第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

2024年5月

売上高

(百万円)

64,658

70,131

55,145

58,195

61,555

経常利益

(百万円)

642

1,026

1,003

1,206

1,020

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

459

678

696

219

580

包括利益

(百万円)

673

779

630

128

920

純資産額

(百万円)

6,938

7,579

8,005

7,924

8,556

総資産額

(百万円)

21,425

24,322

24,086

24,568

26,557

1株当たり純資産額

(円)

2,717.81

2,969.03

3,126.18

3,097.34

3,429.08

1株当たり当期純利益

(円)

180.07

265.77

272.67

85.83

227.96

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

32.4

31.2

33.1

32.2

32.2

自己資本利益率

(%)

6.9

9.3

8.9

2.8

7.1

株価収益率

(倍)

10.8

7.6

7.1

23.4

11.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

817

911

581

2,166

878

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

33

134

27

107

1,067

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

107

137

229

209

335

現金及び現金同等物の
期末残高

(百万円)

3,012

3,652

3,975

5,825

5,300

従業員数

(名)

551

553

574

570

606

〔外、平均臨時雇用者数〕

221

230

241

257

268

 

(注) 1 従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第5期の期首から適用しており、第5期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第3期

第4期

第5期

第6期

第7期

決算年月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

2024年5月

営業収益

(百万円)

508

854

792

498

1,408

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

136

347

227

16

764

当期純利益又は当期純損失(△)

(百万円)

100

348

228

13

767

資本金

(百万円)

494

494

494

494

494

発行済株式総数

(株)

2,553,000

2,553,000

2,553,000

2,553,000

2,553,000

純資産額

(百万円)

5,816

6,026

6,024

5,802

6,281

総資産額

(百万円)

6,003

6,357

6,523

6,292

8,031

1株当たり純資産額

(円)

2,278.24

2,360.75

2,360.07

2,272.88

2,521.27

1株当たり配当額

(円)

54.00

90.00

82.00

48.00

70.00

(内、1株当たり中間配当額)

-)

-)

-)

-)

-)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

39.38

136.46

89.32

5.29

301.31

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

96.9

94.8

92.4

92.2

78.2

自己資本利益率

(%)

1.7

5.9

3.8

0.2

12.7

株価収益率

(倍)

49.2

14.7

21.7

8.9

配当性向

(%)

137.1

66.0

91.8

23.2

従業員数

(名)

20

24

27

30

29

〔外、平均臨時雇用者数〕

-〕

-〕

-〕

-〕

-〕

株主総利回り

(%)

165.5

178.6

179.6

189.2

250.4

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

106.1

133.3

135.8

155.4

206.9

最高株価

(円)

2,517

2,382

2,190

2,285

2,878

最低株価

(円)

1,061

1,419

1,715

1,467

1,863

 

(注) 1 第4期の1株当たり配当額には、当社グループの創業95周年記念配当10円を含んでおります。

2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

3 第6期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。

4 従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

5 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

6 当社従業員は、山下医科器械株式会社からの出向者を含んでおります。

7 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第5期の期首から適用しており、第5期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

当社は、1926年(大正15年)に、創業者である山下忠次郎が医療器械の販売を目的として長崎県佐世保市に山下医療器械店を興したことに始まります。1950年(昭和25年)に法人化により現在の山下医科器械株式会社を設立し、順次業容を拡大してまいりました。その後、2017年12月1日、山下医科器械株式会社の単独株式移転の方法により、持株会社である当社を設立いたしました。

当社設立以降の沿革は次のとおりであります。

 

年月

概要

2017年12月

山下医科器械株式会社が単独株式移転の方法により当社を設立

当社の普通株式を東京証券取引所市場第一部に上場

2018年6月

山下医科器械株式会社が保有する株式会社イーピーメディック、株式会社トムスの全株式を現物配当により取得し、直接子会社化

2019年12月

福岡市博多区に株式会社アシスト・メディコ(連結子会社)を設立

2020年7月

福岡市博多区に本店を移転

2021年11月

山下医科器械株式会社の持分法適用会社であった株式会社イーディライトの株式を取得し、連結子会社化

2022年2月

福岡市博多区にエムディーエックス株式会社(連結子会社)を設立

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しに伴い市場第一部からスタンダード市場に移行

2023年7月

株式会社クロスウェブの全株式を取得し、連結子会社化

2023年12月

有限会社鹿児島オルソ・メディカル(現株式会社鹿児島オルソ・メディカル)の全株式を取得し、連結子会社化

 

(注)当連結会計年度末日後、有価証券報告書提出日までに、以下の事象が発生しています。

2024年6月

持分法適用会社であったマイクロソニック株式会社の全株式を取得し、連結子会社化

 

 

 

3 【事業の内容】

当社は、持株会社として傘下グループ会社の経営管理およびそれに附帯する業務を行っております。

当社グループは、当社及び連結子会社8社、ならびに関連会社1社により構成され、中核事業である医療機器販売業では、主に、医療機器メーカーより仕入れた医療機器を、病院をはじめとする医療機関等に販売するとともに、医療機関向け各種サービス事業を行っております。

なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

当社及び当社の関係会社の事業における位置づけ及び事業セグメントとの関係は、次のとおりであります。

 

(医療機器販売業)

医療機器販売業は、一般機器分野、一般消耗品分野、低侵襲治療分野、専門分野及び情報・サービス分野の5分野から構成されます。

① 一般機器分野

汎用医療機器から高度医療機器まで、幅広い製品を取り扱う当社グループの中核事業分野であり、医療機関の様々な診療科、ならびに手術室、検査室、救急、ICU、病棟、外来等の各部署にわたって、総合的な販売活動を行っております。このうち手術室関連機器としては、手術室ユニットシステムや電気メス、手術台等の様々な手術関連機器・設備を、また診察関連機器としては、CT、MRI、超音波診断装置、その他各種診断機器等を取り扱っております。

② 一般消耗品分野

一般機器分野と同様に、医療機関の各診療科・部門で用いられる医療用消耗品材料について、幅広く販売活動を行っております。また、院内物品管理のアウトソーシングであるSPDに関する病院施設のニーズの高まりに対応するため、自社開発のWeb版物品管理システムの市場導入を進め、顧客の流通精度管理及び購買管理を支援するコンサルティング機能の充実化を図っております。当社グループでは、SPD専門の物流管理及び営業支援機関であるSPDセンターを2拠点(佐賀県鳥栖市、福岡県福岡市)設置し、同事業の強化に取り組んでおります。

③ 低侵襲治療分野

患者の身体的負担をできるだけ少なく抑える低侵襲治療に関わる医療機器を取り扱っております。低侵襲治療は、診療科目に関わらず進歩、拡大している専門性の高い治療技術であり、当社グループはこの分野を内視鏡、サージカル、IVE、IVR、循環器の5つのカテゴリーに細分類し、それぞれに専門営業スタッフを配置しております。

このうち内視鏡については、特約店契約を結んでいるオリンパス社製の電子内視鏡システムや内視鏡画像診断支援ソフトウェア等の販売・サービスを行っております。

サージカルについては、外科用内視鏡及び処置具、腹腔鏡等の鏡視下手術機器を、IVEについては、主に消化器内視鏡用の内視鏡下処置具等を取り扱っております。

また、IVRについては、X線透視下での治療を行う際の処置具等を、循環器については、心臓疾患治療に使われるペースメーカー、人工心肺装置等の機器や処置具を取り扱っております。

④ 専門分野

整形、理化学、眼科、皮膚形成・再生医療、透析の5部門で構成され、特に専門性の高い医療機器を取り扱っております。このうち整形部門では、人工関節や骨折治療材料等の整形機器及び消耗品を、理化学部門では、血液分析装置や病理検査機器、検査試薬等の理化学機器及び消耗品を専門的に取り扱っております。透析部門では、人工腎臓関連機器及び消耗品を専門的に取り扱っております。

⑤ 情報・サービス分野

電子カルテやオーダリングシステム等の医療情報システムの構築や、医療ガス配管設備工事、医療機器のメンテナンスサービス、医療廃棄物収集運搬業請負等、広範囲にわたる医療関連サービスを提供するほか、クリニックの新規開業支援も手掛けております。

また、医療機関向けの医療関連IT製品を一堂に展示した常設総合展示場である「MEDiPlaza(メディプラザ)西日本」では、専門スタッフによるITコンサルティングサービスを提供しております。

さらに、医療機関に対する経営指導・助言、M&Aや事業承継等のコンサルティング、医業経営に関する各種セミナーの開催等を行うほか、医科向け会員ネットワーク「EPARK」事業の展開、ITやRPA等の新技術を駆使した製品・サービスの開発・提供も行っております。

 

(医療機器製造・販売業)

医療機器製造・販売業では、医療機器製造販売業許可(医薬品医療機器等法上の医療機器メーカーの資格)を取得し、主として整形外科用インプラント(体内埋没型骨材料)商品を取り扱っております。自社開発商品である大腿骨転子部骨折用の髄内固定システム「アレクサネイル」(特許取得)の製造を海外の特約メーカーに委託し、販売代理店を通じて全国販売を行っております。

 

(医療モール事業)

医療モール事業では、広島県福山市において、医療クリニック、調剤薬局、デイサービス施設、フィットネスクラブ等の医療・健康関連施設への賃貸事業ならびに施設の管理・運営を行っております。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(被所有)割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

 山下医科器械株式会社

(注)1、2

長崎県佐世保市

494

医療機器

販売業

  100.00

当社から経営指導を受けております。
役員の兼任4名

株式会社イーピーメディック

福岡市博多区

35

医療機器

製造・販売業

 100.00

当社から経営指導を受けております。

役員の兼任2名

株式会社トムス

福岡市博多区

10

医療機器

販売業

 100.00

当社から経営指導を受けております。

役員の兼任1名

株式会社

アシスト・メディコ

福岡市博多区

30

 医業経営

コンサルティング

 100.00

当社から経営指導を受けております。

役員の兼任2名

エムディーエックス

株式会社

福岡市博多区

40

医療機器

販売業

 100.00

当社から経営指導を受けております。

役員の兼任2名

株式会社クロスウェブ

福岡市中央区

20

ネットワーク構築・ソフトウェア受託開発

 100.00

当社から経営指導を受けております。

役員の兼任1名

株式会社鹿児島オルソ・メディカル

鹿児島県鹿児島市

12

医療機器

販売業

 100.00

当社から経営指導を受けております。

役員の兼任2名

株式会社イーディライト

福岡市博多区

25

情報システム

企画開発

  66.00

当社から経営指導を受けております。

役員の兼任1名

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

マイクロソニック

株式会社

東京都国分寺市

30

医療機器

製造・販売業

  36.80

当社から研究開発の支援を受けております。

 

(注)1.山下医科器械株式会社は特定子会社であります。

2.山下医科器械株式会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

①売上高

681億96百万円

 

②経常利益

11億67百万円

 

③当期純利益

7億66百万円

 

④純資産

71億4百万円

 

⑤総資産

231億15百万円

 

 

 

5 【従業員の状況】

(1)  連結会社の状況

2024年5月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

医療機器販売業

556

(263)

医療機器製造・販売業

5

(-)

医療モール事業

(-)

全社(共通)

46

(5)

合計

606

(268)

 

(注) 1  従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2  従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

3  臨時従業員には、季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

4  全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。

 

(2)  提出会社の状況

2024年5月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

29

45.0

14.0

6,831,312

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

全社(共通)

29

合計

29

 

(注) 1  従業員数は、山下医科器械株式会社からの出向者を含む就業人員数であり、平均勤続年数は同社での勤続年数を通算しております。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3  全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。

 

(3)  労働組合の状況

当社には労働組合はありませんが、連結子会社である山下医科器械株式会社には2008年4月19日に結成された労働組合(UAゼンセン山下医科器械ユニオン)があり、上部団体であるUAゼンセンに加盟しております。2024年5月31日現在では841名の組合員(パートタイマー含む)で構成されております。なお、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

(4)  管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

提出会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

② 主要な連結子会社

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

山下医科器械
株式会社

3.3

18.2

38.5

58.7

46.6

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規程に基づき、「育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。