第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次
|
国際会計基準
|
移行日
|
第11期
|
第12期
|
第13期
|
決算年月
|
2022年10月1日
|
2023年9月
|
2024年9月
|
2025年9月
|
売上収益
|
(千円)
|
―
|
13,908,918
|
16,893,185
|
21,771,392
|
税引前当期利益
|
(千円)
|
―
|
354,662
|
3,316,798
|
4,675,432
|
親会社の所有者に帰属 する当期利益
|
(千円)
|
―
|
4,711
|
2,082,791
|
2,683,075
|
親会社の所有者に帰属 する包括利益
|
(千円)
|
―
|
489,736
|
2,213,047
|
2,319,384
|
親会社の所有者に帰属 する持分
|
(千円)
|
28,559,813
|
29,422,752
|
32,228,163
|
34,483,425
|
総資産額
|
(千円)
|
38,492,999
|
38,874,674
|
41,785,267
|
54,368,529
|
1株当たり親会社 所有者帰属持分
|
(円)
|
933.27
|
951.91
|
1,039.73
|
1,110.79
|
基本的1株当たり 当期利益
|
(円)
|
―
|
0.15
|
67.22
|
86.47
|
希薄化後1株当たり 当期利益
|
(円)
|
―
|
0.15
|
67.05
|
86.44
|
親会社所有者帰属持分 比率
|
(%)
|
74.2
|
75.7
|
77.1
|
63.4
|
親会社所有者帰属持分 利益率
|
(%)
|
―
|
0.0
|
6.8
|
8.0
|
株価収益率
|
(倍)
|
―
|
17,686.6
|
50.4
|
44.6
|
営業活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
―
|
3,084,975
|
3,013,338
|
5,176,949
|
投資活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
―
|
2,927,364
|
△3,077,715
|
△6,198,358
|
財務活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
―
|
△2,995,282
|
37,857
|
4,893,293
|
現金及び現金同等物 の期末残高
|
(千円)
|
12,495,623
|
15,512,681
|
15,265,932
|
19,358,045
|
従業員数
|
(名)
|
419
|
465
|
683
|
1,001
|
[外、平均臨時 雇用者数]
|
[16]
|
[40]
|
[112]
|
[123]
|
(注)
|
1.
|
第12期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
|
|
2.
|
当社は従業員等へのインセンティブプランとして信託を通じて自社の株式を交付する株式報酬制度を導入しております。第11期以降の1株当たり情報の算定に用いられた期末発行済株式数及び期中平均株式数からは、本制度により信託が所有する当社株式の数を控除しております。
|
|
3.
|
第13期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第12期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
|
回次
|
日本基準
|
第9期
|
第10期
|
第11期
|
第12期
|
決算年月
|
2021年9月
|
2022年9月
|
2023年9月
|
2024年9月
|
売上高
|
(千円)
|
8,727,071
|
11,509,927
|
13,908,918
|
16,893,185
|
経常利益
|
(千円)
|
572,337
|
1,551,423
|
1,824,574
|
1,936,497
|
親会社株主に帰属する 当期純利益
|
(千円)
|
139,431
|
836,612
|
760,451
|
1,148,652
|
包括利益
|
(千円)
|
1,131,369
|
528,854
|
237,879
|
1,180,844
|
純資産額
|
(千円)
|
28,717,432
|
29,255,820
|
28,814,423
|
30,668,298
|
総資産額
|
(千円)
|
35,975,078
|
35,799,405
|
36,886,991
|
38,337,213
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
930.75
|
942.81
|
927.41
|
982.56
|
1株当たり当期純利益
|
(円)
|
4.58
|
27.38
|
24.82
|
37.07
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益
|
(円)
|
4.41
|
26.57
|
24.39
|
36.98
|
自己資本比率
|
(%)
|
78.8
|
80.6
|
77.8
|
79.4
|
自己資本利益率
|
(%)
|
0.5
|
2.9
|
2.6
|
3.9
|
株価収益率
|
(倍)
|
418.8
|
68.7
|
109.6
|
91.3
|
営業活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
168,230
|
2,695,397
|
2,390,898
|
2,300,902
|
投資活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
△13,476,394
|
△2,323,050
|
1,719,624
|
△3,077,715
|
財務活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
1,975,819
|
△681,453
|
△1,093,465
|
750,293
|
現金及び現金同等物 の期末残高
|
(千円)
|
12,804,730
|
12,495,623
|
15,512,681
|
15,486,161
|
従業員数
|
(名)
|
363
|
419
|
465
|
683
|
[外、平均臨時 雇用者数]
|
[―]
|
[16]
|
[40]
|
[112]
|
(注)
|
1.
|
第12期の諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
|
|
2.
|
第10期の第3四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第9期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
|
|
3.
|
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第10期の期首から適用しており、第10期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
|
|
4.
|
当社は従業員等へのインセンティブプランとして信託を通じて自社の株式を交付する株式報酬制度を導入しております。第11期以降の1株当たり情報の算定に用いられた期末発行済株式数及び期中平均株式数からは、本制度により信託が所有する当社株式の数を控除しております。
|
(2) 提出会社の経営指標等
回次
|
第9期
|
第10期
|
第11期
|
第12期
|
第13期
|
決算年月
|
2021年9月
|
2022年9月
|
2023年9月
|
2024年9月
|
2025年9月
|
売上高
|
(千円)
|
1,614,175
|
1,710,408
|
2,260,816
|
3,328,288
|
5,469,192
|
経常利益
|
(千円)
|
455,282
|
327,117
|
339,121
|
748,315
|
1,008,025
|
当期純利益又は当期純損失(△)
|
(千円)
|
274,459
|
86,270
|
△144,835
|
697,533
|
3,245,678
|
資本金
|
(千円)
|
38,945
|
49,295
|
10,000
|
10,000
|
10,000
|
発行済株式総数
|
(株)
|
30,966,600
|
31,104,000
|
31,948,000
|
31,948,000
|
31,948,000
|
純資産額
|
(千円)
|
27,790,345
|
27,543,609
|
26,719,405
|
27,672,616
|
31,254,067
|
総資産額
|
(千円)
|
28,204,970
|
27,889,250
|
28,823,244
|
28,444,633
|
40,998,388
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
912.16
|
900.02
|
863.69
|
892.00
|
1,004.53
|
1株当たり配当額 (うち1株当たり中間 配当額)
|
(円)
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
(―)
|
(―)
|
(―)
|
(―)
|
(―)
|
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)
|
(円)
|
9.01
|
2.82
|
△4.73
|
22.51
|
104.60
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益
|
(円)
|
8.68
|
2.74
|
―
|
22.45
|
104.56
|
自己資本比率
|
(%)
|
98.5
|
98.8
|
92.7
|
97.2
|
76.1
|
自己資本利益率
|
(%)
|
1.0
|
0.3
|
―
|
2.6
|
11.0
|
株価収益率
|
(倍)
|
212.8
|
666.6
|
―
|
150.4
|
36.9
|
配当性向
|
(%)
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
従業員数 [外、平均臨時 雇用者数〕
|
(名)
|
78
|
88
|
110
|
120
|
366
|
[―]
|
[―]
|
[―]
|
[―]
|
[―]
|
株主総利回り (比較指標:配当込みTOPIX)
|
(%) (%)
|
70.3 (127.5)
|
69.0 (118.4)
|
99.8 (153.7)
|
124.2 (179.2)
|
141.6 (217.8)
|
最高株価
|
(円)
|
3,995
|
2,821
|
3,410
|
6,720
|
4,720
|
最低株価
|
(円)
|
1,670
|
1,691
|
1,583
|
2,345
|
2,314
|
(注) 1.1株当たり配当額及び配当性向については配当を実施しておりませんので、記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第10期の期首から適用しており、第10期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.最高株価及び最低株価は2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、同日以降は東京証券取引所(グロース市場)におけるものであり、2022年9月22日以降の株価につきましては、東京証券取引所(スタンダード市場)におけるものであります。また、2024年9月27日以降の株価につきましては、東京証券取引所(プライム市場)におけるものであります。それ以前は東京証券取引所(マザーズ)におけるものであります。
4.当社は従業員等へのインセンティブプランとして信託を通じて自社の株式を交付する株式報酬制度を導入しております。第11期以降の1株当たり情報の算定に用いられた期末発行済株式数及び期中平均株式数からは、本制度により信託が所有する当社株式の数を控除しております。
5.第11期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
6.第11期の自己資本利益率及び株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
7.第13期における経営指標の大幅な増加は、主として2025年7月1日に子会社であった株式会社PKSHA Workplace及び株式会社PKSHA Communicationを吸収合併したことによるものであります。
2 【沿革】
2012年10月
|
東京都新宿区に機械学習技術を用いたデータ解析事業を事業目的とした、株式会社AppResearch(資本金1,000千円)を設立
|
2013年2月
|
アルゴリズムモジュール(注1)「予測モジュール<Predictor>」を開発
|
2013年6月
|
本店所在地を東京都文京区本郷七丁目「東京大学産学連携プラザ」に移転
|
2013年11月
|
アルゴリズムモジュール「強化学習モジュール<Reinforcer>」を開発
|
2014年2月
|
本店所在地を東京都文京区本郷七丁目「東京大学アントレプレナープラザ」に移転
|
2014年3月
|
アルゴリズムモジュール「推薦モジュール<Recommender>」を開発
|
2014年8月
|
株式会社AppResearchから株式会社PKSHA Technologyに商号変更
|
2014年12月
|
アルゴリズムモジュール「異常検知モジュール<Detector>」を開発
|
2014年12月
|
アルゴリズムモジュール「テキスト理解モジュール<Dialogue_1>」を開発
|
2015年3月
|
アルゴリズムモジュール「画像/映像解析モジュール<Recognizer>」を開発
|
2015年10月
|
アルゴリズムモジュール「対話モジュール<Dialogue_2>」を開発
|
2015年10月
|
CRM領域のアルゴリズムソフトウエア(注2)「CELLOR(セラー)」をリリース
|
2016年10月
|
カスタマーサポート領域のアルゴリズムソフトウエア「BEDORE(ベドア)」をリリース
|
2016年10月
|
BERODE事業(自然言語処理技術を用いたカスタマーサポートソリューション)を会社分割により子会社化。東京都文京区本郷二丁目に株式会社BEDORE設立
|
2016年12月
|
動画像認識領域のアルゴリズムソフトウエア「HRUS(ホルス)」(注3)をリリース
|
2016年12月
|
業務拡張のため、本社を東京都文京区本郷二丁目「本郷瀬川ビル」に移転
|
2017年9月
|
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場
|
2018年7月
|
株式会社Sapeetの株式を取得し子会社化
|
2019年7月
|
株式会社アイテック(注4)の全株式を取得し子会社化
|
2021年5月
|
株式会社アシリレラの株式を取得し子会社化
|
2021年6月
|
株式会社PRAZNAの全株式を取得し子会社化
|
2022年4月
|
子会社である株式会社BEDORE、株式会社PRAZNAをそれぞれ株式会社PKSHA Workplace、株式会社PKSHA Communicationに商号変更
|
2022年9月
|
東京証券取引所スタンダード市場に上場市場を変更
|
2023年1月
|
子会社である株式会社アシリレラを株式会社PKSHA Associatesに商号変更
|
2024年5月
|
株式会社トライアンフの株式を取得し子会社化
|
2024年9月
|
東京証券取引所プライム市場に上場市場を変更
|
2024年10月
|
子会社である株式会社Sapeetの株式を一部売却し関連会社化
|
2025年7月
|
当社が、子会社である株式会社PKSHA Workplace、株式会社PKSHA Communicationを吸収合併
|
2025年8月
|
株式会社サーキュレーションの株式を取得し子会社化
|
(注1)「アルゴリズム」とは、コンピューター上における課題解決の手順・解き方をいい、「モジュール」とは、汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものであり、ソフトウエアを構成する個々の構成要素(機能ごとのプログラムのまとまり)をいいます。当社において「アルゴリズムモジュールとは、アルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたものと定義しております。
(注2)アルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエアを指します。
(注3)2018年10月に「PKSHA Vertical Vision(パークシャヴァーティカルビジョン)」から「HRUS(ホルス)」へと改称しております。
(注4)株式会社アイドラを含むグループ3社は、2020年1月1日付けで株式会社アイドラ及び昭立工業株式会社を消滅会社、株式会社アイテックを存続会社とする吸収合併を行っております。
3 【事業の内容】
当社グループ(当社、子会社15社、関連会社及び共同支配企業7社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。
技術分野としては、主に自然言語処理、音声認識、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの研究開発、ソリューション提供及びソフトウエアプロダクトの拡販を通じて、顧客企業の業務の自動化・半自動化を通じた業務効率化、又はサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。
当社グループは、AI Research & Solution事業、AI SaaS事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されております。
(1)AI Research & Solution事業
アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、連結子会社においては、実オペレーションを通じた製品・サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。さらに、人事領域やフリーランス領域の事業を展開する連結子会社において、AI技術を活用した各ソリューションの高度化や機能拡張を実践しております。
(2)AI SaaS事業
AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するAI SaaSプロダクトを販売しております。当事業は自動応答エンジン「PKSHA ChatAgent」や「PKSHA VoiceAgent」、FAQシステム「PKSHA FAQ」、RPAソフトなどのプロダクト群を展開しております。企業における「顧客接点」及び「社内業務」領域向けにAI SaaSプロダクトを提供することで、労働力不足を背景とした業務の自動化/高度化ニーズの高まりの中、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や課題解決のサポートをしております。
[アルゴリズムモジュールの内容と販売形態]
(1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて
当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは、以下のとおりであります。
アルゴリズムモジュール名
|
機能
|
利用用途(例)
|
テキスト理解モジュール <Dialogue_1>
|
テキストデータの意味理解 例:テキスト内容を理解、テキストを 分類・類型化
|
社内文書からの特定文書の抽出 コールセンターログの分析・見える化
|
対話モジュール <Dialogue_2>
|
自然言語処理技術での対話・応答の制御 例:最適な対話シナリオを選択、音声 認識への拡張も可能
|
チャット上の自動対話 ロボットとの自動対話
|
画像/映像解析モジュール <Recognizer>
|
画像・映像データ内の物体認識 例:カメラ等のイメージングデバイス の知能化技術
|
店頭カメラの自動認識機能
|
推薦モジュール <Recommender>
|
レコメンデーションによる情報出しわけ 例:ユーザーの好みに合わせてコンテ ンツを推薦
|
ECサイト上の商品推薦 ウエブサイト上の情報推薦
|
予測モジュール <Predictor>
|
時系列情報に対して未来予測を行う 例:過去の行動履歴からの行動予測
|
ECサイトのユーザーの購買予測 金融機関での与信スコアの構築
|
異常検知モジュール <Detector>
|
異常値の検知 例:機器の故障検知、不適切コンテン ツの検知
|
工場の検品処理の自動化・半自動化
|
強化学習モジュール <Reinforcer>
|
行動履歴から学習を行う 例:行動履歴を解析し行動を選択する
|
顧客シナリオの自動・半自動選択 行動選択の自動・半自動化
|
アルゴリズムモジュールの販売形態は、AI Research & Solution事業では、主に顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込む形態、AI SaaS事業では、自社のソフトウエアに組み込みアルゴリズムソフトウエアとして販売する形態となっております。なお、収益構造は、いずれの場合でも同様に初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されておりますが、AI Research & Solution事業では、当社グループのアルゴリズムモジュールを組み合わせたカスタマイズ開発を経て、アルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。
(2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて
当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、AI SaaS事業では、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。
① 「顧客接点」領域
ユーザーから入力されたテキスト及び音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。製品としては自動応答エンジン「PKSHA ChatAgent」や「PKSHA VoiceAgent」、FAQシステム「PKSHA FAQ」などがあります。
② 「社内業務」領域
業務関連の質問として入力されたテキスト及び音声を当社システムにて認識し、自動で回答することで、社内業務の効率化/高度化を実現します。さらには業務部門に特化した自動化ソフトウエアを提供することで、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現します。製品としては自動応答エンジン「PKSHA ChatAgent」やRPAソフト、AI議事録「Yomel」などがあります。
(3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴
当社グループがアルゴリズム開発に用いる機械学習技術について、特徴を以下のとおりご説明いたします。
機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。
特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。
[一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い]
このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。
また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。
(4)事業の特徴
当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。
① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携
当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。
② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率
アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。
③ SaaSモデルとしての高い収益率
当社グループは、前述のとおり、複数のアルゴリズムソフトウエアを開発し、当ソフトウエアを主に月額課金の形態にて提供しております。解約率が低いことから、新規ユーザーの増加に従い収益がストック型で逓増するモデルとなっており、高い収益率を維持しております。
④ エンジニア・研究者の獲得・育成
機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。
⑤ 組織構造等
当社グループは、各業界が持つ自動化や高品質化のニーズに対するソリューションを、アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで効果的・効率的に実現することを目指しており、そのために必要なアルゴリズムモジュール群を保有していること、及びエンジニア中心の組織構造を構築していることが、当社事業の独自性であると認識しております。
<事業系統図>
用語解説
本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。
用語
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用語の定義
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アルゴリズム
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コンピューター上における問題を解くための手順・解き方
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モジュール
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汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたもの
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アルゴリズムモジュール
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アルゴリズムを再利用可能な形でプログラムとしてひとまとまりにしたもの
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アルゴリズムソフトウエア
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アルゴリズムモジュールを用いて構築されたソフトウエア
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機械学習技術
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人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピューター自身が予測・判断を行うための技術・手法
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自然言語処理技術
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人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術
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ニューラルネットワーク
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生物の神経ネットワークの構造と機能を模倣するという観点から生まれた、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル
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深層学習技術
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ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では、教師データの特徴をどう数値化するかを人間が定義する必要があったが、ディープラーニングではアルゴリズムによって教師データの特徴を数値化できるため、複雑な特徴を表現することが可能
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教師データ
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機械学習を行う上で学習の元となるデータ
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CRM
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顧客関係管理(Customer Relationship Management(CRM))。顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法
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AI
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Artificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピューターシステム
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IoT
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Internet of Things の略称。コンピューターに限らず、家電製品や自動車等のハードウエア機器をインターネットに接続し、情報をやり取りすることで生まれるイノベーションの総称
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エンジン
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コンピューターを使用し、さまざまな情報処理を実行する機構
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4 【関係会社の状況】
名称
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住所
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資本金又は 受入出資額 (千円)
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主要な事業 の内容
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議決権の所有 (又は被所有) 割合(%)
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関係内容
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(子会社)
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株式会社アイテック (注)2、5
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東京都文京区
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10,000
|
AI Research & Solution事業
|
100.0 [100.0]
|
役員の兼任(1名) 業務委託
|
株式会社PKSHA Associates (注)2
|
東京都渋谷区
|
14,520
|
AI SaaS事業
|
100.0
|
役員の兼任(1名) 業務委託 管理業務受託
|
株式会社トライアンフ (注)2
|
東京都渋谷区
|
30,000
|
AI Research & Solution事業
|
100.0 [100.0]
|
役員の兼任(1名) 業務委託 管理業務受託
|
株式会社サーキュレーション (注)2
|
東京都渋谷区
|
900,203
|
AI Research & Solution事業
|
100.0
|
―
|
その他11社
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
(関連会社及び共同支配企業)
|
|
|
|
|
|
PKSHA SPARXアルゴリズム 1号投資事業有限責任組合
|
東京都港区
|
5,900,000
|
AI Research & Solution事業
|
50.0
|
―
|
PKSHA アルゴリズム 2号投資事業有限責任組合
|
東京都文京区
|
5,266,400
|
AI Research & Solution事業
|
50.0
|
―
|
株式会社Sapeet (注)3
|
東京都港区
|
10,000
|
AI Research & Solution事業
|
36.0
|
業務委託
|
その他4社
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.有価証券報告書の提出会社であります。
4.「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の[内書]は間接所有であります。
5.株式会社アイテックについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
|
(単位:千円)
|
名称
|
株式会社アイテック
|
売上高
|
5,809,874
|
経常利益
|
824,771
|
当期純利益
|
550,069
|
純資産額
|
2,355,627
|
総資産額
|
3,444,775
|
(注) 主要な損益情報等は、日本基準に基づく金額を記載しております。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年9月30日現在
セグメントの名称
|
従業員数(名)
|
AI Research & Solution事業
|
656
|
( 92)
|
AI SaaS事業
|
300
|
( 25)
|
全社(共通)
|
45
|
( 6)
|
合計
|
1,001
|
( 123)
|
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は特定のセグメントに区分できない、管理部門に所属しているものであります。
3.前連結会計年度末に比べ「従業員数」が318名、「臨時従業員数」が11名それぞれ増加しておりますが、業容の拡大に伴い期中採用が増加したこと、及び株式会社サーキュレーションが子会社となったことによるものであります。
(2) 提出会社の状況
2025年9月30日現在
従業員数(名)
|
平均年齢(歳)
|
平均勤続年数(年)
|
平均年間給与(千円)
|
366
|
36.1
|
1.5
|
9,228
|
セグメントの名称
|
従業員数(名)
|
AI Research & Solution事業
|
95
|
AI SaaS事業
|
226
|
全社(共通)
|
45
|
合計
|
366
|
(注) 1.従業員数は、当社から子会社への出向者を除いた就業人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は特定のセグメントに区分できない、管理部門に所属しているものであります。
4.前事業年度末に比べ従業員数が246名増加しておりますが、主として当社が当社の子会社であった株式会社PKSHA Workplace及び株式会社PKSHA Communicationを吸収合併したことによるものであります。なお、平均勤続年数の算定においては、当該合併により増加した従業員について合併時点からの勤続年数を用いているため、前事業年度に比べ平均勤続年数が短縮しております。また、平均年間給与の算定においても、当該合併により増加した従業員を含めているため、前事業年度に比べ減少しております。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度
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管理職に占める 女性労働者の割合 (%)(注1)
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男性労働者の 育児休業取得率(%) (注2)
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労働者の男女の 賃金の差異(%)(注1)
|
全労働者
|
正規雇用 労働者
|
パート・ 有期労働者
|
8.1
|
90.0
|
67.0
|
73.1
|
200.3
|
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 子会社
当事業年度
|
名称
|
管理職に占める 女性労働者の割合(%) (注1)
|
男性労働者の 育児休業取得率(%)(注2)
|
正規雇用 労働者
|
パート・ 有期労働者
|
㈱アイテック
|
11.5
|
―
|
―
|
㈱トライアンフ
|
63.9
|
―
|
―
|
㈱サーキュレーション
|
10.0
|
88.9
|
―
|
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規程に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号より算出した、当事業年度に配偶者が出産した労働者数に対して、当事業年度に育児休業を取得した労働者数の割合であります。
3.その他の子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務がない、又は同公表義務に基づく公表項目としてこれらを選択していないため、記載を省略しております。