(1)業績
当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、継続する政府の各種政策の効果もあって、個人消費の緩やかな持ち直しの動きや企業収益が改善するなど、回復基調が続いており、先行きにつきましても穏やかな回復が続くことが期待されております。
住宅市場につきましては、新設住宅着工件数は全体で見ると減少の動きの中で、貸家着工件数につきましては、
平成27年11月以降増加の推移でしたが、平成29年6月から7ヶ月連続の減少となりました(国土交通省:平成29年12月分建築着工統計調査報告)。
このような事業環境の下、当事業年度におきましては、「集金代行」と「家賃保証」をセットにした不動産管理会社向けサービス「Casaダイレクト」の販売拡大や自主管理家主向けサービス「家主ダイレクト」の販売拡大に取り組んでまいりました。
平成29年5月には、IT技術を活用して賃貸物件を管理できる“手のひらサイズ”の賃貸管理システム「大家カフェ」のリリースや当社の契約者に向けた旅行、買い物、飲食、料理レシピ等の情報及び割引サービスを提供する「入居者カフェ」のサービス提供を開始しております。
また、WebCMによる広告宣伝活動やホームページの全面リニューアルを行いブランディングの強化にも努めてまいりました。
こうした取り組みの結果、当事業年度の売上高は8,293,341千円(前期比3.4%増)、営業利益は1,166,856千円(同0.2%減)、経常利益は1,212,170千円(同4.0%減)、当期純利益は744,840千円(同17.8%増)となりました。
なお、のれん償却額を販売費及び一般管理費に261,900千円計上しております。
※当社は家賃債務保証事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、営業活動により1,038,795千円獲得し、投資活動により43,668千円使用し、財務活動により360千円獲得した結果、前事業年度末に比べ995,487千円増加して、2,507,492千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,038,795千円(前事業年度は88,195千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,212,170千円、貸倒引当金の増加300,196千円となった一方で、求償債権の増加251,034千円、法人税等の支払額529,450千円等となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は43,668千円(前事業年度は182,326千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出31,252千円、保証金の差入による支出11,546千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は360千円(前事業年度は441,652千円の使用)となりました。これは主に、株式発行による収入454,904千円となった一方で、長期借入金の返済による支出400,000千円等によるものであります。
(1)生産実績
生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注状況
受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は家賃債務保証事業の単一セグメントであるため、売上科目別に記載しております。
|
売上科目 |
当事業年度 (自 平成29年2月1日 至 平成30年1月31日) |
前年同期比(%) |
|
初回保証料(千円) |
4,532,162 |
97.2 |
|
年間保証料(千円) |
3,620,067 |
110.9 |
|
その他売上(千円) |
141,111 |
148.4 |
|
合計 (千円) |
8,293,341 |
103.4 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.その他売上は、主に月額保証料であります。
3.主要な販売先については、最近2事業年度等における相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(1) 現状の認識について
当社を取り巻く外部環境では、出生率の低下に伴い、我が国の総人口は、減少しておりますが、賃貸不動産に入居する単身・夫婦のみ世帯は増加しており、連帯保証を依頼する保証人がいない又は、連帯保証を第三者に依頼したくない賃借人が増加しているため、今後も家賃債務保証マーケットは拡大していくと考えております。
一方、他社との競争の中で、安定した新規契約獲得のための施策として市場ニーズに対応した新商品を継続的に開発・販売するとともに、新たな市場への取り組みにより事業拡大を図ってまいります。
また、IT環境の進展により、家賃債務保証事業の派生サービスへの展開の可能性が高まっていると考えております。
当社は、家賃債務保証という事業の特性から、継続的に家賃を保証し続ける信用力が重要となります。
そのためには、当社として収益力の持続的向上を通じた磐石な財務基盤の確立並びに会社の将来を担っていく人材育成の強化に努めてまいります。
このため、以下の事項を当社が対処すべき課題として認識し、事業展開を図る方針であります。
(2) 当面の対処すべき課題の内容と具体的な取り組み状況等
① 既存事業領域における安定した新規契約の獲得
激しい競争環境の中では、継続的に新規契約を獲得することが課題となっており、そのための施策として、当社家賃債務保証サービスの利用増や代理店の新規獲得等を推進し続けることが必要であります。
当社では不動産管理会社等のニーズや業務効率改善に寄与する商品提案、決済業務にかかわる運用をシステム連携することによる利便性の向上、口座振替による家賃決済や家賃の事前立替払い商品等の提供により、不動産管理会社等の当社商品利用の促進に努めております。
これまでに家賃の集金代行と家賃債務保証がセットになった事前立替型保証商品「Casaダイレクト」、賃貸物件の仲介をネット上で行うポータルサイト「MAPA」、不動産管理会社向けに空室物件への入居促進支援を行う「Casaリーシングセンター」や外国人向け通訳・翻訳の多言語コールセンター「Casa通訳センター」等のサービスを提供いたしております。これらの取り組みの認知度を向上させるためWeb広告や動画広告、その他の集客手段を用いてマーケットでの認知度を向上させいく方針であります。
更にサービス領域の拡大のために、入居時の初期費用や家賃等の支払における決済手段の多様化や電力の自由化に伴い親和性が高い電気料金と家賃の支払を一本化にしたサービスを提供してまいります。
上記の施策を実行することで新規契約の獲得を図ってまいります。
② 新たな市場の開拓
不動産管理マーケットは競争が激しく、新たな市場の開拓が課題となっております。家賃債務保証マーケットの中でも自主管理家主マーケットは競合が少なく未開拓であります。当社は集金代行(事前立替型)、家賃債務保証及び賃貸物件で孤独死等が発生した場合に備えた保険サービスを組み合わせた自主管理家主向け商品「家主ダイレクト」及び「空室対策」×「家賃決済」×「リフォーム」をコンセプトにIT技術を活用した賃貸物件不動産管理支援サービスシステムの「大家カフェ」を開発し提供を開始しております。各種媒体を活用した広告宣伝の施策により自主管理家主の認知度向上のためのマーケティングが必要と考えております。そのため、Web広告や動画広告、セミナーその他継続的な集客手段を用いて利用促進を図ることにより、新規開拓を進めてまいります。
③ ITプラットフォーム化の推進による事業の育成
不動産管理マーケットは競争が激しく、新規サービスの育成が課題となっております。
当社では、新規サービスとして自主管理家主向けに「大家カフェ」、入居者に対しては旅行、買い物、飲食、料理レシピ等の情報及び割引サービスを提供する「入居者カフェ」のサービス提供を開始し、自主管理家主、入居者の満足度向上に努めております。「入居者カフェ」は平成29年5月リリース後、会員数は順調に拡大しております。更に会員数を拡大させるためにサービスメニューの拡大を図ってまいります。
今後は、不動産管理会社マーケットでの実績を事業基盤とし、自主管理家主マーケットを開拓するとともに、新規サービスとしてIT技術を活用して、「大家カフェ」の利用者である自主管理家主及び「入居者カフェ」の利用者である賃借人の入退去情報、支払い履歴等、並びに弊社の代理店である7,556社の不動産管理会社等の取引履歴、物件情報等の情報を蓄積するDMPプラットフォーム「Casa Cloud」(特許出願済)を活用して賃貸物件を探したい個人と賃貸物件の空室を埋めたい家主等のニーズのマッチングプラットフォームを構築したいと考えており、これに対する新基幹システムの構築を図って行く方針です。
④ 磐石な財務基盤の構築
当社は、家賃債務保証という事業の特性から、継続的に家賃を保証し続ける信用力が重要となります。
信用力向上のためには、健全かつ継続的な成長による磐石な経営基盤・財務基盤の構築が重要であると考え、新規契約獲得による安定した収益確保、蓄積してきた審査データベースを活用した審査体制の強化、債権管理体制及びリスク管理体制の強化に加えコンプライアンス遵守の徹底に努めてまいります。
⑤ 人材の育成
当社は、行動規範に「私たちはお客様の信頼を大切にし、常に誠実に行動します。」と規定し、全てのお客様に対し常に誠実に行動し、ご満足いただけるサービスを提供することが重要であると認識しております。
そのためには、お客様の多様なニーズに対応するために幅広い知識とスキルを持った人材が必要であると考えており、反復的な内部研修はもとより外部機関を使った人材育成研修を行っております。
また、コンプライアンス遵守の行動を徹底しておりますが、他社との差別化に寄与し事業の成長を支えるものは経営資源である人材であると考えているため、今後も引き続き人材の育成に努めてまいります。
⑥ 個人情報保護のための対応
当社では、お客様の個人情報を保有しているため、それらの情報の管理が事業の持続可能性を担保するために、最も重要な要素であると認識しております。当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク」の認定を受けており、お客様の個人情報の機密性を高める施策を講じておりますが、今後事業が拡大し、規模が拡大するにあたってその管理の質が低下しないよう、規程の厳格な運用を徹底するとともに新基幹システムの開発による情報管理の強化を図ってまいります。
以下において、当社の事業、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。
当社は、これら事項の発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生後の対応に努めるものでありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 景気、賃貸市場の動向等の外部環境による影響
当社は「家賃債務保証事業」を行っているため、家賃の動向、住宅の建設動向、不動産に係る法律・税制の改正及び人口減少等を背景とした賃貸市場の縮小が生じることにより、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) 各種法規制及び制度等の変更に伴うリスク
家賃債務保証事業については、直接的に規制する法令等は存在していませんが、平成29年10月より国土交通省により任意の家賃債務保証業者登録制度が発足されております。今後、この登録制度が条件化されたり、新たな法的規制の導入や現行の法的規制の改正が行われた場合並びに不動産賃貸業界全般に大きな影響を及ぼすような法的規制が設けられた場合には、当社の事業展開や当社の業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) レピュテーションリスク
当社は、「人々の健全な住環境の維持」を企業理念としており、賃借人の生活環境や収入状況の変化がおきた場合には、約定通りの支払いができるように支払い方法や収入に応じた分割返済の相談にも対応しております。
しかしながら、当社や家賃債務保証業界に対して、コンプライアンス遵守を懸念する否定的な内容の報道や風評が生じた場合、それが正確な事実であるか否かにかかわらず、当社のレピュテーションに影響を及ぼし、当社の事業活動に支障が生じることによって、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
(4) 災害リスク
当社は全国的に事業を展開しておりますが、主要な営業拠点及びオペレーション部門等の本社機能を東京都に有しており、また、家賃債務保証サービスの対象となる賃貸物件は首都圏が多い状況となっております。このため、東京都を中心とする首都圏において地震その他の大規模災害が発生した場合は、オペレーション業務の停止、システムトラブル等の本社機能に甚大な被害が及ぶ可能性があり、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 信用リスク
① 代位弁済について
当社は、保証委託契約を締結した賃借人の家賃の滞納が発生した際に賃貸人に対して代位弁済を行いますが、代位弁済額を抑制するため、蓄積してきた賃借人の属性、家賃支払状況等に係る顧客データベースを活用した属性分析による独自の与信管理体制を構築し、滞納発生を抑えるようにコントロールしております。
しかしながら、国内外の経済環境や雇用環境等が著しく悪化し賃借人の家賃支払いに影響した場合、代位弁済が増加することにより、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
② 貸倒引当金について
当社は、求償債権、年間保証料に対し貸倒引当金を計上しております。求償債権及び年間保証料に係る貸倒引当金については貸倒実績率に基づき回収不能見込額を計上しております。
しかしながら、実際の貸倒れが貸倒引当金額を大幅に上回り、貸倒引当金以上の損失が計上される場合及び貸倒引当金の計上基準を見直す必要が生じた場合は、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) のれんに関するリスク
第5期事業年度末(平成30年1月31日)における、当社の無形固定資産は4,284,399千円であり、そのうち、のれんが4,103,115千円を占めており、のれんの効果が発現する期間を合理的に見積り、当該期間にわたり均等償却しております。のれんは、旧㈱Casaを吸収合併したことにより発生いたしました。当該無形固定資産について減損が生じていると判断される場合、当社は減損損失を計上する必要があり、当該減損損失の計上は当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) システムリスク
当社は業務をシステム化しており、システムの安定運用に依拠して審査、保証契約等の管理、債権管理、その他各種運用及びお客様の個人情報の記録・保存・管理等を行っております。コンピュータ及びネットワーク機器・回線障害または誤作動、システムプログラムの障害等により、正常な業務運営が妨げられることがないように、バックアッププランを含めた緊急時の体制を整えております。また、システム全般に適切なセキュリティ対策を講じております。
しかしながら、事故、火災、自然災害、停電、人為的ミス、ソフトウェアの不具合及び外部からの不正アクセス等により、システムの安定的な運用が困難となった場合、当社の事業活動に支障が生じることによって、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
(8) 情報漏洩に関するリスク
当社は、個人情報を含む数多くのお客様情報を保有しております。当社は個人情報管理システム構築の為、「プライバシーマーク」を取得し、個人情報漏洩の発生を防ぐために、個人情報保護関連の規程・細則を整備し、従業員に対する教育によりお客様情報管理の徹底に努めております。
しかしながら、万が一、個人情報の紛失・漏洩・不正利用及び外部からの不正アクセス等により重大な情報漏洩等が発生した場合、当社の事業活動に支障が生じることによって、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
(9) 事務リスク
当社は、不正確な事務処理あるいは事故及び不正等によるオペレーション品質の低下を防止するために、各種規程や業務マニュアルに基づいた事務処理を徹底し、また、各業務をシステム化することにより、人為的ミスの少ない効率的な事務処理体制の構築に努めております。
しかしながら、事務手続き上の故意または重過失により、事業活動に支障が生じることによって、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
(10)代理店との関係
当社は、代理店を通じて家賃債務保証事業を展開しております。代理店である不動産管理会社等の紹介を通じて賃借人と締結した契約に基づく売上を計上しているため、不動産管理会社等からの新規賃借人の紹介が何らかの事情で減少した場合、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
(11)新規事業について
当社は、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業への取り組みを進めていく方針であります。新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)特定人物への依存リスク
当社事業開始以来の事業推進者である代表取締役社長宮地正剛は、当社事業に関する豊富な知識と経験を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。
当社では過度に同氏に依存しないよう、経営幹部の育成及び権限委譲による体制を構築し、経営組織の強化に努めております。しかしながら、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合、当社の業績や財政状況に影響を与える可能性があります。
(13)大株主の異動に伴うリスク
当社は、平成25年8月にMBOを目的として設立され、その後旧㈱Casaの経営陣と、アント・キャピタル・パートナーズ㈱が運用するアント・カタライザー4号投資事業有限責任組合及びCatalyzer Partners IV, GP, Ltd.の運用するCatalyzer Partners IV, L.P.から純投資を目的とした出資を受けております。
平成30年1月31日現在において、アント・カタライザー4号投資事業有限責任組合は当社発行済株式総数の14.4%、Catalyzer Partners IV, L.P.は1.9%を保有しており、当社の大株主となっております。今後において当社株式を売却する可能性があり、当社株式の需給に影響を与える可能性があります。
(14)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、事業発展のために必要なマネジメント力、コンプライアンスに精通した人材等の確保及び定着を目的として、取締役及び執行役員に対して新株予約権を付与しております。当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は512,000株であり、潜在株式を含む株式総数5,932,000株に対し、8.6%にあたります。発行された新株予約権の行使により発行される新株は、将来、当社の株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、当社株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高及び収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況並びに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りを採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」中、「1財務諸表等(1)財務諸表」の「注記事項」の「重要な会計方針」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の売上高は、収益性の低い代理店の見直しにより新規契約件数は減少したものの不動産管理会社等の新規代理店の増加及び保有契約件数の増加により、前事業年度に比べ271,328千円増加の8,293,341千円(前事業年度比3.4%増)となりました。
② 売上原価及び売上総利益
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ214,576千円増加の2,837,473千円(同8.2%増)となりました。主な要因は、滞納家賃の回収方法の見直しの影響により求償債権が増加し貸倒引当金を積み増したため貸倒引当金繰入額が287,009千円増加(同22.0%増)したこと等によるものであります。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ56,751千円増加の5,455,868千円(同1.1%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費並びに営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ58,724千円増加の4,289,011千円(同1.4%増)となりました。主な要因は、人件費が13,408千円減少(同0.6%減)した一方、広告宣伝費が72,513千円増加(同4,969.6%増)したこと等によるものであります。
以上の結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ1,972千円減少の1,166,856千円(同0.2%減)となりました。
④ 営業外損益及び経常利益
当事業年度の営業外収益は、償却債権取立益が48,916千円減少(同45.4%減)した一方、償却債権売却益24,874千円を計上したこと等により、前事業年度に比べ22,209千円減少の86,396千円(同20.5%減)となりました。
当事業年度の営業外費用は、支払利息が2,337千円減少(同30.7%減)した一方、株式交付費9,537千円、上場関連費用22,097千円を計上したこと等により、前事業年度に比べ26,741千円増加の41,082千円(同186.5%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ50,923千円減少の1,212,170千円(同4.0%減)となりました。
⑤ 当期純利益
当事業年度の税引前当期純利益は、前事業年度に比べ50,923千円減少の1,212,170千円(同4.0%減)となり、法人税等合計467,330千円(同25.9%減)を計上した結果、当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ112,317千円増加の744,840千円(同17.8%増)となりました。
(3) 財政状態の分析
① (資産の部)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ1,224,030千円増加の7,119,969千円(前期比20.8%増)となりました。主な要因は、現金及び預金が995,487千円増加となったこと、求償債権が251,034千円増加となった一方で、貸倒引当金が299,969千円増加となったこと等によるものであります。固定資産は、前事業年度末に比べ371,690千円減少の4,644,443千円(同7.4%減)となりました。主な要因は、のれんが261,900千円減少したこと等によるものであります。
② (負債の部)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ259,924千円増加の5,401,957千円(同5.1%増)となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が200,000千円増加となったこと等によるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べ616,329千円減少の18,007千円(同97.2%減)となりました。主な要因は、長期借入金が600,000千円減少したこと等によるものであります。
③ (純資産の部)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ1,208,745千円増加の6,344,447千円(同23.5%増)となりました。主な要因は、新規株式上場に伴う増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ232,221千円、当期純利益の計上により利益剰余金が744,840千円増加したこと等によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(5) 主要な経営指標の状況
当社の経営成績に影響を与える主要な経営指標として代理店社数及び保有契約件数があり、その増加を図ってきた結果、初回保証料・年間保証料が増加しております。それぞれの経営指標に対する当社の取組み及び初回保証料・年間保証料を含む経営指標の推移は以下の通りとなっております。
① 新規代理店獲得社数及び代理店社数
当社は連帯保証を求める不動産管理会社等のニーズに応え新規代理店を増やしてまいりました。近年の傾向として、連帯保証を依頼する保証人がいない入居希望者や、連帯保証を第三者に依頼したくない入居希望者、保証人による連帯保証のみでは不安に感じる賃貸人や不動産管理会社等が増加していることで、家賃債務保証に対するニーズは高まっていると考えております。こうした状況を踏まえ、当社は、新規契約の拡大を図るべく未提携不動産管理会社等に対する代理店契約締結に向けたアプローチを継続しており、最近3年間の新規代理店獲得社数及び代理店社数の推移は以下の通り推移しております。
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|
(単位:社) |
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平成28年1月期 |
平成29年1月期 |
平成30年1月期 |
|
新規代理店獲得社数 |
621 |
566 |
646 |
|
代理店社数合計 |
6,344 |
6,910 |
7,556 |
② 新規契約申込件数及び保有契約件数
当社は、代理店社数の増加に取組むとともに既存不動産管理会社等に対する利用促進のための提案等を継続し、賃貸人や不動産管理会社等のニーズに沿った商品・サービスを提供することにより、保有契約件数の増加を図っています。この取組みの結果、新規契約申込件数及び保有契約件数の最近3年間の推移は、以下の通り推移しております。
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(単位:件) |
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平成28年1月期末 |
平成29年1月期末 |
平成30年1月期末 |
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新規契約申込件数 |
148,658 |
157,724 |
153,604 |
|
保有契約件数 |
390,493 |
426,216 |
453,156 |
③ 初回保証料及び年間保証料
当社は、初回保証料に加え年間保証料も受領するストック型ビジネスであることを特徴としており、これら初回保証料及び年間保証料を増加させていくため、代理店数の増加、保有契約件数の増加を図っております。その結果、最近3年間の初回保証料及び年間保証料は、以下の通り推移しております。
(単位:千円)
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平成28年1月期 |
平成29年1月期 |
平成30年1月期 |
|
初回保証料 |
4,074,387 |
4,663,930 |
4,532,162 |
|
年間保証料 |
2,969,616 |
3,262,996 |
3,620,067 |
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社は「人々の健全な住環境の維持と生活文化の発展に貢献し、豊かな社会を実現する」という企業理念のもと、お客様の期待値を常に上回るサービスを提供することにより、家賃債務保証から新たに派生するサービスを展開してまいります。
中長期的には、不動産管理会社マーケットでの実績を事業基盤とし、自主管理家主マーケットを開拓するとともに、新規サービスとしてIT技術を活用して、「大家カフェ」の利用者である自主管理家主、「入居者カフェ」の利用者である賃借人の入退去情報、支払い履歴等及び弊社の代理店である7,556社の不動産管理会社等及びその他提携会社等の取引履歴、物件情報等の情報を蓄積するDMPプラットフォーム「Casa Cloud」(特許出願済)を活用して賃貸物件を探したい個人と賃貸物件の空室を埋めたい家主等のニーズのマッチングプラットフォームを構築したいと考えており、準備を進めております。
今後は金融とIT技術を融合させたフィンテックに不動産事業も組み合わせた「不動産フィンテック」に経営資源を投入する方針です。
① 不動産管理会社マーケットでの戦略
不動産管理会社マーケットでのシェア拡大については、既存代理店の利用増加や新規代理店の獲得等を推進する方針です。当社では管理戸数1万戸以上の不動産管理会社の売上高が、売上高全体の過半を占めております。現在、管理戸数1万戸以上の不動産管理会社を中心とした既存代理店の深耕を進めるとともに、それ以下の不動産管理会社においては、「Casaダイレクト」を提供し、更に人員不足に悩む管理会社に対して当社の家賃債務保証を利用することを条件とした空室問合せ対応等の入居促進支援を行う「Casaリーシングセンター」サービスを提供しております。また、外国人の賃貸契約が増加傾向で推移している中、不動産会社やオーナーにとっては、言語や文化の違いが一つの課題となっておりますので、外国人とのコミュニーケーションが円滑に図れ、安心して部屋を貸すことができる外国人向けの多言語コールセンター「Casa通訳センター」サービスの提供を開始しております。
更にサービス領域の拡大のために、入居時の初期費用や家賃等の支払における決済手段の多様化による利便性の向上や電力の自由化に伴い親和性が高い電気料金と家賃の支払を一本化にしたサービスを提供してまいります。
今後も不動産管理会社等のニーズに応えた商品を提供し、不動産管理会社マーケットでの事業基盤拡大を図ってまいります。
(管理戸数区分別の当社の代理店比率・売上高比率)
平成30年1月期実績
|
管理戸数 |
不動産管理会社等の特徴 |
代理店比率 |
売上比率 |
主な競合先 |
|
1万戸以上 |
大手全国展開 |
2.4% |
60.7% |
信販 |
|
5千戸~1万戸 |
中堅・エリアの上位業者 |
2.1% |
10.2% |
信販・家賃債務保証会社 |
|
3千戸~5千戸 |
地場上位業者 |
2.2% |
3.4% |
信販・家賃債務保証会社 |
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1千戸~3千戸 |
地場中位業者 |
9.9% |
9.0% |
信販・家賃債務保証会社 |
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1千戸未満 |
地場中位業者以下 |
83.3% |
16.6% |
家賃債務保証会社 |
② 自主管理家主マーケットでの戦略
現在、自主管理家主マーケットは世代交代が進み会社員や公務員を兼務しながらITを活用した賃貸経営を行う家主が増加しております。
そうしたマーケット環境の変化の中で、当社は家賃決済サービスの拡充やIT技術を駆使した「大家カフェ」を展開し家主のニーズに合致したサービスを提供し、自主管理家主マーケットを開拓していく方針です。
そのため、家主にとって利便性の高いと考えられ、家賃の集金代行、家賃保証及び孤独死等が発生した場合に備えた保険サービスを組み合わせた「家主ダイレクト」の提供を平成28年4月から開始したことに加え、家主が業務負担と考える「入居者募集」「家賃管理」「リフォーム」を支援するためのサービスである「大家カフェ」を平成29年5月から開始しております。今後更に税務や法律等専門家の窓口や、家主同士が情報を交換し合えるコミュニティサイトの構築等のサービスを拡充し商品の利便性を高めることで利用者の増加を図ってまいります。
③ 入居者に対する「住」のトータルサポートの戦略
入居者の目線に立って「住」のトータルサポートを充実させ、「幸せ」を毎日支援していくサービスを提供していくことが、当社の使命と考え、入居者から賃貸借契約時に当社を選択していただけるような会社を目指しております。当社は家賃債務保証サービスに加え、平成29年5月よりWebで旅行、買い物、飲食、料理レシピ等の情報提供及び割引サービスを提供する「入居者カフェ」のサービス提供を開始しております。
今後の展開として、入居者にとって付加価値のあると思われる人気物件情報、周辺環境情報、コミュニティ情報等を提供し、サービスの充実を図ってまいります。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因についての詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、外部環境・内部環境を踏まえ、向こう3ヵ年に取り組むべき課題を明らかにして経営計画を策定し、事業展開を行っております。
不動産管理会社市場は、既に競合が多く価格競争の動きが顕在化しており、そうした環境の中でシェアを拡大するために新商品の投入等価格競争以外の差別化に取り組んではおりますが、今後の事業の成長のためには新たな市場の開拓が課題であると考えております。そのため当社は新たな市場として、競合のない自主管理家主市場を開拓していく方針であります。自主管理家主市場への事業展開のために、自主管理家主にとって利便性の高いと考えられる商品を開発・提供しておりますが、更なる事業展開のために、新規サービスの開発を進めております。
また、賃貸市場はIT化が遅れていると思われる領域であるため、今後不動産取引のネット化が進むと考えており、新規サービスのためにIT化への対応も視野にいれて、新基幹システムの開発を進めてまいります。
更に、平成32年4月の民法改正により、保証人に対する説明義務化や連帯保証人の保証極度額の設定義務化の規定が公布され、今後当該改正法が施行された場合、連帯保証人を採用した場合の事務負担の増加や保証限度額の設定による家主の家賃回収リスクの増加に伴い、自主管理家主の家賃債務保証に対するニーズが高まることが予想されますますので、今後の動きに注視し不動産管理会社、自主管理家主のニーズに応えてまいります。
人材の育成については課題として認識しており、内部研修や外部機関を使った研修を行い、事業の成長を支える人材の育成に引き続き努めてまいります。
(参考情報)
当社は、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後当期純利益を重要な財務指標として位置づけております。平成26年1月期以降の当社の調整後経常利益、調整後当期純利益の推移は以下のとおりであります。
(単位:千円)
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回次 |
第1期 |
第2期 |
第3期 |
第4期 |
第5期 |
|
決算年月 |
平成26年1月 |
平成27年1月 |
平成28年1月 |
平成29年1月 |
平成30年1月 |
|
経常利益又は経常損失(△) |
△193,706 |
1,615,066 |
1,700,830 |
1,263,094 |
1,212,170 |
|
+のれん償却額 |
- |
257,535 |
266,265 |
261,900 |
261,900 |
|
調整後経常利益又は調整後経常損失(△)(注)4 |
△193,706 |
1,872,601 |
1,967,096 |
1,524,995 |
1,474,071 |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
△194,102 |
1,219,993 |
875,032 |
632,522 |
744,840 |
|
+のれん償却額 |
- |
257,535 |
266,265 |
261,900 |
261,900 |
|
調整後当期純利益又は調整後当期純損失(△)(注)5 |
△194,102 |
1,477,528 |
1,141,298 |
894,423 |
1,006,741 |
(注)1.当社は、平成25年8月27日にC41H㈱として設立されたため、第1期の会計期間は平成25年8月27日から平成26年1月31日までとなっております。なお、平成26年2月1日を効力発生日として旧㈱Casaを吸収合併し、同日付で㈱Casaに商号変更しております。
2.第1期の経営指標等は、旧㈱Casaとの合併前のため、旧㈱Casaを含まないものとなっており、のれんは発生しておりません。
3.第3期以降の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。
なお、第1期及び第2期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
4.調整後経常利益又は調整後経常損失=経常利益又は経常損失+のれん償却額
5.調整後当期純利益又は調整後当期純損失=当期純利益又は当期純損失+のれん償却額