第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、アフターコロナにおいて景気が緩やかに回復しているものの、円安の進行やウクライナ・イスラエル情勢などの地政学リスクの高まり等による原油価格や原材料価格の高騰、インフレに対する金融引き締め等による景気の下振れリスクもあり、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社のソリューション事業においては、派遣業務、IT請負業務の受注が増加しました。さらに、コンサルティング事業、AR/VR事業においても売上高が増加しました。一方で、IT請負の受注増加に対して製造請負の受注が減少し、利益率の高い請負業務の売上高が減少したこと等により、売上総利益率が低下しました。また、エンジニアの積極採用や営業強化等による人件費の増加、移転した東京オフィスのコストを中心に販売費及び一般管理費が増加しました。営業外損益では、AR/VR専門家育成プログラムを用いた研修に対する人材開発支援助成金の受給等により助成金収入が増加しました。

 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高3,054百万円(対前年同期比11.0%増)、営業利益206百万円(対前年同期比10.1%減)、経常利益228百万円(対前年同期比3.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益154百万円(対前年同期比1.6%減)となりました。

 

  セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

① ソリューション事業

 派遣業務は、主要取引先である国内製造業及びIT関連企業におきまして、慢性的な技術者不足の状況は変わらず、技術者需要が堅調に推移しました。このような状況の中、継続的にエンジニアの教育等による高付加価値化に取り組み、派遣単価が上昇しました。さらに、継続的なIT分野の強化に取り組み、IT分野の売上高及び売上構成比がともに増加しました。エンジニア数につきましては、採用を強化したこと等により在籍エンジニア数が増加し、稼働人数が増加しました。

 請負業務は、IT請負においてリーダー人材の育成に注力し、プロジェクト単位及びチームでの受注体制を強化した結果、新規取引及び既存取引の受注が堅調に推移しました。一方で、製造請負において半導体関連顧客で発生した部品供給不足等により取引が減少しました。下期より回復を見込んでいるものの、当第1四半期連結累計期間の売上高は減少しました。

 利益面においては、IT請負の受注増加に対して製造請負の受注減少により、利益率の高い請負業務の売上高が減少したことに加え、エンジニアの積極採用や営業強化等による人件費の増加、2023年8月に移転した東京オフィスの賃借料及び減価償却費の増加を中心に販売費及び一般管理費が増加しました。

 これらの結果、ソリューション事業の売上高は2,736百万円(対前年同期比9.0%増)、セグメント利益は196百万円(対前年同期比15.6%減)となり、2023年12月末時点の在籍エンジニア数は1,706人となりました。

 

 

② コンサルティング事業

 ITコンサルティングサービス市場は、SAPをはじめとした既存の大規模基幹システムにおいてIT基盤の統合・再構築に関連する需要が高まっており、当社が携わるクラウド系基幹システムであるSAP S/4 HANA及びSAP以外のERPの導入案件が増加傾向となりました。このような市場のニーズに対応するため、自社ITコンサルタントに加えて協力会社の外注要員を活用し、各モジュール別チームの体制を整えました。さらに、需要が高い首都圏においては、より上位工程であるコンサルティング領域の案件へリソースを集中し、売上拡大に努めてまいりました。一方で、導入案件における外注費の増加や、新入社員を中心に自社ITコンサルタントの育成に注力したこと等により、利益率が減少しました。その結果、ITコンサルティングは前年同期比で増収減益となりました。

 これらの結果、コンサルティング事業の売上高は218百万円(対前年同期比20.2%増)、セグメント利益は18百万円(対前年同期比28.0%減)となりました。

 

③ AR/VR事業

 AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)、メタバース、AI(人工知能)等の最先端IT市場におきましては、多種多様な商品及びサービスが需給ともに増加しており、その成長性が期待されております。このような状況の中、当社は大型展示会への出展やニュースリリース、ダイレクトメール配信等の発信型の営業活動を組み合わせて行い、アフターコロナにおいても、特にAR、VR、MRにニーズを持つ企業様からの引き合いが増加しております。

 当第1四半期連結累計期間においては、産業向けのAR/VRアプリ開発、AIを活用した業務自動化システムの開発、メタバース空間の開発、教育機関向けの360°VRツアー等の受注を獲得しました。また、子会社である株式会社クロスリアリティが提供するAR/VR専門家育成プログラムにおいては、厚生労働省の専門実践教育訓練給付金や人材開発支援助成金を活用した受講が可能となっており、本プログラムの利用により当社のエンジニア教育に貢献したことに加え、外部受講生の獲得も推進しました。

 これらの結果、AR/VR事業の売上高は82百万円(対前年同期比106.2%増)、セグメント損失は百万円(前年同期は26百万円の損失)となりました。

 

④ その他

 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく特例子会社である株式会社ストーンフリーの売上高は、就労移行支援事業の利用者が減少したこと等により、前年同期比で減少しました。また、再生医療導入支援事業を行うプライムロード株式会社は、再生医療コンサルティングサービスの受注が減少しました。

 これらの結果、売上高は17百万円(対前年同期比12.3%減)、セグメント損失は百万円(前年同期は百万円の損失)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

① 資産の状況

 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は4,768百万円となり、前連結会計年度末より240百万円の減少となりました。流動資産合計は4,062百万円となり、前連結会計年度末より171百万円の減少となりました。これは主に現金及び預金が177百万円減少したことによるものであります。固定資産合計は705百万円となり、前連結会計年度末より69百万円の減少となりました。これは主に繰延税金資産を含む投資その他の資産が76百万円減少したことによるものであります。

 

② 負債の状況

 当第1四半期連結会計期間末における負債合計は1,527百万円となり、前連結会計年度末より169百万円の減少となりました。流動負債合計は1,496百万円となり、前連結会計年度末より169百万円の減少となりました。これは主に未払金が97百万円増加、未払消費税等を含むその他流動負債が117百万円増加した一方で、賞与引当金が357百万円減少したことによるものであります。固定負債合計は前連結会計年度末とほぼ同額の30百万円となりました。

 

③ 純資産の状況

 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は3,240百万円となり、前連結会計年度末より70百万円の減少となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上の一方、配当の実施により、利益剰余金が68百万円減少したことによるものであります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。