文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を企業理念として掲げています。設立当初から掲げてまいりました「お客様の豊かさに貢献する」想いとあわせて、社会課題を解決緩和し、持続的な企業価値向上と豊かな社会の実現を目指します。
(2) 経営戦略等
当社では、更なる企業成長及び持続可能な社会への貢献を目指すべく、2022年12月期を最終年度とする3ヶ年計画「2020年度中期経営計画」を策定しました。「2020年度中期経営計画」では「投資用不動産業界のリーディングカンパニーへ」ということを大きな目標として掲げており、経営戦略としては「既存事業(レジデンス)の拡大と強化」、「商品ラインアップ(非レジデンス)の拡充」といった2つの柱を掲げています。
①既存事業(レジデンス)の拡大と強化
当社では既存事業のレジデンス事業では「アルテシモシリーズ」という単身世帯用マンションを販売しています。「アルテシモシリーズ」については「駅からチカい(近い)」「都心からチカい(近い)」「高いチカ(地価)」という「3チカ」の要件を満たすエリアで物件開発を行っています。この「3チカ」にフォーカスして更に開発を強化していきます。この既存事業では首都圏投資用不動産年間供給戸数"No.1"を目標とします。ここでの"No.1"とは年間供給戸数1,000戸以上であることを意味します。
販売戦略としてはまず1棟販売チャネルを強化します。2017年12月期~2019年12月期までの期間に1棟販売基盤を構築しました。2020年12月期より1棟販売棟数の拡大を予定しており、2022年12月期までに年間10~12棟販売する体制を確立することを目標としています。具体的な施策としては、事業会社・不動産会社・私募ファンド・私募REIT・J-REITへの販売を拡大していきます。また、富裕層顧客獲得に向け大手金融機関の顧客である富裕層に対して一般公開前の開発物件情報を優先的に提供し富裕層の個々の方の要望に沿った資産運用プランを提案する「ARTESSIMO Premium Investment(API)」の提携先拡大を進めます。販売方針としては、想定販売価格10億円程度・30戸程度の戸数を有する物件については国内外の資産家・金融機関等から紹介を受けた富裕顧客層に、想定販売価格10~30億円程度・30~60戸程度の戸数を有する物件については事業会社・不動産会社・私募ファンド・私募REITに、想定販売価格30億円以上・60戸以上の戸数を有する物件についてはJ-REITに販売していくことを想定しています。
またこれまで当社が主力としてきました区分販売についても、2022年12月期に年間460戸販売する体制を確立することを目標としています。新規投資家の獲得とリピート投資家サポートの2本柱を拡大・強化していきます。
さらに海外投資家向け販売チャネルも強化していきます。主に国内外でのセミナー開催や紹介によって海外投資家を獲得していきます。また海外の主要SNSを通じたマーケティングを積極的に展開し商品認知を向上させていきます。2022年12月期までに海外投資家向けに年間180戸販売する体制を確立することを目標としています。
以上、1棟販売、区分販売及び海外投資家向け販売という3つの販売チャネルを強化することによって、2022年12月期に既存事業のレジデンス事業において年間1,100戸の販売体制を確立することを目標としています。
②商品ラインナップ(非レジデンス)の拡充
当社はこれまでレジデンス(マンション)商品の販売によって成長を遂げてきましたが、今後は非レジデンスの商品の開拓とそれらの商品ラインナップを拡充していきます。これによりレジデンスに続く2本目の柱となるような事業を作っていきます。この非レジデンスでは2022年12月期に売上高約50億円を目指すことを目標とします。
現状では非レジデンスで以下の3点の新商品・事業を計画しています。
1点目としては商業テナントビルの開発販売を進めます。商業テナントビルについては「Frame(フレーム)」というブランド名での販売予定です(商標登録出願中)。30坪程度の敷地面積から開発可能な小規模商業テナントビルから共有スペースを配置する等のデザイン性を重視した中規模商業テナントを想定しています。商業テナントビル自体はもちろん、その地域がさらに活気に溢れるような魅力的な外観デザインと、訪れた人の思い出に残るような魅力的なテナントを招致することを予定しています。開発エリアとしては都心5区に限定し、開発規模としては1棟あたり5~20億円程度、開発期間は1~1.5年を想定しています。
2点目としてはホテル開発販売を進めます。暮らすように過ごせる都心型レジデンシャルホテルになり、「THE RESITEL(ザ・レジテル)」というブランド名での販売予定です(商標登録出願中)。国内外観光客やビジネスマンを対象とした長期滞在可能なマンション型(家電・家具付き)の中小規模ホテルであり、キッチンを配備し、ランドリースペース等も確保します。開発エリアとしては都心5区に限定し、開発規模としては1棟あたり5~20億円程度、開発期間は1.5~2年を想定しています。
3点目としてはオフィスリノベーション事業を進めます。東京ビジネス地区では、2,500棟超のオフィスストックが存在し、大部分がバブル期に竣工した築22~33年の中規模物件になります。国内企業の高まる移転需要を享受するため、当社は東京ビジネス地区での築古中規模オフィスを対象としたリノベーション販売を開始していく予定です。開発エリアとしては都心5区に限定し、開発規模としては5~30億円程度、開発期間は0.5~1年を想定しています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは中長期的な企業価値の増大を目指しています。この観点から、2022年12月期を最終年度とする3ヶ年計画「2020年度中期経営計画」において、新築マンション供給戸数年平均20%増加、経常利益年平均30%成長を数値目標として設定しています。すなわち、2022年12月期において新築マンション供給戸数年間1,100戸、経常利益30億円を数値目標として設定しています。
(4) 経営環境
東京23区への人口流入は継続しており、晩婚化や高齢化等による単身世帯の増加によりワンルームマンションの賃貸需要は底堅く推移してきました。こうした傾向は今後も暫く続くことが見込まれます。
また高齢化が進展し資産運用に対する社会的関心が高まる中、不動産投資に対する認知・需要は年々高まってきています。その中でもワンルームマンション投資に対する関心は非常に高いものとなっており、今後も一定程度の需要が安定的に見込まれます。
一方で物件開発面では都心の深刻な空き家問題といったビジネスチャンスがあるものの、当社がフォーカスする「3チカ」エリアにおいても地価は上昇してきており、今まで以上に開発体制を強化していく必要性を認識しています。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループでは、持続的な成長へ向けて、以下の経営課題に取り組んでいきます。
①仕入ルートの拡充
当社グループの事業基盤である東京23区内での事業用地や仕入物件の確保は、地価の上昇に加え、他社との競
合もあり、厳しさを増すものと想定されています。当社グループでは、自社ブランド「アルテシモ」の開発用地
の継続的、安定的な確保を実現するために、東京23区内の土地所有者と共同開発する等の新たな仕入チャネルを
増やしていきます。また、当社グループでは商業テナントビル開発やホテル開発も開始していますが、それにあ
わせて新たな仕入ルートの開拓に努めていきます。
②新規サービスの導入
当社グループでは、安定的な事業拡大には、様々な土地仕入先、販売先の開拓が必要不可欠なものと考えてい
ます。このような認識のもと、国内外富裕層に一般公開前の開発物件情報を優先的に提供し富裕層の個々の方の
要望に沿った資産運用プランを提案するサービスである「ARTESSIMO Premium Investment」の提携金融機関を増
やしています。また、東京23区高入居率地区での留学生等向けマンションのオペレーションサービスの提供を行
う「団扇-UCHIWA-」を新規事業として2019年1月1日から開始しています。
③優秀な人材の確保と育成
当社グループでは、企業理念を十分理解し、不動産全般に対する必要な知識とノウハウを持ち、お客様の信頼
を獲得できる人材を育成することが企業価値の源泉であると認識しています。こうした人材の採用と育成を重要
な経営課題の一つとして捉え、従業員社宅制度を設け、全国的に人材の採用を進めるとともに、社員の教育研修
制度・資格取得支援制度を充実させています。
④財務体質の強化
当社グループの不動産ソリューション事業における販売用不動産の購入資金は、金融機関からの借入を主とし
ています。今後の事業拡大を目指すためにも、金融機関との良好な関係を維持するとともに、資金調達手段の多
様化に取り組んでいきます。また、販売用不動産の早期売却を図り、運転資金の確保や財務基盤の拡充を図って
いきます。
⑤コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループでは、持続的な成長を図るためには、経営の健全性、透明性及び客観性を高めることが最重要で
あると考えており、コーポレート・ガバナンスの強化の取組みとして、組織体制、人員体制の強化及び意思決定
プロセスの明確化などを図ってきました。2018年12月には、当社グループが最良のコーポレート・ガバナンス
を実現するための基盤として「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」を策定し開示しています。また、役
職員に対してコンプライアンス意識を高めるための啓発活動も継続して行っており、宅地建物取引業法をはじめ
とする各種法令の遵守及び反社会的勢力排除に向けた取り組み等を経営上の重要事項として認識しています。当
社グループでは、コンプライアンス教育に積極的に取り組み、コーポレート・ガバナンスの更なる強化に努めま
す。
⑥サステナビリティの推進
当社グループでは、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」という企業理念を掲げており、「3チカ」をコ
ンセプトとした投資用不動産の開発を継続していくことで社会問題を解決・緩和し持続可能な社会の実現に貢献
することが当社グループの持続的な成長にもつながると考えています。このような認識のもと、「3チカ」によ
るコンパクトシティ推進及び商業テナントビル・ホテル・オフィスビルといった投資用不動産商品の多様化に取
り組んでいきます。このことが資産価値の保全を通じた年金問題・相続問題の緩和・解消につながったり、就
労・通学環境の利便性向上を通じた温暖化対策・防災対策につながったりすると考えています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 法的規制等に関するリスク
①法的規制について
当社グループの属する不動産業界は、国土利用計画法、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律、住宅の品質確保の促進などに関する法律、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、不動産特定共同事業法等により、多数の法的規制を受けています。
当社グループの主要事業においては、事業活動に際して、これらの法的規制に対応した社内体制を構築しており、現在、当該免許及び許認可等が取消となるおそれのある事由は発生していません。しかしながら今後、何らかの理由によりこれらの免許、登録、許可の取消し等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
法的規制について、その有効期間やその他の期限が法令等により定められているものは次のとおりです。
|
許認可等の名称 |
会社名 |
許認可番号等/有効期間 |
規制法令 |
免許取消 |
|
宅地建物取引業者免許 |
㈱グローバル・リンク・マネジメント |
東京都知事(3)第84454号 2015年5月14日~2020年5月13日 |
宅地建物取引業法 |
第5条、 第66条等 |
|
宅地建物取引業者免許 |
㈱グローバル・リンク・パートナーズ |
東京都知事(3)第88653号 2017年12月22日~2022年12月21日 |
宅地建物取引業法 |
第5条、 第66条等 |
|
マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録 |
㈱グローバル・リンク・マネジメント |
国土交通大臣(3)第033627号 2020年2月16日~2025年2月15日 |
マンションの管理の適正化の推進に関する法律 |
第47条、 第83条等 |
|
不動産特定共同事業者許可 |
㈱グローバル・リンク・マネジメント |
金融庁長官・国土交通大臣・東京都知事第114号
|
不動産特定共同事業法 |
第36条
|
また、東京23区においては、コンパクトタイプのマンションの建設を規制する条例が制定されています。具体的には、25㎡以上等への最低住戸面積の引き上げ、一定面積以上の住戸の設置義務付け等があります。当社グループでは、これらの条例等に沿った物件の開発を行っており、現時点においては、当該規制が当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性は小さいと認識しています。しかしながら、今後さらに各地方自治体による規制強化が進められた場合は、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
その他海外投資家が当社グループ販売物件を購入する場合があります。その際に海外の法律が適用され、法的規制を受ける可能性があります。
②瑕疵担保責任(契約不適合責任)について
当社グループでは、販売した物件について住宅瑕疵担保責任保険に加入しています。しかし、当社グループが販売した物件に、当該保険の対象とならない重大な瑕疵があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、土地の取得にあたり、売買契約前に土地履歴や土壌汚染対策法の指定区域か否かなど土壌汚染の有無について事前調査を実施し、必要に応じて対策工事を実施しています。
しかしながら、上記調査にて認識できない土壌汚染が契約後に発見され、追加費用の発生や当初スケジュールの変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営環境に関するリスク
①経済状況や不動産市況等の影響について
当社グループの主力事業である不動産ソリューション事業は、景気動向、金利動向、競合による供給過剰による販売価格の下落、不動産関連税制等の影響を大きく受ける傾向があります。将来、このような事態が発生した場合には、顧客の購買意欲の低下となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②災害発生リスクについて
地震・感染症等の自然災害及び不測の人災により、景気動向、経済情勢、金利動向等が悪化した場合、顧客の購買意欲の低下や空室の長期化、完成遅延等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社グループの事業体制に関するリスク
①事業について
当社グループが開発・販売する投資用不動産は、主に資産運用を目的として購入されますが、一般的にマンションによる資産運用には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃貸収入の低下、金利上昇による借入金返済負担の増加など収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在します。当社グループは、顧客に対してはこれらの投資リスクについて十分説明を行い、理解の上で売買契約を締結すべく、営業担当社員のコンプライアンス教育を徹底しています。
また、当社グループとして、投資家に、投資用不動産の購入、入居者募集・集金代行・建物維持管理に至るまでのワンストップサービスを提供することで、オーナーの長期的かつ安定的なマンション経営をサポートし、空室の発生や資産価値下落等のリスク低減に取り組んでいます。
しかしながら、今後、営業担当社員の説明不足等が原因で投資リスクに対する理解が不十分なままマンションが販売されること等により、オーナーからの訴訟等が発生した場合、当社グループの信頼が損なわれることに繋がり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、景気、社会情勢の変化や自然災害等により、入居率の悪化や家賃相場の大幅な下落、金融機関の融資姿勢の変化や急激な金利上昇等が発生した場合、顧客のマンション経営に支障をきたす可能性があります。その場合、顧客のマンション経営と密接な関係がある当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②訴訟等の可能性について
当社グループは、マンション建設にあたっては、関係する法律、地方自治体の条例等を十分検討したうえで、周辺環境との調和を重視した開発計画を立案するとともに、周辺住民に対し事前に説明会を実施する等コンプライアンスの重要性を強く認識し、十分な対応に努めています。しかしながら、開発段階における建設中の騒音、当該近隣地域の日照・眺望問題等の発生に起因する開発遅延や、分譲後における瑕疵等を理由とするクレーム、販売時の説明不足に起因する顧客からのクレーム等により、訴訟等が発生する可能性があります。訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③営業エリアについて
当社グループは、主に東京23区エリアに経営資源を集中することにより効率的な事業運営を行っています。このことから、当該エリアの経済状況、雇用状況、賃貸需要、地価の動向等の影響を受ける可能性があります。また当該エリアにおいて、自然災害やテロ等の不測の事態が発生し、事業環境が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④仕入について
当社グループでは、東京23区内を中心とした仕入に努めていますが、当該エリアは競合他社も多く、今後は競争が激化する可能性があり、何らかの事情により十分な不動産関連情報の入手が困難となった場合や、仕入に必要な資金が十分に調達できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤建築工事の外注について
当社グループでは、建築工事については建設会社に外注しています。発注先である建設会社の選定にあたっては、施工能力、施工実績、財務内容等を総合的に勘案したうえで行っており、また、工事着工後においては、施工者、設計者及び当社グループによる工程ごとの管理を実施すること等により工事遅延防止や品質管理に努めています。しかしながら、発注先である建設会社が経営不安に陥った場合や物件の品質に問題が発生した場合等、取引関係に急激な関係の変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥業者向けの販売に関して
当社グループは、土地及び自社開発物件を不動産業者に販売する場合があります。不動産業者向けの販売を行う際には、事前に当該会社の財務内容等の与信を十分調査した上で販売を行っていますが、販売先に不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦引渡し時期による業績変動について
当社グループの主力事業である不動産ソリューション事業においては、マンションの売買契約成立後、顧客への引渡しをもって売上が計上されます。そのため、四半期ごとに当社グループの業績を見た場合、引渡しのタイミングにより売上高及び利益に偏りが生じる可能性があります。また、天災その他予想し得ない事態による建築工期の遅延等、不測の事態が発生し、引渡しの遅延が生じた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧在庫に関するリスク
当社グループは、東京23区内のエリアを中心に土地を仕入れ、物件の早期販売に取り組んでいますが、不動産関連税制の改正、景気悪化や予期せぬ社会情勢の変化、金利の急激な上昇等が発生した場合には、販売の低迷により完成在庫が増加し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2008年9月26日)の適用により、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産に対して評価損が計上された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨賃貸管理物件について
当社グループでは、自社販売物件のオーナーに対して、一定期間(契約期間最大35年間、原則7年毎のサブリース賃料改定とし、賃料が下がる場合、下げ幅を最大5%に制限)賃貸物件を借り上げ、契約で定められた賃料を支払い、入居者に転貸するサブリース業務を行っていますが、当該物件において競合他社の供給状況や不測の事態の発生により、入居者からの不動産賃貸収入が想定以上に減少した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩有利子負債への依存について
当社グループは、土地の仕入資金を主として金融機関からの借入金によって調達しています。当社グループでは、財政状態の健全性を維持するため手元資金とのバランスを考えながら借入額や借入時期を調整していますが、市場金利が上昇する局面や、不動産業界又は当社の調達金利が上昇した場合には、支払利息が増加し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資金調達に際しては、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診し、融資の了解を得た後に各プロジェクトを進行させています。しかしながら、何らかの要因により当社グループが必要とする資金調達に制約を受けた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪情報資産の管理について
当社グループは、ISMS/ISO27001の認証を取得しており、取得した情報資産については、データアクセス権限の設定、データ通信の暗号化、外部侵入防止施策等により、ISO27001の要求事項に基づき、流出の防止を図っています。また、情報セキュリティに関する社内規則を定め、セキュリティ意識の向上に努めています。特に個人情報の取り扱いについては、細心の注意を払っていますが、今後、個人情報の不正使用、その他不測の事態によって外部流出が発生した場合、当社グループへの信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑫海外投資家向け販売について
当社グループは、海外投資家にも物件を販売しており、海外投資家からの海外送金が発生する場合があります。海外規制当局による海外送金規制の強化等、何らかの理由により海外投資家からの海外送金が滞りなく行われない場合、当社グループの事業が進捗せず、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また海外投資家に販売している物件の中には海外留学生が入居している物件もあります。海外留学生の入居に際しては十分な入居審査を行っていますが、入居審査時に捕捉されなかった不備事項が発覚する等により海外留学生の退去が生じる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、海外経済の減速や自然災害などの影響から輸出・生産や企業マインド面に弱めの動きがみられるものの、所得から支出への前向きな循環メカニズムが働くことで、基調としては緩やかに拡大しました。
投資用マンション市場においては、東京23区を中心とした首都圏のワンルームマンションの賃貸需要は引き続き底堅く推移しています。また2019年上期(1~6月)に供給された首都圏の投資用マンションの平均価格・㎡単価は前年同期に比べ共に下落していますが(株式会社不動産経済研究所調べ)、直近数年間の期間で見ると首都圏の投資用マンションの平均価格・㎡単価は共に上昇傾向にあります。このような傾向があるものの、良好な融資環境の下、投資家の需要も堅調に推移しています。
以上のような環境の下、当社グループは、東京23区を中心としたエリアにおいて、開発から管理までをワンストップで提供する不動産ソリューションサービスを主力として事業活動に取り組みました。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、25,086,370千円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。売上原価は、20,903,262千円(同10.5%増)となり、売上総利益は4,183,107千円(同12.0%増)、売上総利益率は16.7%(前連結会計年度は16.5%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,618,167千円(前連結会計年度比3.7%増)となり、販管費率は10.4%(前連結会計年度は11.1%)と低下しました。この結果、営業利益は1,564,940千円(前連結会計年度比29.3%増)、営業利益率は6.2%(前連結会計年度は5.3%)となり、経常利益は1,364,923千円(前連結会計年度比20.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は867,177千円(同14.8%増)となりました。
<セグメント情報>
セグメントごとの業績(売上高は外部顧客への売上高)は次のとおりです。
(不動産ソリューション事業)
当連結会計年度の販売戸数は702戸(前連結会計年度実績692戸)となりました。内訳としては、BtoC(個人投資家向けの販売)で352戸(同413戸)、BtoB(同業他社含む法人向けの販売)で350戸(同279戸)となりました。BtoCの中には、海外投資家向けの販売79戸(同61戸)が含まれています。
この結果、売上高22,611,900千円(前連結会計年度比11.5%増)、営業利益1,377,123千円(同29.3%増)となりました。
(プロパティマネジメント事業)
当連結会計年度は、「アルテシモ」シリーズの販売に伴い、管理戸数が当連結会計年度末において2,245戸(前連結会計年度末2,128戸)となり、オーナーに対するサブリース契約、集金代行業務の契約が共に伸長しました。
この結果、売上高2,474,469千円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益187,816千円(同29.8%増)となりました。
ロ.財政状態
当連結会計年度末において、流動資産15,581,038千円(前連結会計年度末比38.1%増)、固定資産577,094千円(同40.6%増)、流動負債6,276,640千円(同37.9%増)、固定負債6,028,066千円(同48.4%増)、純資産合計3,853,427千円(同25.2%増)となりました。
(資産)
流動資産において、現金及び預金が169,864千円減少し1,887,844千円、販売用不動産が1,029,841千円減少し1,360,337千円となった一方で、仕掛販売用不動産が5,476,714千円増加し11,773,598千円となりました。
固定資産において、敷金等の増加によりその他が155,737千円増加し268,121千円となりました。
(負債)
流動負債において、短期借入金が673,120千円減少し1,419,232千円となった一方で、1年以内返済予定の長期借入金が2,158,512千円増加し3,805,329千円となりました。
固定負債において、長期借入金が1,968,768千円増加し5,930,326千円となりました。
(純資産)
純資産において、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、利益剰余金が772,841千円増加し3,053,232千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ212,894千円減少し1,819,644千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により支出した資金は3,299,230千円(前連結会計年度は5,362,030千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,364,923千円の計上、たな卸資産の増加額4,445,272千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は262,652千円(前連結会計年度は21,272千円の収入)となりました。これは主に、差入保証金の差入による支出182,409千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により得られた資金は3,348,988千円(前連結会計年度は5,387,841千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入7,160,912千円、短期借入れによる収入3,039,832千円、短期借入金の返済による支出3,712,952千円、長期借入金の返済による支出3,037,987千円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
該当事項はありません。
ロ.受注実績
該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
||
|
戸数 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
不動産ソリューション事業 |
702 |
22,611,900 |
11.5 |
|
プロパティマネジメント事業 |
― |
2,474,469 |
4.7 |
|
合計 |
702 |
25,086,370 |
10.8 |
(注) 1.上記金額には、消費税等を含んでいません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しています。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおり
です。
|
区分 |
販売先 |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
不動産ソリューション事業 |
株式会社木下不動産(注)2 |
2,704,188 |
11.9 |
― |
― |
|
東京レジ5合同会社(注)3 |
― |
― |
2,700,578 |
10.8 |
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(注) 1.上記金額には、消費税等を含んでいません。
2.株式会社木下不動産の当連結会計年度については、販売実績がないため、記載していません。
3.東京レジ5合同会社の前連結会計年度については、販売実績がないため、記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えています。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮したうえで行っていますが、結果としてこれらの見積りと実績が異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は25,086,370千円となり、前連結会計年度に比べて2,442,311千円増加しました。こ
れは主に当連結会計年度においては前連結会計年度に比べて販売価格の高い物件が多かったこと、当連結会計年
度において土地企画販売が発生したことによります。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は20,903,262千円となり、前連結会計年度に比べて1,993,136千円増加しました。
また当連結会計年度の売上総利益は4,183,107千円となり、前連結会計年度に比べて449,175千円増加しまし
た。これは増収効果により当連結会計年度の売上総利益が402,729千円増加したこと、売上総利益率の改善(前連
結会計年度16.49%、当連結会計年度16.67%)により当連結会計年度の売上総利益が46,446千円増加したことによ
ります。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,618,167千円となり、前連結会計年度に比べて94,118千円増加し
ました。人件費が前連結会計年度に比べて63,941千円増加しています。これは主に当社グループの従業員数が増
加したことによります(従業員数:前連結会計年度末93名、当連結会計年度末114名)。また支払手数料が43,121千
円増加しています。これは主に借入金増加に伴い融資事務手数料が増加したこと、業容の拡大に伴い業者への支
払が増加したことによります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は1,564,940千円となり、前連結会計年度に比べて355,056千円増加しま
した。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は3,556千円となり、前連結会計年度に比べて47,382千円減少しました。これは
主に前期発生した保険解約返戻金(43,310千円)が当期発生しなかったことによるものです。また、当連結会計年
度の営業外費用は203,573千円となり、前連結会計年度に比べて74,807千円増加しました。これは主に借入金増
加に伴い支払利息が88,436千円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度の経常利益は1,364,923千円となり、前連結会計年度に比べて232,867千円増加しま
した。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加減したもの)は497,745千円とな
り、前連結会計年度に比べて121,074千円増加しました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は867,177千円となり、前連結会計年度に比べ
て111,792千円増加しました。
ロ.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産については、16,158,133千円となり、前連結会計年度末に比べ4,466,393千円増加し
ました。これは主に2020年12月期以降に販売する物件を積み上げたことによる仕掛販売用不動産の増加
5,476,714千円によるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債については、12,304,706千円となり、前連結会計年度末に比べ3,691,171千円増加し
ました。これは主に仕掛販売用不動産の増加に見合って借入を増加させたことによる1年内返済予定の長期借入
金の増加2,158,512千円、長期借入金の増加1,968,768千円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産については、3,853,427千円となり、前連結会計年度末に比べ775,221千円増加しま
した。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益867,177千円による利益剰余金の増加772,841千円によるもの
です。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシ
ュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資金需要の主なものは販売用不動産・仕掛販売用不動産取得に伴うものであり、その調達手段は主として金融機関からの借入金によっています。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、2022年12月期を最終年度とする3ヶ年計画「2020年度中期経営計画」を推進しています。その概要については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」に記載のとおりです。「2020年度中期経営計画」では「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、新築マンション供給戸数と経常利益を特に重要な指標と捉えており、2022年12月期において新築マンション供給戸数年間1,100戸、経常利益30億円を数値目標として設定しています。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制、不動産市況、事業体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、仕入ルートの拡充、優秀な人材の育成・採用、財務体質の強化、コーポレートガバナンスの強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めていきます。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。