第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針および経営戦略等

当社グループは、介護用品および福祉用具の開発・製造・販売を通じて高齢者がいつまでも健やかに、元気に、生きがいを持って、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に寄与できる社会の構築により、社会貢献の実現を目指しております。

当社グループは、「1.取扱い製品領域の拡大」、「2.シニア関連事業の拡大」、「3.介護ロボット事業の確立」、「4.海外事業の開拓」を主な経営方針として事業活動を進めております。

「1.取扱い製品領域の拡大」では、株式会社シクロケアを連結子会社とすることにより、同社が取り扱う介護保険における住宅改修用品および介護保険貸与(レンタル)の対象となる手すりやスロープ、また、介護保険販売の対象種目となる特定福祉用具の入浴補助具(すのこ)等、これまで当社の市場シェアが低いもしくは参入できていなかった製品領域への参入を推進しております。「2.シニア関連事業の拡大」では、2018年11月に設立した株式会社ネクストケア・イノベーションが2019年1月よりEC事業を開始しており、インターネットを利用した福祉用具の販売を展開しております。また、2019年3月から連結子会社となっている株式会社幸和ライフゼーション(旧有限会社パムック)は、デイサービス事業および福祉用具貸与(レンタル)事業等を行っており、介護サービス事業まで事業領域を拡大しております。「3.介護ロボット事業の確立」では、「自立支援型転倒防止ロボット歩行車」の2021年2月期の上市に向けて開発を進め、開発と並行しながら販路開拓に向けて市場調査を行いました。「4.海外市場の開拓」では、すでに老人長期療養保険制度(日本の介護保険制度に相当する制度)が導入されている韓国を中心に受注が堅調に推移しており、2018年2月に介護保険制度が導入となった台湾におきましても、販売代理店との関係強化や展示会への出店等、積極的に進めてまいりました。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2021年2月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大が当社グループの業績に与える影響を鑑み、現時点において合理的に算定することが困難と判断し未定といたしました。

連結業績予想の合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示いたします。

 

(3)経営環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、東京オリンピック・パラリンピックが控えるなか、雇用・所得環境の改善が見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。また、世界経済も緩やかに回復しているものの、中国を始めとするアジア新興国の経済の先行き不安や政策に関する不確実性による影響、金融資本市場の変動の影響等に加え、2020年1月下旬から大きく報道されている新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に収束の気配がなく、長期的な景気の落ち込みが予想されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

しかし、高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった2015年に3,558万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3,677万人に達すると見込まれております。その後も高齢者人口は増加傾向が続き、2042年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されております。総人口が減少するなかで高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、2036年に33.3%で3人に1人が高齢者となり、2042年以降に高齢者人口が減少に転じても高齢化率の上昇傾向が続き、2065年には38.4%に達し、国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると予想されております。当社グループが属する介護用品・福祉用具業界におきましては、このような高齢化の進展にともない市場の拡大が期待されております。

 

(4)事業上および財務上の対処すべき課題

当社グループは、永続的な発展のための礎となる経営基盤の強化と確立に向けて、以下の事項を重要な経営課題と認識し、今後、取り組んでまいります。

 

①販売チャネルおよび取扱い製品領域の拡大

当社グループは、これまで、介護用品(介護保険対象外商品)についてホームセンターや量販店を中心に販路を広げてきました。2018年11月に当社連結子会社(当社株式持分51%)株式会社ネクストケア・イノベーションを設立し、2019年1月に株式会社ネクストより、EC事業の承継を受け、インターネット販売を開始しました。また今後、さらなる成長に向けて、百貨店、病院売店、ドラッグストアおよびかばん専門店など、販路の拡大を進めてまいります。

さらに、当社グループは、歩行車、シルバーカーおよび歩行補助杖など歩行系の介護用品・福祉用具を強みとして事業を展開してまいりましたが、2019年3月に、株式会社シクロケアを100%出資の連結子会社としております。同社は、介護保険における住宅改修用品および介護保険貸与(レンタル)の対象となる手すりやスロープ、また、介護保険販売の対象品目となる特定福祉用具の入浴補助具(すのこ)等の製造・販売を行っており、同社の事業を当社グループに加えることによって、当社グループが取り扱う介護保険分野における製商品の領域の拡大、品揃えを強化することができております。今後も事業の成長を加速するため、販売チャネルおよび取扱製商品領域の拡大を行ってまいります。

 

②シニア関連事業の拡大

当社グループは、2019年3月に有限会社パムックおよび株式会社あっぷるを100%出資の連結子会社としております。

有限会社パムックは、デイサービス事業、福祉用具のレンタル・販売事業および車いすのオーダーメイド事業を展開しており、自立支援を目的としたデイサービス事業、ご利用者の住環境に合わせた福祉用具を、ご利用者の視点に立って提案する福祉用具レンタル事業、そして、一人ひとりの体型やニーズに合わせて製作する車いすのオーダーメイド事業により、地域の介護福祉に貢献し、さらなる事業の拡大を目指します。また、株式会社あっぷるは、デイサービス事業および福祉用具レンタル事業を展開しております。同社のテリトリーは有限会社パムックのテリトリーに隣接しており、事業展開においてドミナントを形成し、両社の相乗効果によって効率的な経営を行うことが可能となり、両社の事業の拡大を図ってまいります。さらに、当社グループの強みは、市場からいち早くニーズを吸い上げ、製品化する開発力にあります。今後の市場における優位性の確保には開発力が重要であるという認識のもと、その経営資源の強化を課題として取り組んでまいります。

なお、有限会社パムックは2019年9月27日付で株式会社幸和ライフゼーションに商号変更を行っており、さらに2019年10月1日付で株式会社幸和ライフゼーションを存続会社とし、株式会社あっぷるを消滅会社とする吸収合併を行っております。

 

③介護ロボットの事業化

当社グループは、2017年5月には東京、新橋に「ロボティクスR&Dセンター」を新設し、使用される現場のニーズに合致した「自立支援型転倒防止ロボット歩行車」の2021年2月期での上市を目指して開発に取り組んでおります。

今後は、従来の技術では解決できなかった介護の現場における問題を解決するため、ロボット技術を利用した製品の開発を強化し、介護ロボット製品市場の開拓に取り組んでまいります。

 

④海外事業の推進

当社グループは、今後、高齢化社会を迎える東アジアおよび東南アジア地域(韓国、中国、台湾、香港、インドネシア、タイ)におきまして、介護用品・福祉用具の販売の強化に取り組んでおります。台湾におきましては、2018年に介護給付を目的とした制度の導入が開始されており、同国に対する営業活動を強化しております。また、すでに老人長期療養保険制度(日本の介護保険制度に相当する制度)が導入されている韓国では、韓国農業協同組合中央会(略称:農協中央会)から大口の受注を獲得するなど、海外からの受注が堅調に推移しております。当社グループは、海外でのこのような状況を踏まえ、積極的に海外における展示会に出展を行うことなどにより、海外事業の拡大に取り組んでまいります。

 

⑤品質管理体制の強化

当社グループでは、ロレータ型歩行車「Michele(ミケーレ)」の自主回収により、2019年2月期において大きな損失を計上することとなりました。その反省に立ち、お取引先およびご利用者の信頼を回復すべく、設計プロセス、開発プロセスさらに生産プロセスにおけるすべての品質管理体制の見直しを実施いたしました。今後も安心・安全かつ高品質を担保するため、不良率の低減に向けた品質管理体制の構築に取り組んでまいります。

 

⑥生産管理体制の強化

東莞幸和家庭日用品有限公司(当社連結子会社)において、部材等の調達原価の低減、生産工程内での不良率の低減および当社からの発注予測情報(フォーキャスト)の共有による生産リードタイムの短縮など、効率的な生産管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑦組織機能の向上および人材の育成

当社グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、また、あらゆる経営課題を克服するためにグループ内の組織機能の関連性を強化し、継続して向上させることが課題と認識しております。当社グループはこれらの組織機能を支える重要な要素である人材について、かねてよりOJTや社内外の研修を通じてその育成に努めておりますが、今後も経営環境の変化に対して機動的に対応できる人材の確保および育成は、継続的な課題であると認識しております。

 

2【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりです。

ただし、以下の事項は当社グループに係る全ての事業等のリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測の難しい事業等のリスクが存在するものと考えられます。また、そのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示を行うという観点から記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループの予測に基づいて判断したものであります。

 

(1)生産体制に関するリスク

当社グループの生産体制は、当社が企画・開発した製品を生産子会社である東莞幸和家庭日用品有限公司で量産する体制を敷いております。当社グループは高品質と安全性の確保に重点を置き、中国の生産子会社での生産を今後も継続する方針であります。

しかしながら、当社グループが生産活動を行う海外における政治または法環境の変化、労働力の不足および人件費の高騰、ストライキ、物流網の混乱、経済状況の変化など、予期せぬ事象により生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

従いまして、これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)製品の欠陥および製造物責任に関するリスク

当社グループは、生産子会社である東莞幸和家庭日用品有限公司およびその他の協力工場において、一般財団法人製品安全協会のSG基準(製品安全規格)や工業標準化法に基づく国家規格のJIS(日本工業規格)および国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従って製品の品質向上に努め、各種製品の製造および商品の仕入を行っております。

しかしながら、すべての製品や商品について欠陥が発生しないという保証はなく、当社グループが加入している製造物責任賠償に係る保険についても、最終的に負担する賠償額を十分に補うことを保証するものではありません。万一、製品の欠陥が発生した場合や顧客の安全のために大規模なリコールを実施した場合には、多額の損害賠償や製品回収費用を当社が負担するだけではなく、当社ブランドが著しく毀損し、売上高の減少につながることが考えられます。このような場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)介護保険制度に関するリスク

当社グループが行っている事業は、介護保険制度に大きく影響を受けております。

社会の高齢化の進展にともない、介護を必要とする方の増加が見込まれておりますが、少子化・核家族化などにより家族だけで介護を支えることは困難な状況にあります。「介護保険制度」は、こうした状況を背景に、介護を必要とする状態となっても安心して生活が送れるよう、介護を社会全体で支えることを目的として2000年4月からスタートしたものです。

介護保険制度は、加入者が保険料を負担し合い、介護が必要なときに認定を受け、必要な介護サービスを利用する制度です。その介護保険の実施主体は市町村となっており、保険者として保険料と公費を財源として、介護保険事業を運営しております。介護保険制度の加入者(被保険者)は、年齢により第1号被保険者(65歳以上の方)と第2号被保険者(40歳~64歳の方で医療保険に加入されている方)に区分されており、第1号被保険者の方は原因を問わず、また、第2号被保険者の方は、加齢による病気(特定疾病)が原因で介護や支援が必要となった場合に要介護認定を受け、それぞれの要介護状態に応じたサービスを利用することができます。

この介護保険制度で受けることのできるサービスの一つに「福祉用具の貸与(レンタル)および購入」があり、要介護認定を受けた被保険者は、「福祉用具の貸与(レンタル)および購入」を10%の自己負担で利用することができます。当社の介護用品・卸売事業者等を対象とする営業部の売上高は、1,756,056千円(2020年2月期)となっており、売上高構成比で29.3%を占めております。このため、要介護認定を受ける被保険者の範囲、介護保険の適用となる福祉用具の範囲や利用者の負担率が変更されることで需要動向が変化し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの事業内容に、介護サービス事業が加わったことにより、3年毎の介護報酬の改定により収益に影響を受ける可能性があります。現在、介護サービス事業の当社グループ全体の売上高に占める割合は少ないものの、今後、構成比が高くなれば、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)為替変動に関するリスク

当社グループは、取扱製品および商品の輸出入取引を行っており、それらに係る外貨建金銭債権および債務について、為替相場の変動リスクを有しております。間接的な影響を含め、これらを排除することは困難であるため、為替相場の変動が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの輸出入取引は、アジアを中心とした複数の国々との間で行われており、今後もその取引は継続されていくため、各国の経済情勢の変化および災害の発生等にともなう輸出入環境の変化が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)特定の取引先への依存についてのリスク

当社グループの販売先のうち、主たる取引先であるパナソニックエイジフリー株式会社に対する販売割合が2020年2月期連結会計年度末において10.5%を占めております。

当社グループでは、上記取引先と良好な取引関係を継続する方針でありますが、特定取引先に過度に依存しないよう、新規取引先の開拓に積極的に取り組んでおります。

しかしながら、上記取引先の当社に対する取引方針如何によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)業績の季節変動に関するリスク

当社グループの主要な製品である歩行関連の福祉用具は、その性質上、母の日や敬老の日のプレゼント需要の影響を受けております。また、気温が低下する季節においては、高齢者の外出機会減少の影響を受けております。

このことより、気温の低下する季節を含む第4四半期の売上高が他の四半期と比べて小さくなるという季節変動性を持っております。当社グループでは、第4四半期においても売上を確保すべく努力してまいりますが、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。

なお、2020年2月期の当社グループの業績は以下のとおりです。

 

2020年2月期

第1四半期

2020年2月期

第2四半期

2020年2月期

第3四半期

2020年2月期

第4四半期

売上高  (千円)

1,802,036

1,627,299

1,374,781

1,188,039

営業利益又は営業

損失(△)(千円)

94,259

11,258

△40,555

△196,273

 

(7)大手企業参入によるリスク

当社グループが属する福祉用具関連市場は、超高齢化社会を迎える我が国の有望な成長産業として、様々な業種や業態からの市場参入や新規事業化を目指した企業の取組が活発化しております。これまでは競合する企業は中小企業が中心でしたが、今後は大手企業の参入により、優位性、価格競争、市場シェア、収益等への影響が予測されます。このような競合が顕在化した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)カントリーリスクについて

当社グループは、当社製品の製造・販売を行う連結子会社を中国に設立しております。現地法人は中国の安価な人件費による製造原価の低減や現地企業の優位性を享受することおよび販路の拡大を目的として事業活動を行っておりますが、当社グループの事業に不利な影響を及ぼす法令または諸規制の制定および改廃、予期しない不利な経済的または政治的要因の発生、人件費高騰や人材確保に障害が発生した場合など、当社グループの想定している範囲を超えた事態が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)原材料の価格高騰のリスク

当社グループの製品の主な原材料は、アルミパイプおよび樹脂などになります。これらの原材料は資源価格の変動リスクに晒されており、不測の資源価格高騰により原材料コストの上昇が発生し、販売価格への転嫁が遅れる場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)物流コストの高騰リスク

当社グループの商品および製品の大半は海外からの輸入となっており、販売先への納品についても物流業者へ委託を行っております。このため、燃料の高騰や人件費の高騰などにより物流コストが急激に上昇した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)研究開発についてのリスク

当社グループは、従前より市場ニーズの変化に対応した新しい機能性製品の研究開発を推進しております。このため、市場ニーズが当社グループの想定を大きく超えて変化した場合や、市場ニーズに合った開発品を適時に製品化できない場合、当初の想定を超えて研究開発費が大きく増加した場合には、研究開発投資を回収できないことにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)災害に関するリスク

当社グループは、火災や台風といった災害に備え、建物・機械設備・製品等の資産に対し損害補償を行う「企業財産総合保険」に加入しております。

しかしながら、地震や台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点設備が大きな被害を受け、操業が一部中断、停止し生産および出荷が遅延する可能性があり、被害を受けた設備等の修復のため、多額の費用が発生するなど、当該災害が当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、当社の業績に影響を与える可能性がありますが、今後の感染拡大の規模や収束の時期についての見通しは立っておらず、現時点で業績に与える影響を予測することは困難であります。

また、当社グループでは、従業員のマスク着用や手洗いとアルコール消毒の徹底や、来客を必要最低限に控え、国内外の出張を原則禁止し、テレビ会議や在宅勤務の活用などを行い、接触機会の低減を行っております。

 

(13)訴訟リスク

当社グループは、国内および海外事業に関して、取引先、当社製品の使用者その他との間で紛争が発生し、訴訟やその他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。重要な訴訟等の提起があり、裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)知的財産権についてのリスク

当社は、新製品の開発時に創出された知的財産権を有しております。これら知的財産権は重要な経営資源の一つであると認識しており、知的財産権の保護、知的財産権にからむ紛争の回避は重要な経営課題であります。

しかしながら、当社の知的財産権が、第三者により無効とされる可能性、特定の地域では十分な保護が得られない可能性や知的財産権が模倣される可能性もあり、当該知的財産権が完全に保護されないことによって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社では総務部総務課が知的財産権を一元的に管理しており、事前に調査を行っておりますが、結果として第三者の特許を侵害するに至った場合や、その他知的財産権に係る紛争が発生した場合は、当社グループの製品の生産および販売が制約されたり、損害賠償金の支払が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)人材の確保についてのリスク

当社グループは、今後の事業拡大を図るため、継続した人材の確保が必要と考えており、優秀な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めていく方針であります。

しかしながら、優秀な人材の確保が計画どおりに進捗しない場合、また、在籍する人材の多くが流出する等の状況が生じた場合には、競争力の低下や事業拡大に影響が生じる可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)内部管理体制についてのリスク

当社グループは、企業価値の継続的な向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性および財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するにあたり十分な体制を構築していると考えておりますが、未だ発展途上にあり、今後の事業運営および事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。

しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)固定資産の減損についてのリスク

当社グループは、建物や製造設備等の有形固定資産を保有しており、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、今後、大幅な企業収益の悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)金利変動および財務制限条項についてのリスク

当社グループの有利子負債依存度は、2020年2月期連結会計年度末において66.6%となっております。当社グループは、有利子負債の削減や金融収支の改善に努めておりますが、今後、有利子負債が増加した場合および金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度において財務制限条項に抵触したことによりコミットメントライン契約は終了しておりますが、借入実行残高はありません。

 

(19)潜在株式による株式価値の希薄化についてのリスク

当社グループは、取締役および従業員の士気向上や優秀な人材の確保等を目的として、新株予約権を付与しております。2020年2月期連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は188,640株であり、発行済株式総数4,282,290株に対する割合は4.4%となっております。これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)M&Aについてのリスク

当社グループは、事業領域の拡大や新規事業分野への早期の進出等による成長スピードの加速を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。

また、M&Aの実施にあたり、対象企業の財務内容や契約関係等について公認会計士および弁護士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めることを前提としております。

しかしながら、M&Aによる事業展開においては、予期しない事業リスク等の発生により業績が悪化、のれんの償却、減損等が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

また、在外連結子会社において、当連結会計年度の期首よりIFRS第16号「リース」を適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。

 

(1)経営成績および財政状態の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、東京オリンピック・パラリンピックが控えるなか、雇用・所得環境の改善が見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。また、世界経済も緩やかに回復しているものの、中国を始めとするアジア新興国の経済の先行き不安や政策に関する不確実性による影響、金融資本市場の変動の影響等に加え、2020年1月下旬から、大きく報道されている新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に収束の気配がなく、長期的な景気の落ち込みが予想されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

このような状況のなか、当社グループは、「1.取扱い製品領域の拡大」、「2.シニア関連事業の拡大」、「3.介護ロボット事業の確立」、「4.海外事業の開拓」を主な経営方針として、事業活動を進めております。

当連結会計年度におきましては、「1.取扱い製品領域の拡大」では、株式会社シクロケアを連結子会社とすることにより、同社が取り扱う介護保険における住宅改修用品および介護保険貸与(レンタル)の対象となる手すりやスロープ、また、介護保険販売の対象種目となる特定福祉用具の入浴補助具(すのこ)等と、これまで当社の市場シェアが低いもしくは参入できていなかった製品領域への参入を推進しております。「2.シニア関連事業の拡大」では、2018年11月に設立した株式会社ネクストケア・イノベーションが、2019年1月よりEC事業を開始しており、インターネットを利用した福祉用具の販売を展開しております。また、2019年3月から連結子会社となっている株式会社幸和ライフゼーション(旧有限会社パムック)は、デイサービス事業および福祉用具貸与(レンタル)事業等を行っており、介護サービス事業まで事業領域は拡大しております。「3.介護ロボット事業の確立」では、「自立支援型転倒防止ロボット歩行車」の2021年2月期の上市に向けて開発が進んでおり、開発と並行しながら販路開拓に向けて市場調査を行っておりました。「4.海外市場の開拓」では、すでに老人長期療養保険制度(日本の介護保険に相当する制度)が導入されている韓国を中心に受注は堅調に推移しており、2018年2月より介護保険制度が導入となった台湾におきましては、販売代理店との関係強化や展示会への出展等を進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,592,937千円増加し、6,310,390千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,020,924千円増加し、5,466,616千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ427,986千円減少し、843,773千円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高5,992,157千円(前年同期比32.4%増)、営業損失131,310千円前年同期は営業損失272,882千円経常損失は110,653千円(前年同期は経常損失262,200千円親会社株主に帰属する当期純損失は、367,327千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失358,158千円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントを「介護用品・福祉用具製造販売事業」、「介護サービス事業」および「その他の事業」に区分しております。

 

①介護用品・福祉用具製造販売事業

介護用品・福祉用具製造販売事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に発生した自主回収の影響が収束し、介護ルートでの受注が回復したこと等により、4,869,602千円となりました。セグメント利益は208,000千円となりました。

②介護サービス事業

介護サービス事業の当連結会計年度の売上高は622,439千円、セグメント損失は102,197千円となりました。

③その他の事業

その他の事業の当連結会計年度の売上高は500,115千円、セグメント損失は9,572千円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,639,163千円となり、前連結会計年度末に比べ229,851千円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

業活動の結果得られた資金は、117,165千円(前年同期は215,316千円の使用)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失356,601千円、売上債権の増加額163,865千円、減損損失207,970千円、減価償却費211,033千円、仕入債務の減少額101,406千円、法人税等の還付額21,282千円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、256,826千円(前年同期は368,296千円の使用)となりました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出137,033千円、有形固定資産の取得による支出157,700千円、有形固定資産の売却によるによる収入30,492千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、383,497千円(前年同期は1,470,057千円の獲得)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入1,440,000千円、株式の発行による収入52,265千円、リース債務の返済による支出98,085千円、長期借入金の返済による支出925,130千円、配当金の支払額72,441千円等であります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

金額(千円)

前年同期比(%)

介護用品・福祉用具製造販売事業

1,483,441

95.2

介護サービス事業

275,246

報告セグメント計

1,758,687

その他

合計

1,758,687

 

(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

金額(千円)

前年同期比(%)

介護用品・福祉用具製造販売事業

2,214,111

114.6

介護サービス事業

247,257

報告セグメント計

2,461,368

その他

283,852

合計

2,745,221

 

(注)1.金額は実際仕入原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

介護用品・福祉用具製造販売事業

795,923

79.6

156,631

55.7

介護サービス事業

288,964

13,718

報告セグメント計

1,084,887

170,350

その他

合計

1,084,888

 

170,350

 

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)

金額(千円)

前年同期比(%)

介護用品・福祉用具製造販売事業

4,869,602

107.6

介護サービス事業

622,439

報告セグメント計

5,492,042

その他

500,115

合計

5,992,157

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

当連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

パナソニックエイジフリー株式会社

628,893

13.9

627,728

10.5

3.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、「重要な会計方針および見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウィルス感染拡大にともなう影響に対する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

①売上高および売上総利益

新商品である女性向けロレータ型歩行車「ミシェル」の発売や前連結会計年度に発生した製品自主回収の影響が収束した介護ルートでの受注が回復したことに加え、韓国よりシルバーカーの大口注文を受け出荷が実現したこと、および新たに増加した連結子会社の売上が加わったことなどにより、売上高は5,992,157千円(前期比32.4%増)となりました。利益面では、粗利率の高い歩行車の売上構成比が低下したこと等により、売上総利益率が前年に比べ0.6ポイント改善し、返品調整引当金控除後の売上総利益は、2,771,307千円(同33.0%増)となりました。

②販売費及び一般管理費および営業利益

事業規模の拡大と新規事業への進出を目的としたM&Aによる子会社の増加にともない、給与手当248,723千円、法定福利費37,607千円、減価償却費52,315千円等が増加したことにより2,902,618千円(同23.2%増)となり、その結果、営業損失は131,310千円(前年同期は営業損失272,882千円)となりました。

③営業外損益および経常利益

政府補助金事業等による補助金収入、前連結会計年度に発生した製品自主回収にともなうPL保険による受取保険金等により営業外収益111,501千円(同180.0%増を計上し、支払利息、売上割引等により営業外費用90,843千円(同211.8%増)を計上した結果、当連結会計年度の経常損失は110,653千円(前年同期は経常損失262,200千円となりました。

④特別損益および当期純利益

特別利益として負ののれん発生益等を、特別損失として投資有価証券評価損および減損損失等を計上したことにより、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は356,601千円(前年同期は税金等調整前当期純損失310,728千円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は367,327千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失358,158千円となりました。

 

(3)財政状態の分析

①流動資産

流動資産は、前連結会計年度末と比較し328,150千円増加の4,342,727千円となりました。主な要因は、その他に含まれる会社分割による前払金が178,000千円、未収還付法人税が38,890千円減少したものの、現金及び預金が215,351千円、受取手形及び売掛金が325,556千円増加したこと等によるものであります。

②固定資産

固定資産は、前連結会計年度末と比較し、1,264,787千円増加の1,967,662千円となりました。主な要因は、無形リース資産が30,002千円、投資有価証券が77,049千円減少したものの、建物が253,008千円、土地が438,358千円、在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用による使用権資産が530,926千円増加したこと等によるものであります。

③流動負債

流動負債は、前連結会計年度末と比較し、483,465千円増加の1,982,498千円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が71,711千円、賞与引当金が14,083千円減少したものの、未払金が110,867千円、1年内返済予定の長期借入金が253,314千円、リース債務が67,590千円増加したこと等によるものであります。

④固定負債

固定負債は、前連結会計年度末と比較し、1,537,459千円増加の3,484,118千円となりました。主な要因は、長期借入金が1,078,052千円、在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用によるリース債務が459,207千円増加したこと等によるものであります。

⑤純資産

純資産は、前連結会計年度末と比較し、427,986千円減少843,773千円となりました。主な要因は、中間配当72,441千円および親会社株主に帰属する当期純損失367,327千円等の減少が、新株予約権の行使による資本金および資本剰余金52,816千円等の増加を上回ったことによるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(7)経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(8)資本の財源および資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は4,204,640千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,639,163千円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2019年7月8日開催の取締役会において、2019年10月1日を効力発生日として、当社の連結子会社である株式会社幸和ライフゼーション(2019年9月27日付で、「有限会社パムック」から「株式会社幸和ライフゼーション」へ商号変更しております。)を吸収合併存続会社とし、同じく当社の連結子会社である株式会社あっぷるを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、2019年7月16日付で吸収合併契約を締結いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、福祉用具の総合メーカーとして、歩行支援、入浴支援、排泄支援等、様々な福祉用具を全方位に研究開発し、高齢者の方々が「幸せを感じ、心が豊かになる」価値の高い製品を数多く創り出すことを基本姿勢としております。

 

当社グループの研究開発活動は、国内では当社開発本部で、国外では、中国広東省東莞市において東莞幸和家庭日用品有限公司開発本部が担っております。

製品化にあたっては、主に次の四つのフェーズにおいて社内会議を経て推進しております。第一フェーズとして製品企画と開発スタートの承認、第二フェーズとして仕様決定と金型着工の承認、第三フェーズとして価格決定と量産の承認であります。そして、第四フェーズとして上市後の販売状況や顧客からのフィードバックを受けて検証を行い、次の開発に向けての参考としております。

 

当連結会計年度のグループ全体の研究開発費の総額は、241,227千円であり、セグメントごとの活動概要は以下のとおりであります。

 

(介護用品・福祉用具製造販売事業)

当社グループの主力製品が属する歩行支援分野において、介護保険対象品目である歩行車「ミシェル」を発売いたしました。同製品は女性ユーザーの歩行の目的に着目し、杖やバッグの着脱を簡単に行えることで通院や買い物、コミュニティへの参加等をより積極的に行えるよう配慮しております。また市場拡大中である片手で押して杖代わりに使える横押しカートシリーズの第二弾として「aカートレフィノ」「aカートレフィノZ」を発売いたしました。同製品は、当社が昨年発売した「aカートショッピング」で好評であった業界初となる引いても使える機能を継承しており、日帰り旅行などアクティブシニアのニーズを実現した、2層収納バッグや駐車ブレーキ機能を特徴とした製品であり「aカート」シリーズの上位機種と位置付けております。

また、一般販売向けに低価格でコンパクトな折りたたみ機能を実現した歩行車「マルシェ」や、立ち上がる際の補助として使用できる補助グリップ付きの伸縮杖「たつサポ」などの歩行支援分野製品、屋内において座位から立ち上がる際の補助として使用する据置型手すりの「つかまりたっち」、玄関の上がり框における段差解消、また手すりとして使用できる「テイコブ玄関用ステップ(手すり付)」など屋内支援分野の製品も発売いたしました。

介護ロボット分野におきましては、産業技術の幅広い分野において日本最大級の研究機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所とともに転倒防止ロボット歩行車の共同研究を進めております。活動内容としましては、歩行車へ重心偏倚抑制機能を付加することによる、転倒を防止する機能の効果検証および有用性の改善を行い、研究開発を進めております。

また、コミュニケーションロボットにつきまして、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称:AMED)より公募のありました「ロボット介護機器開発・標準化事業(開発補助事業)」において、当社の「開発課題名:認知症の人の生活不安・ストレスを軽減するコミュニケーションロボットの研究開発~認知症バリアフリー機器の開発~」が採択されました。当該製品の研究開発は、軽度の認知症の方を対象に物忘れなどに起因する生活の不安を取り除くため、利用者を支援するコミュニケーションロボットを目指しており、「一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ」の協力のもと認知症の方からも助言をいただくことにより、より実効性の高いコミュニケーションロボットの研究開発を進めております。

事業活動を通じて専門的な研究を行い、シニアの生活をリードする先進的な福祉用具等を産出することを目的とし設立しましたシニア未来研究所におきましては、高齢者や要介護認定者が歩行車を使用した際に起こる転倒についての評価技法を研究しております。具体的な活動内容としましては、人体各部位の重心位置、質量、関節可動域などを再現した人体モデルを用いて実際の転倒を想定した状態を再現し、様々な転倒の種類や方向による人体モデルと対象機器の動きを測定し分析いたしました。

 

(介護サービス事業)

介護サービス事業においては、研究開発活動は行っておりません。