第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「人と企業の笑顔が見たい」という経営理念のもと、当社事業モデル「社会人学校」を通じて、エンジニアと企業様に最大の貢献とサービスとお役立ちを提供することを使命とし、ステークホルダーの皆様に信頼され、より一層のサービス拡充、企業価値の向上、永続的発展、及び社会に貢献できる企業となるように努めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、成長性と収益性を評価する指標として、売上高成長率、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)、当社の中核事業であるソリューション事業の成長性を評価する指標として、派遣単価増加率、在籍エンジニア数の増減を重視しております。

 

(3) 市場環境

 当社グループの中核事業であるソリューション事業において、国内市場は、DX推進の動きが継続し、引き続き拡大傾向にあると予想されます。主要取引先であるIT関連企業及び国内製造業においては、デジタル化による業務自動化が進む中、最先端IT技術に精通した専門人材の需要はさらに高まっていくと考えております。

 

(4) 会社の経営戦略

 上記のような環境の中で、当社グループのソリューション事業におきましては、中長期における安定成長基盤を確立するため、及び需要増加が見込まれる最先端技術分野での成長を図るためにも、エンジニア採用数の維持・拡大、処遇改善や健康経営施策の推進など働きやすい環境の整備を通じて退職防止に取り組み、人材確保に努めます。

 AR/VR及びAI開発、M&A、戦略的業務提携、新規事業展開などを成長ドライバーとして、競争力のある利益水準を目指してまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① ソリューション事業の積極的拡大

 ソリューション事業におきましては、引き続き、継続的なエンジニア教育による高付加価値化を推進し、派遣単価の上昇を図ります。また、プロジェクト請負、チーム化を活用することで、OJT環境の整備によるエンジニア育成と収益力の向上を目指します。人材戦略としては、引き続き新卒採用を重視しつつ、リーダー人材育成と経験者採用による即戦力人材のバランスを追求いたします。さらに、当社の事業成長と従業員の多様な働き方を両立させる福岡拠点開設や、業務効率化を推進する生成AIへの投資拡大、上流案件に携わるビジネスパートナーの活用を通じた、当社エンジニアのスキルアップにより、事業の成長を目指してまいります。

 

② コンサルティング事業の組織強化

 コンサルティング事業におきましては、顧客企業のDX需要に対応した持続的成長のため、プロフェッショナル人材の確保・育成体制を強化いたします。自社コンサルタントの育成、若手社員のOJT環境の整備に加え、相互発展をより意識したパートナー企業との連携強化を図り、チーム体制での課題解決力強化と育成環境の整備を推進いたします。

 

③ AR/VR事業の持続的な成長、新規事業創出への積極的取り組み

 ソリューション事業に大きく依存する現状において、経営の拡大及び安定化のために、第二第三の柱となる新たな収益基盤の確保が必要であるとも考えており、成長戦略として積極的に事業創出にも取り組んでまいります。

 AR/VR事業におきましては、引き続き、最先端AI技術を研究するSUSLabの知見を活用し、今後のニーズ顕在化を見据えたAR/VR、AI領域の実働人材の確保に注力いたします。また、顧客の課題を具体的なソリューションに落とし込むプランナー体制の構築を進め、営業担当の企画提案力を強化するとともに、産業ユースケースに特化した展示会戦略への転換により、持続的な事業成長を目指してまいります。株式会社クロスリアリティが提供する教育事業においては、最先端技術を取り込んだカリキュラムの更新を進めるとともに、利便性向上を意図したeラーニング化を、順次進めてまいります。

 また、再生医療導入支援事業を行うプライムロード株式会社が細胞培養加工施設の開設を計画しており、細胞培養加工受託事業への参入に向けた準備を進めております。

 新規事業の立ち上げや資本・業務提携などを積極的に推進して当社グループの企業価値向上を図る他、当社社員のキャリアパスの場としても活用してまいります。

 

④ 経営システムの継続的構築

 さらなる成長を支える盤石な組織の構築と働きやすい職場作りに向けて、引き続き組織改編、処遇改善等の諸制度の導入、生成AIの活用を含めたITインフラの整備等を行ってまいります。これらにより、洗練された経営管理システムと意思決定メカニズムを構築し、経営の透明性と健全性を確保するとともに、組織力及び経営力、効率性の向上、労働環境及び処遇の改善に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティの基本的な考え方

当社グループは、地球環境への影響や、地域・国際社会との繋がり、そしてステークホルダーである人々の安心と健康に配慮した活動を行うことが事業活動の継続と企業の成長を図るうえで重要であると考えております。

そのため当社グループでは、人的資本を重要な資源と位置付け、事業活動の継続と企業の成長において不可欠な要素として認識しており、社員の心身の健康づくりを重視した環境整備や、最先端技術を含む教育体制の拡充による学びの機会の創出等、サステナビリティに関する取組の強化に努めることで、優秀な人材の育成、獲得、維持を通じて企業価値向上に努めてまいります。

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組については、当社ウェブサイトもご参照ください。

なお、ウェブサイトの情報は、今後更新される可能性がございます。

(URL https://www.sus-g.co.jp/about/sustainability/)

 

(2)ガバナンス

取締役会を経営の基本方針、重要課題並びに重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、サステナビリティの観点を含めた戦略決定、経営上の重要事項を審議、意思決定するとともに、グループ各社の事業執行状況の報告を受け、監督を行っております。また、取締役会に加えて、監査役会及びリスクマネジメント委員会を設置しており、これら各機関の相互連携によって、経営の健全性・効率性・透明性の確保に努めております。コーポレート・ガバナンスの状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(3)戦略

(人材の育成及び社内環境整備に関する方針)

当社では「人と企業の笑顔が見たい」という経営理念のもと、社員とその家族の心身の健康を重要な経営資源の一つとしてとらえ、健康で快適な職場環境の形成を目的として、健康保持・増進や社員のQOL(生活の質)向上に積極的に取り組み、健康づくりを推進することで「優秀な人材の獲得、人材の定着率の向上」を通じて「業績向上・企業価値の向上」へつなげていきたいと考えております。

そのために、当社は2022年に「健康経営宣言」を制定し、代表取締役社長が自ら健康経営の責任者となり、経営的な視点から全体の健康経営を推進しております。健康経営の取り組みとして、健康診断結果やストレスチェック結果に基づいた産業医面談や健康意識向上のためのセミナーの実施、その他運動を促進するためのアプリやイベントの案内等を通して、社員の心身の健康増進を行っております。今後も、介護と仕事の両立サービス(従業員の多様なライフステージにおける支援)等を新たに提供することを通じて、従業員が心身ともに健全で長期的に活躍できる環境づくりを行い、持続的な企業価値向上につなげてまいります。

こうした取組の評価として、当社は昨年に引き続き「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されており、今後も積極的に健康経営を推進し、引き続きトップクラスの健康経営優良法人を目指してまいります。

健康経営に関する詳細な情報につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。なお、ウェブサイトの情報は、今後更新される可能性がございます。(URL https://www.sus-g.co.jp/about/sustainability/)

人材の多様性の確保の面では、とくに女性社員がより活躍していただける環境を整備し、キャリアアップを目指しやすい仕組づくりを行っております。具体的には、女性社員の健康管理支援(子宮頸がん検診、乳がん検診等)、育児休業制度の周知徹底、育児休業後の職場復帰及び育児支援の強化、フレックスタイム制度の導入、テレワークの導入等により柔軟な働き方を可能とすることで、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすい社内環境を構築しております。

また、社内環境整備についての取組として、従業員エンゲージメントおよびワークモチベーション向上のため、当社グループ全社員参加対象の社員間交流イベントの実施、顕著な功績を上げた社員・部署や永年勤続社員の表彰制度の設置等を行っております。

今後も、各種福利厚生制度の拡充等、常に心身ともに健やかに日々を過ごし、少しでもスキルアップや知見を広げる意欲が高まるよう検討、制度化を推進してまいります。

人材育成においては、当社の競争力の源泉は「人材」であり、人材の「材」は「財」であるという認識のもと、エンジニアの技術スキルアップ、キャリア形成のため、障がい者の就労支援も含め一人ひとりに適した教育プランを提供し、プランに基づいた教育を実施しております。そのために社内研修や勉強会に加え、社外の研修機関と連携し各技術分野の専門技術はもちろんのこと、複合技術や応用技術、最新技術等、幅広い技術領域でサポートを実施しております。

とくに当社の強みであるIT分野への人材の強化及び知見の深耕のために、常に新たな知識の習得、情報の発信に努めており、近年、急速に発展しているAR/VR、AIなどの最先端技術領域の開発に、当社はいち早く着手し、事業化推進に取り組むことで得られる最新トレンドを教育プログラムに反映し、AR/VR事業の拡大に向けたVRエンジニア育成及びAI人材育成を行うことで、早期のエンジニア育成を実施しております。

また、当社では「人」と「技術」をキーワードに一人ひとりのエンジニアが持つポテンシャルやスキル、知識、経験値、そしてそれぞれが目指す「未来」を把握し、全社で可視化・共有していくことを重視しております。そのために「社会人学校」という事業モデルを制定し、エンジニア一人ひとりに対して、キャリアパスプランの設定を行い、キャリアパスの実現に向け、テクニカルスキルだけではなく、ヒューマンスキルの育成においても力を注いでおります。

このような一人ひとりに合わせた教育体制を整備することで、質の高い教育を提供し、市場価値ある人材を育成することを追求してまいります

 

(4)リスク管理

当社では、事業環境の変化に伴い複雑化・多様化するリスクに適切かつ迅速に対応するため「リスクマネジメント規程」を定め、事業上のリスク管理の体制及び基本的事項を明確にするとともに、実効性のあるリスク管理及びコンプライアンスの徹底を図るため、代表取締役社長を委員長としたリスクマネジメント委員会を設置しております。リスクマネジメント委員会がサステナビリティ関連のリスク及び機会の観点を含めたリスク管理活動の主体となることで、事業運営から生じる損失の危険を平時より網羅的・体系的に収集し、その動向をモニタリングすることで可能な限り未然の防止を図り、リスクが現実のものとして顕在化した場合には迅速な対応により影響を最小化する体制を構築しております。また、リスクマネジメント委員会での議論の内容については定期的に取締役会に報告することで、取締役会が当社の状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整備しております。

なお、当社の認識するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

(5)指標及び目標

当社では、上記「(3)戦略」において記載した人材の育成及び社内環境整備に関する方針のとおり、サステナビリティ戦略において人的資本を重要視しております。社員がその能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り、結果的に社員と会社がともに成長し続けることができる雇用環境を実現するため、女性活躍推進及び次世代育成支援のための行動計画(計画期間:2022年7月1日~2025年6月30日)で以下の当社目標を設定して取り組んでまいりました。いずれも未達成となりましたが、今後は、活躍女性の表彰・紹介、女性が相談できる場としてメンター制度の運用、女性社員の交流会を開催して次期役職者を抜擢・育成する等の取組を進めることで環境整備を一層推進し、目標達成に努めてまいります。

指標

目標

実績(当事業年度)

エンジニアに占める女性社員の割合

2025年6月まで15%以上

13.2%

内勤社員に占める女性役職者(主任以上)の割合

2025年6月まで15%以上

11.5%

 

新たな計画期間:2025年7月1日~2027年9月30日では、以下の当社目標を設定し、取り組んでまいります。

指標

目標

エンジニアに占める女性社員の割合

2027年9月まで15%以上

内勤社員に占める女性役職者(主任以上)の割合

2027年9月まで15%以上

男性の育児休業取得率(計画期間における平均)

2027年9月まで30%以上

フルタイム労働者の法定時間外・法定休日労働時間の各月平均時間

2027年9月まで30時間未満

 

なお、当社においては関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組が行われているものの、当社グループに属するすべての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため上記の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開においてリスク要因となる可能性があり、経営成績、財政状態及び投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

当社グループは、下記リスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めておりますが、当社株式に関する投資判断は、本項目及び本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要性があります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、発生可能性については不確実性が伴います。なお、以下の記載は事業活動上、または投資判断上の全てのリスク要因を網羅したものではありませんので、この点にご留意下さい。

 

(1) 人材の確保について

当社グループの事業は、意欲と技術的専門性を有したエンジニアにより支えられており、優秀な人材の確保と育成、また定着率が最も重要な命題となります。当社グループでは、企業ブランディング施策の強化及び採用チャネルを多様化かつ最適化することで、採用経費の効率化と人材の質の向上等を目指しながら、即戦力となるエンジニアの確保に努めております。しかしながら、人材の確保については、少子高齢化による労働人口の減少、理系離れ等による専門教育を受けた新卒者の減少などにより人材獲得競争が激化する場合においては、その進捗に影響を及ぼす懸念があります。採用において計画どおり必要とする人材を確保できない場合や離職によりエンジニアが大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) エンジニア派遣業界を取り巻く環境について

当社グループの属するエンジニア派遣業界は、派遣先となるIT関連企業や大手製造業の業績動向に大きく影響を受けます。当社グループでは、エンジニアに対して、顧客企業のニーズに適応するため及び付加価値向上のための教育研修を実施し、それに加えて新たな顧客企業の開拓等を通じて、常に就業先が確保できるよう努めております。しかしながら、長期にわたる景気低迷や経済環境の変化等により、取引先企業業績の悪化に伴う設備投資の抑制や研究開発の削減が長期に続いた場合、大規模な自然災害や事故等で事業活動の停止もしくは事業継続に支障をきたす事態が発生した場合、また取引先企業の開発拠点につき海外移転等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 同業他社との競合について

当社グループの属するエンジニア派遣業界は、市場に多数の事業者が存在しますが、将来、社会情勢の変化などにより労働者派遣法及び関係諸法令の変化に伴って業界再編が予測されます。当社グループでは、市場における競争力及び専門性を高めるため、エンジニアの付加価値向上を目指して教育研修に努めております。しかしながら、このような環境下において、景気後退、同業他社間における価格競争の結果として取引単価が低迷した場合、また多くのエンジニアの待機状況が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制について

当社グループの主要事業であるエンジニア派遣は、労働者派遣法に基づいて事業を営んでおり、労働者派遣法及び関係諸法令による法的規制を受けております。当社グループでは、コンプライアンスを徹底し、リスクマネジメント委員会、内部監査室により関係諸法令の遵守状況の把握・監視等に努め、必要に応じて対策指示を関係部門に実施しております。しかしながら、労働者派遣法に定める派遣事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反する事由が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来これらの法令ならびに関連諸法令が社会情勢の変化などに伴って、改正や解釈の変更等があり、それらが当社グループの事業運営に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

会社名

許認可の名称

監督官庁

許可番号

取得年月日

有効期限

株式会社

エスユーエス

労働者派遣事業

厚生労働省

派26-020056

2002年3月1日

2030年2月28日

有料職業紹介事業

厚生労働省

26-ユ-020044

2002年3月1日

2030年2月28日

 

なお、上記の許可について、事業停止、許可取り消しとなる事由は労働者派遣法第14条及び職業安定法第32条の9に定められております。当連結会計年度末現在において、当社グループにはこれら事業停止、許可取り消しの事由に該当する事実はありませんが、該当した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 労務管理について

当社グループの主要事業であるエンジニア派遣は、労務管理が最も重要な命題となります。そのため当社グループはコンプライアンス遵守に基づき、衛生委員会及びリスクマネジメント委員会による労働状況のモニタリングを行い、必要に応じて対策指示を関係部門に実施しております。また、社内規程・マニュアル等の整備・運用及び管理の徹底を図っております。しかしながら、これらの管理不備による法令違反、従業員の不祥事等による損害賠償請求、従業員との紛争、信用の失墜、不正や違反等による行政処分等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報管理について

当社グループの事業、特にソリューション事業においては、顧客企業の製品開発やシステム開発業務に従事しており、多くの個人情報・機密情報を扱っております。当社はプライバシーマークの取得により、個人情報保護マネジメントシステムの構築を行っております。併せて、規程の整備と共に全従業員に対して入社時及び定期的に個人情報・機密情報の取扱いに関する啓発・教育研修・周知徹底を行い、また内部監査を実施することにより情報管理の強化を行っております。しかしながら、取引先内(顧客企業内)にて勤務するエンジニアが知り得た顧客情報や個人情報が故意又は過失により外部へ流出し、当社グループの管理責任問題、法律的リスク(訴訟等)、風評被害等が生じた場合、当社グループの社会的信用等の失墜や多額の賠償金支払い等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 新規事業立ち上げや資本・業務提携について

当社グループは、主力事業であるソリューション事業、コンサルティング事業に加え、新たな収益基盤の確保のため、またエンジニアのキャリアパスの場として、今後も新規事業の立ち上げや資本・業務提携を計画しております。当社グループでは、設備投資や出資等の資金が伴う案件の場合、投資判断基準に沿って会議体での十分な審議、決議という手続きを経て実行可否判断を行い、加えて事業計画に対しての予実管理、定期報告などを行っております。しかしながら、計画どおりに進捗せず、当初期待した収益が得られない場合や事業採算性等を勘案し、当該新規事業や提携からの撤退、あるいは規模縮小等の経営判断をする場合があります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 技術革新について

当社グループが強みを有するIT分野は、昨今、技術革新や顧客ニーズの変化が速い技術領域となっております。このような環境に対応するため、当社グループでは、常にAIを含む最新の技術動向や市場動向を分析し、継続的にキャッチアップを行い事業に活用することで、これらの変化に柔軟に対応できるよう努めております。しかしながら、当社グループが予期しない技術革新や顧客ニーズの急激な変化に対応できない場合、競争力が著しく低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費に持ち直しの傾向が見られることや、堅調な企業収益等を背景に設備投資が持ち直していることにより、緩やかに回復しています。しかし、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクや、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響、金融資本市場の変動等、先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社グループは全てのセグメントで黒字を確保いたしました。ソリューション事業においては、エンジニア派遣、製造請負、IT請負その他を含めて、全ての業務で受注が増加し、増収増益となりました。コンサルティング事業においては、収益基盤の再構築による利益率の改善に向けた取り組みにより減収増益となりました。一方で、AR/VR事業においては、AI領域では受注が堅調に推移したものの、AR/VR領域では案件単価が低い実現性検証フェーズの案件が中心となった影響等により、減収減益となりました。販売費及び一般管理費においては、エンジニアの採用関連費用や、人件費等が増加いたしましたが、ソリューション事業及びコンサルティング事業で売上総利益率が改善したことにより、グループ全体の営業利益は大きく増加いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高15,015百万円(対前年同期比13.6%増)、営業利益1,212百万円(対前年同期比46.3%増)、経常利益1,258百万円(対前年同期比46.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益915百万円(対前年同期比52.0%増)となりました。

 当社グループが成長性と収益性の評価として重視している経営指標は、売上高成長率は13.6%の増加、売上高営業利益率は8.1%、自己資本利益率(ROE)は23.5%となりました。当社の中核事業であるソリューション事業の成長性の評価として重視している経営指標は、派遣単価増加率は3.8%、在籍エンジニア数は2025年9月末時点で2,155人となり、前連結会計年度末に比べ188人増加いたしました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(ソリューション事業)

 派遣業務は、主要取引先であるIT関連企業及び国内製造業におきまして、慢性的なエンジニア不足の状況は変わらず、エンジニア需要が堅調に推移いたしました。このような状況の中、継続的にエンジニア教育等による高付加価値化に取り組みました。また、前年に迫る281名の新卒エンジニアを迎え入れ、経験者採用を強化したこと等により在籍エンジニア数が増加し、さらに稼働の早期化による稼働人数の増加によって、当連結会計年度の稼働率も前年同期比で0.9ポイント向上いたしました。これらの取り組みにより、売上高が増加いたしました。

 請負業務では、IT請負が大きく売上高を伸ばし、10億円を突破いたしました。リーダー人材の育成に注力し、プロジェクト単位及びチームでの受注体制を強化したこと等が奏功いたしました。製造請負においては、顧客需要が回復基調にあること等を追い風に堅調に推移いたしました。

 エンジニアの積極採用による採用広告費や人件費等の増加により、販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、売上高の伸長により吸収し、セグメント利益は増加いたしました。

 これらの結果、ソリューション事業の売上高は13,652百万円(対前年同期比16.7%増)、セグメント利益は1,070百万円(対前年同期比55.1%増)となり、当連結会計年度の稼働率は94.2%となりました。

 

(コンサルティング事業)

 ITコンサルティングサービス市場は、SAPをはじめとした既存の大規模基幹システムにおいてIT基盤の統合・再構築に関連する需要が高まっております。SAPの導入においては、業務手順をシステム標準機能に合わせる Fit To Standard の思想が取り入れられる案件が増えており、求められるサービスの形が変化し、そこに新しい商機が生まれております。 

 このような状況の中、市場ニーズの変化への対応、また収益基盤の再構築による利益率の改善に向けた取り組みとして、自社ITコンサルタントの採用、育成環境の整備を推進したことにより、前年同期比では減収となった一方、利益率の上昇により増益となりました。

 これらの結果、コンサルティング事業の売上高は856百万円(対前年同期比15.2%減)、セグメント利益は121百万円(対前年同期比17.4%増)となりました。

 

(AR/VR事業)

 AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)、AI(人工知能)、メタバースといった最先端IT領域において、人手不足を背景としたDX推進が需要喚起を後押しいたしました。このような状況の中、当社は引き続き産業向けのAR/VRシミュレーターやメタバース、AIを活用した業務効率化システムの開発等を受注いたしました。大手メーカーをはじめとする既存の派遣先からは、大型案件を継続的に獲得しております。さらに、複数の顧客から類似したニーズを得ることが増えており、今後は既存顧客からの継続的な受注に加え、これらの共通課題を解決するサービスやパッケージの開発も検討してまいります。

 当社のAR/VR事業は、最先端技術分野における当社グループのブランディングを担う重要な役割を果たしております。この最先端分野への取り組み姿勢は、エンジニアの採用に好影響を与えており、他セグメントへの人員供給を支えております。さらに、最先端技術分野での実績は、他セグメントの営業活動にも良い影響を与えており、新たな受注機会の創出に貢献しております。この他にも、子会社である株式会社クロスリアリティを通じたリスキリング支援や、新卒エンジニア向けの生成AI研修などを積極的に展開し、最先端技術分野でのキャリア形成支援を推進しております。

 当連結会計年度は、AR/VR領域では本格導入を見据えた実現性検証フェーズの案件が中心となった結果、一時的に案件単価が低下し、減収となりました。実現性検証フェーズの案件は、高単価な継続案件へ、将来的に発展させることを見込んでおります。一方、AI領域は堅調に推移し、増収となりました。AI技術が市場に浸透し始めたことにより、経営戦略や企業ミッションとの連動を重視する企業や、現場より抽出された具体的課題の解決を志向する企業が増加しており、顧客動向に明確な変化が見られました。当社はこの変化を的確に捉え、顧客との継続的な取引を通じて培ってきた信頼関係により案件を獲得し、量と質が整った当社のエンジニア体制によって課題を解決できる流れを整えつつあります。

 これらの結果、AR/VR事業の売上高は408百万円(対前年同期比5.6%減)、セグメント利益は13百万円(対前年同期比75.3%減)となりました。セグメント全体では減収減益となりましたが、2期連続の黒字を確保いたしました。

 

(その他)

 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく特例子会社である株式会社ストーンフリーの売上高は、就労移行支援事業及び就労定着支援事業の利用者の増加により、前年同期比で増加いたしました。また、再生医療導入支援事業を行うプライムロード株式会社は、再生医療コンサルティングサービスの受注が堅調に推移いたしました。

 これらの結果、売上高は97百万円(対前年同期比30.1%増)、セグメント利益は百万円(前年同期は18百万円の損失)となりました。

 

 なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意し、市場のニーズにあったサービス展開を行い、さらなる成長を支える盤石な組織の構築と働きやすい職場作りに向けて、経営システムの継続的構築に努めることにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

 生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。

① 生産実績

該当事項はありません。

 

② 受注実績

当社グループは、提供するサービスの大部分がエンジニア派遣であるため、受注実績については記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

ソリューション事業

13,652

+16.7

コンサルティング事業

856

△15.2

AR/VR事業

408

△5.6

その他

97

+30.1

合計

15,015

+13.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

 

(2)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は6,715百万円となり、前連結会計年度末より1,064百万円の増加となりました。流動資産合計は5,570百万円となり、前連結会計年度末より789百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が595百万円、売掛金が182百万円増加したことによるものであります。固定資産合計は1,145百万円となり、前連結会計年度末より275百万円の増加となりました。これは子会社であるプライムロード株式会社の細胞培養加工施設開設に伴う建設仮勘定や、資本業務提携による投資有価証券の計上等により、有形固定資産が96百万円、投資その他の資産が184百万円、それぞれ増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は2,397百万円となり、前連結会計年度末より333百万円の増加となりました。流動負債合計は2,321百万円となり、前連結会計年度末より286百万円の増加となりました。これは主に賞与引当金が107百万円、未払法人税等が61百万円、未払消費税等が37百万円増加したことによるものであります。固定負債合計は76百万円となり、前連結会計年度末より46百万円の増加となりました。これは子会社であるプライムロード株式会社の細胞培養加工施設開設に伴う資産除去債務が37百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は4,317百万円となり、前連結会計年度末より731百万円の増加となりました。これは主に剰余金の配当により264百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益915百万円を計上したことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ595百万円増加し、3,407百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,062百万円の増加(前連結会計年度は745百万円の増加)となりました。資金の増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益1,258百万円の計上によるものであります。資金の減少の主な要因は、法人税等の支払額317百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、293百万円の減少(前連結会計年度は224百万円の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出130百万円、保険積立金の積立による支出100百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、173百万円の減少(前連結会計年度は323百万円の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、配当金の支払額264百万円によるものであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは、派遣エンジニアに対する人件費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは、IT基盤整備や事業創出への取り組みに伴う設備投資、資本業務提携に伴う株式投資等であります。

 運転資金及び投資資金においては、主に自己資金により賄っておりますが、状況に応じて、金融機関からの借入により資金調達することとしております。

 当連結会計年度末における有利子負債の残高は10百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,407百万円となっております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表  注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。