第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

クックビズは、2022年8月に制定した新たなビジョン「食の世界をもっと自由に、もっと笑顔に。」、ミッション「食に関わる、あらゆる制約を解き放つ。」をコーポレート・アイデンティティとして、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた次の10年を「食ビジネスの変革を支援する会社」と定義しています。

激変する消費者の行動・価値観変容を理解し、飲食店の新たな収益機会や業態の創出と変革にかかる店舗・業務・人材・資金をトータルサポートすることで食産業の再成長に貢献いたします。

既存事業においては、2026年〜2027年には既存事業売上が40〜50億円(CAGR25〜30%)程度まで回復・再成長すると試算しています。これまで支援し続けた「人」を起点に、新たな食体験・食サービスとエコシステムを提供することで、事業規模の再拡大に向けた取り組みを加速させてまいります。

 

(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの事業に関連する外食産業市場においては、一般社団法人日本フードサービス協会による、外食産業市場動向調査の売上統計は2019年が前年比101.9%と増加傾向であったものの、2020年は前年比84.9%、2021年は前年比98.6%と逓減しておりましたが、2022年は新型コロナウィルス感染症(以下「COVID-19」)による緊急事態宣言の発出状況が緩和されたこと等から、前年比113.3%となっており、外食産業市場は回復傾向にあります。

当社グループは、外食産業の市場規模が今後も比較的安定して推移するという前提のもと、中長期の成長を目指して事業領域の拡大を進めてまいりました。従前からのコスト構造の見直しを実施したことや、既存事業を生かした新たなサービスである「採用総合パッケージ」の提供を開始するなど、新たな収益機会の獲得を実施してまいりました。2022年には当社のビジョン・ミッションを刷新しビジョン「食の世界をもっと自由に、もっと笑顔に。」、ミッション「食に関わる、あらゆる制約を解き放つ。」をコーポレート・アイデンティティとして、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた次の10年を「食ビジネスの変革を支援する会社」と定義いたしました。また、きゅういち株式会社の子会社化等、新しい取り組みも実施しております。

このような環境の変化のなか、持続可能な経営基盤の再構築を目指して、COVID-19収束後のアフターコロナに向けた様々な取り組みを進めております。

再成長に向けた取り組みとして、

・飲食採用決定人数シェアの最大化に向けた投資

・求職者登録数の増強にむけたマーケティングの実施及びCRM強化

・IT基盤の構築及び業務生産性向上による既存事業の収益性拡大

・新規事業の開発、推進及び管理体制の整備・強化

を実施し、当社グループの非連続な成長を目指します。

先々の取り組みとしては、COVID-19の影響からの回復にあたって、飲食業界従事者の方々の雇用機会の創出、収入の安定、さらに飲食業界の復興に貢献すべく、既存事業を強化するとともに、資金支援やDX支援など、既存事業における顧客基盤を生かした周辺領域の業務にも多角的に取り組んでいくことで、売上の拡大を目指します。

上記を踏まえ、以下の事項を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として認識し、事業展開を図る方針であります。

 

①飲食業界の人材関連市場の再定義と自社のマーケットシェアの分析

前述した事業規模(40〜50億円)に既存事業を回復・再成長させ、かつ新たな収益機会を獲得していくためには、ウィズコロナ・アフターコロナにおける食関連ビジネスの現況を正確に捉える必要があります。今後も継続的にマーケット調査を行い、日本国内の労働人口の将来予測も踏まえて、従来の人材紹介サービスや求人広告サービスという自社サービスの枠に捉われず、多様化する顧客のニーズや課題を探索してまいります。

②既存事業の新たな価値創造と収益性の改善

当社の既存サービスである人材紹介・求人広告・スカウト、またそれらのサービス提供で培ったノウハウを活かし、人材採用にまつわる顧客の課題を総合的に支援・解決するワンストップ型サービスである採用総合パッケージの販売を開始しました。

また、ブランディング・オフラインプロモーション・SEO・アライアンスなど、オンライン広告以外のマーケティング手法強化による求職登録者数の最大化を図るとともに、掲載企業数・求人数の最大化と、求職登録者の求人応募アクション最大化を実現するため、商品・サービス(ウェブ・アプリ)のシステムリニューアルを予定しています。

 

③優秀な人材の確保

当社グループは、今後も各事業領域での新規事業開発及び各事業の成長を目指していく上で、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の獲得が不可欠であると考えております。

また、人事制度改革やダイバーシティ対応、能力開発支援等を通じて、当社のビジョン・ミッションに共感する多様かつ優秀な人材の獲得と入社後の活躍・成長を促進し、営業体制・開発体制・管理体制等を強化してまいります。

 

④情報管理体制の強化

当社グループが運営する事業においては、顧客情報及び個人情報を多く取り扱っており、これらの情報管理が重要課題であると認識しております。今後も個人情報保護方針及びインサイダー取引の未然防止を含む社内規程の整備・運用の徹底、定期的な社内教育の実施、関連社内システムのセキュリティ強化等を図り、情報管理のための管理体制を拡充してまいります。

また、当社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマークを取得し、その制度に準じた個人情報管理体制を構築しております。

 

⑤内部管理体制の強化

当社グループは、既存事業の再成長と新規事業の展開及び新規サービスの拡充にあたっては、経営上のリスクを適切に把握し、当該リスクをコントロールするための内部管理体制の強化が重要な課題と考えております。そのため、事業運営におけるリスク管理を徹底し、内部監査による定期的なモニタリングの実施およびコンプライアンス体制の強化を行うことで、コーポレート・ガバナンス機能の充実を図ってまいります。

また、監査役会や監査法人との適切な連携により、ステークホルダーに対しての経営の適切性や健全性を確保しつつ、効率性・有効性を阻害する業務フローを改善し、全社的に効率的な組織体制の構築に向け、さらなる内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑥新規事業の開発

当社グループは、持続的な成長を実現するためには、積極的な新規事業の開発・育成により新たな主要事業を創出することが不可欠であると考えております。前述した経営の基本方針や食ビジネスの変革支援の重点項目に基づき、既存事業の周辺領域における新サービスの開発に留まらず、新たな取り組みであるフランチャイズ本部事業・DX支援等の経営支援領域、食にまつわる事業再構築や財務サポートを行う事業再生領域を中心に新規事業の開発・育成を進めることで、食ビジネスの変革に貢献してまいります。

2【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。

当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社グループ株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に由来するリスクについて

①事業領域について

 当社グループは、主に「人材採用・入社後の活躍」を支援する企業としてこれまで培ってきたノウハウ及びブランド力を活用できる領域を中心に事業を推進しております。しかしながら、当該市場規模の縮小や成長鈍化、当社グループにおける各種サービスの競争力低下や価格下落等の要因により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合について

 当社グループが関与する人材サービス業界においては、新規参入障壁が低いこともあり、大手企業から個人事業者までが存在し、広範囲な業種を対象とする事業者から特定業界に特化した事業者まで、多くの事業者が事業を展開しております。また、飲食業界に特化する事業者は限定的であるものの複数社存在しており、当社グループはこれらの事業者と競合関係にあります。

 当社グループは、飲食業界特化によるノウハウの蓄積により、当該業界における求人企業及び求職者のニーズに対してきめ細やかなサービスを提供するとともに、従来の人材紹介や求人広告、ダイレクトリクルーティングサービスに加えて、「採用総合パッケージ」など商品ラインナップの拡充や研修サービス等の人材サービスに限らないサービス提供により同業他社との差別化を推進しておりますが、今後新たな企業の市場参入や競合他社における飲食業界注力等による競争の激化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③法的規制について

 当社グループの事業を規制する主な法的規制として、「職業安定法」があり、当社は「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の「有料職業紹介事業許可」を受けております。なお、当社の許可の有効期間は2026年2月28日であり、以後5年毎の更新が必要となります。

 「職業安定法」は、職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を果たすべき役割に鑑み、その適正な運営を確保するために、紹介事業を規制しており、厚生労働大臣は、当社グループが有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法第32条)、若しくは、当該許可の取消事由(職業安定法第32条の9)に該当した場合には、許可の取消や業務の全部又は一部の停止を命じることが出来る旨を定めております。

 本書提出日現在において、当社グループにおいて「職業安定法」に定めるこれら欠落事由又は取消事由に抵触する事項は生じておりません。しかしながら、今後において何らかの理由により当社グループが当該法令に抵触する事態が生じた場合、営業停止又は許可取消等により事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④原料調達等に関するリスク

 当社グループのうち、連結子会社であるきゅういち株式会社が主要な原料としている水産物は、従来、漁獲量の増減などによる水産物市況の変動の影響を度々受けておりましたが、さらに、前出の気候変動がもたらす海洋・陸上環境の変化が水産物等の原料の収量を減少させ、原料価格が高騰するおそれがあります。

 気候変動以外でも、水産資源の乱獲や違法操業等が、きゅういち株式会社の調達のリスクにつながる可能性があります。

 また、政治・経済情勢、テロ・紛争による治安の悪化や社会的混乱などの外的要因によっても、原料価格や調達・生産に係るエネルギーコスト等が高騰するリスクがあります。

 

⑤資源環境の変化および国際的な漁獲制限について

 当社グループのうち、連結子会社であるきゅういち株式会社において、異常気象や天候不順、水産資源の枯渇化、漁獲状況等による影響の他、国際的な漁獲制限で魚介類等が不足し、市場価格ならびに需給バランスが崩れる事によって、価格の上昇および調達自体の難航といったリスクが生じる可能性があります。

(2)事業内容に由来するリスクについて

①求職者の集客について

 当社グループの人材紹介サービス及び求人広告サービスにおいては、求人情報サイト「cookbiz」における継続した求職者の集客(サイト登録者及び閲覧者の拡大)が重要な要素であると考えております。

 当社グループは、サービス拡充及び品質向上等により飲食業界における評価及び知名度の向上に努めるとともに、ウェブマーケティングを中心とした集客拡大のための施策を推進しております。しかしながら、今後における雇用情勢の変化、競合激化、集客施策の不振等により、十分な求職者の集客が困難となった場合、人材紹介にかかるマッチング機能の低下や求人広告にかかる広告効果の低下等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループにおける集客施策については、以下のリスクがあります。

(a)検索エンジンへの対応について

 当社グループが運営する「cookbiz」サイトにおける利用者の集客については、特定の検索エンジン(「Yahoo!Japan」及び「Google」)の検索結果からの誘導によるものが一定の割合を占めております。

 当社グループは、検索結果において上位表示されるべくSEO対策等の必要な対応を推進しておりますが、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針及びロジックの変更、その他何らかの要因によって検索結果の表示が当社グループにとって優位に働かない状況が生じる可能性があり、この場合、「cookbiz」サイトへの集客効果が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(b)集客に係る広告宣伝活動について

 当社グループは、サービスの認知度向上、当社グループサイトへの集客及びサービス利用拡大等を目的として、継続した広告宣伝活動を行っております。当社グループの広告宣伝は、インターネット広告(検索連動型広告、ディスプレイ広告及びインフィード広告等)を中心としております。

 当社グループの広告宣伝においては、広告手法や媒体、その実施方法及びタイミング等について、費用対効果を検討した上で効率的な広告宣伝費の投下に努めておりますが、その効果を正確に予測することは不可能であり、当社グループが行う広告宣伝について著しい広告効果の低下や広告費用の上昇が生じた場合には、求職者の集客等に影響が生じ、また、当該費用負担により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②求人企業と求職者の適正なマッチングについて

 人材紹介サービスにおいては、求人企業における人材採用ニーズと、求職者の保有スキル・経験や就職・転職にかかる希望条件等を適正にマッチングすることが重要な要素であると考えております。また、飲食業界は、人材不足等の要因から長時間労働が生じ易いこと、従業者の離職率が高い業種とされていること等から、求人企業における労働環境等も考慮した上での、求人求職双方のニーズに応じた適正なマッチングが必要となります。

 当社グループは、求人企業に対するヒアリング・取材又は求職者に対するコンサルタントによる面談等におけるニーズ、希望条件、適性等の把握を徹底することに加えて、社内における業務ノウハウ等の共有や継続的な教育・育成による担当者のスキル向上、求職者に適した求人企業の候補抽出等のシステム化によるサポート及び効率化等を推進することにより、適正なマッチングの実施及びその精度向上に努めております。

 しかしながら、当社グループの施策推進にも拘らず、マッチング精度の低下による人材紹介にかかる成約率の大幅な低下や早期退職の著しい増加、その他のトラブルが生じた場合、当社グループ事業の収益性低下や信頼性低下等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③人材紹介サービスにおける取引慣行に基づく返金制度について

 人材紹介サービスにおいては、当社グループの紹介した求職者が、求人企業に入社した日付を基準に売上高を計上しております。当該事業においては、人材紹介業界における取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヶ月以内に自己都合により退職した場合は、その退職までの期間に応じて紹介手数料を返金する旨を求人企業との契約に定めております。

 当社グループは、求人企業と求職者の双方のニーズを十分に斟酌した上で紹介を進める等、このような事態の発生の低減に努めており、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しております。しかしながら、当社グループの想定した返金率を上回る返金が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④新規事業について

 当社グループは、継続的な成長を図るため、飲食業界に関わる事業領域において新規事業の創出に取り組んでおります。当該取組みにおいては、システム開発や人件費等の先行投資が必要となるほか、事業展開に応じて追加支出等が発生する可能性があります。また、事業推進においては、当初の計画通りに事業が進捗しない又は十分な収益を見込めず初期投資を回収出来ない等の状況が生じる可能性があるほか、事業撤退を余儀なくされる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤消費変動のリスクについて

 当社グループのうち、連結子会社であるきゅういち株式会社において、一般消費者の生鮮魚介類の購入量は安定的に推移しているものの、購入額は減少傾向にあります。その反面、世界の魚介類の消費量は増加しており、一部の魚介類に対する漁獲量の制限の動き、魚価の高騰も見られます。また、我が国における魚食文化の後退による魚離れ、人口減少による生鮮魚介類購入額の減少が加速するなど、これらの傾向が持続し又は急激に変化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)当社の事業体制について

①人材の獲得・育成について

 当社グループは、経営計画及び事業方針のもと、既存事業や新規事業の展開を行っており、その都度、必要に応じて人材の確保が必要であると考えております。特に、事業基盤を拡大・成長させていくための高度なマネジメント能力やシステム技術分野のスキルを有する人材確保に努めるとともに、教育体制の整備を進め人材の定着を図るよう努めていく方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が出る可能性があり、そのような事態が生じた場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②内部管理体制について

 当社グループは、今後の事業運営及びその拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、当該強化を推進しております。しかしながら、人的要因及び急激な事業環境の変化により、内部統制に関する制度の構築、運用、モニタリングのいずれかが十分に機能しない場合、様々な事業リスクを適切に管理できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、内部統制に関する制度が完全にその機能を果たしたとしても、これらは違法行為のすべてを排除することを保証するものではなく、従業員による重大な過失、不正、その他の違法行為等が生じた場合には、訴訟や損害賠償等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③個人情報保護について

 当社グループは、事業運営において、登録求職者に関わる多数の個人情報を取り扱っております。取り扱う個人情報については、利用目的を明示し承諾を得た上で取得し、当該範囲でのみ利用しております。

 当社グループは、個人情報の適正な取り扱い及び安全管理を推進するため、「個人情報保護規程」を策定し、従業員に対する教育及び適正な業務運営の徹底を図るほか、プライバシーマークの認定取得を行う等の情報管理体制の強化に取り組んでおります。

 しかしながら、何らかの理由により当社グループが管理する個人情報等の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、当社グループ及び事業サービスに対する信頼性の著しい低下や顧客からの損害賠償請求等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④システム障害について

 当社グループの事業は、インターネット上に開設したウェブサイトを通して提供されております。当社グループは事業の信頼性及び取引の安全性の観点からも、自社のシステム管理体制の構築、定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブル発生の未然防止および回避に加えて、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧出来るような体制を整えております。

 しかしながら、自然災害や事故、人為的ミスの発生、通信回線等の遮断・停止、ソフトウエア又はシステム機器の欠陥等によるトラブル、外部からのシステム攻撃や侵入、その他予測不能な様々な要因により、コンピュータシステム等に障害が発生した場合、継続したサービス提供等に支障が生じる可能性があり、当該要因による、当社グループの収益機会の喪失、システム及び事業運営に対する信頼性低下、クレーム発生その他の要因により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤技術開発について

 インターネット関連事業は、技術革新が著しく、新技術、新サービスが常に生み出されております。当社グループの事業は、インターネットと深く関わっており、競争力のあるサービスを提供し続けるためには、新技術及び新サービスを適時に提供することが重要になります。質の高いサービスを提供するため当社グループでは、サービスデザイン部が中心となり関係部署と協議の上、新規サービスを開発する体制をとっております。これはユーザーやクライアントから寄せられる様々なリクエストを吸い上げ、自社システムに反映することを可能にするためであります。

 当社グループは、人的資源を随時見直しながら人員の適切な配置を行っており、必要により人員増加を行いますが、サービスの強化に繋がる有効なシステムの開発に時間がかかる等、新技術や新サービスの提供が遅れるような場合には、業界内での競争力の低下を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他のリスクについて

①COVID-19について

 COVID-19の感染拡大が徐々に抑制され、経済活動の本格的な再開が期待されておりますが、COVID-19の感染拡大にともなう当社グループ従業員、取引先への感染等による事業の中断及び遅延等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループにおきましては、当該リスクへの対応策として、業務上可能な部門においては外部ツールやWEB会議ツールなどを活用し生産性を担保しながらテレワーク化を実施しております。

 また、COVID-19の今後の広がり方や収束時期等は不確実性が高い事象でありますが、感染の最新の状況を踏まえ、取締役会、経営会議等における意思決定、業績予想等の策定を行っております。

 引き続き、上記の取組みを継続・推進することで、事業活動や収益性の維持を図ってまいります。

 

②減損損失について

 当社グループが保有している固定資産については、月次決算において部門ごとの損益を踏まえ各種施策を実施することにより利益管理を行っておりますが、外部環境の急激な変化等により著しく収益性が低下した場合など十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は減損損失の認識が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③配当政策について

 当社グループは設立以来、配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、経営成績や財政状態などを総合的に勘案の上、配当をしていきたいと考えております。

 ただし、当面は、事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に値するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針としており、現時点において配当実施時期等については未定であります。

 

④潜在株式の行使による当社グループ株式価値の希薄化について

 当社グループは、役員及び従業員に対し、当社グループの経営成績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストックオプション制度を採用しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。

 なお、本書提出日の前月末現在における新株予約権にかかる潜在株式数は130,090株であり、発行済株式総数2,757,691株の4.72%に相当しております。また当社グループは長期的な企業価値向上を目指し、今後もストックオプション制度を含めたインセンティブ制度を活用していく方針であります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 当社グループは、当連結会計年度が連結財務諸表の作成初年度であり、また、連結子会社の取得日と連結決算日との差異が3ヶ月を超えないことから、当連結会計年度においては貸借対照表のみを連結しているため、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。そのため、「①財政状態及び経営成績の状況 (b)経営成績、②キャッシュ・フローの状況及び③生産、受注及び販売の実績」に関する記載につきましては、個別財務諸表に係る数値を記載しております。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における当社を取り巻く外食産業の経営環境につきましては、COVID-19の感染者数が再び増加するなどはあるものの、ワクチン接種が進んだことにより、社会経済活動を継続する動きも活発になって、経済状況には持ち直しがみられるようになりました。それに伴い外食産業にも徐々に客足が戻る様子が見られ、企業の採用ニーズが回復したことにより、飲食物調理や接客・給仕の有効求人倍率がコロナ禍突入直前と同等まで回復し、商談機会を創出できたことや、新サービスである採用総合パッケージの受注もあって、COVID-19の感染拡大の懸念は依然とあるものの、売上高については前期と比べて堅調に回復しております。

 コストにつきましては、前期から継続して取り組んでいるコストコントロールが奏功し、前期と比較して45,330千円削減でき、上記の売上高の伸張と相まって収益構造の改善に繋がっております。

 

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び当事業年度の経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 (a)財政状態

当連結会計年度末における資産合計は、2,807,197千円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は、1,602,693千円となりました。

当連結会計年度末における純資産合計は、1,204,503千円となりました。

なお、当社グループは、当連結会計年度が連結初年度であり、前期は連結財務諸表を作成していないため、前期との比較は行っておりません。

 

 (b)経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高1,502,079千円(前事業年度比45.1%増)、営業利益173,155千円(前事業年度は営業損失338,705千円)、経常利益168,584千円(前事業年度は経常損失342,762千円)、当期純利益は161,893千円(前事業年度は当期純損失422,706千円)となりました。

 

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

また、当事業年度より、当社の報告セグメントを単一セグメントに変更したため、セグメント別の記載を省略しております。当事業年度より記載しておりますサービス別の経営成績に関する説明は、前事業年度金額及び前事業年度比(%)を記載せずに説明しております。

 

サービス別の経営成績は、次のとおりであります。

 

(人材紹介サービス)

人材紹介サービスにおきましては、「cookbiz」(※)サイトへ登録した求職者に対し転職先を紹介しております。

当事業年度におきましては、有効求人倍率の回復に伴って紹介求人数も緩やかに増加しており、また紹介単価も即戦力採用ニーズを取り込めたことによって高水準を維持しました。

企業の求人ニーズに対する、求職者の集客の課題はあるものの、当社の認知率向上も含めた広告運用等の見直しや社内の体制整備などによりマッチングの最適化に継続して取り組んでおります。

その結果、当サービスにおける売上高は663,782千円となりました。

 

(求人広告サービス)

求人広告サービスにおきましては、求人広告サイトである「cookbiz」(※)を運営しております。

当事業年度におきましては、求人広告サービスからスカウトサービスへの移行がみられたものの、求人企業の採用意欲は高水準を維持しており、契約プランのアップセルによって成約単価が高水準を維持できたことや外部コールセンターの活用等により商談数を安定的に確保することができました。

その結果、当サービスにおける売上高は342,721千円となりました。

 

(スカウトサービス)

スカウトサービスにおきましては、当社サイトの登録求職者に対して、求人企業が自社にマッチした人材を自ら探し、直接スカウトを送ることが可能なサブスクリプション型の「ダイレクトプラス」を提供しております。

当事業年度におきましては、従来の求人広告掲載型の人材採用から、ダイレクトリクルーティング手法での人材採用への関心が高まったことや、当事業年度中に実施したキャンペーンによる長期プラン契約の利用金額が積み重なったことにより堅調に推移しました。

その結果、当サービスにおける売上高は過去最高売上高となる401,985千円となりました。

 

(その他)

その他におきましては、食ビジネスの変革支援のため、当社の既存サービスに留まらない各種施策を実施・提供しております。

当事業年度より人材支援領域の新たなサービスとして、既存事業の強みを活かし企業の課題に対して総合的に支援する採用総合支援サービス「採用総合パッケージ」の提供を開始しております。当事業年度においては、採用総合パッケージを4社受注しております。このほか、人材育成を目的に人材教育を通じてスタッフの成長、定着へと導くための飲食企業を対象とした研修サービス「クックビズフードカレッジ」を提供しております。

また、農林水産省補助事業の一部業務を提携企業より受託し、当社サイトに登録している人材が海外の日本産食材サポーター店へ料理人として派遣されました。

その結果、当サービスにおける売上高は93,590千円となりました。

 

※ cookbiz:当社は人材紹介サービス及び求人広告サービスともに「cookbiz」の同一ブランドにて展開しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して225,185千円増加し、2,174,705千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動の結果、獲得した資金は295,662千円(前事業年度は219,056千円の使用)となりました。その主な要因は、税引前当期純利益168,584千円、未払消費税等の増加額54,930千円、契約負債の増加額41,776千円等の資金の増加があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動の結果、使用した資金は214,404千円(前事業年度は1,288千円の獲得)となりました。その主な要因は、関係会社貸付けによる支出100,000千円、関係会社株式の取得による支出126,659千円等による資金の減少があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動の結果、得られた資金は143,927千円(前事業年度は856,428千円の獲得)となりました。その主な要因は、短期借入金の返済による支出770,000千円等による資金の減少に対し、短期借入れによる収入700,000千円、株式の発行による収入117,335千円、長期借入れによる収入100,000千円の資金の増加があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当社が提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(b)受注実績

 生産実績と同様の理由により、受注実績に関する記載はしておりません。

 

(c)販売実績

 当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 2021年12月1日

至 2022年11月30日)

金額(千円)

前事業年度比(%)

人材紹介サービス

663,782

求人広告サービス

342,721

スカウトサービス

401,985

その他

93,590

合計

1,502,079

 (注)当事業年度より、当社の報告セグメントを単一セグメントに変更したため、セグメント別の記載を省略しております。当事業年度より記載しておりますサービス別の経営成績に関する説明は、前事業年度比(%)を記載せずに説明しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 当社グループは、当連結会計年度が連結財務諸表の作成初年度であり、また、連結子会社の取得日と連結決算日との差異が3ヶ月を超えないことから、当連結会計年度においては貸借対照表のみを連結しているため、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。そのため、「②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (b)経営成績の分析及び(c)キャッシュ・フローの分析」に関する記載につきましては、個別財務諸表に係る情報を記載しております。

 

①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。

この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、2,573,373千円となりました。主な内訳は、現金及び預金2,335,357千円、商品及び製品102,900千円であります。

 また、固定資産は、233,823千円となりました。主な内訳は、有形固定資産が128,043千円、無形固定資産が52,182千円、投資その他の資産が53,597千円であります。

 以上の結果、当連結会計年度末における総資産は、2,807,197千円となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、996,662千円となりました。主な内訳は、短期借入金580,000千円、契約負債108,982千円であります。

 また、固定負債は、606,031千円となりました。主な内訳は、長期借入金576,620千円であります。

 以上の結果、当連結会計年度末における負債は、1,602,693千円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、1,204,503千円となりました。主な内訳は、資本金744,143千円、資本剰余金737,143千円であります。

 

 なお、当社グループは、当連結会計年度が連結初年度であり、前期は連結財務諸表を作成していないため、前期との比較は行っておりません。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は1,502,079千円(前事業年度比466,530千円増)となりました。要因としては、ワクチン接種が進んだことにより、外食産業にも徐々に客足が戻る様子が見られ、企業の採用ニーズが回復したことにより、飲食物調理や接客・給仕の有効求人倍率がコロナ禍突入直前と同等まで回復し、商談機会を創出できたことや、新サービスである採用総合パッケージの受注もあって堅調に回復したためであります。

 

(営業損益及び経常損益)

 当事業年度は、売上高が堅調に回復したことおよび前期から継続して取り組んでいるコストコントロールが奏功し、営業利益173,155千円(前事業年度は338,705千円の営業損失)となり、さらに営業外収益として利子補給金5,000千円の計上や、営業外費用として支払利息13,536千円の計上により経常利益168,584千円(前事業年度は342,762千円の経常損失)となっております。

 

(特別損益、当期純利益)

 当事業年度は特別損失を計上しておりません(前事業年度は86,577千円)。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は6,691千円となりました。

 上記の結果、当事業年度の当期純利益は161,893千円(前事業年度は422,706千円の当期純損失)となりました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

 当社は、運転資金及び設備投資の調達に際しては自己資金を基本としておりますが、必要に応じて銀行からの借入又は第三者割当増資による調達を行う方針であります。

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、営業活動上において必要な人件費や広告費用の営業費用であります。

 当社のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(d)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、新規事業の開拓、組織体制の整備及び内部統制システムの強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応するよう努めてまいります。

 

(e)経営戦略の現状と見通し

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(f)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループが継続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

4【経営上の重要な契約等】

 (取得による企業結合)

当社は、2022年10月3日開催の取締役会において、当社がスポンサー契約を締結している株式会社久一米田商店から、新設分割により設立されたきゅういち株式会社の全株式を取得して子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。当該株式譲渡契約に基づき、当社は同日付できゅういち株式会社の全株式を取得し、子会社化いたしました。

詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。