文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
クックビズのビジョン・ミッション・バリューを基礎として、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた次の10年を「食ビジネスの変革を支援する会社」と定義しています。激変する消費者の行動・価値観変容を理解し、飲食店の新たな収益機会や業態の創出と変革にかかる店舗・業務・人材・資金をトータルサポートすることで食産業の再成長に貢献いたします。
既存事業においては、コロナ前・コロナ禍を比較・分析し、中期的なターゲットとなるKPIを設定し、2026年〜2027年には既存事業売上が40〜50億円(CAGR25〜30%)程度まで回復・再成長すると試算しています。これまで支援し続けた「人」を起点に、新たな食体験・食サービスとエコシステムを提供することで、事業規模の再拡大に向けた取り組みを加速させてまいります。
(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の事業に関連する飲食市場においては、一般社団法人日本フードサービス協会の統計によると、外食産業の市場規模は、1997年の29兆702億円をピークに2011年には22兆8,282億円まで落ち込みましたが、2012年には23兆2,217億円と回復傾向を示し、2019年には26兆439億円と順調に伸びております。一方で、新型コロナウィルス感染症(以下「COVID-19」)の拡大により、飲食業界では政府・自治体による自粛要請・緊急事態宣言の発令に伴う臨時休業や営業時間の短縮等の処置が実施されたこと等から、2020年の市場規模は18兆2,005億円と大幅に縮小し、2021年においても外食産業の年間売上は前年比で98.6%となりました。とりわけ当社として繋がりの深い居酒屋業態においては、酒類の制限や禁止等の規制の影響を受け、前年比で56.3%と非常に厳しい状況が続いております。
当社は、外食産業の市場規模が今後も比較的に安定して推移するという前提のもと、中長期の成長を目指して事業領域の拡大を進めてまいりましたが、事業を取り巻く環境が当初の想定から大きく変化しており、柔軟かつ機動的に対応する必要が出てまいりました。外食産業の市場規模は短期的には回復しないものと見込み、コスト構造の見直しや当面収益性が見込めないような新規事業からの撤退を行い、既存事業の生産性の最大化を目指すとともに、既存事業の基盤を活かした新規事業により新たな収益機会の獲得を行ってまいります。「新しい働き方」や「新しい生活様式」など、かつての常識が通用しなくなる事業環境の変化への対応は、当社にとって重要課題であると同時に新たな成長の機会でもあると考えております。
このような環境の変化のなか、黒字経営への体質転換を急務と捉え、持続可能な経営基盤の再構築を目指して、COVID-19の拡大の環境下における対応と収束後のアフターコロナに向けた様々な取り組みを進めております。
既存事業につきましては、再成長に向けた具体的な取り組みとして、
・人材採用市場の再定義と自社マーケットシェアの算出
・オンライン広告以外も含めたマーケティング手法強化による求職登録者数最大化
・企業のニーズに合わせたBPOサービスの開発
・掲載企業数・求人数の最大化と、求職者の求人応募アクション最大化
・オンラインセールスの強化による、東名阪エリアの深耕とその他エリアの開拓
を実施し、顧客満足度の向上を目指します。また、現状行っている採用における負担を軽減できる新サービスである「人材紹介プラス」やサブスクリプション型スカウトサービスである「ダイレクトプラス」の月額制プランも継続して行い、飲食業界の活性化を目指します。
先々の取り組みとしては、COVID-19の影響により飲食需要の当面の回復が望めない中で、飲食業界従事者の方々の雇用機会の創出、収入の安定、さらに飲食業界の復興に貢献すべく、既存事業を強化するとともに、資金支援や業務DXなど、既存事業における顧客基盤を生かした周辺領域の業務にも多角的に取り組んでいくことで、売上の拡大を目指します。
上記を踏まえ、以下の事項を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として認識し、事業展開を図る方針であります。
①飲食業界の人材関連市場の再定義と自社のマーケットシェアの分析
既存事業の回復・再成長、かつ新たな収益機会を獲得していくためには、COVID-19の影響を甚大に受けた食関連ビジネスの現況を正確に分析し、再成長戦略を策定する必要があります。まずは、当社の既存事業に近い飲食業界の人材関連市場の分析から進めておりますが、日本国内の労働人口の将来予測も踏まえて、従来の人材紹介サービスや求人広告サービスという自社サービスの枠に捉われない市場の再定義を行い、多様化する顧客のニーズや課題を探索してまいります。
②既存事業の新たな価値創造と収益性の改善
当社の既存事業においては、経済活動の再開を見据え、採用活動が活発化する業種・業態・エリアを的確に捉えた営業リソースの最適分配を行い、商談機会の最大化を目指してまいります。
また、ブランディング・オフラインプロモーション・SEO・アライアンスなど、オンライン広告以外のマーケティング手法強化による求職登録者数の最大化を図るとともに、掲載企業数・求人数の最大化と、求職登録者の求人応募アクション最大化を実現するため、商品・サービス(ウェブ・アプリ)の大規模刷新に着手いたします。
営業力・マーケティング強化と商品力・サービス力強化という人材ビジネスの基本に立ち返り、収益性の改善による売上回復と黒字化を早期に達成します。さらに、多様化する顧客のニーズを捉えた新たな価値を創造すべく、既存事業の周辺領域における新サービスの開発を活発化させてまいります。
③経営基盤の強化(CBMIプロジェクトの運用)
環境変化へ迅速に対応するために、権限と責任を明確化した新執行体制に2022年11月期期初より移行しております。とりわけ、CBMIプロジェクト(Cookbiz Management Initiative)を代表取締役社長の直下に新設し、経営基盤となる以下の重要テーマを推進しております。
・再成長戦略策定
・リブランディング
・新中期経営計画策定
・人事制度改革・規程類整備
④情報管理体制の強化
当社は、人材サービス事業を行っており、多数の求職登録者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しているため情報管理が最重要課題であると認識しております。当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマークを取得し、その制度に準じた個人情報管理体制を構築しております。
今後も社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、啓蒙のさらなる推進、ソフトウェア・デバイスのモニタリング体制の拡充など、企業の社会的責任である情報セキュリティの確保に向けた取り組みの強化を行ってまいります。
⑤内部管理体制の強化
当社は、既存事業の回復・再成長と新規事業の展開及び新規サービスの拡充にあたっては、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、そのためには財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、内部監査による定期的なモニタリングの実施と監査役会や監査法人との連携により適切に運用しておりますが、ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保しつつも、効率性・有効性を阻害する業務フローの改善に取り組むことで、ベンチャー企業としての俊敏さも兼ね備えた全社的に効率的な組織体制の構築に向け、さらなる内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
⑥新規事業の開発
当社は、持続的な成長を実現するためには、積極的な新規事業の開発・育成により新たな主要事業を創出することが不可欠であると考えております。2021年7月に発表した中長期成長戦略に基づき、既存事業の周辺領域における新サービスの開発に留まらず、業態創出・店舗OMO・業務DXなどの経営支援領域、食にまつわる事業再生のための投資などの資金支援領域を中心に新規事業の開発・育成を進めることで、食ビジネスの変革に貢献できると考えております。このような方針のもと、今後も事業開発を担う人材を採用・育成し、食産業で生まれる事業機会を確実に捉えて新たなサービスを生み出してまいります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)事業環境に由来するリスクについて
①事業領域について
当社は、主に「人材採用・入社後の活躍」を支援する企業としてこれまで培ってきたノウハウ及びブランド力を活用できる領域を中心に事業を推進しております。しかしながら、当該市場規模の縮小や成長鈍化、当社における各種サービスの競争力低下や価格下落等の要因により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
当社が属する人材サービス業界においては、新規参入障壁が低いこともあり、大手企業から個人事業者までが存在し、広範囲な業種を対象とする事業者から特定業界に特化した事業者まで、多くの事業者が事業を展開しております。また、飲食業界に特化する事業者は限定的であるものの複数社存在しており、当社はこれらの事業者と競合関係にあります。
当社は、飲食業界特化によるノウハウの蓄積により、当該業界における求人企業及び求職者のニーズに対してきめ細やかなサービスを提供するとともに、従来の人材紹介や求人広告の他にダイレクトリクルーティングサービスの新たな展開などによる商品ラインナップの拡充や研修サービス等の人材サービスに限らないサービス提供により同業他社との差別化を推進しておりますが、今後新たな企業の市場参入や競合他社における飲食業界注力等による競争の激化が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③法的規制について
当社事業を規制する主な法的規制として、「職業安定法」があり、当社は「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の「有料職業紹介事業許可」を受けております。なお、当社の許可の有効期間は2026年2月28日であり、以後5年毎の更新が必要となります。
「職業安定法」は、職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を果たすべき役割に鑑み、その適正な運営を確保するために、紹介事業を規制しており、厚生労働大臣は、当社が有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法第32条)、若しくは、当該許可の取消事由(職業安定法第32条の9)に該当した場合には、許可の取消や業務の全部又は一部の停止を命じることが出来る旨を定めております。
本書提出日現在において、当社において「職業安定法」に定めるこれら欠落事由又は取消事由に抵触する事項は生じておりません。しかしながら、今後において何らかの理由により当社が当該法令に抵触する事態が生じた場合、営業停止又は許可取消等により事業活動に支障をきたすとともに、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に由来するリスクについて
①求職者の集客について
当社の人材紹介事業及び求人広告事業においては、求人情報サイト「cookbiz」における継続した求職者の集客(サイト登録者及び閲覧者の拡大)が重要な要素であると考えております。
当社は、サービス拡充及び品質向上等により飲食業界における評価及び知名度の向上に努めるとともに、ウェブマーケティングを中心とした集客拡大のための施策を推進しております。しかしながら、今後における雇用情勢の変化、競合激化、集客施策の不振等により、十分な求職者の集客が困難となった場合、人材紹介にかかるマッチング機能の低下や求人広告にかかる広告効果の低下等が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社における集客施策については、以下のリスクがあります。
(a)検索エンジンへの対応について
当社が運営する「cookbiz」サイトにおける利用者の集客については、特定の検索エンジン(「Yahoo!Japan」及び「Google」)の検索結果からの誘導によるものが一定の割合を占めております。
当社は、検索結果において上位表示されるべくSEO対策等の必要な対応を推進しておりますが、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針及びロジックの変更、その他何らかの要因によって検索結果の表示が当社にとって優位に働かない状況が生じる可能性があり、この場合、当社サイトへの集客効果が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(b)集客に係る広告宣伝活動について
当社は、サービスの認知度向上、当社サイトへの集客及びサービス利用拡大等を目的として、継続した広告宣伝活動を行っております。当社の広告宣伝は、インターネット広告(検索連動型広告、ディスプレイ広告及びインフィード広告等)を中心としております。
当社の広告宣伝においては、広告手法や媒体、その実施方法及びタイミング等について、費用対効果を検討した上で効率的な広告宣伝費の投下に努めておりますが、その効果を正確に予測することは不可能であり、当社が行う広告宣伝について著しい広告効果の低下や広告費用の上昇が生じた場合には、求職者の集客等に影響が生じ、また、当該費用負担により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②求人企業と求職者の適正なマッチングについて
人材紹介事業においては、求人企業における人材採用ニーズと、求職者の保有スキル・経験や就職・転職にかかる希望条件等を適正にマッチングすることが重要な要素であると考えております。また、飲食業界は、人材不足等の要因から長時間労働が生じ易いこと、従業者の離職率が高い業種とされていること等から、求人企業における労働環境等も考慮した上での、求人求職双方のニーズに応じた適正なマッチングが必要となります。
当社は、求人企業に対するヒアリング・取材又は求職者に対するコンサルタントによる面談等におけるニーズ、希望条件、適性等の把握を徹底することに加えて、社内における業務ノウハウ等の共有や継続的な教育・育成による担当者のスキル向上、求職者に適した求人企業の候補抽出等のシステム化によるサポート及び効率化等を推進することにより、適正なマッチングの実施及びその精度向上に努めております。
しかしながら、当社の施策推進にも拘らず、マッチング精度の低下による人材紹介にかかる成約率の大幅な低下や早期退職の著しい増加、その他のトラブルが生じた場合、当社事業の収益性低下や信頼性低下等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③人材紹介事業における取引慣行に基づく返金制度について
人材紹介事業においては、当社の紹介した求職者が、求人企業に入社した日付を基準に売上高を計上しております。当該事業においては、人材紹介業界における取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヶ月以内に自己都合により退職した場合は、その退職までの期間に応じて紹介手数料を返金する旨を求人企業との契約に定めております。
当社は、求人企業と求職者の双方のニーズを十分に斟酌した上で紹介を進める等、このような事態の発生の低減に努めており、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しております。しかしながら、当社の想定した返金率を上回る返金が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④新規事業について
当社は、継続的な成長を図るため、飲食業界にかかる事業領域において新規事業の創出に取り組んでおります。当該取組みにおいては、システム開発や人件費等の先行投資が必要となるほか、事業展開に応じて追加支出等が発生する可能性があります。また、事業推進においては、当初の計画通りに事業が進捗しない又は十分な収益を見込めず初期投資を回収出来ない等の状況が生じる可能性があるほか、事業撤退を余儀なくされる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社の事業体制について
①人材の獲得・育成について
当社は、経営計画及び事業方針のもと、既存事業や新規事業の展開を行っており、その都度、必要に応じて人材の確保が必要であると考えております。特に、事業基盤を拡大・成長させていくための高度なマネジメント能力やシステム技術分野のスキルを有する人材確保に努めるとともに、教育体制の整備を進め人材の定着を図るよう努めていく方針であります。しかしながら、当社の求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が出る可能性があり、そのような事態が生じた場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②内部管理体制について
当社は、今後の事業運営及びその拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、当該強化を推進しております。しかしながら、人的要因及び急激な事業環境の変化により、内部統制に関する制度の構築、運用、モニタリングのいずれかが十分に機能しない場合、様々な事業リスクを適切に管理できず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、内部統制に関する制度が完全にその機能を果たしたとしても、これらは違法行為のすべてを排除することを保証するものではなく、従業員による重大な過失、不正、その他の違法行為等が生じた場合には、訴訟や損害賠償等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③個人情報保護について
当社は、事業運営において、登録求職者にかかる多数の個人情報を取り扱っております。取り扱う個人情報については、利用目的を明示し承諾を得た上で取得し、当該範囲でのみ利用しております。
当社は、個人情報の適正な取り扱い及び安全管理を推進するため、「個人情報保護規程」を策定し、従業員に対する教育及び適正な業務運営の徹底を図るほか、プライバシーマークの認定取得を行う等の情報管理体制の強化に取り組んでおります。
しかしながら、何らかの理由により当社が管理する個人情報等の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、当社及び事業サービスに対する信頼性の著しい低下や顧客からの損害賠償請求等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④システム障害について
当社の事業は、インターネット上に開設したウェブサイトを通して提供されております。当社は事業の信頼性及び取引の安全性の観点からも、自社のシステム管理体制の構築、定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブル発生の未然防止および回避に加えて、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧出来るような体制を整えております。
しかしながら、自然災害や事故、人為的ミスの発生、通信回線等の遮断・停止、ソフトウエア又はシステム機器の欠陥等によるトラブル、外部からのシステム攻撃や侵入、その他予測不能な様々な要因により、コンピュータシステム等に障害が発生した場合、継続したサービス提供等に支障が生じる可能性があり、当該要因による、当社の収益機会の喪失、システム及び事業運営に対する信頼性低下、クレーム発生その他の要因により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤技術開発について
インターネット関連事業は、技術革新が著しく、新技術、新サービスが常に生み出されております。当社の事業は、インターネットと深く関わっており、競争力のあるサービスを提供し続けるためには、かかる新技術及び新サービスを適時に提供することが重要になります。質の高いサービスを提供するため当社では、サービスデザイン本部が中心となり関係部署と協議の上、新規サービスを開発する体制をとっております。これはユーザーやクライアントから寄せられる様々なリクエストを吸い上げ、自社システムに反映することを可能にするためであります。
当社は、人的資源を随時見直しながら人員の適切な配置を行っており、必要により人員増加を行いますが、サービスの強化に繋がる有効なシステムの開発に時間がかかる等、新技術や新サービスの提供が遅れるような場合には、業界内での競争力の低下を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他のリスクについて
①COVID-19について
当社は、COVID-19の感染拡大に関する対応として、感染拡大防止と安全配慮義務に則った従業員の安全確保を最優先に対応しております。現在では、業務上可能な部門においては外部ツールやWEB会議ツールなどを活用し生産性を担保しながらテレワーク化を実施しております。また求職者との面談においては、全面的にオンライン面談とし、対面で実施する際はマスク着用やアルコール消毒を徹底する他、アクリルパネルを設置するなど予防対策の実施を行っております。また、外食産業の市場規模は短期的には回復しないという前提に基づき、事業計画を策定しております。
しかしながら、COVID-19の感染拡大の影響が想定を超えて長期化することで、さらなる企業活動の自粛や、個人の密を避ける行動様式の変容などにより、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
②継続企業の前提に関する重要事象等について
当社は、COVID-19の感染拡大による売上高の急激な落ち込みにより、前事業年度及び当事業年度において営業損失の計上となっております。当事業年度においても2021年9月30日の緊急事態宣言解除により緩やかな回復基調ではあるものの、COVID-19の感染拡大による影響が継続しており、338,705千円の営業損失、342,762千円の経常損失、422,706千円の当期純損失を計上し、営業キャッシュ・フローは219,056千円のマイナスとなりました。
COVID-19の感染に対するワクチン接種の進展と経済活動の回復への動きのなかで、景気は緩やかながらも持ち直しの傾向にあり、当社においても同様に回復するものと想定しておりますが、変異株の動向等、先行きは依然として不透明な状況が続くと認識しております。そのため、変異株を含むCOVID-19の感染拡大の影響が想定を超えて長期化する場合、翌事業年度においても重要な営業損失、経常損失及び当期純損失の計上、および営業キャッシュ・フローがマイナスの可能性があります。
これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。このような状況の中、当社は、以下の対応策を講じております。
(a)徹底的なコスト削減
COVID-19の全世界的な感染拡大が顕在化した2020年3月の時点で全社的なコスト見直しを行い、当事業年度においても継続して不要不急な経費については削減を行ってまいりました。役員報酬の減額、役員賞与の不支給、新規人材採用の停止、広告宣伝費、出張費及び会議費並びに交際費の削減、業務委託費や支払手数料の見直しによる削減など、徹底的なコスト削減を行うことで、当事業年度においては前年比で約6.7億円のコスト圧縮を図りました。今後も継続的にコスト削減に取り組むことで経営合理化を行ってまいります。
(b)資金の確保
当社は、当事業年度末においては、現金及び預金1,949,519千円を保有しており、事業運営資金について十分な水準を維持しております。また、コミットメントライン等の契約更新や融資増額に加え、エクイティファイナンスにより今後の事業資金を確保いたしました。今後も継続して、財務基盤の安定化を図ってまいります。
以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
③減損損失について
当社が保有している固定資産については、月次決算において部門ごとの損益を踏まえ各種施策を実施することにより利益管理を行っておりますが、外部環境の急激な変化等により著しく収益性が低下した場合など十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は減損損失の認識が必要となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④財務制限条項について
当社の一部の借入金には以下の財務制限条項が付されております。
・2021年11月期以降、経常損益を2期連続赤字計上しないこと
当該条項に抵触し、かつ貸付人の請求がある場合は、当社は当該契約上の期限の利益を失うこととなり、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となるため、当社の財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑤配当政策について
当社は設立以来、配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、経営成績や財政状態などを総合的に勘案の上、配当をしていきたいと考えております。
ただし、当面は、事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に値するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針としており、現時点において配当実施時期等については未定であります。
⑥潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について
当社は、当社役員及び従業員に対し、当社の経営成績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストックオプション制度を採用しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日の前月末現在における新株予約権にかかる潜在株式数は257,850株であり、発行済株式総数2,632,691株の9.79%に相当しております。また当社は長期的な企業価値向上を目指し、今後もストックオプション制度を含めたインセンティブ制度を活用していく方針であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社は、飲食業界に特化した人材サービス業(人材紹介事業・求人広告事業)を展開しております。
当事業年度における当社を取り巻く外食産業の経営環境につきましては、COVID-19の感染拡大により度重なる緊急事態宣言の発令及び休業要請がなされたことを背景に、前事業年度に引き続き業界全体の集客数が著しく減少しており、依然として厳しい経営環境下におかれております。全国的に緊急事態宣言が解除された2021年9月30日以降については、ワクチン接種率の増加と行動制限が段階的に解除されたこともあり、外食産業にも徐々に客足が戻る様子が見られました。厚生労働省が2021年12月28日に発表した2021年11月の有効求人倍率(職業別一般職業紹介状況)は接客・給仕の職業で2.29倍、飲食物調理の職業で2.28倍と、前年同月では接客・給仕の職業で1.91倍、飲食物調理の職業で1.78倍であったため、緩やかな回復基調にはあるものの、新たな変異株による感染拡大の懸念もあり、先行きが不透明な状況が続いております。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a)財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ357,775千円増加し、2,192,728千円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ372,538千円増加し、1,433,202千円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ14,763千円減少し、759,525千円となりました。
(b)経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高1,035,549千円(前期比28.4%減)、営業損失338,705千円(前事業年度は営業損失615,048千円)、経常損失342,762千円(前事業年度は経常損失558,081千円)、当期純損失422,706千円(前事業年度は当期純損失599,593千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(人材紹介事業)
人材紹介事業におきましては、「cookbiz」(※)サイトへご登録いただいた転職を希望される方へ、転職先を紹介する事業を運営しております。
当事業年度におきましては、求人企業と求職者のマッチング率向上に向け、求人企業の開拓や取扱求人数の拡大を行うとともに、第1四半期より、飲食業界の苦境を踏まえ、採用における負担を軽減できる新サービスである「人材紹介プラス」の提供を本格的に開始しました。人材紹介事業全体の売上高につきましては、緊急事態宣言が数度発令された影響もあり第3四半期までは低調に推移しておりました。しかし、緊急事態宣言が解除された2021年9月30日以降につきましては飲食店などの営業再開に伴い、緩やかな回復基調にあります。
その結果、当セグメントにおける売上高は506,755千円(前期比35.1%減)、セグメント損失は168,208千円(前事業年度はセグメント損失246,138千円)となりました。
(求人広告事業)
求人広告事業におきましては、求人広告サイトである「cookbiz」(※)の事業を運営しております。
当事業年度におきましては、飲食業界の人材採用における採用要件の高度化、ピンポイント化を踏まえ、サブスクリプション型スカウトサービスである「ダイレクトプラス」の月額制プランの提供の開始や今夏限定でダイレクトプラスとフーカレ e-ラーニングサービスをセットにしたプランの提供等商品ラインナップの強化を図りました。売上高につきましては、継続的なCOVID-19の影響により苦戦を強いられておりましたが、緊急事態宣言の解除以降は求人ニーズも従前までではないものの、回復しております。
その結果、当セグメントにおける売上高は528,794千円(前期比20.5%減)、セグメント利益は34,415千円(前事業年度はセグメント損失151,561千円)となりました。
※ cookbiz:当社は人材紹介事業及び求人広告事業ともに「cookbiz」の同一ブランドにて展開しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して638,660千円増加し、1,949,519千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果、使用した資金は219,056千円(前事業年度は785,932千円の使用)となりました。その主な要因は、非資金項目である減損損失86,577千円、法人税等の還付及び還付加算金の受取額118,209千円等の資金の増加に対し、税引前当期純損失428,472千円等の資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果、獲得した資金は1,288千円(前事業年度は16,055千円の使用)となりました。その主な要因は、敷金の差入による支出5,189千円、有形固定資産の取得による支出6,889千円、無形固定資産の取得による支出7,773千円、資産除去債務の履行による支出33,186千円等による資金の減少に対し、敷金の回収
による収入54,506千円の資金の増加があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果、得られた資金は856,428千円(前事業年度は719,376千円の獲得)となりました。その主な要因は、短期借入金の返済による支出400,000千円、長期借入金の返済による支出150,000千円等の資金の減少に対し、短期借入れによる収入500,000千円、長期借入れによる収入500,000千円、株式の発行による収入403,684千円等の資金の増加があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社が提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(b)受注実績
生産実績と同様の理由により、受注実績に関する記載はしておりません。
(c)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2020年12月1日 至 2021年11月30日) |
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金額(千円) |
前事業年度比(%) |
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人材紹介事業 |
506,755 |
△35.1 |
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求人広告事業 |
528,794 |
△20.5 |
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合計 |
1,035,549 |
△28.4 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、COVID-19の拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(a)減損損失
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては事業計画等の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌事業年度以降の財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
(b)繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断については、将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上することになります。COVID-19の拡大による事業活動への影響は不透明であり、繰延税金資産の回収可能性を合理的に見積ることは困難と判断したことから、繰延税金資産を計上していません。
(c)継続企業の前提の評価
当社は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無の判断にあたり、貸借対照表日の翌日から1年間のキャッシュ・フローを見積っております。市況の変動等によりキャッシュ・フローが大幅に変動した場合、当該不確実性の判断に影響を及ぼす可能性があります。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産)
当事業年度末の総資産は2,192,728千円(前期比19.5%増)となりました。
流動資産は2,110,187千円(前期比31.5%増)となりました。その主な要因は、未収還付法人税等が120,068千円、未収消費税等が65,058千円それぞれ減少したものの、現金及び預金が638,660千円、売掛金が35,198千円それぞれ増加したためであります。
固定資産は82,540千円(前期比64.1%減)となりました。その主な要因は、固定資産の除却及び減損損失により建物(純額)が54,627千円、ソフトウエアが20,421千円減少したためであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は1,433,202千円(前期比35.1%増)となりました。
流動負債は918,717千円(前期比7.4%増)となりました。その主な要因は、資産除去債務が14,142千円減少したものの、短期借入金が100,000千円増加したためであります。
固定負債は514,484千円(前期比151.0%増)となりました。その主な要因は、金融機関からの借入により長期借入金が350,000千円増加したためであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は759,525千円(前期比1.9%減)となりました。その主な要因は第三者割当による増資及び新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ203,605千円増加したものの、当期純損失の計上により利益剰余金が422,706千円減少したためであります。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は1,035,549千円(前期比409,793千円減)となりました。要因としては、COVID-19の感染拡大に伴う飲食店の長期の休業や営業時間短縮等に伴う来客数の減少に加え、リモートワークの拡大等による都市部での会食や宴席の減少があり、求人ニーズが激減したためであります。
(営業損益及び経常損益)
当事業年度は、拠点の縮小及び移転に伴う地代家賃の削減など不要不急の支出を最大限抑制したものの、売上が大幅に落ち込んだことにより営業損失338,705千円(前事業年度は615,048千円の営業損失)となり、さらに営業外収益として利子補給金3,068千円の計上や、営業外費用として支払利息9,822千円及び株式報酬費用1,214千円の計上により経常損失342,762千円(前事業年度は558,081千円の経常損失)となっております。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別損失は86,577千円(前事業年度は83,679千円)となりました。減損損失86,577千円の計上によるものとなります。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は△5,766千円となりました。
上記の結果、当事業年度の当期純損失は422,706千円(前事業年度は599,593千円の当期純損失)となりました。
(c)キャッシュ・フローの分析
当社は、運転資金及び設備投資の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、必要に応じて銀行からの借入又は第三者割当増資による調達を行う方針であります。
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、営業活動上において必要な人件費や広告費用の営業費用であります。
当社のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(d)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、新規事業の開拓、組織体制の整備及び内部統制システムの強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応するよう努めてまいります。
(e)経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。
(f)経営者の問題認識と今後の方針について
当社が継続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
当社は、2021年7月16日開催の取締役会において、第三者割当による新株式及び第3回新株予約権を発行することを決議し、割当先との間で、2021年8月2日付で本新株式及び新株予約権に係る引受契約を締結いたしました。詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。