(1)業績
当事業年度における我が国経済は、各種政策を背景に企業収益の改善が進み緩やかな回復基調を続けているものの、為替相場の変動や海外経済の不確実性の高まりにより、景気の動向は不透明な状況で推移しました。
国内の雇用情勢につきましては、厚生労働省が平成29年12月26日に発表した平成29年11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.56倍と高い水準を維持しております。
このような背景を受け当社の所属する人材ビジネス業界においては、市場における新規求人数が増加し、人材サービスに対する需要は全体として拡大傾向にて推移しました。一方で当社の事業領域である外食産業における雇用情勢においては、厚生労働省が発表した平成29年11月の有効求人倍率(職業別一般職業紹介状況)は「飲食物調理の職業」で3.38倍、「接客・給仕の職業」では4.15倍と全業種における有効求人倍率を大きく上回って慢性的な人手不足となっており、飲食業界における人材の採用意欲は高い水準にあります。
当社は、このような景況感のもと、人手不足が続く飲食分野の人材サービス事業(人材紹介事業・求人広告事業)において、早くから飲食業界に特化し顧客を開拓して参りました。拡大する企業の採用ニーズを、職種毎に細分化し、これらの細分化された採用ニーズを多くの求職者に人材紹介サービスや求人情報サイトを通して提供し、企業と求職者に出会いの機会を提供いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,066,968千円(前期比67.7%増)、営業利益は266,562千円(同370.8%増)、経常利益は266,047千円(同253.3%増)、当期純利益は171,274千円(同230.0%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①人材紹介事業
人材紹介事業におきましては、コンサルタント及び営業人員の採用による人員の強化と教育強化を図り、質の高い転職相談を実施することによる求職者の満足度向上に向けて取り組んでまいりました。また積極的に新規会員の獲得を実施するため広告宣伝投資の拡大による集客力の向上に努めてまいりました。
その結果、当セグメントにおける売上高は1,353,966千円(前期比56.4%増)、営業利益306,789千円(同125.0%増)となりました。
②求人広告事業
求人広告事業におきましては、営業人員の採用による人員の強化と、スマートフォン向け検索機能強化などのユーザビリティ向上や、正社員に限らずアルバイト向けの求人の出稿などにより媒体力強化に取り組んでまいりました。また、応募数拡大に向けた広告宣伝投資の拡大による集客力の向上や、スマートフォンアプリ「cook+biz」のリリースなどによる求職者の使い勝手の向上や応募数増加につながる施策に取り組んでまいりました。
その結果、当セグメントにおける売上高は694,981千円(前期比90.7%増)、営業利益は98,564千円(同56.8%増)となりました。
③その他事業
その他事業におきましては、飲食業界で働く人に向けた研修事業である「クックビズフードカレッジ」事業を展開しております。当事業は人材紹介事業及び求人広告事業とのクロスセルによる認知度向上とともに売上拡大に努めてまいりました。
なお、当事業においては、当社の事業領域拡大を目的に、農業関連事業として、農業及び畜産業等の一次産業分野への参入を図り、農業生産法人への就労のための雇用支援サービス「farm+biz」及び農家と飲食店をつなぐ食材ECサービス「ファームビズマーケット」を事業展開しておりましたが、これらのサービスについては短期間での収益拡大は困難であるとの判断から、平成29年3月をもって撤退しております。
その結果、当セグメントにおける売上高は18,020千円(前期比590.4%増)、営業損失は11,568千円(前期は営業損失51,668千円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して985,444千円増加し、1,131,166千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果、得られた資金は402,625千円(前年同期比397,580千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益266,047千円、未払金の増加32,244千円、未払消費税等の増加37,234千円、前受金の増加39,698千円等の資金の増加に対し、売上債権の増加33,994千円、法人税等の支払額42,668千円等の資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果、使用した資金は26,768千円(同16,602千円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入9,401千円の資金の増加に対し、有形固定資産の取得による支出12,302千円、無形固定資産の取得による支出19,895千円等の資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果、得られた資金は609,586千円(前年同期は25,057千円の使用)となりました。これは主に、株式の発行による収入632,700千円等の資金の増加に対し、長期借入金の返済による支出34,391千円等の資金の減少があったことによるものです。
(1)生産実績
当社が提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、受注状況に関する記載はしておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成28年12月1日 至 平成29年11月30日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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人材紹介事業 |
1,353,966 |
56.4 |
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求人広告事業 |
694,981 |
90.7 |
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その他事業 |
18,020 |
590.4 |
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合計 |
2,066,968 |
67.7 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)現状の認識について
当社の事業に関連する飲食市場においては、一般社団法人日本フードサービス協会の統計によると、外食産業の市場規模は、平成9年の29兆702億円をピークに平成23年には22兆8,282億円まで落ち込みましたが、平成24年には23兆2,217億円と回復傾向を示し、平成28年には25兆4,169億円と順調に伸びております。今後も、訪日観光客の増加や東京オリンピックなどのイベントによる需要喚起が想定され、当該市場規模は緩やかに拡大するものと見込まれます。
また、厚生労働省が発表した平成29年11月における有効求人倍率(一般職業紹介状況)は1.56倍となっておりますが、「飲食物調理の職業」は3.38倍、「接客・給仕の職業」は4.15倍と非常に高い水準で推移しており、増加する需要に対して人手不足が深刻化しております。そして、厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」によると、飲食サービス・宿泊業への就職者において大学卒業3年目までの離職率は平成25年3月卒業者では50.5%と全業種平均の31.9%のおよそ20%程度上回る水準であり、また厚生労働省の「平成27年度雇用動向調査結果の概況」によると、飲食サービス・宿泊業における入職率及び離職率は各産業の中で最も高い水準にあり、当該産業における就業者が定着せずに短期間で離入職を繰り返しているものと考えられます。
このような環境下で、飲食業界特化型である強みを活かし、以下事項を対処すべき課題として認識して、「自ら学び、成長する喜びを感じ、人と組織の成長支援を通じて社会の持続的な発展に貢献する。」という企業理念に沿った永続的な成長を実現するため、各課題に取り組んでまいります。
(2)具体的な取組状況等
①ブランドの知名度向上
当社ウェブサイトにおける求職者等の登録者数の確保は当社事業にとって重要な要素であり、当社は現在の旺盛な採用需要に対応すべく、ブランドの知名度向上が重要であると認識しております。当社が運営する求人情報サイト「cook+biz」は過去のPV数の推移などから求職者及び求人企業に対する知名度は一定程度高まっているものと考えておりますが、今後の継続した事業成長のためには、さらなる知名度の向上が不可欠であると考えております。当社では費用対効果を見極めながら、広告宣伝及びプロモーション活動を強化することで、ブランド知名度の向上を図るとともに、「クックビズ総研」や「Foodion」といったオウンドメディアを使ったコンテンツマーケティングの積極展開も図ってまいります。
②システムの安定稼働と強化
当社は、インターネット技術を活用して事業を運営していることから、事業運営上、システムの安定稼働が極めて重要であると認識しております。このため、当社は自社でエンジニアの採用を行い、機動的に対応ができるよう取り組んでおります。また、会員数に応じたサーバーの増強を含め、システムの安定化のため継続的にシステム強化に取り組んでまいります。
③優秀な人材の確保・育成
当社は、当社にとって最も重要な経営資源は人材であり、事業の安定的・継続的成長のためには、当社の企業文化及びビジョン・ミッションに合致した志向性をもつ優秀な人材を継続的に確保・育成することが不可欠であると認識しております。また、当社は広告制作やシステム開発人員を有するほか、営業部門では営業、コンサルタント、コールセンター及び営業アシスタントによる分業体制(一部外注を含む)により業務の効率化を図っており、各々の職種に適応した人材の確保に注力すべきと考えております。当社は今後、さらに知名度を向上させ、当社が必要とする優秀な人材を継続的に確保・育成し、長期的なキャリアパスを見据えた研修制度の充実や教育体制の整備を進めるとともに、福利厚生の充実などにより働き甲斐のある職場環境を創出してまいります。
④拠点の拡充
当社は、事業規模を拡大するためには、現在の商圏の深耕とともに、営業エリアの拡大が必要であると認識しております。当社は今後、人員の増加にあわせ既存の拠点を拡充していくとともに、人口や飲食店舗数等から複合的に判断したうえで、地方の中核都市に新しい拠点の展開を検討しております。
⑤情報管理体制の強化
当社は、人材紹介事業を行っており、多数の求職者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しているため情報管理が最重要課題であると認識しております。当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマークを取得し、その制度に準じた個人情報管理体制を構築しております。
今後も社内規定の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティーシステムの整備等を実施し、情報管理体制の維持及び強化を図ってまいります。
⑥新規事業における収益拡大
当社は、主力サービスである人材紹介事業及び求人広告事業ともに堅調に成長しておりますが、両サービスの収益力への依存度が極めて高い状態にあります。今後も継続的に成長していくためには、現在展開している「クックビズフードカレッジ」及び「Foodion」といったサービスを成長させ、事業基盤を確立していくことが重要であると考えております。
飲食業界分野に対する新規事業への取組は、当社の継続的な成長の原動力と考えており、収益性の見込まれる新規ビジネスの創出を目指し今後も投資を行うことを検討してまいります。
⑦内部管理体制の強化
当社が今後さらなる業容を拡大するためには、業務内容の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、業務マニュアル及び規程の運用を徹底し、効率性・有効性を阻害する業務フローの改善に取り組み、内部管理体制を強化するとともに、業務の効率化を図ってまいります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)事業環境に由来するリスクについて
①飲食業界における求人動向等について
当社事業は、飲食業界に特化して展開しており、主たる収益は当該分野にかかるものとなっております。飲食業界においては、前述の通り緩やかな市場拡大が見込まれる一方で、慢性的な人材不足が継続しており、今後も当該業界における求人需要は継続していくものと考えております。
しかしながら、今後において景気変動や企業の採用意欲の変化等が生じた場合、当社事業に影響を及ぼす可能性があるほか、行政による長時間労働是正等を目的とした「働き方改革」の推進等により、飲食業界における労働環境や求人及び求職動向に重大な変化が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②インターネット関連市場について
当社は、求人情報サイト「cook+biz」を中心として、各事業においてインターネットを活用した事業展開を行っております。
今後において、インターネット関連サービスの利用動向やそのあり方等の変化や、サービス利用又は提供にかかる新たな規制の導入、通信・インフラ事業者等の利用料又は料金体系にかかる重要な変更、急激な技術革新等が生じた場合、また、これらの外部環境変化に対して、当社として機動的に対応していくことが困難となる場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③競合について
当社が属する人材サービス業界においては、新規参入障壁が低いこともあり、大手企業から個人事業者までが存在し、広範囲な業種を対象とする事業者から特定業界に特化した事業者まで、多くの事業者が事業を展開しております。また、飲食業界に特化する事業者は限定的であるものの複数社存在しており、当社はこれらの事業者と競合関係にあります。
当社は飲食業界特化によるノウハウの蓄積により、当該業界における求人企業及び求職者のニーズに対してきめ細やかなサービスを提供するとともに、研修サービス等の人材サービスに限らないサービス提供により同業他社との差別化を推進しておりますが、今後新たな企業の市場参入や競合他社における飲食業界注力等による競争の激化が生じた場合、当社の経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制について
当社事業を規制する主な法的規制として、「職業安定法」があります。当社は、「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の「有料職業紹介事業許可」を受けており、許可の有効期間は5年(平成28年3月1日~平成33年2月28日)であります。
「職業安定法」は、職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を果たすべき役割に鑑み、その適正な運営を確保するために、紹介事業を規制しており、厚生労働大臣は、当社が有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法第32条)、若しくは、当該許可の取消事由(職業安定法第32条の9)に該当した場合には、許可の取消や業務の全部又は一部の停止を命じることが出来る旨を定めております。
本書提出日現在において、当社において「職業安定法」に定めるこれら欠落事由又は取消事由に抵触する事項は生じておりません。しかしながら、今後において何らかの理由により当社が当該法令に抵触する事態が生じた場合、営業停止又は許可取消等により事業活動に支障をきたすとともに、当社の経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に由来するリスクについて
①求職者の集客について
当社の人材紹介事業及び求人広告事業においては、求人情報サイト「cook+biz」における継続した求職者の集客(サイト登録者及び閲覧者の拡大)が重要な要素であると考えております。
当社は、サービス拡充及び品質向上等により飲食業界における評価及び知名度の向上に努めるとともに、ウェブマーケティングを中心とした集客拡大のための施策を推進しております。しかしながら、今後における雇用情勢の変化、競合激化、集客施策の不振等により、十分な求職者の集客が困難となった場合、人材紹介にかかるマッチング機能の低下や求人広告にかかる広告効果の低下等が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社における集客施策については、以下のリスクがあります。
(a)検索エンジンへの対応について
当社が運営する「cook+biz」サイトにおける利用者の集客については、特定の検索エンジン(「Yahoo!Japan」及び「Google」)の検索結果からの誘導によるものが一定の割合を占めております。
当社は、検索結果において上位表示されるべくSEO対策等の必要な対応を推進しておりますが、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針及びロジックの変更、その他何らかの要因によって検索結果の表示が当社にとって優位に働かない状況が生じる可能性があり、この場合、当社サイトへの集客効果が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(b)集客に係る広告宣伝活動について
当社は、サービスの認知度向上、当社サイトへの集客及びサービス利用拡大等を目的として、継続した広告宣伝活動を行っております。当社の広告宣伝は、インターネット広告(検索連動型広告、ディスプレイ広告及びインフィード広告等)を中心とするほか、一部は屋外広告(街頭スクリーンや交通広告など)等の活用をしております。
当社の広告宣伝においては、広告手法や媒体、その実施方法及びタイミング等について、費用対効果を検討した上で効率的な広告宣伝費の投下に努めておりますが、当社が行う広告宣伝について著しい広告効果の低下や広告費用の上昇が生じた場合には、求職者の集客等に影響が生じ、また、当該費用負担により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②求人企業と求職者の適正なマッチングについて
人材紹介事業においては、求人企業における人材採用ニーズと、求職者の保有スキル・経験や就職・転職にかかる希望条件等を適正にマッチングすることが重要な要素であると考えております。また、飲食業界は、人材不足等の要因から長時間労働が生じ易いこと、従業者の離職率が高い業種とされていること等から、求人企業における労働環境等も考慮した上での、求人求職双方のニーズに応じた適正なマッチングが必要となります。
当社は、求人企業に対するヒアリング・取材又は求職者に対するコンサルタントによる面談等におけるニーズ、希望条件、適性等の把握を徹底することに加えて、社内における業務ノウハウ等の共有や継続的な教育・育成による担当者のスキル向上、求職者に適した求人企業の候補抽出等のシステム化によるサポート及び効率化等を推進することにより、適正なマッチングの実施及びその精度向上に努めております。
しかしながら、当社の施策推進にも拘らず、マッチング精度の低下による人材紹介にかかる成約率の大幅な低下や早期退職の著しい増加、その他のトラブルが生じた場合、当社事業の収益性低下や信頼性低下等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③人材紹介事業における取引慣行に基づく返金制度について
人材紹介事業においては、当社の紹介した求職者が、求人企業に入社した日付を基準に売上高を計上しております。当該事業においては、人材紹介業界における取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヶ月以内に自己都合により退職した場合は、その退職までの期間に応じて紹介手数料を返金する旨を求人企業との契約に定めております。
当社は、求人企業と求職者の双方のニーズを十分に斟酌した上で紹介を進める等、このような事態の発生の低減に努めており、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しております。しかしながら、当社の想定した返金率を上回る返金が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④新規事業について
当社は、継続的な成長を図るため、飲食業界にかかる事業領域において新規事業の創出に取り組んでおります。当該取組みにおいては、システム開発や人件費等の先行投資が必要となるほか、事業展開に応じて追加支出等が発生する可能性があります。また、事業推進においては、当初の計画通りに事業が進捗しない又は十分な収益を見込めず初期投資を回収出来ない等の状況が生じる可能性があるほか、事業撤退を余儀なくされる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、現時点において、その他事業において、飲食店向けの研修事業である「クックビズフードカレッジ」(平成28年12月サービス開始)及びSNS「Foodion」(平成28年4月サービス開始)を新規事業として立ち上げております。現時点において、これらサービスの推進にかかる当社事業体制は小規模なものであり、顧客開拓や会員獲得の実績も限定的であります。当社は、これら新規サービスの拡大を図っていく方針でありますが、今後において十分な事業拡大が図られる保証はなく、体制強化その他にかかるコスト負担の増加により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤業績の季節変動性について
当社事業においては、業種特性として人材採用の需要期に収益が増加する傾向があり、多くの企業が新年度となる4月(第2四半期会計期間)及び飲食業界の繁忙期前の人材需要期である9月~11月(第4四半期会計期間)に売上高及び利益が増加する傾向があります。
なお、当社の業績は、今後も上記の季節要因の影響を受けるものと考えておりますが、景気動向や飲食業界の業況等の外部環境や、当社の各期における人員増強や広告宣伝費の投下状況等により、実際の業績は変動する可能性があります。
なお、第10期(平成29年11月期)中における各四半期業績の推移は以下の通りであります。
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第10期 第1四半期会計期間 |
第10期 第2四半期会計期間 |
第10期 第3四半期会計期間 |
第10期 第4四半期会計期間 |
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売上高(千円) |
395,233 |
561,274 |
523,878 |
586,582 |
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営業利益(千円) |
10,066 |
116,926 |
46,101 |
93,467 |
(3)当社の事業体制について
①人材の確保・育成について
当社は、現在成長過程にあり、過年度においても事業拡大を図るため、急速に人員体制を拡充しております。また、今後において想定する業容拡大に伴い、継続した優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。
当社は、現在、エージェントの活用及び自社社員紹介による人材採用活動を継続的に行うとともに、社内人材育成を目的とした研修プログラムの構築や教育担当者の専任化による社内育成体制の強化及び人材の定着化を図っており、今後も事業規模に応じた人員体制強化を推進していく方針であります。
しかしながら、雇用環境の変化や人材獲得競争の激化等により、人材確保が困難となった場合又は社内人材の社外流出が生じた場合、事業運営に必要な適正な人材配置が困難となり、競争力の低下や一層の業容拡大の制約要因が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②内部管理体制について
当社は、今後の事業運営及びその拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、当該強化を推進しております。
しかしながら、今後において事業規模、人員及び組織体制に適した内部管理体制の構築に支障が生じた場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③個人情報保護について
当社は、事業運営において、登録求職者にかかる多数の個人情報を取り扱っております。取り扱う個人情報については、利用目的を明示し承諾を得た上で取得し、当該範囲でのみ利用しております。
当社は、個人情報の適正な取り扱い及び安全管理を推進するため、「個人情報保護規程」を策定し、従業員に対する教育及び適正な業務運営の徹底を図るほか、プライバシーマークの認定取得を行う等の情報管理体制の強化に取り組んでおります。
しかしながら、何らかの理由により当社が管理する個人情報等の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、当社及び事業サービスに対する信頼性の著しい低下や顧客からの損害賠償請求等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④システム障害について
当社の事業は、インターネット上に開設したウェブサイトを通して提供されております。当社は事業の信頼性及び取引の安全性の観点からも、自社のシステム管理体制の構築、定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブル発生の未然防止又は回避に加えて、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧出来るような体制を整えております。
しかしながら、自然災害や事故、人為的ミスの発生、通信回線等の遮断・停止、ソフトウェア又はシステム機器の欠陥等によるトラブル、外部からのシステム攻撃や侵入、その他予測不能な様々な要因により、コンピュータシステム等に障害が発生した場合、継続したサービス提供等に支障が生じる可能性があり、当該要因による、当社の収益機会の喪失、システム及び事業運営に対する信頼性低下、クレーム発生その他の要因により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤知的財産権について
当社は、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査するなど、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて商標権等については知的財産権を登録することにより、当該リスクの回避に留意しております。
しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により、損害賠償請求、使用差止め請求、ロイヤルティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の経営成績及び財産状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他のリスクについて
①配当政策について
当社は設立以来、配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案の上、配当をしていきたいと考えております。
ただし当面は、事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に値するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針としており、現時点において配当実施時期等については未定であります。
②潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について
当社は、当社役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストックオプション制度を採用しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日現在における新株予約権にかかる潜在株式数は166,160株であり、発行済株式総数2,112,941株の7.86%に相当しております。また当社は長期的な企業価値向上を目指し、今後もストックオプション制度を含めたインセンティブ制度を活用していく方針であります。
③調達資金の使途について
当社が平成29年11月27日及び12月27日に実施いたしました公募増資を中心とした資金調達の使途につきましては、
当社の今後の事業成長に伴う、オフィス移転に関する設備資金及び差入保証金、当社サービス利用者獲得のための広告宣伝費、借入金返済資金並びに事業拡大に伴う人件費として充当する予定であります。
しかしながら、当該調達資金について計画に沿って充当した場合においても、必ずしも想定通りの投資効果が得られる保証はなく、その場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要としております。これらの見積もりについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もりによる不確実性のため、これらの見積もりとは異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度末の総資産は1,465,271千円(前事業年度末比224.2%増)となりました。
流動資産は1,339,551千円(同278.1%増)となりました。主な増加要因は、新規上場における公募増資等に伴う現金及び預金の増加によるものであります。
固定資産は125,719千円(同28.7%増)となりました。主な増加要因は、基幹システムの開発に伴うソフトウエアの増加によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は517,859千円(同67.9%増)となりました。
流動負債は489,274千円(同91.6%増)となりました。主な増加要因は、未払法人税等及び未払消費税等の増加によるものであります。
固定負債は28,584千円(同46.2%減)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は947,412千円(同560.5%増)となりました。主な増加要因は、新規上場における公募増資等に伴う資本金及び資本剰余金の増加によるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は2,066,968千円(前年事業年度比67.7%増)となりました。これは主に、コンサルタント及び営業人員の採用による人員の強化、広告宣伝投資の拡大による新規会員の獲得、応募数の拡大によるものであります。
(売上原価)
当事業年度の売上原価は43,141千円(同54.5%増)となりました。主な増加要因は、売上増加による外注費の増加によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,757,264千円(同53.1%増)となりました。主な増加要因は、事業拡大に伴う人件費や求職者獲得のための広告宣伝投資の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は266,562千円(同370.8%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度の営業外収益は、15,234千円(同22.8%減)となりました。主な減少要因は、助成金収入の減少によるものであります。
当事業年度の営業外費用は、15,749千円(同1,380.1%増)となりました。主な増加要因は、上場関連費用の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は266,047千円(同253.3%増)となりました。
(税引前当期純利益)
以上より、当事業年度の税引前当期純利益は266,047千円(同259.1%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 1.業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
厚生労働省が発表した平成29年11月における有効求人倍率(一般職業紹介状況)は1.56倍という水準を示しており、また、「飲食物調理の職業」は3.38倍、「接客・給仕の職業」は4.15倍と非常に高い水準で推移しておりますが、今後国内外の経済情勢を受け、各企業の採用需要が当社の予測を超えて下振れした場合には、当社の経営成績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。
また当社の事業は人材紹介事業及び求人広告事業ともに「cook+biz」サイトを基盤としたものとなっており、利用ユーザー数や利用企業数及びサイトの利用度合いは当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
その他当社が抱える事業等のリスクについての詳細は、「4 事業等のリスク」をご参照ください。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、ユーザーや各企業に求められる機能やサービス、コンテンツを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規事業の開拓、内部管理体制の強化をしていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社の経営の状況につきましては、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
今後の見通しにつきましては、各事業を確実に成長させながら、引き続き「フード産業を人気業種にする」という当社のビジョンを達成すべく、求人企業及び求職者双方の需要を的確にとらえ、求人求職のミスマッチをなくし、長期におけるキャリア形成を可能にするべく、当社が有する経営資源を活用して新規事業の開拓を行いながら、企業価値の向上に取り組んでまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社が継続的に成長していくためには、経営者は「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「4 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。