第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

「Customer Satisfaction through Lumber」(木材を通じて顧客に満足いただける取引に徹する)を社是とし、社是から社名をシー・エス・ランバー(C.S. LUMBER)といたしました。具体的には以下の経営理念を経営の基本方針として事業に取り組んでおります。

(経営理念)

一、我社は、木造住宅資材の販売流通を通して社会に貢献する。

二、我社は、顧客満足と会社の繁栄、社員の幸福を一致させる。

三、我社は、数値に基づく行動と現場主義の徹底を行動原理とする。

 

(2)中長期的な経営戦略

住宅関連業界におきましては、国土交通省発表による2020年度の新設住宅着工戸数は、新型コロナウイルス感染症の影響等により81万2,164戸(前年度比8.1%減)と大幅に減少しました。

中長期的には、人口・世帯数の減少による住宅需要の低下、大工就業者の高齢化に伴う人材不足などが予想されておりますので、新設住宅着工戸数が急激に回復するとは考え難く、市場規模の縮小により会社間の競争激化、業界再編が進むと考えております。

このような環境の中、当社グループが持続的成長を実現するため、「中期経営計画2022」の各施策達成により成長基盤をしっかり整え勝ち残る体力を付けるべく、以下のとおり取り組んでまいります。

 

①セグメント別の施策

(プレカット事業)

ア.建て方の体制構築

職人不足の対応といたしまして、建て方(プレカット加工木材の現場組み立て)の受注体制を構築します。具体的には、2021年6月に建て方事業に特化した子会社(株式会社シー・エス・ビルド)を設立し、外国人技能実習生を建て方職人として育成すると共に、プレカット事業と一体となって受注することによるシナジー効果で、事業効率の向上、他社との差別化を図ってまいります。

イ.ログハウスの加工について

ログハウスの加工については100%内製化を実現。住宅地の景観に溶け込むことができる角ログの加工に加えて、従来のログハウスファンの魅力でもある定期メンテナンスの負担を軽減することで、一般消費者様が住宅購入の選択肢となる新たな市場を開拓してまいります。

ウ.営業部門の強化

新規取引先開拓と既存顧客対応を行う営業スタッフを分け目標と責任を明確化することで、住宅市場が縮小する中でシェアを拡大してまいります。

エ.大型木造建築へ参入

大型木造建築のメリットが認知され需要拡大が見込まれることから、一般流通材で最大スパン「40m」の無柱空間を実現できるATAハイブリッド構法のプレカット加工に対応してまいります。

オ.物流の効率化

グループ会社内に配送会社を持つ強みを生かし、一日2便/台以上の配送を月700台から更に拡大することで、配送面のコスト競争力を強化してまいります。

カ.おが粉、バイオマス発電の燃料用チップの販売

おが粉販売の100%内製化を達成し、自社以外のおが粉についても回収・販売対応を行うことでリサイクルを促進するとともに売上にも貢献してまいります。また、おが粉同様に端材についても、バイオマスの燃料用チップに活用するなど、無駄を極限まで無くす努力をしてまいります。

 

 

(建築請負事業)

ア.ログハウスと大型木造建築への対応強化

ログハウスと大型木造建築の受注に注力し、プレカットとのシナジー効果によるグループの利益向上に貢献してまいります。

イ.保育所建設請負の拡大

保育所の不動産賃貸で培った保育所建設のノウハウを生かし、他社の保育所建設の受注獲得に取り組んでまいります。

ウ.リフォーム請負体制の強化

新設住宅着工件数が落ち込む中で、リフォームニーズは高まることが想定されるので、リフォームの請負体制を整備してまいります。

 

(不動産賃貸事業)

東京都の待機児童数についてピークを越えたものの、希望する保育所に入所できない世帯は依然として多く、幼児教育・保育無償化が開始されたことなどから新規建設ニーズは依然あるため、現在の21棟(開所予定確定分含む)から、25棟を目途に拡大を目指します。また、不動産賃貸事業に特化した子会社(株式会社シー・エス・不動産リース)を2020年12月に設立し、住居用、及び介護向け施設など新たな賃貸収益物件を購入することで安定した賃料収入を確保する体制を整備してまいります。

 

(その他事業)

2020年12月に不動産分譲事業に特化した子会社(株式会社シー・エス・リアルエステート)を設立し、コロナ禍や近年の災害後のニューノーマルなど新たな顧客ニーズを創出しながら、木造戸建て住宅を一般消費者へ直接提案する機会を拡大し、安定的に販売できる体制を構築します。

 

②人材開発

当グループ各社と親和性が高く良い案件があれば、積極的にM&Aによる事業拡大を進めてまいります。そこで重要になるのが、会社の改革と当社グループのカルチャーを浸透させることができる人材の採用と育成となるため、採用の多様化と機動的な人員配置、教育体制の構築を進めてまいります。さらに報酬制度を含む人事制度改革によりガバナンス強化と収益率の改善に取り組んでまいります。

 

③財務基盤の維持・拡大

賃貸事業の借入期間を短期化することで財務体質の大幅な改善を目指します。

 

④内部管理体制の強化

当社グループにおきましては、永続的に事業を展開し企業価値を高めるためには、強固な内部管理体制の構築も重要な課題であると認識しております。2022年4月に予定されております東証市場再編を契機として、社内のガバナンスを強化します。社内でプロジェクトチームを立ち上げコーポレート・ガバナンスコードに十分対応できる体制を構築します。

 

 

(3)目標とする経営指標

今後のわが国経済につきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に対するワクチン接種などの感染防止対策が進んでいますが、依然として厳しい状況にあり、今後も変異株の感染拡大等による先行きが不透明な状況は続いております。

当社グル-プが属する住宅関連業界では、外出自粛や在宅勤務の浸透により、より快適な住環境を求める消費者ニーズの高まりと、「グリーン住宅ポイント」などの政府による住宅取得等支援策も継続され、コロナ禍においても住宅需要の下支えが見込まれる中、米国及び中国の旺盛な住宅需要とコンテナ船不足を背景に、世界的な木材価格の高騰と供給不足により、住宅着工の遅れや住宅価格の上昇など、当社グループの事業に大きく影響する可能性があります。

このような先行き不透明な状況の中、通期の業績を見通すことは極めて困難であるため、第二四半期累計までの業績見通しを下記のとおり予想しております。今後、木材価格及び木材不足状況が改善し、見通しが見極められた段階で、速やかに通期業績予想をお示しすることといたします。

 

 

2022年5月期

第2四半期(累計)

売 上 高

8,900

百万円

営業利益

640

経常利益

600

当期純利益

400

 

(注)業績見通しについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(4)対処すべき課題

今日の日本経済の先行きは、新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見通せない中、不透明感が広がっており、国内の景気動向が大幅に悪化し、難しい局面にあるものと認識しております。また、住宅関連業界では、国内総人口及び世帯数の減少、高齢化の加速と生涯未婚率の増加に伴う単身世帯の増加などにより新築住宅の需要が漸減すると共に、現在の木材価格の急騰と供給不足が長期化する場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そこで、代表取締役社長を総責任者とするグループ横断的な「リスク管理委員会」等において、徹底したコロナ感染予防対策と原材料確保に注力して、セグメント別の施策を確実に推進していくことが計画目標達成のための課題と捉えております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 住宅市況の変動について

当社グループの営むプレカット事業及び建築請負事業は住宅着工件数の中でも木造戸建住宅(木造アパートを含む)数の動向に大きく影響を受けます。そのため、景気動向、金利動向、地価動向及び物価動向の変動、消費税及び住宅減税等の税制変更、公的融資制度の変更・廃止、少子化による人口減少などにより、消費者の需要が低下した場合には、住宅着工数の変動を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

また、当社グループでは、不動産賃貸事業を営んでおり、主に介護施設事業者及び保育所事業者に不動産賃貸を行っております。今後、賃貸料の減額、契約解除等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

リスクへの対応策として、建て方の体制構築、住宅のみならず非住宅建築や大型木造建築・ログハウスへの参入、営業部門の強化、物流の効率化など種々の施策を打ち出すことにより、プレカット事業も建築請負事業も受注の維持拡大と経営基盤作りに努めております。不動産賃貸事業では、新規の賃貸開始前に保育所事業者に関する情報を収集して与信判断するとともに、介護事業を含めて事業者の分散を図っております。

 

(2) 各種法規制及び許認可によるリスク

当社グループの営む事業は、「建設業法」、「建築基準法」、「宅地建物取引業法」、「都市計画法」、「貨物運送業法」、「廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)」などの法令の他、各自治体制定の条例などによる規制を受けております。今後これらの公的規制を強化する改正や、当社の事業に関連する法規の新設等がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは法令改正などのデータベースを日常的に取得し確認するとともに、顧問弁護士事務所、行政書士事務所、司法書士事務所などの専門家の情報や意見も入手し、月1回開催しているコンプライアンス推進委員会で法務リスクの検討も行っております。

 

(3) 事業エリアの集中について

当社グループの事業展開は対象エリアを首都圏とし、工場立地(千葉県東金市及び山武市の2か所)及び配送コストの利益への影響を勘案し、その中でも特に千葉県及びそれに隣接する地域(東京都、神奈川県、埼玉県、茨城県南部の1都4県)を中心としております。したがって、当社グループの経営成績は首都圏内の景気動向、経済環境、住宅需要、地価動向等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、今後全国的に人口や世帯数が減少していく中で、1都4県は人口減少率では他地域よりも低く、世帯数では今後も数年間は増加する見込みであることから、また新設や建て替えなどの建築需要が依然旺盛であることから、引き続き1都4県戦略維持の方針を出しております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により在宅勤務が定着する可能性もあるため、都心部のみならず都心まで電車で2時間などの都心部周辺エリアにも注目します。

 

(4) 他社との競合

当社グループは木材の加工及び販売をはじめとする様々な事業を行っており、それぞれの事業において競合会社との間で競争状態にあります。したがって、当社グループの商品・サービスの品質・価格・営業力等について競合会社より優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

品質・価格等で優位に立つために、木材歩留り率の引き上げ、機械加工効率や作業効率改善による生産性向上、販売先の拡大・多様化と利益率確保、材料の樹種変更、材料費引き下げ、一括配送等の物流の効率化といった課題に対する追求を一層徹底してまいります。

 

(5) 業績の季節変動について

当社グループの住宅に関する木材の加工製品及び建築請負業に係る売上高は、9月から12月に増加する一方、1月から4月に減少する傾向があります。したがって、第2四半期に売上高及び営業利益が多く計上され、第3四半期に売上高及び営業利益が減少する傾向となっております。

機械の加工能力にも従業員の営業、設計、生産力にも限りがありますので、閑散期の受注を減らさないとともに繁忙期には生産工程を前倒しにするなど、季節ごとの変動を縮小して年間を通じてフル稼働が実現できるように活動を進めております。

 

 

(6) 原材料価格の変動について

当社グループが扱う木材の多くは、海外からの輸入品であり、原産国及び国際的な木材相場や為替相場の変動、原油価格や船舶需要に影響される輸送コストの変動は、当社グループの原材料の調達コストに影響を与える可能性があります。当社グループは、これらの事象が生じた場合に備え、生産効率の向上、販売価格の見直し等の対策を講じておりますが、これらの対策がタイムリーに行われない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

価格変動リスクへの対策として、木材調達ルートの多様化、代替材への取り組み、購買部門の目利き力向上など、弾力的かつ機動的に購入ができる体制を構築しております。

 

(7) 品質について

当社グループは木材加工製品及び建築請負業務等の品質管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事情により重大な品質問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

品質問題が発生しないよう、プレカット事業では品質管理室が営業、設計、工場に対して日常の点検と指導を行い、また月1回開催している品質向上委員会で問題事例の再発防止策を協議し実施に移しております。建築請負事業では施工管理部が定期的に施工内容の検査を行っています。

 

(8) 生産設備のトラブルについて

当社グループの営むプレカット事業においては、プレカットCADデータをもとに自動的に木材を加工するプレカット加工機を利用し生産を行っております。加工機は定期的な点検、保守メンテナンスを実施しておりますが、万が一、加工機に重大なトラブルが生じ、品質不良、納期延期が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

機械稼働の維持には、設備技術部が中心的な役割を担っており、加工機にトラブルが発生した場合に速やかに修繕をするとともに、重大なトラブルを生じさせないために、工場で行っている定期的な点検、保守メンテナンスの統括・指導もしております。

 

(9) 建築請負事業における外注先について

当社グループは、建築請負事業における施工面の大部分を外注に出しているため、万が一、建築請負数の増加に伴って当社グループの選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合や、外注先の経営不振等により工期が遅延した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを軽減するために、外注先の確保につきましては、年間着工棟数、完工棟数を前年度などの早い段階で確定させ、必要施工能力に見合うよう外注先に工事のスケジュール化をしていただいております。また、職人不足が大きく影響する基礎工事については一部社内職人による内製化を実施し、大工工事については仕事の安定化を考慮し継続的な発注を行っております。更に季節的な繁忙期をずらすなどの工夫も行っております。外注先の経営不振による工期遅延を発生させないためには、各業種とも3社以上の複数外注先と取引をしており、少なくとも年に一度は外注先の経営者との面談を実施しております。

 

(10) 取引先の信用供与について

当社グループは取引先に対する売上債権などの信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性があります。また信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。したがって、こうした管理はリスクを完全に回避できるものではなく、顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響、原材料である木材の供給不足による工事遅延など一部の取引先について信用リスクが高まる可能性があることから、与信額の見直しやこまめなコミュニケーション、建築現場での工事進捗確認など情報追加に努めるとともに、取引信用保険なども積極的に活用しております。

 

 

(11) 減損会計の適用について

当社グループは木材加工の工場及び賃貸不動産を有しており、減損会計を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

受注の拡大に努め工場の稼働率を落とさないこと、計画的な修繕や保守メンテナンスにより賃貸不動産の価値を維持することなどにより、減損リスクが生じないように努めております。

 

(12) 個人情報について

当社グループでは業務遂行上の必要性から、各事業において多くの個人情報を取り扱っております。これらの個人情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」をはじめ、関係する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めております。しかしながら、不測の事態により、万一、個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの信用の失墜等及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

そこで法令を遵守するのみならず、当社グループで制定済みである「プライバシーポリシー」「個人番号及び特定個人情報の適正な取扱に関する基本方針」等に基づき、社員に対して意識向上の教育・啓蒙を行い、顧客の個人情報の保護を図っております。

 

(13) 災害の発生について

当社グループの事業エリアである首都圏において、大規模な地震や風水害等の自然災害、ウイルス等の感染症の流行、サイバー攻撃を含むテロ・犯罪・不正行為、戦争、火災・システム障害・重大な事故等の人的災害が発生した場合には、保有設備の復旧活動や製品の配送遅延、請負工事の納期遅延等により多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の流行は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしておりますが、当社グループでは、予防対策を徹底したうえで事業活動を継続しております。しかしながら、さらに感染が拡大し、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 訴訟リスクについて

当社グループは様々な事業活動を行っており、それらが訴訟や紛争等の対象となる可能性があります。対象となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

訴訟を回避すべく、取引先とトラブルが発生しないよう日頃から適正な業務運営に努めております。また月1回開催しているリスク管理委員会におきましても、訴訟につながる恐れもある大きなリスクの管理強化、低減策実行を図っております。

 

(15) 組織体制について

① 特定人物への依存について

当社グループの創業者で代表取締役社長である中井千代助は、最高経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、事業活動上の重要な役割を果たしております。現時点において同人が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社におきましては、同人に過度に依存することがないよう、強固な組織体制作りや合議制、権限委譲の推進を図っております。

② 人材の確保について

当社グループの将来の成長は優秀な人材をはじめとする人的資源に大きく依存するため、木材・建築分野における高い専門性と豊富な知識、経験を有する人材の確保が不可欠な条件であります。しかしながら、計画どおりに当社の求める人材が確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため専門家集団作りを目指して各社員が日々自己研鑽に努め、社内の教育研修制度を充実させ、必要な場合には外部からプロ人材を集めることも施策展開しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に対するワクチン接種などの感染防止対策が進みましたが、依然として厳しい状況にあり、変異株の感染拡大等による先行きが不透明な状況が続きました。当社グループが属する住宅関連業界におきましても、「グリーン住宅ポイント」などの政府による住宅取得等支援策は継続されていますが、消費や投資の落ち込みを背景に、国土交通省発表による2020年度新設住宅着工戸数は対前年度比8.1%減少と低水準で推移しました。

木材価格の動向といたしましては、前半は、2019年よりの下落傾向で推移していましたが、2020年夏以降の米国における旺盛な住宅需要を背景とした現地の製品価格値上がりを受けて、欧州材を含めた輸入材及び国産材価格が上昇すると共に、材料不足への不安も顕著化してまいりました。

このような状況のもと、当社グループは「中期経営計画2022」で掲げた成長基盤整備に継続して取り組むとともに、さらなる生産効率・配送効率の向上を進めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は16,269百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益は1,408百万円(同31.8%増)、経常利益は1,343百万円(同30.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は890百万円(同39.5%増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

a) プレカット事業

当セグメントにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による既存取引先からの受注が低迷する中、在来部門・ツーバイフォー部門ともに、新規取引先の開拓に注力しましたが、在来部門は、出荷棟数4,749棟(同2.3%減)、出荷坪数165千坪(同0.1%減)と前年を下回る結果となりました。ツーバイフォー部門は、出荷棟数1,480棟(同4.1%増)は前年を上回ったものの、出荷坪数71千坪(同3.6%減)と前年を下回りました。

損益面では、端材の最小化と再利用、柔軟な代替樹種への変更等による、原材料の確保と歩留り率向上に取り組むと共に、生産ラインの生産性向上、自社便及び1日2便/台の活用による配送効率の改善に取り組みました。

その結果、売上高は12,717百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は798百万円(同37.4%増)となりました。

 

b) 建築請負事業

当セグメントにおきましては、受注活動に注力すると共に施工体制の整備を図ることにより、完工棟数は221棟、うち大型木造施設11棟となり、売上高は3,746百万円(同0.1%減)、セグメント利益は85百万円(同77.8%増)となりました。

 

c) 不動産賃貸事業

当セグメントにおきましては、不動産賃貸事業に特化した子会社(株式会社シー・エス・不動産リース)を2020年12月に設立し、主力としております保育所、介護施設向け賃貸施設に加えて、新たな賃貸収益物件を購入するなど安定した賃料収入を確保する体制を構築いたしました。また、2021年4月開所の2か所、及び2021年10月開所予定1か所の保育所からの礼金収入、及び賃料収入もありました。

その結果、売上高は624百万円(同16.5%増)、セグメント利益は459百万円(同24.2%増)となりました。

 

d) その他事業

当セグメントには、不動産販売事業を区分しております。

不動産販売事業におきましては、建築条件付土地分譲8区画、及び木造戸建て住宅9戸を引き渡しました。

その結果、売上高は381百万円(同78.5%増)、セグメント利益は12百万円(同97.1%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ95百万円(4.2%)増加し、2,373百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は1,113百万円(前年同期は1,401百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額382百万円、たな卸資産の増加額256百万円、売上債権の増加額179百万円等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益1,344百万円減価償却費412百万円、仕入債務の増加額202百万円等の増加要因があったことによるものであります。

 

b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は1,167百万円(前年同期は775百万円の使用)となりました。これは主に、不動産賃貸事業における賃貸施設の新規取得を中心とした固定資産の取得による支出1,160百万円等の減少要因があったことによります。

 

c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果得られた資金は148百万円(前年同期は62百万円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入500百万円長期借入れによる収入1,305百万円短期借入れによる収入1,263百万円等の増加要因があったものの社債の償還による支出50百万円長期借入金の返済による支出1,204百万円短期借入金の返済による支出1,327百万円リース債務の返済による支出212百万円長期未払金の返済による支出44百万円、及び配当金の支払額90百万円等の減少要因があったことによります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

 

a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

プレカット事業

11,781,418

103.0

建築請負事業

不動産賃貸事業

その他事業

合計

11,781,418

103.0

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

プレカット事業

12,610,107

109.4

2,812,913

143.5

建築請負事業

3,681,671

109.0

703,772

133.3

不動産賃貸事業

その他事業

合計

16,291,778

109.3

3,516,685

141.3

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

プレカット事業

11,757,737

103.0

建築請負事業

3,505,663

103.1

不動産賃貸事業

624,975

116.8

その他事業

381,323

178.5

合計

16,269,700

104.5

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べて1,463百万円(10.0%)増加し、16,089百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ565百万円(9.4%)増加し、6,614百万円となりました。これは主に、現金及び預金116百万円受取手形及び売掛金187百万円販売用不動産133百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ898百万円(10.5%)増加し、9,474百万円となりました。これは主に、賃貸不動産(純額)1,037百万円増加したこと等によるものであります。

 

当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べて602百万円(5.3%)増加し、11,892百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ10百万円(0.2%)減少し、6,097百万円となりました。これは主に、電子記録債務157百万円1年内償還予定の社債100百万円未払法人税等110百万円増加したものの、短期借入金63百万円1年内返済予定の長期借入金302百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ613百万円(11.8%)増加し、5,794百万円となりました。これは主に、社債350百万円長期借入金404百万円増加したこと等によるものであります。

 

当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて861百万円(25.8%)増加し、4,196百万円となりました。これは主に、利益剰余金799百万円増加したこと等によるものであります。

 

b) 経営成績の分析

プレカット事業において、新型コロナ感染症の拡大により既存得意先からの受注が低迷する中、新規取引先開拓に注力しましたが、出荷棟数、出荷坪数は前年を下回りました。しかしながら、歩留まり率の向上と柔軟な代替樹種への変更等による対応に加え、生産効率、配送効率の改善に取り組むことで、当連結会計年度の売上高は16,269百万円、営業利益は1,408百万円となりました。

当連結会計年度の経常利益は、営業外収益79百万円、営業外費用144百万円の計上により1,343百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等合計454百万円を計上したことから890百万円となりました。

なお、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要の主なものは、プレカット製品の生産設備の新設及び更新、並びに賃貸用不動産の取得であります。調達手段は、主として金融機関からの借入金によっております。

当連結会計年度末の有利子負債は7,170,087千円となりました。有利子負債につきましては、当社グループの事業活動により獲得するキャッシュ・フローから返済を行う方針であります。

(有利子負債の内訳)

短期借入金

1,049,500

千円

社債

450,000

長期借入金

4,980,685

長期未払金

57,975

リース債務

631,927

 

 

なお、現時点において新型コロナウイルス感染症拡大の資金繰りへの影響はなく、今後も限定的と想定しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。