文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営戦略等
当社グループは、介護用品および福祉用具の開発・製造・販売を通じて高齢者がいつまでも健やかに、元気に、生きがいを持って、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に寄与できる社会の構築により、社会貢献の実現を目指しております。
当社グループは、「中期経営計画TacaoF100」を策定し、経営ビジョンとして「シニアの未来を創る」、ミッションとして「培ってきた技術と最新テクノロジーの融合によって、明るく元気なシニアライフをサポートする福祉用具を創造する」を掲げ、「1.海外事業の推進」、「2.ブランド戦略(新商品シリーズの開発)」、「3.介護ロボットの事業化」を経営方針として事業活動を進めております。
「1.海外事業の推進」では、台湾において2018年に介護給付を目的とした制度の導入が開始し、同国に対する営業活動を強化しております。また、すでに老人長期療養保険制度(日本の介護保険制度に相当する制度)が導入されている韓国では、韓国農業協同組合中央会(略称:農協中央会)から大口の受注を獲得するなど、海外からの受注が堅調に推移しております。また、「2.ブランド戦略(新商品シリーズの開発)」では、「GENTIL MARRONE(ジェンティルマローネ)」ブランドとして2017年11月に発売を開始したロレータ型歩行車「Michele(ミケーレ)」については、2018年8月に一部製品に不具合が発生したため自主回収を実施いたしましたが、その後、徐々に採用が決まり受注が戻りつつあります。さらに、「3.介護ロボットの事業化」につきましては、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同開発により介護施設内での転倒を防止する屋内用ロボット歩行車の開発を2021年2月度の上市に向けて開発を進めております。なお、株式会社MJIとの共同開発による介護施設向け見守り支援ロボット「Nurse Tapia(ナースタピア)(仮称)」につきましては、共同開発を中止し、自社単独による「見守り支援型コミュニケーションロボット」の開発を進めております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが、経営上の目標とする指標(数値)は、以下のとおりとなっております。
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会計年度 |
2020年2月期 (目標) |
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売上高 |
6,140百万円 |
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営業利益 |
150百万円 |
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経常利益 |
169百万円 |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
218百万円 |
(3)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いております。また、世界経済も緩やかに回復しているものの、中国を始めとするアジア新興国の経済の先行き不安や政策に関する不確実性による影響、また、金融資本市場の変動の影響等が懸念されております。
また、高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった2015年に3,387万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3,677万人に達すると見込まれております。その後も高齢者人口は増加傾向が続き、2042年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されております。総人口が減少するなかで高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、2036年に33.3%で3人に1人が高齢者となり、2042年以降に高齢者人口が減少に転じても高齢化率の上昇傾向が続き、2065年には38.4%に達し、国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると予想されております。当社グループが属する介護用品・福祉用具業界におきましては、このような高齢化の進展にともない市場の拡大が期待されております。
なお、2018年度に改正となった介護保険制度について、2016年12月に開催されました社会保障審議会介護保険部会において、財政制度審議会から建議されておりました「軽度者(要介護2以下)を中心とした保険給付割合の大幅な引き下げ」は見送られ、介護福祉用具貸与・販売事業者の需要が回復しつつあります。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当社グループは、永続的な発展のための礎となる経営基盤の強化と確立に向けて、以下の事項を重要な経営課題と認識し、今後、取り組んでまいります。
①販売チャネルおよび取扱製商品領域の拡大
当社グループは、これまで、介護用品(介護保険対象外商品)についてホームセンターや量販店を中心に販路を広げてきました。2018年11月に当社連結子会社(当社株式持分51%)株式会社ネクストケア・イノベーションを設立し、2019年1月に株式会社ネクストより、EC事業の承継を受け、インターネット販売を開始しました。また今後、さらなる成長に向けて、百貨店、病院売店、ドラッグストアおよびかばん専門店など、販路の拡大を進めてまいります。
さらに、当社グループは、歩行車、シルバーカーおよび歩行補助杖など歩行系の介護用品・福祉用具を強みとして、事業を展開してまいりました。2019年3月に、株式会社シクロケアを100%出資の連結子会社としております。同社は、介護保険における住宅改修用品および介護保険貸与(レンタル)の対象となる手すりやスロープ、また、介護保険販売の対象品目となる特定福祉用具の入浴補助具(すのこ)等の製造・販売を行っております。同社の事業を当社グループに加えることによって、当社グループが取り扱う介護保険分野における製商品の領域の拡大、品揃えを強化することができております。今後も事業の成長を加速するため、販売チャネルおよび取扱製商品領域の拡大を行ってまいります。
②シニア関連事業の拡大
当社グループは、2019年3月に有限会社パムック(貸与事業所3店舗、デイサービス2棟)および株式会社あっぷる(貸与事業所1店舗、デイサービス1棟)を100%出資の連結子会社としております。
有限会社パムックは、デイサービス事業、福祉用具のレンタル・販売事業および車いすのオーダーメイド事業を展開しております。自立支援を目的としたデイサービス事業、ご利用者の住環境に合わせた福祉用具を、ご利用者の視点に立って提案する福祉用具レンタル事業、そして、一人ひとりの体型やニーズに合わせて製作する車いすのオーダーメイド事業により、地域の介護福祉に貢献し、さらなる事業の拡大を目指します。また、株式会社あっぷるは、デイサービス事業および福祉用具レンタル事業を展開しております。同社のテリトリーは有限会社パムックのテリトリーに隣接しており、事業展開においてドミナントを形成し、両社の相乗効果によって効率的な経営を行うことが可能となり、両社の事業の拡大を図ってまいります。さらに、当社グループの強みは、市場からいち早くニーズを吸い上げ、製品化する開発力にあります。今後の市場における優位性の確保には開発力が重要であるという認識のもと、その経営資源の強化を課題として取り組んでまいります。
③介護ロボットの事業化
当社グループは、2015年10月に電動アシスト機能付歩行車「リトルキーパス」を発売し、2016年4月には、軽量コンパクトで人気の機種「テイコブリトルスリム」に電動アシスト機能を搭載した「リトルキーパスS」を発売しております。この「リトルキーパス」は、厚生労働省社会保障審議会(介護給付費分科会)におきまして、日本で初めて介護ロボットとして介護保険のレンタル対象商品の認定を受けました。また、社会的ニーズが明確であるなどの理由から経済産業省と一般社団法人日本機械工業連合会が主催する「第7回ロボット大賞」にて「最優秀中小・ベンチャー企業賞(中小企業庁長官賞)」を受賞いたしました。また、2017年5月には東京、新橋に「ロボティクスR&Dセンター」を新設し、使用される現場のニーズに合致した「自立支援型転倒防止ロボット歩行車」の2021年2月期での上市を目指して開発に取り組んでおります。
今後は、従来の技術では解決できなかった介護の現場における問題を解決するため、ロボット技術を利用した製品の開発を強化し、介護ロボット製品市場の開拓に取り組んでまいります。
④海外事業の推進
当社グループは、今後、高齢化社会を迎える東アジアおよび東南アジア地域(韓国、中国、台湾、香港、インドネシア、タイ)におきまして、介護用品・福祉用具の販売の強化に取り組んでおります。台湾におきましては、2018年に介護給付を目的とした制度の導入が開始されており、同国に対する営業活動を強化しております。また、すでに老人長期療養保険制度(日本の介護保険制度に相当する制度)が導入されている韓国では、韓国農業協同組合中央会(略称:農協中央会)から大口の受注を獲得するなど、海外からの受注が堅調に推移しております。当社グループは、海外でのこのような状況を踏まえ、積極的に海外における展示会に出展を行うことなどにより、海外事業の拡大に取り組んでまいります。
⑤品質管理体制の強化
当社グループでは、ロレータ型歩行車「Michele(ミケーレ)」の自主回収により、2019年2月期において大きな損失を計上することとなりました。その反省に立ち、お取引先およびご利用者の信頼を回復すべく、設計プロセス、開発プロセスさらに生産プロセスにおけるすべての品質管理体制の見直しを実施いたしました。今後も安心・安全かつ高品質を担保するため、不良率の低減に向けた品質管理体制の構築に取り組んでまいります。
⑥生産管理体制の強化
東莞幸和家庭日用品有限公司(当社連結子会社)において、部材等の調達原価の低減、生産工程内での不良率の低減および当社からの発注予測情報(フォーキャスト)の共有による生産リードタイムの短縮など、効率的な生産管理体制の強化に取り組んでまいります。
⑦組織機能の向上および人材の育成
当社グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、また、あらゆる経営課題を克服するためにグループ内の組織機能の関連性を強化し、継続して向上させることが課題と認識しております。当社グループはこれらの組織機能を支える重要な要素である人材について、かねてよりOJTや社内外の研修を通じてその育成に努めておりますが、今後も経営環境の変化に対して機動的に対応できる人材の確保および育成は、継続的な課題であると認識しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項は以下のとおりです。
ただし、以下の事項は当社グループに係る全ての事業等のリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測の難しい事業等のリスクが存在するものと考えられます。また、そのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示を行うという観点から記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループの予測に基づいて判断したものであります。
(1)生産体制に関するリスク
当社グループの生産体制は、当社が企画・開発した製品を生産子会社である東莞幸和家庭日用品有限公司で量産する体制を敷いております。当社グループは高品質と安全性の確保に重点を置き、中国の生産子会社での生産を今後も継続する方針であります。
しかしながら、当社グループが生産活動を行う海外における政治または法環境の変化、労働力の不足および人件費の高騰、ストライキ、物流網の混乱、経済状況の変化など、予期せぬ事象により生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じる可能性があります。
従いまして、これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(2)製品の欠陥および製造物責任に関するリスク
当社グループは、生産子会社である東莞幸和家庭日用品有限公司およびその他の協力工場において、一般財団法人製品安全協会のSG基準(製品安全規格)や工業標準化法に基づく国家規格のJIS(日本工業規格)および国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従って製品の品質向上に努め、各種製品の製造および商品の仕入を行っております。
しかしながら、すべての製品や商品について欠陥が発生しないという保証はなく、当社グループが加入している製造物責任賠償に係る保険についても、最終的に負担する賠償額を十分に補うことを保証するものではありません。万一、製品の欠陥が発生した場合や顧客の安全のために大規模なリコールを実施した場合には、多額の損害賠償や製品回収費用を当社が負担するだけではなく、当社ブランドが著しく毀損し、売上高の減少につながることが考えられます。このような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(3)介護保険制度に関するリスク
当社グループが行っている事業は、介護保険制度に大きく影響を受けております。
社会の高齢化の進展に伴い、介護を必要とする方の増加が見込まれておりますが、少子化・核家族化などにより家族だけで介護を支えることは困難な状況にあります。「介護保険制度」は、こうした状況を背景に、介護を必要とする状態となっても安心して生活が送れるよう、介護を社会全体で支えることを目的として2000年4月からスタートしたものです。
介護保険制度は、加入者が保険料を負担し合い、介護が必要なときに認定を受け、必要な介護サービスを利用する制度です。その介護保険の実施主体は市町村となっており、保険者として保険料と公費を財源として、介護保険事業を運営しております。介護保険制度の加入者(被保険者)は、年齢により第1号被保険者(65歳以上の方)と第2号被保険者(40歳~64歳の方で医療保険に加入されている方)に区分されており、第1号被保険者の方は原因を問わず、また、第2号被保険者の方は、加齢による病気(特定疾病)が原因で介護や支援が必要となった場合に要介護認定を受け、それぞれの要介護状態に応じたサービスを利用することができます。
この介護保険制度で受けることのできるサービスの一つに「福祉用具の貸与(レンタル)および購入」があり、要介護認定を受けた被保険者は、「福祉用具の貸与(レンタル)および購入」を10%の自己負担で利用することができます。当社の介護用品・卸売事業者等を対象とする営業2部の売上高は、16億30百万円(2019年2月期)となっており、売上高構成比で36.0%を占めております。このため、要介護認定を受ける被保険者の範囲、介護保険の適用となる福祉用具の範囲や利用者の負担率が変更されることで需要動向が変化し、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(4)為替変動に関するリスク
当社グループは、取扱製品および商品の輸出入取引を行っており、それらに係る外貨建金銭債権および債務について、為替相場の変動リスクを有しております。間接的な影響を含め、これらを排除することは困難であるため、為替相場の変動が当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、当社グループの輸出入取引は、アジアを中心とした複数の国々との間で行われており、今後もその取引は継続されていくため、各国の経済情勢の変化および災害の発生等にともなう輸出入環境の変化が当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(5)特定の取引先への依存についてのリスク
当社グループの販売先のうち、主たる取引先であるパナソニックエイジフリー株式会社に対する販売割合が2019年2月期連結会計年度末において13.9%を占めております。
当社グループでは、上記取引先と良好な取引関係を継続する方針でありますが、特定取引先に過度に依存しないよう、新規取引先の開拓に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、上記取引先の当社に対する取引方針如何によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(6)業績の季節変動に関するリスク
当社グループの主要な製品である歩行関連の福祉用具は、その性質上、母の日や敬老の日のプレゼント需要の影響を受けております。また、気温が低下する季節においては、高齢者の外出機会減少の影響を受けております。
このことより、気温の低下する季節を含む第4四半期の売上高が他の四半期と比べて小さくなるという季節変動性を持っております。当社グループでは、第4四半期においても売上を確保すべく努力してまいりますが、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。
なお、2019年2月期の当社グループの業績は以下のとおりです。
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2019年2月期 第1四半期 |
2019年2月期 第2四半期 |
2019年2月期 第3四半期 |
2019年2月期 第4四半期 |
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売上高 (千円) |
1,266,162 |
1,121,697 |
1,187,886 |
950,550 |
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営業利益又は営業 損失(△)(千円) |
18,420 |
△81,273 |
11,181 |
△221,210 |
(7)大手企業参入によるリスク
当社グループが属する福祉用具関連市場は、超高齢化社会を迎える我が国の有望な成長産業として、様々な業種や業態からの市場参入や新規事業化を目指した企業の取組が活発化しております。これまでは競合する企業は中小企業が中心でしたが、今後は大手企業の参入により、優位性、価格競争、市場シェア、収益等への影響が予測されます。このような競合が顕在化した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(8)カントリーリスクについて
当社グループは、当社製品の製造・販売を行う連結子会社を中国に設立しております。現地法人は中国の安価な人件費による製造原価の低減や現地企業の優位性を享受することおよび販路の拡大を目的として事業活動を行っておりますが、当社グループの事業に不利な影響をおよぼす法令または諸規制の制定および改廃、予期しない不利な経済的または政治的要因の発生、人件費高騰や人材確保に障害が発生した場合など、当社グループの想定している範囲を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(9)原材料の価格高騰のリスク
当社グループの製品の主な原材料は、アルミパイプおよび樹脂などになります。これらの原材料は資源価格の変動リスクに晒されており、不測の資源価格高騰により原材料コストの上昇が発生し、販売価格への転嫁が遅れる場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(10)物流コストの高騰リスク
当社グループの商品および製品の大半は海外からの輸入となっており、販売先への納品についても物流業者へ委託を行っております。このため、燃料の高騰や人件費の高騰などにより物流コストが急激に上昇した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(11)研究開発についてのリスク
当社グループは、従前より市場ニーズの変化に対応した新しい機能性製品の研究開発を推進しております。このため、市場ニーズが当社グループの想定を大きく超えて変化した場合や、市場ニーズに合った開発品を適時に製品化できない場合、当初の想定を超えて研究開発費が大きく増加した場合には、研究開発投資を回収できないことにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(12)災害に関するリスク
当社グループは、火災や台風といった災害に備え、建物・機械設備・製品等の資産に対し損害補償を行う「企業財産総合保険」に加入しております。
しかしながら、地震や台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点設備が大きな被害を受け、操業が一部中断、停止し生産および出荷が遅延する可能性があります。
また、被害を受けた設備等の修復のため、多額の費用が発生する可能性があり、当該災害が当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(13)訴訟リスク
当社グループは、国内および海外事業に関して、取引先、当社製品の使用者その他との間で紛争が発生し、訴訟やその他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。重要な訴訟等の提起があり、裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(14)知的財産権についてのリスク
当社は、新製品の開発時に創出された知的財産権を有しております。これら知的財産権は重要な経営資源の一つであると認識しており、知的財産権の保護、知的財産権にからむ紛争の回避は重要な経営課題であります。
しかしながら、当社の知的財産権が、第三者により無効とされる可能性、特定の地域では十分な保護が得られない可能性や知的財産権が模倣される可能性もあり、当該知的財産権が完全に保護されないことによって、当社グループの経営成績や財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、当社では総務部総務課が知的財産権を一元的に管理しており、事前に調査を行っておりますが、結果として第三者の特許を侵害するに至った場合や、その他知的財産権に係る紛争が発生した場合は、当社グループの製品の生産および販売が制約されたり、損害賠償金の支払が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(15)人材の確保についてのリスク
当社グループは、今後の事業拡大を図るため、継続した人材の確保が必要と考えており、優秀な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めていく方針であります。
しかしながら、優秀な人材の確保が計画どおりに進捗しない場合、また、在籍する人材の多くが流出する等の状況が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大に影響が生じる可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
特に、当社の連結子会社である東莞幸和家庭日用品有限公司(以下「同社」という。)では、非管理部門である工場の作業員の退職者数が多数にのぼっております。これは、特に地方の労働者が、故郷へより多くの仕送りをできるよう、より残業時間の多い他工場に転職してしまうことが主な理由であると当社グループでは考えております。同社では、従業員のための社員寮を完備するなど、地方からの労働者の生活に配慮するほか、毎年一回の社員旅行や運動会の開催等、従業員同士の親睦が図れる制度や、従業員の意見を吸い上げる仕組みを整備しておりますが、今後、同社の作業員の確保が十分にされなくなった場合には、同社の生産活動が滞り、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(16)内部管理体制についてのリスク
当社グループは、企業価値の継続的な向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性および財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するにあたり十分な体制を構築していると考えておりますが、未だ発展途上にあり、今後の事業運営および事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。
しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(17)固定資産の減損についてのリスク
当社グループは、建物や製造設備等の有形固定資産を保有しており、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、今後、大幅な企業収益の悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
(18)金利変動および財務制限条項についてのリスク
当社グループの有利子負債依存度は、2019年2月期連結会計年度末において49.7%となっております。当社グループは、有利子負債の削減や金融収支の改善に努めておりますが、今後、有利子負債が増加した場合および金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、当社グループは事業資金の調達を行うに際し、取引金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しておりますが、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。本書提出日現在においては財務制限条項に抵触しておりませんが、今後抵触した場合には、該当する借入金の一括返済および契約解除のおそれがあり、当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
財務制限条項の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) 3 財務制限条項」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(貸借対照表関係) 3 財務制限条項」に記載のとおりです。
なお、本書提出日現在において、当該契約に基づく借入残高はありません。
(19)潜在株式による株式価値の希薄化についてのリスク
当社グループは、取締役および従業員の士気向上や優秀な人材の確保等を目的として、新株予約権を付与しております。2019年2月期連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は294,570株であり、発行済株式総数4,186,260株に対する割合は7.0%となっております。これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、当社株式の市場価格に影響をおよぼす可能性があります。
(20)M&Aについてのリスク
当社グループは、事業領域の拡大や新規事業分野への早期の進出等による成長スピードの加速を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。
また、M&Aの実施にあたり、対象企業の財務内容や契約関係等について公認会計士および弁護士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めることを前提としております。
しかしながら、M&Aによる事業展開においては、予期しない事業リスク等の発生により業績が悪化、のれんの償却、減損等が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
(1)経営成績および財政状態の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が見られるなか、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いております。また、世界経済も緩やかに回復しているものの、中国を始めとするアジア新興国の経済の先行き不安や政策に関する不確実性による影響、また、金融資本市場の変動の影響等が懸念されております。
また、当社グループが属する介護用品・福祉用具業界におきましては、高齢化の進展にともない市場の拡大が期待されております。
このような状況のなか、当社グループは、「1.海外事業の推進」、「2.ブランド戦略(新商品シリーズの開発)」、「3.介護ロボットの事業化」を経営方針とし事業活動を進めておりますが、2017年11月に販売を開始しましたロレータ型歩行車「Michele(ミケーレ)」におきまして、ごく一部の製品について不具合が発生する可能性があることが判明し、当該製品の交換もしくは補修を行うため、出荷済みの本製品について自主回収を実施したことにより特別損失を計上しました。このような品質問題の再発に向けまして、開発プロセスから生産プロセスおよび出荷プロセスに至るまで、品質管理体制の見直しを実施しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,041,164千円増加し、4,717,452千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,425,717千円増加し、3,445,692千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ384,552千円減少し、1,271,760千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,526,297千円(前年同期比11.1%減)、営業損失272,882千円(前年同期は営業利益562,460千円)、経常損失262,200千円(前年同期は経常利益453,095千円)、親会社株主に帰属する当期純損失358,158千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益356,397千円)となりました。
なお、当社グループは、福祉用具事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,409,311千円となり、前連結会計年度末に比べ852,411千円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は215,316千円(前年同期は520,011千円の獲得)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失310,728千円、売上債権の減少額116,064千円、減価償却費86,989千円、仕入債務の増加額49,807千円、製品自主回収関連費用62,716千円、未払消費税等の減少額47,468千円、法人税等の支払額121,855千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は368,296千円(前年同期は53,233千円の使用)となりました。主な要因は、会社分割による前払支出178,000千円、投資有価証券の取得による支出101,015千円、有形固定資産の取得による支出76,709千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,470,057千円(前年同期は45,480千円の使用)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入1,800,000千円、株式の発行による収入101,318千円、非支配株主からの払込みによる収入43,560千円、長期借入金の返済による支出339,125千円、配当金の支払額108,770千円であります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループは、福祉用具事業の単一セグメントであるため、当連結会計年度の生産実績をセグメント別に替えて主要な商品カテゴリー別に掲載いたします。
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生産実績 |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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シルバーカー |
685,493 |
153.6 |
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歩行車 |
375,436 |
82.7 |
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入浴補助具 |
57,054 |
72.4 |
|
OEM |
410,893 |
110.4 |
|
その他 |
29,758 |
58.1 |
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合計 |
1,558,635 |
111.1 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当社グループは、福祉用具事業の単一セグメントであるため、当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に替えて、原材料および商品別の実績を掲載いたします。
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原材料および商品仕入実績 |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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原材料 |
1,087,418 |
112.0 |
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商品 |
844,817 |
95.1 |
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合計 |
1,932,235 |
104.0 |
(注)1.金額は実際仕入原価によっております。
2.商品仕入実績の商品カテゴリー別の内訳は次のとおりであります。
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商品区分 |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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シルバーカー |
174,635 |
108.5 |
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歩行車 |
20,255 |
33.4 |
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杖 |
183,188 |
115 |
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車いす |
83,526 |
104.6 |
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その他 |
383,210 |
89.7 |
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合計 |
844,817 |
95.1 |
3.金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当社グループは、福祉用具の単一セグメントであるため、当連結会計年度の受注実績をセグメント別に替えて、OEM受注実績およびその他の商品カテゴリーに区分して掲載いたします。
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受注実績 |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
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受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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OEM |
688,428 |
102.1 |
188,262 |
172.9 |
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その他 |
277,662 |
196.1 |
92,382 |
206.2 |
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合計 |
966,091 |
118.4 |
280,644 |
182.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当社グループは、福祉用具事業の単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績をセグメント別に替えて主要な商品カテゴリー別に掲載いたします。
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商品カテゴリー別 |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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シルバーカー |
1,416,851 |
107.7 |
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歩行車 |
1,335,531 |
71.8 |
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杖 |
405,760 |
100.6 |
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入浴補助具 |
204,041 |
73.0 |
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OEM |
609,855 |
91.0 |
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その他 |
681,655 |
97.0 |
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売上割戻金等 |
△127,398 |
92.4 |
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合計 |
4,526,297 |
88.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.売上割戻金等は、商品ごとではなく売上高の合計を基準としているため、区分ごとに配分できない事から合計額で表示しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年3月1日 至 2018年2月28日) |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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パナソニックエイジフリー株式会社 |
673,349 |
13.2 |
628,893 |
13.9 |
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株式会社ウェルファン |
636,853 |
12.5 |
- |
- |
4.金額には、消費税等は含まれておりません。
5.当連結会計年度における株式会社ウェルファンの販売実績は総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載しておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、「重要な会計方針および見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
①売上高および売上総利益
ロレータ型歩行車「Michele(ミケーレ)」の自主回収にともなう対応等のため営業活動が大きく制約された影響等もあり、売上高は4,526,297千円(前期比11.1%減)となりました。利益面では、粗利率の高い歩行車の売上構成比が低下したこと等により、売上総利益率が前年に比べ6.0ポイント低下し、返品調整引当金控除後の売上総利益は、2,083,738千円(同21.6%減)となりました。
②販売費及び一般管理費および営業利益
製品開発力および品質管理の強化を目的とした人員の増加、従業員の採用や定着率の向上を目的とした人事制度の見直し等により人件費が増加したこと、介護ロボット開発のための試験研究費の増加や介護ロボット開発にともなう業務委託費用の増加、企業買収にかかる業務委託費用等の発生により2,356,621千円(同12.5%増)となり、その結果、営業損失は272,882千円(前年同期は営業利益562,460千円)となりました。
③営業外損益および経常利益
為替差益、補助金収入等により営業外収益39,816千円(同271.4%増)を計上し、売上割引、雑損失等により営業外費用29,134千円(同75.7%減)を計上した結果、当連結会計年度の経常損失は262,200千円(前年同期は経常利益453,095千円)となりました。
④特別損益および当期純利益
特別利益として投資有価証券売却益を、特別損失として製品自主回収関連費用等を計上したことにより、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は310,728千円(前年同期は税金等調整前当期純利益443,345千円)となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は358,158千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益356,397千円)となりました。
(3)財政状態の分析
①流動資産
流動資産は、前連結会計年度と比較し、903,308千円増加の4,023,443千円となりました。主な要因は、現金及び預金が822,411千円、その他に含まれる未収還付法人税が35,576千円、未収消費税が34,423千円増加したものの、受取手形及び売掛金が119,547千円、商品及び製品が20,729千円減少したこと等によるものであります。
②固定資産
固定資産は、前連結会計年度と比較し、137,856千円増加の694,009千円となりました。主な要因は、有形固定資産のその他に含まれる工具器具備品が30,529千円、投資有価証券が101,097千円、投資その他の資産のその他に含まれる長期貸付金が40,000千円等増加したものの、建物が13,169千円、無形リース資産が30,048千円減少したこと等によるものであります。
③流動負債
流動負債は、前連結会計年度と比較し、171,534千円増加の1,499,041千円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が23,896千円、1年内返済予定の長期借入金が205,240千円、未払金が14,676千円が増加した等あったものの、未払法人税等81,581千円、賞与引当金3,001千円が減少したこと等によるものであります。
④固定負債
固定負債は、前連結会計年度と比較し、1,254,182千円増加の1,946,650千円となりました。主な要因は、長期借入金が1,255,635千円、その他に含まれる繰延税金負債が27,903千円増加し、リース債務が28,640千円減少したこと等によるものであります。
⑤純資産
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ384,552千円減少の1,271,760千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失による利益剰余金358,158千円、配当金の支払による利益剰余金108,770千円、為替換算調整勘定63,132千円等の減少が、新株予約権の行使による資本金および資本剰余金の増加102,078千円、非支配株主持分43,349千円等の増加を上回ったことによるものであります。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(8)資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は2,346,475千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,409,311千円となっております。
(吸収分割による事業承継)
当社は2018年11月15日開催の取締役会におきまして、「株式会社ネクスト」の介護用品のインターネット販売に関する事業を2018年11月1日に設立いたしました当社の連結子会社「株式会社ネクストケア・イノベーション」へ吸収分割により承継する吸収分割契約を締結することにつき決議し、同日付でこれを締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(吸収分割による事業承継)」に記載のとおりです。
(株式の取得による連結子会社化)
当社は2019年2月18日開催の取締役会におきまして、「有限会社パムック」「株式会社あっぷる」の株式を取得することにより両社を連結子会社化することにつき決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
また、同様に2019年2月28日開催の取締役会におきまして、「株式会社シクロケア」の株式を取得することにより同社を連結子会社化することにつき決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(株式の取得による連結子会社化)」に記載のとおりです。
当社グループの研究開発活動の基本姿勢は、福祉用具の総合メーカーとして、歩行支援、入浴支援、排泄支援他、様々な福祉用具を全方位に研究開発し、高齢者の方々が「幸せを感じ、心が豊かになる」ような価値の高い製品を数多く創り出すことにあります。当社グループの研究開発活動は、当社開発本部と東莞幸和家庭日用品有限公司開発本部が担っております。
製品化にあたっては、主に次の四つのフェーズにおいて社内会議を経て推進しております。第一フェーズとして製品企画と開発スタートの承認、第二フェーズとして仕様決定と金型着工の承認、第三フェーズとして価格決定と量産の承認であります。そして、第四フェーズとして上市後の販売状況や顧客からのフィードバックを受けて検証を行い、次の開発に向けての参考としております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、238,962千円であり、活動概要は以下のとおりであります。
当社グループの主力製品が属する歩行支援分野において、カゴ載せ機能を付加した業界最小幅となるワゴンタイプ歩行車「テイコブリトルワゴンミニ」、男性向け福祉用具ブランド「GENTIL MARRONE(ジェンティルマローネ)」の第二弾としてワンタッチで前後左右方向にコンパクトに折りたためる歩行車「Santino(サンティノ)」を発売いたしました。また新たな市場として拡大中である片手で押して杖代わりに使える横押しカートでは、業界初となるショッピングカートのように引いても使える新機能を付加した「aカートショッピング」、また杖においては株式会社バンダイと共同で昭和を代表するロボットアニメをテーマとした「テイコブコラボステッキ」を新たに企画、発売いたしました。さらに従来室内専用とされていた多脚杖を屋外へと用途拡大を図った「テイコブおでかけステッキ」、室内において立ち上がりを支援する携帯型の手すり「テイコブらくらくタッチ」など多数の新製品を発売いたしました。
また入浴支援分野においては、使用者や浴室の状態に応じて肘掛けの脱着および高さ調節を可能にした「テイコブ折りたたみシャワーチェア(ミドル)」を発売いたしました。
介護ロボット分野におきましては、厚生労働省より受託しておりました平成29年度介護ロボットのニーズ・シーズ連携協調協議会設置事業(移動支援)の成果をもとに、産業技術の幅広い分野において日本最大級の研究機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所とともに転倒防止ロボット歩行車の共同研究を進めております。
当該製品の研究開発は「座らせきり介護ゼロを目指す自立支援型転倒防止ロボット歩行車の研究開発」として、中小企業庁より公募のありました平成30年度戦略的基盤技術高度化支援事業にも採択され、歩行車に重心偏倚抑制機能を付加し、歩行中の転倒を防止することで被介護者が付き添いなしで安全に歩行することの実現を目指しております。
また、コミュニケーションロボットにつきまして、2018年2月より進めておりました株式会社MJIとの共同開発を、2018年12月をもって中止し、高齢者および要介護認定者などを対象としたコミュニケーションロボットを、当社内において独自に開発を進めております。
さらに当社は、事業活動を通じて専門的な研究を行い、シニアの生活をリードする先進的な福祉用具等を産出することを目的とし、2018年9月にシニア未来研究所を設立いたしました。
主な活動内容は、高齢者や要介護認定者などの歩行中の転倒に関する実験検証のための評価技法の研究であります。具体的には、転倒防止ロボット歩行車の利用中において想定される様々な転倒に応じた機能の評価技法について研究を実施いたしました。
また、外出時の歩行ログデータの取得と解析に関する研究として、歩行車使用時の歩行関連データを収集することで、高齢者や要介護認定者などの歩行車への依存度や歩行状態を把握するための検知記録装置を研究開発いたしました。当社は、パナソニック株式会社が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称:AMED)より採択されました「介護記録・センサー/ロボットのパッケージ化による介護業務支援システムに関する研究開発」へ、協力機関として当該機器を提供しております。