第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

提出会社の状況

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2018年9月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

売上高

(千円)

1,485,725

1,778,068

2,281,941

2,165,368

2,503,247

経常利益

(千円)

14,396

126,933

219,088

230,709

262,380

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

87,318

134,945

143,087

164,808

183,715

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

99,000

194,220

237,655

246,895

246,895

発行済株式総数

(株)

1,159,200

1,309,200

5,888,800

6,152,800

6,152,800

純資産額

(千円)

36,655

362,040

591,999

731,905

891,266

総資産額

(千円)

848,878

1,023,698

1,098,070

1,567,687

1,910,378

1株当たり純資産額

(円)

7.91

69.13

100.53

119.93

146.04

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益金額又は

1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

18.83

28.90

25.74

28.03

30.10

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

23.28

22.42

25.79

28.91

自己資本比率

(%)

4.3

35.4

53.9

46.7

46.7

自己資本利益率

(%)

67.7

30.0

24.9

22.6

株価収益率

(倍)

14.40

77.67

23.54

28.37

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

171,211

88,720

100,600

232,446

73,115

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

25,638

30,547

2,553

14,923

4,636

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

87,419

72,044

65,771

80,930

56,093

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

362,709

492,446

656,005

793,299

660,106

従業員数

(人)

48

48

49

49

53

(外、平均臨時雇用者数)

(-)

(-)

(5)

(6)

(4)

株主総利回り

(%)

480.2

158.6

205.2

(比較指標:TOPIX)

(%)

(-)

(-)

(102.4)

(127.9)

(115.6)

最高株価

(円)

1,980

8,400

(2,100)

2,019

910

最低株価

(円)

1,522

1,463

(365.75)

585

500

(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向は、配当を行っていないため記載しておりません。

4.当社は、2020年1月1日付で普通株式1株につき2株、2020年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、第22期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△)、潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を算定しております。

5.第22期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失金額であるため、記載しておりません。

6.当社株式は、2019年9月12日に福岡証券取引所Q-Boardへ上場したため、第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新規上場日から第23期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

7.第22期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

8.第22期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。

9.第22期及び第23期の平均臨時雇用者数は、従業員の100分の10未満であるため、記載しておりません。

10.第22期及び第23期の株主総利回り及び比較指標は、2019年9月12日に福岡証券取引所Q-Boardへ上場したため、記載しておりません。第24期以降の株主総利回り及び比較指標は、第23期の末日における株価及び株価指数を基準として算定しております。

11.最高株価及び最低株価は、福岡証券取引所Q-Boardにおけるものを記載しております。なお、2019年9月12日に同取引所へ株式を上場したため、第22期の株価については記載しておりません。

12.当社は、2020年1月1日付で普通株式1株につき2株、2020年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第24期の株価については株式分割による権利落前の最高株価及び最低株価を記載しており、()内に株式分割による権利落後の最高株価及び最低株価を記載しております。

13.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2【沿革】

年  月

事  項

1997年2月

資本金10,000千円 福岡市博多区比恵町7-12フェイズイン博多駅東901号室にて創業

1998年10月

Citrix社メタフレームの取扱を開始

1999年6月

社員増に伴い本社を福岡市博多区比恵町16-26へ移転

2001年10月

自社開発ソフト「デルバイ」を販売開始

2003年6月

社員増に伴い本社を福岡市博多区比恵町17-15へ移転

2004年4月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社と、シトリックス・ソリューション・アドバイザー/プラチナ契約を締結

2004年9月

自社開発ソフト「キトラス」を販売開始

2005年10月

東京都中央区築地に、東京オフィス設立

2006年12月

東京オフィスを東京都港区虎ノ門へ移転

2009年9月

東京オフィスを本社に集約し、本社を福岡市博多区東比恵三丁目3-24へ移転

2010年12月

代物弁済により特許権を取得し、エモーショナルシステム事業開始

2014年2月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix Partner Award Japan 2013『Local King Award』を受賞

2014年11月

2014年4月~2014年9月度のVMwareパートナーエリアコンテスト 九州沖縄地区のエリア賞を受賞

2015年2月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix Partner Award Japan 2014『Local King of the Year』2年連続受賞

2015年5月

泉陽興業株式会社と4DOH販売の業務提携

2016年1月

VMwareパートナーエリアコンテストにて功績が認められ殿堂入り

2016年9月

加賀電子株式会社等への第三者割当増資により資本金を99,000千円に増資

2017年2月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix Partner Award Japan 2016『Citrix Specialist of the Year』、『Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award』をダブル受賞

2017年6月

従来品より運搬・設置・解体を簡易化した4DOHギャロップを投入

2018年2月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix Partner Award Japan 2017 『Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award』を受賞

2018年7月

福岡市科学館クリエイティブスペースの企画展示作品を選ぶコンテストで4DOHが大賞を受賞

2019年9月

福岡証券取引所Q-Boardに株式を上場

2020年2月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix Japan Partner Award 2019 において『Technology Excellence Award』を受賞

2020年6月

アセンテック株式会社と業務提携

2020年6月

4DOHにインタラクティブ機能を追加したi4DOHの実機デモを秋葉原で開始

2020年10月

営業本部東京営業部を設置

2021年2月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix Japan Partner Award 2020 において『Technology Excellence Award』を2年連続受賞

2021年3月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のシトリックス・ソリューション・アドバイザー メンバーシップ契約 国内初の最上位レベル PLATINUM PLUS に認定

2022年1月

メタバース推進部を設置

2022年2月

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のCitrix Japan Partner Award 2021 において『Citrix Japan CSP Sales of the Year』を受賞

2022年10月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場

 

3【事業の内容】

 当社の事業セグメントは、企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」、特殊な映像技術を用いて空間を仮想化する「エモーショナルシステム事業」の2つのセグメントで構成されております。

 

(セキュアクラウドシステム事業)

セキュアクラウドシステム事業は、当社が創業間もない時期から取り組んでいる主力事業であります。

同事業は、仮想化技術を基礎とするプライベートクラウドを核としてSaaSとパブリッククラウドを組み合わせた国内クラウド市場が対象であり、目安として売上高100億円~500億円規模の中堅企業、SaaS事業者及び公共団体を主な顧客ターゲットとしております。同事業の属する国内クラウドサービス市場において、単一企業内で利用するクラウドをプライベートクラウドと呼び、当社は、中堅企業、SaaS事業者及び公共団体向けシステムのプライベートクラウド構築を中心とした「基幹システムのクラウド化」と、システム障害やサイバー攻撃被害に対する回復の仕組みを構築する「データ基盤の強靭化」の事業を行っております。

市場規模は2021年の国内プライベートクラウド市場だけでも、前年比32.3%増の1兆2,163億円であり、2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は20.4%、2026年の 市場規模は2021年比2.5倍の3兆711億円と予測されており(出所:IDC Japan株式会社「国内プライベートクラウド市場予測」2022年11月9日プレスリリース)、国内クラウド市場全体では、2021年の市場規模が前年比34.7%増の4兆2,018億円、2021年~2026年の年間平均成長率は21.1%、2026 年の市場規模は2021年比約2.6倍の10兆9,381億円になると予測されている(出所:IDC Japan「国内クラウド市場予測、2022年~2026年」2022年6月14日 プレスリリース)、有望かつ潤沢なマーケットと言われております。

当社は、プライベートクラウドを実現する主要なソフトウエア企業である、Citrix、VMware、Microsoftの製品とサービス群を熟知、これら各社の戦略を理解し、顧客企業にとって最適な選択を行うことを第一に考え、派生する多数のセキュリティ、ストレージ、サーバー等のハードウエア商品及び各種ソフトウエア商品を含めた、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)実現の前提となるクラウド基盤の総合的な提案を、従来的な設計・構築・維持に留まらず、障害回復・強靭化(必須のレジリエンス)まで含めて柔軟に行っております。

また、2021年3月には、シトリックス・システムズ・ジャパン㈱のシトリックス・ソリューション・アドバイザー メンバーシップ契約 国内初の最上位レベル PLATINUM PLUS に認定され、国内では主だった仮想化技術企業として評価を得ております。

セキュアクラウドシステム事業は、サーバーの仮想化や強靭なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し、現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、顧客が望む独自機能を満たすためのスクラッチ開発(手作り開発)を行う「カスタマイザー」の3つの区分で構成されており、当社は、企業システム全般を対象とした包括的サービスを顧客に提供しております。

 

売上区分

概要

プラットフォーム

システム仮想化業務(プライベートクラウド化~ハイブリッドクラウド化)にて活用する各種仮想化ソフトウエア(Citrix、VMware、Microsoft等)の導入コンサルティング、設計、実装、保守の技術サービスを行っております。

ランサムウェアや不正アクセスなどのサイバー攻撃対策、ダメージを受け障害に陥ったシステムの回復など、BCP(Business Continuity Planning:企業が災害やサイバー攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において損害を最小限にとどめつつ 中核となる事業を継続するための計画)の要となるデジタルレジリエンスの構築も含め、それらに付随するハードウエア、ソフトウエアを販売し、コンサルティングにおいては、上記3社の仮想化ソフトウエア全てによるシステム構築が可能であることを強みとして、各社製品の特徴を生かした提案を行っております。

特にCitrixについては、2004年4月から継続してシトリックス認定販売パートナーのトップカテゴリ(Citrix Solution Advisor Platinum)にリストされており、その中でも技術面、実績面で極めて厳しい条件が設けられている最上位レベル(Platinum Plus)に、2021年3月、国内で初めて認定されております。

プロダクツ

業務システムの帳票処理とシステム間の情報連携におけるセキュリティ問題を解決する「デルバイ」及び「キトラス」という製品が主力で、Citrixユーザー向けに10年以上売れ続けており、2020年にはCitrixユーザー以外のMicrosoft Windowsユーザー向けに「デルバイ-R」を発売して顧客層を拡大しております。また、2014年には、食品製造業務向けの生産管理業務に特化した生産管理システムパッケージである「イートバイ」を開発し、市場投入しております。

カスタマイザー

業務ロジックのプログラミング及び、DX(デジタルトランスフォーメーション)等で必要となるデータベース構築の業務を行っております。

幅広い業種の企業にビジネスの根幹を処理するソフトウエアと、データ活用基盤となるデータベースの構築サービスを提供し、販売管理や在庫管理、物流管理等の業務システムを作成しているため、対象クライアントは多岐にわたっています。既存パッケージのカスタマイズは殆ど行わず、顧客ニーズと顧客状況に応じたシステムを手作りで構築できることが特徴となっております。

 

 

[セキュアクラウドシステム事業:事業系統図]

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(エモーショナルシステム事業)

 エモーショナルシステム事業は、VR(Virtual Reality:仮想現実)シアター4DOHの技術開発及び製造販売を中心に行っておりますが、過去から営業損益において赤字を解消できなかったことを踏まえ、目下は、固定費を抑制して事業セグメントを継続しております。

 4DOHは特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)を取得しており、360度スクリーンに切れ目なく3D映像を投影する特許技術を基にした移設可能なミニシアターであります。円筒形のスクリーンの中に客席が設置され、スクリーンに囲まれた空間に映像が縦横無尽に飛び回り、観客を突き抜ける特殊効果と、映像に同期した立体音響、突風、地面の揺れによって、360度に展開するストーリーに観客を没入させる、独自のVR空間を作り上げる装置となっております。ヘッドマウントディスプレイ型のVRと異なり、軽量な3D眼鏡を使用することで仲間と感動を共有する、いわゆる「体験共有型VRシアター」と言えます。

 2017年には装置の運搬・設置・解体を簡易化し、これらの時間を大幅に短縮させた可搬型のシアターである4DOHギャロップを製品化し、2020年には視聴者の操作により上映中の映像のストーリー分岐等を行えるインタラクティブ機能を追加したi4DOHを投入。新型コロナウイルス感染拡大への予防対策が求められるニューノーマル社会において、ご家族や親しいご友人同士など少人数のグループ単位でお客様が安心してVRを楽しめるよう、少人数向けに小型化し換気性能を強化した「i4DOH:ATOM」を2020年11月に販売開始しております。

 その他、4DOHにおいて上映するコンテンツ制作も行っており、有名なキャラクターを用いたコンテンツとして、2017年3月の「ウルトラマンゼロ Another Battle ~光と力~」を皮切りに、2017年8月には「頭文字D project VR -疾駆-」、2019年3月には「新幹線変形ロボ シンカリオン360°ザ・ムービー」をリリースしました。また、解像度が高い8k360度カメラで撮影した実写によるミュージックビデオや、ドローン等による空撮映像、各地の風景映像など、新たなコンテンツ制作にも取り組んできました。

 また、2022年1月にはセキュアクラウドシステムとエモーショナルシステムの技術をメタバース分野に活かした新しいサービス創出可能性を探索する目的でメタバース推進部を設置しております。同分野でのサービス創出を模索している企業からの問い合わせが増えており、4DOHは、メタバースの世界で共通できるデバイスとして可能性を模索しています。

 

[エモーショナルシステム事業:事業系統図]

0101010_002.jpg

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2022年9月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

53

4

45.6

8.8

6,300,117

 

セグメントの名称

従業員数(人)

セキュアクラウドシステム事業

35

3

エモーショナルシステム事業

2

-)

報告セグメント計

37

3

全社(共通)

16

1

合計

53

4

(注)1.従業員数は、執行役員及び契約社員を含んでおります。なお、臨時雇用者数(パート、派遣社員を含む)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。