文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、「ご満足いただけるソリューションを提供、社会の一隅を照らす存在でありたい」の企業理念の下に「社会に新たな価値を創出し続ける」、「お客さまと社会に感謝される仕事を」を掲げ、「お客さまのIT部門の一員」として、顧客企業の経営目標の達成に向け、経営課題等の解決に役立つ「道しるべ」を示し、それを実行することを企業ミッションとしております。
当社の事業は「コンサルティング事業」、「ソリューション事業」、「イノベーション事業」の三つの事業セグメントから成り立っており、会社全体としては、各事業が相互に関連性を持ちながら展開をしていく事業構成になっております。コンサルティング事業による安定的な事業運営をベースとして、コンサルティング事業で培った顧客ニーズの把握や業務ナレッジ及び営業基盤を活かしながら、新たなサービスの提供や他業態に対してサービスを提供するソリューション事業とイノベーション事業を展開しております。
当社のコンサルティング事業及びソリューション事業は主に金融業界を中心にサービスを展開しております。
今後も基幹システム更新や統合、国内金融機関によるFinTech活用に向けた投資の拡大が見込まれております。
また、イノベーション事業においては、流通・小売業界における深刻な人手不足、レジ待ち行列等の課題解決のためにAIを活用した無人レジ「スーパーワンダーレジ」、「ワンダーレジ」の研究開発を行っております。現在、あらゆる産業において、AIを活用した業務改善への取り組み等が始められており、当社のAI技術をさまざまな課題解決へ活用して参ります。
当社は企業理念の実践を通じた中長期的な成長と企業価値の向上を実現するために、以下の内容を施策の策定及び実行における最重要方針としています。
当社は企業理念の中に「社員が仕事を通じて成長するのを支援し社員とその家族を幸せに」を掲げ、優秀な人材を確保し、育てることを経営上の最重要事項の一つとしています。
採用活動では、成長意欲と考える力があり、かつ誠実な人間性を持つ人物を採用しています。人材育成においては、新卒者は将来的に当社の中核となる人物となることを期待した指導及び教育を行い、中途採用者については、その人物の実績や経験と知識を活かして、当社の成長スピードを促進することを期待した指導及び教育を行っています。
また、当社は企業や大学等とのオープンイノベーションによる連携の強化も重視しており、社員の育成とパートナーの拡大を通じて態勢の充実を図っています。
a.お客様の経営・業務の課題を解決するサービスの強化
当社はお客様の課題を解決するために、当社の実績やノウハウを活かしたサービスを提供するとともに、お客様とのコミュニケーションを通じて、より本質的な課題やお客様も認識していない課題を発見し、それを解決するコンサルティングサービスやソリューションサービスをご提案しています。
当社は、この取り組みがお客様により高い付加価値をもたらし、当社サービスに対する満足度と信頼を高めていると考えており、当社の持続的な成長に不可欠な、基本的な営業活動として、これをさらに強化してまいります。
b.これまでに存在しない価値をもたらすサービスの創出
当社はお客様の経営課題や社会問題の解決を通じて、社会に新しい価値をもたらすことを目指しています。これを実現するために、当社は独自の発明やアイデアを使った製品やサービスの開発に取り組むとともに、お客様や課題の解決策を求める企業と実用性の高いサービスを協創しています。この一環として、小売店舗の運営の省人化・省力化という経営課題や人手不足等の社会問題を解決するため、人工知能(AI)や画像認識技術等を利用した製品やサービスの開発を積極的に推進しています。
当社は、①顧客・業態の拡大、②サービスの拡大、③地域の拡大の三つの方向からなる「三次元での成長」を志向しています。この考え方の下、これまでの実績をベースに、さらなる事業拡大を目指すとともに、他業態の顧客開拓に取り組んでいます。
また実績に基づく顧客との信頼関係と継続的なリレーションシップを活かして、お客様のニーズや業界のニーズを先取りした新サービスを考案し、積極的に提案しています。そして、これらの活動をグローバルに展開する方針です。
当社はこれらの方針に基づく施策の実行を通じて、全てのステークホルダーからの期待に応えてまいります。
本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社がコンサルティングサービスを提供する主要顧客は金融機関であり、国内外の景気動向等により、IT投資を抑制した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、今後の事業展開のため、優秀な人材の採用・確保及び育成が重要であると考えております。しかしながら、IT及びコンサルティング業界における人材の争奪により、優秀な人材の採用・確保及び育成が計画通りに進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、顧客に提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が受注する業務の一部では、人的資源の制約から協力会社(ビジネス・パートナー)に対し、再委託をすることがありますが、協力会社での優秀な人材の確保ができない場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、顧客に提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社のコンサルティング及びソリューションサービスの提供にあたり、顧客の機密情報や個人情報を有することがあります。そのため当社の役員及び従業員に対して、守秘義務の遵守、機密情報や個人情報の情報管理の徹底を行っており、情報セキュリティマネジメントの国際標準であるISO27001の認証及びプライバシーマークを取得しております。
しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社が受注する業務の一部では、人的資源の制約から協力会社(ビジネス・パートナー)に対し、再委託をすることがあります。当社では委託先の選定に当たって、プロジェクト遂行能力等を勘案し選定しておりますが、委託先のプロジェクト管理が適切に行われない場合には、コストの増加や納期遅延あるいは品質の低下等を招く可能性があります。当社では、役職者によるレビューにより早期の問題の顕在化及び対処を行っておりますが、不測の事態によりそのような問題の早期発見や対処を適切に行うことができない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は人工知能(AI)を利用した物体自動認識技術や文字読み取り技術等の研究開発活動を行っております。
これらの先端技術の技術革新のスピードは速く、また競争も激しさを増しているため、今後の研究開発活動の進捗状況や計画に対する遅延の発生等により、当初想定した研究開発費が増加し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役社長である蒲原寧は、当社の設立以来、当社の経営方針や戦略決定を始め、事業開発、ブランド力向上等において重要な役割を担っております。また、本報告書提出日の前月末現在当社発行済株式総数の29.84%を所有する筆頭株主でもあります。
当社は、事業拡大に伴い社長に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により社長に不測の事態が生じた場合、または社長が退任するような事態が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社のコンサルティング事業において、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、「労働者派遣法」という。)」で定められた労働者派遣事業に該当するものがあります。当社は、関係法令の遵守に努めておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反した場合には当該事業の停止を命じられる可能性があります。
また、新たに法規制の緩和や改正等が行われた場合、当社に不利な影響を及ぼすものであれば、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しています。本報告書提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式総数は277,200株であり、発行済株式総数10,942,000株の2.53%に相当します。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(9) イノベーション事業について
当社は、先端ICT技術(情報・通信に関する技術)を用いた事業の多角化に取り組んでおり、研究開発活動を継続しております。イノベーション事業においては、人工知能(AI)の一つであるディープラーニングを応用して製品開発を行い、無人AIレジ「スーパーワンダーレジ」と「ワンダーレジ」の事業化を進めております。
当該製品は、コンビニエンスストア等の小売業への販売を想定しておりますが、当事業年度末時点において、大口の販売契約の締結等には至っておりません。
当社は当該製品の将来性に期待し、今後も研究開発費を支出して改良を重ねる計画でありますが、今後の事業の進展に際しては、研究開発費の増加、製品化の遅れ、受注時期又は販売台数の想定からの大幅な乖離、生産体制及び保守体制構築等の計画の大幅な遅延並びに競合製品の出現等、様々な不確実性を伴います。このため、当社の期待どおりに事業が進展しなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)保有株式の減損損失について
当社は、無人AIレジの事業化を目的とした事業会社を設立し、関連会社株式を保有しております。関連会社が想定どおりに売上あるいは利益を達成できずに株式の実質価額が著しく低下した場合には、減損損失会計が適用され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害や感染症に関するリスクについて
大規模な地震、大型台風、風災、水災、津波、大雪、火災等により、当社及び顧客の建物、設備並びに従業員が被災した場合、出勤や業務遂行に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。またインフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合にも、従業員による出勤や業務遂行に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、これらの自然災害や感染症の拡大が国内景気の動向や当社の顧客の業績に影響する場合、顧客のIT投資が抑制されることで、新規プロジェクトの減少や既存プロジェクトの規模の縮小等により、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成していますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、それが資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。
これらの見積りについては、継続評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
当社の財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」をご参照ください。
当事業年度におけるわが国経済は、上期は雇用や所得環境の改善を背景に景気は緩やかに拡大を続けてまいりました。一方で、下期は消費増税による個人消費の変動や外国政府間の通商政策の動向が輸出や生産に影響を及ぼしたことに加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が世界経済と金融市場に大きな影響を与えており、景気の先行きは一層不透明な状況になりました。
金融業界においては、超低金利環境が貸し出しによる収益を押し下げる中、地域金融機関は顧客サービスの見直しや業務のIT化等によるコスト削減を図る一方で、地域経済を支えるサービスの強化や業態を超えた連携等を通じて収益源の多様化に取り組んでいます。小売業界においては、人件費の高騰や人手不足が社会問題として顕在化する中、無人店舗や省人化に関する技術に期待が高まり、これらの開発競争がグローバルに激化しています。
このような環境の中、当社はお客様の経営課題・業務課題を解決するために、ITを活用したコンサルティングサービスとソリューションサービスを提供してまいりました。また、他社に先駆けて実用的な無人AIレジを完成させて、導入を検討する企業に対してスピーディーに提供することが社会問題の解決と当社の中長期的な成長に資するとの考えの下、無人AIレジの研究開発を担うイノベーション事業の体制強化と研究開発活動の加速に積極的に経営資源を投じてまいりました。
コンサルティング事業では、前事業年度に大型プロジェクトが完了したことにより、期初は、売上高は低調に推移しましたが、その後、来期以降にシステム更改や統合を控える得意先に対してプロジェクトの推進強化策等の提案を続けた結果、下期以降は、売上高は堅調に推移しました。ソリューション事業では、バッチ処理高速化ソリューション「ユニケージ」等のソリューションサービスを提供しました。
イノベーション事業では、レジ無しスルー型精算システム「スーパーワンダーレジ」と設置型AI搭載レジ「ワンダーレジ」の二つの無人AIレジの開発を推進し、事業拡大に取り組んでまいりました。その成果として、ワンダーレジを株式会社ジェーシービーとトッパン・フォームズ株式会社の社内売店に設置しました。また、スーパーワンダーレジの技術を使った無人店舗の実用化を目的に、JR東日本スタートアップ株式会社と合弁で株式会社TOUCH TO GOを設立し、同社が開発した無人AI決済店舗の1号店「TOUCH TO GO」が2020年3月23日に高輪ゲートウェイ駅にオープンしました。開発活動においては、ワンダーレジの製造コスト削減や軽量化、リサイクル性の向上を目的に、特殊な強化ダンボールを使用したワンダーレジを新たに開発しました。また、株式会社ポプラ「生活彩家 貿易センタービル店」やスポーツスタジアムの特設ショップにワンダーレジを設置し、利用者の行動や実践的なオペレーションの分析と利用用途拡大の検証等に取り組みました。開発体制においては、ワンダーレジの運用に関するシステム等の開発推進を強化するために、システムインテグレーターの株式会社NSDと資本業務提携することで合意し、順次、協業領域を拡大しています。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は2,122百万円(前事業年度比21.0%減)となりました。利益面では、減収影響に加えて、研究開発費が大幅に増加したこと等により、営業損失は176百万円(前事業年度は営業利益272百万円)、東京証券取引所市場第一部への市場変更に関する諸費用を営業外費用に計上したことにより経常損失は207百万円(前事業年度は経常利益269百万円)、繰延税金資産を取り崩したこと等により当期純損失は260百万円(前事業年度は当期純利益203百万円)となりました。
① 売上高
コンサルティング事業の受注は、上期は前期に比べて低調に推移し、下期はやや持ち直しました。また、ソリューション事業は、第1四半期会計期間において、既存得意先向けのユニケージの開発が完了し検収を受けたものの、前期から営業活動の体制を縮小していることから、それ以降の売上は低調に推移しました。これらを要因に売上高は前期比21.0%減の2,122百万円となりました。
② 売上原価及び売上総利益
コンサルティング事業では、得意先からの増員要請が非常に強く全コンサルタントが稼働していました。当社の要員不足をパートナー企業の増加で補おうとしたものの、パートナー企業においても人手不足の状況が続き、増員が進まなかったことにより前期に比べて外注費が減少し、売上原価は前期比16.0%減の1,569百万円となりました。売上原価は減少したものの、減収により売上総利益は前期比32.3%減の553百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費及び営業損失
ワンダーレジの開発に積極的に取り組んだことにより研究開発費が140百万円増加したことを主因に、販売費及び一般管理費は前期比33.9%増の729百万円となりました。
この結果、研究開発費の増加と減収等を要因に営業損失は176百万円となりました。売上高営業利益率はマイナス8.3%となりました。
④ 営業外損益及び経常損失
市場変更に伴う諸経費を計上したことを主因に営業外費用が前期に比べて増加しました。この結果、経常損失は207百万円となりました。
⑤ 特別利益
キャリア形成促進助成金制度の受取額を補助金収入に計上したことにより、特別利益は5百万円となりました。
税引前当期純損失により法人税、住民税及び事業税が減少しましたが、繰延税金資産を取り崩したことにより法人税等合計は58百万円となったことにより当期純損失は260百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、セグメント利益又は損失はセグメント毎の営業利益又は営業損失であり、また損益計算書の営業損失と調整を行っております。
上期は既存得意先からの受注の増加や新規得意先からの受注がありましたが、前事業年度において複数の大型のシステム更改プロジェクトが完了していることを受け、売上高は前年同期に比べて低調に推移しました。下期以降はプロジェクトの進展やパートナー企業の増加により、売上高はやや持ち直しました。また、通期にわたり引き合いは強かったものの、全要員が稼働しており、中途採用者やパートナー企業の増加も主に既存プロジェクトに充当したため、新規受注による売上高の増加は若干に留まりました。一方で、クレジットカード会社及び投資運用会社のシステム部支援業務、地方公共団体等の公共機関へのコンサルティング業務は堅調に推移しました。この結果、売上高は1,946百万円(前事業年度比17.1%減)、セグメント利益は400百万円(前事業年度比26.9%減)となりました。
(ソリューション事業)
金融機関向けバッチ処理高速化ソリューション「ユニケージ」は、既存得意先向けの開発が前事業年度から継続していたことにより、開発が完了した部分を納品し売上高を計上しました。その他、事業性評価サービス等の月次サービス売上等を計上しました。一方で、ソリューション事業の要員をイノベーション事業に配置転換したことで、新規の営業活動を縮小している結果、売上高175百万円(前事業年度比45.3%減)、セグメント損失6百万円(前事業年度はセグメント利益89百万円)となりました。
(イノベーション事業)
前事業年度はSCSK株式会社との共同開発契約の締結に伴う権利許諾に関する一時金を受領し、その一部を売上高に計上しました。なお、当該共同開発契約は前事業年度に契約期間が満了したことにより終了しています。
当事業年度においては、ワンダーレジの使用料を売上高に計上しました。また無人AIレジの開発を積極的に推進した結果、売上高は0百万円(前事業年度比96.3%減)、セグメント損失395百万円(前事業年度はセグメント損失194百万円)となりました。
(3) 生産、受注及び販売の状況
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 財政状態の分析
資産合計は2,079百万円となり、前事業年度末と比べて127百万円増加いたしました。
流動資産は1,418百万円となり、前事業年度末と比べて288百万円減少となりました。これは主に現金及び預金が304百万円減少したことによるものであります。
固定資産は661百万円となり、前事業年度末と比べて416百万円増加いたしました。これは主に株式会社TOUCH TO GOへの出資によって関係会社株式が300百万円増加した他、無人AIレジに関するソフトウエアが194百万円増加したことによるものであります。
負債合計は1,056百万円となり、前事業年度末と比べて408百万円増加いたしました。
流動負債は672百万円となり、前事業年度末と比べて207百万円増加いたしました。これは主に前受金が165百万円、未払金が49百万円増加したことによるものであります。
固定負債は384百万円となり、前事業年度末と比べて201百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が107百万円及び社債が70百万円増加したことによるものであります。
純資産合計は1,023百万円となり、前事業年度末と比べて281百万円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少によるものであります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という)は1,018百万円(前事業年度末に比べて304百万円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、79百万円の収入(前事業年度は114百万円の支出)となりました。これは主に税引前当期純損失201百万円を計上した一方で、前受金が165百万円増加したことや未払金が59百万円増加したこと等により資金が増加したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、510百万円の支出(前事業年度は108百万円の支出)となりました。これは主に関係会社株式の取得による支出300百万円や無形固定資産の取得による支出198百万円によって、資金を支出したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、126百万円の収入(前事業年度は156百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払26百万円があった一方で、長期借入れによる収入200百万円や社債の発行による収入98百万円によって資金が増加したことによるものであります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
資本の財源については、当事業年度末においては借入金の増加及び社債の発行により有利子負債が増加し、また当期純損失の計上により自己資本が減少しました。
当社の運転資金、研究開発活動及び設備投資等の資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入、社債の発行を実施することを基本方針としております。この方針に従い、当事業年度における運転資金、研究開発費、設備投資は自己資金、借入金及び社債により充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金、研究開発活動、設備投資やM&A等の戦略的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
なお、当事業年度末の資金の流動性については、流動比率211%を確保しており、事業の円滑な運営に十分な流動性を確保しております。
(7) 次期の経営方針
2021年2月期は、「①金融機関向けのコンサルティング及びソリューション事業を安定的に成長、②当社と株式会社TOUCH TO GOによる無人AIレジの拡販及びAI応用製品の開発・販売、③事業領域や会社規模の拡大に伴う経営管理態勢の高度化」を柱に事業運営にあたってまいります。
コンサルティング事業及びソリューション事業では、両事業を一体的に運営する体制により、金融機関を中心に業務改善ニーズに対して、コンサルティングサービスとソリューションサービスを一体的に、かつスピーディーに提供する取り組みを強化することを通じて、顧客拡大を目指します。またコンサルティングサービスは、プロジェクトマネジメント等の引き合いが強いものの、人員が限られている中において、当社が得意とする領域を中心に取り組んでまいります。ソリューションサービスは、バッチ処理高速化ソリューション「ユニケージ」の新規受注や当社のノウハウを活かした新サービスを展開してまいります。
イノベーション事業では、経営資源の確保と成長投資のバランスをコントロールしながら、無人AIレジの拡販を推進するとともに、当社独自のAI技術の応用や他社との業務提携等を通じて、お客様の業務改善に資する製品・サービスの開発・販売に取り組んでまいります。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社は、様々な業界の「お客さまのIT部門の一員」として、先端ICT技術を応用したこれまでに無い新たなサービスを開発し提供することでお客さまの経営課題の解決を図ることを目的とし、研究開発活動を行っております。
当社の研究開発は、イノベーション事業において人工知能(AI)の一つであるディープラーニング等の最先端技術の応用を中心に推進されております。なお、研究開発人員は24名です。
現在取り組んでいる主要課題は、人工知能(AI)の一つであるディープラーニング等の最先端技術を応用した「物体自動認識技術」と「文字読み取り技術」であり、具体的な研究開発内容及び研究成果は以下のとおりであります。
なお、当事業年度の研究開発費は、
対象となる物体を撮像した画像等のビッグデータを入力し、ディープラーニングを用いて学習した学習モデル を作成することで、コンピューターが物体を自動認識する技術を開発しております。
同技術により、小売店舗の人手不足の解消や買物客のレジ待ち時間短縮を目指す「ワンダーレジ」のほか、スーパー等の大規模店舗で買物客が買物カゴへ商品を出し入れする度に精算金額を自動計算できる技術等を用いた「スーパーワンダーレジ」の研究開発を行っております。
さらに小売業界向け以外にも、収穫した農作物の仕分け等、人が認識することが生産性の限界となっている様々な分野への応用に向けて、研究開発を実施しております。
③ 成果
研究の成果として、日本国内で2件の特許を取得いたしました。
文字読み取りの最先端技術を産学連携で開発し、数字、漢字、かな、記号等をコンピューターが自動で読み取る技術を開発しております。
現在のOCR(光学文字認識)では認識できない文字等を自動認識することで、現在手入力している事務を省力化する用途での研究開発を実施しております。省力化により、人手による入力ミス防止や厳正化も同時に図れ、クレジットカード等、様々な申込書の入力事務等へ適用することを視野に入れております。