第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「貢献創造(転貸借の商慣習を変え、店舗物件のスタンダードを創造する)」を企業理念に掲げ、不動産オーナー、不動産業者、飲食店舗出店者・撤退者等に対して、敬意と感謝の念を持ち、常に初心を忘れることなく、プロフェッショナルとして、責任ある行動に尽力し、事業を展開しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、事業展開上、保有管理物件数の増加を最重要事項に位置付けております。これを踏まえ、安定的かつ継続的成長による企業価値向上を図るため、売上高、売上高経常利益率を重要な指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

 当社の展開する店舗賃貸事業につきましては、東京を中心に保有管理物件を積み上げております。東京を中心とした地域における出店需要は引き続き高く、低コストによる出店手法としての居抜きの認知も広がっており、店舗賃貸事業の拡大余地は大きいと認識しております。当社としては、より専門特化・プロフェッショナル化を図り、今後とも保有管理物件を積み上げていく方針であります。その推進に際しては、以下の項目を対処すべき課題として、取り組んでまいります。

 

① 優良物件の確保

 当社が安定的かつ着実な事業拡大を図る上では、徹底して優良な店舗物件にこだわり、保有管理物件を増加させていくことが重要であると考えております。そのため、各地域の不動産業者・自社WEBサイト「店舗買取り.com」等より物件情報を収集し、日々調査・検討を行っておりますが、更に情報入手先の多様化・関係性の強化に努め、優良物件の確保を進めてまいります。また、今後の事業展開においては、優良物件の確保に向け物件の自社所有についても取り組んでまいります。

 

② 人材の採用・教育の強化

 当社の事業は人的資源に大きく依存するビジネスモデルとなっており、当社の安定的かつ継続的成長には、店舗不動産、管理、飲食設備、法務といった専門知識及びノウハウを身に着けた優秀な人材を継続して確保・育成することが重要だと考えております。当社において必要となるスキルは希少であり、また育成に時間が掛かるため、専門の部署を設けて新卒採用及び中途採用に注力するとともに、項目別に必要なスキルを取得できる教育プログラムを随時更新しつつ実施していくことで、当社の企業理念及び経営方針を理解した、当社の成長を支える社員の育成を行っていく方針であります。

 

③ 当社及び店舗賃貸事業の認知度向上

 当社及び当社が展開する店舗賃貸事業については、一般的な認知度は低く、また、転貸借契約について、いわゆる又貸しといったネガティブなイメージを持たれることもあり、今後も継続的な成長を図るためには認知度を向上させ、本事業の魅力及び利点を訴求していく必要があると認識しております。そのため、WEBサイトでの情報発信、広告宣伝活動及びIR活動等を通じて積極的な情報開示に努めてまいります。

 

④ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化

 当社の継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は重要な課題であると認識しております。そのため、コンプライアンスを重視した企業経営を推進し、また業務運営の効率化やリスク管理の徹底など内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針でありますが、当社の経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんのでご留意ください。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境に関わるリスクについて

  当社は、不動産オーナーから賃借した店舗物件を店舗出店者に転貸する店舗賃貸事業を展開しております。また、当該店舗物件は飲食店舗に特化しております。このため、飲食業界、不動産業界に影響を与える景気動向、地価動向、不動産市況、外食産業市場動向、金融動向等の急激な変動等によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)親会社グループとの関係について

  当社の親会社である株式会社クロップスは、本書提出日現在、当社発行済株式総数の66.2%(5,579,600株)を所有しております。株式会社クロップスは、今後も当社を連結グループ子会社として資本関係を維持していく予定であります。親会社グループは、移動体通信事業を主たる事業とし、その他に店舗賃貸事業、人材派遣事業、ビルメンテナンス事業及び文具包装資材卸事業を行っており、当社は、親会社グループにおいて唯一の店舗賃貸事業を営む会社であります。当社と親会社グループとの間に競合関係、重要な取引はなく、親会社グループからの出向者はおらず、当社の事業活動に影響を与えるものはありません。株式会社クロップスの代表取締役会長前田博史が当社の非常勤取締役に就任しておりますが、当社の経営判断については、親会社の承認を必要とする事項はなく、当社が独自に検討のうえ決定し、独立性は確保していると認識しております。現在、親会社グループとの関係について大きな変更を想定しておりませんが、将来において、親会社グループとの関係に大きな変化が生じた場合は、当社の経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合について

  当社が展開する店舗賃貸事業については、物件仕入れルートの構築の難易度が高いことや、人的な先行投資が必要になりストックビジネスとして事業の収益化に長期間を要することもあって他社の参入及び展開がこれまで限定的であり、この分野において、当社は優位性を有していると認識しております。しかしながら、不動産業界等においては、大手事業者が多数存在しており、今後において、この分野に関して本格的な参入等により競合が激化した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)不測の事故・災害等のリスクについて

  当社が賃貸借している店舗物件数は1,242件(平成30年3月末現在)であり、その全てが東京都及びその近郊に集中しております。このため、これらの地域での火災、テロ、地震、津波等の不測の事故、自然災害等により店舗物件が毀損もしくは使用不能等の状態となった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの不測の事故、自然災害等により消費者の外食意欲が低下し、飲食店舗の出店希望者が減少した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)差入保証金について

  当社は店舗物件の賃貸借契約において、賃貸人に対して保証金等を差し入れております。平成30年3月末現在の店舗物件に係る差入保証金の残高は3,791,027千円であり、総資産に占める割合は54.4%となっております。賃貸人に対しては、取引の開始時及び賃貸借契約後定期的に調査を行う等、与信管理に注意を払っておりますが、賃貸人の破産・倒産・抵当権実行等により多額の差入保証金を回収することができなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)空き家賃について

  不動産オーナーとの賃貸借契約において、当社は転借人(テナント入居者)の有無または当社が受け取る家賃の額に関係なく、毎月定額の家賃を支払う内容となっております。当社は空き店舗の発生による業績への影響を低減するために、後継となるテナント入居者を探しておりますが、後継となる入居者が見つからない場合には、空き家賃が発生するとともに、空き店舗が長期間かつ大量に発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制等について

  当社が取扱う店舗の造作物の売買においては、古物営業法による規制を受けております。当社では当該法令を遵守し、事業を運営しております。しかしながら、法令違反が発生した場合、予期しない当該法令の改正や新たな法令等の制定により当社の事業に何らかの制約を受けた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は事業運営に際して、古物営業法に定める古物商の許可を得ております。現状、当該許可の取消となる事由はありません。しかしながら、何らかの事情により許可の取消し等が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(許認可等の状況)

許認可等の名称

許認可登録番号

有効期間

関係法令

許認可等の取消事由

古物商許可

第304360809505号

なし

古物営業法

同法第6条

 

(8)制度変更のリスクについて

  当社は、飲食店舗等の転貸借において、民法や借地借家法等の現行における法律・制度等に基づき、これらを遵守し行っております。しかしながら、これらの法律等に予期しない変更等があった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)情報管理について

  当社は、事業運営に際して、賃借先、賃貸先等の情報を取得しており、個人情報の保護に関する法律等による規制を受けております。当社では、情報保護に関するフローを整備し、細心の注意を払って管理に努めております。しかしながら、万が一、当社の関係者等の故意または過失により外部に流出した場合には、損害賠償請求を受けるリスクや社会的信用失墜により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)訴訟等の発生について

  当社の事業運営に際しては、転貸した店舗物件に係るトラブルまたはこれに起因する訴訟、その他の請求等が発生する可能性があります。このため、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能があります。

 

(11)人材の確保・育成について

  当社は、事業を拡大する上で、優秀な人材確保及び育成が重要な経営課題であると認識しております。今後も優秀な人材確保及び育成を積極的に行っていく方針であります。しかしながら、優秀な人材の確保が十分にできなかった場合、現在在籍している人材が流出していく事態となった場合、育成が計画どおりに進まなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)小規模組織について

  当社は組織規模が小さいため、内部管理体制もこのような事業規模に応じたものとなっております。今後、事業規模の拡大に伴い人員の増強や内部管理体制の一層の強化・充実を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的対応ができなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)特定人物への依存について

  当社の代表取締役社長原康雄及び常務取締役志村洋平は、当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行について重要な役割を果たしております。当社では役員及び幹部従業員への権限の委譲、取締役会や経営会議等における情報の共有等を図り、特定人物に過度に依存しない体制の構築を進めております。しかしながら、何らかの理由によって、両氏が当社の経営に関与することが困難になった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)株式価値の希薄化について

  当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。現在付与している新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は416,400株であり、発行済株式総数8,424,400株の4.9%に相当しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況

当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が引き続き改善しており、個人消費や設備投資の持ち直し等により、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、地政学上の緊張や国際金融市場の変動等の世界経済に対する不確実性の影響もあり、依然として先行きの不透明な状況にあります。

当社を取り巻く環境について、外食業界では台風や長雨等の天候不順で伸び率が縮小したものの、客数・客単価ともに前年比を上回り、売上高も前年に比べて増加するなど、堅調に推移しております。また不動産市況については、当社が事業展開している東京主要エリアにおける商業不動産賃料の水準は高止まりしているものの、引き続き需要は好調を持続しております。

このような環境のなかで、当社が展開する店舗賃貸事業においては、従業員向け教育プログラムの整備により体系的に既存の営業活動の強化および新規採用人員の戦力化に取組み、不動産業者とのリレーションシップのさらなる強化を図り、引き続き首都圏の優良店舗物件の契約増加に注力致しました。これらの結果、当事業年度末における保有管理物件数は前事業年度末より213件純増し、合計1,242件となりました。また、当事業年度における新規契約件数及び後継付け件数(閉店した店舗に対し新規出店者と転貸借契約を締結したもの)の転貸借契約件数の合計は333件(前年同期比8.8%増)となり、引き続き順調に推移しました。

最近5年間における保有管理物件数の推移は、以下のとおりであります。

(単位:件)

 

平成26年

3月期

平成27年

3月期

平成28年

3月期

平成29年

3月期

平成30年

3月期

期末保有管理物件数

470

614

815

1,029

1,242

 

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高6,689,203千円(前年同期比24.2%増)、営業利益396,993千円(同27.4%増)、経常利益401,079千円(同22.3%増)、当期純利益235,911千円(同18.0%増)となりました。

なお、当社は店舗賃貸事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

a.財政状態の分析

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べて1,537,016千円増加し、6,973,818千円となりました。これは主に差入保証金が535,585千円、現金及び預金が521,367千円増加したことによるものであります。

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べて1,047,980千円増加し、5,443,606千円となりました。これは主に預り保証金が768,300千円増加したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて489,035千円増加し、1,530,211千円となりました。これは主に新規上場時の新株発行等による資本金151,298千円、資本準備金151,298千円の増加、当期純利益235,911千円等によるものであります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度に比べて1,303,141千円増加し、6,689,203千円となりました。これは主に保有管理物件数の増加に伴いランニングに係わる売上高が1,245,438千円増加したことによるものであります。

(売上総利益)

当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べて1,101,875千円増加し、5,549,317千円となりました。これは主に保有管理物件数の増加に伴い賃借料が999,230千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度における売上総利益は、前事業年度に比べて201,266千円増加し、1,139,886千円となりました。

(営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて115,909千円増加し、742,893千円となりました。これは主に給料及び手当が28,692千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度における営業利益は、前事業年度に比べて85,356千円増加し、396,993千円となりました。

 

(経常利益)

当事業年度における営業外費用は、前事業年度に比べて11,333千円増加し、18,710千円となりました。これは主に上場関連費用を15,658千円計上したことによるものであります。この結果、当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べて73,243千円増加し、401,079千円となりました。

(当期純利益)

当事業年度における特別利益及び特別損失は計上しておりません。また、法人税等合計は、前事業年度に比べて43,207千円増加し、165,168千円となりました。この結果、当事業年度における当期純利益は、前事業年度に比べて35,993千円増加し、235,911千円となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ521,367千円増加し、1,685,748千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は639,098千円(前事業年度は239,873千円の獲得)となりました。これは主に差入保証金の増加額531,038千円等の資金の減少に対して、税引前当期純利益401,079千円、預り保証金の増加額768,300千円、前受収益の増加額114,177千円等の資金の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は370,855千円(前事業年度は15,975千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出343,754千円等の資金の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は253,124千円(前事業年度は29,600千円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額49,200千円等の資金の減少に対して、株式の発行による収入302,597千円の資金の増加によるものであります。

 

②資本の財源及び資金の流動性

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。

なお、当社は事業運営上必要な資金について、保有管理物件の賃料等の支払と受領の差額を積み上げることを基本として、安定的な資金調達を実現しております。過去3年のフリーキャッシュ・フローの推移については以下のとおりであります。

(単位:千円)

回次

第10期

第11期

第12期

決算年月

平成28年3月

平成29年3月

平成30年3月

営業活動によるキャッシュ・フロー

410,124

239,873

639,098

投資活動によるキャッシュ・フロー

74,428

△15,975

△370,855

財務活動によるキャッシュ・フロー

△15,800

△29,600

253,124

現金及び現金同等物の期末残高

970,082

1,164,380

1,685,748

フリーキャッシュ・フロー

484,552

223,898

268,242

前年増減額

△260,654

44,344

(注)フリーキャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。

フリーキャッシュ・フロー = 営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

店舗賃貸事業

 

 

 ランニング

6,060,974

125.9

 イニシャル

628,229

110.1

合計

6,689,203

124.2

(注)1.当社の事業セグメントは、店舗賃貸事業の単一セグメントであるため、収益計上による区分にて記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため記載を省略しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。