当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に景気が緩やかに回復し、一部に足踏みが残るものの個人消費も持ち直しの傾向が見られます。しかし、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や通商政策など米国の政策動向による影響、また金融資本市場の変動等、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社のソリューション事業においては、エンジニア派遣、製造請負、IT請負その他を含めて、全ての業務で受注が増加しました。さらに、コンサルティング事業においても、ITコンサルティングサービスでERP導入案件が増加したこと等により売上高が増加しました。一方で、AR/VR事業においては、AI領域では受注が安定的に推移したものの、AR/VR領域では本格導入を見据えた実現性検証フェーズの案件が中心となり、一時的に案件単価が低下した影響等により、売上高は減少しました。販売費及び一般管理費においては、エンジニアの採用関連費用、福利厚生費を含む人件費等が増加しましたが、ソリューション事業及びコンサルティング事業で売上総利益率が改善したことにより、グループ全体の営業利益は大きく増加しました。営業外損益では、引き続きAR/VR専門家育成プログラムを用いた研修に対する人材開発支援助成金等の助成金収入が増加しました。
これらの結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高7,457百万円(対前年同期比20.1%増)、営業利益817百万円(対前年同期比80.9%増)、経常利益856百万円(対前年同期比78.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益581百万円(対前年同期比63.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① ソリューション事業
派遣業務は、主要取引先である国内製造業及びIT関連企業におきまして、慢性的なエンジニア不足の状況は変わらず、エンジニア需要が堅調に推移しました。このような状況の中、継続的にエンジニアの教育等による高付加価値化に取り組み、派遣単価が前年同期比で3.6%上昇しました。さらに、新卒採用に加えて経験者採用を強化したこと等により在籍エンジニア数が増加し、稼働早期化による稼働人数の増加により稼働率が96.3%から98.1%に上昇したことで、売上総利益率の改善を伴いながら売上高が増加しました。
請負業務は、IT請負においてリーダー人材の育成に注力し、プロジェクト単位及びチームでの受注体制を強化したこと、製造請負において顧客需要が回復基調にあること等から、当中間連結会計期間の売上高はそれぞれ増加しました。
エンジニアの積極採用による採用広告費や福利厚生費を含む人件費等の増加により、販売費及び一般管理費は増加しましたが、売上高の伸長により吸収し、セグメント利益は増加しました。
これらの結果、ソリューション事業の売上高は6,666百万円(対前年同期比21.2%増)、セグメント利益は729百万円(対前年同期比92.5%増)となり、2025年3月末時点の在籍エンジニア数は1,946人となりました。
② コンサルティング事業
ITコンサルティングサービス市場は、SAPをはじめとした既存の大規模基幹システムにおいてIT基盤の統合・再構築に関連する需要が高まっております。SAPの導入においては、業務手順をシステム標準機能に合わせる Fit To Standard の思想が取り入れられる案件が増えており、求められるサービスの形が変化し、そこに新しい商機が生まれています。
このような状況の中、パートナー企業の活用による売上高の増加や、自社ITコンサルタントの案件配属の推進による利益率の改善により、前年同期比で増収増益となりました。当期は、収益基盤の再構築による利益率の改善を掲げ、当社中核事業であるソリューション事業と連携した既存派遣先への営業や、自社ITコンサルタントの確保に向けた体制整備を進めております。継続性のあるパートナー企業との連携強化、新規開拓にも引き続き取り組みながら、さらなる利益率の改善を通した利益の確保に邁進してまいります。
これらの結果、コンサルティング事業の売上高は533百万円(対前年同期比20.6%増)、セグメント利益は67百万円(対前年同期比82.2%増)となりました。
③ AR/VR事業
AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)、AI(人工知能)、メタバース等の最先端IT市場におきましては、多種多様な商品及びサービスが需給ともに増加しており、その成長性が期待されております。デバイスの進歩・発展や市場拡大の中、大型展示会への出展やニュースリリース、提案型の企画営業、ダイレクトメール配信等の発信型の営業活動を組み合わせて行うことにより、特にAR、VR、MRにニーズを持つ企業様からの引き合いが増加しております。また、既存顧客から継続的に受注を獲得することと並行して、複数顧客から類似の顧客ニーズを得るケースが増加しており、複数顧客の課題を解決できるサービスやパッケージの開発を見据えております。
当中間連結会計期間においては、引き続き産業向けのAR/VRシミュレーターや、教育機関向けのメタバースを活用した教育システムの開発、AIを活用した業務効率化システムの開発等を受注いたしました。大手メーカー等の既存派遣先における、最先端技術活用に積極的な顧客からの大型案件の受注も引き続き獲得しております。AI領域は、売上総利益率の上昇を伴いながら、安定的に推移しております。AR/VR領域は、費用対効果を重視した明確な目的を持つ顧客からの案件が堅調に増加しております。当中間連結会計期間は、本格導入を見据えた実現性検証フェーズの案件が中心となっており、案件単価が一時的に低下しておりますが、将来的には高単価な継続案件への発展を見込んでおります。受注の足掛かりとなる大型展示会への出展費用の増加もあり、セグメントでは前年同期比で減収減益となったものの、前年同期と同様に黒字を確保いたしました。
AR/VR事業は、子会社である株式会社クロスリアリティが行うリスキリング支援や、最先端技術分野へのキャリアを提供できることによるエンジニア採用への好影響等、当社の最先端技術分野をブランディングする要であると考えております。現在、当社の強みである企画提案力の強化を意図した体制整備を進めております。今後も引き続き、企画提案力を生かした顧客ニーズの具現化により、売上拡大に努めてまいります。
これらの結果、AR/VR事業の売上高は215百万円(対前年同期比6.4%減)、セグメント利益は19百万円(前年同期比54.7%減)となりました。
④ その他
障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく特例子会社である株式会社ストーンフリーの売上高は、就労移行支援事業の利用者通所率の向上、就労定着支援事業の利用者の増加により、前年同期比で増加しました。また、再生医療導入支援事業を行うプライムロード株式会社は、再生医療コンサルティングサービスの受注が堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は41百万円(対前年同期比22.5%増)、セグメント利益は1百万円(前年同期は6百万円の損失)となりました。
① 資産の状況
当中間連結会計期間末における資産合計は6,023百万円となり、前連結会計年度末より372百万円の増加となりました。流動資産合計は5,006百万円となり、前連結会計年度末より225百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が138百万円増加、売掛金が78百万円増加したことによるものであります。固定資産合計は1,016百万円となり、前連結会計年度末より146百万円の増加となりました。これは主に投資その他の資産が105百万円増加、有形固定資産が41百万円増加したことによるものであります。
② 負債の状況
当中間連結会計期間末における負債合計は2,053百万円となり、前連結会計年度末より11百万円の減少となりました。流動負債合計は2,020百万円となり、前連結会計年度末より15百万円の減少となりました。これは主に未払金が85百万円減少したことによるものであります。固定負債合計は前連結会計年度末とほぼ同額の33百万円となりました。
③ 純資産の状況
当中間連結会計期間末における純資産合計は3,970百万円となり、前連結会計年度末より383百万円の増加となりました。これは主に剰余金の配当264百万円を行った一方、親会社株主に帰属する中間純利益581百万円を計上したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ138百万円増加し、2,951百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、521百万円の増加(前年同期は433百万円の増加)となりました。資金の増加の主な要因は、税金等調整前中間純利益856百万円の計上によるものであります。資金の減少の主な要因は、法人税等の支払額181百万円、未払金の減少額90百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、187百万円の減少(前年同期は39百万円の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、保険積立金の積立による支出100百万円、有形固定資産の取得による支出72百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、195百万円の減少(前年同期は222百万円の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、配当金の支払額264百万円によるものであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。