第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「お客様第一主義」を経営理念とし、世界に通用する技術・商品の開発、社員一人一人の個性の尊重及び力の結集、社会の変化を先取りし自らも進化する、これらのことを総合し、企業価値の増大を図ることを経営基本方針としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業規模を拡大しつつ利益の増大を目標としており、このような観点から売上高営業利益率を重視しております。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

当社グループは「お客様第一主義」を経営理念に、中長期的な成長を図るため、以下を主な経営課題として認識し、迅速に対処してまいります。

 

①M&Aによる成長の加速

当社グループは既存事業の拡大と付加価値の向上、ひいては企業価値の向上を目的にM&Aを積極的に推進していくことを方針に掲げております。

この方針に基づきM&Aを推進していくためには、既存事業と買収先企業の事業の相乗効果により付加価値を上げるという観点から相手先企業を分析する等、いわばM&Aに対する目利きを効かせることが最重要であると考えております。

以上の考えに基づき、的を射た企業分析評価、極力リスクを抑えたM&Aを実践すべく、グループ各社の人的資源を結集し、知識を融合することで対応してまいる方針であります。

 

②グループ全社におけるガバナンス体制の強化

継続的にM&A戦略を実践し事業を拡大していく方針を掲げている当社グループは、買収先企業を含め、上場企業グループにふさわしい透明性が高く、健全な経営を行うことが重要であると認識しております。

以上の観点から、当社グループではM&A実施の際は、業績やコンプライアンス遵守等、経営の核となる事項について、全社で有効な管理が働き、将来への対応が早期に図れるよう、同一管理手法を導入するとともに、内部統制システムの全社への適用によりグループ全体のガバナンス強化及びコンプライアンス体制の充実につなげるよう対応してまいります。

 

③原価低減による競争優位性の向上

当社グループにおきまして原価低減は、利益拡大と競争優位性を発揮するための必須事項であり、この観点から製造子会社におきましては、製造リードタイムのさらなる短縮と製品在庫の削減につながる生産方式の早期確立が求められるところであります。

当社グループではこれらを共通の認識とし、全体工程の見直しを図るべく、原価低減策が有効に機能する組織体制を整備し、適材適所の人材配置により対応してまいる考えであります。

 

④人材育成による企業体質の強化

多様化し続ける顧客ニーズに迅速に対応していくため、様々なビジネス能力を併せ持つ優秀な人材の確保が必要であると考えております。また、グループ各社の事業規模の拡大に伴って営業力、企画提案力、革新的なサービスを創出できる構想力をもつ人材確保の必要性も高まっております。

一方、当社グループが提供する製商品及びサービスの品質向上を目指すことは当社グループの企業価値の向上につながることから、専門性とスキルを備えた人材の確保及び育成も重要と考えています。

以上のような人材ニーズに対し、多様な人材確保策を講じ外部から有能な人材を招聘することに加えて、グループ内では人材交流を積極的に行うなど機動的な人材戦略により対応してまいる方針であります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは当社取締役会をグループ全体のサステナビリティ方針及び施策の最高意思決定機関としております。

 これにより、当社の取締役会が、グループ全体のサステナビリティ方針及び施策を検討して承認し決定した場合、速やかに各施策が実行に移されるよう対応しております。

 当社の監査役会では、上記により決定した方針等が適切に実行され、機能しているかを監視しております。また、監査役会から実行状況について意見が出された場合、取締役会では、これが報告され、協議する体制を整備しております。

 なお、企業統治の体制の詳細については、「4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由」をご参照ください。

 

(2)戦略

 当社グループは、人的資本を持続的成長の源泉として考え、以下の施策により人材戦略を図っております。

1.様々なビジネススキルを持つ優秀な人材を採用し、顧客ニーズに対応できる能力を強化します。

2.グループ各社の事業拡大に伴い、営業力、企画提案力、革新的なサービスを創出できる能力を持つ人材を採用し、競争力を高めます。

3.当社グループの企業価値向上を目指し、専門性とスキルを備えた人材を採用、育成することに注力します。

4.外部から優秀な人材を招聘するだけでなく、グループ内で人材交流を推進することで、多様な人材ニーズに対応します。

5.性別、属性、個々の価値観などの垣根を超えた多様な人材がそれぞれの特性を活かしながら、より意欲的に仕事に取組める働き方の仕組み等の環境づくりを行います。

6.従業員の心身の健康・活力が事業の原動力であるとの考えのもと、健康経営を推進します。

 

(3)リスク管理

 当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「危機管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクへの対応を図っております。

 詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した内容に係る指標に関し、当社においては具体的な取り組みは行われているものの、当社グループすべての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 当社は、2027年8月期を期限とする目標を以下のとおり設定しております。

 

指標

目標(2027年8月期

実績(当連結会計年度)

従業員における女性比率

28.0以上

23.0

管理職に占める女性労働者の割合

15.0以上

17.5

有給休暇取得率

75.0以上

62.6

健康経営の推進

健康経営優良法人の認定

準備中

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境について

当社グループの業績は、企業の設備投資に対する需要動向に影響を受けやすいため、経済環境及び当社グループが関連する企業の経営環境に変化があった場合には、企業の購買意欲が減退し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば環境・エネルギー事業では企業の設備投資に影響を受けやすく、動力・重機等事業では原材料価格及び造船業界等の動向に影響を受けやすくなっております。また、防災・安全事業では、政府の防災設備に対する補助金制度の変更及び廃止による顧客の購買意欲の減退、あるいは消防法の改正による消防設備の設置義務範囲の変更が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)製造コストの変動によるリスクについて

当社グループは、製造上必要となる多数の資機材を直接仕入先から購買し、あるいは顧客から供給を受けて調達しております。特に連結子会社の株式会社三和テスコと東洋精機産業株式会社では原材料価格が直接製造原価に結びつき、製造コストの変動により業績が左右されやすくなっており、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの仕入先から購買する資機材の中には、市況変動により調達価格が高騰するものも含まれるため、急激な市況価格の上昇は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)当社グループ商品の安全性のリスクについて

当社グループは環境、エネルギー、動力重機、防災及び安全等に関連する機器の製造及び販売を行っております。当社グループでは製商品の安全性を最重要課題として認識し、適用される規制を遵守し要求される全ての品質基準を満たすよう取り組んでおります。

さらに当社グループは、品質、環境、健康及び安全に関する様々な基準を採用しております。しかしながら、当社グループの取り組みにもかかわらず、製商品がこれらの基準を満たさず又はその品質が低下し、安全性に問題が生じる可能性があります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先、製造委託先において生じる可能性があります。これによる多額の費用を伴う製造中止や損害賠償請求が発生した場合、また当社グループのブランド及び信用が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)補助金制度の内容や廃止によるリスクについて

当社グループの防災・安全事業におけるスプリンクラー消火装置「ナイアス」の製造及び販売については、国又は地方自治体が支援する「有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業補助金」を活用して導入に至るケースがあります。

当社グループは、営業スタッフの増員や、代理店経由での販売等、販売チャネルを増やすことで、売上を増加させる方針ですが、補助金の採択漏れによる売上計上時期のズレや、失注が発生するリスクがあります。また、当該補助金制度の変更、あるいは廃止により顧客の購買意欲が減退した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)有利子負債等について

当社グループの事業では、事業規模の拡大及び新製品の開発に伴う製造設備等の新設・更新のために、継続的な設備投資を行っております。なお、当社グループでは設備投資に必要な資金は主として金融機関からの借入により補っており、2025年8月末時点で総資産に占める有利子負債の比率は44.9%に達し、自己資本比率は28.2%となっております。

以上のような事象又は状況を回避すべく、事業の選択と集中によって、既存事業の成長による業績の回復や、財務体質の強化を図っておりますが、これらの事業計画が当初の経営計画、利益計画及び設備投資計画どおりに進捗せず、投入された資本の回収計画が低下、停滞又は計画の中断に至った場合には、更なる自己資本比率の低下が想定され、この結果、借入が増加する場合は金利上昇により資金調達コストが増加する可能性があります。

さらに、借入資金を変動金利で調達した場合は、金利変動によって支払利息の負担が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)人材の採用・育成について

当社グループは、今後の成長が見込まれる事業や企業規模の拡大に伴い、継続的に優秀な人材を採用することが必要不可欠であると認識しております。顧客ニーズに適合する製品の製造や競争力の向上にあたっては、技術力・企画力を有する人材が要求されることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を採用していくとともに、人材育成にも積極的に取り組む方針であります。しかしながら、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や人材育成が計画どおり進まなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)M&Aについて

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。

M&Aを行う際には、対象企業の財務内容や契約関係等について公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めております。

しかしながら、M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があることに加えて、新規事業領域に関しては、M&Aによりその事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。これらに加えて、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)新規事業について

当社グループは今後も引き続き、積極的に新商品の開発もしくは新規事業に取り組んでまいりますが、これによるシステム及び資産への先行投資や追加的な支出が発生した場合には、利益率が低下する可能性があります。さらに、進出した新領域での新規事業の拡大・成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)当社代表取締役への依存について

代表取締役会長である来山哲二は当社の創業者であり、設立以来取締役を務めております。同氏は、水処理機器の卸販売、技術サービスに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

当社は、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)自然災害、事故等のリスクについて

当社グループの事業拠点の周辺地域において、大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生した場合には、工場等の施設に物理的に障害が生じる可能性があります。また、当社グループの販売活動や物流、仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合は、通常の事業活動ができなくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)法的規制について

当社グループは、製造物責任法、知的財産基本法、建設業法、消防法等による法的規制を受けております。

当社グループは、これらの法令に基づいた許認可等を受けるための諸条件及び当該関係法令を遵守しており、現状において許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、これらの関係法令が改正された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又は何らかの理由によりこれらの法的規制について遵守できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において、当社グループは以下の許認可取消事由に抵触しておりません。

 

 

(許認可の状況)

(当社)

取得年月

2017年11月

2017年11月

2017年11月

2017年11月

2017年11月

許認可等の名称

建設業許可

建設業許可

建設業許可

建設業許可

建設業許可

管工事業

機械器具設置工事業

電気工事業

消防施設工事業

土木工事業

所管官庁等

国土交通大臣

国土交通大臣

国土交通大臣

国土交通大臣

国土交通大臣

許認可等の内容

特定(特-29)

第19882号

一般(般-29)

第19882号

一般(般-29)

第19882号

一般(般-29)

第19882号

一般(般-29)

第19882号

有効期限

2022年11月

(5年ごと更新)

2022年11月

(5年ごと更新)

2022年11月

(5年ごと更新)

2022年11月

(5年ごと更新)

2022年11月

(5年ごと更新)

規制法令

建設業法

建設業法

建設業法

建設業法

建設業法

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

 

(子会社 株式会社三和テスコ)

取得年月

2020年3月

2020年3月

2020年3月

許認可等の名称

建設業許可

建設業許可

建設業許可

管工事業

機械器具設置工事業

鋼構造物工事業

所管官庁等

香川県知事

香川県知事

香川県知事

許認可等の内容

一般(般-1)

第5528号

一般(般-1)

第5528号

一般(般-1)

第5528号

有効期限

2025年3月

(5年ごと更新)

2025年3月

(5年ごと更新)

2025年3月

(5年ごと更新)

規制法令

建設業法

建設業法

建設業法

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

(12)売掛債権等の回収について

当社グループは取引先に対する売掛債権などの信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しております。また、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、こうした管理はリスクを完全に回避できるものではなく実際に発生する損失が貸倒引当金を超過するなど当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)投資有価証券による影響について

当社グループの2025年8月末時点における投資有価証券の合計残高は257百万円と総資産の約1.7%を占めております。有価証券への投資は、価格変動リスク、信用リスク、為替金利変動リスク、元本毀損リスク等のさまざまなリスクを有しております。また、投資有価証券の残高には、超過収益力を加味して取得した非上場株式が含まれており、投資先の業績の変動により超過収益力が減少し、超過収益力を加味した非上場株式の実質価額が著しく低下する可能性があります。このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)見積総原価の変動について

水処理設備工事、消防設備工事、船舶及びプラント設備工事の請負契約に係る収益は、履行義務の充足に係る進捗度(見積総原価に対する実際原価の割合)を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。当社グループでは、工事案件ごとに継続的に見積総原価の見直しを行い、適切な原価管理に取り組んでおります。

しかしながら、工事着工後の作業内容の変更や機器材料価格又は外注価格の変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

当期(2025年8月期)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、インバウンド需要や設備投資の底堅さが景気を下支えする一方、地政学リスクや海外金融市場の変動に伴う先行き不透明感が残る状況にありました。

そのような環境下において、国内では人手不足を背景とした工場・現場の「自動化・省力化」投資が引き続き加速しており、さらに脱炭素社会の実現に向けた国際的な枠組みが構築されつつあり、カーボンニュートラル関連の市場が一段と拡大しております。

特に、エネルギー効率改善、排出量削減に対する企業の投資意欲は高く、将来に向けた設備更新需要が顕著に増加傾向で推移しております。

 

当社グループでは、この成長機会を確実に捉えるべく、主力の「環境・エネルギーセグメント」においては、株式会社マリンリバーが展開する水産養殖設備、ポエック株式会社が展開する高効率ボイラ、排ガス処理装置、省エネ型ポンプ・送風機などの受注が前年比で増加し、提案段階から受注後の保守サービスまで一気通貫で提供する体制をさらに強化しました。

あわせて、「動力・重機等セグメント」においても、株式会社三和テスコが展開する排ガス規制強化・カーボンニュートラル対応型の高効率エンジン・動力設備の需要が堅調に推移しており、ライン増設による生産能力増強とともに工程改善によるリードタイム短縮・利益率向上を実現しました。

また、有機溶剤リサイクル装置の製造・販売を手掛けるコーベックス株式会社およびスプリンクラーヘッドの製造・販売を手掛けるアイエススプリンクラー株式会社は、いずれも前期(2024年8月期)に当社グループに参画した子会社であり、これらの業績が当期から通期で寄与することになったことも、当期の業績成長の一因となっております。

以上の結果、売上高、営業利益、経常利益とも前期を大きく上回り、当社の成長シナリオが着実に進展していることを示す内容となりました。具体的には、当期の経営成績は、売上高10,114百万円(前期比20.8%増)、営業利益911百万円(前期比64.2%増)、経常利益986百万円(前期比129.2%増)、法人税等調整額を65百万円計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は573百万円(前期比193.0%増)となりました。

今後も拡大するサーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルといった環境関連の市場ニーズを着実に捉え、国内外での事業拡大と企業価値向上に邁進してまいります。

なお、各セグメントの経営成績は以下のとおりであります。

 

(環境・エネルギーセグメント)

当社が展開する水処理機器事業では、長年にわたり業界大手を含む多様なメーカーとの間で築き上げてきた強固な仕入ネットワークにより、ポンプをはじめとした中核機器の安定供給体制を確保しています。この体制は、需要変動時にも迅速かつ柔軟に対応できる点で顧客から高く評価されており、複数メーカー製品をワンストップで提供できることが当社の強みとなっています。結果として、当社は水処理機器に特化した専門商社として安定した収益基盤を維持してまいりました。

株式会社マリンリバーが展開する陸上養殖設備事業では、食料安全保障や持続可能な水産業への社会的関心の高まりを背景に、これまで以上に幅広い業界からの投資需要が着実に増加しており、当該分野の売上高は前年同期比で大幅増を記録しました。

さらに、2024年4月に当社グループに参画したコーベックス株式会社では、有機溶剤のリサイクル装置、脱臭・洗浄装置といった環境配慮型製品の開発・販売を行っており、国内外の工場・製造現場における環境対策、法規制対応、資源価格高騰対策等のテーマと高い親和性を有しています。

近年、GX推進法や排出規制強化などを契機として、資源循環や省エネルギーへの関心は一層高まっており、同社製品の引き合いも増加傾向にあります。これらの背景から、コーベックス株式会社の売上高は前期比で二桁成長を遂げ、グループ収益への貢献が拡大しました。

 

以上の結果、本セグメントにおける当期の売上高は5,228百万円(前期比18.3%増)、セグメント利益250百万円(前期比7.6%増)となりました。

 

(動力・重機等セグメント)

本セグメントは、「プラント向けの環境対応型高効率設備機器」と「船舶用エンジン部品の精密加工」という2つの事業軸を通じ、安定的かつ継続的に需要を取り込んでまいりました。

具体的には、株式会社三和テスコ及び東洋精機産業株式会社を中核とする動力・重機等セグメントでは、単なる機器製造の枠を超えた、「脱炭素」「省エネルギー」「高効率化」といった社会的課題に対して高い訴求力を有する製品の開発製造を積極的に推進しております。

株式会社三和テスコが長年培った重機設計力と高度な溶接・組立技術により、当社グループはこれら高付加価値設備を短納期かつ高品質で提供できる体制を確立してきました。

当期においては、複数の大型案件も計画どおりに進捗し、引き合いや受注も前年同期比で増加するなど堅調な事業環境が続いております。

一方、東洋精機産業株式会社が手掛ける船舶用エンジン部品の精密加工事業では、船舶業界においても環境規制が厳格化しつつあることを背景に、より高効率かつ低燃費の船舶エンジンへの需要が増加しています。

同社は、先進的な加工機械の導入すること等により品質保証プロセスを整備し、高精度加工を実現しております。こうした製品品質の高度化への取組みが顧客からの評価につながり、リピート受注率は高い水準で推移し、加えて新規案件も順調に獲得しております。また、同社は単なる受託加工にとどまらず、技術者主導の提案型営業を強化しており、排熱利用部品や特殊合金部品など顧客課題に応じたカスタム案件にも積極的に取り組んでおります。これらにより、付加価値の高い受注ポートフォリオへのシフトが進み、同社の利益率改善にも寄与しました。

以上の結果、本セグメントにおける当期の売上高は3,915百万円(前期比9.8%増)、セグメント利益726百万円(前期比51.9%増)となりました。

 

(防災・安全セグメント)

本セグメントの製品であるスプリンクラー式消火装置「ナイアス」は、医療機関や福祉施設における防火・防災対策の強化ニーズを背景に、販売が回復基調から成長局面へと移行し、当期も売上高は順調に拡大しました。特に、病院や高齢者施設では消防法改正や自治体による防火設備助成制度の拡充を受けて新築・改修工事が活発化しており、老朽施設の改修案件やスプリンクラー未設置施設への新規導入案件が着実に増加しています。

さらに、2024年7月に当社グループに参画したアイエススプリンクラー株式会社の業績寄与も、当期から本格化しました。同社は、耐衝撃性に優れた高品質のスプリンクラーヘッド等を製造・販売しており、1983年の創業以来、同社製品の衝撃による水損事故は皆無であること等により、大手ゼネコンや設備工事会社から高い信頼を獲得しています。また、当社の営業ネットワークも活用することで、クロスセル等のシナジー効果の発現も進みました。

以上の結果、本セグメントにおける当期の売上高は971百万円(前期比152.1%増)、セグメント利益140百万円(前期比144.6%増)となり、売上高、セグメント利益とも前期比で増加しました。

 

セグメント別売上高

 

セグメント区分

第 37 期

(2025年8月期)

(当連結会計年度)

金額

構成比

環境・エネルギー

5,228,018千円

51.7%

動力・重機等

3,915,083千円

38.7%

防災・安全

971,193千円

9.6%

合計

10,114,295千円

100.0%

 

(財政状態)

(資産)

当連結会計年度末における総資産は15,085百万円(前連結会計年度末は11,350百万円)となり、3,734百万円増加しました。

流動資産は8,088百万円(前連結会計年度末は5,632百万円)となり、2,456百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が2,272百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は6,996百万円(前連結会計年度末は5,718百万円)となり、1,277百万円増加しました。これは主に建設仮勘定の増加641百万円、機械装置及び運搬具の増加317百万円等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は10,829百万円(前連結会計年度末は7,236百万円)となり、3,592百万円増加しました。

流動負債は6,278百万円(前連結会計年度末は4,692百万円)となり、1,586百万円増加しました。これは主に、短期借入金の増加1,043百万円によるものであります。

固定負債は4,550百万円(前連結会計年度末は2,544百万円)となり、2,006百万円増加しました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の増加2,000百万円によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は4,255百万円(前連結会計年度末は4,114百万円)となり、141百万円増加しました。

これは主に、利益剰余金の増加327百万円等によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,030百万円(前連結会計年度末に比べ2,403百万円増加)となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,062百万円(前連結会計年度は33百万円の収入)となりました。これは主に、補助金収入130百万円、法人税等の支払額283百万円等の支出があった一方、税金等調整前当期純利益948百万円及び減価償却費257百万円等の収入があったことによるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,075百万円(前連結会計年度は1,254百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,304百万円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は2,415百万円(前連結会計年度は574百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,025百万円があった一方、社債の発行による収入1,971百万円、短期借入金の純増減額1,043百万円等があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

前年同期比(%)

環境・エネルギー(千円)

1,383,416

147.4

動力・重機等  (千円)

3,973,916

110.4

防災・安全   (千円)

523,327

1,007.7

合計(千円)

5,880,660

128.1

(注)1.セグメント間の内部振替前の金額によっております。

2.金額は販売価格によっております。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

前年同期比(%)

環境・エネルギー(千円)

3,189,942

113.6

動力・重機等  (千円)

防災・安全   (千円)

289,805

97.1

合計(千円)

3,479,748

112.0

(注)金額は仕入価格によっております。

 

c.受注実績

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

環境・エネルギー

5,228,018

118.3

93,299

動力・重機等

4,068,950

103.6

2,326,450

107.1

防災・安全

971,193

252.1

合計

10,268,162

117.6

2,419,749

111.4

(注)金額はセグメント間の内部振替前の金額によっております。

 

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

前年同期比(%)

環境・エネルギー  (千円)

5,228,018

118.3

動力・重機等    (千円)

3,915,083

109.8

防災・安全     (千円)

971,193

252.1

合計(千円)

10,114,295

120.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自  2023年9月1日

至  2024年8月31日)

当連結会計年度

(自  2024年9月1日

至  2025年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社マキタ

855,116

10.2

1,139,211

11.3

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.キャッシュ・フローの分析

「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、事業活動における運転資金需要のうち主なものは商品及び原材料の仕入れ及び販売費及び一般管理費などの運転資金、設備投資、借入金の返済等であります。その資金の源泉といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金等により必要とする資金を調達しております。

 

 

5【重要な契約等】

(社債に付される財務上の特約)

 当社は、以下のとおり、財務上の特約が付された第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行いたしました。

 

①社債の発行日

 2025年4月30日

 

②社債の期末残高

 2,000百万円

 

③償還期限

 2030年4月30日

 

④担保・保証の内容

 本新株予約権付社債には担保及び保証は付されておらず、また本新株予約権付社債のために特に留保されている資産はありません。

 

⑤引受人

 野村キャピタル・パートナーズ第二号投資事業有限責任組合

 

⑥引受人住所

 東京都千代田区大手町二丁目2番2号

 

⑦相手方の属性

 投資事業有限責任組合

 

⑧特約の内容

 当社の2024年8月期以降の連結の通期の損益計算書に記載される営業損益若しくは経常損益が2期連続して損失となった場合、又は、当社の2024年8月期以降の各事業年度末日における連結の通期の貸借対照表に記載される純資産合計の額が、直前の事業年度末日における連結の通期の貸借対照表に記載される純資産合計の額の75%を下回った場合には、当該事由が生じた日以降、社債権者はその選択により、当社に対して、償還すべき日の20銀行営業日以上前に事前通知を行った上で、当該繰上償還日に、その保有する本新株予約権付社債の全部又は一部を各社債の金額100円につき金100円で繰上償還することを、当社に対して請求する権利を有しております。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループは環境・エネルギー事業において、新機種の研究開発を進めております。当連結会計年度における当事業の研究開発費の総額は6百万円であります。