第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府の各種経済政策や日銀による金融緩和等により、雇用情勢、個人消費については緩やかな持ち直しがみられたものの、米国では新政権の政策による不透明感や、欧州では英国のEU離脱問題に伴う影響等により、先行きは不透明な状況が続いております。

 当社を取り巻く事業環境につきましては、有料動画配信市場の成長、スマートフォンやタブレット端末の普及や通信インフラの発達によるスマートフォンゲーム市場は多様化・拡大を続けております。また、人気コンテンツの映画化やアニメ化、舞台化等の増加により、業界自体の収益機会の拡大も期待されています。

 このような環境の中、当社はこれまでの方針を継続し、世界各国の顧客ニーズに合わせた商品開発、映画・アニメの公開ムーブメント等に合わせた商品投下に力を入れると共に、オリジナルコンテンツによる製品開発に特に注力してまいりました。

 事業面では、卸売販売につきましては、国内において、既存の男性顧客向けフィギュア製品は、新しいヒット作に恵まれず、コンテンツに大きく左右される結果となりました。

 一方で、オリジナルコンテンツである「フレームアームズ・ガール」を中心に、「フレームアームズ」「モデリング・サポート・グッズ」「メガミデバイス」等、オリジナルコンテンツ製品の拡充を図り、販売面では、大手量販店をはじめとした流通や売り場づくりなどの協力体制を構築・展開したことにより、業績に貢献しました。

 海外では、北米・欧州地域において平成28年12月に公開されたスター・ウォーズ最新作映画「ローグ・ワン」の公開に合わせ、新作キャラクターを含めたスター・ウォーズ関連製品を展開いたしましたが、映画「スター・ウォーズ」のスピンオフ作品ということもあり、当カテゴリーの販売実績は昨年を下回る結果となりました。

 アジア地域におきましては、国内と同様に「フレームアームズ・ガール」シリーズなどのオリジナルコンテンツ製品を中心としたプラモデル製品が好調な結果となりました。

 直営店舗による小売販売につきましては、他社との差別化として直営店舗限定商品やノベルティーアイテムの開発を積極的に推進いたしました。

 コトブキヤ秋葉原館におきましては、利益率の高い自社製品の販売に注力する方針を推進すると共に、効率的な仕入れ体制を構築するためのバイヤー制度の導入を行い、販売の効率化を推進いたしました。

 また、ECサイトによる通信販売におきましては、オリジナルコンテンツである「フレームアームズ・ガール」シリーズのヒットにより、売上は好調に推移いたしました。

 さらに、初の映像制作事業としてオリジナルコンテンツ「フレームアームズ・ガール」を利用したアニメーション作品の製作を行いました。平成29年4月から放送局BS11およびTOKYO MX、AT-X、インターネット動画配信サービス各社にて放映を開始し、製品等の販売に大きく寄与いたしました。また、他企業へのライセンスアウトによるコンテンツの成長やライセンス収入の増加など、多方面での可能性が見えて参りました。

 利益率の高いオリジナルコンテンツを主軸とした国内販売の業績は好調に推移いたしましたが、北米・欧州地域における商品の飽和状態により海外販売代理店からの受注が減少しました。
 また、当期は本社移転に伴う減価償却費の増加、自社製品に係るアニメーション映像制作に伴う貸倒引当金繰入及び広告宣伝費を販売費及び一般管理費として計上いたしました。

 

 以上の結果、当事業年度の売上高は8,008,911千円(前期比1.2%減)、営業利益は472,753千円(前期比35.5%減)、経常利益は435,648千円(前期比30.9%減)、当期純利益は251,307千円(前期比36.9%減)となり、減収減益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況 

  当事業年度末において現金及び現金同等物は、期首残高の494,252千円から275,529千円減少し、期末残高が218,723千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加130,771千円やたな卸資産の増加90,774千円による減少があった一方で、税引前当期純利益435,616千円、減価償却費771,530千円、未収消費税等の減少153,989千円等による資金の増加を主な要因として、1,051,018千円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出699,628千円、無形固定資産の取得による支出103,191千円等による資金の減少を主な要因として、931,451千円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入の900,000千円による資金の増加があった一方で、長期借入金の返済による支出の656,685千円、社債の償還による支出90,000千円等による資金の減少を主な要因として、394,625千円の支出となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社はホビー関連品製造販売事業のみ単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

(1) 生産実績

当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。

                                          (単位:千円)

セグメントの名称

当事業年度
(自 平成28年7月1日
至 平成29年6月30日)

前年同期比(%)

ホビー関連品製造販売事業

4,186,632

93.1

合計

4,186,632

93.1

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。

                                          (単位:千円)

セグメントの名称

当事業年度
(自 平成28年7月1日
至 平成29年6月30日)

前年同期比(%)

ホビー関連品製造販売事業

783,882

112.1

合計

783,882

112.1

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績を販路別、製品形態別に示すと、次のとおりであります。

                              (単位:千円)

販路・製品形態

当事業年度
(自 平成28年7月1日
至 平成29年6月30日)

前年同期比(%)

  フィギュア

1,307,760

92.1

  プラモデル

1,718,025

153.0

  雑貨

435,587

54.2

国内卸売販売計

3,461,372

103.4

  フィギュア

1,600,396

72.8

  プラモデル

289,647

130.4

  雑貨

62,604

38.0

海外卸売販売計

1,952,648

75.5

小売販売

2,516,424

116.0

その他

78,465

792.8

合計

8,008,911

98.8

 

(注) 1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

 

相手先

前事業年度
(自 平成27年7月1日
至 平成28年6月30日)

当事業年度
(自 平成28年7月1日
至 平成29年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

宮沢模型㈱

1,160,372

14.3

1,301,530

16.3

KOTO, INC.

1,279,893

15.8

841,159

10.5

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社は企業価値の向上を目指すとともに、新しい成長への道を歩むため、以下の事項を対処すべき課題ととらえ、その対応に取り組んでまいります。

 なお、文中の将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)優秀な人材の育成

  常に変化し続ける環境の中、将来を担う人材の育成は最も重要なテーマであり、全力で取り組むべき課題であります。そのため採用体制を強化して優秀な人材を獲得して参ります。また、研修制度の充実により、柔軟な変化対応力を持つ人材を育成するとともに、それぞれの個性を活かす人材教育を推進する方針であります。

 

(2)海外展開の強化

  当社は、国内市場における継続的な事業の拡大を図っておりますが、中長期的な視野から当社の更なる成長を図るには、海外市場での事業展開の強化が重要であると考えております。
 現在のところ、北米、アジアの2大市場を主なターゲットとし、事業展開を進めております。今後は、販売体制の整備や、海外向け製品の開発を推進するとともに、アジア諸国における販売拠点の確立などにも注力し、より一層海外展開を推進していく方針であります。

 

(3)製品開発

 当社のビジネス拡大のためには、現在対象としている顧客層のニーズに応えられる商品開発を推進するとともに、潜在顧客への販売が期待できる新規コンテンツを発掘するための幅広い市場調査を行い、新たな商品開発を行う必要があると考えております。
 今後は、既存市場や商品概念にとらわれないオリジナルライセンス製品や雑貨商品等をハイクオリティーで開発できるよう、商品企画能力を強化して参ります。
 そして、これまでの販売形態にとらわれず、新規顧客を継続的に獲得し増加させていくため、異業種などとのコラボレーションも積極的に取り入れていく方針であります。
 なお、既にネクタイ等の服飾雑貨の新規商品開発を行っており、新規市場で販売を行っております。

 

(4)コストの削減

 自社製品を海外で製造し、海外卸売業者への販売量が多い当社のビジネスモデル上、為替相場の変動、製品原材料費や製造委託費、製造委託会社の人件費の高騰が、業績に影響を及ぼす懸念があります。従って、為替相場の変動等による仕入原価の上昇が引き起こされた場合でも、安定した収益の確保が出来る体制づくりが重要であると考えており、自社製品化にあたっては、機能や品質の追求はもちろんのこと、製品設計、外注加工費、製造効率、流通などの見直し・検討を定期的に行い、収益力の向上を図っていく方針であります。既に金型においては、徐々にスチール製金型からアルミ製金型にシフトすることで原価の低減が図られております。

 

(5)製造拠点の拡充

 現在、当社製品は主に中国にある外部委託先にて製造されておりますが、中国における人件費の上昇により製造コストは拡大傾向にあり、製造拠点としての優位性は揺らぎつつあります。当社の業績向上のためには、製品製造能力の向上が不可欠であると考えており、今後は中国以外の製造拠点となる候補地として、ベトナムやタイ等のアジア地域での外部製造拠点開拓も視野に入れ、製造拠点の拡充を図っていく予定であります。

 

(6)新規出店の推進

 事業拡大を目指す中、主要都市への新規出店は集客及び収益増を図るため、多店舗展開をしていく上での重点課題であります。今後につきましては、事業運営の効率性を勘案しつつ、十分な市場調査を行い、他地域への出店も推進していく方針であります。

 

(7)版権戦略

 ホビー商品の開発・製造においては、ゲーム、アニメ、映画等の人気コンテンツにおける版権の取得が重要であります。当社は、フィギュア等の制作におけるハイクオリティーな再現力・表現力について版元から高い評価を獲得しており、こうした実績を着実に積み上げることによって、次の版権取得への足掛かりとしてきました。また、版権取得において当社が重要視しているのが国内外におけるイベントへの出展であり、フィギュア等における高い再現力・表現力を直接その場で版元に披露することにより版権の取得へと繋げております。こうした施策に加え、当社自らが版元(コンテンツ製作者)となり、他社へ版権を販売(ライセンスアウト)してロイヤリティー収入を上げるビジネスモデルへの取り組みを開始しており、自社コンテンツを含め、今後も継続的に版権を取得するための施策を実施していく方針であります。

 

(8)自社コンテンツ製品への取り組み

 人気の他社コンテンツを中心とした版権取得に加え、利益率の高い自社コンテンツ製品の開発・製造についても継続的に注力しております。平成27年7月には、中国政府文化部及びCCG EXPO主催社より、中国最大規模のアニメ・マンガ・ゲームの総合イベント「上海CCG EXPO 2015」にて当社オリジナルプラモデルシリーズである「フレームアームズ・ガール」が「最人気海外プラモデル賞」を受賞するなど、自社コンテンツの開発・製造においても着実に実績を積み上げてきております。
 今後は、従来から人気のあるコンテンツである海外キャラクター(ハリウッド映画、アメリカンコミック等)を中心に北米、EU諸国への販売を強化すると共に、日本とカルチャー的な側面で親和性の高いアジア諸国へ自社コンテンツを売り込み、より一層の販路拡大を図って参ります。

 

4 【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示をしております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
 

(1) 製造形態について(ファブレス型の企業であることについて)
 当社は、自社に製造施設を持たないファブレス企業であり、自社製品の製造については主に中国広東省に所在する製造拠点に委託しております。このようなファブレス型のビジネスモデルを採用することにより、自社製品の製造に係る設備や人員といった固定費の負担が少なく、ラインの管理・立ち上げ等の費用を負担することも不要であり、営業活動と企画開発に経営資源を集中し、外部環境の変化、技術革新等への機敏な対応をとれるといったメリットがあります。しかし、当社が採用するファブレス型の製造形態に関連し、以下のリスクが考えられます。

 

a.特定の外部委託先への依存について
 当社製品であるフィギュア等の製造は、主に中国にある外部委託先に依存しております。当社としては、中国以外のアジア地域に製造委託先を開拓し製造拠点の拡充を図っていく方針ではありますが、現時点において中国以外に主要な製造拠点を有しておりません。そのため何らかの理由により、外部委託先における取引方針の変更、収益構造の悪化、供給能力ダウン、品質問題の発生、事業活動の停止等が発生した場合、当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。

b.中国に関するリスク
 当社製品の製造は、上記のとおり主に中国にある外部委託先にて製造されています。そのため当該地域に関係する市場リスク、信用リスク、地政学的リスクは当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。また、中国の経済情勢等の変化により現地で調達される原材料費や人件費が当社の想定を超えて上昇した場合には、当社の仕入原価を押し上げ、当社業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(2) 版権管理について

 当社では、第三者が権利を保有する版権の使用許諾に係るロイヤリティーを支払い、ホビー関連品の製造・販売を行っております。特に、海外市場において好評を博しているアメリカンコミックス系、映画系などのコンテンツは当社の事業運営上重要であり、今後も継続して版権を保持できるよう常に品質向上に努め、版元に認められるメーカーであり続けるべく事業を展開しております。
今後、当社の事業運営上重要と位置付けられる版権の使用許諾に係るロイヤリティーの値上げ、版元(版権保有者)との予期せぬ契約の解約等が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
加えて、特に海外版元との契約においては、商慣習等の違いにより版権に係る契約条文の解釈の相違等が発生しやすく、追加的なロイヤリティーの支払などの事後的な対応を求められる場合があります。当社としては事後的なトラブルの発生を回避すべく海外・国内問わず版元との全契約において法務チェックの徹底を図っておりますが、版元との契約において当社の予期せぬトラブルが発生した場合には、違約金の遡及支払等が発生する可能性があり、同時に当社の業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 法的規制について

 当社事業は「知的財産法」「製造物責任法」「不当景品類及び不当表示防止法」「公正競争規約」「特定商取引に関する法律」等による法的規制を受けております。
当社は社内の管理体制の構築によりこれら法令を遵守する体制を整備し、同時に個人を含む取引先に対しても契約内容にこれらの法令遵守条項を盛り込んでおりますが、法令に違反する行為が行われた場合若しくは、法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には、当社の事業及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(4) 季節要因、流行の変化・景気の変動等が経営成績に与える影響について

 当社の取り扱う製商品の性質上、個人消費の季節性に影響を受ける傾向にあり、具体的には長期休暇時やクリスマスを含む年末・年始には業績が伸長する傾向にあります。

 また、流行の変化や景気の変動の観点では、当社が扱うキャラクター等のホビー関連品は流行の変化が速く、製商品のライフサイクルが短い傾向があります。当社はこれらに対応するため新規の自社製品を常に企画、製造、販売しておりますが、企画から販売に至るまで約1年を要することから顧客嗜好の変化に対応した製品を提供できない場合や提供が遅れた場合、景気の急激な悪化により消費者の購買活動が大きく停滞した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。併せて、アメリカンコミック系やハリウッドを中心とした映画系など、ライフサイクルが比較的長いコンテンツの製品の場合でも、時間の経過とともに販売数量が減少していくことが想定されます。例えば、当社が取り扱う主力製品のスター・ウォーズ関連フィギュアや雑貨は、当社におけるロングセラー製品の代表格であり、従来から安定して世界各国において需要が存在しております。新作映画の公開に代表されるムーブメント直後の関連製品は好調な売れ行きを示す場合がありますが、一定期間を経過すると販売数量は減少する傾向にあります。当社売上の7割を占める卸売事業が基本的に受注モデルとなっていることもあり、販売数量(市場需要数)と製造数量を大きく見誤り多量の在庫を抱えるといった事態を回避すべく取り組んでおりますが、製造した製品の評価減や廃棄損等を止むを得なくなる場合にも当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) テレビアニメーションの制作について

 当社は、平成29年6月期より、自社開発コンテンツを活用したアニメーション番組の企画・制作に係る取組を開始ししており、テレビ放送枠を買い切り、放送することで、コンテンツの価値を高めるよう努めております。ただし、アニメの投資金額に対する収入は当該コンテンツのプラモデルやフィギュア等の製品販売や、放映権の販売、DVD、BD(ブルーレイディスク)の販売に伴うライセンス料に影響しており、番組が視聴者の嗜好に合致せず、当初計画した収入が得られない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(6) 少子化について

 当社の主要な販売製商品は、男女を問わず、主に10代~40代までの年齢層を主なターゲットとしております。

少子化の進行により、日本国内でみれば中長期的には若年層顧客の減少が見込まれますが、当社は10代の若年層のみならず、30代・40代までをもメインターゲットとした製品の企画・製造に努めるとともに、女性やライトユーザーをターゲットとした製品投入も積極的に行うことにより、顧客ポートフォリオの拡充を図ることによって少子化の影響を受けにくい体制構築を目指しております。

 しかしながら、当社の想定以上に、日本国内の少子化が急速に進行し、玩具や模型等の市場が著しく縮小した場合には当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(7) 競合について

 当社の取扱うフィギュア等の玩具、模型等については、映画、コミック、ゲーム等のキャラクターに関する製品化権(版権)を版権元より取得し、当社が企画等を行った上で販売しておりますが、版権契約は当社1社の独占契約ではないため、同一のキャラクターに関して同業他社が製造する商品と競合する可能性があります。
 当社は、これらキャラクター等を立体で再現するべく、細部まで造り込みまた塗装による色彩表現の品質を確保し製品化することで、同業他社商品とは異なる観点から差別化が図られているものと認識しております。
 また、当社のインターネット販売事業においては、製品の流通チャネルの多様化及び、迅速な販売等を実施することで同業他社との差別化を図ることを方針としております。しかしながら、インターネット通信販売市場の拡大に伴い、更なる競争の激化が予想されます。今後、激化する市場環境において、同業他社が新たな高付加価値サービスを提供した場合には当社の競争力が低下する可能性があります。

 

 

(8) 海外事業展開について

  当社では、中長期的な視野から海外市場での事業展開の強化が重要であると考えており、現在、北米、アジアの2大市場を主なターゲットとし、北米においては、KOTO,INC. との間で独占販売契約を締結しています。KOTO,INCは、平成12年3月、北米での販売強化を目的として当社子会社として設立した会社でありますが、KOTO,INCの社長によるMBOの意向があり、自立による営業力の強化が当社の収益拡大に繋がると判断し、当社保有の同社株式を同社社長に譲渡したため現在では当社子会社ではなくなっておりますが、現時点でも北米地域における販売代理店としての機能を果たしております。
 今後におきましても、販売体制の整備、海外向け自社製品の開発を推進する等、より一層の海外展開を推進していく方針であります。ただし、海外においては、為替リスクに加えて、不安定な政情、文化や慣習の違い、特有の法制度、税制変更に加えて、模倣品等の知的財産に関するリスク等が存在するものと考えております。そのため、各国の政治、経済、法制度等に急激に変更が生じた場合は、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(9) 為替相場の変動について

 「(1)製造形態について」にて記載のとおり、当社製品の製造は、中国にある外部委託先にて製造されドル建てで当社に輸入されているため、為替相場の影響を受けております。一方、当社は海外へドル建てで輸出しておりますが、現状では輸入の方が輸出よりも多くなっております。当社では、当該為替変動リスクを軽減するため、為替予約を行う等為替変動の影響の軽減に努めておりますが、為替の状況によっては、仕入価格・販売価格に影響が及び、また、これらの価格変動に起因して販売数量等が変動する事により、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(10) 個人情報保護等について
 当社は個人情報を含む多数の顧客情報及び機密情報を取得し管理しております。
当社は、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報保護規程等を制定し、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。
 当社が保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性を限りなく低下させるべく情報管理体制の構築に努めておりますが、万が一これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社への損害賠償請求、当社の信用の低下等によって、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) システム障害におけるリスクについて
 当社は、ECサイト運営においてコンピューターシステムを利用しているため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、また、設備の不備、開発運用ミス、電力供給の停止等の予測不能な様々な要因によってコンピューターシステムがダウンした場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
 また、当社のコンピューターシステムは、外部からの不正アクセスを回避するべく適切なセキュリティ体制の構築・整備に取組んでおりますが、コンピューターウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(12) 知的財産権等に関するリスク

 当社では、「KOTOBUKIYA」に関連する商標権を所有しており、第三者からの知的財産権の侵害が行われぬよう取り組んでおりますが、第三者による当社の知的財産権の侵害があった場合には当社のブランドイメージの低下、また、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合における第三者への賠償義務の発生により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 特定人物への依存について
 当社の代表取締役社長である清水一行、取締役副社長である清水浩代は、当社事業戦略を推進する上で重要な役割を果たしております。当社といたしましては、上記2名に過度に依存しない事業体制を構築すべく、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により2名が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 人材の確保及び育成について
 当社は、今後の事業拡大を図るため、継続した人材の確保が必要と考えており、優秀な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めていく方針であります。特に高いITスキルを有する人材、また海外展開を行う上で外国語の高い語学力を有する人材の採用強化を図ります。しかしながら、優秀な人材の確保が計画通りに進捗しない場合または在籍する人材の多くが流出する等の事態が生じた場合には、競争力の低下や計画通りの事業拡大に影響が生じ、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(15) 自然災害、事故等のリスクについて
 当社が業務委託している外部の製造工場、倉庫、及び当社が運営している店舗施設の周辺地域において、大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生し、製造工場、倉庫、店舗施設に物理的に障害が生じる可能性があります。また、これら天災・事故等により当社の販売活動や物流、仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合は、通常の事業活動ができなくなり、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(16) 物流業務の外部委託について
 当社の物流業務の内、現在は主にインターネット販売の入出庫業務、店舗物流の商品出荷業務、商品保管業務を外部倉庫業者へ委託しております。外部倉庫業者は、各業務に関連し通信回線にてデータの授受を行っているため、何らかの通信障害やシステム障害にて通信が不能となった場合、上記の委託業務に影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な震災やその他の不可抗力により外部倉庫業者からのサービス提供の中断、停止が生じた場合や外部倉庫業者の業務継続が困難になった場合には、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 減損会計の適用について
 当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、店舗を基本単位としてグルーピングしております。
 従って、店舗環境の変化や経済環境の変化等の要因により店舗ごとの収益性が損なわれた場合、固定資産について減損損失を認識する必要があり、当該減損損失の計上により当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(18) 有利子負債について

  当社における、平成28年6月末時点の有利子負債依存度は61.8%、平成29年6月末時点の有利子負債依存度は56.5%となっております。有利子負債は、毎期継続的に発生する自社製品の製造に際して必要となる金型投資資金の確保及び平成28年6月期においてスポット的に発生した自社ビル建設資金の確保に際して、当該資金を主に金融機関からの借入金で調達したものであります。今後、自社ビルの建設に類似する資金需要は当面発生する見通しは現時点においてありませんが、自社製品の製造過程で必ず必要となる金型への投資は今後も毎期発生し、業容拡大に伴って投資額が増加することも考えられます。当社では、市場金利水準等を精査し金融機関からの資金調達コストを勘案しながら、内部留保による充当等も十分検討した上で、借入の判断をしております。当該検討プロセスの結果今後も継続的に借入が実行され、有利子負債依存度が現在から横ばいもしくは上回って推移した場合において、現行の金利水準の変動や計画通りの資金調達が達成できなかった際には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  販売代理店との契約

相手先の名称

契約名称

契約
締結日

契約期間

契約内容

KOTO, INC.

独占販売代理店契約書

平成25年7月11日

平成25年7月11日から
平成30年7月10日まで

(以後1年毎の自動更新)

当社製品を、米国、カナダ、メキシコにおいて独占的に販売する権利の付与

 

 

 

6 【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

  当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債ならびに会計期間における収入・費用の数値に影響を与える確かな見込みに基づく見積りにより行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの結果と異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

  当事業年度末における流動資産の残高は3,341,669千円で、前事業年度末に比べ20,984千円(0.6%)増加しております。現金及び預金の減少171,871千円、未収消費税等の減少153,989千円、売掛金の増加130,771千円、その他に含まれる立替金の増加106,700千円、商品及び製品の増加68,221千円、前払費用の増加67,357千円が主な要因であります。

(固定資産)

  当事業年度末における固定資産の残高は4,111,100千円で、前事業年度末に比べ60,367千円(1.5%)増加しております。金型等の完成による建設仮勘定の減少105,718千円、通信販売システムや基幹システムの構築のためのソフトウェアの増加90,302千円、アニメ制作による工具、器具及び備品の増加79,031千円が主な要因であります。

(流動負債)

  当事業年度末における流動負債の残高は1,997,584千円で、前事業年度末に比べ391,072千円(24.3%)増加しております。1年以内返済長期借入金の減少160,766千円、短期借入金の増加400,000千円、未払消費税等の増加99,118千円が主な要因であります。

 (固定負債)

  当事業年度末における固定負債の残高は3,572,211千円で、前事業年度末に比べ513,087千円(12.6%)減少しております。長期借入金の減少495,919千円、社債の減少50,000千円が主な要因であります。

(純資産)

  当事業年度末における純資産の残高は1,882,974千円で、前事業年度末に比べ203,367千円(12.1%)増加しております。これは利益剰余金の増加によるものであります。

 

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

 概要及び売上高につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は前事業年度に比べ191,164千円減少し、4,902,293千円となりました。これは主に、外注加工費の減少によるものであります。また、販売費及び一般管理費は前事業年度に比べ349,895千円増加し、2,633,863千円となりました。これは主に減価償却費の増加、貸倒引当金繰入額の増加、広告宣伝費の増加によるものであります。

 

(営業利益)

 上記の結果、営業利益は前事業年度に比べ259,820千円減少し、472,753千円となりました。

 

(経常利益)

 当事業年度において、受取保険金4,780千円の計上等により営業外収益を18,469千円計上いたしました。一方で、支払利息51,427千円の計上等により営業外費用を55,573千円計上いたしました。

 この結果、当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ194,928千円減少し、435,648千円となりました。

 

(当期純利益)

 当事業年度において、固定資産除却損32千円を特別損失として計上しました。また、法人税等を184,309千円計上しました。この結果、当事業年度における当期純利益は前事業年度に比べ147,049千円減少し、251,307千円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業運営体制、法的規制等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
 そのため、当社はつねに市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、経営者は、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者はつねに外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。