第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、不安定な国際情勢や円安に起因する物価高騰の影響が続く状況ではあったものの、個人消費や企業の生産活動を中心に持ち直しの傾向が継続しました。海外経済は、米国では堅調な雇用情勢及び個人消費を背景に景気は底堅く推移している一方、欧州では金利上昇に伴う景気の下押し圧力により足踏み状態が続きました。また、中国では金融緩和等により景気の押上げが図られているものの、不動産市場の低迷などにより国内需要は伸び悩んでおり、景気回復ペースは不透明な状況が続きました。

当社グループの属する情報サービス産業においては、コロナ禍で加速したDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、アナログ的な事務作業のデジタル化や、オンプレミス(注1)で運用されているレガシーシステム(注2)のクラウド化など、業務効率化・企業競争力強化のためのIT投資は旺盛な状況となっております。テレワークやWeb会議の普及など、コロナ禍を通じて加速したデジタルサービスの「新たな価値」が社会的に当たり前となった一方で、企業のDX化の進捗は十分に進んでいるとは言えず、今後、IT企業の役割はますます重要になっていくことが予想されます。また、DX時代の人材戦略としてリスキリング(注3)が重要視されており、デジタル技術の力で企業価値を創造できる能力やスキルの再開発が必要となってきております。

このような環境の下、当社グループにおいては、中長期的視点から事業利益の創出に取り組むための5ヶ年計画「中期経営計画(2022年度~2026年)」を策定し、受託案件(フロー型)やクラウドサービス案件(ストック型)の獲得拡大に向けての取り組みや顧客企業のセキュリティ課題解決に対する取り組み、生成系AIや仮想空間を利用した技術開発への取り組み等、各施策を積極的に遂行してまいりました。

以上の結果、売上高1,939,609千円(前年同期比20.7%増)、営業損失188,806千円(前年同期は営業損失25,609千円)、経常損失189,658千円(前年同期は経常損失21,294千円)、親会社株主に帰属する中間純損失194,393千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失16,398千円)となりました。

なお、当社グループはシステム開発事業及びこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、各事業区分別の状況は以下のとおりであります。なお、基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、システム運用のコンサルティング事業につきましては、前連結会計年度中に新設された事業であるため、また、デジタルコマース事業につきましては、当中間連結会計期間よりセキュリティ診断事業の業績が含まれているため、前年同期比較は行っておりません。

 

(注1)「オンプレミス」とは、システムの稼働やインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器、あるいはソフトウエアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態

(注2)「レガシーシステム」とは、過去の技術や仕組みで構築されているシステム

(注3)「リスキリング」とは、社員のスキルや職業能力の再開発及び再教育のこと。近年では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略において、新たに必要となる業務・職種に順応できるように、従業員がスキルや知識を再習得するとことを意味します。

 

(金融ソリューション事業)

金融ソリューション事業におきましては、一部案件のリリース延期により、売上が計画をやや下回る結果となりましたが、米国株ネット取引システム及び積立NISA等の受注状況は順調に推移しております。以上の結果、売上高は1,247,134千円(前年同期比8.4%減)となりました。

 

(FXシステム事業)

FXシステム事業におきましては、当事業の主力であります「TRAdING STUDIO」のスマートフォンアプリの開発の遅れにより売上は減少したものの、引き続きCFD(差金決済)システムサービスの提供は順調に推移した結果、売上高は94,420千円(同20.5%増)となりました。

 

(デジタルコマース事業)

デジタルコマース事業におきましては、「API脆弱性診断サービス」としてWebアプリケーション自動診断サービス「SecuAlive」をはじめ、大規模システム及びネットワーク診断サービスなど、多岐にわたって脆弱性診断サービスの提供に取り組んでおります。また、当中間連結会計期間よりセキュリティ診断サービス事業におきましては、大手クラウドサービス等に対する脆弱性診断のサービスを開始いたしました。ネット証券取引システムセキュリティ対策で有した豊富な技術知見をもとに、セキュリティエンジニアによるクラウド設定不備の検出や運用中に発生した脆弱性アラートの原因を特定し、安全な解決策及び運用サポートを行うサービスの提供は順調に推移いたしております。また、メタバースソリューション事業においては学校法人などの教育機関及び金融機関への共同利用型及び専用型のメタバースアプリの拡販を積極的に取り組んでおります。以上の結果、売上高94,377千円となりました。

 

(ソフトウエア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業)

ソフトウエア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業におきましては、主たる売上先となる生産管理分野へ開発業務のサービス提供が順調に推移いたしました。その結果、売上高は116,515千円(同4.5%増)となりました。

 

(基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、システム運用のコンサルティング事業)

基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、システム運用のコンサルティング事業におきましては、官公庁・金融向けパッケージソフト、電力・ガス等のエネルギー分野及び医療分野へのシステムサービスの提供は引き続き堅調に推移いたしました。その結果、売上高は387,162千円となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末における流動資産は1,432,773千円となり、前連結会計年度末に比べ391,313千円減少いたしました。これは主に売掛金が減少したことによるものであります。固定資産は1,144,168千円となり、前連結会計年度末に比べ75,083千円減少いたしました。これは主にのれん及びソフトウエアの減価償却及び投資有価証券の減損を実施したことによるものであります。

この結果、総資産は、2,576,941千円となり、前連結会計年度末に比べ466,397千円減少いたしました。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における流動負債は894,157千円となり、前連結会計年度末に比べ153,498千円減少いたしました。これは主に前受金が増加した一方で、未払金が減少したことによるものであります。固定負債は557,608千円となり、前連結会計年度末に比べ52,875千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。

この結果、負債合計は、1,451,765千円となり、前連結会計年度末に比べ206,374千円減少いたしました。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は1,125,176千円となり、前連結会計年度末に比べ260,022千円

減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する中間純損失の計上や配当金の支払により利益剰余金が減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は43.7%(前連結会計年度末は45.5%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、537,124千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は284,706千円(前年同期は127,874千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失の計上237,211千円、棚卸資産の増加額99,175千円があった一方で、売上債権の減少額363,083千円、前受金の増加額93,618千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は194,713千円(前年同期は40,954千円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出272,101千円があったことによるものであります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は143,914千円(前年同期は56,302千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出58,752千円、配当金の支払額65,543千円があったことによるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

 当中間連結会計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当中間連結会計期間において、当社の資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。

 

(9)会計上の見積り及び見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、当社の会計上の見積り及び見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。