文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、1999年の創業以来、『情報通信技術で社会に貢献及びお客様の繁栄に寄与し、最も信頼されるパートナー』であることを目指して事業に取り組んでおります。
また、「すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業」になるために、熱意を持って不断の努力を続けてまいります。当社は、永続的な成長の礎を築くための計画として、2022年12月期を初年度とし、2026年12月期を最終年度とする「中期経営計画」を策定し、更なる成長戦略の推進及び企業価値の最大化を図ってまいります。
当社は、持続的成長を果たしていくため、以下の戦略を実行することにより、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
① 私たちは、ITを通じた様々なサービスの提供により、お客様、社員とその家族、株主様など全てのステークホルダーからの評価をいただける企業価値の向上を目指します。
② 優れた技術力と高品質により、「信頼性」と「安全性」を備えた製品・サービスの提供を目指してまいります。
③ 私たちは、企業と社員が共にチャレンジ精神をもって活力ある企業カルチャーを醸成し成長を続けてまいります。
④ 私たちは、お客様に「最適のサービス」を提供し、事業活動を通じて社会の発展に貢献してまいります。
(2)経営環境及び経営戦略
当社は、急速に技術革新の進むビジネス環境の中、既存ビジネスの高度化に取り組むと共に、以下の戦略を実行することにより、最適なサービス及び高付加価値サービスの創出等、顧客との長期安定的な関係を通じたビジネス拡大の実現に向けて取り組んでまいります。
① 新技術への果敢な取り組み
証券システム開発の先進技術力、業務系ソフトウエア開発で培ったシステムインテグレーションサービス、共同開発等で培ったプロダクト提供力を軸とする当社の強みに加え、下記の新分野にも積極的に取り組んでまいります。さらに、これら当社の強みをベースに様々な業種・業態のお客様との経験・ノウハウを活かし、デジタル化による業務効率化や生産性向上にとどまらず、ビジネスモデル自体を変革する「DX」を推進し、ビジネスの拡大に取り組んでまいります。
(AI)
最先端の「AI」を活用し、経営的観点、ビジネス的観点、技術的観点からAIをインテグレーション、お客様に最適なサービスを提供してまいります。
(ロボット)
AIとロボティクス技術を結集した医療系事業者向け、クラウドファンディング運営会社等の非金融事業者向けシステムの開発及びサービスの提供をしてまいります。
(セキュリティ)
新たなテクノロジーの発展に伴う様々な脅威への対応を行うトータルセキュリティの提供で、お客様の安心と利益に貢献してまいります。
(クラウド)
新デジタル時代におけるEコマースの多様化、仮想空間の一般実用化、AIや高度通信技術の発展による様々な変革に寄与すべく、「次世代のデジタルコマースを創生する」ことをミッションとし、金融システム開発で培ったコア技術をベースとしたプラットフォーム/ソリューションを金融以外の分野のお客様へ最適なクラウドサービスを幅広く提供してまいります。
② 付加価値の高いシステムインテグレーションの推進
付加価値の高いシステムインテグレーションの推進として、当社の既存コア技術・資産の継続的な成長を図り、当基盤をベースに次世代金融、新デジタル時代を見据えたテクノロジーファースト型の企業成長の取り組みに更なる強化を図ってまいります。
③ 人材強化と受託開発事業の確実な成長
開発体制強化のための積極的な人材投資により、さらなる成長と付加価値向上を実現すべく、人材採用と早期育成に注力し、有力成長分野でのビジネス拡大を推進すると共に新たな高付加価値ビジネスを担う先端技術分野のスキルを持つ人材創出に取り組んでまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は1999年の創業以来、「情報通信技術で社会に貢献及およびお客様の繁栄に寄与し、最も信頼されるパートナー」であることを目指して品質向上と技術革新に努めてまいりました。
その上で、環境や需要の変化を捉えながら、高品質で高付加価値な製品・サービスをお客様に提供することが経営の基本方針を具現化するための施策のひとつであるとともに大切な理念でもあります。
当社は、これからの激しい環境の変化にも臆せず新しい取り組みにチャレンジし、今後更なる発展を遂げるために、2022年12月期から2026年12月期までの中期経営計画に取り組んでまいります。
当社は、この中期経営計画の達成に向けて全社一丸となって邁進するとともに、お客様の目線に立った製品開発と品質の更なる改善を行い、証券システム開発ベンダーとしての地位確立に努めてまいります。
① 技術革新への対応
当社を取り巻く情報サービス業界において、最新技術に対応することは常に重要な課題となります。スマートフォンやタブレットの普及はインターネットの利用をより身近なものとしましたが、同時にシステムの利用環境を多様化させました。当社といたしましても、それらスマートデバイスに最適な技術を追求し、顧客ニーズを満たす製品を提供してまいります。また、システム提供形態も、SaaSに代表されるクラウドを活用した「サービス提供型」に変化しつつありますので、クラウド化に対応したITテクノロジーの研究開発にも取り組んでまいります。
これらの技術力を基礎とした新たなソリューションを開発・提案することで当社の競争力を高め、新たな収益源の獲得に取り組んでまいります。
② 新たな柱となる事業の創出と育成
金融ソリューション事業と共に当社事業の両輪を担い、当社の更なる成長の原動力となる新たな柱となる事業創出に注力し、事業機会を探索してまいります。さらに新規事業を育成し、より飛躍させるための仕組みづくりに努めてまいります。
③ 環境変化に対応するための強い人材と組織づくり
技術革新がもたらす様々な環境変化の潮流は、当社を取り巻く情報サービス業界においても顕著であります。これらの環境変化に対応するためには、「各個人が自ら学び考え、これまでの考えに捉われない視点を持って取り組む、そして新しい課題にも積極的にチャレンジしお客様の視点に立って、常にお客様に満足していただけるサービスを提供していくために、既存技術の強化と並行して、新技術にも積極的にチャレンジしていく」という創新の考えのもと行動し、迅速に対応することが重要となります。
④ コーポレート・ガバナンスの強化
当社はコンプライアンスを遵守し、外部報告の信頼性を確保する内部統制システムを構築・運用することが、ステークホルダーに対する社会的責任を果たしていくことだと考えております。また、当社の企業価値を向上していくためには、経営の効率性を追求し、事業活動より生じるリスクをコントロールすることが必要であると考えております。当社はこれらの考えを実現させるために必要不可欠なコーポレート・ガバナンスの強化を今後も図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響において、経済動向の見極めが今なお難しい状況となっております。当社におきましても、今後の情勢次第で事業活動に影響が生じることを懸念しており、市場や顧客動向を注視し、適切に対処してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、安定的な事業拡大を通じて企業価値を向上させていくことを重要な経営目標と位置付けております。このため、売上規模の拡大は勿論、事業の収益力を占める営業利益、営業利益率を中長期的な経営の重要指標としており、その実現のために、安定と成長のバランスを重視し、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
記載したリスクはいずれも事業及び業績に影響を与えうる「重要なリスク」ですが、中でも中長期的な会社の経営戦略と関連性の高いリスクを「特に重要なリスク」として定義しております。当該リスクが顕在化する可能性の程度、時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(特に重要なリスク)
(1)戦略的投資に関するリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、従来の「開発・フロー型」から「利用型・ストック型」へとビジネスモデルの転換を推進していくにあたって、データセンター増強などの積極的な戦略的投資を継続して実施しております。早期のモデル転換と高収益体制の構築に取り組んでいるものの、利用者を十分に獲得できないために期待した収益が見込めない可能性や、標準化が進展しないために想定以上のコストを費やす可能性があるため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
利用者の獲得にあたっては、営業活動においてはお客様のニーズを汲み取り、多様化する顧客ニーズに対応できるシステム利用サービスに取り組んでおります。また、利用型・ストック型のビジネスモデルに向けた業務の標準化をさらに推し進めてまいります。
(2)システム及びサービスの不具合等に関するリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、証券業界向けのシステムを開発していることから信頼性と安全性は不可欠であります。しかし、コンピュータウイルスや外部からの不正アクセス等のサイバー攻撃により、当社の提供したシステム及びサービスに不具合が発生した場合、顧客に機会損失又は利益の逸失を生じさせる可能性があります。さらに、それらが当社の責による重大な過失の場合、高額な損害賠償請求や著しい信用力の低下等を引き起こす可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社はシステム開発やサービスの提供にあたってシステムリスク管理委員会において品質管理基準を設定するとともに、それを遵守することによって、信頼性及び安全性を確保・維持することに努めております。
(3)証券業界の動向と法的規制に関するリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は証券業界を中心とした事業展開を行っておりますが、証券業界は景気や株式市況の影響を大きく受ける業界であります。そのため、景気減退や急激な市況変動などの事態が発生し、証券会社の業績が著しく悪化した場合には、IT設備投資方針が大きく減退する可能性があります。その場合には、受注の減少など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、証券業界を取り巻く諸法令や規制の改正、慣行及び法令解釈等の変更があった場合、将来的に金融機関のシステムを制限する法令や規制が実施された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
証券業界の動向を注視しながら受注予測を行い、また、その対策を検討しております。また、当社のシステム及びサービスを提供する範囲を証券業界以外にも広げることによって、証券会社の業績悪化に備えることにも努めております。
なお、フィンテックによる金融業界新規参入業者の増加、国内4キャリアによる5G通信の商用サービスの開始、金融システムのセキュリティに関する事案の増加、証券会社によるシステム強化への機運の兆しなどから、当社の主軸である金融・証券業界のIT投資意欲は、コロナ禍においても旺盛なものと認識しております。
(4)技術革新への対応におけるリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、業界の高い専門的な知識とシステム構築ノウハウにより、安定した事業基盤を築いておりますが、当社が属する情報サービス業界においては、技術革新が非常に激しく、また、それに伴う顧客のニーズも常に変化をしております。今後、当社の想定外の急激な技術革新が起こり、その対応に遅れが生じた場合、当社の有する技術・サービスの陳腐化、業界における他社との競争力の低下などにつながり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社は、技術革新の変化に迅速に対応すべく、積極的に最新の技術に対応したシステム及びサービスの開発を進めております。
(5)開発遅延によるリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の提供する製品やサービスは、顧客から他社差別化や社内業務都合などの理由で独自仕様を求められる事があり、その要求は詳細化・複雑化する傾向にあります。また、システム開発過程においても諸要件の増加・変更が発生する場合があります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことで、開発プロジェクトのスピードが鈍化するという形で、当該リスクが一部顕在化したものもあります。その結果、当初の見積り以上の想定外の作業工数の増加が発生した場合、プロジェクトの採算が悪化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの当社都合の理由による納期遅延が発生した場合には、多額の損害賠償請求等を受ける可能性もあり、当社の信頼性が損なわれ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
プロジェクト管理の徹底を図ることによって柔軟に人員を配置するとともに、大型プロジェクトにも対応できるエンジニアを増加させるために人材育成にも注力してまいります。
(6)四半期毎の業績の変動について
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の売上は、システムの開発と、保守・運用・クラウドサービス利用料で構成されております。保守・運用・クラウドサービス利用料におきましては、契約に基づいて月次で売上高を計上しているため、四半期毎の業績に大きな変動はありませんが、開発案件におきましては、開発規模の大きな製品の納入及び多くの製品の納入が同時期となる場合があります。一方で、開発規模の小さな製品しか納入されない時期もあり、四半期毎の売上高は平準化されないことがあります。そのため、四半期決算の業績はその影響を受け著しく変動することがあり、場合によっては営業損失を計上する可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社は、ストック型ビジネスモデルへの転換を推進し、クラウドサービス等のストック型収入の拡大により売上の平準化に努めてまいります。
なお、当社の最近3事業年度の四半期別売上高は下記のとおりであります。
|
2019年12月期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
356,332 |
293,660 |
418,997 |
920,171 |
1,989,161 |
|
構成比(%) |
17.9 |
14.8 |
21.0 |
46.3 |
100.0 |
|
2020年12月期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
389,196 |
471,930 |
449,220 |
800,272 |
2,110,619 |
|
構成比(%) |
18.4 |
22.4 |
21.3 |
37.9 |
100.0 |
|
2021年12月期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
474,141 |
604,457 |
576,657 |
898,430 |
2,553,687 |
|
構成比(%) |
18.6 |
23.6 |
22.6 |
35.2 |
100.0 |
(重要なリスク)
(1)特定の販売先の依存について
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の主要取引先への売上が50%以上を占める場合があり、主要取引先の経営方針等の変更により取引が打ち切りになった場合や取引金額が引き下げられた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社は、新規顧客開拓に注力し取引先の分散化を図り、また、クラウドサービス等のストック型収入の拡大を推進することにより、売上の平準化を図ってまいります。
(2)人材の確保・育成に関するリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の事業はシステム開発を行う技術者の人員数や能力に大きく依存するため、優秀な人材の確保、育成が想定どおりに進まない場合や、十分かつ適切な人員が確保されない場合に、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
継続的に事業を展開し成長していくために、今後も積極的な採用活動を行うとともに、人材の育成を推進してまいります。また、プロジェクトマネジメント力の更なる強化や金融知識や技術教育の充実・強化を通じて、顧客のニーズに応えるための提案力や技術力を育成することで自社開発力を高めてまいります。
(3)外注先に関するリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社のシステム開発は、基本的には当社従業員にて対応しており、常に自社の人材の確保・育成に注力しておりますが、大規模案件や複数案件などの発生により開発の規模が当社の想定を上回った場合や当社の従業員で対応するより原価の低減を期待できる場合には、外注先からの技術者による対応を行っております。しかしながら、当社の必要に応じた技術者が確保できなかった場合や技術者の技術レベルが当社の要求を維持できなかった場合、若しくは、何らかの理由で外注先が当社との取引を継続できなかった場合など、受注が想定どおり遂行できなかったときには、当社の信頼は失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、業界全体で技術者不足などの理由により外注単価が高騰し、外注費用が当社の想定を大幅に上回った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
外注先との安定的な取引関係を保ち、新規外注先の開拓に努め、技術者の不足に対応してまいります。また、積極的な採用活動や教育研修を通じ、優秀な人材の確保・育成に努め、外注先に依存しない体制を整備してまいります。
(4)知的財産権の侵害等に関するリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が開発・設計するソフトウエアやプログラムについて、当社の認識していない範囲で知的財産権が成立していた場合、当社は第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。また、これが訴訟等に発展した場合には、損害賠償、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払い要求等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
第三者の知的財産権を侵害しないよう当社が運営する事業の製品の機能、デザイン、呼称に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権の侵害の可能性については、顧問弁護士及び特許事務所との連携により可能な範囲で対応は行っております。なお、当事業年度末現在において、過去に第三者から知的財産権の侵害に関して訴訟を提起されたことはありません。
(5)個人情報及び機密情報等の管理に関するリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社では、業務執行上、個人情報及び機密情報等を保持しています。万が一、外部からの悪意による不正アクセス行為、従業員の故意又は過失による不正利用、製品の重大な不具合等による重要情報の漏洩、紛失、消失、改ざんなど、想定外の事象が発生した場合、当社の信用は著しく失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、個人情報保護規程及び情報セキュリティ管理基本規程を定め、全従業員に対し周知・教育を行うなど、これら重要情報の厳格な管理を行っております。また、当社は2013年にプライバシーマークを取得しており、有価証券報告書提出日現在まで継続しております。
(6)自然災害、電力供給及び感染症等によるリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の本社事業所及びデータセンターは、東京都内に拠点を有しております。また、当社の顧客も主に首都圏を中心に営業拠点を構えており、万が一、地震・津波等の大規模な自然災害やそれに起因する大規模停電、電力不足等予期せぬ事態が発生した場合、当社の業績や事業活動に大きな影響を及ぼす恐れがあります。さらに、新型コロナウイルスをはじめとした感染症の拡大を受けて、開発プロジェクトのスピード鈍化や新規案件獲得のための提案活動の遅れなどが生じる可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社は、新型インフルエンザ感染症や新型コロナウイルス感染症に関しては、その感染拡大へ対応するため、全社危機管理対策として管理本部人事総務部においてマスク・消毒液等の衛生用品の確保、従業員へのマスク着用などの衛生管理の教育・啓蒙の徹底及び在宅勤務の推進等、従業員への罹患リスク逓減に取り組んでおります。
また、南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震などの大規模な地震をはじめとする災害が発生した場合、当事務所では電力停止及び電力不足に対する自家発電設備の導入が施されており、災害などに備え、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策を進めております。
(7)小規模組織によるリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
2021年12月末現在、取締役6名(うち社外取締役2名)、監査役3名(うち社外監査役3名)、従業員数105名(臨時雇用者を除く)と小規模で事業展開しており、業務遂行体制や内部管理体制も現在の組織に応じたものになっております。役職員の業務遂行上支障が生じた場合、あるいは役職員が社外流出した場合には、当社の業務に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、採用を通じて業容が拡大していくに伴い、社内で適切な情報が生成されない場合や適時に伝達されない場合には、事業活動が円滑に遂行されない結果として業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
今後も事業規模に応じて業務遂行体制及び内部管理体制の一層の充実に努める方針であります。また、金融知識や技術を有する人材の採用と教育に継続して努めていくことで、業務遂行に影響が及ぶリスクの低減に努めております。さらに、内部統制の適切な整備と運用及び適時の更新によって、業務を属人化させず仕組み化することに努めてまいります。
(8)特定人物への依存によるリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社代表取締役社長である浅見勝弘は、証券システム開発業務及びそれに付随する特有の管理業務に関する豊富な経験と知識を有しており、当社の経営方針及び経営戦略の決定において重要な役割を果たしております。しかしながら、予期せぬ事情により、当該代表取締役社長が経営に携わることが困難になった場合には、当社の業務に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
組織体制の整備を図り、特定の経営者に過度に依存しない体制の構築に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の全世界的感染再拡大の影響が長期化しております。各国においては、ワクチン接種を積極的に進めているものの、変異株による感染拡大が猛威を振るっており、いまだ厳しい状況が続いております。日本経済においては、コロナ禍での経済活動回復に向けた取組に加え、継続的な財政・金融政策の下支えにより、持ち直しの動きが加速することが期待されますが、海外における新たなる変異株により感染再拡大が懸念されております。ワクチン接種の進行により経済の回復が期待されるものの、原材料価格高騰、世界的な半導体不足、中国経済の成長鈍化などのリスクも顕在化しており、依然として予断を許さない状況が続いております。
当社の属する情報サービス産業界においては、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資意欲が回復基調にあり、特に「非接触」や「非対面」を実現するデジタル化のニーズは一段と高まっております。その一方で、一部の業種・企業では新型コロナウイルス感染症の長期化によりIT投資の抑制や先送りの動きが続いており、企業の投資計画の見直しについて注視していく必要があります。
このような環境の下、当社の基盤事業であるインターネット証券取引システムを中心に、新型コロナウイルス感染症やDXで加速する働き方改革等で需要の高まる分野に対して、積極的な経営資源の投入や新サービスに取り組んでまいりました。また、システム構築分野の業務系システム開発におきましては、コロナ禍の影響により先行き不透明な景気感の中でも、ECサイトの構築需要が活発なネットビジネス分野、コンシューマービジネスを手掛けるお客様を中心とした基幹システムの構築に取り組んでおり、多様化するお客様ニーズに対応するために当社の技術力で最適なソリューションを提供してまいりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,553,687千円(前事業年度比21.0%増)、営業利益は287,909千円(同168.4%増)、経常利益は289,197千円(同167.8%増)、当期純利益は189,965千円(同159.1%増)となりました。
なお、当社は証券システム開発事業及びこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は
省略しておりますが、各事業区分別の状況は以下のとおりであります。
(金融ソリューション事業)
金融ソリューション事業におきましては、基盤事業であります証券会社向けソフトウエア開発、データセンターにおけるインフラ設備の更改等は順調に推移し、また新規顧客へのクラウドサービスの提供も寄与したことにより、売上高は2,377,541千円(前事業年度比23.2%増)となりました。
(FXシステム事業)
FXシステム事業におきましては、当事業の主力であります「TRAdING STUDIO」においては、FX為替市場分析システムである「シグナルマップ」の機能を搭載した新しいサービス提供の開始が遅れたことにより、売上高は151,250千円(前事業年度比5.9%減)となりました。
(セキュリティ診断事業)
セキュリティ診断事業におきましては、多くの企業がコロナ禍における急激な働き方の変化にあわせたセキュリティ対策の見直しによって、より精度の高い手動診断サービスが増加した結果、売上高は24,895千円(前事業年度比27.5%増)となりました。
事業区分別売上高
|
事業区分 |
第 23 期 (2020年12月期) |
第 24 期 (2021年12月期) |
前年同期比 |
|||
|
金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
増減率 (%) |
|
|
金融ソリューション事業 |
1,930,438 |
91.5 |
2,377,541 |
93.1 |
447,103 |
23.2 |
|
FXシステム事業 |
160,650 |
7.6 |
151,250 |
5.9 |
△9,400 |
△5.9 |
|
セキュリティ診断事業 |
19,531 |
0.9 |
24,895 |
1.0 |
5,363 |
27.5 |
|
合計 |
2,110,619 |
100.0 |
2,553,687 |
100.0 |
443,067 |
21.0 |
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,529,822千円となり、前事業年度末に比べ288,120千円増加いたしました。これは主に売掛金が増加したことによるものであります。固定資産は569,075千円となり、前事業年度末に比べ2,789千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定から本勘定へ振替えたソフトウエアの減価償却を実施したことによる減少があった一方、資本業務提携の実施等により投資有価証券が増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,098,897千円となり、前事業年度末に比べ290,909千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は311,851千円となり、前事業年度末に比べ105,121千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が増加したことによるものであります。固定負債は80,930千円となり、前事業年度末に比べ9,122千円増加いたしました。
この結果、負債合計は、392,782千円となり、前事業年度末に比べ114,244千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,706,115千円となり、前事業年度末に比べ176,665千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は81.3%(前事業年度末は84.6%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は802,547千円となり、前事業年度末に比べ33,450千円減少いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は53,228千円(前年同期は477,776千円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加額262,960千円に対し、税引前当期純利益275,219千円の計上及び減価償却費86,762千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は78,583千円(前年同期は54,838千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出50,625千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8,095千円(前年同期は9,208千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額16,781千円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社は証券システム開発事業及びこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業の区分別に記載しております。
a.生産実績
当社は、生産実績を定義することが困難であるため、生産に関する事項は記載しておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
当事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
|
事業の区分 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
金融ソリューション事業 |
2,514,102 |
28.6 |
654,226 |
26.4 |
|
FXシステム事業 |
156,550 |
△1.5 |
14,000 |
60.9 |
|
セキュリティ診断事業 |
24,895 |
38.2 |
- |
- |
|
合 計 |
2,695,548 |
26.5 |
668,226 |
27.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
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事業の区分 |
当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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金融ソリューション事業 |
2,377,541 |
23.2 |
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FXシステム事業 |
151,250 |
△5.9 |
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セキュリティ診断事業 |
24,895 |
27.5 |
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合 計 |
2,553,687 |
21.0 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当事業年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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auカブコム証券㈱ |
380,483 |
18.0 |
516,124 |
20.2 |
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岩井コスモ証券㈱ |
419,838 |
19.9 |
395,794 |
15.5 |
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㈱DMM FinTech |
369,804 |
17.5 |
322,778 |
12.6 |
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㈱ミンカブ・ジ・インフォノイド |
- |
- |
307,882 |
12.1 |
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松井証券㈱ |
- |
- |
288,160 |
11.3 |
(注)3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4.前事業年度の㈱ミンカブ・ジ・インフォノイド及び松井証券㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照下さい。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は2,553,687千円(前事業年度比21.0%増)となりました。主な要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は1,853,946千円(同15.6%増)となりました。人員増による人件費の増加や、外注加工費の増加があったものの、データセンターのコスト改善や人員配置の最適化等の施策により、売上高の増加率21.0%に比して売上原価の増加率は15.6%に抑えることができました。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は699,740千円(同37.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は411,831千円(同3.0%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の営業利益は287,909千円(同168.4%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は1,980千円(同22.3%増)、営業外費用は693千円(同22.0%減)となりました。
以上の結果、当事業年度の経常利益は289,197千円(同167.8%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別損失は13,977千円(前事業年度の発生はありません)となりました。これは情報セキュリティ対策費の計上によるものであります。
以上の結果、当事業年度の当期純利益は189,965千円(同159.1%増)となりました。
②経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、技術革新への迅速な対応を行うために、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制及び内部管理体制を強化し、社会ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に対し適切な対応を行ってまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの概要につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社の事業活動における資金需要のうち主なものは、当社の主たる事業であるシステム開発・保守・運用に係る人件費、外注加工費等の運転資金であり、これら運転資金は自己資金で充当することを基本方針としています。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しているものと考えております。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高はなく、現金及び現金同等物の残高は802,547千円となっております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、営業利益及び営業利益率を中長期的な経営の重要指標としております。
当事業年度におきましては、営業利益は287,909千円(前事業年度比168.4%増)、営業利益率は11.3%(同6.2ポイント増)となりました。中長期的な企業価値向上のため、引き続き収益力向上を目標とした経営施策の実施に取り組んでまいります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成に当たりましては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績、又は現在の状況下で最も合理的と判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しているため、記載を省略しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。