,000株)を控除した株式数(2,204,000株)に対する割合をいいます。

 

 公開買付者は、当社を持分法適用関連会社とした2022年7月22日から、当社が東京証券取引所グロース市場へ上場することについて、公開買付者の所有する当社の株式価値が当該上場によって大幅に増大すること、及び当社の東京証券取引所グロース市場への上場による信用度の向上により、当社の人材採用の活性化や新規取引先の拡大などによる業容拡大についても期待し静観していたとのことです。

 当社は、2017年6月30日の東京証券取引所TOKYO PRO Market上場時には次の目標として東京証券取引所マザーズ市場へのステップアップを目指しており、2021年11月1日から東京証券取引所グロース市場への上場プロジェクトを立ち上げ、主幹事証券会社からの指導を受け、①ガバナンス体制の強化(監査役会の設置、及び社外取締役の登用による機関設計の整備、取締役会における協議の質向上を図り、経営意思決定の透明性と妥当性を向上)、②内部監査及びIT統制の充実(監査室およびシステム統括室を新設し、独立した監視・評価機能を強化)、③決裁権限の明確化と業務の適正分担、④社内ルール・情報共有体制の整備(最新の社内規程を社内ポータルで周知し、従業員の理解促進と遵守を徹底)、⑤関連当事者取引の適正管理(取引の必要性・条件の妥当性を審査する体制を整備)、⑥リスク管理・コンプライアンス体制の強化(「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置し、全社的なリスク統制を推進、内部通報窓口の周知徹底による早期発見・是正の仕組みを整備)⑦教育・研修の実施(全社員を対象に、コンプライアンス、インサイダー取引、情報セキュリティ、個人情報保護、反社会的勢力排除などに関する研修を実施)、⑧開示体制の整備(東京証券取引所TOKYO PRO Market市場では開示業務の大部分を当社のJ-Adviser(注6)であるフィリップ証券株式会社に委託しておりましたが、これを当社自身で完結できるよう担当者の育成)を行い、主幹事証券会社から、指導期間から審査に移行することを伝えられた2024年3月に上場のための準備が整ったと判断したことから以降、東京証券取引所グロース市場への2024年内の上場を目指して、積極的に上場へ向けた準備をしていました。

 その一環として、当社は、当社の主幹事証券会社から、東京証券取引所グロース市場への上場審査の項目である当社の経営の独立性を考えると、主要株主である公開買付者から2名の取締役の派遣を受けることは問題があるとの指摘を受け、かつ、取締役1名の派遣ならば許容される可能性があるとの意見があったため、2024年9月27日には、公開買付者からの派遣取締役の人数を2名から1名に減らしました。2024年9月27日から、公開買付者は、公開買付者からの派遣取締役1名の減員は当社の上場審査が本格化することを意識してのものであり、当社の市場変更の可否が判明することも遠くないと感じていたことから、当社の東京証券取引所グロース市場への上場が難しいことが判明した場合に、当社に対して今後公開買付者として公開買付者が所有している当社株式について、公開買付者のメリットを最大化するためにどのような方針で臨むかについての検討を始めたとのことです。

(注6) 「J-Adviser」とは、東京証券取引所が、資格を認証し、特定業務(東京証券取引所TOKYO PRO Market市場における上場又は上場廃止に関する基準又は上場適格性要件に適合するかどうかの調査など)を委託した者で、東京証券取引所に代わって、担当する上場会社に対して、東京証券取引所TOKYO PRO Market市場上場前の上場適格性の調査確認や上場後の適時開示の助言・指導、上場維持要件の適合状況の調査を実施する者をいいます。

 

 その後、2024年11月5日に、当社の主幹事証券会社から、主要取引先社1社への売上依存度が高いままであると東京証券取引所グロース市場への上場が認められる可能性が低いと考えられることから、レーザーテック1社への売上依存度(2024年10月期実績では、同社への売上が86.5%を占めています。)を減らしつつ企業価値を高めてから東京証券取引所グロース市場への上場申請を行うべきであるため、今回は当該申請を見送るべきとの意見が当社に対してあり、当社において、レーザーテック1社への売上依存度が高い状態では継続的な成長性を示しにくいこと、継続的な成長の為には新しいビジネスモデルを推進し、東京証券取引所グロース市場で求められている上場維持基準時価総額40億円や主幹事証券会社から示された東京証券取引所グロース市場への上場水準としての当期純利益に鑑みて当期純利益5億円以上を目指し、且つ継続的に業容拡大を期待できるサービス体制の構築を優先すべきと考えたことから、当社は東京証券取引所グロース市場への上場は困難であると判断し、2024年11月29日に当社から公開買付者に対し、当面の間東京証券取引所グロース市場への上場を見送りたい旨を示しました。

 公開買付者は、当社から当該上場を見送りたい旨を示されるまでは、当社が東京証券取引所グロース市場に上場することにより当社株式の価値の上昇が見込まれ公開買付者のメリットの最大化につながると考えて静観していましたが、当社による東京証券取引所グロース市場への上場が見送られることになり、公開買付者において、公開買付者にとって当社株式をどのようにするのが最適かを検討する必要が生じました。そこで、公開買付者は、当社から東京証券取引所グロース市場への上場を見送ることが示された2024年11月29日から同年12月11日まで、公開買付者の所有する当社株式について、①売却先を見つけたうえで売却する、②当社株式を買い増して当社を連結子会社化するという選択肢を考えましたが、①については、当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しているものの、2017年6月30日に1500円(2024年1月11日の株式分割(10分割)後で1株につき150円)で売買が成立して以降2024年12月11日までの間売買が成立していないため、流動性が低く売却先を見つけることが困難であり売却が容易ではないと考えたため、②当社を連結子会社化することの是非について検討したとのことです。具体的には、当社は運転資金を銀行借入れで補っている状況や、今後の取引拡大のためにはいずれ第2工場建設などの投資が必要になるなど、資金面の需要があること、また、レーザーテック1社への売上依存度が高い状況を是正するために新たな顧客獲得が必要であり、信用力向上の課題があることから、当社株式の価値増大の為には公開買付者による経営面及び資金面についての積極的な支援が必要と考えたとのことです。まず、当社の事業分野である半導体製造装置市場は、今後は生成AI向けの演算用半導体や電気自動車(EV)向けのパワー半導体などの需要の伸長、また、ノートパソコンやスマートフォンなど民生品向け需要の回復など、中長期的に成長を続けると見込んでおり、当社を公開買付者の連結子会社とすることで、これまで公開買付者の連結子会社は燃焼機器関連事業を営む日本ファーネスだけであったところ、新たに半導体関連事業を営む当社が加わることで、業態の異なる複数の事業会社が連結子会社となることから、事業の多様化が実現でき、事業が多様化することによって1つの事業に依存している場合よりもリスクの分散、例えば1つの事業が不振になったとしてももう1つの事業でカバーできるなどの安定的な事業基盤が構築されると考えたため、公開買付者らの1つ目の経営計画の基本方針である①事業基盤の強化につながり、また、成長性が高いと見込んでいる半導体関連企業である当社を連結子会社化することにより、公開買付者らの2つ目の経営計画の基本方針である②成長戦略を支える強固な経営基盤の構築に貢献することを見込んでいるとともに、事業ポートフォリオを拡大し経営の安定化に資するというメリットがあると考えたとのことです。さらに、公開買付者の連結子会社である日本ファーネスでは工業炉燃焼装置の製造販売を創業時より75年以上行っており、長年培われた技術力等により、その取引先は自動車メーカー、食品メーカー、鉄鋼関連企業、石油化学メーカー、プラントエンジニアリング企業、金属加工メーカー、ボイラメーカーなど国内外問わず多岐の製造業にわたっていることから、取引先が限定的である当社においてはその顧客基盤を活用した販売シナジーを得られると考えたこと、また、同じ製造業として神奈川県内の近隣地域に拠点を構えており(当社の横浜事業所から公開買付者のグループ会社である日本ファーネスの本社までは直線距離で約10kmとのことです。)、今後当社が予定している工場新設の際には当該工場に付帯されると考えられる倉庫や物流機能に、現在日本ファーネスが横浜市金沢区に設置している倉庫や物流機能を統合することなどが考えられ、これらによる生産・管理コストの合理化等のシナジーを得られる可能性があること、また、当社がDX事業で培ったWi-Fi設置技術等については、今後、公開買付者による顧客先工場へのIOT関連の提案において大きな強みとして期待できるなど、事業としても多くのシナジーが得られる可能性があると考えたとのことです。また、当社が公開買付者の持分法適用関連会社のままである場合、当社の業績は、公開買付者の営業外収益に持分法による投資利益として認識されるのみとなるため、投資に対するリターンが限定的で積極的な支援を行いにくいほか、投資資金が目的どおりに使用されない場合に公開買付者として行える対応策に限界がある(例えば、連結子会社であれば、議決権の過半数を有する株主として役員の選解任権を有するため、公開買付者から役員を派遣して是正させることができるものの、持分法適用関連会社であれば公開買付者単独では役員の選解任権を有しないため、かかる対応を行えない)などのデメリットがあると考えました。一方、公開買付者は、M&Aや投資による事業及び業績の拡大を目指しており、当社を連結子会社にすることにより、このようなデメリットを解消し、当社の業績を連結財務諸表に取り込むことで、暖簾等は発生するものの、当社の売上高及び営業利益、経常利益を連結化できるほか、当期純利益についても持分に応じて加算できるようになるなど、公開買付者らの業績も大幅に増加するというメリットがあると考えたとのことです。加えて、公開買付者は、当社が実施した2022年3月18日を払込期日とする第三者割当増資の引き受けによる資金的な支援をしており、2022年7月25日に持分法適用関連会社として以降、2023年1月30日には公開買付者から2名の社外取締役を派遣するなど経営面での関係も深いことから、当社を連結子会社化し、経営・資金面での支援をし、当社の成長を支援することが、当社にとっても、また、当社の成長が当社株式の価値の増大につながるため、当社株式を所有している公開買付者にとってもメリットがあると考えたとのことです。他方で、公開買付者は、投資として当然リスクを伴うものではあるものの、当社を連結子会社化することにより生じるデメリットはなく、また、同じ製造業であるものの、異業種であることから、ディスシナジーも生じないと考えたとのことです。

 

 そこで、上記の、当社が2024年4月中旬から東京証券取引所グロース市場への2024年内の上場へ向け、主幹事証券会社による審査を受けていたが、上場が困難になったという背景、及び当社の事業分野である半導体製造装置市場の成長性から、当社を公開買付者の連結子会社とすることで、公開買付者らの経営計画の基本方針に貢献すること、さらに、公開買付者の連結子会社である日本ファーネスの事業において多くのシナジーを得ることや、当社を連結子会社にすることにより、当社が公開買付者の持分法適用関連会社のままである場合のデメリットを解消し、当社の業績を連結財務諸表に取り込むことで、公開買付者らの業績も大幅に増加すること、当社においても、公開買付者の信用力と顧客ネットワークを活用することで、新規顧客を獲得することという目的を念頭に、公開買付者は、2024年12月11日、当社を公開買付者の連結子会社とし、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることで、当社及び公開買付者らのより一層の企業価値向上を実現することが可能となるとの見込みを立てたうえで、当社を公開買付者の連結子会社とすることについて、当社に対し、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的とする取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の打診を行ったとのことです。

 同日、当社からは、当社も公開買付者の連結子会社になることを考えていたこともあり、条件次第では前向きに検討したいという回答をし、その後、公開買付者及び当社は、2024年12月16日から2024年12月25日にわたり、複数回、協議を行いました。協議を開始した12月16日には、当社から、役員・従業員ともに東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場していることに誇りを持っており、この上場は維持したいといった要望が出され、これらを中心に公開買付者による当社株式の所有割合、当社が東京証券取引所TOKYO PRO Marketへ上場することを維持するか、当社の主要な取引先であるレーザーテックとの取引への影響、公開買付者による当社株式取得後の当社経営体制及び経営方針、両者の株主の反応等について検討・議論を行いました。当該議論の中で、当社からは、当社の主要な取引先であるレーザーテックとの取引への影響を考えると経営の独立性はある程度維持しておきたいこと、東京証券取引所TOKYO PRO Marketへの上場を維持すること、議決権所有割合は公開買付者の連結子会社への該当要件を満たし、上場維持についても担保できる50%台前半が良いということ、また、議決権所有割合が上場維持についても担保できる50%台前半であれば大株主からも同意が得られる状況であることなどの意見が出され、公開買付者も当該内容について同意いたしました。当社は、2022年3月18日を払込期日として実施した公開買付者を割当先に含む第三者割当増資で得た資金をもとに横浜市都筑区に新工場を設立しておりますが、拡大を続ける取引先からの工期の短縮、増産能力の強化に関する要望に応えるため、2027年を目途に第2工場設立を計画しているほか、現在レーザーテック1社の売上高が全売上の85%を超える状況となっていることから、営業ポートフォリオの分散を図る必要性を感じており、また、半導体業界という変化の激しい事業環境にあるため、継続的な経営基盤の強化により、競争力を維持し、新たな需要に柔軟に対応する体制構築が必要とも考えていました。そして、そのためにも公開買付者との資本関係を一層強化し、業容拡大のための設備投資において資金調達に問題が生じた場合には公開買付者が資金支援することや対外信用面の強化によるコア1.5戦略(注7)における営業推進の加速への期待、即ちコア1.5戦略は半導体関係の企業に対する新規営業展開のため、公開買付者の東京証券取引所スタンダード市場上場の信用力とトヨタ自動車株式会社等の企業と取引がある顧客ネットワーク等を活用し営業取引先に安心感を与えられると考え、新規顧客を獲得することが当社の成長のさらなる加速を高め、業容拡大及び企業経営の安定化のためにも必要であるため、公開買付者の連結子会社となることについて、十分なメリットがあると当社は公開買付者に2024年12月25日に回答しました。

(注7) 「コア1.5戦略」とは、当社がレーザーテック向けに実績を残してきた3事業「システム事業」「エンジニアリング事業」「プロダクツ事業」をコア事業と位置付け、今後、第2・第3のレーザーテックに相当する顧客を創出すべく、新たな顧客に対して、当該3事業一体となったソリューションを提供していく当社の戦略をいいます。詳細は、「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」をご参照ください。

 

 以上の公開買付者及び当社の双方のメリットを考えると、当社が公開買付者の持分法適用関連会社のままであるよりも、連結子会社であった方がより踏み込んだ支援を可能とし、その結果、公開買付者及び当社の双方の利益につながり、当社の成長のさらなる加速を実現するとの結論に2025年2月10日至り、公開買付者は当社に対して連結子会社化を目的とする公開買付けを行うこととしたとのことです。

 

 そして、公開買付者に対し、上記の当社との議論を重ねる中で、当社から、当社の株主の一部は当社株式の売却に応じる可能性が高いものと考えられるものの、創業時等古くから当社に関係し、現在も当社を応援してくれている株主も多く、それらの株主は引き続き当社の株主として応援したい旨の要望も大きいと考えられることから、金銭の交付ではなく、公開買付者の普通株式を交付しこれを通して、引き続き当社の株主として応援できるような形をとれないかとの強い要望をしました。

 これに対して、公開買付者は、当社株式の買付け等の対価として、金銭の交付ではなく、公開買付者が新たに発行する普通株式を交付する株式交付を利用した場合、公開買付者の既存株主の持株比率が希薄化することとなる(希薄化率10.65%)が、そのような希薄化を踏まえても、この機会に当社を連結子会社化することにより、上記のとおり、事業の多様化による事業基盤の強化、成長戦略を支える強固な経営基盤の構築への貢献、事業ポートフォリオの拡大による経営の安定化、生産・管理コストの合理化等のシナジーの獲得の可能性、当社の業績を連結財務諸表に取り込むことによる公開買付者らの業績の増加などのメリットがあると判断したことから、公開買付者の企業価値・株主価値の向上に資するものと認識しており、公開買付者の既存株主の利益に貢献できるものであることから、株式の希薄化への影響は合理的なものであると考え、本株式交付を選択するに至ったとのことです。本株式交付の詳細は、公開買付者が2025年6月6日に開示した「簡易株式交付による株式会社キャストリコ(証券コード:6695)に対する公開買付けの開始予定及び同社との資本業務提携に関するお知らせ」をご参照ください。

 

 その後、公開買付者は、2025年2月14日、本公開買付けの実施に向けた準備を行うため、公開買付者ら及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として東京フィナンシャル・アドバイザーズ株式会社(以下「東京フィナンシャル・アドバイザーズ」といいます。)を、法務アドバイザーとして三宅坂総合法律事務所を選任し、当社を公開買付者の連結子会社とすることに係る協議・交渉を行う体制を構築したとのことです。

 

 その後、公開買付者は、2025年3月4日、当社に対し、あらためて、本取引の実施に向けたより具体的な検討・協議を行いたい旨の打診を行いました。これに対して、当社からは、上記のとおり、既に2024年12月11日以降に公開買付者と協議・議論を重ねており、連結子会社化を目的とすることについて、当社にも十分なメリットがあるという認識であるため、本取引の具体的な検討・協議を進めることに異存ない旨の回答を2025年3月14日にしました。

 そして、2025年3月14日から、公開買付者は、本取引の意義・目的(当社を公開買付者の連結子会社とすること、当社の古くからの株主に対して、間接的であっても、当社を支援できるよう対価は現金ではなく公開買付者の株式としたこと)や、本取引によって創出が見込まれるメリット(当社においては公開買付者から資金面及び経営面での支援を受けられること)、本取引後の当社の経営体制・事業方針について当社との間で認識に齟齬がないことを再確認し、本特別委員会(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由において定義します。以下同じとします。)に説明しました。そして、公開買付者は、2025年3月28日、当社に対し、(ⅰ)公開買付者が当社を連結子会社化することとし、公開買付けの対価を公開買付者が新規に発行する株式(以下「公開買付者株式」といいます。)とすること、(ⅱ)本公開買付け実施後も引き続き当社株式の上場を維持すること、(ⅲ)本取引の背景及び目的、本公開買付け実施後の経営方針等を記載した提案書(以下「意向表明書」といいます。)を提出いたしました。

 また、公開買付者は、2025年3月14日以降、当社及び本特別委員会との間で、本公開買付けにおける株式交付比率(以下「本株式交付比率」といいます。)に関して複数回にわたる協議及び交渉を重ねてまいりました。具体的には、公表されている当社の有価証券報告書、当社が東京証券取引所TOKYO PRO Marketへ上場した2017年6月から本公開買付けの公表日前営業日である算定基準日(2025年6月5日)までの終値・出来高データを含む時系列株価情報、当社から提供された事業計画書(2025年10月期から2027年10月期)、当社からヒアリングにより入手した情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである東京フィナンシャル・アドバイザーズが実施した初期的な当社株式の価値算定結果(DCF法では697円~851円、類似会社比較法では597円~920円)及び当該情報を前提として公開買付者で実施した初期的な当社株式の価値分析内容を総合的に勘案し、2025年4月2日、本特別委員会に対して、株式交付比率の算定の基礎となる当社の株式価値及び株式交付比率の初期的な算定がされた東京フィナンシャル・アドバイザーズ作成の2025年3月27日付株式交付比率算定報告書(以下「算定報告書(初期版)」といいます。)及び株式評価に関する参考資料等を提出したとのことです。なお、当該株式交付比率は、公開買付者株式については、当該算定報告書(初期版)の算定基準日である2025年3月27日を基準とした東京証券取引所スタンダード市場における市場株価の終値が、その当日は83円(小数点以下を四捨五入しているとのことです。以下、同じです。)、同日までの過去1、3、6か月間の終値の単純平均値がそれぞれ81円、79円、82円と大きく変動していないことから、同様に大きな変動はないものと仮定し、その価格を2025年6月6日の前日である2025年6月5日の終値(以下「前日終値」といいます。)である91円とし、一方、当社株式については、東京フィナンシャル・アドバイザーズが初期的に算定したDCF法に基づく当社株式の価値の合理的範囲及び当社による過去の増資時における株価(2024年1月11日の株式分割(10分割)前で1株につき8300円)を参考に、1株当たり830円。当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しているものの、2017年6月30日に1500円(2024年1月11日の株式分割(10分割)後で1株につき150円)で売買が成立して以降、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年6月5日までに売買が成立していないため、市場株価に対するプレミアム/ディスカウントを求めることはできません。)として、定めたとのことです。

 2025年4月2日に公開買付者は、当社から本取引後の経営方針・営業方針・人事計画等の当社の経営の独立性の維持及び当社のコーポレートガバナンス体制の強化に対する積極的な助言を内容とした資本業務提携契約の締結可否についての確認を受け、同日に、本資本業務提携契約の締結について同意の方針である旨回答をしたとのことです。また、2025年4月3日に開催された本特別委員会を経て、2025年4月4日に当社から、本取引の検討を深めるべく、公開買付者に対して、当社の株価算定について、当社側の算定方法との相違点について①類似会社についてはどのように選定されたのか、②当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しているが、公開買付者から提出された算定報告書(初期版)にて非流動性ディスカウントが適用されていたため、非流動性ディスカウント30%を適用することを適切と考える根拠は何かという追加の質問をしました。

 これに対して、公開買付者は、2025年4月4日、①について、類似会社は東京フィナンシャル・アドバイザーズから提示してもらい、公開買付者にて検討を行った、②について、当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しているものの、2017年6月30日に売買が成立して以降売買が成立していないことから実質的には流動性がないものとして取り扱っていると回答したとのことです。

 また、公開買付者は、2025年4月21日、当社から、2024年1月11日の株式分割(10分割)前で1株につき8300円の価額で当社は増資を実施しており、それ以降、当社の企業価値を棄損する事象は生じていないと理解しているため、現在の株式数に引き直すと830円になるため830円が下限となるとの認識より引き上げ要請をしました。また、当社が公開買付けに応じる条件として、本公開買付けが成立した場合、①当社の東京証券取引所のTOKYO PRO Market市場の上場を維持することについて、当社及び公開買付者間で協力をすること、②当社が設備投資資金支援を要請した場合、公開買付者は誠実に検討し、資金支援の実施に努めること、③公開買付者は、コーポレートガバナンス・コードの全原則に関する助言・情報提供を当社に実施すること、④双方の仕入・販売ネットワークに係る情報を、法令に従い共有すること、当社の経営体制については、当社の取締役は①2027年1月まで5名体制とし、うち4名を当社、1名を公開買付者が指名すること、②①に関わらず、公開買付者が要請をした場合には、協議の上2026年1月開催予定の当社定時株主総会において公開買付者はさらに1名の取締役を追加指名可能とすること、③2027年の株主総会における取締役の改選時には、従前の指名比率を参考に協議のうえ決定すること、④当社・公開買付者は、指名された候補者が取締役に選任されるよう協力をすること、当社の雇用・労働条件については、①本公開買付け成立後も、当社従業員の処遇・雇用条件等は当社取締役会が決定すること、②公開買付者は、不利益変更や人員削減を正当な理由なく要請しないこと、③当社は、公開買付者従業員の処遇等も考慮し、従業員のモチベーション維持を目的に条件変更を行うことが可能であることを要望しました。

 かかる要請を踏まえ、公開買付者は、同日、当社に対して、なお、当該株式交付比率は、公開買付者株式については、当該算定報告書(初期版)の算定基準日である2025年3月27日を基準とした東京証券取引所スタンダード市場における市場株価の終値が、その当日は83円(小数点以下を四捨五入しているとのことです。以下、同じです。)、同日までの過去1、3、6か月間の終値の単純平均値がそれぞれ81円、79円、82円と大きく変動していないことから、同様に大きな変動はないものと仮定し、その価格を前日終値である91円とし、東京フィナンシャル・アドバイザーズが実施した初期的な当社株式のDCF評価による当社株式の価値の上限が851円であったことから当社株式をこの上限値に収まる1株当たり850円として、株式交付の比率を定める旨の再提案を行ったとのことです。また、公開買付者からは、当社は、本公開買付けに賛同する旨の取締役会決議(全会一致)を行い、その旨を公表のうえ、意見表明報告書を提出すること、当社の経営体制については、必要に応じて公開買付者は取締役1名を追加指名可能とし(公開買付者の指名に係る当社取締役は追加指名前は1名、追加指名後は2名)、当社はその選任議案を株主総会に上程することと変更したうえ、当社が、一定の重要事項を決定・実行する場合には、事前に公開買付者と協議することを要望しました。

 これに対して、2025年4月21日、当社からは、真摯に検討した結果、当社の市場環境等を前提とすると、当社の一般株主にとって不合理なものではないと判断した旨の回答をし、最終的に、当社及び公開買付者は、2025年6月6日、公開買付者株式1株あたり91円(2025年6月5日の東京証券取引所スタンダード市場における公開買付者株式の終値91円)であることを前提として、公開買付けの対価として交付する公開買付者の株式に係る株式交付比率算定の基礎とする公開買付者株式の価格を前日終値である91円とし、当社株式1株当たり850円として、計算した本株式交付比率を9.34株とすることで合意に至りました。また、当社から、上記公開買付者からの要望を受諾する旨の回答を2025年6月6日しました。

 

 また、公開買付者は、当社との間で、公開買付者株式の価格を前日終値91円とし、本公開買付けにおける当社株式1株あたり850円として、本株式交付比率を9.34株とすることで合意をしたことを踏まえ、2025年6月5日に、応募合意株主に対して、当社株式の買付けの対価としては金銭の交付ではなく、公開買付者が発行する新株式の交付によること、公開買付者株式の価格を、2025年6月6日の前日終値である91円とし、当社株式1株当たり850円として計算することで、結果として本株式交付比率を9.34株とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、同日、応募合意株主から、本株式交付比率にて応諾する旨の回答を受領し、2025年6月5日付で、本応募契約を締結したとのことです。なお、応募合意株主に2025年6月6日に確認したところ、仮に本公開買付けにおいて、応募株券等の総数が買付予定数の上限を上回ることとなり、あん分比例を行った結果、応募合意株主に手残り株式が生じた場合においては、引き続き当該手残り株式を保有する方針とのことであり、買付開始にあたり、改めて2025年6月20日に再度確認したところ、2025年6月6日に確認した方針に変更はないとのことです。

 

 以上の協議及び交渉を経て、公開買付者は、2025年6月6日開催の取締役会において、(ⅰ)当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として、当社株式に対する公開買付けを実施し、当社株式の買付け等の対価として、当社株式1株に対して、公開買付者が新たに発行する普通株式9.34株を交付すること、(ⅱ)応募合意株主との間で、本応募契約を締結すること及び、(ⅲ)当社との間で本資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、本資本業務提携契約に基づく資本業務提携を「本資本業務提携」といいます。)を締結することを決議したとのことです。

 その後、公開買付者は、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2025年6月21日、本株式交付の公告を行った2025年6月6日から同月20日までの間に、一定の数の公開買付者の株式(会社法施行規則第213条の6)を有する株主が反対株主の株式買取請求に係る公告の日から2週間以内に、株式交付に反対する旨を公開買付者に対し通知しなかったため、本前提条件が充足されたことを確認したことから、同月21日、当社に対して、本前提条件が充足されたので、本公開買付けを2025年6月23日から開始する旨の連絡をしたとのことです。そして、公開買付者は、2025年6月21日に開催された取締役会において、本公開買付けを2025年6月23日から開始することを決議したとのことです。

 

(ⅳ)本公開買付け後の経営方針

 公開買付者は、当社株式の東京証券取引所TOKYO PRO Marketへの上場を維持することを企図しております。そこで、公開買付者及び当社は、公開買付者は上場会社としての当社の経営の独立性を維持する旨を本資本業務提携契約において、合意しております。

 公開買付者は、2023年1月30日、当社に社外取締役2名を派遣し、当社の経営に関与してまいりましたが、本公開買付け後の取締役会の構成に関して、公開買付者は、本資本業務提携契約において、当社の取締役1名を指名する権利を有する旨合意しております(詳細は、下記「(7)公本開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本資本業務提携契約」をご参照ください。)。

 当社は、本取引後も東京証券取引所TOKYO PRO Market市場への上場維持を前提としていますので、当社の独立性を尊重し、公開買付者が指名して当社に派遣する取締役の役割は経営の監視、ガバナンスの向上などに留める方針となります。その他、公開買付者において、本取引後の当社の経営方針、経営参加後の計画、経営体制、役員体制につき現時点での想定や希望はないとのことです。

 

③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

 当社は、2017年6月30日の東京証券取引所TOKYO PRO Market上場時には次の目標として東京証券取引所マザーズ市場へのステップアップを目指しており、2021年から東京証券取引所グロース市場への上場プロジェクトを立ち上げ、主幹事証券会社からの指導を受け、①ガバナンス体制の強化(監査役会の設置、及び社外取締役の登用による機関設計の整備、取締役会における協議の質向上を図り、経営意思決定の透明性と妥当性を向上)、②内部監査及びIT統制の充実(監査室及びシステム統括室を新設し、独立した監視・評価機能を強化)、③決裁権限の明確化と業務の適正分担、④社内ルール・情報共有体制の整備(最新の社内規程を社内ポータルで周知し、従業員の理解促進と遵守を徹底)、⑤関連当事者取引の適正管理(取引の必要性・条件の妥当性を審査する体制を整備)、⑥リスク管理・コンプライアンス体制の強化(「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置し、全社的なリスク統制を推進、内部通報窓口の周知徹底による早期発見・是正の仕組みを整備)⑦教育・研修の実施(全社員を対象に、コンプライアンス、インサイダー取引、情報セキュリティ、個人情報保護、反社会的勢力排除などに関する研修を実施)、⑧開示体制の整備(東京証券取引所TOKYO PRO Market市場では開示業務の大部分を当社のJ-Adviserであるフィリップ証券株式会社に委託しておりましたが、これを当社自身で完結できるよう担当者の育成)を行い、主幹事証券会社から、指導期間から審査に移行することを伝えられた2024年3月に上場のための準備が整ったと判断したことから、東京証券取引所グロース市場への2024年内の上場を目指して、積極的に上場へ向けた準備をしていました。

 そして、当社においては、2024年4月中旬から東京証券取引所グロース市場への上場のための主幹事証券会社による審査を受けていましたが、当該審査においてレーザーテック1社への売上依存度が高いことが理由で上場が困難となった場合には、その依存度をすぐに低減させることは困難であるとの考えから、東京証券取引所グロース市場への上場のための準備が整ったと判断した一方で、東京証券取引所グロース市場への市場変更が困難となる場合に備えて、東京証券取引所グロース市場で求められる成長可能性を示すための成長戦略(コア事業の深耕、コア1.5戦略(注1)の展開、新規事業の開拓)の実現に向け、新たな顧客の獲得、生産体制強化のための設備投資、採用・育成等の人的投資、内部留保による資金をシステムや研究開発へ充当することにより、さらなる事業拡大とそれに伴う高い成長を実現したいと考えていました。そこで、公開買付者の連結子会社となれば、公開買付者による信用力・知名度を利用することが期待でき、それにより営業面での競争力強化や優秀な人材の獲得と流出の阻止を図れることが期待でき、その結果上記記載の成長戦略を実現でき、企業価値の向上が図れる可能性が高いと考えたため、当社の成長の加速のために公開買付者の連結子会社となることについても、上記審査を受けながら並行して検討を開始しました。

 上場準備の一環として、当社は、当社の主幹事証券会社から、東京証券取引所グロース市場への上場審査の項目である当社の経営の独立性を考えると、主要株主である公開買付者から2名の取締役の派遣を受けることは問題があるとの指摘を受け、かつ、取締役1名の派遣ならば許容される可能性があるとの意見があったため、2024年9月27日には、公開買付者からの派遣取締役の人数を2名から1名に減らしました。

 その後、2024年11月5日に、当社の主幹事証券会社から、主要取引先社1社への売上依存度が高いままであると東京証券取引所グロース市場への上場が認められる可能性が低いと考えられることから、レーザーテック1社への売上依存度(2024年10月期実績では、同社への売上が86.5%を占めていました。)を減らしつつ企業価値を高めてから東京証券取引所グロース市場への上場申請を行うべきであるため、今回は当該申請を見送るべきとの意見が当社に対してあり、当社において、レーザーテック1社への売上依存度が高い状態では継続的な成長性を示しにくいこと、継続的な成長の為に新しいビジネスモデルを推進し、東京証券取引所グロース市場で求められている上場維持基準時価総額40億円や主幹事証券会社から示された東京証券取引所グロース市場への上場水準としての当期純利益に鑑みて当期純利益5億円以上を目指し、且つ継続的に業容拡大を期待できるサービス体制の構築を優先すべきと考えたことから、当社は東京証券取引所グロース市場への上場は困難であると判断し、当社は公開買付者に対して、当面の間東京証券取引所グロース市場への上場を見送りたい旨を示しました。

 そして、当社は、公開買付者から、2024年12月11日に本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の打診を受けました。同日、当社は、当社も公開買付者の連結子会社になることを考えていたこともあり、条件次第では前向きに検討したいという回答をし、そして2024年12月16日から2024年12月25日まで、当社は公開買付者と複数回にわたり、協議を行いました。協議を開始した12月16日には、当社から、役員・従業員ともに東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場していることに誇りを持っており、この上場は維持したいといった要望がだされ、これらを中心に、公開買付者による当社株式の所有割合、当社が東京証券取引所TOKYO PRO Marketへ上場することを維持するか、当社のレーザーテックへの影響、公開買付者による当社株式取得後の当社の経営体制及び経営方針、両者の株主の反応等について検討・議論を行いました。当該議論の中で、当社は、当社のレーザーテックへの影響を考えると経営の独立性はある程度維持しておきたいこと、東京証券取引所TOKYO PRO Marketへの上場を維持すること、議決権所有割合は公開買付者の連結子会社への該当要件を満たし、上場維持についても担保できる50%台前半が良いということ、また、議決権所有割合が上場維持についても担保できる50%台前半であれば大株主からも同意が得られる状況であることなどの意見が公開買付者に伝えられ、公開買付者も当該内容について同意いたしました。当社は、2022年3月18日を払込期日として実施した公開買付者を割当先に含む第三者割当増資で得た資金をもとに横浜市都筑区に新工場を設立しているが、拡大を続ける取引先からの工期の短縮、増産能力の強化に関する要望に応えるため、当社は2027年を目途に第2工場設立を計画しているほか、現在レーザーテック1社の売上高が全売上の85%を超える状況となっていることから、営業ポートフォリオの分散を図る必要性を感じており、また、半導体業界という変化の激しい事業環境にあるため、継続的な経営基盤の強化により、競争力を維持し、新たな需要に柔軟に対応する体制構築が必要とも考えていました。そして、そのためにも公開買付者との資本関係を一層強化し、業容拡大のための設備投資において資金調達に問題が生じた場合には公開買付者が資金支援することや対外信用面の強化によるコア1.5戦略における営業推進の加速への期待、即ちコア1.5戦略は半導体関係の企業に対する新規営業展開のため、公開買付者の東京証券取引所スタンダード市場上場の信用力とトヨタ自動車株式会社等の企業と取引がある顧客ネットワーク等を活用し営業取引先に安心感を与えられると考え、新規顧客を獲得することが当社の成長のさらなる加速を高め、業容拡大及び企業経営の安定化のためにも必要であるため、公開買付者の連結子会社となることについて、十分なメリットがあると2024年12月25日に判断し、公開買付者に対してその旨回答しました。

 その後、当社は、2025年1月17日に主要取引先であるレーザーテックを訪問し、公開買付者が当社株式の過半数以上の取得をした場合、双方の取引に影響が生じるか否かの相談を行ったところ、レーザーテックからは、公開買付者の当社株式の所有目的が純投資であり、当社との取引に影響が生じないのであれば従来通りの取引継続に支障はないと考える旨の感触を得られました。当社は、改めて2025年1月28日にレーザーテックを訪問し、同社取締役と面談を実施し、前回訪問時の面談内容及び当社の状況を報告し、レーザーテックからは当社の経営における現体制の維持と更なる取引協力の依頼がありました。また、当社の東京証券取引所TOKYO PRO Market市場上場による内部統制面、管理体制面を高く評価しており、今後の上場継続を希望している旨の話しでありました。また、技術、生産面での更なる関係性強化の期待を実感することができたことは本取引に賛同することへの大きな判断材料になりました。

 そして、当社は、上記の公開買付者との議論を重ねる中で、当社の株主の一部は当社株式の売却に応じる可能性が高いものと考えられるものの、創業時等古くから当社に関係し、現在も当社を応援してくれている株主も多く、それらの株主は引き続き当社の株主として応援したい旨の要望も大きいと考えられることから、金銭の交付ではなく、公開買付者の普通株式を交付しこれを通して、引き続き当社の株主として応援できるような形をとれないかとの要望をしました。

 これに対して、公開買付者は、当社株式の買付け等の対価として、金銭の交付ではなく、公開買付者が新たに発行する普通株式を交付する株式交付を利用した場合、公開買付者の既存株主の持株比率が希薄化することなるが、そのような希薄化を踏まえても、この機会に当社を連結子会社化することにより、上記のとおり、事業の多様化による事業基盤の強化、成長戦略を支える強固な経営基盤の構築への貢献、事業ポートフォリオの拡大による経営の安定化、生産・管理コストの合理化等のシナジーの獲得の可能性、当社の業績を連結財務諸表に取り込むことによる公開買付者らの業績の増加などのメリットがあると判断したことから、公開買付者の企業価値・株主価値の向上に資するものと認識しており、公開買付者の既存株主の皆様の利益に貢献できるものであることから、株式の希薄化への影響は合理的なものであると考え、本株式交付を選択するに至ったとのことです。本株式交付の詳細は、公開買付者が2025年6月6日に開示した「簡易株式交付による株式会社キャストリコ(証券コード:6695)に対する公開買付けの開始予定及び同社との資本業務提携に関するお知らせ」をご参照ください。

 

 その後、当社は、2025年3月4日、公開買付者から、あらためて、本取引の実施に向けたより具体的な検討・協議を行いたい旨の打診を受けました。これに対して、当社は、上記のとおり、既に2024年12月11日以降に公開買付者と協議・議論を重ねており、連結子会社化を目的とすることについて、当社にも、公開買付者の連結子会社となることで、東京証券取引所スタンダード市場に上場している公開買付者の信用力と顧客ネットワーク等を活用することで、新規顧客を獲得することができるという十分なメリットがあるという認識でした。他方で、当社は、公開買付者の連結子会社となることによるデメリットの有無について確認し、その結果、経営の独立性の維持、主要取引先であるレーザーテックとの取引への影響が懸念されたため、これらについて検討しました。しかし、経営の独立性については、資本業務提携契約を締結することで経営の独立性は維持できると考え、また、レーザーテックとの取引継続については、直接同社に当社の筆頭株主が所有株式の割合を増やす可能性について触れ、純投資である旨及び株主との良好な関係にある旨を伝え、これまでと変わらない取引のお願いを2025年1月28日にしてデメリットの解消を図りました。したがって、当社は、公開買付者に対して、本取引の具体的な検討・協議を進めることに異存ない旨の回答を2025年3月14日にしました。

 その後、当社は、顧問弁護士である丸の内総合法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、当社の取締役の中に当社の株主である者がいること(取締役佐川達也氏は110,000株を所有しており、株式所有割合4.99%、株主順位4位、取締役三浦隆夫氏は100,000株を所有しており、株式所有割合4.54%、株主順位5位、取締役都留顕二氏は100,000株を所有しており、株式所有割合4.54%、株主順位5位となっております。)、また、公開買付者から派遣された取締役が当社に1名存在すること(取締役加藤祐蔵氏)から、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反の可能性を排除し、本取引の公正性を担保するため、2025年3月14日に当社、公開買付者及び応募合意株主から独立した法務アドバイザーとして丸の内総合法律事務所を選任し、また、同日開催の当社取締役会において、当社、公開買付者ら及び応募合意株主から独立した、公開買付けに関するリーガル・アドバイザー業務の実務経験豊富な弁護士川村一博氏(祝田法律事務所)、当社社外取締役上出勝氏、当社監査役中山雅人氏、当社監査役高畠達也氏の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置すること並びに本特別委員会の判断内容を最大限尊重した意思決定を行い、本特別委員会が、本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引に賛同しないこととすることを決議し、同日、本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員は、設置当初より当該4名であり、委員を変更した事実はありません。また、本特別委員会では、委員4名の互選により、委員長として川村一博氏を選定いたしました。なお、当社社外取締役である加藤祐蔵氏については、公開買付者の取締役を兼任していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、本特別委員会の委員には選任していません。また、弁護士川村一博氏から特別委員会における委員の数は3名程度が一般的との助言もあり、当社の実情を総合的に把握している人物、法律に詳しい人物、会計に詳しい人物で構成したいと考えた際に、社外取締役で弁護士の上出勝氏、監査役からは常勤の社外監査役中山雅人氏、そして公認会計士である社外監査役高畠達也氏を選任し、計4名体制としたため、社外監査役の谷光氏は本特別委員会の委員に選任していません。)(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 そして、2025年3月14日から、当社及び本特別委員会は、公開買付者との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるメリット、本取引後の当社の経営体制・事業方針について公開買付者に確認を行いました。

 また、下記「(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、第三者算定機関であるTF公認会計士共同事務所並びに当社の法務アドバイザーである丸の内総合法律事務所について、公開買付者及び当社からの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。

 その上で、当社は、TF公認会計士共同事務所から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、丸の内総合法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってきました。

 また、当社は、2025年3月4日付で公開買付者から、本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の打診を受けたことを踏まえ、2025年3月14日開催の取締役会決議により本特別委員会を設置して以降、当社及び本特別委員会は、公開買付者との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるメリット、本取引後の当社の経営体制・事業方針、本株式交付比率を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってきました。

 

 具体的には、本特別委員会は、2025年3月28日に公開買付者より本取引に関する(ⅰ)公開買付者が当社を連結子会社化することとし、公開買付けの対価を公開買付者株式とすること、(ⅱ)本公開買付け実施後も引き続き当社株式の上場を維持すること、(ⅲ)本取引の背景及び目的、本公開買付け実施後の経営方針等を記載した意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、2025年4月2日に公開買付者に対し本取引の意義・目的に関して経営方針・営業方針・人事計画等の経営の独立性の維持及び当社のコーポレートガバナンス体制の強化に対する積極的な助言に関する内容を記載した資本業務提携契約の締結可否についての確認をしたところ、同日に、公開買付者から当該資本業務提携契約の締結について同意の方針である旨回答を受けました。当該回答を受け、2025年4月3日に開催された本特別委員会を経て、2025年4月4日に当社は、本取引の検討を深めるべく、公開買付者に対して、株価算定について、当社側の算定方法との相違点について①類似会社についてはどのように選定されたのか、②当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しているが、公開買付者から提出された算定報告書(初期版)にて非流動性ディスカウントが適用されていたため、非流動性ディスカウント30%を適用することを適切と考える根拠は何かという追加の質問をしました。これに対して、公開買付者は、2025年4月4日、①について、類似会社は東京フィナンシャル・アドバイザーズから提示してもらい、公開買付者にて検討を行った、②について、当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しているものの、2017年6月30日に売買が成立して以降売買が成立していないことから実質的には流動性がないものとして取り扱っていると回答したとのことです。本特別委員会は、2025年4月4日開催の本特別委員会において、公開買付者からの上記回答を受け、株価算定に関する議論(流動性ディスカウントについては不適切であるとの積極的な根拠はないこと、類似会社の選定についても一概にどちらが有利ということはいえないこと)を行い、過去の第三者割当の株価830円を踏まえて、当社の株価については830円を下回る価格で当社株式を評価されることは合理性がない旨及び資本業務提携の契約について両社間の継続的な協議を行う仕組みを盛り込むべきとの議論を行いました。

 上記の検討と並行して、当社は、本株式交付比率を含む本取引の諸条件についても、公開買付者との間で継続的に協議及び交渉を行いました。具体的には、当社及び本特別委員会は、公開買付者から、2025年4月2日、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである東京フィナンシャル・アドバイザーズが実施した初期的な当社株式の価値算定結果(DCF法では697円~851円、類似会社比較法では597円~920円)及び当社から提供を受けた事業計画書(2025年10月期から2027年10月期)を前提として公開買付者で実施した初期的な当社株式の価値分析内容を総合的に勘案した株式交付の比率を含んだ本取引に関する提案を受領しました。なお、上記のとおり、当該株式交付比率は、公開買付者株式1株あたりの価格を2025年6月6日の前日終値とし、一方、当社株式1株当たりの価格を830円として定めたものです。これに対し、当社は、2025年4月18日、社内検討を行ったうえで、2025年4月21日、公開買付者に対し、2024年1月11日の株式分割(10分割)前で1株につき8300円の価額で当社は増資を実施しており、それ以降、当社の企業価値を棄損する事象は生じていないと理解しているため、現在の株式数に引き直すと830円になるため830円が下限となるとの認識より引き上げ要請をしました。また、本公開買付けに応じる条件として、本公開買付けが成立した場合、①当社の東京証券取引所のTOKYO PRO Market市場の上場を維持することについて、当社及び公開買付者間で協力をすること、②当社が設備投資資金支援を要請した場合、公開買付者は誠実に検討し、資金支援の実施に努めること、③公開買付者は、コーポレートガバナンス・コードの全原則に関する助言・情報提供を当社に実施すること、④双方の仕入・販売ネットワークに係る情報を、法令に従い共有すること、当社の経営体制については、当社の取締役は①2027年1月まで5名体制とし、うち4名を当社、1名を公開買付者が指名すること、②①に関わらず、公開買付者が要請した場合には、協議の上2026年1月開催予定の当社定時株主総会において公開買付者はさらに1名を追加指名可能とすること、③2027年の株主総会における取締役の改選時には、従前の指名比率を参考に協議のうえ決定すること、④当社・公開買付者は、指名された候補者が取締役に選任されるよう協力をすること、当社の雇用・労働条件については、①本公開買付け成立後も、当社従業員の処遇・雇用条件等は当社取締役会が決定すること、②公開買付者は、不利益変更や人員削減を正当な理由なく要請しないこと、③当社は、公開買付者従業員の処遇等も考慮し、従業員のモチベーション維持を目的に条件変更を行うことが可能であることの要望を行いました。

 その後、当社は、同日、公開買付者から、当該株式交付比率は、公開買付者株式については、算定基準日である2025年3月27日を基準とした市場株価が大きく変動していないことから、公開買付者株式については、同様に大きな変動はないものと仮定し、前日終値である91円とし、当社株式を1株当たり850円として本株式交付比率を計算する旨の再提案を受けました。これに対して、2025年4月21日、当社は、真摯に検討した結果、当社の市場環境等を前提とすると、当社の一般株主にとって不合理なものではないと判断し、その旨を公開買付者に回答し、最終的に、当社及び公開買付者は、2025年6月6日、公開買付者株式1株あたり91円(2025年6月5日の東京証券取引所スタンダード市場における公開買付者株式の終値91円)であることを前提として、公開買付者株式を2025年6月6日の前日終値として、公開買付けの対価として交付する公開買付者の株式に係る株式交付比率算定の基礎とする公開買付者株式の価格を、前日終値とし、当社株式1株当たり850円として本株式交付比率を9.34株とすることで合意に至りました。また、公開買付者から、当社は、本公開買付けに賛同する旨の取締役会決議(全会一致)を行い、その旨を公表のうえ、意見表明報告書を提出すること、当社の経営体制については、必要に応じて公開買付者はさらに取締役1名を追加指名可能とし(公開買付者の指名に係る当社取締役は追加指名前は1名、追加指名後は2名)、当社はその選任議案を株主総会に上程することと変更したうえ、当社が、一定の重要事項を決定・実行する場合には、事前に公開買付者と協議することとの要望を2025年4月21日に受け取りました。

 以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、随時、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社が公開買付者に対して提示し、TF公認会計士共同事務所が当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画(2025年10月期から2027年10月期)の内容及び重要な前提条件(①過去の実績データ(当社の2024年10月期の装置別生産実績データ)や市場動向(世界的な半導体需要見込みを踏まえた半導体メーカー(SKハイニックス株式会社やインテル株式会社など)の投資計画など市況の予測)、顧客動向などを基にした売上高予測であること、②実績に基づく仕入原価率、③最新給与実績に基づく部署別人件費+(左記平均人件費×期中増員)、④人件費昇給率5%、⑤実績に基づく減価償却費、家賃、外注費、システム費等の反映)、また、事業計画の作成経緯の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けました。

 そして、当社は、2025年6月6日付で、本特別委員会から、答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要については、下記「(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 以上の経緯の下、当社は、2025年6月6日開催の当社取締役会において、丸の内総合法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言、TF公認会計士共同事務所より2025年6月5日付で提出を受けた当社株式の株式価値に関する算定書(以下「本株式価値算定書(TF公認会計士共同事務所)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本株式交付比率を含む本取引における諸条件は妥当なものであるか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。

 その結果、当社は、以下の2025年6月6日開催の取締役会において、(ア)本取引後に当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketへの上場を維持することとされ、当社の株主にとって、当社の株式を保有し続けるか、本公開買付けに応じることにより公開買付者の株式を取得するかの選択肢が与えられるが、当社株式について近年市場での出来高がなく、市場での売却が現実的に困難であることを考慮すると、当社の株主にとってメリットがあること、(イ)本資本業務提携契約において、当社の将来の成長に寄与する施策が規定されるとともに、2027年1月まで取締役5名体制とし、うち4名を当社、1名を公開買付者が指名することが定められるなど、現在の当社の経営の独立性を確保するための措置が定められていること、(ウ)公開買付者は、コーポレートガバナンス・コードの全原則に関する助言・情報提供を当社に実施することとされているが、当社が今後、東京証券取引所グロース市場への市場変更を目指すにあたり、すでに東京証券取引所スタンダード市場へ上場している公開買付者からの助言により、当社のコーポレートガバナンス等の態勢を強化することができること、(エ)株式交付比率の算定にあたり、当社株式について近年市場での出来高がないこと、市場株価法を採用しないことに合理性が認められ、その他、公開買付者及び当社が取得した第三者算定機関からの株式交付比率算定報告書の内容は合理的と認められること、(オ)本取引における株式交付比率は当社が取得した第三者算定機関からの株式交付比率算定報告書における算定結果内のレンジに収まっていること、(カ)本公開買付けの対価が金銭ではなく公開買付者の株式である点については、東京証券取引所スタンダード市場に上場している公開買付者の株式が交付されることにより、当社株主にとって、当社の親会社の株式を所有し続けることが可能となると同時に、公開買付者の株式を市場で売却することを選択することが可能となることから、当社株主にとっては、当社親会社の株式を所有し続けることにより、当社を含む公開買付者グループの将来の企業価値の向上を期待すると同時に、公開買付者株式を市場で売却することにより現金化することが可能となり、当社株主にとってメリットが生じていると言えることなどのなどの観点から、当社は、本取引は当社の企業価値向上に資するものであるとの結論に至り、本公開買付けに賛同することとし、本取引後も当社は東京証券取引所TOKYO PRO Marketへの上場を維持することから、当社の株式を保有し続けるか否かは、当社株主の判断に委ねることが望ましく、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するのではなく、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについては株主の判断に委ねることが適当との判断に至り、また、「(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」②ないし⑥の措置がとられていることから、本株式交付比率は公正であると判断し、また、本公開買付けにおける当社株式の買付予定株式数は、過半数を超えるものではあるが、3分の2を超えるものではなく、また、二段階買収が予定されているものではなく、当社の株主として残るという選択肢もあり、東京証券取引所の他の市場への移行の可能性や将来株式価値が上がる可能性があるという状況から当社株主に対して強圧性は低いと判断し、本公開買付けの公開買付期間は公開買付開始公告の公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しており、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保する措置を講じていると考えました。これらの検討の結果、当社は、本取引の諸条件は当社の企業価値を向上させることが期待でき、手続の公正も確保されているとして、本取引の条件は妥当であると判断し、2025年6月6日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明し、かつ、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに応募するか否かについては当社株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

 また、当社は、2025年6月6日開催の取締役会における上記の決議を修正する必要がないか確認するため、同月20日に開催された本特別委員会において、同日を基準としても、本答申書の内容に修正すべき点がないことを確認のうえ、同日開催された当社の取締役会において、同日を基準としても本答申書の内容に修正すべき点がないことを含め、同月6日以降の当社の業況や本取引を取り巻く環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に協議・検討を行った結果、同月20日時点においても、本取引を行うことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性が薄れることはなく、同月6日時点における本公開買付けに関する意見を変更すべき理由はないとの結論に至り、その旨を当社の取締役会にて決議いたしました。

 なお、上記2025年6月6日付及び同月20日開催の当社の取締役会における決議の方法については、下記「⑹ 本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役の異議のない旨の意見」をご参照ください。

 

(3)算定に関する事項

① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 当社は、本公開買付けにおける本株式交付比率に関する意見を表明するにあたり、当社、公開買付者ら及び応募合意株主から独立した第三者算定機関であるTF公認会計士共同事務所を2025年3月14日に選定し、2025年6月5日付で株式交付比率算定書を取得いたしました。なお、TF公認会計士共同事務所は、当社、公開買付者ら及び応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

 また、TF公認会計士共同事務所の報酬は固定額であり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬制度は採用しておりません。なお、当社は、「(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載された③~⑥までの各措置が実施されていること、かつ当社及び応募合意株主との協議・交渉を経て、本株式交付比率を決定しているため、本株式交付比率の妥当性は担保されていると考えていることから、TF公認会計士共同事務所から本株式交付比率の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。

 

② 算定の概要

 TF公認会計士共同事務所は、複数の株式価値算定手法の中から当社及び公開買付者の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討しております。当社については当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、DCF方式及び類似会社比準方式を用いて算定しております。なお、当社株式はTOKYO PRO Marketに上場しておりますが、算定に十分な出来高がないことから市場株価方式は採用しておりません。

 DCF方式は将来の事業計画に基づくフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより企業価値を評価し、そこから株式価値を算定する手法です。主な前提条件は以下のとおりです。

・事業計画期間:2025年10月期~2027年10月期(3年間)

・売上高:3,549,019千円~4,575,817千円(年平均成長率13.55%)

・営業利益率:8.31%~9.38%

・減価償却費:26,658千円~34,408千円

・設備投資額:減価償却費と同額と仮定

・フリー・キャッシュ・フロー:年平均183,379千円

・法人税率:30.62%

・割引率(加重平均資本コスト、WACC):8.645%

・非流動性ディスカウント:30%

 DCF法では、当社より取得した事業計画書(2025年10月期から2027年10月期)に基づき、営業利益(EBIT)から営業利益ベースでの法人税を控除した税引後営業利益(NOPLAT)に減価償却費及び運転資本の増減を加味したものをフリー・キャッシュ・フローとして定義しております。

 

2025年10月期

2026年10月期

2027年10月期

売上高

3,549,019

4,012,463

4,575,817

営業利益※

321,043

376,245

380,326

 フリー・キャッシュ・フローの計算にあたって、減価償却費と設備投資額は同額になるものと仮定しており、フリー・キャッシュ・フローの計算上は影響ありません。

 4年目以降の継続価値[残存価値(現在価値)]は、残存価値計算の将来予測フリー・キャッシュ・フローと同額のキャッシュ・フローが発生するものと仮定し、資本還元率(WACC)を使用して現在価値を算定し、残存価値(現在価値)は2,480,750千円と算定されました。なお、継続価値算定にあたり、現在価値計算の基礎となるフリー・キャッシュ・フローを263,870千円、割引率を8.645%としております。

 なお、当該事業計画において、営業利益の大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、フリー・キャッシュ・フローについては、フリー・キャッシュ・フローの計算において、過去の運転資本の実績数値と損益の推移に基づく推定計算により運転資本を算出し加味していることにより、運転資本の増減額に著しい変動が見込まれ、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年10月期のフリー・キャッシュ・フローは、前事業年度の396百万円に対して104百万円と前事業年度と比較して73.6%(小数点以下第二位を四捨五入)の減少を見込んでおり、2027年10月期のフリー・キャッシュ・フローは48百万円と前事業年度と比較して53.6%(小数点以下第二位を四捨五入)の減少を見込んでおります。また、本取引の実行により実現されることが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していません。

 DCF法による企業価値や株式価値の算定結果には、将来キャッシュ・フローの見積もりや割引率(WACC)など、前提条件に不確実性があるため、単一の値ではなく、レンジで評価するのが通常であり、合理的範囲が認められるのが一般的と考えております。実務上は通常、上下10~30%程度の幅を持たせるのが一般的と考えており、TF公認会計士共同事務所は最も低い10%を採用しております。

 当該事業計画による将来の収益予想に基づき、当社が2025年10月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を、812円から993円までと算定しております。

 

 一方、類似会社比準方式は事業内容等が類似する上場企業の指標(EV/EBITDA、PER、PBR)をもとに、当社株式の株式価値を推計する手法です。

 TF公認会計士共同事務所は、当社からの依頼に基づき、当社の事業内容、財務状況、将来の事業計画、業界に関する情報の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受け、それらの情報を踏まえて当社株式の株式価値を算定しております。

 類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社(加賀電子株式会社、シークス株式会社、株式会社立花エレテック、PCIホールディングス株式会社、株式会社KSK、株式会社アバールデータ、株式会社クエスト)の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を353円から973円までと算定しております。

 

 TF公認会計士共同事務所による当社株式の1株当たり株式価値の範囲は以下のとおりです。

採用手法

算定結果(円)

DCF方式

812円~993円

類似会社比準方式

353円~973円

 

 公開買付者については、公開買付者の普通株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場し、一定の流動性を有していることから市場株価方式を用いて算定しております。

 市場株価方式においては、2025年6月5日を算定基準日として、公開買付者の東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値及び算定基準日までの各期間における市場株価の出来高加重平均(1ヶ月平均、3ヶ月平均、6ヶ月平均)をもとに算定しております。

 TF公認会計士共同事務所による公開買付者株式の1株当たり株式価値の範囲は以下のとおりです。

採用手法

算定結果(円)

市場株価方式

84円~92円

 

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

 当社株式は、2025年6月23日現在、東京証券取引所のTOKYO PRO Marketに上場しております。本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図したものではなく、公開買付者は本公開買付け後も引き続き当社株式の上場を維持する方針であり、買付予定数の上限を502,500株(所有割合:21.90%)に設定しておりますので、本公開買付け後に公開買付者が所有することとなる当社株式の数は、最大で1,147,500株(所有割合52.06%)にとどまる予定です。したがって、本公開買付け成立後も、当社株式は、引き続き東京証券取引所のTOKYO PRO Marketにおける上場が維持される見込みです。

 

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 本公開買付けは、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として実施するものであり、当社株式の上場廃止を企図するものではないことから、公開買付者は、2025年6月6日現在、本公開買付け成立後に当社株式を追加取得する予定はないとのことです。

 

(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式交付比率算定報告書の取得

 公開買付者は、本株式交付比率を決定するにあたり、公開買付者ら、当社及び応募合意株主から独立した第三者算定機関として東京フィナンシャル・アドバイザーズに対して、株式交付比率の算定の基礎となる当社の株式価値の算定及び株式交付比率の算定を依頼し、2025年6月5日付で株式交付比率算定報告書(以下「本算定書」といいます。)を取得して当該算定結果の範囲内において公開買付者及び当社の株価並びにその結果求められる株式交付比率を検討したとのことです。また、東京フィナンシャル・アドバイザーズの報酬は固定額であり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬制度は採用してないとのことです。なお、公開買付者は、当社において本項の以下②~⑥までの各措置が実施されていること、かつ当社及び応募合意株主との協議・交渉を経て、本株式交付比率を決定しているため、本株式交付比率の妥当性は担保されていると考えていることから、東京フィナンシャル・アドバイザーズから、本株式交付比率の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。また、東京フィナンシャル・アドバイザーズは、公開買付者ら、当社及び応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。

 

 東京フィナンシャル・アドバイザーズは、複数の株式価値算定手法の中から公開買付者株式及び当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、公開買付者については、公開買付者の普通株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、一定の流動性も有していることから、本株式交付の対価としてその株式価値を評価する場合、市場株価法により十分に適正な結果が得られると判断したため、市場株価法を採用して算定を行い、公開買付者は、東京フィナンシャル・アドバイザーズから2025年6月5日付けで株式交付比率の算定の基礎となる当社の株式価値及び本株式交付比率が算定された本算定書」を取得したとのことです。なお、公開買付者は、東京フィナンシャル・アドバイザーズから、「(6)本株式交付比率の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載された②~⑥の各措置が実施されていること、かつ当社及び応募合意株主との協議・交渉を経て、本株式交付比率を決定しているため、本株式交付比率の妥当性は担保されていると考えていることから、本株式交付比率の妥当性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 市場株価法においては、2025年6月6日を算定基準日として、公開買付者の東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値及び直近1か月間、3か月間及び6か月間の株価終値の単純平均値を基に、公開買付者の株式価値を分析しているとのことです。

 

市場株価法  83円~92円

 

 また、本算定書において、当社については、将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法及び類似会社比較法を用いて当社株式の株式価値の算定を行ったとのことです。なお、当社株式は東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場しているものの、2017年6月30日に売買が成立して以降、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年6月5日までに売買が成立していないことから市場株価法は採用していないとのことです。

 東京フィナンシャル・アドバイザーズによる当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。

 

DCF法      697円~851円

類似会社比較法 558円~989円

 

 DCF法では、当社より取得した事業計画書(2025年10月期から2027年10月期)に基づき、営業利益(EBIT)から営業利益ベースでの法人税を控除した税引後営業利益(NOPLAT)に減価償却費及び運転資本の増減を加味したものをフリー・キャッシュ・フローとして定義しているとのことです。

 

2025年10月期

2026年10月期

2027年10月期

売上高

3,549,019

4,012,463

4,575,817

営業利益※

321,043

376,245

380,326

※事業計画上、減価償却費の計画数値が提示されていなかったため、減価償却費は加算していないため、EBITDAも営業利益と同額となるとのことです。

 なお、フリー・キャッシュ・フローの計算にあたっては、減価償却費と設備投資額が同額になるものとして、減価償却費も設備投資額も考慮していないため、フリー・キャッシュ・フローの計算上は影響ないとのことです。

 4年目以降の継続価値[残存価値(現在価値)]は、残存価値計算の将来予測フリー・キャッシュ・フローと同額のキャッシュ・フローが発生するものと仮定し、資本還元率(WACC)を使用して現在価値を算定し、残存価値(現在価値)は2,065,864千円と算定されたとのことです。なお、継続価値算定にあたり、現在価値計算の基礎となるフリー・キャッシュ・フローを263,870千円、割引率を10.053%、現価係数を0.78704としているとのことです。

 

 なお、公開買付者は、当該事業計画書の重要な前提条件である①過去の実績データ(当社の2024年10月期の装置別生産実績データ)や市場動向(世界的な半導体需要見込みを踏まえた半導体メーカー(SKハイニックス株式会社やインテル株式会社など)の投資計画など市況の予測)、顧客動向などを基にした売上高予測であること、②実績に基づく仕入原価率を利用していること、③最新給与実績に基づく部署別人件費を前提にしていること、④5%の人件費昇給率としていること、⑤その他実績に基づく減価償却費、家賃、外注費、システム費等を反映していること、⑥減価償却費及び設備投資額は、当社提出の事業計画に提示されていないため、減価償却費の範囲内で設備投資を行うと仮定し、設備投資額及び減価償却費は同額が発生するものとし、考慮していないことを確認し、当該事業計画は過大ではなく十分達成できるものと考えているとのことです。

 なお、当該事業計画において、営業利益の大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、フリー・キャッシュ・フローについては、フリー・キャッシュ・フローの計算において、過去の運転資本の実績数値と損益の推移に基づく推定計算により運転資本を算出し加味していることにより運転資本の増減額に著しい変動が見込まれ、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年10月期のフリー・キャッシュ・フローは前事業年度の403百万円に対して93百万円と前事業年度と比較して73.2%(小数点以下第二位を四捨五入)の減少を見込んでおり、2027年10月期のフリー・キャッシュ・フローは47百万円と前事業年度と比較して44.6%(小数点以下第二位を四捨五入)の減少を見込んでおります。また、本取引の実行により実現されることが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。

 DCF法による企業価値や株式価値の算定結果には、将来キャッシュ・フローの見積もりや割引率(WACC)など、前提条件に不確実性があるため、単一の値ではなく、レンジで評価するのが通常であり、合理的範囲が認められるのが一般的と考えているとのことです。実務上は通常、上下10~30%程度の幅を持たせるのが一般的と考えているとのことであり、東京フィナンシャル・アドバイザーズは最も低い10%を採用しているとのことです。

 当該事業計画の経営数値目標を参考に、直近までの業績の動向、想定されるシナジー、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2025年10月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を、697円から851円までと算定しているとのことです。

 類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社(株式会社アバールデータ、株式会社平山ホールディングス、平田機工株式会社、株式会社ワールドホールディングス、nmsホールディングス株式会社)の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を558円から989円までと算定しているとのことです。

 この結果、公開買付者の普通株式1株当たりの株式価値を1とした場合の、当社の普通株式1株に対する株式交付比率の算定結果は以下のとおりとのことです。

 

8株(当社の株式価値697円÷公開買付者の株式価値92円)~10株(当社の株式価値851円÷公開買付者の株式価値83円)

 

 公開買付者は、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、本公開買付けに対する応募の見通し、及び、本株式交付比率の計算の前提となる公開買付者株式の価値がDCF法による算定結果の範囲内に収まっていること等を総合的に勘案し、当社及び本応募合意株主との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年6月6日の取締役会において、当社の普通株式1株に対して、公開買付者の普通株式9.34株を割当て交付することを決議したとのことです。

 当該株式交付比率の決定方法は、公開買付者ら、当社及び応募合意株主から独立した第三者機関である東京フィナンシャル・アドバイザーズが算定した評価書に基づいて決定されており、当該交付比率が当該第三者算定機関によって算出された株式交付比率の範囲内であること、並びに当該第三者算定機関の計算方法及び前提条件(当社の事業計画の数値、期間、WACC(割引率)、WACCの計算のために用いられるパラメータ、非流動性ディスカウントの適用)に不合理な点が認められないことに鑑みて、合理的な金額と判断しているとのことです。

 なお、公開買付者の監査役3名(内社外監査役2名)全員から、当該株式交付比率の決定方法は、公開買付者から独立した第三者機関である東京フィナンシャル・アドバイザーズが算定した評価書に基づいて決定されており、当該株式交付比率が当該第三者算定機関によって算出された交付比率の範囲内であること、並びに当該第三者算定機関の計算方法及び前提条件に不合理な点が認められないことから、合理的である旨の意見を得ているとのことです。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 上記「(3)算定に関する事項」の「① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」及び「② 算定の概要」をご参照ください。

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

 当社取締役会は、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反の可能性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、2025年3月14日開催の当社取締役会において、当社、公開買付者ら及び応募合意株主から独立した、公開買付けに関するリーガル・アドバイザー業務の実務経験豊富な弁護士川村一博氏(祝田法律事務所)、当社社外取締役上出勝氏、当社監査役中山雅人氏、当社監査役高畠達也氏の4名から構成される本特別委員会を設置すること並びに本特別委員会の判断内容を最大限尊重した意思決定を行い、本特別委員会が、本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引に賛同しないこととすることを決議し、同日、本特別委員会を設置いたしました。なお、当社社外取締役である加藤祐蔵氏については、公開買付者の取締役を兼任していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、本特別委員会の委員には選任されていないため、審議及び決議には一切参加しておらず、また、本特別委員会の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切関与しておりません。また、弁護士川村一博氏から、特別委員会における委員の数は3名程度が一般的との助言もあり、当社の実情を総合的に把握している人物、法律に詳しい人物、会計に詳しい人物で構成したいと考えた際に、社外取締役で弁護士の上出勝氏、監査役からは常勤の社外監査役中山雅人氏、そして公認会計士である社外監査役高畠達也氏を選任し、計4名体制としたため、社外監査役の谷光氏は本特別委員会の委員に選任されていないため、審議及び決議には一切参加しておらず、また、本特別委員会の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切関与しておりません。なお、本特別委員会の委員は、設置当初より当該4名であり、委員を変更した事実はありません。また、本特別委員会では、委員4名の互選により、委員長として川村一博氏を選定いたしました。さらに、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず、毎月の固定額での報酬のみを支払うものとしており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用しておりません。

 そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的が正当かつ合理的なものであるか(当社の企業価値向上に資するものであるかを含みます。)、(ⅱ)本取引に至る手続が公正であるか、(ⅲ)本取引における公開買付価格その他の条件が妥当であるか、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)までを踏まえ、本取引が当社の一般株主(少数株主)にとって不利益になるものではないか、(ⅴ)本取引に当社取締役会が賛同意見を表明し、当社株主に対して本取引への応募を推奨することを決議することの是非(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申書を当社に提出することを嘱託しました。

 なお、本特別委員会による公開買付者との交渉過程への関与方針として、直接の交渉は応募合意株主及び応募合意株主の従業員である者以外の当社取締役が行うこととしつつ、本特別委員会は事前に方針を確認し、適時に状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができることも併せて決議いたしました。

 本特別委員会は、2025年4月1日から2025年6月6日までの間に合計4回開催され(開催時間合計3時間20分)、本特別委員会が開催されていない日においても電話、電子メールやWeb会議を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項について慎重に協議及び検討が行われました。

 具体的には、本特別委員会は、まず2025年4月1日開催の第1回の特別委員会において、当社が選任した第三者算定機関であるTF公認会計士共同事務所及びリーガル・アドバイザーである丸の内総合法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを当社の第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーとして承認したとのことです。

 その上で、本特別委員会は、当社から提出を受けた資料等の検討を行うとともに、本取引の目的及び背景、本取引によって実現されるシナジーの具体的内容、本取引によって見込まれる当社の事業への影響、並びに事業計画の作成経緯等について当社から説明を受け、これらに関連する質疑応答を行ったとのことです。また、公開買付者に対しても、本取引の目的等に関する質問書を事前に送付した上で、公開買付者から、本取引を提案するに至った理由及び背景、本取引の目的、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後の当社の経営方針等についての説明を受けるとともに、これらに関連する質疑応答を行ったとのことです。さらに、本特別委員会は、当社の第三者算定機関であるTF公認会計士共同事務所から、当社の株式価値の算定に関する事項についての説明を受け、質疑応答を行ったとのことです。また、当社のリーガル・アドバイザーである丸の内総合法律事務所から、本取引の手続面における公正性を担保するための措置、並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意点について説明を受け、これらに関しても質疑応答を行ったとのことです。

 また、本特別委員会は、当社から、本特別委員会が開催されていない日においても、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、慎重に検討及び協議を重ね、当社に対し交渉の要請・指示を行い、本株式交付比率につき、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、株式交付比率の引き上げの要請交渉が行われたとのことです。

 

 本特別委員会は、以上の経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年6月6日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、本諮問事項につき大要以下の内容の本答申書を提出しました。

 また、本特別委員会は、本答申書の内容に修正すべき点がないことを確認するため、2025年6月20日に本特別委員会を開催し、同日を基準としても本答申書の内容に修正すべき点がないことを確認し、それを当社の取締役会に報告しました。

 

(ⅰ)本取引の目的が正当かつ合理的なものであるか(当社の企業価値向上に資するものであるかを含む。)

 本特別委員会は、以下の理由から、本取引の目的が正当かつ合理的なものであり、当社の企業価値向上に資するものであると考えるとのことです。

 

 当社は2022年3月に実施した第三者割当増資で得た資金をもとに横浜市都筑区に新工場を設立し、拡大を続ける取引先からの要望に応えるため、2027年を目途に第2工場設立を計画しているほか、現在大手顧客1社の売上が全売上の85%を超える状況となっていることから、安定した事業基盤を確立するためにも公開買付者との資本関係を一層強化し、公開買付者の顧客ネットワーク等を活用することが経営拡大のためにも必要であるため、公開買付者の連結子会社となることも有益な選択肢であると考えていたところ、公開買付者としても、当社の主要株主である筆頭株主として、当社の事業及び収益の拡大発展に寄与したいと考えており、公開買付者が当社に対して実施できるサポートの内容は、当社が公開買付者の持分法適用会社であるか、連結子会社であるかにより大きく異なるため、当社でのさらなる事業展開への協力を含め、今後より一層当社の業務をサポートするためには、当社との資本関係を強化し、当社を連結子会社化する必要があると考えていた。そして、当該連結子会社化により、従来以上に緊密化した連携を図ると共に、両社グループの有する資産、ノウハウ、顧客基盤等の経営資源を開示及び提供することを通じて、今後の事業展開に向けた連携やシナジーの実現が期待できると考えるに至ったとのことである。

 また、公開買付者と当社の協議のなかで、当社が、当社の株主の一部は当社普通株式の売却に応じる可能性が高いものと考えられるものの、創業時等古くから当社に関係し、現在も当社を応援してくれている株主も多く、それらの株主は引き続き当社の株主として応援したい旨の要望も大きいと考えられることから、金銭による買付ではなく、公開買付者の普通株式を交付しこれを通して、引き続き当社の株主として応援できるような形をとれないかとの意見が強く要望としてあったため、公開買付者にて検討した結果、株式交付による連結子会社化を選択するに至ったとのことである。

 さらに、公開買付者は、現在当社が上場している東京証券取引所のTOKYO PRO Market市場への上場については維持する予定であるとのことである。

 

 また、本公開買付けの対価が金銭ではなく公開買付者の株式である点については、東京証券取引所スタンダード市場に上場している公開買付者の株式が交付されることにより、当社株主にとって、当社の親会社の株式を所有し続けることが可能となると同時に、公開買付者の株式を市場で売却するという選択が可能となる。特に、株式の売却による現金化については、当社株式が近年市場での出来高がなく、市場での売却が現実的に困難であったことを考慮すると、当社株主にとって新たな選択肢と言える。そのため、当社株主にとっては、当社親会社の株式を所有し続けることにより、当社を含む公開買付者グループの将来の企業価値の向上を期待すると同時に、公開買付者株式を市場で売却することにより現金化することが可能となり、当社株主にとってメリットが生じていると言える。

 さらに、本公開買付けは買付予定数の上限を502,500株(所有割合:21.90%)に設定しており、本公開買付け後に公開買付者が所有することとなる当社普通株式の数は、最大で1,147,500株(所有割合52.06%)にとどまる。そのため、当社株式にとっては、当社株式を所有し続けることも可能となっているが、以下に説明するとおり、公開買付けは、当社を連結子会社化した後も当社の経営の独立性を一定の範囲で確保することを約束しており、かつ、上記のように、公開買付者による今後の経営への参画が期待できるため、当社の企業価値が著しく損なわれることは想定されず、本取引は、当社の株式を所有し続けることを選択した株主にとってもメリットがあると考えられる。

 

 また、当社及び公開買付者は、2025年6月6日付けで資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」という。)を締結したが、そこには、業務提携の内容として、①公開買付者による当社の設備投資のための資金支援、②公開買付者の有するコーポレートガバナンス・コードの全原則に関する分野の知見を踏まえ、当社に対するコーポレートガバナンス・コードの全原則に関する助言や情報提供、③当社と公開買付者の間における物品等の仕入及び販売に係るネットワークの情報共有が規定されている。これらは、公開買付説明書に記載される、公開買付者が当社を連結子会社とする目的と合致しており、公開買付者がこれらの事項を推進することを当社に約束していると解釈できる。さらに、本資本業務提携契約において、公開買付者は、本公開買付け後も、当社の従業員の処遇及び雇用条件等(就業規則、賃金・賞与制度、通勤費制度、定年制度、報奨制度を含むがこれらに限られない。)については当社が判断・決定するものとし、公開買付者は当社の従業員の処遇及び雇用条件等の不利益変更、労働環境の著しい変更並びに人員削減を要請しないことを相互に確認することとしている。

 

(ⅱ)本取引に至る手続が公正であるか

 本特別委員会は、以下の理由から、本取引に至る手続は公正であると考えるとのことです。

 

 公開買付者は当社株式645,000株を所有しているが、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しない。但し、当社の経営陣の一部である佐川達也氏、三浦隆夫氏及び都留顕二氏が当社の株主であり、本公開買付けに応募して本公開買付けが成立した場合には公開買付者の株式を取得することから、本株式交付比率を含む本取引の公正性担保につき慎重を期し、当社の一般株主の皆様の利益を保護する観点から、以下の措置を実施した。

 

(a)公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 公開買付者は、本株式交付比率を決定するにあたり、東京フィナンシャル・アドバイザーズに対して、当社の株式価値の算定及び株式交付比率の算定を依頼し、2025年6月5日付で本算定書を取得した。また、東京フィナンシャル・アドバイザーズの報酬は固定額であり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬制度は採用していない。なお、公開買付者は東京フィナンシャル・アドバイザーズから本株式交付比率の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していない。また、東京フィナンシャル・アドバイザーズは、公開買付者ら及び貴社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していない。

(b)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、本公開買付けに関する意見を表明するにあたり、当社、公開買付者ら及び応募合意株主から独立した第三者算定機関であるTF公認会計士共同事務所を2025年3月上旬に選定し、2025年6月5日付で株式価値算定書を取得した。なお、TF公認会計士共同事務所は、当社、公開買付者ら及び応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していない。また、TF公認会計士共同事務所の報酬は固定額であり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬制度は採用されていない。なお、当社は、TF公認会計士共同事務所から本株式交付比率の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していない。

(c)当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言

 当社は、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、当社、公開買付者ら及び応募合意株主から独立したリーガル・アドバイザーとして丸の内総合法律事務所を2025年3月上旬に選任し、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けた。

 なお、丸の内総合法律事務所は、当社の顧問法律事務所であるが、報酬額は多額ではなく、同法律事務所の独立性に影響を及ぼすものではない。そのため、同法律事務所は、当社、公開買付者ら及び応募合意株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していない。

(d)当社における独立した特別委員会の設置

 当社取締役会は、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反の可能性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、2025年3月14日開催の当社取締役会において、当社、公開買付者ら及び応募合意株主から独立した委員により構成される本特別委員会を設置すること並びに本特別委員会の判断内容を最大限尊重した意思決定を行い、本委員会が、本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引に賛同しないこととすることを決議し、同日、本特別委員会を設置した。

(e)佐川達也氏、三浦隆夫氏及び都留顕二氏の取締役会の審議及び決議への参加について

 会社法上、取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることはできない(同法第369条第2項)。そして、この「特別の利害関係」とは、特定の取締役が、当該決議について、会社に対する忠実義務を誠実に履行することが定型的に困難と認められる個人的利害関係又は会社外の利害関係を意味すると解される(注1)。また、当該取締役は、単に決議に参加し得ないのみならず審議にも参加できないと解する見解が有力である(注2)。

(注1) 落合誠一編『会社法コンメンタール(8)』(商事法務、2009)293頁〔森本滋〕

(注2) 落合編・前掲注1)296頁〔森本〕。

 

 本件においては、佐川達也氏、三浦隆夫氏及び都留顕二氏の3名が当社株式を所有し、応募株主の立場も有するため、これらの取締役が、本公開買付けに関する意見表明に係る取締役会決議において「特別の利害関係」を有すると判断されるか問題となる。しかし、(ア)本取引は目的の正当性が認められ、当社の企業価値に増大に寄与することが期待されること、(イ)当社の株主には、当社の株式を所有し続けるか、公開買付者の株式を取得するか(また、その後それを市場で売却するか)の選択肢が与えられていること、(ウ)本資本業務提携契約において、2027年1月の取締役の改選時までは、5名中4名の候補者を当社の取締役が指名する(公開買付者は1名を指名する)こととされ、一定期間、公開買付者の役員指名権が制限されていること、(エ)そのため、当社の取締役と当社の株主の利害が反すると根拠づけるべき事由は認められないことから、これらの取締役を利害関係取締役ではないとして、意見表明に係る取締役会の審議及び決議への参加を認めたとしても、上記3名について、会社に対する忠実義務を誠実に履行することが定型的に困難と認められる個人的利害関係又は会社外の利害関係が存在するとは認められず、会社法第369条第2項に反しないと考えられる。

 

(ⅲ)本取引における株式交付比率その他の条件が妥当であるか

 本特別委員会は、以下の理由から、本取引に至る手続は公正であると考えるとのことです。

 本特別委員会は、本取引の取引条件を検討するにあたり、公開買付者が株式交付比率を算定するために、公開買付者ら及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである東京フィナンシャル・アドバイザーズに依頼して作成した、本算定書を入手するとともに、本特別委員会による独自の検証を行うため、当社が当社及び公開買付者から独立した立場にあるTF公認会計士共同事務所に委託し、作成された株式交付比率算定に係る株式交付比率算定報告書を入手した。これらの算定結果の概要は以下のとおりである。

 

[公開買付者が入手した算定結果概要]

株式価値の算定結果

会社名

1株あたり株式価値

公開買付者

市場株価方式

83円~92円

当社

DCF方式

697~851円

類似会社批准方式

558~989円

 

当社普通株式1株に対する株式交付比率の算定結果

9株~12株

 

[当社が入手した算定結果概要]

(1)株式価値の算定結果

会社名

1株あたり株式価値

公開買付者

市場株価方式

84円~92円

当社

DCF方式

812円~993円

類似会社批准方式(EV/EBITDA)

478円~584円

類似会社批准方式(PER)

796円~973円

類似会社批准方式(PBR)

353円~431円

 

(2)株式交付比率の算定結果

公開買付者株式

算定方式

当社株式

算定方式

1

市場株価

8.83~11.82

DCF方式

5.19~6.97

類似会社批准方式(EV/EBITDA)

8.65~11.58

類似会社批准方式(PER)

3.83~5.13

類似会社批准方式(PBR)

 

(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)までを踏まえ、本取引が当社の一般株主(少数株主)にとって不利益になるものではないか

 上記(ⅰ)から(ⅲ)までを踏まえると、本取引は、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益になるものではないと思料されるとのことです。

 

(ⅴ)本取引に当社取締役会が賛同意見を表明し、当社株主に対して本取引への応募を推奨することを決議することの是非

 以上より、当社取締役会が本取引に賛同意見を表明し、本取引後も当社は東京証券取引所TOKYO PRO Marketへの上場を維持することから、当社の株式を所有し続けるか否かは、当社株主の判断に委ねることが望ましく、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するのではなく、本公開買付けへの応募を当社の株主のご判断に委ねる旨を決議することは、相当であるとのことです。

 

④ 当社における独立した法律事務所からの助言の取得

 当社は、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程等における透明性及び合理性を担保するため、2025年3月14日、当社、公開買付者ら及び応募合意株主から独立したリーガル・アドバイザーとして丸の内総合法律事務所を選任し、同法律事務所から、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点について、必要な法的助言を受けております。

 なお、丸の内総合法律事務所は、当社、公開買付者ら及び応募合意株主の関連当事者には該当せず、また、当社と法律顧問契約を締結しているものの、その報酬額は僅少であり、また、丸の内総合法律事務所全体の報酬に占める割合はわずかであり当該報酬によって同事務所の経営が左右されるものではないことから独立性に影響を及ぼすものではなく、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、丸の内総合法律事務所は類似案件の対応経験があることを特別委員会に説明し、リーガル・アドバイザーとして適格であることを確認しております。また、丸の内総合法律事務所の報酬は本取引の成否にかかわらず支払われる時間制の報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬制度は採用しておりません。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

 当社は、第三者算定機関であるTF公認会計士共同事務所の株式交付比率算定報告書の内容及びリーガル・アドバイザーである丸の内総合法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関する諸条件について慎重に審議及び検討を行いました。その結果、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年6月6日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役合計5名のうち、加藤祐蔵氏を除く取締役4名。)の全員の一致により、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かについては当社株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

 また、当社は、2025年6月6日開催の取締役会における上記の決議を修正する必要がないか確認するため、同月20日に開催された本特別委員会において、同日を基準としても、本答申書の内容に修正すべき点がないことを確認のうえ、同日開催された当社の取締役会において、同日を基準としても本答申書の内容に修正すべき点がないことを含め、同月6日以降の当社の業況や本取引を取り巻く環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に協議・検討を行った結果、同月20日時点においても、本取引を行うことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性が薄れることはなく、同月6日時点における本公開買付けに関する意見を変更すべき理由はないとの結論に至り、審議及び決議に参加した当社の取締役(取締役合計5名のうち、加藤祐蔵氏を除く取締役4名。)の全員の一致により、その旨を当社の取締役会にて決議いたしました。

 また、上記2025年6月6日及び同月20日開催の取締役会において、審議に参加した監査役3名の全員が上記決議について異議がない旨の意見を述べております。

 なお、当社取締役5名のうち、加藤祐蔵氏については、公開買付者の取締役を兼任していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切関与しておりません。

 

⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置

 当社は、公開買付者との間で、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法定の最短期間より比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することをもって本株式交付比率の適正性を担保することを企図しているとのことです。

 

(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

① 本応募契約(法人株主)

 公開買付者は、清水エイジェンシー及びモダンパスとの間で、2025年6月6日付で、それぞれ本応募契約(法人株主)を締結し、本応募契約締結法人が所有する当社株式の全て(所有株式数:清水エイジェンシー100,000株、モダンパス50,000株、所有割合:清水エイジェンシー4.54%、モダンパス2.27%)について本公開買付けに応募する旨の同意を得ているとのことです。なお、本応募契約(法人株主)を除いて本応募契約締結法人との間で本公開買付けに関する合意は締結されておらず、本公開買付けに応募する対価として交付される公開買付者の株式を除き、本応募契約締結法人に供与される利益はないとのことです。

 また、本応募契約(法人株主)においては、本応募契約締結法人は、公開買付期間の初日から20営業日以内に、本公開買付けに応募する義務を負っているとのことです。本応募契約(法人株主)においては、本応募契約締結法人による応募の前提条件として、①本公開買付けが適法に開始されており、かつ撤回されていないこと、②本応募契約(法人株主)に基づき本公開買付けの開始までに公開買付者が履行し又は遵守すべき義務について重要な点において履行及び遵守をしていること、③公開買付者について本応募契約(法人株主)に定める表明及び保証に重要な点において誤りがないこと、④本公開買付けの実施のために法令等に基づき必要な手続が完了していること、⑤司法・行政機関等に対して、本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の訴訟等又はその申立ても係属しておらず、かつ、本公開買付けを禁止又は制限する旨の法令等又は司法・行政機関等による判決等も存在しないこと、並びに⑥当社の取締役会が本公開買付けについて賛同する旨の意見表明の決議をしており、かかる決議を撤回又は変更していないことが定められているとのことです。但し、本応募契約締結法人は、その裁量により、これらの前提条件を放棄の上、本公開買付けに応募することは制限されていないとのことです。

 なお、本応募契約(法人株主)において、本応募契約締結法人は、本応募契約(法人株主)締結日時点で①本応募契約締結法人の設立及び存続、②本応募契約(法人株主)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在並びに手続の履践、③本応募契約(法人株主)の有効性及び強制執行可能性、④本応募契約(法人株主)の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑤本応募契約(法人株主)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関連性の不存在、⑧本応募契約締結法人が所有する当社株式は適法かつ有効に発行されており、本応募契約締結法人を唯一の所有者としていること、⑨本応募契約締結法人は株主名簿上及び実質上の株主であり、本応募契約締結法人が所有する当社株式は質権、譲渡担保権、代物弁済の予約等のいかなる担保権の制限に服していないことについて、表明及び保証を行っているとのことです。

 また、本応募契約(法人株主)においては、①相手方当事者(本応募契約締結法人にとっては公開買付者を、公開買付者にとっては本応募契約締結法人を指します。)が本応募契約(法人株主)の条項に違反し、催告後14日以内に当該違反状態を是正しない場合、②本公開買付けで企図される当社株式の買付けが法令に違反し、又は金融庁その他監督官庁から本公開買付けで企図される当社株式の買付けが法令に違反する旨の指導・回答・勧告その他の措置・処分があった場合、③公開買付者が法令等に基づき本公開買付けを撤回した場合、④当社が本公開買付けに関する法令に従った賛同意見表明を公表しなかった場合又はかかる賛同意見表明を撤回した場合が解除事由として規定されているとのことです。その他、本応募契約(法人株主)において、本応募契約締結法人及び公開買付者のそれぞれが遵守又は履行すべき義務として、補償義務、秘密保持義務及び権利義務の譲渡禁止が存在するとのことです。

 なお、本応募契約(法人株主)については、当事者及び応募株式数以外の内容は同一条件となっているとのことです。

 

② 本応募契約(個人株主)

 公開買付者は、吉田氏及び田邊氏との間で、2025年6月6日付で、それぞれ本応募契約(個人株主)を締結し、①吉田氏が所有する当社株式の一部(所有株式数287,000株のうち、応募株式数100,000株、所有割合:4.54%)、田邊氏が所有する当社株式の全て(所有株式数:50,000株、所有割合:2.27%)を本公開買付けに応募する旨の同意を得ているとのことです。なお、本応募契約(個人株主)を除いて吉田氏及び田邊氏との間で本公開買付けに関する合意は締結されておらず、本公開買付けに応募する対価として交付される公開買付者の株式を除き、吉田氏及び田邊氏に供与される利益はないとのことです。

 また、本応募契約(個人株主)においては、吉田氏及び田邊氏は、公開買付期間の初日から20営業日以内に、本公開買付けに応募する義務を負っているとのことです。吉田氏及び田邊氏との間の本応募契約(個人株主)においては、吉田氏及び田邊氏による応募の前提条件として、①本公開買付けが適法に開始されており、かつ撤回されていないこと、②本応募契約(個人株主)に基づき本公開買付けの開始までに公開買付者が履行し又は遵守すべき義務について重要な点において履行及び遵守をしていること、③公開買付者について本応募契約(個人株主)に定める表明及び保証に重要な点において誤りがないこと、④本公開買付けの実施のために法令等に基づき必要な手続が完了していること、⑤司法・行政機関等に対して、本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の訴訟等又はその申立ても係属しておらず、かつ、本公開買付けを禁止又は制限する旨の法令等又は司法・行政機関等による判決等も存在しないこと、並びに⑥当社の取締役会が本公開買付けについて賛同する旨の意見表明の決議をしており、かかる決議を撤回又は変更していないことが定められているとのことです。但し、吉田氏及び田邊氏は、その裁量により、これらの前提条件を放棄の上、本公開買付けに応募することは制限されていないとのことです。

 なお、本応募契約(個人株主)において、吉田氏及び田邊氏は、本応募契約(個人株主)締結日時点で①完全な権利能力、意思能力及び行為能力の保有、②本応募契約(個人株主)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在、③本応募契約(個人株主)の有効性及び強制執行可能性、④本応募契約(個人株主)の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑤本応募契約(個人株主)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関連性の不存在、⑧吉田氏及び田邊氏が所有する当社株式は適法かつ有効に発行されており、吉田氏及び田邊氏を唯一の所有者としていること、⑨吉田氏及び田邊氏は株主名簿上及び実質上の株主であり、吉田氏及び田邊氏が所有する当社株式は質権、譲渡担保権、代物弁済の予約等のいかなる担保権の制限に服していないことについて、表明及び保証を行っているとのことです。

 また、本応募契約(個人株主)においては、①相手方当事者(吉田氏及び田邊氏にとっては公開買付者を、公開買付者にとっては吉田氏及び田邊氏を指します。)が本応募契約(個人株主)の条項に違反し、催告後14日以内に当該違反状態を是正しない場合、②本公開買付けで企図される当社株式の買付けが法令に違反し、又は金融庁その他監督官庁から本公開買付けで企図される当社株式の買付けが法令に違反する旨の指導・回答・勧告その他の措置・処分があった場合、③公開買付者が法令等に基づき本公開買付けを撤回した場合、④当社が本公開買付けに関する法令に従った賛同意見表明を公表しなかった場合又はかかる賛同意見表明を撤回した場合が解除事由として規定されているとのことです。その他、本応募契約(個人株主)において、吉田氏及び田邊氏及び公開買付者のそれぞれが遵守又は履行すべき義務として、補償義務、秘密保持義務及び権利義務の譲渡禁止が存在するとのことです。

 なお、本応募契約(個人株主)については、当事者及び応募株式数以外の内容については同一条件となっているとのことです。

 

③ 本資本業務提携契約

 当社は、公開買付者との間で、2025年6月6日付で本資本業務提携契約を締結しております。本資本業務提携契約に基づく合意の概要等は以下のとおりです。

 

(ⅰ)目的

 本資本業務提携契約は、公開買付者が当社の株式を取得することにより公開買付者と当社が合意した協力体制の下、相互シナジーの構築を図るため、必要となる基本的事項を定めることを目的とする。

 

(ⅱ)本公開買付けに関する事項

① 公開買付者は、買付期間を2025年6月23日から2025年8月4日まで、株式交付の効力発生日を2025年8月20日、買付予定の株券の数の下限を532,300株として、公開買付者の株式を公開買付けの対価とする当社の株式の公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を行うものとする。

② 当社は、本契約の締結日において、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して応募するか否かについては、株主の判断に委ねる旨の取締役会決議(以下「本取締役会決議」という。)を行い、その内容(出席取締役全員の賛成によるものである旨を含む。)を公表し、本公開買付けが開始された後、本公開買付けの開始日において、法令等に従い、本取締役会決議に係る意見表明報告書を提出するものとする。

③ 公開買付者及び当社は、本公開買付け成立後も、当社の東京証券取引所TOKYO PRO Market市場への上場を維持させることにつき、相互に実務上合理的な協力をするものとする。

 

(ⅲ)業務提携に関する事項

① 公開買付者は、当社から設備投資のための資金支援の要請を受けた場合、当該要請を誠実に検討し、資金支援の実施に努める。

② 公開買付者は、公開買付者の有するコーポレートガバナンス・コードの全原則に関する分野の知見を踏まえ、当社に対し、コーポレートガバナンス・コードの全原則に関する助言や情報提供を行うものとする。

③ 公開買付者及び当社は、「個人情報の保護に関する法律」その他の適用法令にしたがって、双方の物品等の仕入及び販売に係るネットワークの情報共有を行うものとする。

 

(ⅳ)当社の役員構成等に関する事項

① 当社は、2027年1月の取締役の改選時までは、その取締役の員数を5名とし、そのうち4名の候補者を当社取締役会が、1名の候補者を公開買付者が、それぞれ指名することができるものとする。

② ①にかかわらず、公開買付者が書面により当社に要請した場合には、公開買付者と当社が協議のうえ、公開買付者は、追加で1名の取締役候補者を指名することができるものとし、当社は、当該取締役候補者1名の選任議案につき公開買付者の要請に従い、当社の臨時総会又は2026年1月の当社の定時株主総会に上程するとともに、かかる議案が原案どおり承認可決されるよう合理的な範囲で努力するものとする。

③ 公開買付者及び当社は、2027年1月の当社の取締役の改選に際しては、同改選前に公開買付者及び当社が指名した取締役の比率を原則として、公開買付者及び当社が指名する取締役候補者について協議して定め、以後の改選についても同様とする。

④ 公開買付者は、本資本業務提携契約に従って、相手方により指名された取締役候補者の選任議案が株主総会に上程された場合には、当該議案につき賛成の議決権行使を行うものとする。

⑤ 公開買付者又は当社が指名した取締役が任期中に退任する場合には、公開買付者と当社が協議のうえ、当該取締役を指名した当事者が後任の取締役候補者を指名することができるものとし、当社は当該候補者の選任議案を株主総会に上程するとともに、公開買付者及び当社は、かかる議案が原案どおり承認可決されるよう合理的な範囲で努力するものとする。

 

(ⅴ)雇用の維持に関する事項

① 公開買付者及び当社は、本公開買付け後も、当社の従業員の処遇及び雇用条件等(就業規則、賃金・賞与制度、通勤費制度、定年制度、報奨制度を含むがこれらに限られない。以下同じ。)については当社取締役会において判断・決定されるものとし、公開買付者は、正当な理由なく、当社の従業員の処遇及び雇用条件等の不利益変更、労働環境の著しい変更並びに人員削減を要請しないことを相互に確認する。

② 前項にかかわらず、当社は、取締役会において決定するところにより公開買付者の従業員の雇用条件等を考慮しつつ、公開買付者の財務状態、業績等を踏まえ、当社の従業員のモチベーションの維持及び向上の観点から、雇用条件等の変更を行うことができるものとする。

 

(ⅵ)事前協議事項

 当社は、以下の重要事項(但し、当社の取締役会決議を要するものに限る。)を行い又は決定しようとする場合には、事前に公開買付者との間で協議を行うものとする。

(a)合併、会社分割、株式交付、株式交換、株式移転、事業譲渡、事業譲受け、他社の株式の譲渡又は取得その他の組織再編行為・M&A取引

(b)公開買付者の競合先との間の資本提携又は業務提携

(c)公開買付者の当社株式の所有割合又は議決権割合に変動を生じさせる一切の行為

(d)新規事業の開始、事業の中止、縮小その他の事業の重大な変更

(e)法的倒産手続等の申立て

(f)株主総会決議を必要とする行為

(g)年次事業計画、年次予算、中長期の事業計画の決定又は変更

(h)3億円以上の金銭の借入れ又は社債の発行

(i)子会社の異動を生じさせる行為(株式譲渡・取得、新会社の設立を含む。)

(j)執行役員の選任又は解任

 

(ⅵ)当社のガバナンスに関する調査等に関する事項

① 当社において、以下の各号のいずれかに該当する事象が発生した場合には、公開買付者は、合理的な期間を定めて調査を行うことができるものとし、当該調査の結果を踏まえ、甲及び乙が誠実に協議を行ったうえで、なお、公開買付者が本資本業務提携契約の継続が適切でないと判断した場合には、書面により通知することにより本資本業務提携契約を解除することができる。

(a)当社が前会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益の10%を超える額の特別損失を計上した場合

(b)当社において、著しい内部統制上の問題、またはその他ガバナンスに重大な疑義を生じさせると客観的合理的に認められる事象が発生した場合

(c)その他、公開買付者が合理的に判断して、当社のガバナンスに重大な問題が生じたと認めるに足る客観的合理的理由がある場合

② ①の調査期間中、公開買付者は当社に対して必要な情報提供を求めることができ、当社はこれに誠実に協力するものとする。

③ 公開買付者は、解除にあたり当社に対して損害賠償責任を負わないものとする。

 

(ⅶ)その他

 上記以外に、本資本業務提携契約において、守秘義務、解除、有効期間、その他の一般条項について合意をしております。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

氏名

役名

職名

所有株式数(数)

議決権数(個)

佐川 達也

代表取締役社長

 

110,000

1,100

三浦 隆夫

取締役副社長

 

100,000

1,000

都留 顕二

常務取締役

企画・管理本部長

100,000

1,000

加藤 祐蔵

取締役

 

上出 勝

取締役

 

中山 雅人

常勤監査役

 

谷  光

監査役

 

高畠 達也

監査役

 

 

 

310,000

3,100

 (注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は、本報告書提出日現在のものであります。

 (注2) 加藤祐蔵氏及び上出勝氏は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含み、以下同じとします。)第2条第15号に定める社外取締役であります。

 (注3) 中山雅人氏、谷光氏及び高畠達也氏は、会社法第2条第16号に定める社外監査役であります。

 

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。