第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当社グループが提供するサービス領域は、Fintech(注1)市場と呼ばれており、近年では、Embedded Finance(埋込型金融)などと呼ばれる、非金融事業者の提供するサービスに金融サービスを組み込み、一体として提供する形が注目されるなど様々なビジネスが活発に生まれております。当社グループの主要サービスである『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』は、近年急速な成長が見込まれる、SaaS(注2)という形態にてサービスを提供しております。SaaS市場は近年大きく成長しており、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2025年度版」によると、国内SaaS市場は、2029年度には3兆3,975億円(2024年度比173.0%)に達すると見込まれております。

これまで国内市場の成長を牽引した改正電子帳簿保存法やインボイス制度等の法的整備に伴う需要は一巡し、現在は労働力不足の深刻化を背景に、AI等のテクノロジー活用による業務の自律化が市場の主要な成長要因となっております。SaaSの提供価値は、従来の記録の電子化から、不足する労働力を機能的に補完する自律型バックオフィスの構築へと高度化しており、こうした構造的な需要の変化が市場のさらなる拡大を支えています。

経済環境の見通しが不透明な状況下においても、労働需給の逼迫を背景とした抜本的な生産性向上への要請や、個人・企業における資金管理の効率化ニーズを背景に、当社グループが提供するサービスへの需要は堅調に推移しております。

このような環境において、当社グループは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションの下、事業者向けサービスを提供するBusinessセグメント、個人向けサービスを提供するHomeセグメント、金融機関・事業会社のお客様向けにサービス開発を行うXセグメント、「HIRAC FUND」にてベンチャーキャピタル事業を行うFinanceセグメントの4つのセグメントにおいて、事業を運営してまいりました。なお、前連結会計年度よりスマートキャンプ株式会社は当社の連結範囲から除外されているため、当連結会計年度より同社が属していたSaaS Marketingセグメントを除外した4セグメント体制となっております。

Businessセグメントでは、バックオフィス向けの業務効率化クラウドソリューション『マネーフォワード クラウド』において、引き続き新規ユーザーが順調に増加しました。また、中堅企業向けのプロダクトにおいては、お客様の規模やステージに合わせて最適なシステム構成をスピーディーに実現するため、個別の機能を独立した形で提供するコンポーネント型の展開を行っております。2025年6月に実施しました価格改定、並びに継続的な機能強化やプロダクト間の連携強化に加えて、営業・マーケティング体制の拡充を進めた結果、複数プロダクトでの導入やより大規模な企業での導入が進み、ARPA(注3)についても向上しております。特に前連結会計年度よりAI機能の開発およびリリースに注力しており、これまでに『AI確定申告』や、各業務プロセスを担うAIエージェントを複数リリースしております。また、前連結会計年度に連結の範囲に含めましたミチビク株式会社の売上も増収に貢献しております。

Homeセグメントにおいては、自動でオンラインバンキング等から金融機関データの取得・分類を行うPFM(注4)サービス『マネーフォワード ME』において、プレミアム課金売上が順調に推移しました。また、『マネーフォワード ME』でのお金の見える化サービスとSMBCグループが提供する、モバイル総合金融サービス『Olive』が有する豊富な金融サービスを掛け合わせ、ユーザーへの提供価値向上及び収益源の多角化に向けて取り組みを進めております。前連結会計年度においては、『マネーフォワード ME』における価格改定に加え、家族・パートナーと日々の家計や資産状況を確認できる「シェアボード」機能のローンチや、日々の生活を豊かにする商品や体験をお得に体験できる「Prime Coupon(プライムクーポン)」をプレミアム会員限定でお届けしており、引き続きユーザーの体験価値向上に努めてまいります。

Xセグメントにおいては、『BANK Biz』『Cashmap』等、金融機関やそのお客様のDX推進に資するサービスの開発に努めております。金融機関及び金融機関の法人顧客である地域の中小企業のDXに貢献するとともに、金融機関がデータを活用しながら中小企業の事業価値向上を実現するための支援を行うことを目指しております。

Financeセグメントにおいて、ベンチャーキャピタル「HIRAC FUND」では、マネーフォワードグループの強みである「スタートアップの立ち上げ・IPO経験」、「Fintech/SaaSへの知見」、「起業家とのネットワーク・コミュニティ」、「地域金融機関との連携」を活かし、スタートアップ業界に貢献すべく、出資・支援活動をおこないます。

以上の結果、当中間連結会計期間の当社グループの業績は、売上高28,992百万円(前年同期比24.8%増)、EBITDA(注5)4,974百万円(前年同期は1,814百万円のEBITDA)、調整後EBITDA(注6)5,094百万円(前年同期は1,896百万円の調整後EBITDA)、営業損失209百万円(前年同期は1,592百万円の営業損失)、経常損失1,205百万円(前年同期は1,897百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純利益は553百万円(前年同期は2,197百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。

また、SaaS ARR(注7)に関しては47,669百万円(前年同期比34.2%増)となり、特にBusinessセグメントにおいては課金顧客数及びARPAの拡大により、法人顧客に対するSaaS ARRは36,765百万円(前年同期比36.4%増)、個人事業主顧客に対するSaaS ARRは3,124百万円(前年同期比19.2%増)となりました。

各セグメントのSaaS ARRの推移は以下の通りであります。

 

各セグメントにおけるSaaS ARR

(単位:百万円)

 

2024年

11月期末

2025年

11月期末

2025年11月

中間期末

2026年11月

中間期末

前年同期比

成長率

Business

25,298

35,455

30,662

41,737

36.1

うち法人

22,954

31,263

26,958

36,765

36.4

うち個人事業主

2,343

2,645

2,622

3,124

19.2

うちFintech

-

1,546

1,082

1,848

70.8

Homeプレミアム課金

3,036

3,543

3,087

4,017

30.2

Xストック売上高

1,669

1,881

1,767

1,914

8.3

合計

30,003

40,879

35,515

47,669

34.2

 

(注) 上記文中及び表中のSaaS ARRの額は、百万円未満を四捨五入しております。

 

なお、各セグメントごとの売上、利益については第4 経理の状況 1中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)をご参照ください。

 

(注1) Fintech

「Finance」と「Technology」を組み合わせた概念で、金融領域におけるテクノロジーを活用したイノベーションの総称をいいます。

(注2) SaaS

「Software as a Service」の略称であり、サービス提供者がソフトウェア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ネットワーク経由で利用する形態を指します。一般的に初期導入コストを抑えた月額課金のビジネスモデルとなります。

(注3) ARPA

「Average Revenue per Account」の略称であり、各期最終月のBusinessセグメントのARRを課金顧客数で割った値となります。なお、ARRは「Annual Recurring Revenue」の略称で年間経常収益をいい、各期末の月末時点における月次ストック収入合計額(Monthly Recurring Revenue, MRR)を12倍して算出したものをいいます。ただし、季節影響を受ける『STREAMED』については、第1及び第2四半期における『STREAMED』の課金収入の3分の1を経常的に発生する月間収益として算出しております。

(注4) PFM

「Personal Financial Management」の略称であり、個人の金融資産管理、家計管理をサポートするサービスをいいます。

 

(注5) EBITDA

「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略称であり、営業利益+償却費+営業費用に含まれる税金費用+株式報酬費用をいいます。

(注6) 調整後EBITDA

EBITDA(営業利益+償却費+営業費用に含まれる税金費用+株式報酬費用)+M&A関連の一時費用+その他一時費用をいいます。

(注7) SaaS ARR

ARRは「Annual Recurring Revenue」の略称であり、Homeセグメントはプレミアム課金収入をARRとして算出しております。Business セグメントは『マネーフォワード クラウド』、『STREAMED』、『Manageboard』、『V-ONEクラウド』 、『マネーフォワード 公認メンバー制度』、『マネーフォワード Admina』、『マネーフォワード 掛け払い』『マネーフォワード ビジネスカード』、『マネーフォワード 早期入金』等サービスの課金収入をARRとして算出しております。ただし1Qと2Qにおいては確定申告期における季節影響を調整するため、『STREAMED』の課金収入の3分の1をMRRとして算出しております。Xセグメントは、金融機関等との共創案件における運用・保守収入、『Mikatano』シリーズや『金融機関・特定サービス向けマネーフォワード』等の金融機関の顧客向けのサービスの課金収入をARRとして算入しております。Fintech ARRは、『マネーフォワード ビジネスカード』、『マネーフォワード 早期入金』、『マネーフォワード クラウド請求書』における請求書カード決済機能、 『マネーフォワード 請求書カード払い』による当該四半期の売上の3分の1をMRRとして算出しております。また、継続収益を示す指標のため、季節性が高い決済は対象外とし、トランザクション売上の全額がARR換算されるわけではございません。

 

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末における流動資産は77,332百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,062百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が4,413百万円、未収入金が2,167百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,540百万円増加し、その他流動資産が4,541百万円減少したことによるものであります。固定資産は66,294百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,997百万円増加いたしました。これは主にのれんが5,888百万円、使用権資産(純額)が3,609百万円、ソフトウエアが2,266百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は、143,626百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,059百万円増加いたしました。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における流動負債は50,197百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,730百万円増加いたしました。これは主に未払金が2,426百万円、1年内返済予定の長期借入金が2,202百万円、リース負債が2,057百万円増加し、その他流動負債が3,478百万円減少したことによるものであります。固定負債は35,847百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,613百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が6,886百万円、リース負債が2,545百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は、86,045百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,343百万円増加いたしました。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産は57,581百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,716百万円増加いたしました。これは主に非支配株主持分が993百万円、利益剰余金が476百万円増加したことによるものであります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比3,607百万円増加し、44,541百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動の結果得られた資金は5,051百万円(前年同期は1,848百万円の使用)となりました。主な増加要因は、預け金の増減額4,873百万円、減価償却費3,323百万円、未払金の増減額2,488百万円であり、主な減少要因は、預り金の増減額3,319百万円、投資有価証券売却益2,412百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動の結果使用した資金は9,194百万円(前年同期は8,327百万円の使用)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入2,826百万円であり、主な減少要因は、事業譲受による支出5,952百万円、無形固定資産の取得による支出4,599百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動の結果得られた資金は7,734百万円(前年同期は3,525百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入11,548百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出2,459百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,750百万円であります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めた経営方針・経営戦略等はありません。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発費の総額は122百万円であります。なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に変更はありません。

 

3 【重要な契約等】

当社は、2026年2月13日に、当社を承継会社、ソニービズネットワークス株式会社を分割会社とする会社分割(吸収分割)の方法により、ソニービズネットワークス社が運営するクラウド型勤怠管理システム事業及びオウンドメディア事業を事業承継いたしました。