第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「人々の健全な住環境の維持と生活文化の発展に貢献し、豊かな社会を実現する」という企業理念のもと、ITを活用し、賃貸不動産市場における新たなビジネスモデルの構築を目指しております。お客様のご期待を常に上回るサービスを提供することにより、家賃債務保証から派生する新たなサービスを展開してまいります。

 

(2) 経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき課題

わが国の賃貸不動産市場は、少子高齢化、晩婚化等の社会情勢の変化により、単身世帯が増加傾向にある一方、賃貸不動産の供給量増加に伴い需給関係が悪化し、空室率の上昇が問題となっております。また、家族関係の希薄化等により、肉親であっても連帯保証人を頼みにくい傾向が強まるとともに、高齢者や外国籍の増加に伴って連帯保証人の確保が困難な状況も生じております。

このような背景の中、家主が賃貸収入の安定化を図るためには、家賃滞納リスクの軽減と賃貸借契約の成約率の向上という、相反することを両立させる必要があり、連帯保証人に代わり家賃債務保証による信用を媒介する誘因が高まっております。また、入居者にとっても、家賃債務保証を利用することで、連帯保証人を手当てする必要がなくなり、自身の信用補完にも繋がるため、賃貸借契約の成約率の向上や敷金等の初期費用負担の軽減に繋がっております。さらには、2020年4月施行の民法改正により、個人による連帯保証が減少し、家賃保証サービスに対する需要が高まっております。

当社グループは、企業理念の実践を通じた持続的な成長と企業価値の向上を実現するために、以下の項目を重点施策として取り組んでまいります。

 

① 管理会社市場の拡大

大規模な不動産管理会社市場は、競合先が多く競争環境は厳しくなっており、一部の大手代理店においては、滞納発生率の改善がされないまま紹介手数料が上昇し、採算性が著しく悪化しております。そのため、個人信用情報を活用した商品により滞納発生率の改善を図るとともに、代理店ごとに紹介手数料の水準や滞納発生率等を勘案し、採算性の見直しを行ってまいります。

その一方で、比較的競争環境が緩い小規模な管理会社に対しては、代理店の業務効率の改善や非対面サービスの促進を図るためのクラウドサービス「CasaWEB」の更なる機能拡充を行い、その利用促進を推し進めることなどにより代理店社数の更なる拡大に邁進いたします。

 

② 自主管理市場の開拓

当社グループが今後も継続的に成長するためには、自主管理家主の市場を開拓することが必要であると認識しております。そのために、セミナー等のイベントの開催、アドテクノロジーを活用した広告活動に加え、YouTube等のSNSを積極的に活用し、当社サービスの認知度向上を図ってまいります。

また、入居者募集から家賃の管理、退去までの賃貸経営全般に必要な業務をITの活用によりワンストップで提供するサービスの開発を進め、新規利用者の獲得に努めてまいります。そのために必要な関連技術やノウハウの獲得に関して、事業提携や資本提携も推進してまいります。

 

③ DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

テクノロジー化が遅れていた不動産業界においても、新型コロナウイルス感染症拡大で顕在化した課題を克服すべく、DXを推進する動きが高まっております。このような環境の中、当社グループは、定型的な業務をRPAやAI-OCRを利用することで生産性の向上を図り、また、「CasaWEB」の機能拡充によりオンライン化を促進してまいりました。引き続きDXの推進を図ることで、業界のリーディングカンパニーへと成長してまいります。

基幹システム刷新による業務の効率化や入居者、代理店及び家主を繋ぐプラットフォームの開発、また、セキュリティ対策やシステムの一層の安定稼動に取り組むことが今後の事業拡大において重要と認識しております。

 

 

④ コーポレート・ガバナンスの強化

当社グループの持続的な成長、更なる事業拡大のためには、コーポレート・ガバナンスの強化は重要な課題であると認識しております。継続的な内部監査の実施、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部統制に係る体制や法令遵守の徹底に向けた体制を強化してまいります。

また、当社グループは多くの個人情報を取り扱っており、その情報管理の強化を図るため、厳重な管理体制を構築・維持してまいります。

 

⑤ 人材の確保と育成

当社グループが、事業環境の変化に柔軟に対応し、さらなる事業拡大を図るためには、幅広い人材の確保と従業員の育成が重要な課題であると認識しております。そのために、積極的な採用活動を行うとともに、教育・研修制度の充実に取り組んでまいります。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、家賃を滞納される賃借人が一時的に増加いたしましたが、公的支援制度の新設・拡充もあり正常化が進んでおります。家賃を滞納せざるを得なくなった顧客には、公的支援制度の案内を優先し、支払い猶予に応じる等、顧客に配慮したサポートに努めました。感染症の影響による家賃の滞納発生率は、想定内で推移いたしましたが、上述の支払い猶予に応じたことで一時的に回収率が低下し求償債権が増加しており、増加した求償債権の回収を早期に図ることが、当面の重要な課題であると認識しております。

保証引受審査を慎重に行い、適切な債権管理体制を維持・構築することで、滞納発生率及び回収率を適切な水準に保つようコントロールしてまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後親会社株主に帰属する当期純利益を重要な財務指標として位置づけております。調整後親会社株主に帰属する当期純利益の推移は以下のとおりであります。

(単位:千円)

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2017年1月

2018年1月

2019年1月

2020年1月

2021年1月

経常利益

1,263,094

1,212,170

1,391,015

1,577,200

1,090,065

+のれん償却額

261,900

261,900

261,900

261,900

261,900

調整後経常利益(注)1

1,524,995

1,474,071

1,652,916

1,839,101

1,351,966

当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純利益

632,522

744,840

840,402

927,258

611,066

+のれん償却額

261,900

261,900

261,900

261,900

261,900

調整後当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純利益(注)2

894,423

1,006,741

1,102,303

1,189,159

872,967

(注)1.調整後経常利益=経常利益+のれん償却額

2.調整後当期純利益=当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却額

3.第7期より連結財務諸表を作成しております。第6期までは個別財務諸表に基づく数値を、第7期以降は

連結財務諸表に基づく数値を記載しております。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 景気、賃貸市場の動向等の外部環境による影響

当社は「家賃債務保証事業」を行っているため、家賃の動向、住宅の建設動向、不動産に係る法律・税制の改正及び人口減少等を背景とした賃貸市場の縮小が生じることにより、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 各種法規制及び制度等の変更に伴うリスク

家賃債務保証事業については、直接的に規制する法令等は存在していませんが、2017年10月より国土交通省により任意の家賃債務保証業者登録制度が発足されております。今後、この登録制度が条件化され、または、新たな法的規制の導入や現行の法的規制の改正が行われた場合並びに不動産賃貸業界全般に大きな影響を及ぼすような法的規制が設けられた場合には、当社グループの事業展開や当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) レピュテーションリスク

当社グループは、「人々の健全な住環境の維持」を企業理念としており、入居者の生活環境や収入状況の変化がおきた場合には、約定通りの支払いができるように支払い方法や収入に応じた分割返済の相談にも対応しております。

しかしながら、当社グループや家賃債務保証業界に対して、コンプライアンス遵守を懸念する否定的な内容の報道や風評が生じた場合、それが正確な事実であるか否かにかかわらず、当社グループのレピュテーションに影響を及ぼし、事業活動に支障が生じることによって、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(4) 自然災害等について

① 大規模な自然災害によるリスク

当社は全国的に事業を展開しておりますが、主要な営業拠点及びオペレーション部門等の本社機能を東京都に有しており、また、家賃債務保証サービスの対象となる賃貸物件は首都圏が多い状況となっております。このため、東京都を中心とする首都圏において地震その他の大規模災害が発生した場合は、オペレーション業務の停止、システムトラブル等の本社機能に甚大な被害が及ぶ可能性があり、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新型コロナウイルス感染拡大によるリスク

新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響は、入居者の経済状況に影響を及ぼすことで、家賃の滞納や貸倒れが増加するおそれが高まり、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 信用リスク

① 代位弁済について

当社は、保証委託契約を締結した賃借人の家賃の滞納が発生した際に賃貸人に対して代位弁済を行いますが、代位弁済額を抑制するため、蓄積してきた賃借人の属性、家賃支払状況等に係る顧客データベースを活用した属性分析による独自の与信管理体制を構築し、滞納発生を抑えるようにコントロールしております。

しかしながら、国内外の経済環境や雇用環境等が著しく悪化し賃借人の家賃支払いに影響した場合、代位弁済が増加することにより、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

② 貸倒引当金について

当社は、求償債権、年間保証料に対し貸倒引当金を計上しております。求償債権及び年間保証料に係る貸倒引当金については貸倒実績率に基づき回収不能見込額を計上しております。

しかしながら、実際の貸倒れが貸倒引当金額を大幅に上回り、貸倒引当金以上の損失が計上される場合及び貸倒引当金の計上基準を見直す必要が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) のれんに関するリスク

当連結会計年度末(2021年1月31日)における、当社グループの総資産額は13,416,799千円であり、そのうち、のれんが3,317,412千円を占めており、また、のれんの効果が発現する期間を合理的に見積り、当該期間にわたり均等償却しております。のれんは、旧㈱Casaを吸収合併したことにより発生いたしました。当該無形固定資産について減損が生じていると判断される場合、当社グループは減損損失を計上する必要があり、当該減損損失の計上は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) システムリスク

当社グループは業務をシステム化しており、システムの安定運用に依拠して審査、保証契約等の管理、債権管理、その他各種運用及びお客様の個人情報の記録・保存・管理等を行っております。コンピュータ及びネットワーク機器・回線障害または誤作動、システムプログラムの障害等により、正常な業務運営が妨げられることがないように、バックアッププランを含めた緊急時の体制を整えております。また、システム全般に適切なセキュリティ対策を講じております。

しかしながら、事故、火災、自然災害、停電、人為的ミス、ソフトウェアの不具合及び外部からの不正アクセス等により、システムの安定的な運用が困難となった場合、当社グループの事業活動に支障が生じることによって、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8) 情報漏洩に関するリスク

当社グループは、個人情報を含む数多くのお客様情報を保有しております。当社グループは個人情報管理システム構築の為、「プライバシーマーク」を取得し、個人情報漏洩の発生を防ぐために、個人情報保護関連の規程・細則を整備し、従業員に対する教育によりお客様情報管理の徹底に努めております。

しかしながら、万が一、個人情報の紛失・漏洩・不正利用及び外部からの不正アクセス等により重大な情報漏洩等が発生した場合、当社グループの事業活動に支障が生じることによって、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(9) 事務リスク

当社は、不正確な事務処理あるいは事故及び不正等によるオペレーション品質の低下を防止するために、各種規程や業務マニュアルに基づいた事務処理を徹底し、また、各業務をシステム化することにより、人為的ミスの少ない効率的な事務処理体制の構築に努めております。

しかしながら、事務手続き上の故意または重過失により、事業活動に支障が生じることによって、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(10)投資リスク

当社グループは、競争力強化および事業拡大のための投資活動として株式を保有しております。これら投資先の事業の展開が計画どおりに進まず、実質価額が著しく下落し、かつ、回復可能性が認められないと判断した場合には、評価損の計上が必要となるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす場合があります。

 

(11)代理店との関係

当社は、主に代理店を通じて家賃債務保証事業を展開しております。代理店である不動産管理会社等の紹介を通じて入居者と締結した契約に基づく売上を計上しているため、不動産管理会社等からの新規賃借人の紹介が何らかの事情で減少した場合、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(12)新規事業について

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業への取り組みを進めていく方針であります。新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)特定人物への依存リスク

当社グループ事業開始以来の事業推進者である代表取締役社長宮地正剛は、当社グループ事業に関する豊富な知識と経験を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社グループの事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。

当社グループでは過度に同氏に依存しないよう、経営幹部の育成及び権限委譲による体制を構築し、経営組織の強化に努めております。しかしながら、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

(14)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、事業発展のために必要なマネジメント力、コンプライアンスに精通した人材等の確保及び定着を目的として、取締役及び執行役員に対して新株予約権を付与しております。当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は1,934,400株であり、潜在株式を含む株式総数13,017,100株に対し、14.9%にあたります。発行された新株予約権の行使により発行される新株式は、将来、当社グループの株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、当社グループ株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きがみられる状況となりました。今後の先行きについては、感染症の拡大防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直しの動きが期待されておりますが、国内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要があり、依然として不透明な状況が続いております。

家賃債務保証事業の関連市場におきましては、移動制限を伴う緊急事態宣言の発令及び再発令の影響により、転居需要が縮小する状況がもたらされた一方で、単身世帯の増加や2020年4月の民法改正等の影響により、家賃債務保証サービスに対する需要が高まっております。また、感染症の影響を受け、家賃を滞納される賃借人が一時的に増加いたしましたが、公的支援制度の新設・拡充が実施されました。

このような事業環境を背景に、当社グループにおいては「人々の健全な住環境の維持と生活文化の発展に貢献し、豊かな社会を実現する」という企業理念のもと、感染症の影響を受けた賃借人に対しては、公的支援制度の案内を優先し支払い猶予に応じる等、顧客の事情に応じたサポートに努めました。なお、当社グループにあっても営業時間の短縮、電話受付の休止、一部テレワークの導入等の対応を行いました。また、代理店の業務効率の改善、非対面サービスの促進を図るためクラウドサービス「CasaWEB」へ電子契約等の機能を追加いたしました。さらには、家主向けに物件の資産価値をAI分析でシミュレーションできる「AI SCOPE」のリリース、入居者とのオンラインでのコミュニケーションツール「入居者カフェ」のリニューアル、新サービスとなる養育費保証サービスのリリース等を行いました。

新規契約件数(初回保証料)は、緊急事態宣言の影響を受け、前年同月を下回る月もありましたが、代理店数の増加(前連結会計年度末に比べ956社増加し9,942社)や家賃債務保証サービスに対する需要の高まりにより、137,147件(前年同期比106.9%)と堅調に推移いたしました。特に、主力商品である「家主ダイレクト」の新規契約件数は41,419件(前年同期比147.8%)と好調に推移いたしました。「家主ダイレクト」は、2020年2月に一般財団法人ハトマーク支援機構(約10万会員事業者)の推奨商品となっております。また、2020年8月に当社商品の包括利用を促す施策として、大手管理会社向けに「ダイレクトS」(外部機関の保有する個人信用情報を活用したサービス)をリリースいたしました。その結果、保有契約件数は前連結会計年度末に比べ39,891件増加し562,052件となり、既存契約からの年間保証料の増加もあり、売上高は前年同期を上回りました。

感染症の影響による家賃の滞納発生率は、想定内で推移いたしましたが、上述の支払い猶予に応じたこと等の影響で回収率が低下し、求償債権は前連結会計年度末に比べ810,234千円増加し3,927,971千円となりました。その結果、売上原価に計上した貸倒引当金繰入額は、前連結会計年度に比べ690,222千円増加し2,444,747千円となりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は10,226,855千円(前年同期比8.4%増)、営業利益は1,031,670千円(前年同期比32.3%減)、経常利益は1,090,065千円(前年同期比30.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は611,066千円(前年同期比34.1%減)となりました。

なお、のれん償却額261,900千円を販売費及び一般管理費に計上しております。

※ 当社グループの報告セグメントは家賃債務保証事業のみであり、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ187,582千円増加し、3,177,530千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,077,163千円の収入(前年同期は1,193,992千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,052,744千円、のれん償却額261,900千円、貸倒引当金の増加額668,575千円、前受金の増加額325,868千円等の増加要因があった一方、求償債権の増加額810,234千円、法人税等の支払額808,702千円等の減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、445,099千円の支出(前年同期は311,931千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出446,203千円、投資有価証券の売却による収入75,060千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、444,481千円の支出(前年同期は597,997千円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出164,817千円、配当金の支払額285,711千円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは家賃債務保証事業の単一セグメントであるため、売上科目別に記載しております。

売上科目

当連結会計年度

(自 2020年2月1日

至 2021年1月31日)

前年同期比(%)

初回保証料(千円)

5,537,854

108.5

年間保証料(千円)

4,538,186

108.5

その他売上(千円)

150,814

101.0

合計   (千円)

10,226,855

108.4

(注)1上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

その他売上は、主に月額保証料であります。

最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高及び収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況並びに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りを採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」中、「1連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の「注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、既存の不動産管理会社等との取引深耕に加え、新規代理店の開拓による新規契約件数及び保有契約件数の増加により、10,226,855千円(前年同期比8.4%増)となりました。

 

(売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、4,146,679千円(前年同期比26.8%増)となりました。これは主に貸倒引当金繰入額が690,222千円増加したことによるものであります。

この結果、当連結会計年度の売上総利益は、6,080,175千円(前年同期比1.4%減)となりました。

 

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,048,505千円(前年同期比8.7%増)となりました。これは主に租税公課が103,294千円、業務委託費が97,331千円増加したことによるものであります。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,031,670千円(前年同期比32.3%減)となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、償却債権取立益が10,710千円増加し、74,866千円となりました。また、営業外費用は、特別調査費用13,792千円が発生し16,471千円となりました。

以上の結果、当連会計年度の経常利益は、1,090,065千円(前年同期比30.9%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、1,052,744千円(前年同期比30.5%減)となり、法人税等合計441,677千円を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、611,066千円(前年同期比34.1%減)となりました。

 

b.財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ745,512千円増加の13,416,799千円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ297,713千円増加の6,827,443千円となりました。これは主に、現金及び預金が352,625千円、求償債権が810,234千円増加した一方で貸倒引当金が668,575千円増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ447,799千円増加の6,589,356千円となりました。これは主に、その他の無形固定資産が398,988千円、繰延税金資産が344,374千円増加したことによるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ543,949千円増加の6,605,069千円となりました。これは主に、流動負債の前受金が325,868千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ201,562千円増加の6,811,730千円となりました。これは主に、利益剰余金が親会社に帰属する当期純利益の計上により611,066千円増加した一方で、剰余金の配当により285,660千円減少したこと、また、自己株式の取得等により自己株式が115,172千円増加したことによるものであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(財務政策)

当社グループが営む家賃債務保証事業における資金需要の主なものは、代位弁済請求に対応する運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用及び設備資金があります。

これらの資金需要に対し、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。また、全ての運転資金、営業活動費用及び設備資金は自己資金で賄っております。

今後の資本的支出の内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却の計画」に記載のとおりであります。

 

d.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。

当連結会計年度におけるROEは、9.1%であります。引き続き財務基盤の安定・強化が図り、収益改善を目指してまいります。

e.主要な経営指標の状況

当社グループの経営成績に影響を与える主要な経営指標として代理店社数及び保有契約件数があり、その増加を図ってきた結果、初回保証料・年間保証料が増加しております。それぞれの経営指標に対する当社グループの取組み及び初回保証料・年間保証料を含む経営指標の推移は以下の通りとなっております。

(新規代理店獲得社数及び代理店社数)

当社グループは連帯保証を求める不動産管理会社等のニーズに応え新規代理店を増やしてまいりました。近年の傾向として、連帯保証を依頼する保証人がいない入居希望者や、連帯保証を第三者に依頼したくない入居希望者、保証人による連帯保証のみでは不安に感じる賃貸人や不動産管理会社等が増加していること、また、2020年4月の民法改正等の影響により、家賃債務保証に対するニーズは高まっていると考えております。こうした状況を踏まえ、当社グループは、新規契約の拡大を図るべく未提携不動産管理会社等に対する代理店契約締結に向けたアプローチを継続しており、最近3年間の新規代理店獲得社数及び代理店社数の推移は以下の通り推移しております。

 

 

 

(単位:社)

 

2019年1月期

2020年1月期

2021年1月期

新規代理店獲得社数

628

802

956

代理店社数合計

8,184

8,986

9,942

 

(新規契約申込件数及び保有契約件数)

当社グループは、代理店社数の増加に取組むとともに既存不動産管理会社等に対する利用促進のための提案等を継続し、賃貸人や不動産管理会社等のニーズに沿った商品・サービスを提供することにより、保有契約件数の増加を図っています。この取組みの結果、新規契約申込件数及び保有契約件数の最近3年間の推移は、以下の通り推移しております。

 

 

 

(単位:件)

 

2019年1月期

2020年1月期

2021年1月期

新規契約申込件数

166,361

177,094

186,296

保有契約件数

481,632

522,161

562,052

 

(初回保証料及び年間保証料)

当社グループは、初回保証料に加え年間保証料も受領するストック型ビジネスであることを特徴としており、これら初回保証料及び年間保証料を増加させていくため、代理店数の増加、保有契約件数の増加を図っております。その結果、最近3年間の初回保証料及び年間保証料は、以下の通り推移しております。

(単位:千円)

 

2019年1月期

2020年1月期

2021年1月期

初回保証料

4,590,885

5,105,630

5,537,854

年間保証料

3,864,875

4,181,229

4,538,186

 

f.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因についての詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。