第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は「「食」を人気の職にする。」をビジョンとして掲げ、それを実現するために、「食に関わるすべての人の成長を実現する。」を日々果たすべきミッションに掲げております。

 人手不足が続く飲食業界に軸足をおき、人材紹介事業及び求人広告事業を中心に、成長性の高いサービスに経営資源を集中することにより事業の拡大を目指します。

 また「食」×「人材」に留まること無く、「食」×「something(サムシング)」で付加価値の高い事業を創造し、マーケットの新たな課題やニーズに対応し続けることより、中期的な成長を目指します。

 

(2)現状の認識について

 当社の事業に関連する飲食市場においては、一般社団法人日本フードサービス協会の統計によると、外食産業の市場規模は、平成9年の29兆702億円をピークに平成23年には22兆8,282億円まで落ち込みましたが、平成24年には23兆2,217億円と回復傾向を示し、平成29年には25兆6,561億円と順調に伸びております。今後も、訪日観光客の増加や東京オリンピックなどのイベントによる需要喚起が想定され、当該市場規模は緩やかに拡大するものと見込まれます。

 また、厚生労働省が発表した平成30年11月における有効求人倍率(一般職業紹介状況)は1.63倍となっておりますが、「飲食物調理の職業」は3.40倍、「接客・給仕の職業」は4.00倍と非常に高い水準で推移しており、増加する需要に対して人手不足が深刻化しております。

 このような環境下で、飲食業界特化型である強みを活かし、以下事項を対処すべき課題として認識して、各課題に取り組んでまいります。

 

(3)具体的な取組状況等

①マーケティングの強化

 インバウンド需要の高まり等を受け、当社の事業領域である外食業における雇用情勢においては、今後も企業の採用ニーズは高い水準で推移することが予想され、求人数は増加傾向が続くことが想定されます。当社の人材サービス事業においては求職者の獲得が重要な要素であり、そのための有効なマーケティング戦略の立案及び効果的かつ効率的なマーケティング施策の実行は人材サービス事業の持続的な成長のための重要な要素であります。当社はWEBマーケティングを強化するとともに、「クックビズ総研」や「Foodion」といったオウンドメディアを使ったコンテンツマーケティングの積極展開を図ることにより、持続的にマーケティング施策を強化してまいります。

 

②システムの安定稼働と強化

 当社は、インターネット技術を活用して事業を運営していることから、事業運営上、システムの安定稼働が極めて重要であると認識しております。このため、当社は自社でエンジニアの採用を行い、機動的に対応ができるよう取り組んでおります。また、会員数に応じたサーバーの増強を含め、システムの安定化のため継続的にシステム強化に取り組んでまいります。

 

③優秀な人材の確保・育成

 当社は、当社にとって最も重要な経営資源は人材であり、事業の安定的・継続的成長のためには、当社の企業文化及びビジョン・ミッションに合致した志向性をもつ優秀な人材を継続的に確保・育成することが不可欠であると認識しております。また、当社は広告制作やシステム開発人員を有するほか、営業部門では営業、コンサルタント、コールセンター及び営業アシスタントによる分業体制(一部外注を含む)により業務の効率化を図っており、各々の職種に適応した人材の確保に注力すべきと考えております。当社は今後、さらに知名度を向上させ、当社が必要とする優秀な人材を継続的に確保・育成し、長期的なキャリアパスを見据えた研修制度の充実や教育体制の整備を進めるとともに、福利厚生の充実などにより働き甲斐のある職場環境を創出してまいります。

 

④情報管理体制の強化

 当社は、人材紹介事業を行っており、多数の求職者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しているため情報管理が最重要課題であると認識しております。当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマークを取得し、その制度に準じた個人情報管理体制を構築しております。

 今後も社内規定の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティーシステムの整備等を実施し、情報管理体制の維持及び強化を図ってまいります。

 

⑤新規事業における収益拡大

 当社は、主力サービスである人材紹介事業及び求人広告事業ともに堅調に成長しておりますが、両サービスの収益力への依存度が極めて高い状態にあります。今後も継続的に成長していくためには、現在展開している「クックビズフードカレッジ」及び「Foodion」といったサービスを成長させ、事業基盤を確立していくことが重要であると考えております。

 飲食業界分野に対する新規事業への取り組みは、当社の継続的な成長の原動力と考えており、収益性の見込まれる新規ビジネスの創出を目指し今後も投資を行うことを検討してまいります。

 

⑥内部管理体制の強化

 当社が今後さらなる業容を拡大するためには、業務内容の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、業務マニュアル及び規程の運用を徹底し、効率性・有効性を阻害する業務フローの改善に取り組み、内部管理体制を強化するとともに、業務の効率化を図ってまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。

 当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境に由来するリスクについて

①飲食業界における求人動向等について

 当社事業は、飲食業界に特化して展開しており、主たる収益は当該分野にかかるものとなっております。飲食業界においては、前述のとおり緩やかな市場拡大が見込まれる一方で、慢性的な人材不足が継続しており、今後も当該業界における求人需要は継続していくものと考えております。

 しかしながら、今後において景気変動や企業の採用意欲の変化等が生じた場合、当社事業に影響を及ぼす可能性があるほか、行政による長時間労働是正等を目的とした「働き方改革」の推進等により、飲食業界における労働環境や求人及び求職動向に重大な変化が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②インターネット関連市場について

 当社は、求人情報サイト「cookbiz」を中心として、各事業においてインターネットを活用した事業展開を行っております。

 今後において、インターネット関連サービスの利用動向やそのあり方等の変化や、サービス利用又は提供にかかる新たな規制の導入、通信・インフラ事業者等の利用料又は料金体系にかかる重要な変更、急激な技術革新等が生じた場合、また、これらの外部環境変化に対して、当社として機動的に対応していくことが困難となる場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③競合について

 当社が属する人材サービス業界においては、新規参入障壁が低いこともあり、大手企業から個人事業者までが存在し、広範囲な業種を対象とする事業者から特定業界に特化した事業者まで、多くの事業者が事業を展開しております。また、飲食業界に特化する事業者は限定的であるものの複数社存在しており、当社はこれらの事業者と競合関係にあります。

 当社は飲食業界特化によるノウハウの蓄積により、当該業界における求人企業及び求職者のニーズに対してきめ細やかなサービスを提供するとともに、研修サービス等の人材サービスに限らないサービス提供により同業他社との差別化を推進しておりますが、今後新たな企業の市場参入や競合他社における飲食業界注力等による競争の激化が生じた場合、当社の経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④法的規制について

 当社事業を規制する主な法的規制として、「職業安定法」があります。当社は、「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の「有料職業紹介事業許可」を受けており、許可の有効期間は5年(平成28年3月1日~平成33年2月28日)であります。

 「職業安定法」は、職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を果たすべき役割に鑑み、その適正な運営を確保するために、紹介事業を規制しており、厚生労働大臣は、当社が有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法第32条)、若しくは、当該許可の取消事由(職業安定法第32条の9)に該当した場合には、許可の取消や業務の全部又は一部の停止を命じることが出来る旨を定めております。

 本書提出日現在において、当社において「職業安定法」に定めるこれら欠落事由又は取消事由に抵触する事項は生じておりません。しかしながら、今後において何らかの理由により当社が当該法令に抵触する事態が生じた場合、営業停止又は許可取消等により事業活動に支障をきたすとともに、当社の経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容に由来するリスクについて

①求職者の集客について

 当社の人材紹介事業及び求人広告事業においては、求人情報サイト「cookbiz」における継続した求職者の集客(サイト登録者及び閲覧者の拡大)が重要な要素であると考えております。

 当社は、サービス拡充及び品質向上等により飲食業界における評価及び知名度の向上に努めるとともに、ウェブマーケティングを中心とした集客拡大のための施策を推進しております。しかしながら、今後における雇用情勢の変化、競合激化、集客施策の不振等により、十分な求職者の集客が困難となった場合、人材紹介にかかるマッチング機能の低下や求人広告にかかる広告効果の低下等が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社における集客施策については、以下のリスクがあります。

 

(a)検索エンジンへの対応について

 当社が運営する「cookbiz」サイトにおける利用者の集客については、特定の検索エンジン(「Yahoo!Japan」及び「Google」)の検索結果からの誘導によるものが一定の割合を占めております。

 当社は、検索結果において上位表示されるべくSEO対策等の必要な対応を推進しておりますが、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針及びロジックの変更、その他何らかの要因によって検索結果の表示が当社にとって優位に働かない状況が生じる可能性があり、この場合、当社サイトへの集客効果が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(b)集客に係る広告宣伝活動について

 当社は、サービスの認知度向上、当社サイトへの集客及びサービス利用拡大等を目的として、継続した広告宣伝活動を行っております。当社の広告宣伝は、インターネット広告(検索連動型広告、ディスプレイ広告及びインフィード広告等)を中心としております。

 当社の広告宣伝においては、広告手法や媒体、その実施方法及びタイミング等について、費用対効果を検討した上で効率的な広告宣伝費の投下に努めておりますが、当社が行う広告宣伝について著しい広告効果の低下や広告費用の上昇が生じた場合には、求職者の集客等に影響が生じ、また、当該費用負担により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②求人企業と求職者の適正なマッチングについて

 人材紹介事業においては、求人企業における人材採用ニーズと、求職者の保有スキル・経験や就職・転職にかかる希望条件等を適正にマッチングすることが重要な要素であると考えております。また、飲食業界は、人材不足等の要因から長時間労働が生じ易いこと、従業者の離職率が高い業種とされていること等から、求人企業における労働環境等も考慮した上での、求人求職双方のニーズに応じた適正なマッチングが必要となります。

 当社は、求人企業に対するヒアリング・取材又は求職者に対するコンサルタントによる面談等におけるニーズ、希望条件、適性等の把握を徹底することに加えて、社内における業務ノウハウ等の共有や継続的な教育・育成による担当者のスキル向上、求職者に適した求人企業の候補抽出等のシステム化によるサポート及び効率化等を推進することにより、適正なマッチングの実施及びその精度向上に努めております。

 しかしながら、当社の施策推進にも拘らず、マッチング精度の低下による人材紹介にかかる成約率の大幅な低下や早期退職の著しい増加、その他のトラブルが生じた場合、当社事業の収益性低下や信頼性低下等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③人材紹介事業における取引慣行に基づく返金制度について

 人材紹介事業においては、当社の紹介した求職者が、求人企業に入社した日付を基準に売上高を計上しております。当該事業においては、人材紹介業界における取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヶ月以内に自己都合により退職した場合は、その退職までの期間に応じて紹介手数料を返金する旨を求人企業との契約に定めております。

 当社は、求人企業と求職者の双方のニーズを十分に斟酌した上で紹介を進める等、このような事態の発生の低減に努めており、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しております。しかしながら、当社の想定した返金率を上回る返金が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④新規事業について

 当社は、継続的な成長を図るため、飲食業界にかかる事業領域において新規事業の創出に取り組んでおります。当該取組みにおいては、システム開発や人件費等の先行投資が必要となるほか、事業展開に応じて追加支出等が発生する可能性があります。また、事業推進においては、当初の計画通りに事業が進捗しない又は十分な収益を見込めず初期投資を回収出来ない等の状況が生じる可能性があるほか、事業撤退を余儀なくされる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社は、現時点において、その他事業において、飲食店向けの研修事業である「クックビズフードカレッジ」(平成28年12月サービス開始)及びSNS「Foodion」(平成28年4月サービス開始)を新規事業として立ち上げております。現時点において、これらサービスの推進にかかる当社事業体制は小規模なものであり、顧客開拓や会員獲得の実績も限定的であります。当社は、これら新規サービスの拡大を図っていく方針でありますが、今後において十分な事業拡大が図られる保証はなく、体制強化その他にかかるコスト負担の増加により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤業績の季節変動性について

 当社事業においては、業種特性として人材採用の需要期に収益が増加する傾向があり、多くの企業が新年度となる4月(第2四半期会計期間)及び飲食業界の繁忙期前の人材需要期である9月~11月(第4四半期会計期間)に売上高及び利益が増加する傾向があります。

 なお、当社の業績は、今後も上記の季節要因の影響を受けるものと考えておりますが、景気動向や飲食業界の業況等の外部環境や、当社の各期における人員増強や広告宣伝費の投下状況等により、実際の業績は変動する可能性があります。

 なお、第11期(平成30年11月期)中における各四半期業績の推移は以下のとおりであります。

 

 

第11期

第1四半期会計期間

第11期

第2四半期会計期間

第11期

第3四半期会計期間

第11期

第4四半期会計期間

売上高(千円)

518,541

654,030

618,583

712,443

営業利益(千円)

6,633

50,989

△12,432

87,477

 

(3)当社の事業体制について

①人材の確保・育成について

 当社は、現在成長過程にあり、過年度においても事業拡大を図るため、急速に人員体制を拡充しております。また、今後において想定する業容拡大に伴い、継続した優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。

 当社は、現在、エージェントの活用及び自社社員紹介による人材採用活動を継続的に行うとともに、社内人材育成を目的とした研修プログラムの構築や教育担当者の専任化による社内育成体制の強化及び人材の定着化を図っており、今後も事業規模に応じた人員体制強化を推進していく方針であります。

 しかしながら、雇用環境の変化や人材獲得競争の激化等により、人材確保が困難となった場合又は社内人材の社外流出が生じた場合、事業運営に必要な適正な人材配置が困難となり、競争力の低下や一層の業容拡大の制約要因が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②内部管理体制について

 当社は、今後の事業運営及びその拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、当該強化を推進しております。

 しかしながら、今後において事業規模、人員及び組織体制に適した内部管理体制の構築に支障が生じた場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③個人情報保護について

 当社は、事業運営において、登録求職者にかかる多数の個人情報を取り扱っております。取り扱う個人情報については、利用目的を明示し承諾を得た上で取得し、当該範囲でのみ利用しております。

 当社は、個人情報の適正な取り扱い及び安全管理を推進するため、「個人情報保護規程」を策定し、従業員に対する教育及び適正な業務運営の徹底を図るほか、プライバシーマークの認定取得を行う等の情報管理体制の強化に取り組んでおります。

 しかしながら、何らかの理由により当社が管理する個人情報等の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、当社及び事業サービスに対する信頼性の著しい低下や顧客からの損害賠償請求等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④システム障害について

 当社の事業は、インターネット上に開設したウェブサイトを通して提供されております。当社は事業の信頼性及び取引の安全性の観点からも、自社のシステム管理体制の構築、定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブル発生の未然防止又は回避に加えて、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧出来るような体制を整えております。

 しかしながら、自然災害や事故、人為的ミスの発生、通信回線等の遮断・停止、ソフトウエア又はシステム機器の欠陥等によるトラブル、外部からのシステム攻撃や侵入、その他予測不能な様々な要因により、コンピュータシステム等に障害が発生した場合、継続したサービス提供等に支障が生じる可能性があり、当該要因による、当社の収益機会の喪失、システム及び事業運営に対する信頼性低下、クレーム発生その他の要因により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤知的財産権について

 当社は、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査するなど、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて商標権等については知的財産権を登録することにより、当該リスクの回避に留意しております。

 しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により、損害賠償請求、使用差止め請求、ロイヤルティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の経営成績及び財産状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他のリスクについて

①配当政策について

 当社は設立以来、配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案の上、配当をしていきたいと考えております。

 ただし当面は、事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に値するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針としており、現時点において配当実施時期等については未定であります。

 

②潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について

 当社は、当社役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストックオプション制度を採用しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。

 なお、本書提出日現在における新株予約権にかかる潜在株式数は159,510株であり、発行済株式総数2,187,641株の7.29%に相当しております。また当社は長期的な企業価値向上を目指し、今後もストックオプション制度を含めたインセンティブ制度を活用していく方針であります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、各種政策を背景に企業収益の改善が進み、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、欧州諸国における政情不安や米中間における通商問題など世界経済の不確実性は高く、日本経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 国内の雇用情勢につきましては、厚生労働省が平成30年12月28日に発表した平成30年11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍と高い水準を維持しております。

 また、当社の事業領域である外食業における雇用情勢においては、平成30年11月の有効求人倍率(職業別一般職業紹介状況)は「飲食物調理の職業」で3.40倍で、「接客・給仕の職業」では4.00倍と全業種における有効求人倍率を大きく上回って慢性的な人手不足となっており、飲食業界における人材の採用意欲は高い水準にあります。

 このような景況感のもと、人手不足が続く飲食分野の人材サービス事業(人材紹介事業・求人広告事業)では、拡大する企業の採用ニーズを、職種形態毎に細分化し、これを多くの求職者に人材紹介サービスや求人情報サイトを通して情報を提供し、企業と求職者に出会いの機会を提供いたしました。

 当事業年度は、営業力強化に向けて教育・研修体制の強化を図りながら積極的な人材採用を行うとともに、それに伴う拠点の拡張や新規開設を行いました。また求人企業の開拓や登録者の増加施策として積極的な広告宣伝を実施したものの、集客が想定を下回ったのを踏まえ、下半期においては集客手法の見直しを行うなど、販売収支の改善に努めました。

 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 (a)財政状態

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ146,365千円増加し、1,611,636千円となりました。

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ56,633千円減少し、461,225千円となりました。

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ202,999千円増加し、1,150,411千円となりました。

 

 (b)経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高2,503,599千円(前期比21.1%増)、営業利益132,667千円(同50.2%減)、経常利益は137,842千円(同48.2%減)、当期純利益71,081千円(同58.5%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(人材紹介事業)

 人材紹介事業におきましては、「cookbiz」サイトへご登録いただいた転職を希望される方へ、転職先を紹介する事業を運営しております。

 当事業年度におきましては、営業力強化に向けて、大阪本社の増床、東京並びに名古屋拠点の増床移転及び福岡市並びに横浜市に新規に拠点を開設いたしました。また、事業における適正な人員配置を行うなど生産性向上に向けて取り組むとともに、求人企業と求職者のマッチング率の向上に向けた求人企業の開拓や登録者の増加施策としてWebマーケティングの強化など、様々な取り組みを実施いたしました。しかしながら、投資に見合った集客を行うことが出来ず、集客が想定を下回ったことを踏まえ、下半期においては集客手法の見直しを行うなど販売収支の改善に努めました。

 その結果、当セグメントにおける売上高は1,629,794千円(前期比20.4%増)、セグメント利益252,996千円(同17.5%減)となりました。

 

(求人広告事業)

 求人広告事業におきましては、求人広告サイトである「cookbiz」の事業を運営しております。

 当事業年度におきましては、事業基盤強化に向けて人員の採用を推し進めるとともに、教育専任者を配置し研修体制の充実を図ることや商品ラインナップの強化を図ることにより、営業力の強化に努めてまいりました。また、正社員に限らずアルバイト向けの求人の出稿を強化するなどにより媒体力強化に取り組んでまいりました。

 その結果、当セグメントにおける売上高は854,206千円(前期比22.9%増)、セグメント利益は123,655千円(同25.5%増)となりました。

 

(その他事業)

 その他事業におきましては、平成28年12月より飲食業界で働く人に向けた研修事業である「クックビズフードカレッジ」事業を展開しております。飲食業界で働かれている方に研修を通じて成長を促すことで、個人のキャリア形成の確立や組織の成長に通じ、これが業界全体の底上げに繋がり、ひいては人気業種にすることに繋がると考えております。当事業は、事業基盤強化に向けて人員の採用を推し進めるとともに、人材紹介事業及び求人広告事業とのクロスセルにより、認知度向上とともに売上拡大に努めてまいりました。

 また同じくその他事業として、平成28年4月より料理人シェフを中心にソーシャルネットワーキングサービスである「Foodion」を展開しております。現時点においては、当該サービスにかかるユーザビリティの向上やユーザー拡大に向けて推進しております。

 当セグメントは、主に立ち上げ段階の新規事業から構成され、売上高は19,599千円(前期比8.8%増)、セグメント損失は66,126千円(前期は11,568千円の損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して78,133千円減少し、1,053,032千円となりました。

 

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動の結果、得られた資金は1,319千円(前年同期比401,306千円の減少)となりました。これは主に、税引前当期純利益130,815千円、減価償却費22,418千円、賞与引当金の増加19,060千円等の資金の増加に対し、未払消費税等の減少35,487千円、法人税等の支払額124,622千円等の資金の減少があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動の結果、使用した資金は154,116千円(同127,347千円の増加)となりました。これは主に、敷金の回収による収入17,078千円の資金の増加に対し、敷金の差入による支出82,221千円、有形固定資産の取得による支出57,584千円、無形固定資産の取得による支出24,618千円等の資金の減少があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動の結果、得られた資金は74,663千円(同534,923千円の減少)となりました。これは主に、株式の発行による収入130,649千円の資金の増加に対し、短期借入金の純減少額50,000千円等があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当社が提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(b)受注実績

 生産実績と同様の理由により、受注実績に関する記載はしておりません。

 

(c)販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年12月1日

至 平成30年11月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

人材紹介事業

1,629,794

20.4

求人広告事業

854,206

22.9

その他事業

19,599

8.8

合計

2,503,599

21.1

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要としております。これらの見積もりについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もりによる不確実性のため、これらの見積もりとは異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末の総資産は1,611,636千円(前事業年度末比10.0%増)となりました。

 流動資産は1,328,828千円(同0.8%減)となりました。その主な要因は業績拡大に伴う売掛金が34,866千円、広告費用の拡大等による前払費用が30,215千円増加したものの、将来への事業拡大を目指した人件費の増加、広告宣伝投資の拡大、拠点の拡張や新規開設に伴う地代家賃の増加など、先行投資を行なったことにより現金及び預金が78,133千円減少したためであります。

 固定資産は282,808千円(同125.0%増)となりました。その主な要因は、拠点の拡張や新規開設に伴い建物が72,582千円、敷金が65,143千円増加したためであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は461,225千円(同10.9%減)となりました。

 流動負債は374,960千円(同23.4%減)となりました。その主な要因は、未払法人税等が76,547千円減少したため、また財務内容の更なる健全化のため短期借入金を50,000千円返済したためであります。

 固定負債は86,265千円(同201.8%増)となりました。その主な要因は、拠点の拡張や新規開設に伴う現状回復義務が生じ、資産除去債務が42,012千円、繰延税金負債が11,133千円増加したためであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,150,411千円(同21.4%増)となりました。その要因は増資で資本金及び資本剰余金がそれぞれ65,959千円、当期純利益の計上により利益剰余金が71,081千円増加したためであります。

 

(b)経営成績の分析

 当事業年度は、持続可能な収益基盤の確立を目指して、積極的に営業費用を投下しました。当事業年度の成果及び取組みの状況等は次のとおりです。

 

(売上高)

 当事業年度の売上高は、2,503,599千円(前年事業年度比21.1%増)となりました。営業人員の採用による人員の強化、広告宣伝投資の拡大による新規会員の獲得、応募数の拡大などによるものであります。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 当事業年度の売上原価は37,858千円(同5,282千円減)、販売費及び一般管理費は2,333,073千円(同575,808千円増)となりました。売上原価の主な減少要因は、他社のデータベースを経由した売上が減少したことにより、外注費が減少したためであります。

 販売費及び一般管理費の主な増加要因は、営業力強化に向けて教育・研修体制の強化を図りながら積極的な人材採用を行うとともに、それに伴う拠点の拡張や新規開設を行いました。また求人企業の開拓や登録者の増加施策として積極的な広告宣伝を実施したことによるものであります。

 上記の結果、当事業年度の営業利益は132,667千円(同133,895千円減)となりました。

 

(営業外損益)

 当事業年度の経常利益は137,842千円(同128,205千円減)となりました。経常利益の主な減少要因は、事業撤退による助成金収入の減少によるものであります。

 

(特別損益、当期純利益)

 当事業年度の特別損失は7,026千円(同7,026千円増)となり、当事業年度の当期純利益につきましては71,081千円(同100,193千円減)となりました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

 当社は、運転資金及び設備投資の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、必要に応じて銀行からの借入又は第三者割当増資による調達を行う方針であります。

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、営業活動上において必要な人件費や広告費用の営業費用であります。

 当社のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(d)経営成績に重要な影響を与える要因について

 厚生労働省が発表した平成30年11月における有効求人倍率(一般職業紹介状況)は1.63倍という水準を示しており、また、「飲食物調理の職業」は3.40倍、「接客・給仕の職業」は4.00倍と非常に高い水準で推移しておりますが、今後国内外の経済情勢を受け、各企業の採用需要が当社の予測を超えて下振れした場合には、当社の経営成績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。

 また当社の事業は人材紹介事業及び求人広告事業ともに「cookbiz」サイトを基盤としたものとなっており、利用ユーザー数や利用企業数及びサイトの利用度合いは当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 その他当社が抱える事業等のリスクについての詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」をご参照ください。

 そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、ユーザーや各企業に求められる機能やサービス、コンテンツを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規事業の開拓、内部管理体制の強化をしていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

(e)経営戦略の現状と見通し

 当社は、各事業を確実に成長させながら、「「食」を人気の「職」にする。」という当社のビジョンを達成すべく、求人企業及び求職者双方の需要を的確にとらえ、求人求職のミスマッチをなくし、長期におけるキャリア形成を可能にするべく、当社が有する経営資源を活用して新規事業の開拓を行いながら、企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

(f)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社が継続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。