第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、企業収益の回復や雇用・所得環境の改善傾向が継続するなど、政府による各種経済政策の効果を背景に緩やかな回復基調で推移致しました。

当社グループが属する国内のFintech市場におきましては、金融庁や経済産業省におけるFintech市場に関連した政策検討の開始、各金融機関・大手システムインテグレーターによる動きの活発化、さらには、Fintech市場における大型の資金調達事例が増加するなど、今後も成長が見込まれる市場として注目を集めております。

矢野経済研究所「2017FinTech市場の実態と展望」によれば、国内Fintech市場規模は年率約60%で成長し、2015年度の48億円から2021年度には808億円に達すると見込まれております。

またクラウドサービスへの理解や、スマートフォン・タブレット端末の活用が進展を見せ、新しい形態・領域に対するITサービスの浸透が進んでまいりました。

このような環境において、『マネーフォワード』では、金融関連サービスとの連携数の増加や、利用者が口座を有する金融機関に関する情報をアプリ内で容易に確認できる『マネーフォワードオフィシャルアカウント』などの新機能のリリース(平成28年11月末現在、30以上の金融機関が導入)など、ユーザビリティの向上に注力した結果、利用者数は平成28年11月末時点で400万人を突破しております。

一方で、MFクラウドシリーズにおいても、対応する金融関連サービスの増加や、給与計算・マイナンバー管理などの各種業務に対応した機能の拡充に注力するとともに、全国への支店開設による会計事務所への営業強化、テレビCM等のプロモーション施策の展開による認知度向上に努めております。

さらに、将来を見据え、組織体制の強化のための人材採用や、プロモーション実施による広告宣伝等の先行投資を積極的に実施致しました。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高1,542,178千円(前事業年度比249.1%増)、営業損失876,538千円(前事業年度は営業損失1,120,330千円)、経常損失882,592千円(前事業年度は経常損失1,133,819千円)、当期純損失888,972千円(前事業年度は当期純損失1,142,110千円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ395,312千円増加し、2,683,041千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動の結果使用した資金は717,563千円(前事業年度は1,023,355千円の使用)となりました。収入の主な内訳は、前受収益の増加164,113千円等であり、支出の主な内訳は、先行投資を積極的に実施したことによる税引前当期純損失の計上882,387千円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動の結果使用した資金は59,513千円(前事業年度は93,287千円の使用)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出20,648千円、敷金及び保証金の差入による支出20,381千円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動の結果得られた資金は1,172,389千円(前事業年度は3,298,285千円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、株式の発行による収入816,419千円、長期借入れによる収入600,000千円等であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注状況

 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

(単位:千円)

サービスの名称

当事業年度

(自 平成27年12月1日

至 平成28年11月30日)

前年同期比(%)

PFMサービス

794,227

313.7

MFクラウドサービス

736,146

394.9

その他

11,804

557.2

合計

1,542,178

349.1

(注)1.当社の事業セグメントは、プラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

当社グループが継続的に安定した成長を続けていくためには、『マネーフォワード』及びMFクラウドシリーズを中心とした運営サービスの満足度を高め、当社グループが目指す「お金のプラットフォーム」としての地位を確固たるものとするとともに、顧客からの信頼性を向上させ、サービス間のクロスセル(注1)やアップセル(注2)の促進によるARPU(注3)の向上、無料会員の有料会員への転換の促進、リピート顧客の増加を図ることにより収益基盤を高めていく必要があると認識しております。

特に、PFMサービスにおいては、個人の家計・資産の現状を把握し、さらに踏み込んだアドバイスを行うなど生活に根差したサービスを作ることで、個々人のお金に対する悩みや不安が軽減されることを目指しております。

また、MFクラウドサービスにおいても、従来人力で行われていた中小企業や個人事業主のバックオフィス業務をテクノロジーの力によって自動化し、より生産性の高い作業に集中することができる社会の構築を目指しております。

その上で当社グループは現在対処すべき課題として以下の点に取り組んでおります。

 

(1)競争優位性の確保について

(ア)サービスの普及拡大

当社グループの顧客基盤は、当社グループが提供するサービスである自動家計簿アプリ、クラウドサービス業界の持つ潜在市場の大きさに比べ、普及度合いは十分ではありません。今後は営業や広報活動を通じたサービスの知名度向上、積極的な国内顧客層拡大に努めてまいります。知名度の向上、顧客層の拡大については、費用対効果を検討した上での積極的な広告・広報活動を推進する方針であります。

 

(イ)商品力の強化

インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、機能優位性及び価格競争力を維持することは容易ではありません。顧客の満足度を継続的に高めていくために、当社グループは今後も顧客の声を広く収集しその要望と仕様を入念に吟味しながら、各機能及びユーザビリティの向上した商品を、スピード感を持ってリリースしてまいります。

 

(ウ)技術部門の陣容の強化

当社グループのサービスは高度な安全性や処理能力などが常に求められますが、それらを実現するための高い技術力を継続して持ち続けることは容易ではありません。当社グループは、コア技術を独自開発することを基本方針として、技術部門の陣容を強化することにより、持続可能な高品質サービスの実現を図ってまいります。

 

(エ)自立的運営体制の充実

当社グループのサービスでは、販売、サポート及び開発という組織のコア機能を外部に委託することなく、自立的運営体制を構築し、維持することが競争優位性を確保する上で重要であると認識しております。しかしながら、自立的運営体制を継続的に維持することは容易ではありません。当社グループは引き続き、スキルの高い人材の継続的な採用・育成により自立的運営体制の充実強化を行い、知識の集約と活用を図ってまいります。

 

(オ)情報管理体制のさらなる強化

当社グループが提供するサービスにおいては、顧客のお金に関する様々な情報を多く預かっており、その情報管理を継続的に強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備などを継続して行ってまいります。

 

(カ)営業力の強化

当社グループは、当社グループの事業の拡大のため、金融機関、広告掲載企業及び広告代理店(PFMサービス)、企業への直接販売並びに会計事務所及び代理店等(MFクラウドサービス)に対する営業活動を行っております。

当社グループは小規模組織であることから営業部門も少数精鋭の体制で運営しておりますが、事業規模拡大に伴い、受注の獲得機会が増加することが予想されることから、営業及び顧客サポート体制の強化に注力する方針であります。具体的には、PFMサービス及びMFクラウドサービスに関わる営業人員、サポート人員の増強のほか、全国の主要都市で支店を開設し、各拠点にて、即戦力となる人員採用を行い、全国の会計事務所及び金融機関との連携強化を図ってまいります。

 

(キ)新たな付加価値を生むためのビッグデータの蓄積・解析体制の強化

ユーザーのビッグデータは、日々データベースに蓄積されていきます。当社グループでは、ユーザーに更なる付加価値を提供するために、それらのビッグデータに基づき、より高度なデータ活用を行っていく必要があると考えております。そのため、ビッグデータを独自に解析していくための体制構築に取り組んでまいります。

 

(ク)事業パートナーとの提携の強化によるエコシステムの構築

当社グループでは、全国の金融機関、会計事務所、事業会社、商工会議所を事業パートナーと位置付けております。今後も、既存の事業パートナーとの提携の強化、新たな事業パートナーの拡大によって、双方にメリットのある取り組みを進め、強固なエコシステムの構築を目指してまいります。

 

(ケ)様々なFintechサービスにおける情報レイヤーとしてのポジショニングの確保

当社グループでは、当社が提供するPFMサービス(家計簿ソフト機能)MFクラウドサービス(クラウド会計、経営判断情報提供、業務自動化等の機能)などのサービスは、Fintechサービスにおいて情報レイヤーと呼ばれる、ユーザーのお金に関する情報を正確に集約、蓄積することを可能にできる機能を有することから、将来的には決済、課金、取引所、融資、投資、不動産取引といった金融に関連する利用者の行動の起点、すなわちユーザーインターフェースになりうるものと考えております。今後も、サービス利用者の拡大並びに外部サービスとの連携の拡大を進めることで、情報レイヤーとしてのポジショニングを確立してまいります。同時に、情報レイヤーを支える本人認証、セキュリティ、不正防止といった機能の確立並びに強化にも努めてまいります。

 

(2)人材の確保・育成について

前項の競争優位性を確保、保全しながら持続的に発展するために、優秀な人材を数多く確保・育成することは当社グループの事業展開を図る上で重要であると認識しており、特にサービス利便性及び機能の向上のためには優秀なエンジニアの継続的な採用が課題であると認識しております。また、サービスの販売を担当する営業担当者についても収益基盤の強化とあわせて適時に採用を行ってまいります。

これらの課題に対処するために、当社グループは、知名度の向上、教育・研修の拡充、採用活動の柔軟化による適時な人材の確保・育成に努めてまいります。

 

(3)内部管理体制の強化について

当社グループは創業間もなく、内部管理体制も小規模なものになっております。一方、今後もより一層かつ急速な事業拡大を見込んでおり、求められる機能も急速に拡大しております。財務、人事、広報、法務等、それぞれの分野でコア人材となりうる高い専門性や豊富な経験を有している人材を採用するとともに、更なる内部管理体制の強化を図ることで、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。

 

(4)新規事業立ち上げについて

急速な進化、拡大を続けているFintech業界において、当社グループが企業価値を向上させ、高い成長を継続させていくためには、事業規模の拡大と収益源の多様化を図っていくことが必要と認識しております。そのためには、積極的な新規事業の立ち上げが課題と認識しております。このような環境下において、今後も次の柱となるビジネスの創出に積極的に挑戦してまいります。

 

(注1)クロスセル

サービスを利用している顧客に対して、別のサービスや機能の追加利用を促進し、販売することをいいます。

(注2)アップセル

サービスを利用している顧客に対して、より単価の高い上位機能を有するサービスの利用を促進し、販売することをいいます。

(注3)ARPU

Average Revenue Per Userの略称で、1ユーザーあたりの平均売上金額をいいます。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)インターネット関連市場について

当社グループは、プラットフォームサービス事業を主力事業としておりますが、当社グループ事業の発展のためには、インターネット利用者数の増加や関連市場の拡大が必要であると考えております。また、平成28年3月末において、携帯電話端末契約数に占めるスマートフォンの割合が59.9%と前年の54.1%、前々年の47.1%から継続的に上昇しており、2018年度には1億件に達する見通しとなっております(株式会社MM総研の平成28年11月発表資料より)。

しかしながら、当社グループが事業環境の変化に適切に対応できなかった場合、または、新たな法的規制の導入等の予期せぬ原因によりインターネット関連市場の成長が鈍化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)クラウド市場の動向について

当社グループが事業を展開しているクラウド市場は、「クラウドファースト」という言葉が浸透しつつあり、2015年度におけるクラウドサービス市場全体の規模は対前年度比33.7%増の1兆108億円となり、2020年度には3兆円を超えると予想される(株式会社MM総研の平成28年12月発表資料より)など、急速な成長を続けております。当社グループは、今後もこの成長傾向は継続するものと見込んでおり、クラウド関連サービスを多角的に展開する計画であります。

しかしながら、今後、国内外の経済情勢や景気動向等の理由によりクラウド市場の成長が鈍化するような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)アカウントアグリゲーションについて

当社グループの事業は金融機関等のインターネット上の口座と自動連携するアカウントアグリゲーション技術によって成り立っております。当社グループのアカウントアグリゲーション技術は、一般社団法人全国銀行協会が公表している「アカウントアグリゲーション・サービスに関する基本的な考え方」において記載されている留意すべき事項に配慮しつつ運用されておりますが、形態としては、顧客から直接金融機関等の口座情報等にアクセスする権利の付与を受ける形となっております。したがいまして、金融機関等が当社グループサービス経由での口座情報へのアクセスを拒絶した場合、情報の取得ができなくなる恐れがあります。

当社グループにおいては、金融機関等のシステムへの負荷を最小限とできるよう配慮したシステム設計を行っており、また一部の金融機関等からは、当社グループの接続元IPアドレスを開示する等の特別なアクセスの許可を得ている他、金融機関等からの照会にも迅速に対応することで、金融機関等とは良好な関係を維持しておりますが、何らかの事象により金融機関等が当社グループサービス経由での口座情報へのアクセスを拒絶した場合、金融機関等の情報の取得ができなくなる結果、PFMサービス及びMFクラウドサービスの一部機能の提供が困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)四半期毎の業績の変動について

当社グループは、定期的に「お金のEXPO」「MFクラウドExpo」等の大規模なイベントを開催しております。なお、イベントの開催時期は年によって異なる可能性があります。また、『マネーフォワードfor○○』等の法人顧客向け新規サービスリリースに伴い一時的な売上が発生することがあります。そのため、当社の売上高成長は、年間を通じて平準化されずに、四半期決算の業績が著しく変動する可能性があります。

 

(5)経営成績の変動について

当社グループが取り組む事業領域は、市場規模が急速な進化・拡大を続けながらもまだ歴史が浅く、競合環境、価格動向、ビジネスモデルへの規制等には、不透明な部分が多くあります。このような環境下において、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を図るため、当社グループのノウハウを活かした収益性の高い新規事業の創出に積極的に取り組んでまいりますが、事前に十分な検討をしたにもかかわらず、期待した成果があがらない場合や予想困難なリスクの発生により当初の事業計画を達成できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)PFMサービス及びMFクラウドサービスの業績の達成確度に関する不確実性について

①プラットフォームサービス事業における先行投資について

当社グループが提供するプラットフォームサービス事業は、開発人員及び営業人員の採用、広告宣伝活動等の先行投資を必要とする事業であり、結果として当社は創業以来営業赤字を継続して計上しております。今後も「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というビジョンのもと、より多くの顧客の獲得をめざし、営業や開発などにおける優秀な人材の採用・育成を計画的に行うとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・PR活動、ユーザー獲得のためのマーケティングコスト投下などを効果的に進め、売上高拡大及び収益性の向上に向けた取り組みを行っていく方針であります。しかしながら、想定どおりの採用・育成が進まない場合、マーケティングPR等活動の効果が得られない場合等には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②社歴が浅いことについて

当社は平成24年5月に設立されており、設立後の経過期間は5年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社グループの過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

 

③PFMサービスにおいて広告宣伝活動により想定通りユーザー数が増加しない可能性について

当社グループの事業にとってユーザー数の増加は非常に重要な要素であり、テレビCM、インターネットでのプロモーション等を用いた広告宣伝活動を積極的に実施しユーザー数の増加を図っております。広告宣伝活動については、PFMサービスとMFクラウドサービスのいずれにおいても、ユーザー獲得効率を勘案の上、都度、最適な施策を実施しておりますが、必ずしも当社グループの想定通りに推移するとは限りません。

また、当社グループはPFMサービスのユーザー数拡大及びサービスの認知度向上を目的として、平成27年11月期及び平成29年11月期においてテレビCMを実施し、MFクラウドサービスについても、ユーザー数拡大及びサービスの認知度向上を目的として、平成28年11月期においてテレビCMを実施いたしましたが、今後の広告宣伝活動の方針によってはテレビCMを実施しない可能性があります。

これらの要因により、PFMサービス又はMFクラウドサービスのユーザー獲得が計画どおりに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

④PFMサービスの事業運営において業績に影響を与えうる要因について

プレミアム課金収入について、ユーザー数の増加が計画通りに推移しない場合、或いはプレミアムサービスに係る課金率が想定どおりに増加しない場合、結果としてプレミアム課金収入が計画どおりに増加しない可能性があります。メディア/広告収入においては、インターネット広告市場は市場拡大傾向にあり、当社グループではメディアの媒体価値の向上を図っておりますが、企業の広告宣伝活動は景気動向の影響を受ける傾向があり、また、インターネット広告は今後も他の広告媒体との競争状態が継続していくと考えられることから、今後これらの状況に変化が生じた場合、結果としてメディア/広告収入が計画どおりに増加しない可能性があります。BtoBtoC事業収入においては、サービス提供先の増加による売上の拡大を目指してまいりますが、新規のサービス提供先の獲得が計画どおりにいかない場合、或いは既存の金融機関等のサービス提供先との契約が解消された場合、BtoBtoC事業収入が計画どおりに増加しない可能性があります。これらの要因により、PFMサービスの事業運営が計画どおりに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤MFクラウドサービスの事業運営において業績に影響を与えうる要因について

MFクラウドシリーズは、当社グループ営業人員による会計事務所・事業会社等への直接販売を行っておりますが、営業人員一人あたりの成約金額または営業人員の獲得が計画どおりに推移しない可能性があります。また、インターネットを通じた販売においては、高単価のプランへの移行等により将来における1ユーザーあたりの単価について一定の上昇を見込んでおりますが、想定単価が計画どおりに推移しない可能性があります。アライアンス事業収入については、サービス提供先の増加等による売上の拡大を目指してまいりますが、新規のサービス提供先の増加が計画どおりにいかない場合、或いは既存のサービス提供先との契約が解消された場合、アライアンス事業収入が計画どおりに増加しない可能性があります。これらの要因により、MFクラウドサービスの事業運営が計画どおりに推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑥ユーザーの継続率について

当社グループの事業にとって、獲得したユーザーのサービスの利用継続率は非常に重要な要素であり、取り扱う情報やサービスの充実等の施策を通じて、継続率の維持、向上を図っております。何らかの施策の見誤りやトラブル等で継続ユーザーが減少した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)事業領域の拡大に伴うリスクについて

当社グループの収益は、PFMサービス及びMFクラウドサービスによる売上の影響を大きく受けている状況であるため、当社グループは、多角的観点から新たな収益源を常に模索し、事業の拡大と安定化に取り組んでまいります。例えば、今後は、ソーシャルレンディングを含むクラウドファンディング領域、投資・運用サービス領域、決済領域といったFintechサービスなど、現在の事業領域と異なる分野にも進出する可能性があります。しかしながら、事業領域を拡大し、現在の事業領域と異なる分野にも進出することで、新たに進出した分野において収益化が進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)技術革新等について

当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連事業の運営者はその変化に柔軟に対応する必要があります。近時でも、技術革新を背景に、携帯端末市場においてフィーチャーフォン端末に代わりスマートフォン端末が急速に普及し始め、様々な企業が当該変化への対応を迫られるという事象が発生しております。当社グループにおいても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。

しかしながら、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)他社との競合について

当社グループはPFMサービス及びMFクラウドサービスを中心としたプラットフォームサービス事業を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては多くの企業が事業展開をしております。当社グループは、最適なユーザビリティを追及したサービスの構築、登録会員の訪問頻度向上を目指した特色あるサービスやコンテンツの提供、メディア利用時の安全性の確保やカスタマーサポートの充実等に取り組み、競争力の向上を図っております。

しかしながら、当社グループと同様のサービスを展開する企業等との競合激化や、十分な差別化が図られなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)システムの安定性について

当社グループの運営するサービスはシステム負荷の高いサービスとなっていることから、システムの安定的な稼動が当社グループの業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社グループでは継続的な設備投資を実施するだけではなく、サービスで使用するサーバー設備やネットワークを常時監視し、障害の兆候が見られた場合にはシステム担当の役職員に対し自動でメールが送信される等、システム障害の発生を未然に防ぐことに努めております。

しかしながら、アクセスの急増、ソフトウエアの不備、コンピューターウィルスや人的な破壊行為、役職員の過誤、自然災害等、当社グループの想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の喪失を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社グループが社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)不正アクセスについて

当社グループの主力事業であるプラットフォームサービス事業において個人情報を扱っていることから、データを不正に取得することを目的とした悪意の第三者によるシステムへの不正アクセス等を受ける可能性があります。当社グループでは、サービスを提供するシステムや社内情報システム等に対して適切なセキュリティ対策を実施したうえで監視体制を強化しております。また、適宜、外部のシステム評価会社を活用し、システムの安全性を確認しております。

しかしながら、不正アクセスによるシステムへの侵入が発生し、登録会員の個人情報や口座情報等の重要なデータが消去または不正に入手される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には損害賠償請求を受ける可能性や社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)Apple Inc. 及び Google Inc.の動向について

当社グループは、ユーザーにスマートフォン向けアプリを提供しており、Apple Inc.及びGoogle Inc.の両社が運営するプラットフォームにアプリを提供することが現段階の当社の事業の重要な前提条件であります。これらプラットフォーム事業者の事業戦略の転換並びに動向によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)法的規制について

当社グループが運営しているサービスは金融関連サービスとなりますが、銀行法を始めとした金融関連法の適用は受けておりません。当社グループは事業運営にあたり、これら法令に抵触することが無いよう、顧問弁護士と協議しつつ、法改正等の情報収集を行い、従業員教育等を徹底するとともに法令遵守体制の構築と強化を図っております。

しかしながら、これら法令の改正や新たな法令の制定、想定外の事態の発生等により当社グループの展開する事業が法令に抵触した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、金融庁金融審議会において、銀行のAPIを利用する事業者について、電子決済等代行業者として金融庁の登録を受ける制度の導入が提言されていますが、当社が登録を受けられなかった場合には、PFMサービス及びMFクラウドサービスの運営が困難になり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(14)訴訟等について

当社は、平成28年10月21日に、フリー株式会社(以下「フリー」という。)から、当社が提供するクラウド型会計ソフト『MFクラウド会計』における「勘定科目提案機能」がフリーの特許を侵害するとして、製品の製造・販売の中止等を求める訴訟を東京地方裁判所に提起されました。当社は、本件訴訟において敗訴する可能性は低いものと認識しておりますが、万一、敗訴した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(15)知的財産権について

当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)個人情報保護について

当社グループでは、金融機関等へのウェブサイトログイン情報等の個人情報を取得しております。そのため、当社グループは「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者に該当しております。当社グループにおいては、個人情報保護指針を定め、個人情報の取得の際には利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用するとともに、個人情報の管理につきましても、役員及び従業員を対象とした個人情報の取扱いに関する社内研修や、社内でのアクセス権限の設定、アクセスログの保存、データセンターでの適切な情報管理、個人情報管理に関する規程の整備を行っております。

しかしながら、外部からの不正アクセス、社内管理体制の瑕疵、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、損害賠償請求を受ける可能性や当社グループの社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)特定人物への依存について

当社の代表取締役社長CEOである辻庸介は、当社設立以来当社グループの事業に深く関与しており、また、Fintechに関する豊富な知識と経験を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社グループは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)組織が少人数編成であることについて

当社グループは業務執行上必要最低限の人数での組織編成となっております。また、今後は事業の拡大に応じて人材の確保及び育成を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針であります。しかしながら、これらの施策が適時適切に遂行されなかった場合、または、従業員の予期せぬ退職があった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)内部管理体制について

当社グループは今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針でありますが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)税務上の繰越欠損金について

当社グループは、税務上の繰越欠損金を有しており、当社グループの業績が順調に推移することにより、期限内にこれら繰越欠損金の繰越控除を受ける予定であります。

しかし、当社グループの業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合は、課税所得からの控除が受けられなくなります。その場合、課税所得に対して通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)配当政策について

当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、現在当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することにより、更なる事業拡大を目指すことが株主に対する利益還元につながると考えております。

将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(22)ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

当社グループでは、取締役、従業員に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は120,962株であり、発行済株式総数833,085株の14.5%に相当しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

当事業年度末の総資産は3,091,105千円(前事業年度末比23.0%増)となりました。

流動資産は2,947,881千円(同21.9%増)となりました。主な増加要因は、現金及び預金が395,313千円、売掛金が124,786千円増加したことによるものであります。

固定資産は143,224千円(同50.4%増)となりました。主な増加要因は、投資有価証券が14,992千円、敷金及び保証金が17,487千円増加したことによるものであります。

当事業年度末における負債合計は1,204,262千円(同112.6%増)となりました。

流動負債は664,262千円(同17.3%増)となりました。主な増加要因は、短期借入金が254,000千円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が60,000千円、未払金が68,374千円、未払費用が32,471千円、前受収益が164,114千円増加したことによるものであります。

固定負債は540,000千円となりました。増加要因は、長期借入金が540,000千円増加したことによるものであります。

当事業年度末における純資産合計は1,886,842千円(同3.1%減)となりました。主な減少要因は、資本金が410,004千円、繰越利益剰余金が918,112千円増加したものの、資本準備金が1,397,081千円減少したことによるものであります。

 

(3)経営成績の分析

当事業年度の売上高は、1,542,178千円(前年同期比249.1%増)となりました。これは、PFMサービス、MFクラウドサービスの利用料収入が増加したことによるものであります。

売上原価は、733,658千円(同70.4%増)となりました。これは主に、PFMサービス、MFクラウドサービスに係る人件費、外注費が増加したことによるものであります。

販売費及び一般管理費は1,685,057千円(同48.9%増)となりました。主な増加要因は、給料及び手当が295,501千円、広告宣伝費が26,497千円増加したことによるものであります。

営業外収益は、628千円(同50.6%増)となりました。これは主に、受取報奨金277千円を計上したこと等によるものであります。

営業外費用は、6,683千円(同51.9%減)となりました。これは主に、株式交付費が7,167千円減少したことによるものであります。

特別利益は、565千円となりました。内容といたしましては、新株予約権戻入益565千円であります。

特別損失は、360千円(同94.0%減)となりました。これは主に、事務所移転費用が5,605千円減少したことによるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(6)経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションのもと、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というビジョンを実現することを目指して事業を展開しております。これは、当社グループのサービスを通して、個々人のお金に対する悩みや不安が軽減し、日々の暮らしの改善や夢が実現すること、そして、日本国内の「お金の流れ」が変わり、より世の中が活性化し、新たなチャレンジを生み出しやすい環境作りに貢献することが、当社グループが事業を行う最大の目的であることを意味しております。

当社グループがこのミッション並びにビジョンのもとに、長期的な競争力を維持し更なる向上を図るためには、経営者は「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載の様々な課題に、不断の努力を継続していくことが必要であると認識しております。